【文献】
藍原 雅一 他,医療マーケッティングにおける大規模レセプトデータベースの活用法 群馬県の地域別疾病別患者数予測モデルの構築,社団法人日本経営工学会平成21年度春季大会予稿集,日本,社団法人日本経営工学会,2009年 5月16日,No.B05,pp.22-23.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献4に開示される急性期医療需要予測システムでは、急性期、慢性期については在院日数で按分することで結果を出力可能なものの、傷病の種類別、さらには年齢別による特性までは結果に反映させることができない。
【0007】
ところで、現在、主な急性期病院では、DPC(Diagnosis Procedure Combination:
診断群分類)に従った包括方式の診療報酬制度が採用されている。この診療報酬制度では、急性期医療を対象とした医療機関について、診療報酬を受領するためのDPCデータが収集されている。
【0008】
本発明では、このDPCデータを活用することで、傷病の種類別、さらには年齢別の急性期需要予測を行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る急性期医療需要予測システムは、
第1〜第3データベースを記憶する記憶手段と、第1〜第5処理を実行する制御手段と、対象地域を指定可能な入力手段と、を備え、
第1データベースは、傷病別の患者数を算出可能なデータを記憶し、
第2データベースは、都道府県別の人口データ、メッシュ毎の人口関連データを記憶し、
第3データベースは、傷病・都道府県別の全発生患者数を算出可能なデータを記憶し、
第1処理は、第1データベースに基づいて算出された傷病別の患者数と、第2データベースに記憶する都道府県別の人口データに基づいて、傷病別の患者発生率を算出し、
第2処理は、第2データベースに記憶する都道府県別の人口データと、第1処理で算出された傷病別の患者発生率に基づいて、傷病・都道府県別の患者発生数を算出し、
第3処理は、第2処理で算出された傷病・都道府県別の発生患者数と、第3データベースに基づいて算出される傷病・都道府県別の全発生患者数に基づいて、傷病・都道府県別の補正係数を算出し、
第4処理は、入力された対象地域に対応するメッシュの人口関連データに基づいて、対象地域の人口を予測し、
第5処理は、第4処理で予測された対象地域の人口と、第1処理で算出された傷病別の患者発生率と、第3処理で算出された対象地域の都道府県に対応する傷病・都道府県別の補正係数に基づいて、対象地域の傷病別発生患者数を算出することを特徴とする。
【0010】
さらに本発明に係る急性期医療需要予測システムにおいて、
第1データベースは、年齢別に患者数を算出可能なデータを記憶し、
第2データベースは、都道府県別の人口データを年齢別に記憶し、
第5処理は、対象地域の傷病別発生患者数を年齢別に算出することを特徴とする。
【0011】
さらに本発明に係る急性期医療需要予測システムにおいて、
第3データベースは、傷病・医療機関別に患者数と平均在院日数を記憶し、
制御手段は、第6、第7処理を実行し、
第6処理は、第3データベースに記憶する傷病・医療機関別の患者数と平均在院日数に基づいて、傷病・都道府県別の平均在院日数を算出し、
第7処理は、第5処理で算出された対象地域の傷病別発生患者数と、第6処理で断出された対象地域の都道府県に対応する傷病・都道府県別の平均在院日数に基づいて、対象地域の傷病別在院患者数を算出することを特徴とする。
【0012】
また本発明に係る急性期医療需要予測システムは、
第1〜第3データベースに記憶するデータに基づいて、第1〜第5処理をコンピュータにて演算可能とする急性期医療需要予測プログラムであって、
第1データベースは、傷病別の患者数を算出可能なデータを記憶し、
第2データベースは、都道府県別の人口データ、メッシュ毎の人口関連データを記憶し、
第3データベースは、傷病・都道府県別の全発生患者数を算出可能なデータを記憶し、
第1処理は、第1データベースに基づいて算出された傷病別の患者数と、第2データベースに記憶する都道府県別の人口データに基づいて、傷病別の患者発生率を算出し、
第2処理は、第2データベースに記憶する都道府県別の人口データと、第1処理で算出された傷病別の患者発生率に基づいて、傷病・都道府県別の患者発生数を算出し、
第3処理は、第2処理で算出された傷病・都道府県別の発生患者数と、第3データベースに基づいて算出される傷病・都道府県別の全発生患者数に基づいて、傷病・都道府県別の補正係数を算出し、
第4処理は、入力された対象地域に対応するメッシュの人口関連データに基づいて、対象地域の人口を予測し、
第5処理は、第4処理で予測された対象地域の人口と、第1処理で算出された傷病別の患者発生率と、第3処理で算出された対象地域の都道府県に対応する傷病・都道府県別の補正係数に基づいて、対象地域の傷病別発生患者数を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、第1のデータベースに記憶するデータ(DPCデータ)に基づいて、対象地域に関する傷病別発生患者数を予測することが可能となっている。特に、本発明では、患者数が上位300種類に限られているDPCデータについて、別途、公表されている全傷病別傷病・都道府県別の全発生患者数を算出可能なデータを第3データベースとして利用することで、地域の病床構成を考慮した補正係数を算出し、予測精度の向上が図られている。
【0014】
さらに本発明では、第1データベース、第2データベースに記憶する各種データを年齢別に記憶しておくことにより、病床別発生患者数を年齢別に予測することを可能としている。
【0015】
さらに本発明では、対象地域における傷病別在院患者数を算出可能とするものであり、今後の平均在院日数の短縮にも対応した将来予測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る急性期医療需要予測システムの算出処理を示すフロー図
【
図2】本発明の実施形態に係る急性期医療需要予測システムの構成を示すブロック図
【
図3】本発明の実施形態に係るDPCデータのデータ構成を示す図
【
図4】本発明の実施形態に係る年齢階級人口データ(第2データベース:国勢調査データの一部)を示す図
【
図5】本発明の実施形態に係る国勢調査データ(第2データベース)のメッシュ構成を説明するための図
【
図6】本発明の実施形態に係る公表データ(第3データベース)のデータ構成を示す図
【
図7】本発明の実施形態に係るMDC・年齢別患者数(全国)を示す図
【
図8】本発明の実施形態に係るMDC・年齢別患者発生率(全国)を示す図
【
図9】本発明の実施形態に係るMDC・年齢・都道府県別患者発生件数を示す図
【
図10】本発明の実施形態に係るMDC・都道府県別患者発生全件数を示す図
【
図11】本発明の実施形態に係るMDC・都道府県別補正係数を示す図
【
図12】本発明の実施形態に係る発生患者数予測結果(年齢別)を示す図
【
図13】本発明の実施形態に係る発生患者数予測結果と他のモデルによる予測結果の比較を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る急性期医療需要予測システムについて図を参照しつつ説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係る急性期医療需要予測システムの算出処理を示すフロー図である。本実施形態に係る急性期医療予測システムは、DPCデータ(DB1)、国勢調査データ(DB2)、厚生労働省による公表データ(DB3)の3つのデータベースを使用して、S101からS107に示す各種値を算出する演算を実行する。本実施形態では、最終的にS105に示す対象地域についてMDC・年齢別患者発生数(S105)を算出することを目的としている。さらには、当該対象地域についてMDC別在院患者数(S107)を算出され、急性期医療の予測に利用される。
【0018】
図2には本発明の実施形態に係る急性期医療需要予測システムの構成を示すブロック図が示されている。本実施形態の急性期医療需要予測システムは、パーソナルコンピュータなど一般的な情報処理装置を利用することが可能である。本実施形態の急性期医療需要システム20は、CPU21、ハードディスク22、RAM23、インターフェイス24を
備えて構成されている。
【0019】
記憶手段として機能するハードディスク22は、
図1に示す3つのデータベースDB1〜DB3、並びに、これらデータベースDB1〜DB3に基づいて演算を行うプログラム(本発明における急性期医療予測プログラム)を記憶している。CPU21は、記憶するデータベースDB1〜DB3に基づいて各種演算を行う。途中並びに最終的な演算結果はRAM23に格納される。CPU21とRAM23は、本発明における制御手段を構成している。入力手段25は、急性期医療需要予測システムに対して、必要な各種データを入力可能であり、キーボード、マウスなどで構成される。本実施形態では、新たな医療機関が設置される地域といったような、予測を行う対象地域を指定するために使用される。
【0020】
このような急性期医療需要予測システム20で演算された予測結果は、インターフェイス24を介して、モニター26あるいはプリンター27などの出力手段に出力され、ユーザーに対して視覚的な予測結果を提供する。予測結果は、テーブル上に数値を示した表、あるいは、数値をグラフ化するなど各種形態で出力することが可能である。
【0021】
以上、急性期医療予測システム20の概略について説明を行ったが、次にこの急性期医療予測システム20で用いる各種データベースDB1〜DB3の内容について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るDPCデータのデータ構成を示す図であり、
図4は、本発明の実施形態に係る年齢階級人口データ(第2データベース:国勢調査データの一部)を示す図であり、
図5は、本発明の実施形態に係る国勢調査データ(第2データベース)のメッシュ構成を説明するための図であり、
図6は、本発明の実施形態に係る公表データ(第3データベース)のデータ構成を示す図である。
【0022】
DPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類)は、開始当初から参加医療
機関の診療結果の一部(DPC分類における患者数上位300種類)が公表されている。
図1には、このDPCデータについて、本実施形態で利用するデータ部分の一例が示されている。DPCデータは、詳細な傷病分類を規定したDPC分類と、DPC分類を18種類の傷病別(医療器官別)に分類したMDC分類(本発明における「傷病別」に相当)を有している。図に示す「狭心症、慢性虚血性心疾患」がDPC分類に、「循環器系疾患」がMDC分類に相当している。さらに、DPCデータには、年齢別の患者数(図の例では、6ヶ月分の統計)を有して構成されている。
【0023】
図2には、年齢別、都道府県別の人口データが掲載されている。このデータは政府によって実行される国勢調査データの一部であって、図には平成17年のデータが示されている。本実施形態で使用する国勢調査データは、この年齢別、都道府県別の人口データ以外に、
図6に示されるメッシュ構成毎の人口関連データが使用される。図では、関東地方のメッシュ構成が示されている。軽度1°、緯度が40′毎に区画した1次メッシュが示されている。この1次メッシュは、それを8×8(約10km四方)に区分した2次メッシュで構成され、さらには、2次メッシュを10×10(約1km四方)に区分した3次メッシュ、さらには、3次メッシュを2×2(約0.5km四方)に区分した4次メッシュで構成されている。各メッシュにはそこに居住する人口が性別、年齢階級別に集計されている。
【0024】
本実施形態では、このような国勢調査データ中の、人口関連データを使用して各メッシュについて将来の人口予測が行われる。なお、国勢調査データには、このメッシュに対応した人口関連データ以外に、都道府県別の各年齢毎の出生率、生残率、移動率といった仮定値が集計されており、この都道府県別の仮定値を利用することで、さらに精度の高い人口予測を行うことが可能である。
【0025】
また、本実施形態の急性期医療予測システムでは、厚生労働省によって公表される公表データを使用して、より精度の高い予測を行うこととしている。前述したDPCデータ(
図3)は、患者数が上位300種類のDPC分類に限って公表されている。そのため、300種類以外のDPC分類の数(年齢別の患者数)は、カウント対象外とされており、DPCデータのみでは精度の高い予測を行うことが困難である。
【0026】
そのため、本実施形態の急性期医療需要予測システムでは、DPCデータに加え、厚生労働省が公表する公表データ(医療機関別、MDC別の退院患者数)を使用して補正を行っている。この公表データは、DPCデータが上位300種であったのと異なり、MDC別の全退院患者数が含まれているため、これを利用して補正を行うことで予測精度の向上が図られる。また、この公表データには、医療機関別の平均在院日数も含まれているため、対象地域におけるMDC別在院患者数を算出する際には、これを使用することとしている。
【0027】
では、
図1のフロー図に戻って、本発明の急性期医療需要予測システムの演算の詳細について説明を行う。まず、DPCデータをMDC別に集計し、年齢・MDC別の患者数が算出される。この年齢・MDC別の患者数は、全国における患者数である。
図7には、この集計結果が表で示されている。一方、
図4に示す年齢階級人口データからは、年齢別の人口総数を集計することが可能である。こちらも同様に全国における年齢別のデータである。これらの集計結果に基づいて、MDC・年齢別の患者発生率が下記に示す式(1)によって算出される(S101)。
MDC・年齢別の患者発生率 = MDC・年齢別患者数÷年齢別の人口総数
・・・(1)
【0028】
図8には、この式(1)によって求められたMDC・年齢別の患者発生率の一部が表で示されている。一方、国勢調査データには、年齢・都道府県別の人口(都道府県別の年齢階級人口)が含まれている。S102では、下記に示す式(2)を使用して、MDC・年齢・都道府県別に患者発生数を算出する。
図9には、この式(2)によって求められたMDC・年齢・都道府県別の発生患者数の一部が表で示されている。
MDC・年齢・都道府県別の発生患者数
= MDC・年齢別の患者発生率×年齢・都道府県別の人口 ・・・(2)
【0029】
S103では、補正係数の算出が行われる。この補正係数は、DPCデータが患者数上位300種類であることを鑑みた補正を行う係数であって、DPCデータとは別に公表されている公表データ(DB3)を使用して算出される値である。
図6に示されるように、この公表データ中には、各医療機関・MDC毎に退院患者数が集計されている。本実施形態では、この退院患者数を発生患者数とみなして演算を行うこととしている。DPCデータと異なり、この公表データでは、全患者が対象となるため、全発生患者数とみなすことが可能である。
【0030】
図6に示されるように、北海道におけるMDC01(神経系疾患)の全発生患者数は、Aの範囲の退院患者数を合計した数として集計される。
図10には、このように公表データを集計することで得られたMDC・都道府県別の全発生患者数が示されている。一方、S102において式(2)で得られたMDC・年齢・都道府県別の発生患者数を年齢で集計することで、DPCデータに基づくMDC・都道府県別の発生患者数が集計できる。公表データに基づく全発生患者数をDPCデータに基づく発生患者数で除する(式(3))ことで、MDC・都道府県別の補正係数が算出される。
図11には、この式(3)によって求められたMDC・都道府県別の補正係数の一部が表で示されている。
MDC・都道府県別の補正係数
= MDC・都道府県別の全発生患者数÷MDC・都道府県別の発生患者数・・・(3)
【0031】
S104では、国勢調査データに基づいて、将来の年齢階級別の人口予測が行われる。また、本実施形態では、入力手段から指定された対象地域に対する人口予測が行われる。この対象地域は、例えば、新たな医療機関の建設に伴い、当該医療機関の建設場所に対応した地域が選定される。具体的には、
図5で説明したメッシュ区分中、建設場所に対応する1次〜3次のメッシュが選定される。メッシュ選定にあたっては、建設場所からの距離に加え、川や橋、道路などの地形情報を考慮して選定することが好ましい。このように選定されたメッシュについて、国勢調査データ中の人口、各年齢毎の出生率、生存率といった人口関連データに基づいて、選定された対象地域に対する人口推移(例えば5年ごと)が予測される。この予測は、メッシュ毎の人口関連データのみならず、国勢調査によって集計された都道府県別の移動率を考慮することとしてもよい。
【0032】
S105では、S101にて得られたMDC・年齢別の患者発生率と、S103で得られたMDC・都道府県別の補正係数と、S104で得られた対象地域における年齢別の人口予測に基づいて、対象地域におけるMDC・年齢別発生患者発生数が算出(予測)される。具体的には、下記に示す式(4)を用いて算出される。なお、補正係数は、指定された対象地域に対応した都道府県のものが使用される。
対象地域のMDC・年齢別の発生患者数
= MDC・年齢別の患者発生率×年齢別の人口予測×MDC別の補正係数・・・(4)
【0033】
以上、本実施形態では、DPCデータに記憶する傷病・年齢別の患者数と、国勢調査データに基づいて、予測対象地域におけるMDC・年齢別の発生患者数を予測することを可能としている。その際、DPCデータが上位患者数300種類のMDCに限定されたものであることを補正するため、MDC・都道府県別の全発生患者数を算出可能とする公表データを利用した補正係数を使用することで、予測の精度向上が図られている。なお、本実施形態では、最終的な結果(対象地域のMDC・年齢別の発生患者数)を年齢別に算出しているが、MDC別でのみ発生患者数を算出することとしても良い。その場合、DPCデータ(DB1)、国勢調査データ中の人口データ(DB2)は必ずしも年齢別に用意する必要はない。
【0034】
このような予測に基づいて得られたある対象地域、あるMDCにおける予測結果を
図12、
図13に示しておく。
図12には、年齢別の発生患者数予測結果が示されている。また、
図13には、発生患者数予測結果と他のモデルによる予測結果の比較が示されている。
図13中、DPCモデルは、本実施形態の急性期医療需要予測システムによる予測結果に相当したものであり、また、
図12の各年齢を合計した値となっている。
【0035】
図13中、患者調査一般病床モデルでは、全病床を対象とした全病床対象モデルに対し、入院期間の長い療養病床(慢性期相当)利用者を除いた患者を予測したものとなっている。この患者調査一般病床モデル(特許文献4で使用しているモデル)では、実態として一般病床に入院している慢性期相当の病態の患者も一部含まれているため、本実施形態のDPCモデルよりも発生患者数が多く予測された結果となっている。一方、本実施形態で使用したDPCデータは、急性期の病院のみを対象とて集計されたデータであるため、精度の高い予測で発生患者数の予測が可能とされている。
【0036】
以上、本実施形態では、対象地域におけるMDC・年齢別の発生患者数の予測を行うこととしたが、この予測に基づいて対象地域におけるMDC別の在院患者数を予測することも可能である。
【0037】
このMDC別の在院患者数は、
図1に示されるように厚生労働省によって公表される公
表データ(CB3)を使用して算出されるMDC・都道府県別の平均在院日数(S106)を用いて算出される。
図6に示されるように公表データには、MDC・医療機関別に平均在院日数が記録されている。ここでは、この平均在院日数をも利用することで、対象地域のMDC別の在院患者数が算出される。
【0038】
一般に在院患者数(1日あたり入院している患者数)は、以下の式(A)によって求めることが可能である。
在院患者数 = 1日あたりの発生患者数×平均在院日数 ・・・(A)
医療機関における在院患者数は、大幅な変動を伴うことは少ないことを理由として、式(A)における1日あたりの発生患者数は、退院患者数に略等しいと見なすことが可能である。したがって、MDC・都道府県別の在院患者数は、
図6に示す公表データ(DB3)から、MDC・都道府県別に式(5)を演算することで算出される。
MDC・都道府県別の在院患者数 = Σ(退院患者数×平均在院日数)・・・(5)
一方、MDC・都道府県別の発生患者数は、この公表データから、退院患者数をMDC・都道府県別に集計することで算出される。したがって、MDC・都道府県別の平均在院日数は、式(5)の結果を利用することで算出することが可能である。
MDC・都道府県別の平均在院日数
= MDC・都道府県別の在院患者数÷MDC都道府県別の発生患者数・・・(6)
【0039】
S106では、このような過程を経てMDC・都道府県別の平均在院日数が得られる。S106の演算結果と、S105の演算結果を乗算する(式(7))ことで、対象地域におけるMDC別の在院患者数が算出することが可能である。その際、式(6)で得られたMDC・都道府県別の平均在院日数については、対象地域に対する都道府県の値が使用され、また、式(4)で得られた対象地域のMDC・年齢別の発生患者数については、年齢別のものを合計した値が使用される。
対象地域のMDC別の在院患者数 =
対象地域の平均在院日数×対象地域のMDCの発生患者数 ・・・(7)
【0040】
S106での平均在院日数が年齢別に算出できないことを理由として、この式(7)による対象地域のMDC別の在院患者数も年齢別に算出することができないが、このようにMDC別の在院患者数を予測可能とすることで、急性期医療の医療機関に対する将来のニーズを把握することが可能となる。
【0041】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。