(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の画面の表示中のみに前記起動手段において前記起動指示を受け付け可能にするか前記第1の画面の非表示中も前記起動手段において前記起動指示を受け付け可能にするかのいずれかを設定する起動指示受付設定手段
を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の画像読取装置。
【背景技術】
【0002】
多機能プリンタ(Multifunction Printer、以下「MFP」という)にはプルスキャン(リモートスキャンともいう)機能を備えるものがある。MFPを使用してプルスキャンを行うユーザは、MFPが備える自動送り装置又は原稿台に原稿を置き、MFPの前からMFPに接続されるリモート端末まで移動し、そのリモート端末を操作してMFPを起動して画像データの読み取り処理を開始する。またMFPを使用してファクシミリ送信などを行うユーザは、MFPが備える自動送り装置又は原稿台に原稿を置き、MFPに付設された操作ボタンを直接操作してMFPを起動して画像データの読み取り処理を開始する。
【0003】
MFPでは、ユーザAによる原稿aのプルスキャンと、ユーザBによる原稿bのファクシミリ送信と、がほぼ同時期に発生することがあり得る。こうした状況で、仮にユーザAがMFPの自動送り装置に原稿aを置いてMFPからリモート端末まで移動している間に、ユーザBが自動送り装置上の原稿aに気付かず原稿bを原稿aの上に置いてMFPのファクシミリ機能を起動させると、原稿bと共に原稿aも外部に送信されてしまう。原稿aが対外秘の書類であると重大な問題になりかねない。また上記例で仮にユーザBが自動送り装置に原稿bを置いときに、ユーザAがリモート端末でMFPのプルスキャン機能を起動させると、原稿bがプルスキャンされてしまう。
【0004】
特許文献1、2はネットワークに接続されたMFPを用いたプルスキャン機能に関する技術を開示している。
【0005】
特許文献1は、プッシュスキャンの操作を開始した後は処理が終了するまでプルスキャンできないように排他制御する技術を開示している。この技術によれば、プルスキャンが他のサービスの原稿をスキャンすることは防止できるが、上述したようなプルスキャンで置いた原稿が他のサービス(ファクシミリ送信など)で誤使用されることは防止できない。
【0006】
特許文献2は、MFPをオンライン指示によってロック状態にし、認証によってロック状態を解除する技術を開示している。この技術はロック状態でプルスキャンを実行するようにしている。しかしこの技術は認証機能を備えたMFPでしか利用できず、またロック状態を解除するような機能、例えば節電機能や割り込みジョブなどの機能によって、原稿の誤使用を防止できない状況が起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、プルスキャンにおける原稿の誤使用を簡易に且つ効果的に防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、原稿台に載置された原稿の画像データを読み取る読取手段と、外部の機器と通信する通信手段と、前記通信手段を介して外部から送信される起動指示を受け付けて前記読取手段を起動させる起動手段と、画面を表示する表示手段と、
外部からの前記起動指示を待つ第1の画面を表示させる表示指示を受け付ける表示指示受付手段と、前記表示指示を受け付けて前記表示手段に第1の画面を表示させる第1の画面表示手段と
、前記第1の画面の表示中に前記起動手段において前記起動指示を受け付け可能にする起動指示受付手段と、前記第1の画面の表示中は画面遷移を伴う処理であって且つ前記画像データの読み取り処理と関係しない処理を禁止にする禁止手段
とを備える。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、
前記表示手段に原稿の取り除きを促す第2の画面を表示させる第2の画面表示手段をさらに備え、前記第2の画面表示手段は、前記読取手段による画像データの読み取り処理後に前記第2の画面を表示させ、前記禁止手段は、前記第2の画面の表示中は画面遷移を伴う処理であって且つ前記画像データの読み取り処理と関係しない処理を禁止にする。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項
1の発明において、
前記表示手段に原稿の取り除きを促す第2の画面を表示させる第2の画面表示手段と、前記
読取手段による画像データの読み取り処理後に前記表示手段に前記第2の画面を表示させるか前記第1の画面を再表示させるかのいずれかを設定する画面設定手段を
さらに備える。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、前記第1の画面の表示中のみに前記起動手段において前記起動指示を受け付け可能にするか前記第1の画面の非表示中も前記起動手段において前記起動指示を受け付け可能にするかのいずれかを設定する起動指示受付設定手段を備える。
【0014】
また、請求項
5の発明は、請求項1〜
4のいずれかの発明において、前記起動指示の送信元を設定する送信元設定手段を備え、前記起動指示受付手段は、前記送信元設定手段によって設定された送信元からの前記起動指示のみを受け付ける。
【0015】
また、請求項
6の発明は、原稿台に載置された原稿の画像データを読み取る読取手段と、外部の機器と通信する通信手段と、前記通信手段を介して外部から送信される起動指示を受け付けて前記読取手段を起動させる起動手段と、画面を表示する表示手段と、を備えた画像読取装置を、
外部からの起動指示を待つ第1の画面を表示させる表示指示を受け付ける表示指示受付手段と、前記表示指示を受け付けて前記表示手段に第1の画面を表示させる第1の画面表示手段
と、前記第1の画面の表示中に前記起動手段において前記起動指示を受け付け可能にする起動指示受付手段
と、前記第1の画面の表示中は画面遷移を伴う処理であって且つ前記画像データの読み取り処理と関係しない処理を禁止にする禁止手段として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、プルスキャンにおける原稿の誤使用を簡易に且つ効果的に防止できる。
【0017】
請求項2の発明によれば、第1の発明よりも更にプルスキャンにおける原稿の誤使用を効果的に防止できる。
【0018】
請求項3の発明によれば、同一原稿を複数回連続してプルスキャンする際に、二回目以降の各スキャン処理の前に画面操作をやり直す必要がなくなる。
【0019】
請求項4の発明によれば、プルスキャンの起動条件をユーザの要望に応じて変更することが可能になり、プルスキャン処理の自由度が向上する。
【0021】
請求項
5の発明によれば、安全性を向上させることが可能になる。
【0022】
請求項
6の発明によれば、プルスキャンにおける原稿の誤使用を簡易に且つ効果的に防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る画像読取装置、画像読取制御プログラムの一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
[プルスキャンシステムの構成]
図1はプルスキャンシステムの構成図である。
【0026】
プルスキャンシステム10は、通信回線20と通信回線20に接続されるMFP30及び1以上のパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)40を備える。MFP30と各PC40は通信回線20を介して互いに通信可能であり、各PC40同士も通信回線20を介して互いに通信可能である。通信回線20は電話回線やインターネット回線に接続されている。
【0027】
[MFPの構成]
図2はMFPの構成を示すブロック図である。
【0028】
MFP30は、信号線302を介して接続された画像読取部304と画像処理部306と蓄積部308とモード制御部310と命令文処理部312と通信部314と操作部316を備える。
【0029】
画像読取部304は原稿台に載置された原稿を走査する。画像処理部306は画像読取部304によって走査された原稿の画像を画像データに加工する。蓄積部308は画像処理部306によって変換された画像データを蓄積する。
【0030】
モード制御部310はモード変更指令に応じてMFP30の動作モードを制御する。本実施例ではMFP30に少なくとも「通常モード」と「プルスキャン待ち受けモード」と「原稿取り除き確認モード」という動作モードが設定されるものとする。
【0031】
命令文処理部312はMFP30全体を統括して制御する。例えば、命令文処理部312は、後述する通信部314や操作部316を介して受け取った外部からの各種指示に応じた処理を行うために、MFP30の各部を制御する。
【0032】
通信部314は外部の機器との間で情報を伝達し合うためのインターフェイスであり、
図1で示される通信回線20に接続される端末(ここではPC40)と通信する。操作部316はユーザとの間で情報を伝達し合うためのマンマシンインターフェイスであり、例えばMFP30の情報をユーザに提供するための画面とユーザがMFP30に情報を入力するためのボタン等を備える。具体的にいえば、タッチパネルやディスプレイや操作ボタンなどで構成される。
【0033】
[MFPの機能]
図3は本実施例の機能をブロック化して示すブロック図である。
図4はプルスキャン待ち受け画面を示す画面構成図である。
図5は原稿取り除き確認画面を示す画面構成図である。
【0034】
本実施例において、プルスキャンに関するMFP30の基本的な機能は、
図3に示すような読取部332と通信部334と起動部336と表示部338とプルスキャン待ち受け画面表示部340と原稿取り除き確認画面表示部342と起動指示受付部344と禁止部346によって実現される。以下の各機能は
図2に示す各構成によって実現されるが、他の構成で実現することも可能である。
【0035】
読取部332は原稿台に載置された原稿の画像データを読み取る。通信部334は外部の機器と通信する。起動部336は通信部334を介して外部から送信される起動指示を受け付けて読取部332を起動させる。表示部338は画面を表示する。プルスキャン待ち受け画面表示部340は読取部332の起動前に表示部338に
図4で示されるプルスキャン待ち受け画面を表示させる。原稿取り除き確認画面表示部342は読取部332による画像データの読み取り処理後に表示部338に
図5で示される原稿取り除き確認画面を表示させる。起動指示受付部344はプルスキャン待ち受け画面の表示中に起動部336において起動指示を受け付け可能にする。禁止部346はプルスキャン待ち受け画面の表示中は画面遷移を伴う処理であって且つ画像データの読み取り処理と関係しない処理を禁止にする。この禁止部346を、プルスキャン待ち受け画面の表示中と原稿取り除き確認画面の表示中は画面遷移を伴う処理であって且つ画像データの読み取り処理と関係しない処理を禁止にするようにすることも可能である。
【0036】
また付加的な機能は、
図3に示すような画面設定部348と起動指示受付設定部350と原稿取り除き確認画面表示設定部352と送信元設定部354によって実現される。
【0037】
画面設定部348は画像データの読み取り処理後に表示部338に原稿取り除き確認画面を表示させるかプルスキャン待ち受け画面を再表示させるかのいずれかを設定する。起動指示受付設定部350はプルスキャン待ち受け画面の表示中のみに起動部336において起動指示を受け付け可能にするかプルスキャン待ち受け画面の非表示中も起動部336において起動指示を受け付け可能にするかのいずれかを設定する。起動指示受付設定部350がプルスキャン待ち受け画面の非表示中も起動指示を受付可能にする設定の場合は、プルスキャン待ち受け画面表示部340と原稿取り除き確認画面表示部342は表示を行わない。原稿取り除き確認画面表示設定部352は原稿取り除き確認画面を表示するか非表示するかのいずれかを設定する。送信元設定部354は起動指示の送信元を設定する。このとき起動指示受付部344は送信元設定部354によって設定された送信元からの起動指示のみを受け付ける。
【0038】
[各処理フロー]
図6は本実施例で行う処理を示すフローチャートである。
図2、
図6を参照して本実施例で行う基本的な処理を説明する。
【0039】
プルスキャンを行うユーザは、原稿をMFP30の原稿台にセットし、操作部316にプルスキャン待ち受け画面を表示させる画面変更操作を行う(ステップS601)。するとMFP30では、
図7に示すプルスキャン待ち受け処理が行われる(ステップS602)。プルスキャン待ち受け処理については後述する。このプルスキャン待ち受け処理の結果、モード制御部310の動作モードはプルスキャン待ち受けモードに遷移し、また操作部316の画面はプルスキャン待ち受け画面に遷移する。
【0040】
ユーザはMFP30の設置場所からリモート端末すなわち
図1に示すPC40の設置場所に移動し、PC40を用いてMFP30を指定してプルスキャンの起動指示をだす。すると命令文処理部312は通信回線20及び通信部314を介してプルスキャンの起動指示を受け取る(ステップS603)。命令文処理部312はモード制御部310から動作モード情報を取得し、そのモード情報とMFP30の状態および起動指示内容に応じてプルスキャン実行可能か否かを判断する(ステップS604)。
【0041】
動作モードがプルスキャン待ち受けモードであってMFP30の状態および起動指示内容が正常である場合(ステップS604の判断YES)、命令文処理部312はプルスキャン可能と判断し、プルスキャンの起動指示を受け付けてプルスキャンジョブを開始する(ステップS605)。画像読取部304は原稿の画像を読み取り、画像処理部306は画像読取部304で読み取られた画像を画像データに加工し、蓄積部308は画像処理部306で加工された画像データを格納する。画像データは通信部314及び通信回線20を介してPC40に送られる。
【0042】
プルスキャンジョブが終了すると、MFP30では、
図8に示す原稿取り除き確認処理が行われる(ステップS606)。原稿取り除き確認処理については後述する。この原稿取り除き確認処理の結果、モード制御部310の動作モードは原稿取り除き確認モードに遷移し、また操作部316の画面は原稿取り除き確認画面に遷移する。
【0043】
プルスキャンを実行したユーザはMFP30の原稿台から原稿を取り除き、操作部316の原稿取り除き確認画面を閉じる画面変更操作を行う(ステップS607)。すると、命令文処理部312はモード制御部310にモード遷移の指示をだし、モード制御部310はこの指示に応じて通常モード又は他のサービスモードに遷移する(ステップS608)。また操作部316の画面は初期画面又は他のサービス画面に遷移する(ステップS609)。
【0044】
一方、ステップS604のプルスキャン実行可能か否かの判断で、MFP30の状態または起動指示内容が正常でない場合(ステップS604の判断NO)、命令文処理部312はプルスキャン不可能と判断し、プルスキャンの起動指示を受け付けず、通信部314及び通信回線20を介してPC40にエラー通知を送る(ステップS610)。そして原稿取り除き確認処理に移行して操作部316の画面が原稿取り除き確認画面に遷移する(ステップS606)。
【0045】
図6には示されていないが、本実施例では、プルスキャンジョブがユーザによりキャンセルされたり異常終了した場合に、操作部316の画面はジョブ中止を示す画面に遷移した後に、原稿取り除き確認画面に遷移する。
【0046】
なお
図6は、MFP30が、ステップS602でプルスキャン待ち受けモードにされた後にステップS603でプルスキャンの起動指示を受け取る処理を示している。しかしMFP30がプルスキャン待ち受けモードでないときにプルスキャンの起動指示を受け取る場合もある。例えば、何らかの原因で動作モードがプルスキャン待ち受けモードに遷移しなかったり、ステップ601の画面変更操作がなされなかった等の場合は、MFP30の動作モードはプルスキャン待ち受けモードになっていない。MFP30は、プルスキャン待ち受けモードでないときにプルスキャンの起動指示を受け取った場合に、通信部314及び通信回線20を介してPC40にエラー通知を送り、処理を終了する。
【0047】
図6に示すステップS602のプルスキャン待ち受け処理について
図7を用いて説明する。
【0048】
図7はプルスキャン待ち受け処理を示すフローチャートである。
ユーザが操作部316においてプルスキャン待ち受け画面の表示操作を行うと、命令文処理部312はプルスキャン待ち受け画面の表示指示を確認する(ステップS701)。すると命令文処理部312はモード制御部310にモード遷移の指示をだし、モード制御部310はこの指示に応じて通常モードからプルスキャン待ち受けモードに遷移する(ステップS702)。また操作部316の画面は、
図4に示すようなプルスキャン待ち受け画面に遷移する(ステップS703)。このプルスキャン待ち受け画面には、MSP30の他のユーザに対するメッセージであって、ファクシミリなど原稿を変更する処理を行わないように注意を促すメッセージが表示される。
【0049】
図6に示すステップS606の原稿取り除き確認処理について
図8を用いて説明する。
【0050】
図8は原稿取り除き確認処理を示すフローチャートである。
プルスキャンジョブが終了すると、命令文処理部312はモード制御部310にモード遷移の指示をだし、モード制御部310はこの指示に応じてプルスキャン待ち受けモードから原稿取り除き確認モードに遷移する(ステップS801)。
【0051】
また命令文処理部312は操作部316に画面を原稿取り除き確認画面へ遷移させるよう指示をだす。操作部316の画面は、
図5に示すような原稿取り除き確認画面に遷移する(ステップS802)。この原稿取り除き確認画面には、MSP30のプルスキャンを実行したユーザおよび他のユーザに対するメッセージであって、原稿台に原稿が残っていることを示してその原稿を誤使用しないように注意を促すメッセージが表示される。
【0052】
図6には示されていないが、本実施例では、プルスキャン待ち受け画面の表示中は、プルスキャンに関連する画面遷移を除く画面遷移、及びその画面遷移を伴う処理が行われないように画面遷移禁止処理が行われる。この画面遷移を伴う処理としては、例えば画面リセットタイマー・節電・割り込みジョブ・リモート操作・他のサービス画面へのショートカットなどの処理などがある。画面遷移禁止処理について
図9を用いて説明する。
【0053】
図9は画面遷移禁止処理を示すフローチャートである。
図9は一例として画面リセットタイマーを禁止するか否かのケースを示す。なお画面リセットタイマーとは、予め設定された時間が経過すると操作部316の画面を初期画面に遷移させる処理である。
【0054】
命令文処理部312は画面リセットタイマーの通知を検出すると(ステップS901)、プルスキャン待ち受け画面の表示中か否か、すなわちモード制御部310の動作モードがプルスキャン待ち受けモードであるか否かを判断する(ステップS902)。
【0055】
プルスキャン待ち受け画面の表示中、すなわちプルスキャン待ち受けモードである場合、処理は終了する(ステップS902の判断YES)。このとき操作部316の画面はプルスキャン待ち受け画面を維持する。
【0056】
一方、プルスキャン待ち受け画面の非表示中、すなわちプルスキャン待ち受けモード以外である場合、命令文処理部312はモード制御部310にモード遷移の指示をだし、モード制御部310はこの指示に応じて通常モードに遷移する(ステップS902の判断NO、ステップS903)。また操作部316の画面は初期画面に遷移する(ステップS904)。
【0057】
以上の実施例によれば、ユーザがMFPから原稿を取り除くまでMFPには
図4に示すプルスキャン待ち受け画面又は
図5に示す原稿取り除き確認画面が表示されるので、他のユーザはMFPにプルスキャンの原稿があることを認識できる。このため原稿の誤使用がなくなる。
【0058】
さらにプルスキャン待ち受け画面の表示中は、プルスキャンに関連する画面遷移を除く画面遷移、及びその画面遷移を伴う処理が行われないように画面遷移禁止処理が行われるため、プルスキャン処理が終了するまでプルスキャン待ち受け画面を確実に表示し続けることができる。
【0059】
[変形例]
以下では、上述した実施例の変形例をまとめて説明する。
【0060】
原稿取り除き確認画面の表示判断に関しては、原稿取り除き確認フラグを用いることも可能である。プルスキャン待ち受け画面の表示操作に応じて原稿取り除き確認フラグが立てられる。画面遷移を伴う処理が発生したときにフラグが立てられている場合は、先ず原稿取り除き確認画面に画面遷移させる。原稿取り除き確認画面が閉じられたならばフラグをおろし、発生した処理の画面に遷移させればよい。
【0061】
上述した実施例では、プルスキャン待ち受け画面の表示中にプルスキャンに関連する画面遷移を除く画面遷移、及びその画面遷移を伴う処理を禁止するようにしている。しかし原稿取り除き確認画面の表示中にプルスキャンに関連する画面遷移を除く画面遷移、及びその画面遷移を伴う処理を禁止するようにすることも可能である。
【0062】
また上述した実施例では、プルスキャンジョブ終了後に自動的に原稿取り除き確認画面が表示されるようにしている。ところでプルスキャンの実施態様としては、プルスキャンした原稿をPCの画面で確認した後にPCにおいて解像度などの読込設定を変更して再度プルスキャンを実行することがある。こうした実施態様の場合、上述した実施例のようにプルスキャンジョブ終了後に自動的に原稿取り除き確認画面が表示されるようにすると、ユーザはプルスキャンを行う毎にMFPの設置場所に移動してプルスキャン待ち受け画面の表示操作を行う必要があり煩わしい。そこでプルスキャン待ち受け画面の表示操作の際に、プルスキャンジョブ終了後に原稿取り除き確認画面でなくプルスキャン待ち受け画面が再表示されるよう設定可能にしてもよい。こうした設定は、例えば
図2に示す操作部で行えるようにすればよい。
【0063】
また上述した実施例では、プルスキャン待ち受け画面の表示中にのみプルスキャンを実行可能にしている。しかしプルスキャン待ち受け画面の表示中にのみプルスキャンを実行可能にするか、プルスキャン待ち受け画面の非表示中にもプルスキャンを実行可能にするか、を選択可能にしてもよい。こうした選択は、例えば
図2に示す操作部で行えるようにすればよい。
【0064】
上述した実施例では、プルスキャンジョブ終了後に自動的に原稿取り除き確認画面が表示されるようにしている。しかしプルスキャンジョブ終了後に原稿取り除き確認画面を表示するか表示しないかを選択可能にしてもよい。こうした選択は、例えば
図2に示す操作部で行えるようにすればよい。
【0065】
上述した実施例に加えて、プルスキャン待ち受け画面の表示前に、起動指示をだすPCを設定することも可能である。例えば、ユーザは、対象となるPCをリストにしてMFPに登録しておき、プルスキャン待ち受け画面の表示操作時にリストから対象PCを指定する。ユーザがPCからプルスキャン起動指示をだすと、MFPは起動指示をだしたPCのアドレスと指定されたPCのアドレスとを照合し、両者が合致した場合にプルスキャン実行可能か否かを判断する(
図6のステップS604)。なお対象となるPCをリストにMFPに登録しておくのではなく、その都度、ユーザがPCのアドレスを入力することも可能であり、ネットワークに接続された近隣のPCをブラウジングして選択させることも可能である。
【0066】
なお、本発明は、
図3に示す各機能をプログラムを用いて実行させることも可能である。MFPにインストールするプログラムを記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリ等)に記録することも可能である。