特許第5737598号(P5737598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5737598
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】電動式建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20150528BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20150528BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20150528BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20150528BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   E02F9/20 C
   E02F9/00 C
   B60L11/18 C
   B60L3/00 J
   H02J7/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-539754(P2012-539754)
(86)(22)【出願日】2011年10月19日
(86)【国際出願番号】JP2011074066
(87)【国際公開番号】WO2012053560
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2013年11月20日
(31)【優先権主張番号】特願2010-237461(P2010-237461)
(32)【優先日】2010年10月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100156524
【弁理士】
【氏名又は名称】猪野木 雄一
(72)【発明者】
【氏名】栗熊 甫
(72)【発明者】
【氏名】那須 且良
(72)【発明者】
【氏名】滝下 竜夫
(72)【発明者】
【氏名】高木 渉
【審査官】 富山 博喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−121328(JP,A)
【文献】 特開平9−285022(JP,A)
【文献】 特開2007−288894(JP,A)
【文献】 特開2007−284874(JP,A)
【文献】 特開2002−146844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
B60L 3/00
B60L 11/18
E02F 9/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動部材を駆動する油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプ(33)の駆動源である電動モータ(31)若しくは被駆動部材を駆動する電動モータ(31A;31B)と、
前記電動モータ(31;31A;31B)の電力源であるバッテリ(7)と、
運転室(6)外に設けられ、外部電源(41)とのケーブル接続を行うための給電口(9)と、
運転室(6)内に設けられ、ロック解除位置とロック位置との間で操作されるロックレバー(28)と、
前記ロックレバー(28)がロック解除位置に操作された場合に閉接点となり、前記ロックレバー(28)がロック位置に操作された場合に開接点となるロックスイッチ(29)と、
前記ロックスイッチ(29)から信号が入力された場合に前記バッテリ(7)の電力によって前記電動モータ(31;31A;31B)を駆動し、前記ロックスイッチ(29)から信号が入力されない場合に前記電動モータ(31;31A;31B)を停止させるモータ制御機能、及び前記外部電源(41)の電力によって前記バッテリ(7)を充電する充電制御機能を有する制御装置(40)と、
運転室(6)内に設けられ、起動位置や停止位置に操作されるキースイッチ(30)と、
前記キースイッチ(30)が起動位置に操作されたときに、電力源(52)から前記制御装置(40)に電力を供給して前記制御装置(40)を起動させる第1起動回路(30,53,54,55,56,57)とを備えた電動式建設機械において、
前記給電口(9)に設けられ、前記制御装置(40)の起動とともに前記充電制御を指示可能な充電スイッチ(43;63;63’)と、
前記キースイッチ(30)が停止位置にあって、前記充電スイッチ(43;63;63’)で前記制御装置(40)の起動とともに前記充電制御が指示されたときに、前記電力源(52)から前記制御装置(40)に電力を供給して前記制御装置(40)を起動させるとともに前記充電制御を行わせる第2起動回路(43,44,58,59,60,61,62;60,63)とを備え、
前記制御装置(40)が前記第2起動回路で起動されて前記充電制御を行う場合に、前記ロックスイッチ(29)が閉接点であっても、前記電動モータ(31;31A;31B)が駆動しないように構成したことを特徴とする電動式建設機械。
【請求項2】
請求項1記載の電動式建設機械において、前記ロックスイッチ(29)は、前記第1起動回路を介し前記電力源(52)に接続されており、これにより、前記制御装置(40)が前記第2起動回路で起動されて前記充電制御を行う場合に、前記ロックスイッチ(29)が閉接点であっても、前記第1起動回路が遮断されていて前記ロックスイッチ(29)から前記制御装置(40)へ信号が出力されず、前記電動モータ(31;31A;31B)が駆動しないように構成したことを特徴とする電動式建設機械。
【請求項3】
請求項1記載の電動式建設機械において、前記制御装置(40)は、前記第2起動回路で起動されて前記充電制御を行う場合に、前記ロックスイッチ(29)から入力した信号を無効化することにより、前記電動モータ(31;31A;31B)が駆動しないように構成したことを特徴とする電動式建設機械。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の電動式建設機械において、前記給電口(9)にカバー(10)を開閉可能に設け、前記充電スイッチ(63’)は、前記カバー(10)の開閉状態に応じて作動するスイッチであって、前記カバー(10)が開き状態である場合に前記制御装置(40)の起動とともに前記充電制御を指示し、前記カバー(10)が閉じ状態である場合に前記制御装置(40)の停止を指示することを特徴とする電動式建設機械。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の電動式建設機械において、前記充電制御の状況を表示する表示灯(45)を前記給電口(9)に設けたことを特徴とする電動式建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータの電力源としてバッテリを搭載した電動式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の一つである油圧ショベルは、一般に、下部走行体と、この下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、この上部旋回体に俯仰可能に設けられブーム、アーム、及びバケットを含む多関節型の作業機とを備えている。この油圧ショベルは、例えば、油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油により駆動する複数の油圧アクチュエータ(詳細には、例えばブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、及びバケット用油圧シリンダ等)と、複数の操作装置の操作に応じて油圧ポンプから複数の油圧アクチュエータへの圧油の流れをそれぞれ制御する複数の方向切換弁とを備えている。
【0003】
近年、排気ガスを排出せず、騒音や振動も大幅に低減する利点を有することから、油圧ポンプの駆動源としてエンジンの代わりに電動モータを搭載した電動式油圧ショベルが提唱されている(例えば、特許文献1及び2参照)。この電動式油圧ショベルは、上述したブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、及びバケット用油圧シリンダの他に、旋回用の電動モータ若しくは油圧モータと、走行用の電動モータ若しくは油圧モータとを備えている。そして、例えば、前述した電動モータの電力源としてバッテリを搭載している。
【0004】
このバッテリ搭載型の電動式油圧ショベルにおいては、例えば特許文献1に記載のように、上部旋回体の側方側(言い換えれば、運転室外)に給電口を設け、この給電口に商用電源(外部電源)のケーブルを接続可能としている。また、例えば特許文献2に記載のように、バッテリ充電を指示可能なスイッチを運転室内に設けている。そして、電動式油圧ショベルに搭載の電源システムは、バッテリ等からの電力を制御して電動モータを駆動するモータ制御機能、及び商用電源からの交流電力を直流電力に変換してバッテリを充電する充電制御機能を有し、前述したスイッチの指示に応じてバッテリ充電制御を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−284874号公報
【特許文献2】特開2007−228715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術には、以下のような課題が存在する。
すなわち、上記従来技術においては、例えば稼働停止中の電動式油圧ショベルに対しバッテリ充電作業を行う場合、運転室外にて、運転者が外部電源からのケーブルを給電口に接続する。また、運転室内にて、運転者がキースイッチを操作して電源システムを起動し、その後、充電スイッチを操作してバッテリ充電制御を行わせる。そのため、運転者は運転室の内外を行き来しなければならず、作業効率の面で課題になっている。
【0007】
本発明の目的は、バッテリ充電作業における作業効率を向上することができる電動式建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、被駆動部材を駆動する油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプの駆動源である電動モータ若しくは被駆動部材を駆動する電動モータと、前記電動モータの電力源であるバッテリと、運転室外に設けられ、外部電源とのケーブル接続を行うための給電口と、運転室内に設けられ、ロック解除位置とロック位置との間で操作されるロックレバーと、前記ロックレバーがロック解除位置に操作された場合に閉接点となり、前記ロックレバーがロック位置に操作された場合に開接点となるロックスイッチと、前記ロックスイッチから信号が入力された場合に前記バッテリの電力によって前記電動モータを駆動し、前記ロックスイッチから信号が入力されない場合に前記電動モータを停止させるモータ制御機能、及び前記外部電源の電力によって前記バッテリを充電する充電制御機能を有する制御装置と、運転室内に設けられ、起動位置や停止位置に操作されるキースイッチと、前記キースイッチが起動位置に操作されたときに、電力源から前記制御装置に電力を供給して前記制御装置を起動させる第1起動回路とを備えた電動式建設機械において、前記給電口に設けられ、前記制御装置の起動とともに前記バッテリの充電制御を指示可能な充電スイッチと、前記キースイッチが停止位置にあって、前記充電スイッチで前記制御装置の起動とともに前記バッテリの充電制御が指示されたときに、前記電力源から前記制御装置に電力を供給して前記制御装置を起動させるとともに前記バッテリの充電制御を行わせる第2起動回路とを備え、前記制御装置が前記第2起動回路で起動されて前記バッテリの充電制御を行う場合に、前記ロックスイッチが閉接点であっても、前記電動モータが駆動しないように構成する。
【0009】
このような本発明においては、稼働停止中の電動式建設機械に対しバッテリ充電作業を行う場合、運転室外にて、運転者が外部電源からのケーブルを給電口に接続する。また、給電口の充電スイッチを操作して制御装置を起動させるとともにバッテリの充電制御を行わせる。したがって、バッテリ充電作業において運転室内のキースイッチ等を操作するために運転室へ行く必要がなくなり、作業効率を向上することができる。また、このとき、仮に、運転室内のロックレバーがロック解除位置に操作されていても、本発明においては電動モータが駆動しないように構成する。これにより、バッテリ充電作業中に電動モータが駆動しないので、作業時間の短縮が図れるとともに、誤作動を防止することができる。そして、運転室内のロックレバーの操作位置を確認したりロックレバーをロック位置に操作したりするために運転室へ行く必要もなくなり、作業効率を向上することができる。
【0010】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記ロックスイッチは、前記第1起動回路を介し前記電力源に接続されており、これにより、前記制御装置が前記第2起動回路で起動されて前記バッテリの充電制御を行う場合に、前記ロックスイッチが閉接点であっても、前記第1起動回路が遮断されていて前記ロックスイッチから前記制御装置へ信号が出力されず、前記電動モータが駆動しないように構成する。
【0011】
(3)上記(1)において、好ましくは、前記制御装置は、前記第2起動回路で起動されて前記バッテリの充電制御を行う場合に、前記ロックスイッチから入力した信号を無効化することにより、前記電動モータが駆動しないように構成する。
【0012】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記給電口にカバーを開閉可能に設け、前記充電スイッチは、前記カバーの開閉状態に応じて作動するスイッチであって、前記カバーが開き状態である場合に前記制御装置の起動とともに前記バッテリの充電制御を指示し、前記カバーが閉じ状態である場合に前記制御装置の停止を指示する。
【0013】
これにより、運転者が充電スイッチを操作する必要がなくなり、作業効率をさらに向上することができる。
【0014】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記バッテリの充電制御の状況を表示する表示灯を前記給電口に設ける。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、バッテリ充電作業における作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態における電動式油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
図2】本発明の第1の実施形態における油圧駆動装置のうちブームの駆動に係わる構成を代表例として表す概略図である。
図3】本発明の第1の実施形態における電源システムの構成を表す概略図である。
図4】本発明の第1の実施形態における給電口の構造を表す部分拡大側面図であり、カバーの開き状態を示す。
図5図4中断面V−Vによる断面図である。
図6】本発明の第1の実施形態における制御装置のバッテリ充電制御の処理内容を表すフローチャートである。
図7】本発明の第2の実施形態における電源システムの構成を表す概略図である。
図8】本発明の第1の変形例における電源システムの構成を表す概略図である。
図9】本発明の第1の変形例における給電口の構造を表す部分拡大側面図であり、カバーの開き状態を示す。
図10】本発明の第1の変形例における制御装置のバッテリ充電制御のフローチャートである。
図11】本発明の第2の変形例における給電口の構造を表す部分拡大側面図であり、カバーの開き状態を示す。
図12図11中断面XII−XIIによる断面図である。
図13】本発明の第3の変形例における走行用電動モータを表す概略図である。
図14】本発明の第4の変形例における旋回用電動モータを表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の適用対象として電動式の油圧ショベルを例にとり、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、本実施形態における電動式油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。なお、以降、電動式油圧ショベルが図1に示す状態にて運転者が運転席に着座した場合における運転者の前側(図1中左側)、後側(図1中右側)、左側(図1中紙面に向かって手前側)、右側(図1中紙面に向かって奥側)を、単に前側、後側、左側、右側と称する。
【0019】
この図1において、電動式油圧ショベルは、クローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に設けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2の基礎下部構造をなす旋回フレーム3と、この旋回フレーム3の前側に左右方向に回動可能に設けられたスイングポスト4と、このスイングポスト4に上下方向に回動可能(俯仰可能)に連結された多関節型の作業機5と、旋回フレーム4上に設けられたキャノピータイプの運転室6と、旋回フレーム4上の後側に設けられメインバッテリ7(後述の図3参照)を収納するバッテリ搭載部8とを備えている。また、上部旋回体2の左側(言い換えれば、運転室6の外側)には給電口9が設けられ、この給電口9にはカバー10が開閉可能に設けられている。
【0020】
下部走行体1は、上方から見て略H字形状のトラックフレーム11と、このトラックフレーム11の左右両側の後端近傍に回転可能に支持された左右の駆動輪12と、トラックフレーム11の左右両側の前端近傍に回転可能に支持された左右の従動輪(アイドラ)13と、左右それぞれの駆動輪12と従動輪13とで掛けまわされた左右の履帯(クローラ)14とを備えている。そして、左右の走行用油圧モータ15の駆動により左右の駆動輪12(すなわち、左右の履帯14)がそれぞれ回転して、下部走行体1の走行動作を行わせるようになっている。
【0021】
トラックフレーム11の前側には排土用のブレード16が上下動可能に設けられており、このブレード16はブレード用油圧シリンダ(図示せず)の伸縮駆動により上下動するようになっている。
【0022】
トラックフレーム11の中央部には旋回輪17が設けられ、この旋回輪17を介し旋回フレーム3が旋回可能に設けられており、旋回フレーム3(すなわち、上部旋回体2)は旋回用油圧モータ(図示せず)の駆動により旋回するようになっている。
【0023】
スイングポスト4は、旋回フレーム3の前側に左右方向に回動可能に設けられており、スイング用油圧シリンダ(図示せず)の伸縮駆動により左右方向に回動するようになっている。これにより、作業機5が左右にスイングするようになっている。
【0024】
作業機5は、スイングポスト4に上下方向に回動可能に連結されたブーム18と、このブーム18に上下方向に回動可能に連結されたアーム19と、このアーム19に上下方向に回動可能に連結されたバケット20とを備えている。ブーム18、アーム19、及びバケット20は、ブーム用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、及びバケット用油圧シリンダ23により上下方向に回動するようになっている。なお、バケット20は、例えばオプション用油圧アクチュエータが組み込まれたアタッチメント(図示せず)と交換可能になっている。
【0025】
運転室6には、運転者が着座する運転席(座席)24が設けられている。運転席24の前方には、手または足で操作可能とし前後方向に操作することで左右の走行用油圧モータ15の動作をそれぞれ指示する左右の走行用操作レバー25が設けられている。左の走行用操作レバー25のさらに左側の足元部分には、左右方向に操作することでオプション用油圧アクチュエータの動作を指示するオプション用操作ペダル(図示せず)が設けられている。右の走行用操作レバー25のさらに右側の足元部分には、左右方向に操作することでスイング用油圧シリンダの動作を指示するスイング用操作ペダル(図示せず)が設けられている。
【0026】
運転席24の左側には、前後方向に操作することでアーム用油圧シリンダ22の動作を指示し、左右方向に操作することで旋回用油圧モータの動作を指示する十字操作式のアーム・旋回用操作レバー26が設けられている。運転席24の右側には、前後方向に操作することでブーム用油圧シリンダ21の動作を指示し、左右方向に操作することバケット用油圧シリンダ23の動作を指示する十字操作式のブーム・バケット用操作レバー27(後述の図2参照)が設けられている。また、運転席24の右側には、前後方向に操作することでブレード用油圧シリンダの動作を指示するブレード用操作レバー(図示せず)が設けられている。
【0027】
また、運転席24の左側(言い換えれば、運転室6の乗降口)には、ロック解除位置(詳細には、運転者の乗降を妨げる下降位置)とロック位置(詳細には、運転者の乗降を許容する上昇位置)に操作されるロックレバー28が設けられている。また、ロックレバー28がロック解除位置にある場合に開接点、ロック位置にある場合に閉接点となるロックスイッチ29(後述の図3参照)が設けられている。
【0028】
また、運転席24の右側には、後述するキースイッチ30(図3参照)や、後述する電動モータ31(図2及び図3参照)の目標回転数を指示する回転数指示器32(図3参照)が設けられている。
【0029】
上述した下部走行体1、上部旋回体2、スイングポスト4、ブレード16、ブーム18、アーム19、及びバケット20は、電動式油圧ショベルに搭載の油圧駆動装置によって駆動されるようになっている。図2は、この油圧駆動装置のうち、ブーム18の駆動に係わる構成を代表例として表す概略図である。
【0030】
この図2において、油圧駆動装置は、電動モータ31と、この電動モータ31によって駆動される油圧ポンプ33及びパイロットポンプ34と、油圧ポンプ33からブーム用油圧シリンダ21への圧油の流れをそれぞれ制御するブーム用方向切換弁35と、操作装置36とを備えている。
【0031】
操作装置36は、上述したブーム・バケット用操作レバー27と、この操作レバー27の中立位置から前側の操作量に応じてパイロットポンプ34の吐出圧を減圧してパイロット圧を生成するパイロット弁36aと、操作レバー27の中立位置から後側の操作量に応じてパイロットポンプ34の吐出圧を減圧してパイロット圧を生成するパイロット弁36b等を有している。
【0032】
そして、例えば操作レバー27を前側に操作すると、その操作量に応じてパイロット弁36aで生成されたパイロット圧がブーム用方向切換弁35の受圧部35aへ出力され、これによってブーム用方向切換弁35が図中右側の切換位置に切換えられる。その結果、ブーム用油圧シリンダ21が縮短するようになっている。一方、操作レバー27を後側に操作すると、その操作量に応じてパイロット弁36bで生成されたパイロット圧がブーム用方向切換弁35の受圧部35bへ出力され、これによってブーム用方向切換弁35が図中左側の切換位置に切換えられる。その結果、ブーム用油圧シリンダ21が伸張するようになっている。
【0033】
パイロットポンプ34の吐出油路37にはパイロットリリーフ弁38が接続されており、パイロットリリーフ弁38は、パイロットポンプ34の最高吐出圧を規定するようになっている。また、パイロットポンプ34の吐出油路37にはロックバルブ39が設けられており、このロックバルブ39は、上述したロックレバー28の操作等に応じて切り換えられるようになっている。詳細には、ロックレバー28がロック解除位置(下降位置)に操作されてロックスイッチ29が閉接点となり、このロックスイッチ29を介してロックバルブ39のソレノイド部39aが通電された場合に、ロックバルブ39が図中左側の切換位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ34の吐出油路37を連通状態とし、パイロットポンプ34の吐出圧が操作装置に導入される。一方、例えばロックレバーがロック位置(上昇位置)に操作されてロックスイッチ29が開接点となり、ロックバルブ39のソレノイド部39aが通電されない場合、バネ39bの付勢力によってロックバルブ39が図中右側の切換位置に切換えられる。これにより、パイロットポンプ34の吐出油路37を遮断状態とする。その結果、操作装置を操作してもパイロット圧が生成されないので、油圧アクチュエータが作動しないようになっている。
【0034】
次に、本実施形態の要部である電動式油圧ショベルに搭載の電源システムを説明する。図3は、本実施形態における電源システムの構成を表す概略図である。なお、この図3において点線で示された商用電源(外部電源)及びそのケーブルは、電動式油圧ショベルに搭載されていない。また、図4は、前述の図1で示した給電口9の構造を表す部分拡大側面図(但し、カバー10の開き状態を示す図)であり、図5は、図4中断面V−Vによる断面図である。
【0035】
これら図3図5において、電源システムは、上部旋回体2の後側のバッテリ搭載部8に搭載され、電動モータ31の電力源であるメインバッテリ7(詳細には、例えば複数のバッテリセルで構成された総電圧150V程度のもの)と、このメインバッテリ7と電動モータ31との間に介在し、メインバッテリ7からの電力を電動モータ31に供給して電動モータ31を駆動するモータ制御機能を有する制御装置40とを備えている。
【0036】
また、上部旋回体2の左側の給電口9には、例えば3相200Vの商用電源41(外部電源)からのケーブルを接続可能な給電ソケット42と、充電開始スイッチ43と、充電終了スイッチ44と、表示灯(LED)45とが設けられている。そして、制御装置40は、商用電源41が給電口9に接続された場合に商用電源41とメインバッテリ7との間に介在するようになっており、商用電源41からの電力をメインバッテリ7に供給してメインバッテリ7を充電する充電制御機能を有している。
【0037】
制御装置40は、マイコン46、チョッパ装置47、及びインバータ48を備えている。マイコン46は、機能的な構成として、電動モータ31の駆動制御を行うモータ制御部49と、メインバッテリ7の充電制御を行う充電制御部50と、電源部51とを有している。制御装置40のマイコン46は、その電源部51に第1起動回路(詳細は後述)または第2起動回路(詳細は後述)を介しサブバッテリ52からの電力が供給されて、起動するようになっている。
【0038】
第1起動回路は、運転室6内のキースイッチ30の操作によって制御装置40のマイコン46を起動させるための回路である。
【0039】
キースイッチ30は、キーシリンダ及びこのキーシリンダに挿入可能なキーで構成されており、OFF位置(停止位置)、ON位置、及びSTART位置(起動位置)の順序で回転操作可能としている。そして、キースイッチ30がOFF位置に操作されると、B端子、R端子、及びACC端子が互いに接続されないようになっている。また、キースイッチ30がON位置に操作されると、B端子及びACC端子が互いに接続されるようになっている。また、キースイッチ30がSTART位置に操作されると、B端子及びR端子が互いに接続されるようになっている。なお、キースイッチ30は、START位置に操作された後、バネ等の付勢力によってON位置に移行するようになっている。
【0040】
キースイッチ30のB端子は、サブバッテリ52に接続されており、キースイッチ30のACC端子及びR端子は、自己保持型の電源リレー53を介し制御装置40に接続されている。詳細には、電源リレー53はコイルR1と常開の接点R1’を有し、コイルR1が配線54を介しキースイッチ30のR端子に接続され、接点R1’の一方側端子が配線55を介しキースイッチ30のACC端子に接続され、接点R1’の他方側端子が配線56を介しマイコン46の電源部51に接続され、配線54と配線55の間に配線57が接続されている。
【0041】
そして、キースイッチ30がSTART位置に操作されると、サブバッテリ52からの電力がキースイッチ30のB端子、R端子、配線54、配線57、及び配線56を経由してマイコン46の電源部51に供給されて、マイコン46が起動する。また、このとき、電源リレー53のコイルR1も通電されて、接点R1’が閉じる。これにより、その後、キースイッチ30がON位置に移行しても、サブバッテリ52からの電力がキースイッチ30のB端子、ACC端子、配線55、電源リレー53の接点R1’、及び配線56を経由してマイコン46の電源部51に供給されるようになっている。
【0042】
配線56にはロックスイッチ29を介しロックバルブ39のソレノイド部39a(前述の図2参照)が接続されている。そして、キースイッチ30がSTART位置に操作された場合(及び、その後、ON位置に移行した場合)に、ロックレバー28がロック解除位置(下降位置)に操作されてロックスイッチ29が閉接点になると、このロックスイッチ29からの信号がロックバルブ39のソレノイド部39aに出力されるとともに、マイコン46のモータ制御部49にも出力されるようになっている。
【0043】
マイコン46のモータ制御部49は、ロックスイッチ29からの信号が入力された場合に、メインバッテリ7からの電力を電動モータ31に供給させて電動モータ31を駆動するようになっている。詳細には、モータ制御部49は、チョッパ装置47にモータ駆動指令信号を出力し、チョッパ装置47は、このモータ駆動指令信号に応じて、メインバッテリ7からの電圧150V程度の直流を電圧270V程度まで昇圧してインバータ48に出力するようになっている。また、モータ制御部49は、回転数設定器32で設定された目標回転数を入力し、これに基づいたモータ回転数指令信号をインバータ48に出力する。インバータ48は、このモータ回転数指令信号に基づいてチョッパ装置47からの直流を交流に変換し、電動モータ31に供給する。これにより、電動モータ31の印加電圧が制御されて、電動モータ31の回転数が目標回転となるように制御される。また、マイコン46のモータ制御部49は、ロックスイッチ29からの信号が入力されない場合に、電動モータ31を停止させるようになっている。
【0044】
第2起動回路は、キースイッチ30がOFF位置にあっても、給電口9の充電開始スイッチ43の操作によって制御装置40のマイコン46を起動させるとともに、メインバッテリ7の充電制御を行わせるための回路である。この第2起動回路は、充電開始スイッチ43、充電終了スイッチ44、自己保持型の電源リレー58、及び回路遮断用リレー59,60を有している。充電開始スイッチ43は、モーメンタリ式の押しボタンスイッチで常開の接点を有し、押し操作されている間だけ接点が閉じ状態となる。充電終了スイッチ44は、モーメンタリ式の押しボタンスイッチで常閉の接点を有し、押し操作されている間だけ接点が開き状態となる。電源リレー58はコイルR2と常開の接点R2’を有し、回路遮断用リレー59はコイルR3と常閉の接点R3’を有し、回路遮断用リレー60はコイルR4と常閉の接点R4’を有している。
【0045】
そして、サブバッテリ52からマイコン46の電源部51に向かう順序で、充電終了スイッチ44、回路遮断用リレー60の接点R4’、回路遮断用リレー59の接点R3’、及び電源リレー58の接点R2’が直列に配線接続されている。また、電源リレー58の接点R2’に対し並列となるように充電開始スイッチ43が接続されている。具体的には、充電開始スイッチ43の一方側端子が配線61を介し回路遮断用リレー59の接点R3’と電源リレー58の接点R2’との間に接続され、充電開始スイッチ43の他方側端子が配線62を介し電源リレー58の接点R2’とマイコン46の電源部51との間に接続されている。また、配線62には電源リレー58のコイルR2が接続されている。
【0046】
そして、充電開始スイッチ43が押されている間、その接点が閉じ状態になるので、サブバッテリ52からの電力が充電終了スイッチ44、回路遮断用リレー60の接点R4’、回路遮断用リレー59の接点R3’、及び充電開始スイッチ43を経由してマイコン46の電源部51に供給されて、マイコン46が起動する。また、このとき、電源リレー58のコイルR2も通電されて、接点R2’が閉じる。これにより、その後、充電開始スイッチ43が押されなくなっても、電源リレー58のコイルR2の通電及び接点R2’の閉じ状態が継続するので、サブバッテリ52からの電力が充電終了スイッチ44、回路遮断用リレー60の接点R4’、回路遮断用リレー59の接点R3’、及び電源リレー58の接点R2’を経由してマイコン46の電源部51に供給されるようになっている。
【0047】
マイコン46の充電制御部50は、上述した第2起動回路から電力が供給されているか否かを判定しており、第2起動回路から電力が供給されていると判定した場合に、メインバッテリ7の充電制御を行うようになっている。この充電制御の処理手順を図6により説明する。図6は、充電制御の処理内容を表すフローチャートである。
【0048】
この図6において、まず、ステップ100において、商用電源41のケーブルが給電ソケット42に接続されているか否かを判定する。具体的には、給電ソケット42には、商用電源41のケーブルが接続された場合に検出信号を出力する検出回路(図示せず)が設けられており、この検出回路からの信号により判定する。そして、例えば商用電源41のケーブルが給電ソケット42に接続されていない場合は、ステップ100の判定が満たされず、ステップ110に移る。ステップ110では、給電口9の表示灯45に準備表示信号を出力し、表示灯45を例えば赤色で点滅させる。一方、例えば商用電源41のケーブルが給電ソケット42に接続されている場合は、ステップ110の判定が満たされ、ステップ120に移る。
【0049】
ステップ120では、メインバッテリ7に異常(エラー)が生じているか否かを判定する。具体的には、メインバッテリ7の電圧や温度を監視して異常が生じている場合にエラー信号を出力するバッテリ監視装置(図示せず)が設けられており、このバッテリ監視装置からのエラー信号により判定する。そして、例えばメインバッテリ7に異常が生じている場合は、ステップ120の判定が満たされ、ステップ130に移る。ステップ130では、給電口9の表示灯45にエラー表示信号を出力し、表示灯45を例えば赤色で点灯させる。一方、例えばメインバッテリ7に異常が生じていない場合は、ステップ120の判定が満たされず、ステップ140に移る。
【0050】
ステップ140では、チョッパ装置47に充電指令信号を出力する。チョッパ装置47は、この充電指令信号に応じて、商用電源41からの電圧200V程度の交流を直流に変換するとともに降圧してメインバッテリ7に供給し、メインバッテリ7を充電する。また、ステップ150に進み、給電口9の表示灯45に充電表示信号を出力し、表示灯45を例えば緑色で点滅させる。
【0051】
その後、ステップ160に進み、充電が完了したかどうかを判定する。具体的には、バッテリ監視装置からの充電完了信号により判定している。そして、例えばメインバッテリ7の充電が完了していない場合は、前述のステップ100に戻って上記同様の手順を繰り返す。一方、例えばメインバッテリ7の充電が完了した場合は、ステップ170に移る。ステップ170では、回路遮断用リレー59のコイルR3を通電させ、接点R3’を開く。これにより、電源リレー58のコイルR2への通電が遮断されて、接点R2’が開き状態となる。その結果、サブバッテリ52からマイコン46の電源部51への電力供給が遮断されて、マイコン46が停止する。これに伴い、給電口9の表示灯45は消灯する。
【0052】
また、例えばバッテリ充電制御中に給電口9の充電終了スイッチ44が押されると、その間、充電終了スイッチ44の接点が開き状態となる。これにより、電源リレー58のコイルR2への通電が遮断されて、接点R2’が開き状態となる。その結果、サブバッテリ52からマイコン46の電源部51への電力供給が遮断されて、マイコン46が停止する。これに伴い、給電口9の表示灯45は消灯する。
【0053】
なお、例えばバッテリ充電制御中にキースイッチ30がON位置に操作されると、キースイッチ30のACC端子に配線接続された遮断用リレー60のコイルR4が通電し、接点R4’が開く。これにより、電源リレー58のコイルR2への通電が遮断されて、接点R2’が開き状態となる。
【0054】
以上のように構成された本実施形態の作用効果を説明する。
【0055】
本実施形態においては、給電口9には、充電開始スイッチ43、充電終了スイッチ44、及び表示灯45が設けられている。そして、稼働停止中の電動式油圧ショベルに対しバッテリ充電作業を行う場合、運転室6外にて、運転者が商用電源41からのケーブルを給電口9に接続する。また、給電口9の充電開始スイッチ43を操作して制御装置40を起動させるとともにメインバッテリ7の充電制御を行わせる。したがって、バッテリ充電作業において運転室6内のキースイッチ30等を操作するために運転室6へ行く必要がなくなり、作業効率を向上することができる。
【0056】
また、本実施形態においては、ロックスイッチ29は、第1起動回路(詳細には、キースイッチ30及び電源リレー53)を介しサブバッテリ52に接続されている。すなわち、制御装置40が第2起動回路(詳細には、充電開始スイッチ43、充電終了スイッチ44、自己保持型の電源リレー58、及び回路遮断用リレー59,60)で起動されてバッテリ充電制御を行う場合に、ロックレバー28がロック解除位置に操作されていてロックスイッチ29が閉接点であっても、第1起動回路が遮断されていてロックスイッチ29から制御装置40へ信号が出力されず、電動モータ31が駆動しないように構成している。これにより、バッテリ充電作業中に電動モータ31が駆動しないので、作業時間の短縮が図れるとともに、誤作動を防止することができる。そして、運転室6内のロックレバー28の操作位置を確認したりロック位置に操作したりするために運転室6へ行く必要もなくなり、作業効率を向上することができる。
【0057】
本発明の第2の実施形態を、図7により説明する。
【0058】
図7は、本実施形態における電動式油圧ショベルの電気系統を表す電気回路図である。なお、この図7において、上記第1の実施形態と同等の部分は同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、上記第1の実施形態とは異なり、ロックスイッチ29は、第1起動回路(詳細には、キースイッチ30及び電源リレー53)を介さないでサブバッテリ52に配線接続されている。そのため、制御装置40のマイコン46が第2起動回路(詳細には、充電開始スイッチ43、充電終了スイッチ44、自己保持型の電源リレー58、及び回路遮断用リレー59,60)で起動されて充電制御を行う場合でも、ロックレバー28がロック解除位置(下降位置)に操作されてロックスイッチ29が閉接点となれば、ロックスイッチ29からの信号が出力されるようになっている。
【0060】
そこで、マイコン46のモータ制御部51は、上述した第2起動回路から電力が供給されているか否かを判定しており、第2起動回路から電力が供給されていると判定した場合に、ロックスイッチ29から入力した信号を無効化する。すなわち、ロックスイッチ29からの信号の有無にかかわらず、電動モータ31が駆動しないように構成している。
【0061】
このように構成された本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、バッテリ充電作業における作業効率を向上することができる。
【0062】
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、充電開始スイッチ(詳細には、モーメンタリ式の押しボタンスイッチ)及び充電終了スイッチ(詳細には、モーメンタリ式の押しボタンスイッチ)を給電口9に設けた場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変形例が考えられる。
【0063】
例えば図8及び図9で示す第1の変形例においては、ON位置・OFF位置に切り換え操作可能な充電スイッチ63を給電口9に設け、この充電スイッチ63と回路遮断用リレー60で第2起動回路を構成している。すなわち、充電スイッチ63は、ON位置に操作された場合に制御装置40のマイコン46の起動とともに充電制御を指示し、OFF位置に操作された場合に制御装置40のマイコン46の停止を指示する。そして、例えば図10で示すように、マイコン46の充電制御部50は、ステップ160にてメインバッテリ7の充電が完了したと判定した場合に、その判定が満たされステップ180に移って、給電口9の表示灯45に停止表示信号を出力し、表示灯45を例えば緑色で点灯させる。このような変形例においても、上記実施形態と同様、バッテリ充電作業における作業効率を向上することができる。
【0064】
例えば図11及び図12で示す第2の変形例においては、カバー10の開閉状態に応じて作動する充電スイッチ63’を設けている。すなわち、充電スイッチ63’は、カバー10が開き状態である場合に制御装置40のマイコン46の起動とともに充電制御を指示し、カバー10が閉じ状態である場合に制御装置40のマイコン46の停止を指示する。このような変形例においては、運転者が充電スイッチを操作する必要がなくなり、バッテリ充電作業における作業効率をさらに向上することができる。
【0065】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、制御装置40は、電動式油圧ショベルに搭載のメインバッテリ7の電力によって電動モータ31を駆動する制御機能(内部バッテリ駆動モード)を有する場合を例にとって説明したが、この制御機能に加えて、外部電源の電力によって電動モータを駆動する制御機能(外部電源駆動モード)を有し、選択的に行えるようにしてもよい。この場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0066】
なお、以上においては、本発明の適用対象として、走行用油圧モータ15、ブーム用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、バケット用油圧シリンダ23、及び旋回用油圧モータ等を備え、それら油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプ33の駆動源として電動モータ31を搭載した電動式油圧ショベルを例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、走行用油圧モータ15に代えて走行用電動モータ31A(図13参照)を備え、この走行用電動モータ31Aの駆動により駆動輪12が回転して下部走行体1の走行動作を行わせるような電動式油圧ショベルに適用してもよい。また、例えば、旋回用油圧モータに代えて旋回用電動モータ31B(図14参照)を備え、この旋回用電動モータ31Bの駆動により上部旋回体2の旋回動作を行わせるような電動式油圧ショベルに適用してもよい。また、電動式油圧ショベル以外に、例えば電動式油圧クレーン等の他の電動式建設機械に適用してもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0067】
6 運転室
7 メインバッテリ
9 給電口
10 カバー
15 走行用油圧モータ
21 ブーム用油圧シリンダ
22 アーム用油圧シリンダ
23 バケット用油圧シリンダ
28 ロックレバー
29 ロックスイッチ
30 キースイッチ
31 電動モータ
33 油圧ポンプ
40 制御装置
41 商用電源(外部電源)
43 充電開始スイッチ(充電スイッチ)
45 表示灯
52 サブバッテリ
53 電源リレー
58 電源リレー
59 回路遮断用リレー
60 回路遮断用リレー
63 充電スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14