(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態に係る転写装置、画像形成装置、転写方法の一例を
図1〜
図8に従って説明する。なお、各図に示す矢印Hは装置上下方向であって鉛直方向を示し、矢印Wは装置幅方向であって水平方向を示す。
【0019】
<画像形成装置の全体構成>
図8は、画像形成装置10を正面側から見た全体構成を示す概略図である。この図に示される如く、画像形成装置10は、電子写真方式により記録媒体としてのシート部材Pに画像を形成する画像形成部12と、シート部材Pを搬送する媒体搬送装置50と、画像が形成されたシート部材Pに対する後処理等を行う後処理部60と、を含んで構成されている。
【0020】
さらに、画像形成装置10は、前述の各部及び後述の電源部80の制御を行う制御部70、及び制御部70を含む上記各部に電力を供給する電源部80を含んで構成されている。
【0021】
また、画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像をシート部材Pに転写する転写装置30と、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置40と、を含んで構成されている。
【0022】
媒体搬送装置50は、画像形成部12にシート部材Pを供給する媒体供給部52と、トナー画像が形成されたシート部材Pを排出する媒体排出部54と、を含んで構成されている。また、媒体搬送装置50は、シート部材Pの両面に画像を形成させる際に用いられる媒体戻し部56と、後述する中間搬送部58と、を含んで構成されている。
【0023】
後処理部60は、画像形成部12でトナー画像が転写されたシート部材Pを冷却する媒体冷却部62と、シート部材Pの湾曲を矯正する矯正装置64と、シート部材Pに形成された画像を検査する画像検査部66と、を含んで構成されている。後処理部60を構成する各部は、媒体搬送装置50の媒体排出部54中に配置されている。
【0024】
媒体搬送装置50の媒体排出部54を構成する排出媒体受け部541を除き、各部が画像形成装置10の筐体90内に収容されている。この実施形態における筐体90は、装置幅方向に隣り合う第1筐体91及び第2筐体92より成る2分割構造とされている。これにより、画像形成装置10の搬送単位が装置幅方向に小型化されている。
【0025】
第1筐体91には、後述する定着装置40を除く画像形成部12の主要部と、媒体供給部52とが収容されている。第2筐体92には、画像形成部12を構成する定着装置40と、排出媒体受け部541を除く媒体排出部54と、媒体冷却部62と、画像検査部66と、媒体戻し部56と、制御部70と、電源部80とが収容されている。第1筐体91と第2筐体92とは、一例として図示しないボルト・ナット等の締結手段によって結合されている。この結合状態で第1筐体91と第2筐体92との間には、画像形成部12の後述する転写ニップNTから定着ニップNFへのシート部材Pの連絡開口部90C1、及び媒体戻し部56から媒体供給部52へのシート部材Pの連絡路90C2が形成されている。
【0026】
(画像形成部)
画像形成部12は、前述の通りトナー画像形成部20と、転写装置30と、定着装置40と、を含んで構成されている。トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。この実施形態では、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計6色のトナー画像形成部20が設けられている。
図7に示す(V)、(W)、(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色を示している。転写装置30は、6色分のトナー画像が重畳して一次転写された転写ベルト31から、転写ニップNTにおいてシート部材Pに6色分のトナー画像を転写するようになっている(詳細は後述)。
【0027】
なお、本実施例では、一例として、第1特別色(V)は、画像に金属光沢又は光輝感(キラキラ感)を付加するための扁平顔料を含むトナーが用いられる銀色である。一方、第2特別色(W)は、他の色に比して頻繁に使用されるユーザ特有のコーポレート色とされる。なお、銀色のトナー、及び銀色のトナーを用いて画像を形成する際の制御部70による各部の制御については後述する。
【0028】
〔トナー画像形成部〕
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。したがって、以下、各色の画像形成ユニット14について、特に区別することなく説明する。トナー画像形成部20の画像形成ユニット14は、
図6に示されるように、像保持体の一例である感光体ドラム21と、帯電器22と、露光装置23と、現像器の一例である現像装置24と、清掃装置25と、除電装置26とを含んで構成されている。
【0029】
[感光体ドラム]
感光体ドラム21は、円筒状に形成されて接地され、図示しない駆動手段によって自軸周りに回転駆動されるようになっている。感光体ドラム21の表面には、一例として負の帯電極性を呈する感光層が形成されている。
図7に示される如く、各色の感光体ドラム21は、正面視で装置幅方向に沿って直線状に並べて配置されている。
【0030】
[帯電器]
帯電器22は、
図6に示されるように、感光体ドラム21の表面(感光層)を負極性に帯電させるようになっている。この実施形態では、帯電器22は、コロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器とされている。
【0031】
[露光装置]
露光装置23は、感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成するようになっている。具体的には、制御部70を構成する画像信号処理部71(
図8参照)から受け取った画像データに応じて、変調した露光光Lを帯電器22により帯電された感光体ドラム21の表面に照射するようになっている。この露光装置23による露光光Lの照射によって、感光体ドラム21の表面には静電潜像が形成される。
【0032】
[現像装置]
現像装置24は、トナーを含む現像剤Gで感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像することで、感光体ドラム21の表面にトナー画像を形成するようになっている。そして、現像装置24は、トナーを保持するトナーカートリッジ27(
図8参照)からトナーが供給されるようになっている。
【0033】
[清掃装置]
清掃装置25は、転写装置30へのトナー画像の転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを感光体ドラム21の表面から掻き取るブレード状とされている。
【0034】
[除電装置]
除電装置26は、転写後の感光体ドラム21に光を照射して除電を行う。これにより、感光体ドラム21の表面の帯電履歴がキャンセルされるようになっている。
【0035】
〔転写装置〕
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像をシート部材Pに二次転写するようになっている。以下、具体的に説明する。
【0036】
[転写ベルト]
転写ベルト31は、
図7に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、
図7に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。
【0037】
また、複数のロール32のうち、
図7に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、
図7に示すロール32Bは、後述する二次転写ロール34の対向ロールとして機能する。ロール32Bには、前述の通り逆さ鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
【0038】
[一次転写ロール]
この転写ベルト31の内側には、
図6に示されるように、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写させる転写部の一例である一次転写ロール33が配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。
【0039】
また、一次転写ロール33に転写電圧を印加する印加部102が備えられ、一次転写ロール33には、印加部102によってトナー極性とは逆極性の転写電圧が印加されるようになっている。この転写電圧の印加により、感光体ドラム21に形成されたトナー画像が転写ベルト31に転写されるようになっている。
【0040】
なお、印加部102によって一次転写ロール33に印加される転写電圧については詳細を後述する。
【0041】
[二次転写ロール]
また、転写装置30は、
図1に示されるように、転写ベルト31に重畳されたトナー画像をシート部材Pに転写する転写部の一例としての二次転写ロール34を備えている。二次転写ロール34は、接地されたロール32Bとの間に転写ベルト31を挟むように配置され、転写ベルト31との間に転写ニップNTを形成している。この転写ニップNTには、媒体供給部52から適時にシート部材Pが供給されるようになっている。
【0042】
また、二次転写ロール34に転写電圧を印加する印加部104が備えられ、二次転写ロール34には、印加部104によってトナー極性とは逆極性の転写電圧が印加されるようになっている。この転写電圧の印加により、転写ニップNTを通過するシート部材Pに、転写ベルト31からシート部材Pにトナー画像が転写されるようになっている。
【0043】
なお、印加部104によって二次転写ロール34に印加される転写電圧については詳細を後述する。
【0044】
[清掃装置]
さらに、転写装置30は、
図7に示されるように、二次転写後に転写ベルト31を清掃する清掃装置35を備えている。清掃装置35は、転写ベルト31の周回方向において、二次転写が行われる部分(転写ニップNT)の下流側で、かつ一次転写が行われる部分の上流側に配置されている。清掃装置35は、転写ベルト31の表面に残留したトナーを転写ベルト31の表面から掻き取るブレード351を備えている。
【0045】
〔定着装置〕
定着装置40は、転写装置30においてトナー画像が転写されたシート部材Pに、該トナー画像を定着させるようになっている。この実施形態では、定着装置40は、複数のロール413に巻き掛けられた定着ベルト411と加圧ロール42とで形成される定着ニップNFにおいてトナー画像を加熱しつつ加圧することで、トナー画像をシート部材Pに定着する構成とされている。なお、ロール413Hは、内部に例えばヒータを備えると共に図示せぬモータから伝達される駆動力により回転する加熱ロールとされている。これにより、定着ベルト411が矢印R方向に周回するようになっている。
【0046】
また、加圧ロール42も図示せぬモータから伝達される駆動力により、定着ベルト411の周速度と同様の周速度で回転するようになっている。
【0047】
(媒体搬送装置)
図8に示されるように、媒体搬送装置50は、媒体供給部52と、媒体排出部54と、媒体戻し部56と、中間搬送部58と、を含んで構成されている。
【0048】
〔媒体供給部〕
媒体供給部52は、シート部材Pが積載して収容される収容器521を備えている。この実施形態では、収容器521は、転写装置30に対して下方で装置幅方向に沿って2つ並べて配置されている。
【0049】
各収容器521から二次転写位置である転写ニップNTまでには、複数の搬送ロール対522及び図示しないガイド等によって媒体供給経路52Pが形成されている。媒体供給経路52Pは、2箇所の折返部52P1、52P2において装置幅方向に折り返されて上昇しつつ転写ニップNTに至る形状(略「S」字状)を成している。
【0050】
そして、各収容器521の上側には、収容器521に積載された最上位のシート部材Pを送り出す送出ロール523が配置されている。複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向の最上流側の搬送ロール対522Sは、送出ロール523によって収容器521から重なって送り出されたシート部材Pを一枚ずつに分離する分離ロールとして機能する。また、複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向において転写ニップNTの直上流に位置する搬送ロール対522Rは、転写ベルト31上のトナー画像の移動タイミングとシート部材Pの搬送タイミングを合わせるように動作されるようになっている。
【0051】
また、媒体供給部52は、予備搬送経路52Prを備えている。予備搬送経路52Prは、第1筐体91の第2筐体92側とは反対側の開口部91Wから発し、媒体供給経路52Pの折返部52P2に合流している。予備搬送経路52Prは、第1筐体91の開口部91W側に隣接して配置されるオプションの記録媒体供給装置(図示省略)から送り出されたシート部材Pを画像形成部12に送り込む際の搬送経路とされている。
【0052】
〔中間搬送部〕
図7に示されるように、中間搬送部58は、転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFまでの間に配置され、ロールに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトを備えたベルト搬送部581を複数備えている。
【0053】
搬送部581の内側から空気を吸引(負圧吸引)してシート部材Pを搬送ベルトの表面に吸い付けながら搬送ベルトが周回してシート部材Pを搬送するようになっている。
【0054】
〔媒体排出部〕
図8に示されるように、媒体排出部54は、画像形成部12の定着装置40でトナー画像が定着されたシート部材Pを、第2筐体92における第1筐体91側とは反対側の端部に形成された排出口92Wから筐体90の外部に排出するようになっている。
【0055】
媒体排出部54は、排出口92Wから排出されたシート部材Pを受ける排出媒体受け部541を備えている。
【0056】
この媒体排出部54は、定着装置40(定着ニップNF)から排出口92Wまでにシート部材Pを搬送する媒体排出経路54Pを有する。媒体排出経路54Pは、ベルト搬送部543、複数のロール対542、及び図示しないガイド等によって形成されている。そして、複数のロール対542のうち、シート部材Pの排出方向の最下流に配置されたロール対542Eは、シート部材Pを排出媒体受け部541上に排出する排出ロールとして機能する。
【0057】
〔媒体戻し部〕
媒体戻し部56は、複数のロール対561を備えている。複数のロール対561は、両面に画像を形成する要求がある場合に、画像検査部66を通過したシート部材Pが送り込まれる反転経路56Pを形成している。反転経路56Pは、分岐パス56P1と、搬送パス56P2と、反転パス56P3とを有する。分岐パス56P1は、媒体排出経路54Pから分岐されている。搬送パス56P2は、分岐パス56P1から受け取ったシート部材Pを媒体供給経路52Pに送り込むようになっている。反転パス56P3は、搬送パス56P2の途中に設けられ、搬送パス56P2を搬送されるシート部材Pの搬送方向を逆向きに折り返すことで(スイッチバック搬送させて)表裏を反転させるようになっている。
【0058】
(後処理部)
後処理部60を構成する媒体冷却部62、矯正装置64、及び画像検査部66は、媒体排出部54の媒体排出経路54P上において分岐パス56P1の分岐部分に対するシート部材Pの排出方向の上流側に、排出方向の上流側からこの順で配置されている。
【0059】
〔媒体冷却部〕
媒体冷却部62は、シート部材Pの熱を吸収する吸熱装置621と、シート部材Pを吸熱装置621に押し付ける押付装置622とを備えている。吸熱装置621は、媒体排出経路54Pに対する上側に配置され、押付装置622は、媒体排出経路54Pに対する下側に配置されている。
【0060】
吸熱装置621は、無端状の吸熱ベルト6211と、吸熱ベルト6211を支持する複数のロール6212と、吸熱ベルト6211内に配置されたヒートシンク6213と、ヒートシンク6213を冷却するためのファン6214とを含んで構成されている。
【0061】
吸熱ベルト6211は、外周面においてシート部材Pと熱交換可能に接触する。複数のロール6212のうち、ロール6212Dは、吸熱ベルト6211に駆動力を伝達する駆動ロールとして機能する。ヒートシンク6213は、媒体排出経路54Pに沿った定められた範囲で吸熱ベルト6211の内周面に摺動可能に面接触されている。
【0062】
押付装置622は、無端状の押付ベルト6221と、押付ベルト6221を支持する複数のロール6222とを備えている。押付ベルト6221は、複数のロール6222に巻き掛けられている。押付装置622は、シート部材Pを吸熱ベルト6211(ヒートシンク6213)へ押し付けながら、吸熱ベルト6211とでシート部材Pを搬送するようになっている。
【0063】
〔矯正装置〕
媒体排出部54における媒体冷却部62の下流側には、矯正装置64が設けられている。矯正装置64は、媒体冷却部62から受け取ったシート部材Pの湾曲(カール)を矯正するようになっている。
【0064】
〔画像検査部〕
媒体排出部54における矯正装置64の下流側には、画像検査部66の主要部を成すインラインセンサ661が配置されている。インラインセンサ661は、シート部材Pに照射しシート部材Pから反射された光に基づいて、定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度を検出するようになっている。
【0065】
<画像形成装置の画像形成動作(作用)>
次に、画像形成装置10によるシート部材Pへの画像形成工程、及び、その後処理工程の概要を説明する。
【0066】
図8に示されるように、画像形成指令を受けた制御部70は、トナー画像形成部20、転写装置30、定着装置40を作動させる。これにより、
図6に示されるように、各色の画像形成ユニット14の感光体ドラム21、現像装置24の現像ロール242が回転され、転写ベルト31が周回される。また、加圧ロール42が回転されると共に、定着ベルト411が周回される。さらに、これらの動作に同期して、制御部70は、媒体搬送装置50等を作動させる。
【0067】
これにより、各色の感光体ドラム21は、回転されながら帯電器22によって帯電される。また、制御部70は、画像信号処理部で画像処理が施された画像データを、各露光装置23に送る。各露光装置23は、画像データに応じて各露光光Lを出射して、帯電した各感光体ドラム21に露光する。すると、各感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム21に形成された静電潜像は、現像装置24から供給される現像剤によって現像される。これにより、各色の感光体ドラム21には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のうち、対応する色のトナー画像が形成される。
【0068】
各色の感光体ドラム21に形成された各色のトナー画像は、各色の一次転写ロール33を通じた転写電圧の印加によって、周回する転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、6色分のトナー画像が重畳された重畳トナー画像が形成される。この重畳トナー画像は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。
【0069】
この転写ニップNTには、
図8に示されるように、媒体供給部52の搬送ロール対522Rによって重畳トナー画像の搬送にタイミングを合わせてシート部材Pが供給される。この転写ニップNTにおいて転写電圧が印加されることで、転写ベルト31から重畳トナー画像がシート部材Pに転写される。
【0070】
トナー画像が転写されたシート部材Pは、中間搬送部58によって転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFに向けて、搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過するシート部材Pに熱及び圧力を付与する。これにより、シート部材Pに転写されたトナー画像が定着される。
【0071】
定着装置40から排出されたシート部材Pは、媒体排出部54によって装置外の排出媒体受け部541に向けて搬送されつつ、後処理部60により処理が施される。定着工程により加熱されたシート部材Pは、先ず媒体冷却部62において冷却される。次いで、シート部材Pは、矯正装置64によって湾曲が矯正される。さらに、シート部材Pに定着されたトナー画像は、画像検査部66によって、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度が検出される。そして、シート部材Pは、媒体排出部54に排出される。
【0072】
一方、シート部材Pの画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)、制御部70は、画像検査部66の通過後のシート部材Pの搬送経路を、媒体排出部54の媒体排出経路54Pから媒体戻し部56の分岐パス56P1に切り替える。これによりシート部材Pは、反転経路56Pを経由して表裏反転されて媒体供給経路52Pに送り込まれる。このシート部材Pの裏面には、前述した表面への画像形成工程と同様の工程で画像が形成(定着)される。このシート部材Pは、前述した表面への画像成形後の処理工程と同様の工程を経て、媒体排出部54によって装置外の排出媒体受け部541に排出される。
【0073】
<要部構成>
次に、第1特別色(V)に用いられる銀色のトナー等ついて説明する。
【0074】
(トナー)
第1特別色(V)として用いられる銀色のトナー(以下単に「銀色トナー」と記載する)は、
図3(A)に示されるように、扁平顔料の一例としての顔料110とバインダー樹脂111とを含んで構成されおり、光輝感(キラキラ感)又は金属光沢感を有する画像が得られるようになっている。
【0075】
顔料110は、一例としてアルミニウムから構成されている。そして、顔料110を平面に置いた状態で側方から見ると、顔料110は、
図5(B)に示されるように、図中左右方向(Y方向)の寸法が図中上下方向(X方向)の寸法に対して長くなる形状とされている。顔料110は、左右方向の寸法と上下方向の寸法との寸法比が、後述の他色トナーの顔料における当該寸法比よりも大きくされている。
【0076】
また、
図5(B)に示す顔料110を図中上方から見ると、顔料110は、
図5(A)に示されるように、側方から見た形状に対して広がった形状とされ、顔料110は、顔料110を平面に置いた状態(
図5(B)参照)で、上方及び下方を向く一対の反射面110A(扁平面の一例)を有している。そして、この顔料110は、扁平形状とされている。
【0077】
このように、本第1実施形態では、トナー画像形成部20Vは、顔料110を含むトナーを用いてトナー画像を形成する第一画像部の一例として機能する。
【0078】
一方、トナー画像形成部20W、20Y、20M、20C、20K(以下、20W〜20Kと示す)で用いられる第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナーは、扁平顔料を含まず、扁平顔料以外の顔料(例えば、有機顔料、無機顔料)とバインダー樹脂とを含んで構成されている。当該顔料は、顔料110に比して、球形状に近い形状をしている。なお、本明細書では、説明の便宜上、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)を「他色」と称し、他色のトナーを「他色トナー」と称する。
【0079】
このように、本第1実施形態では、トナー画像形成部20W〜20Kは、扁平顔料を含まないトナーを用いてトナー画像を形成する第二画像部の一例として機能する。
【0080】
また、本第1本実施形態の画像形成装置10は、他色トナーによるトナー画像をシート部材Pに形成せずに、銀色トナーによるトナー画像をシート部材Pに形成する態様(単色モード)と、銀色トナーによるトナー画像をシート部材Pに形成せずに、他色トナーの少なくとも1つによるトナー画像をシート部材Pに形成する態様(他色モード)と、銀色トナーによるトナー画像と他色トナーの少なくとも1つによるトナー画像とをシート部材Pに形成する態様(混色モード)と、を有している。なお、混色モードでは、銀色トナーによるトナー画像と他色トナーによるトナー画像とが重ねられる場合と、銀色トナーによるトナー画像と他色トナーによるトナー画像とが隣接して配置される場合とがある。
【0081】
さらに、単色モードは、光輝感(キラキラ感)を向上させる単色光輝感モードと、金属光沢感を向上させる単色光沢感モードとを備えている。同様に、混色モードは、光輝感(キラキラ感)を向上させる混色光輝感モードと、金属光沢感を向上させる混色光沢感モードとを有している。
【0082】
(印加部)
一次転写ロール33に転写電圧としての直流電圧を印加する印加部102は、
図6に示されるように、制御部70によって転写電圧が制御されるようになっている。
【0083】
一方、二次転写ロール34に転写電圧を印加する印加部104は、
図1に示されるように、直流電圧を二次転写ロール34に印加する直流印加部の一例としての直流印加部104Aと、交流電圧を二次転写ロール34に印加する交流印加部の一例としての交流印加部104Bとを有している。そして、印加部104は、制御部70によって転写電圧が制御されるようになっている。
【0084】
(制御部)
[他色モード]
他色モードは、制御部70がトナー画像形成部20Vを非稼働とし且つトナー画像形成部20W〜20Kの少なくとも1つを稼働させることで実行される。また、他色モードを実行する際には、制御部70は、
図1に示されるように、直流印加部104Aを稼働させ交流印加部104Bを非稼働とさせて二次転写ロール34に直流電圧だけを印加するようになっている。
【0085】
さらに、他色モードの際には、制御部70は、印加部102を稼働させて各色の一次転写ロール33に同様の強さの直流電圧を印加するようになっている(
図6参照)。
【0086】
[単色光輝感モード]
単色光輝感モードは、制御部70がトナー画像形成部20W〜20Kを非稼働とし且つトナー画像形成部20Vを稼働させることで実行される。また、単色光輝感モードの際には、制御部70は、
図1に示されるように、直流印加部104Aと交流印加部104Bとを稼働させて二次転写ロール34に直流電圧に交流電圧を重畳させた重畳電圧を印加するようになっている(重畳モード)。
【0087】
図2には、縦軸が電圧〔V〕とされ、横軸が時間〔S〕とされるグラフに、二次転写ロール34に印加される重畳電圧が示されている。二次転写ロール34に印加されるのは、直流印加部104Aによって生じる直流電圧(図中の直線波D)に、交流印加部104Bによって生じる交流電圧(図中のサイン波電圧E)を重畳させた重畳電圧である。交流印加部104Bによって印加される交流電圧は、直流印加部104Aによって生じる直流電圧の電圧値を境に電圧値が変化するように制御されている。なお、直流印加部104Aによって生じる直流電圧は感光体ドラム21上のトナーをシート部材Pへ転移させる極性の電圧を印加する。
図2は負帯電のトナーを用いた場合を示しており、直流印加部104Aによって生じる直流電圧は正極である。
【0088】
さらに、単色光輝感モードの際には、制御部70は、印加部102を稼働させて一次転写ロール33に決められた直流電圧を印加するようになっている(
図6参照)。
【0089】
[単色光沢感モード]
単色光沢感モードは、制御部70がトナー画像形成部20W〜20Kを非稼働とし且つトナー画像形成部20Vを稼働させることで実行される。また、単色光沢感モードの際には、制御部70は、
図1に示されるように、直流印加部104Aを稼働させ、交流印加部104Bを非稼働とさせて二次転写ロール34に直流電圧だけを印加するようになっている(直流モード)。このように、制御部70は、重畳モードと直流モードとに、直流印加部104A及び交流印加部104Bを切り替える切替部の一例として機能する。
【0090】
さらに、単色光沢感モードの際には、制御部70は、印加部102を稼働させて一次転写ロール33に決められた直流電圧を印加するようになっている(
図6参照)。
【0091】
[混色光輝感モード]
混色光輝感モードは、制御部70がトナー画像形成部20W〜20Kの少なくとも1つを稼働させ且つトナー画像形成部20Vを稼働させることで実行される。また、混色光輝感モードの際には、制御部70は、単色光輝感モードと同様に、直流印加部104Aと交流印加部104Bとを稼働させて二次転写ロール34に直流電圧に交流電圧を重畳させた重畳電圧を印加するようになっている(重畳モード)。
【0092】
さらに、混色光輝感モードの際には、制御部70は、印加部102を稼働させて一次転写ロール33に直流電圧を印加するようになっている(
図6参照)。ここで、制御部70は、夫々の印加部102を制御して、一次転写ロール33V(第一転写部の一例)によって転写ベルト31にトナー画像を転写する際には、一次転写ロール33W〜33K(第二転写部の一例)によって転写ベルト31にトナー画像を転写する際に比して、転写電圧を低くするようになっている。
【0093】
[混色光沢感モード]
混色光沢感モードは、制御部70がトナー画像形成部20W〜20Kを稼働させ且つトナー画像形成部20Vを稼働させることで実行される。また、混色光沢感モードの際には、制御部70は、単色光沢感モードと同様に、直流印加部104Aを稼働させ、交流印加部104Bを非稼働とさせて二次転写ロール34に直流電圧だけを印加するようになっている(直流モード)。
【0094】
さらに、混色光沢感モードの際には、制御部70は、印加部102を稼働させて一次転写ロール33に直流電圧を印加するようになっている(
図6参照)。ここで、制御部70は、混色光輝感モードと同様に、夫々の印加部102を制御して、一次転写ロール33Vによって転写ベルト31にトナー画像を転写する際には、一次転写ロール33W〜33Kによって転写ベルト31にトナー画像を転写する際に比して、転写電圧を低くするようになっている。
【0095】
(要部構成の作用)
次に、要部構成の作用について説明する。
【0096】
単色光輝感モード、又は混色光輝感モードの際には、制御部70は、
図1に示されるように、直流印加部104Aと交流印加部104Bとを稼働させて二次転写ロール34に直流電圧に交流電圧を重畳させた重畳電圧を印加する。このように、本第1実施形態の転写方法では、顔料110を含むトナーを用いて形成されたトナー画像を二次転写ロール34を用いてシート部材Pに転写する際に、直流電圧に交流電圧を重畳した重畳電圧(転写電圧)を二次転写ロール34に印加する。
【0097】
重畳電圧が転写電圧として印加されることで、アルミニウムから構成される顔料110は、交番電界作用により、転写ベルト31とシート部材Pとの間を往復飛翔(往復振動)した後にシート部材Pに移行する。
【0098】
このように、顔料110が転写ベルト31とシート部材Pとの間を往復飛翔した後にシート部材Pに移行するため、顔料110の姿勢は、
図3(A)、
図4(A)に示されるように、不規則な状態(ランダムな状態)となる。すなわち、顔料110の反射面110Aの向く方向が不規則となり、画像から反射する反射光の方向も不規則となる。
【0099】
これにより、顔料110の反射面110Aの向く方向が一定である場合(
図3(B)、
図4(B)参照)と比して、乱反射光が増加し、光輝感(キラキラ感)が向上する。なお、光輝感は、例えば、BYK−mac(東洋精機製、多角度側色計)によって、客観的に評価をすることが可能である。
【0100】
これに対して、単色光沢感モード、又は混色光沢感モードの際には、制御部70は、
図1に示されるように、直流印加部104Aを稼働させ、交流印加部104Bを非稼働として二次転写ロール34に直流電圧だけを印加する。
【0101】
直流電圧だけが転写電圧として印加されることで、顔料110は、転写ベルト31とシート部材Pとの間を往復飛翔することなくシート部材Pに移行する。
【0102】
このように、顔料110が転写ベルト31とシート部材Pとの間を往復飛翔することなくシート部材Pに移行するため、顔料110は、
図3(B)、
図4(B)に示されるように、顔料110の扁平面110Aがシート部材Pのシート面に沿うような姿勢となる。すなわち、顔料110は、規則的な姿勢で整列し、画像から反射する反射光の方向も不規則とならない。
【0103】
具体的には、
図3(B)に示されるように、顔料110の反射面110Aがシート部材Pのシート面に対して直交する方向(図中X方向)を向く。さらに、顔料110は、シート部材Pのシート面に沿った方向(図中Y方向)に並ぶ。そして、
図4(B)に示されるように、反射面110Aがシート面に対して直交する方向を向いた顔料110は、シート部材P上に配置される。このため、画像から反射する反射光の方向がシート部材Pのシート面に対して直交する方向に近づく。
【0104】
これにより、ASTM E2194に準じて測定された金属光沢感を示す指数であるフロップインデックス値(FI:Flop Index値)が向上する(金属光沢感が向上する)。
【0105】
一方、混色光輝感モード、又は混色光沢感モードの際には、制御部70は、夫々の印加部材102を制御して、一次転写ロール33Vによって転写ベルト31にトナー画像を転写する際には、一次転写ロール33W〜33Kによって転写ベルト31にトナー画像を転写する際に比して、転写電圧を低くする。
【0106】
これにより、トナー画像の転写ベルト31への一次転写の際に、電荷注入による顔料110の帯電量が、一次転写ロール33Vに印加される転写電圧を一次転写ロール33W〜33Kに印加される転写電圧と同様とした場合に比して低くなる。これにより、トナー画像のシート部材Pへの二次転写の際に、顔料110の姿勢が容易に制御される。
【0107】
(まとめ)
以上説明したように、単色光輝感モード、又は混色光輝感モードの際には、制御部70は、二次転写ロール34に直流電圧に交流電圧を重畳させた重畳電圧を印加する。これにより、顔料110の反射面110Aの向く方向が不規則な画像となる。
【0108】
また、顔料110の反射面110Aの向く方向が不規則な画像となることで、画像から反射する反射光の方向も不規則となる。このため、顔料110の反射面110Aの向く方向が一定である場合と比して、乱反射光が増加し、光輝感(キラキラ感)が向上する。
【0109】
また、単色光沢感モード、又は混色光沢感モードの際には、制御部70は、二次転写ロール34に直流電圧だけを印加する。これにより、顔料110は、シート部材Pのシート面に沿った方向(図中Y方向)に並ぶ。すなわち、顔料110は、規則的な姿勢で整列し、画像から反射する反射光の方向も不規則とならない。このため、顔料110の姿勢が不規則な場合と比して、前述したフロップインデックス値(FI:Flop Index値)が向上する(金属光沢感が向上する)。
【0110】
このように、制御部70が各部を制御することで、画像の金属光沢感を向上させる単色光沢感モード、又は混色光沢感モードと、画像の光輝感(キラキラ感)を向上させる単色光輝感モード、又は混色光輝感モードとが使い分けられる。
【0111】
また、混色光輝感モード、又は混色光沢感モードの際には、制御部70は、一次転写ロール33Vによって転写ベルト31にトナー画像を転写する際には、一次転写ロール33W〜33Kによって転写ベルト31にトナー画像を転写する際に比して、転写電圧を低くする。これにより、一次転写の際に、電荷注入により顔料110に生じる帯電量が、一次転写ロール33Vに印加される転写電圧を一次転写ロール33W〜33Kに印加される転写電圧と同様とした場合に比して低くなる。このため、トナー画像のシート部材Pへの二次転写の際に、顔料110の姿勢が容易に制御される。
【0112】
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態に係る転写装置、画像形成装置の一例について
図9に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部等については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0113】
(構成)
本第2実施形態に係る媒体戻し部120の反転経路56Pは、
図9に示されるように、搬送パス56P2と、反転パス56P3とを備えている。さらに、媒体戻し部120は、搬送パス56P2に沿って搬送されるシート部材Pを反転パス56P3に送り込むことなく媒体供給経路52Pに送り込む直接パス122を備えている。そして、反転パス56P3に送り込むことなく直接パス122を通して媒体供給経路52Pに送り込まれるシート部材Pの表裏は、反転しないようになっている。
【0114】
また、搬送パス56P2に沿って搬送されるシート部材Pを反転パス56P3に送り込むか、直接パス122を通して媒体供給経路52Pに送り込むかを振り分ける振分部124が備えられ、制御部70によって振分部124による振分方向が制御せれている。
【0115】
(作用)
次に、顔料110を含むトナーを用いて形成されたトナー画像をシート部材Pに形成し、その上に、他色のトナーを用いて形成されたトナー画像を重ねる追い刷りモードの際の制御部70による各部の制御を作用として説明する。
【0116】
追い刷りモードの際には、制御部70は、先ずトナー画像形成部20Vを稼働させ、画像データのうちトナー画像形成部20Vによって形成されるトナー画像だけをトナー画像形成部20Vで形成させる。そして、トナー画像形成部20Vで形成されたトナー画像が、転写ニップNTにて搬送されるシート部材Pの表面に転写される(
図7参照)。
【0117】
次に、制御部70は、媒体搬送装置50を制御してトナー画像が転写、定着されたシート部材Pを排出媒体受け部541に排出することなく媒体戻し部120に送り込む。さらに、制御部72は、振分部124を制御して媒体戻し部120に送り込まれたシート部材Pを、直接パス122を通して媒体供給経路52Pに送り込む(
図9参照)。
【0118】
制御部70は、次にトナー画像形成部20W〜20Kを稼働させ、画像データのうちトナー画像形成部20W〜20Kによって形成されるトナー画像だけをトナー画像形成部20W〜20Kで形成させる。
【0119】
そして、トナー画像形成部20W〜20Kに形成されたトナー画像が、転写ニップNTにて直接パス122を通して媒体供給経路52Pに送り込まれたシート部材Pの表面に転写される。そして、シート部材Pは、媒体搬送装置50によって排出媒体受け部541に排出される(
図8参照)。
【0120】
(まとめ)
このように追い刷りモードの際には、顔料110を含むトナーを用いて形成されたトナー画像をシート部材Pに形成し、その上に、他色トナーを用いて形成されたトナー画像が重ねられる。
【0121】
ここで、トナー画像形成部20の並び順を変えることで、顔料110を含むトナーを用いて形成されたトナー画像と他色トナーを用いて形成されたトナー画像とをこの順でシート部材Pに形成することが考えられる。しかし、この場合には、トナー画像形成部20Vをトナー画像形成部20W〜20Kに対して転写ベルト31の周回方向の下流側に配置しなければならない。そうすると、転写ベルト31上の他色トナーで形成されたトナー画像は、下流側に配置したトナー画像形成部20Vでの転写履歴を受けることで感光体ドラム21へ逆転写するトナー量が増加する。このため、他色トナーで形成されたトナー画像の発色性が低下してしまう。
【0122】
つまり、顔料110を含むトナーを用いて形成されたトナー画像をシート部材Pに形成し、再度このシート部材Pを転写ニップNTに送り込んで、顔料110を含むトナーを用いて形成されたトナー画像の上に、他色トナーを用いて形成されたトナー画像を重ねることで、他色トナーで形成されたトナー画像の発色性の低下を抑制した上で、金属光沢感が向上した画像、又は光輝感(キラキラ感)が向上した画像が得られる。
【0123】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記第1、第2実施形態では特に説明しなかったが、顔料110を含むトナーを用いて形成されたトナー画像をシート部材Pに転写する際には、常に重畳モードとして、常に光輝感(キラキラ感)を向上させてもよい。
【0124】
また、上記第1、第2実施形態では、交流電圧としてサイン波電圧を用いたが、
図10に示す矩形波電圧等を用いてもよい。
【0125】
また、上記第2実施形態では、直接パス122を通すことで表裏を反転させることなくシート部材Pを再度転写ニップNTに送り込んだが、トナー画像形成部20Vによって形成されるトナー画像が転写されたシート部材Pを排出媒体受け部541に排出し、この排出されたシート部材Pを再度収納器521に収納して媒体供給部52によってシート部材Pを搬送させることでシート部材Pを再度転写ニップNTに送り込んでもよい。