【実施例】
【0031】
以下、実施例により、この発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例により、特に制限されるものではない。各実施例における特性値の評価方法は以下の通りである。
【0032】
対数粘度
ポリマー濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、その溶液の溶液粘度及び溶媒粘度を30℃で、ウベローゼ型の粘度管により測定して、下記の式で計算した。
【0033】
【数1】
【0034】
ガラス転移点、熱膨張係数
TMA(熱機械分析/理学(株)製)引張荷重法により本発明の金属積層体の金属箔をエッチング除去した樹脂フィルム層のガラス転移点を以下の条件で測定した。なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、250℃まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行った。熱膨張係数は100℃から200℃までの平均値とした。
荷重:1g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
【0035】
残存溶剤率
JIS K5400により、250℃×1hrの乾燥条件で以下の式より計算した。
【0036】
【数2】
【0037】
基板のカール
25℃、65%RHにて24時間調湿したサンプル(サンプルサイズ100mm×100mm)について、金属張積層板のカールの反り率をJIS C6481より求めた。
【0038】
半田耐熱
金属張積層板の金属箔をエッチング加工し、幅1mmの回路パターン(回路間幅5mmで複数パターン)を作成したサンプルを40℃、85%(湿度)で5hr調湿しフラックス洗浄した後、280℃、30秒で半田付けを行い、顕微鏡で剥がれや膨れの有無を観察した。○は剥がれや膨れのないこと、×は剥がれや膨れが発生したことを示す。
【0039】
寸法変化率
IPC−FC241でB法(エッチング前後)、C法(150℃×30分熱処理前後)で、MD方向、TD方向について測定した。
【0040】
[吸湿率]
長さ及び幅が50±1mmの樹脂フィルムを以下の方法で測定した。(尚、サンプルの切断面が粗い場合は、JIS R 6252に規定のP240以上の研磨紙で平滑に仕上げた)。測定には5枚の試料を用いた。
(1)50±2℃に保った恒温槽中で試料を24時間放置する。
(2)試料が互いに接触しない様に、25℃、90%RHの条件で24時間静置する(試料表面の塵は羽毛又は毛筆で払う)。
(3)試料を秤量瓶に移し変え蓋で素早く密栓し、デシケータ中室温で1時間程度放置する。
(4)秤量瓶と試料の合計重量を測定し(W1とする)、次にそこから試料を素早く取り出して秤量瓶のみの重量(W0)を測定する。(もしくは、秤量瓶のみをデシケータ中に1時間以上放置しあらかじめその重量(W0)を測定しておく)
(5)秤量瓶の中の試料を、100±5℃に保った恒温機中で1時間乾燥する。
(6)試料を秤量瓶に移し変え蓋で素早く密栓し、デシケータ中室温で1時間程度放置する。
(7)秤量瓶と試料の合計重量を測定し(W3とする)、次にそこから素早く試料を取り出して秤量瓶のみの重量(W4)を測定する。(もしくは、秤量瓶のみをデシケータ中に1時間以上放置しあらかじめその重量(W4)を測定しておく)
(8)次の式によって吸湿率WA(%)を算出する。
WA=[{(W1−W0)−(W3−W4)}/(W1−W0)]×100
【0041】
合成例1 樹脂Aの合成
反応容器に無水トリメリット酸153.7g(80モル%)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物40.3g(12.5モル%)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物22.1g(7.5モル%)、o−トリジンジイソシアネート264.3g(100モル%)、ジアザビシクロウンデセン1.0g、及びN−メチル−2−ピロリドン(純度99.9%)2500gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で5時間反応させた。次いで、N−メチルー2―ピロリドン1031g(ポリマー濃度10重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、1.4であり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は250ポイズであった。
【0042】
合成例2 樹脂Bの合成
反応容器に無水トリメリット酸38.4g(20モル%)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物128.9g(40モル%)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.8g(20モル%)、ピロメリット酸二無水物21.8g(10モル%)、1,5−ナフタレンジイソシアネート210.2g(100モル%)、ジアザビシクロウンデセン1.5g、及び、N−メチル−2−ピロリドン2500gを加え、100℃まで1hrで昇温し、さらに100℃で5hr反応させた。次いで、NMP840g(ポリマー濃度10重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、1.2であり、25℃での溶液粘度(B型粘度粘度計にて10回転で測定)は180ポイズであった。
【0043】
合成例3 樹脂Cの合成
反応容器に無水トリメリット酸115.3g(60モル%)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.2g(10モル%)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物88.3g(30モル%)、o−トリジンジイソシアネート264.3g(100モル%)、ジアザビシクロウンデセン1.0g、及びN−メチル−2−ピロリドン(純度99.9%)2500gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で5時間反応させた。次いで、N−メチル−2―ピロリドン1200g(ポリマー濃度10重量%)を加え、室温まで冷却した。得られたポリマーの対数粘度は、1.6であり、25℃での溶液粘度(B型粘度計にて10回転で測定)は330ポイズであった。
【0044】
合成例4 樹脂Dの合成
反応容器にp−フェニレンジアミン43g(50モル%)、N−メチル−2−ピロリドン3200g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル80g(50モル%)を加え、5℃まで冷却後、攪拌し溶解した。次いで、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物236g(三菱化学(株)製)を除々に加え、5℃で2時間反応させた(ポリマー濃度10%)。次いで、2−ヒドロキシピリジン1g(モノマーに対し2モル%;ナカライテスク(株)製)を加え1時間反応させた。得られた重合ドープは淡黄褐色透明でポリマーはNMPに溶解していた。対数粘度は1.9dl/gであった。
【0045】
実施例1及び参考例1
合成例1、2で得られた樹脂溶液をそれぞれ、厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが25μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが80μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、3mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を、又、反対面の銅箔側に幅540mm、厚さ50μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS)を重ね合わせ、波長5.6〜1000μの遠赤外方式の加熱炉内((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)に配置された、
図1に示す様な、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mm)を千鳥状に搬送させた。
遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mm、N2流量500L/分、酸素濃度100ppmとし、加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)、搬送速度は乾燥時間が10分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0046】
実施例2及び参考例2
合成例1、2で得られた樹脂溶液を、それぞれ厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製F2−WS)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが25μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが130μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、5mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を重ね合わせ、波長5.6〜1000μの遠赤外方式の加熱炉内((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)に配置された、
図1に示す様な、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mm)を千鳥状に搬送させた。遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mm、N2流量500L/分、酸素濃度は100ppmとし、加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)、搬送速度は乾燥時間が10分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0047】
参考例3
合成例1,2で得られた樹脂溶液を、それぞれ厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製FT0−WS)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが35μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、3m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は29重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが180μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、7mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を、又、反対面の銅箔側に幅540mm、厚さ35μmのステンレス箔を重ね合わせ、熱風循環方式の加熱炉内に配置された、
図1に示す様な、のロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mm)を千鳥状に搬送させた。加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)とし、搬送速度は乾燥時間が15分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0048】
参考例4
合成例2(樹脂B)で得られた樹脂溶液を厚み12μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが20μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
次いで、更に、合成例1(樹脂A)で得られた樹脂溶液を、上記積層体の塗工面に、ダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが20μmになるように連続的にコーティングし、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが80μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、3mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を、又、反対面の銅箔側に幅540mm、厚さ50μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS)を重ね合わせ、波長5.6〜1000μの遠赤外方式の加熱炉内((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)に配置された、
図1に示す様な、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mm)を千鳥状に搬送させた。遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mm)、N2流量500L/分、酸素濃度は100ppmとし、加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)、搬送速度は乾燥時間が15分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0049】
実施例5及び参考例5
合成例1,2で得られた樹脂溶液を、それぞれ厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが25μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが80μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、3mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を、又、反対面の銅箔側に幅540mm、厚さ50μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS)を重ね合わせ、波長5.6〜1000μの遠赤外方式の加熱炉内((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)に配置された、
図1に示す様な、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mmのロール上をロールサポート方式で搬送)を搬送させた。遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mmとし、加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)、N2流量500L/分、酸素濃度100ppm、搬送速度は乾燥時間が10分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0050】
参考例6
合成例2(樹脂B)で得られた樹脂溶液を厚み12μm、巾540mmの電解銅箔(古河サーキットホイル(株)製U−WZ)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが10μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ、巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
次いで、更に、合成例3(樹脂C)で得られた樹脂溶液を、上記積層体の塗工面に、ダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが20μmになるように連続的にコーティングし、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが80μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、3mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を、又、反対面の銅箔側に幅540mm、厚さ50μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS)を重ね合わせ、波長5.6〜1000μの遠赤外方式の加熱炉内((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)に配置された、
図1に示す様な、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mmのロール上をロールサポート方式で搬送)を搬送させた。遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mmとし、加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)、N2流量500L/分、酸素濃度は100ppmとし、搬送速度は乾燥時間が15分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0051】
参考例7
合成例2(樹脂B)で得られた樹脂溶液を厚み12μm、巾540mmの電解銅箔(古河サーキットホイル(株)製U−WZ)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが10μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ、巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
次いで、更に、合成例3(樹脂C)で得られた樹脂溶液を、上記積層体の塗工面に、ダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが20μmになるように連続的にコーティングし、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが80μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、3mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を、又、反対面の銅箔側に幅540mm、厚さ50μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS)を重ね合わせ、波長5.6〜1000μの遠赤外方式の加熱炉内((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)に配置された、
図1に示す様な、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mm)を千鳥状に搬送させた。遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mmとし、加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)、N2流量500L/分、酸素濃度は100ppmとし、搬送速度は乾燥時間が15分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0052】
参考例8
合成例4で得られた樹脂溶液を厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが25μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は25重量%であった。
このようにして得られた長尺物の塗布面に、幅が540mm、厚みが80μmの芳香族ポリアミド(アラミド)製の不織布(デュポン帝人(株)製ノーメックス T−410、3mil;カレンダー加工されたアラミドペーパー)を、又、反対面の銅箔側に幅540mm、厚さ50μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS)を重ね合わせ、波長5.6〜1000μの遠赤外方式の加熱炉内((株)ノリタケエンジニアリング製RtoR式熱処理装置熱)に配置された、
図1に示す様な、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mmのロール上をロールサポート方式で搬送)を搬送させた。遠赤外プレートヒーター上面、下面配置、照射距離100mm、容量225kW、ヒーター寸法150mm×700mmとし、加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)、及び350℃(金属積層体表面温度)で、搬送速度が乾燥時間で各15分になるようにした。N2流量500L/分、酸素濃度100ppmとした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0053】
比較例1
合成例1で得られた樹脂溶液を厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製F0−WS)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが30μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は32重量%であった。
このようにして得られた長尺物を、熱風循環方式の加熱炉内に配置された、
図1に示す様な、のロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mm)を千鳥状に搬送させた。加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)とし、搬送速度は乾燥時間が15分になるようにした。得られた金属張積層体はロール上でブロッキング現象(痕)がみられ、又、カールが激しく、両端が折れた状態になっており、著しく品位に欠けるものであった。
【0054】
比較例2
合成例1で得られた樹脂溶液を厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(古河サーキットフォイル(株)製F0−WS)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが30μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は32重量%であった。
このようにして得られた長尺物を、熱風循環方式の加熱炉内に配置された、
図1に示す様な、のロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mm)を千鳥状に搬送させた。ロールには予め実施例で用いたものと同じアラミド不織布を巻きつけておいた。加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)とし、搬送速度は乾燥時間が15分になるようにしたが、得られた金属張積層体はロール上のアラミド不織布段差に由来する段痕がみられ、又、金属長積層体の両端も一部折れた状態になっており、品位に欠けるものであった。
【0055】
比較例3
合成例1で得られた樹脂溶液を厚み18μm、巾540mmの電解銅箔(日本電解(株)製USLP−SE−18)の処理面にダイコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが20μmになるように連続的にコーティングした。次いで、100℃に設定された長さ20mのフローテイング方式の乾燥炉に、5m/分の速度で連続的に通過させ巻き取った。得られた金属積層板の残存溶剤率は23重量%であった。
このようにして得られた長尺物を、熱風循環方式の加熱炉内に配置された、
図1に示す様に、ロール間(ロールピッチ200mm、ロール系50mmΦ、ロール間高低差300mmのロール上をロールサポート方式で搬送)を搬送させた。加熱炉内の温度は300℃(金属積層体表面温度)とし、搬送速度は乾燥時間が15分になるようにした。得られた金属張積層体の塗膜中の溶剤は完全に除去されており、特性は表1に示すごときものであった。
【0056】
【表1】