(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
循環タンクで調整された、過酢酸、過酸化水素、酢酸、及びカタラーゼを含有する殺菌組成液を加熱装置で加熱した後、殺菌装置に供給し、殺菌使用後の殺菌組成液を前記循環タンクに回収する殺菌方法において、
前記循環タンクで調整された殺菌組成液が、カタラーゼ濃度が0.1〜10μg/ml、過酢酸濃度が500〜10000ppm、過酸化水素の濃度が500ppm未満の殺菌組成液であり、
前記殺菌装置から回収された殺菌組成液が、冷却されることなく循環タンクに回収され、
前記殺菌使用後から加熱装置に供給されるまでの循環経路内において、殺菌組成液にカタラーゼを追加することを特徴とする殺菌方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した過酢酸系殺菌組成液を循環使用する方法においては、過酢酸系殺菌組成液の加熱及び冷却の両方が必須であることから熱エネルギー効率が悪く、経済性の点で満足するものではない。また過酢酸系殺菌組成液を加熱することにより過酢酸の分解が促進され過酸化水素が増加すると共に、過酸化水素を分解するために過酢酸系殺菌組成液に添加されるカタラーゼは、過酢酸共存下または高温状態では不活性化されてしまうことから多くの量を必要とするため、これに起因する泡立ちや凝集物の発生等の問題もある。
従って本発明の目的は、カタラーゼの活性低下を抑え、過酢酸系殺菌組成液の殺菌能力を維持しながら循環使用することが可能な殺菌方法を提供することである。
本発明の他の目的は、過酢酸系殺菌組成液を冷却することなく循環使用することが可能で、熱エネルギーを節約することができ、経済性に優れた殺菌方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、循環タンクで調整された、過酢酸、過酸化水素、酢酸、及びカタラーゼを含有する殺菌組成液を加熱装置で加熱した後、殺菌装置に供給し、殺菌使用後の殺菌組成液を前記循環タンクに回収する殺菌方法において、
前記循環タンクで調整された殺菌組成液が、カタラーゼ濃度が0.1〜10μg/ml、過酢酸濃度が500〜10000ppm、過酸化水素の濃度が500ppm未満の殺菌組成液であり、前記殺菌装置から回収された殺菌組成液が、冷却されることなく循環タンクに回収され、前記殺菌使用後から加熱装置に供給されるまでの循環経路内において、殺菌組成液にカタラーゼを追加することを特徴とする殺菌方法が提供される。
本発明の殺菌方法においては、
1.前記カタラーゼが、温度50℃及び過酢酸濃度3000ppmに調整した過酢酸系殺菌剤に
0.4μg/ml添加して10分経過後に、過酸化水素を初期濃度の35%以上分解可能なカタラーゼであること、
2
.前記カタラーゼの追加が、循環タンクで行われるこ
と、
が好適である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の殺菌方法においては、過酢酸、過酸化水素、酢酸、及びカタラーゼを含有する殺菌組成液が循環する循環経路内において、殺菌組成液が高温に維持される加熱装置から殺菌装置までの経路を除いた位置でカタラーゼを追加することにより、カタラーゼが有する過酸化水素分解性能を効率よく発現することが可能になり、過酢酸系殺菌組成液の殺菌能力が低下することを有効に防止できる。
また循環経路内でカタラーゼを追加することでカタラーゼが失活することも抑制されていることから、カタラーゼの添加量も低減でき、カタラーゼ添加に起因する泡立ちや凝集物の発生を最小限に抑制できることから、殺菌に賦される容器の洗浄も最小限に抑制することが可能になる。
【0008】
また殺菌組成液中の過酢酸濃度を高くして、殺菌能力を向上させることにより、殺菌時の温度条件を低くすること、或いは使用するカタラーゼとして、温度50℃及び過酢酸濃度3000ppmに調整した過酢酸系殺菌剤に添加して10分経過後に、過酸化水素を初期濃度の35%以上分解可能なカタラーゼを用いることにより、循環経路において従来必須であった冷却工程を省略することも可能になり、循環使用に伴う熱エネルギーの使用量を低減することができ、経済性にも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述した通り、過酢酸、酢酸、及び過酸化水素から成る過酢酸系殺菌剤を主成分とする過酢酸系殺菌組成液(以下、単に「殺菌組成液」ということがある)は、過酸化水素の濃度が高くなると、殺菌能力が低下すると共に、過酸化水素が被殺菌物(容器)に残留しやすくなる等の問題を生じるおそれがあることから、カタラーゼを添加することにより過酸化水素を分解し、過酸化水素濃度を管理することによって長期にわたって安定した殺菌能力を維持する。その一方、過酢酸系殺菌組成液を用いて効率よく殺菌を行うためには、殺菌組成液の組成にもよるが、一般に殺菌組成液を50℃以上の温度に加温にすることが望ましいことから、少なくとも循環経路内の加熱装置から殺菌装置の間の経路では、殺菌組成液の温度は高温に維持されており、この間の経路で、高温条件下で失活されやすいカタラーゼを追加することは効率的ではない。
本発明の殺菌方法においては、殺菌組成液の循環経路内において、殺菌装置での使用後から加熱装置に供給されるまでの間で、殺菌組成液にカタラーゼを追加することにより、カタラーゼの活性を有効に発揮させ、過酢酸系殺菌組成液の殺菌能力を維持することが可能になる。
【0011】
殺菌組成液に添加されたカタラーゼの失活を抑制するために、殺菌使用後の殺菌組成液を冷却して、殺菌組成液の温度を低下させることもできるが、この場合には、殺菌組成液の加熱及び冷却を繰り返すことになり、経済性に劣る。
このため、本発明においては、用いる過酢酸系殺菌組成液として過酢酸濃度の高いものを使用して、殺菌時の温度条件を低く設定することにより、殺菌組成液の冷却工程を省略することが可能になる。或いは、用いるカタラーゼとして、後述するように、耐熱性及び耐薬剤性(耐過酢酸性)に優れたカタラーゼを使用することによって、高温の殺菌組成液に添加(追加)してもカタラーゼが失活しないことから、冷却工程を省略することが可能になる。
【0012】
(循環経路)
本発明の殺菌方法における殺菌組成液の基本的な循環経路は、
図1及び
図2に示す通り、循環タンク1→加熱装置3→殺菌装置4→回収タンク5→循環タンク1である。すなわち、殺菌組成液は循環タンク1から送液ポンプ2により加熱装置3に送液される。加熱装置3で殺菌組成液を所望の温度に加熱した後、殺菌組成液は殺菌装置4に供給される。殺菌装置4では、被殺菌物に殺菌組成液が噴射され、使用後の殺菌組成液が回収タンク5に回収される。回収タンク5から送液ポンプ6により殺菌組成液は循環タンク1に戻される。
殺菌組成液は、上記循環経路に連結する別の経路に位置する調合タンク10で、過酢酸、過酸化水素が所定の濃度になるように調合されて、循環タンク1内の殺菌組成液が所定の濃度に維持されるように追加供給される。
図1及び2に示す具体例においては、調合タンク10で調合された殺菌組成液は、一旦バッファタンク9へ送液ポンプ8により送液される。バッファタンク9から、循環タンク1内の殺菌組成液の濃度に応じて、所望の量が供給される。尚、調合タンク10とバッファタンク9の間、送液ポンプ8と循環タンク1の間には、それぞれバルブ13,バルブ12が設けられている。
【0013】
カタラーゼの追加は、殺菌装置4での使用後から加熱装置3に供給されるまでの間であれば何れのタイミングで添加してもよいが、
図1及び
図2に示すように、循環タンク1又は回収タンク5であることが好適である。すなわち、
図1に示す具体例においては、カタラーゼが調整されている酵素タンク7がバルフ11を介して循環タンク1に連結され、循環タンク1内の過酢酸系殺菌組成液やカタラーゼの濃度に応じて、追加のカタラーゼが、循環タンク1に適宜供給される。また
図2に示す具体例においては、酵素タンク7は回収タンク5にバルブ11を介して連結されており、カタラーゼは回収タンク5に供給されている。
【0014】
(過酢酸系殺菌剤(原液))
本発明の殺菌組成液に使用する過酢酸系殺菌剤(原液)としては、従来公知の種々の濃度のものを原料として採用することができるが、好適には、過酢酸10〜25重量%、酢酸20〜40重量%、過酸化水素15〜25重量%、残余の成分が水及び必要により配合される安定剤から成る過酢酸系殺菌剤を用いることができる。
このような過酢酸系殺菌剤としてはオキシペール100(日本パーオキサイド株式会社製:過酢酸10.2重量%、酢酸20.6重量%、過酸化水素17.2重量%)等があげられ、後述するように、水で希釈して濃度調整した過酢酸系殺菌剤として使用される。
【0015】
(カタラーゼ)
カタラーゼは、過酸化水素の分解酵素であるが、本発明においては、上記過酢酸系殺菌剤における酸性域、すなわちpH2.6〜6.0で耐性を有するカタラーゼであることが重要であり、菌類由来のカタラーゼ或いは細菌由来のカタラーゼから成るカタラーゼを使用することができるが、特に菌類由来のカタラーゼ、その中でも、Aspergillus niger由来のカタラーゼを好適に使用することができる。カタラーゼは、一種のみを用いてもよいし、複数種を混合して使用することもできる。
また本発明においては、前述した通り、比較的高い温度条件で殺菌組成液にカタラーゼを添加(追加)することから、耐熱性及び耐薬剤性(耐過酢酸性)を有することが望ましく、具体的には50℃且つ過酢酸濃度3000ppmに調整した過酢酸系殺菌剤に添加して10分経過後に、過酸化水素を初期濃度の35%以上分解可能なカタラーゼを用いることが好適である。
【0016】
このようなカタラーゼとしては、これに限定されないが、レオネットFプラス(ナガセケムテックス株式会社製)、アスクスーパー25(三菱ガス化学株式会社製)等の商業的に入手可能なカタラーゼ酵素製剤を用いることができる。
尚、本発明においては用いるカタラーゼは特に限定されず、溶液、粉末、或いはビーズ等の水不溶性基質に固定させた形態のもの等を使用することができる。
また、一般に市販のカタラーゼ酵素製剤には、塩化ナトリウムが含有されていることから、塩化物による配管の腐食を防止するために、カタラーゼ酵素製剤中の塩化物イオン濃度を公知の脱塩方法により低減させて使用することが望ましい。
【0017】
カタラーゼの循環タンク1又は回収タンク5への添加(追加)は、殺菌組成液に必要量を一括で添加してもよいが、より好適には全量を複数回に分割して配合することが特に好ましい。これにより、カタラーゼによる過酸化水素の分解を緩やかに行うことが可能となり、カタラーゼに起因する泡立ちをより確実に抑制することができる。
【0018】
(殺菌組成液)
本発明の殺菌方法において、循環させる殺菌組成液は、上述した過酢酸、酢酸、及び過酸化水素が平衡状態で存在してなる原液の過酢酸系殺菌剤に、pH調整剤、水、及びカタラーゼを加えることによって調製する。
調製方法は、水で希釈後に過酢酸の濃度が下記範囲になることを前提に、所望の過酢酸濃度を有する過酢酸系殺菌剤にpH調整剤を加えて混合し、pHを2.6〜5.0の範囲に調整した後、カタラーゼが0.1〜10μg/mL、特に0.1〜3.0μg/mLの濃度になるように配合することによって調製することが好ましい。pH調整剤及びカタラーゼの配合順序は、必ずしも上記順序に限定されないが、上記順序にすることによって、カタラーゼの活性を最大限保持することが可能になる。
【0019】
本発明に用いる殺菌組成液は、カタラーゼが過酸化水素の分解を促進して、過酸化水素濃度が、少なくとも循環タンク1において、好適には循環経路の全てにおいて500ppm未満に維持されていると共に、過酢酸濃度が500〜10000ppm、特に1000〜3500ppmの範囲に維持されていることが好ましく、これにより、優れた殺菌性能を確保することが可能になる。
尚、本発明の過酢酸系殺菌組成液中には、酢酸も存在しており、過酢酸が上記範囲にある場合には、酢酸濃度は1000〜40000ppmの範囲にあることが好適である。
また上述したように、本発明で使用するカタラーゼは、pH2.6〜6.0の範囲でその活性を有するものを選択することが好ましいが、過酢酸系殺菌組成液においては、pHが5.0以上になると過酢酸が分解して濃度が低下して殺菌力が劣るようになってしまう。
更に、カタラーゼが過酸化水素の分解作用を最も効果的に発揮するためにはpH3.0〜6.0の範囲で活性を有するものを選択することが好ましいが、過酢酸の殺菌効果を最も効果的に発揮するためには、特に過酢酸系殺菌組成液のpHはpH4.0以下とすることが好ましい。
このような観点から、殺菌組成液のpHを2.6〜5.0、特に3.0〜4.0の範囲に維持することにより、過酢酸系殺菌組成液の殺菌剤としての安定性を損なうことなく、カタラーゼの活性を保持し、少量の配合でも充分な過酸化水素分解作用を得ることとができる。
本発明において過酢酸系殺菌組成液のpHを上記範囲にするために用いるpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の従来公知のアルカリ性組成物を挙げることができる。
【0020】
また循環タンク1における過酢酸系殺菌組成液の濃度調整のために、バッファタンク9から供給される殺菌組成液としては、過酸化水素及び過酢酸の濃度、並びにpHが上記範囲にある殺菌組成液を用いることもできるが、好ましくは可及的に過酸化水素濃度が低く過酢酸濃度が高い殺菌組成液であることが特に望ましい。
尚、バッファタンク9中にカタラーゼを追加し、殺菌組成液と共に循環タンク1に入れることもできるが、バッファタンク9中の殺菌組成液の過酢酸濃度が高いことからカタラーゼの活性を損なう。また、過酢酸系殺菌組成液は加温した際に過酸化水素量が増加するため、加熱下の過酢酸系殺菌組成液にカタラーゼを追加する必要がある。このため、カタラーゼの追加は、殺菌使用後から加熱装置に供給されるまでの循環経路内において行う必要があり、特に、循環タンク1或いは回収タンク5において行うことが好ましい。
【0021】
(殺菌方法)
本発明の殺菌方法においては、上述した殺菌組成液を、加熱装置で40〜75℃、特に50〜65℃の温度に調整して殺菌装置に供給し、容器等の被殺菌物の表面に施すことにより行う。被殺菌物としては、缶、瓶、プラスチック容器等の種々の公知の容器の他、キャップ等を挙げることができる。
上記範囲よりも殺菌組成液の温度が高い場合には、過酢酸の分解が促進されやすくなると共に、カタラーゼに起因する蛋白質の凝集が起こってノズルに詰まるおそれがある。一方上記範囲よりも殺菌組成液の温度が低い場合には、殺菌性能が低下し、殺菌に要する時間が長くなるため、殺菌効率に劣るようになる。
上記温度に調整された殺菌組成液を5乃至10秒間接触させることにより、殺菌レベル5D以上の殺菌性能を得ることができる。
殺菌後、殺菌装置から取り出された被殺菌物(容器)は、次いで洗浄工程において、無菌水での洗浄に賦されることにより、容器表面に残留する殺菌組成液が除去されるが、本発明の殺菌方法に用いる殺菌組成液は過酸化水素の濃度が500ppm未満と低いことから、短時間の洗浄でも過酸化水素がボトル表面に残留することもなく、衛生性を損なうことがない。
また、カタラーゼの使用量を少量に抑えられるために過酸化水素分解に起因した泡立ちが起こり難く、貯蔵タンク等への付着のよる装置の汚れが生じないことにより、短時間の洗浄でも対応することができる。
【実施例】
【0022】
(殺菌組成液成分の測定方法)
1.過酢酸濃度
カタラーゼ反応終了後、過マンガン酸カリウム−ヨウ素法によって測定した。すなわち、試料を硫酸酸性下で過マンガン酸カリウム滴定を行い、過酸化水素濃度を測定した後、ヨウ化カリウム及びデンプン指示薬を加えて、チオ硫酸ナトリウム滴定を行い、過酢酸の濃度を測定した。
上述したカタラーゼ反応終了時間については、殺菌組成液のカタラーゼ配合後5分以降から5分おきに測定し、経時測定における過酸化水素濃度の減少が見られなくなった時を反応終了として、各成分の濃度とした。
2.過酸化水素濃度
過酸化水素濃度は、過酢酸系殺菌剤を水で希釈したカタラーゼ配合前(過酢酸系殺菌剤の原液濃度からの希釈計算値)と、上述したカタラーゼ反応終了後の濃度測定値の2つの濃度について記した。測定方法は、上述した1.過酢酸濃度の通りである。
【0023】
(評価方法)
1.過酸化水素分解能力
殺菌組成液を調製した直後の過酸化水素濃度(I
0)、及び調製開始から10分経過した時点の過酸化水素濃度(I)を測定し、減少割合[(I
0−I)/I
0]×100(%/10分)を計算した。
2.殺菌効果
500mlポリエチレンテレフタレートボトル(以下、ボトルと記す)を使用し、供試菌としてBacillus cereus ATCC 9139を用いて菌液を作成し、ボトル内面に10
6cfu/ボトルとなるよう噴霧器から均一に吹き付けた後、ボトルを乾燥させて評価用ボトルを作製した。次いで、カタラーゼ反応終了直後の殺菌液を50℃又は65℃に温度調節し、評価用ボトル内に噴霧し、8秒接触させた後、滅菌水を用いてボトル内面を洗浄し、洗浄に用いた滅菌水を、標準寒天培地を用いてメンブレンフィルター法により生存菌数を計測した。初菌数及び生残菌数より、下記式より殺菌効果(D)を求めた。尚、試験回数はn=3で実施し、平均生残菌数を生残菌数として殺菌効果を評価した。
D=LOG(N
0/N)
式中、N
0は初菌数であり、Nは生残菌数である。
D値が6D以上の場合は殺菌効果が高く○、5D以上6D未満の場合は殺菌効果ありで△、5D未満の場合は殺菌効果が低く×とした。
【0024】
(実施例1、3、5)
カタラーゼの追加及び過酸化水素濃度による殺菌能力への影響について調べた。
調合タンクで過酢酸系殺菌剤(商品名オキシペール100 日本パーオキサイド株式会社製:過酢酸10.2重量%、酢酸20.6重量%、過酸化水素17.2重量%)を水で希釈し過酢酸濃度を10000ppmとした後、カタラーゼとしてレオネットFプラス(ナガセケムテックス株式会社製)を0.4μg/mL添加して過酸化水素を分解させ0ppmとし、高濃度殺菌組成液を調製した。
次いで、循環タンクにて上記高濃度殺菌組成液を水で希釈し過酢酸濃度1500ppmに調整して、
図1に示す経路で循環させた。
加熱装置での加熱温度は50℃、65℃の2温度とし、それぞれの温度に加熱された殺菌組成液を50℃では12時間と24時間、65℃では6時間循環させた。循環中の過酢酸濃度については、1500ppmに保つように、バッファタンクから上記高濃度殺菌組成液を追加した。
上記時間経過後、この循環タンク中の殺菌組成液にカタラーゼの濃度が0.4μg/mLとなるように、レオネットFプラスの追加を行い、追加後10分経過した際の過酸化水素濃度と殺菌効果について確認し、表1に示した。
【0025】
(実施例2、4、6)
使用するカタラーゼをアスクスーパー25(三菱ガス化学株式会社製)とし、調合タンクでの添加量を5μg/mLとした以外は、実施例1、3、5と同じとし、カタラーゼ追加後10分経過した際の過酸化水素濃度と殺菌効果について確認し、表1に示した。
【0026】
(比較例1〜3)
実施例1、3、5と同様の方法で殺菌組成液を調合、循環させ、カタラーゼを添加せずに過酸化水素濃度と殺菌効果について確認し、表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
(実験例1)
カタラーゼの耐熱性・耐薬剤性について調べた。
過酢酸系殺菌剤(オキシペール100)を過酢酸濃度が3000ppmになるように希釈して調製した過酢酸系殺菌剤(pH2.67)を50℃に加温し、過酸化水素濃度を測定した。次いでカタラーゼとして、レオネットFプラス又はアスクスーパー25を0.4μg/mL添加し、10分経過後に過酸化水素濃度を再度測定し、分解率を算出し、表2に示した。
【0029】
【表2】