(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記嵌合用凹部における前記外装本体の奥側にある終端部に前記嵌合用突出部を位置決めする位置決部が形成され、前記発電要素が前記外装本体の少なくとも内底面と非接触で配置されている請求項3に記載の電池。
前記嵌合用突出部のそれぞれは、前記電極シート側から先端側に向けて先細りに形成され、前記嵌合用凹部は、前記嵌合用突出部の形状に即して形成されている請求項2乃至5の何れか1項に記載の電池。
前記嵌合用凹部は、前記外装本体の内壁面に部分的に形成され、前記巻芯が備える前記嵌合用突出部の少なくとも何れか一方は、該巻芯の軸線方向で出退可能である請求項2乃至8の何れか1項に記載の電池。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記構成の電池1’は、集電部材5’のみが発電要素2’を支持しているため、外部から振動や衝撃が加わったときに電池外装体3’(外装本体30’)内で発電要素2’が揺動してしまう。そのため、上記構成の電池1’は、発電要素2’が揺動したときに、該発電要素2’を支持する集電部材5’に衝撃力や曲げ作用が集中的に作用し、電気抵抗が上昇することがある。また、この種の電池1’は、集電部材5’と外部端子4’とを接続するリベット等の挿通部材(採番しない)が蓋体31’に挿通され、該蓋体31’と挿通部材との間にパッキンが介装されることで電池外装体3’内が気密にされているが、上述の如く、発電要素2’の揺動に伴って集電部材5’に衝撃力や曲げが作用すると、集電部材5’に接続された挿通部材と蓋体31’との間に隙間が形成されてしまい、電池外装体3’内が気密な状態で維持できなくなることがある。従って、上記構成の電池1’は、外部から振動や衝撃が加わったときに安全性が低下してしまう虞がある。
【0007】
このような現状において、上記構成の電池1’を製造する際、発電要素2’全体を外装本体30’内に圧入することで発電要素2’の動きを規制し、集電部材5’に対する負担(発電要素2’の支持負担)を軽減させることも考えられるが、前記電池1’が二次電池である場合、発電要素2’が充放電で膨張と収縮とを繰り返すため、発電要素2’の全体的な体積変化で該発電要素2’が電池外装体3’(外装本体30’)の内面に圧接しなくなり、集電部材5’が発電要素2’を支持した状態になってしまう。そのため、この場合においても従来のものと同様に、外部から振動や衝撃が加わったときに外装本体30’内で発電要素2’が揺動して集電部材5’に衝撃力や曲げ作用が集中的に作用する結果、電気抵抗が上昇したり電池外装体3’の気密性が悪くなったりして安全性が低下してしまう虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、外部からの振動や衝撃が加わっても発電要素に接続した集電部材に集中的な力を作用させることなく、電気抵抗が上昇したり内部の気密性が悪くなったりすることを防止することのできる電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電池は、帯状の電極シートとセパレータとが巻回された巻回型の発電要素と、開放部を有する箱状の外装本体及び前記開放部を閉塞する蓋体を含み、前記発電要素を収容する電池外装体と、前記電池外装体の外部に配置された外部端子と、前記電池外装体内に配置され、
前記発電要素と前記電池外装体
における所定の方向を向いた壁部とに対して固定されるとともに前記発電要素及び前記外部端子に電気的に接続された集電部材とを備え、前記発電要素は、巻回中心に剛性を有する巻芯を備え、該巻芯の少なくとも一端が前記電池外装体
における前記所定の方向と交差する方向において対向する一対の内壁面に支持されている。
【0010】
上記構成の電池によれば、前記発電要素は、巻回中心に剛性を有する巻芯を備え、該巻芯の少なくとも一端が
電池外
装体の内壁面に支持されているため、外部からの衝撃や振動が作用しても発電要素が揺動することなく定位置で維持することになり、
電池外装体に固定された集電部材に対して集中的な力(衝撃力)等が作用したり曲げ作用が作用したりすることを防止することができる。従って、上記構成の電池は、電気抵抗が上昇したり電池外装体の気密性が悪くなったりすることを防止することができる。
【0011】
本発明の一態様として、前記巻芯は、前記電極シートの長手方向と直交する両端のそれぞれから外方に突出した嵌合用突出部を備え、前記
電池外
装体は、内部で対向する一対の内壁面上に嵌合用凹部を備え、前記巻芯の両端にある嵌合用突出部が前記嵌合用凹部に嵌入されていることが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、巻芯(嵌合用突出部)と
電池外
装体(嵌合用凹部)との嵌合により、巻芯(発電要素)が電池外装体に支持されて固定された状態になる。これにより、外部からの衝撃や振動が作用しても発電要素が揺動することなく定位置で維持することになり、
電池外装体に固定された集電部材に対して集中的な力(衝撃力)等が作用したり曲げ作用が作用したりすることを防止することができる。従って、上記構成の電池は、電気抵抗が上昇したり電池外装体の気密性が悪くなったりすることを防止することができる。
【0013】
本発明の他態様として、前記嵌合用凹部は、前記外装本体の開放部から奥側に向けて延びる溝状に形成され、前記嵌合用突出部が前記嵌合用凹部に沿って形成されていることが好ましい。このようにすれば、嵌合用突出部の多くの部分が嵌合用凹部に嵌入されるため、発電要素の固定を確実に行うことができる。
【0014】
この場合、前記嵌合用凹部における前記外装本体の奥側にある終端部に前記嵌合用突出部を位置決めする位置決部が形成され、前記発電要素が前記外装本体の少なくとも内底面と非接触で配置されていてもよい。このようにすれば、発電要素(巻芯)が位置決部(前記嵌合用凹部の終端部)と干渉することになり、嵌合用凹部の延びる方向でも発電要素の移動を確実に防止することができる。そして、この場合において、前記嵌合用凹部は、前記外装本体の開放部から該開放部と内底面との間の位置まで延びていることが好ましい。
【0015】
そして、本発明の別の態様として、前記巻芯は、前記嵌合用突出部の外面が前記嵌合用凹部の内面に圧接するように軸線方向の長さが設定されてもよいし、前記巻芯は、前記嵌合用突出部の外面が前記嵌合用凹部の内面を押圧するように軸線方向の長さが設定されてもよい。このようにすれば、巻芯は、両端部(嵌合用突出部)が外装本体の対向する内壁面間で突っ張った状態で支持されることになり、発電要素を外装本体に対して確実に固定することができる。そして、前記嵌合用突出部は、前記巻回中心と直交する方向から見て方形状であってもよい。
【0016】
また、本発明のさらに別の態様として、前記嵌合用突出部のそれぞれは、前記電極シート側から先端側に向けて先細りに形成され、前記嵌合用凹部は、前記嵌合用突出部の形状に即して形成されてもよい。この場合、前記嵌合用突出部は、前記巻回中心と直交する方向から見て三角形状、半円状、又は台形状であることが好ましい。このようにすれば、嵌合用突出部の外面と嵌合用凹部の内面との間で作用する接触力が、巻芯の軸線に対して交差方向に作用することになり、発電要素を巻芯の軸線方向及び該軸線方向と交差する方向の二方向の移動を確実に規制することができる。
【0017】
そして、本発明のさらに別の態様として、前記巻芯は、両端部のそれぞれに前記嵌合用突出部を備えた芯本体と、該芯本体の外周全周を覆う被覆部とを備え、前記嵌合用突出部は、前記被覆部から露出し、前記芯本体は、熱伝導性を有する金属材料で構成され、前記被覆部は、電気絶縁性及び弾性を有し、合成樹脂又は天然樹脂で構成されていることが好ましい。このようにすれば、被覆部の電気絶縁性により、電極シート(積層される正極用及び負極用の電極シート)の巻き初めとなる端部同士が巻芯を介して短絡することを防止することができる。
【0018】
また、被覆部の弾性により、電極シートの巻回状態を適正な状態で維持させることができる。すなわち、電極シートを芯材に巻き付けるとき、被覆部に対して電極シートの巻き付け力(締め付け力)が作用して被覆部が弾性変形することになるため、被覆部の復元力(径方向外方に向けて作用する力)で電極シートの巻き付け状態を適正な状態にすることができる。さらに、芯本体が熱伝導性に優れた金属材料で構成されているため、芯本体を介して充放電に伴う熱を表面積の大きな外装本体に伝達することができ、放熱性に優れたものにすることができる。
【0019】
また、前記発電要素は、電気絶縁性を有するシートで被覆され、該シートの外表面に樹脂フィルムを備えてもよい。
【0020】
本発明の更に別の態様として、前記嵌合用凹部は、前記外装本体の内壁面に部分的に形成され、前記巻芯が備える前記嵌合用突出部の少なくとも何れか一方は、該巻芯の軸線方向で出退可能であってもよい。この場合、前記巻芯は、内部に前記嵌合用突出部を外方に付勢する付勢手段を備えることが好ましい。
【0021】
また、本発明の更に別の態様として、前記巻芯は、溶接によって前記外装本体の内壁面に固定されてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電池によれば、外部からの振動や衝撃が加わっても発電要素に接続した集電部材に集中的な力を作用させることなく、電気抵抗が上昇したり内部の気密性が悪くなったりすることを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0025】
本実施形態に係る電池は、充放電可能なリチウムイオン電池である。かかる電池は、
図1〜
図3に示す如く、発電要素2が当該電池1の外殻を構成する電池外装体3に収容されたもので、電池外装体3の外部に設けられた外部端子4に発電要素2が電気的に接続されている。より具体的に説明すると、本実施形態に係る電池1は、
図2及び
図3に示す如く、帯状の電極シートS1,S2が巻回された巻回型の発電要素2と、該発電要素2を収容する電池外装体3と、発電要素2に電気的に接続され、電池外装体3内に配置された集電部材5と、該集電部材5に電気的に接続され、電池外装体3の外部に配置された外部端子4とを備えている。
【0026】
前記発電要素2は、正極用の電極シートS1及び負極用の電極シートS2をシート状のセパレータ(採番しない)を介して積層したもの(以下、電極積層体という)20を巻回して形成されている。本実施形態に係る発電要素2は、電極シートS1,S2の巻回中心となる剛性を有する巻芯21を備えている。すなわち、該発電要素2は、剛性を有する巻芯21に対して帯状の電極積層体20が巻き付けられることで形成されている。ここで「剛性を有する」とは、一端が支持される片持ち支持、或いは、両端が支持される両持ち支持の状態で、電池外装体3内で後述する蓋体31と外装本体30の底との間で撓みが発生しない、或いは殆ど発生しない強度に設定されていることを意味し、アルミニウムやステンレス等の金属材料で構成することが好ましい。
【0027】
なお、図示しないが、発電要素2は、電極積層体20を構成する正極用の電極シートS1及び負極用の電極シートS2が長手方向と直交する方向(以下、短手方向という)で僅かにずれて配置されており、巻芯21を中心にして巻回された状態で、短手方向(巻芯21の軸心方向)の一端側で負極用の電極シートS2の短手方向の端縁から正極用の電極シートS1の短手方向の一端部(一方の側端部)が突出し、短手方向(巻芯21の軸心方向)の他端側で正極用の電極シートS1の短手方向の端縁から負極用の電極シートS2の短手方向の他端部(他方の側端部)が突出している。
【0028】
本実施形態に係る発電要素2は、電極積層体20が扁平状に巻回されている。これに伴い、発電要素2の中心となる巻芯21は、プレート状に形成されている。
【0029】
前記巻芯21は、少なくとも電極積層体20(電極シートS1,S2)の巻回される領域の外周が電気絶縁性を有し、該巻芯21の両端部が電池外装体3(後述する外装本体30)の内部で対向する一対の内壁面に支持される。すなわち、本実施形態に係る巻芯21は、電池外装体3の内部で該電池外装体3の互いに対向する内壁面に両端支持されている。
【0030】
本実施形態に係る巻芯21は、
図4乃至
図6に示す如く、電極シートS1,S2(電極積層体20)の長手方向と直交する両端から外方に突出した嵌合用突出部210a,210bを両端に備えており、少なくとも嵌合用突出部210a,210b間の外周が電気絶縁性を有している。すなわち、巻芯21は、一方の端部が正極用の電極シートS1の短手方向の一端縁よりも外方に延出し、他方の端部が負極用の電極シートS2の短手方向の他端縁よりも外方に延出するように形成されており、電極積層体20に包囲される部分(嵌合用突出部210a,210b間)にある外周が電気絶縁性を有している。
【0031】
より具体的に説明すると、本実施形態に係る巻芯21は、両端部に前記嵌合用突出部210a,210bを備えた芯本体211と、嵌合用突出部210a,210b間にある芯本体211の外周全周を覆う被覆部212とを備えている。
【0032】
本実施形態に係る芯本体211は、熱伝導性に優れた金属材料で構成される。本実施形態に係る芯本体211は、電極積層体20の巻き中心と一致する軸線方向の一端から他端までの全長にかけて同一材料(例えば、アルミニウムや銅等の非鉄金属)で形成されている。
【0033】
本実施形態に係る巻芯21は、プレート状に形成されるため、前記芯本体211についてもプレート状に形成されており、電極積層体20の巻き中心線と一致する方向(以下、幅方向という)の両端部に嵌合用突出部210a,210bが形成されている。すなわち、芯本体211は、平面視方形状をなすプレート部210cと、該プレート部210cの両端部に連設された一対の嵌合用突出部210a,210bとを備えている。
【0034】
該一対の嵌合用突出部210a,210bは、プレート部210cの幅方向の両端部に対して部分的に形成されるか、或いは、プレート部210cの幅方向の両端部に対して該端部の全長に亘って形成される。本実施形態に係る電池1は、プレート部210cの端部の全長に亘って嵌合用突出部210a,210bが形成されている。そして、前記嵌合用突出部210a,210bは、金属材料から削り出してプレート部210cと一体的に形成されたり、プレート部210c(プレート材)に対して溶接することで該プレート部210cと一体的に形成されたりするもので、本実施形態においては、金属材料からプレート部210cと共に削り出すことよって形成されている。
【0035】
上記構成の芯本体211は、幅方向と直交する方向(以下、縦方向という)の両端面が平面状或いは外方に向けて突出した曲面状に形成されるが、本実施形態においては、外方に向けて突出した湾曲面状に形成されている。
【0036】
前記巻芯21は、嵌合用突出部210a,210bを後述する嵌合用凹部32a,32bに嵌入した状態で、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に圧接するように幅方向(軸線方向)の長さが設定されている。そして、巻芯21(芯本体211)の幅方向の両端部に設けられた嵌合用突出部210a,210bは、電極シートS1,S2側から先端側に向けて先細りに形成されている。すなわち、各嵌合用突出部210a,210bは、基端側から先端側に向けて幅方向及び縦方向と直交する方向(以下、厚み方向という)の厚みが薄くなるように形成されている。これにより、本実施形態に係る嵌合用突出部210a,210bは、縦方向から見た形状が三角形状をなしている。
【0037】
前記被覆部212は、電気絶縁性及び弾性を有する合成樹脂又は天然樹脂で構成される。本実施形態に係る被覆部212は、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)で構成されている。該被覆部212は、金属材料からなる嵌合用突出部210a,210bが露出することを前提に、幅方向において電極積層体20と一致或いはそれ以上の長さで形成されている。そして、本実施形態に係る発電要素2は、電極積層体20を扁平状に巻回して形成されるため、その巻回に伴う電極積層体20の湾曲に対応するように、被覆部212に縦方向の両端部の外表面が外方に突出した円弧面状に形成されている。これにより、電極積層体20は、最も内側で巻芯21(被覆部212)の外周面の全周に亘って密接な状態になっている。そして、上記構成の発電要素2は、電気絶縁性を有するシートBによって被覆した状態で電池外装体3に収容されている。なお、本実施形態において、前記シートBは、弾性を有するゴムシートが採用されており、発電要素2を密閉したゴムシートBを電池外装体3の内壁面に圧接させるようにしている。すなわち、本実施形態に係る電池1は、巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを外装本体30の嵌合用凹部32a,32bに嵌入することで巻芯21を側壁30b,30c間で突っ張らせつつ、発電要素2を密閉したシート(ゴムシート)Bの周囲を電池外装体3の内壁面に圧接させており、発電要素2を内外から拘束するようにしている。
【0038】
このように発電要素2をゴムシートBで被覆する場合、発電要素2を被覆したゴムシートBをさらに図示しない樹脂フィルム(PP(ポリプロピレン)フィルム等)で被覆した上で外装本体30に圧入することが好ましい。すなわち、ゴムシートBで発電要素2を被覆して電池外装体3(後述する外装体30)内に圧入する場合、外表面にゴムシートBが存在すると該ゴムシートBと電池外装体3の内壁面との間に摩擦が生じて発電要素2を電池外装体2に圧入しにくくなるため、発電要素2を被覆したゴムシートBを樹脂フィルム(PP(ポリプロピレン)フィルム等)で被覆することで、発電要素2(該発電要素2を被覆した樹脂シート)と電池外装体2の内壁面との間に生じる摩擦を小さくすることができ、発電要素2を電池外装体3に対して発電要素2を圧入し易くなる。
【0039】
前記電池外装体3は、一面を開放させて形成された箱状の外装本体30と、外装本体30の開放部を閉塞する蓋体31とで構成されている。前記外装本体30は、金属材料をプレスして形成されたり、金属材料を溶接したりすることで形成される。本実施形態に係る外装本体30は、非鉄金属をプレス成形されたもので、材質としては巻芯21(芯本体211)と同じ材質のものが採用されている。
【0040】
そして、前記外装本体30は、内部で対向する一対の内壁面上に嵌合用凹部32a,32bが形成されている。より具体的に説明すると、本実施形態に係る外装本体30は、平面視長方形状をなす底部30aと、該底部30aの長手方向(前記幅方向と対応する方向)の両端に連設され、該底部30aから起立した一対の側壁30b,30cと、前記底部30aの長手方向と直交する方向(前記厚み方向)の両端に連設され、該底部30aから起立した一対の前後壁30d,30eとを備え、側壁30b,30cと前後壁30d,30eとの隣り合う端縁同士が接続されている。
【0041】
これにより、外装本体30は、一面を開放させた有底角筒状に形成されている。そして、本実施形態に係る外装本体30は、一対の側壁30b,30cのそれぞれの内面(内壁面)に対し、前記嵌合用凹部32a,32bが互いに対向するように形成されている。本実施形態に係る嵌合用凹部32a,32bは、外装本体30の開放部から奥側に向けて延びるように形成されている。すなわち、各嵌合用凹部32a,32bは、縦方向に延びる溝状に形成されている。
【0042】
かかる嵌合用凹部32a,32bは、巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを嵌入させるもので、該嵌合用突出部210a,210bの形態に応じて形成される。従って、本実施形態に係る電池1は、巻芯21の両端部に設けられた各嵌合用突出部210a,210bが、縦方向から見て三角形状に形成されているため、前記各嵌合用凹部32a,32bについても縦方向から見て三角形状をなすように形成されている。これにより、該電池1は、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に対して接触するようになっている。
【0043】
そして、本実施形態に係る電池1の巻芯21は、嵌合用突出部210a,210bを嵌合用凹部32a,32bに嵌入した状態で、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に圧接するように軸線方向の長さが設定されている。
【0044】
すなわち、本実施形態に係る電池1は、嵌合用突出部210a,210bを嵌合用凹部32a,32bに対して圧入させるようにしているため、両端にある嵌合用突出部210a,210bの頂点(稜線)間の寸法(巻芯21(芯本体211)の幅方向の寸法)は、互いに対向する位置にある嵌合用凹部32a,32bを画定する二面の合流部分(頂点)間の寸法と一致又は僅かに長く設定されている。
【0045】
これにより、本実施形態に係る電池1は、発電要素2の巻芯21の両端部(嵌合用突出部210a,210b)を外装本体30の嵌合用凹部32a,32bに嵌入した状態で、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に圧接した状態になるように構成されている。なお、言うまでもないが、上記嵌合用凹部32a,32bは外装本体30の開放部から奥側に向けて真っ直ぐに延びるように形成されているため、前記発電要素2の巻芯21(芯本体211)は、プレート部210cが嵌合用凹部32a,32bに沿った姿勢で、各嵌合用突出部210a,210bが外装本体30の開放部側から嵌合用凹部32a,32bに差し込まれるようになっている。
【0046】
前記蓋体31は、金属プレートで構成されており、外装本体30の開放部に配置された状態で外周縁部が外装本体30の周壁に対して溶接されている。そのため、蓋体31は、外装本体30との溶接の観点で該外装本体30と同一の材料で構成されている。
【0047】
そして、蓋体31は、集電部材5と外部端子4とを電気的に接続するとともに集電部材5を蓋体31に固定するためのリベット250を挿通させるための貫通孔H1が穿設されている(
図2参照)。なお、本実施形態に係る蓋体31は、前記幅方向(発電要素2における電極積層体20の巻回中心線と一致する方向)に長手をなすように平面視長方形状に形成されており、前記貫通孔H1が幅方向の一端側及び他端側に穿設されている。
【0048】
該嵌合用凹部32a,32bは、嵌合用突出部210a,210bを嵌入した状態で、発電要素2が外装本体30の内底面と非接触になるように嵌合用突出部210a,210bを位置決めする位置決部320が外装本体30の奥側にある終端部に形成されている。本実施形態に係る位置決部320は、嵌合用凹部32a,32bの終端で構成されている(
図4参照)。すなわち、嵌合用凹部32a,32bは、内壁面上における縦方向の途中位置まで形成されており、該内壁面上における縦方向の途中位置にある終端が嵌合用突出部210a,210bと干渉して該嵌合用突出部210a,210bの位置決めを行う位置決部320として機能するようになっている。
【0049】
本実施形態に係る電池1は、集電部材5として正極用のものと負極用のものとを備えており、何れも電池外装体3内(蓋体31の内面側)に配置されている。より具体的に説明すると、集電部材5は、発電要素2に対して電気的に接続される接続部50と、該接続部50に対して連設され、蓋体31に対して固定される連結部51とを備えている。該集電部材5は、接続部50及び連結部51をそれぞれ別個に形成した上で互いを連結(例えば、溶接)させたものであってもよいが、本実施形態に係る集電部材5において、接続部50及び連結部51は、一体的に形成されている。すなわち、本実施形態に係る集電部材5は、金属製のプレートを裁断した上で所定の曲げ加工を行うことで形成されている。
【0050】
本実施形態に係る集電部材5の接続部50は、発電要素2の正極用の電極シートS1又は負極用の電極シートS2を挟み込むようになっている。すなわち、接続部50は、
図2及び
図6に示す如く、前記厚み方向で互いに対向し、幅方向の一端同士が直接的又は間接的に接続された一対の挟持片52a,52bを備えており、該一対の挟持片52a,52bで発電要素2を構成する電極シートS1,S2の短手方向の端部(互いにずらして配置されることで相手側の電極シートS1,S2の端縁から突出した部分)を一括で挟持した状態でかしめ処理されたり、溶接されたりするようになっている。本実施形態に係る集電部材5の接続部50は、縦方向から見てコの字状に形成されている。すなわち、一対の挟持片52a,52bの一端同士が帯板状部52cを介して接続されている。そして、本実施形態に係る接続部50は、挟持片52a,52b間に電極シートS1,S2の端部を配置した上で挟持片52a,52bの間隔を狭める(かしめる)ことで発電要素2と電気的に接続されている。
【0051】
本実施形態に係る電池1は、上述の如く、集電部材5が二つ設けられており、それぞれ一対の挟持片52a,52bを二組備えている。すなわち、前記発電要素2が巻芯21を中心にして電極積層体20が巻回されているため、巻芯21を介して厚み方向で二つの領域に区画されている。そのため、各集電部材5は、二つの領域にある電極シートS1,S2(同じ極性を有する電極シートS1,S2の積層部分)の端部にそれぞれ独立した接続部50を接続させるようになっている。
【0052】
前記連結部51は、一端に接続部50に接続されている。本実施形態に係る集電部材5は、接続部50を二つ備えているため、これらの接続部50が互いに合流して連結部51に接続されている。
【0053】
前記連結部51は、プレート状に形成されており、前記蓋体31の貫通孔Hと対応関係にある貫通孔H2が穿設されている。
【0054】
そして、本実施形態に係る電池1は、
図2及び
図4に示す如く、金属プレートからなる接続杆251を備えている。該接続杆251は、外部端子4を取り付けるための端子挿通孔H’が貫設され、また、前記リベット250を挿通するための貫通孔H3が穿設されている。
【0055】
前記外部端子4は、軸状に形成されている。本実施形態に係る外部端子4は、一端部に該外部端子4よりも大径な大径部40が連設されている。かかる外部端子4は、接続杆251の端子挿通孔H’に対して蓋体31側から外部端子4を挿通されており、大径部40が抜け止めした状態で外方に突出した状態になっている。
【0056】
そして、本実施形態に係る電池1は、集電部材5(連結部51)と蓋体31との間、接続杆251と蓋体31との間、リベット250と蓋体31との間に電気絶縁を図るための絶縁パッキンP1,P2が介装されている。本実施形態に係る電池1は、集電部材5(連結部51)と蓋体31との間、及びリベット250と蓋体31との間の電気絶縁を図る第一の絶縁パッキンP1と、接続杆251と蓋体31との間の電気絶縁を図る第二の絶縁パッキンP2とを備えている。
【0057】
前記第一の絶縁パッキンP1及び第二の絶縁パッキンP2は、蓋体31を挟んで内外に配置されている。そして、第一の絶縁パッキンP1は、集電部材5(連結部51)と蓋体31との間に介装されるため、リベット250を挿通させるための貫通孔(採番しない)が穿設されている。また、第二の絶縁パッキンP2は、接続杆251と蓋体31との間に介設されるため、第一の絶縁パッキンP1と同様にリベット250を挿通するための貫通孔(採番しない)が穿設されている(
図2参照)。
【0058】
そして、本実施形態に係る電池1は、接続杆251を電池外装体3の外部(蓋体31の外面側)に配置するとともに、集電部材5(連結部51)を電池外装体3の内部(蓋体31の内面側)に配置した上で、接続杆251、蓋体31、及び集電部材5(連結部51)に挿通したリベット250の両端部をかしめることで集電部材5が蓋体31に固定され、また、発電要素2と外部端子4とが集電部材5及びリベット250を介して電気的に接続されている。なお、第一の絶縁パッキンP1及び第二の絶縁パッキンP2は、上述の如く、接続杆251,蓋体31、集電部材5(連結部51)の間に介装されるため、上述の如く、リベット250がかしめられることで弾性変形を起こしており、それぞれの間の電気絶縁性を図りつつ各構成間を封止した状態(電池外装体3の内部を密閉した状態)にしている。
【0059】
本実施形態に係る電池1は、以上の構成からなり、外部から衝撃や振動が加わっても抵抗上昇や電池外装体3の気密不良の発生を防止することができる。具体的には、本実施形態に係る電池1は、上述の如く、発電要素2が電極シートS1,S2の巻回中心となる剛性を有する巻芯21を備え、該巻芯21は、電極シートS1,S2の長手方向と直交する両端から外方に突出した嵌合用突出部210a,210bを両端に備えるとともに、少なくとも嵌合用突出部210a,210b間の外周が電気絶縁性を有し、前記外装本体30は、内部で対向する一対の内壁面上に嵌合用凹部32a,32bが形成され、嵌合用突出部210a,210bが一対の内壁面上に形成された嵌合用凹部32a,32bに嵌入されて嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に接触又は略接触しているため、充放電に伴って発電要素2(電極シートS1,S2)が膨張及び縮小を繰り返しても、嵌合用凹部32a,32bに対する嵌合用突出部210a,210bの嵌合が維持されることになる。
【0060】
これにより、外部からの衝撃や振動が作用しても発電要素2が幅方向及び厚み方向に揺動することなく定位置で維持することになり、蓋体31に固定された集電部材5に対して集中的な力が作用したり曲げ作用が作用したりすることを防止することができる。従って、上記構成の電池1は、電気抵抗が上昇したり、電池外装体3’(第一の絶縁パッキンP1とリベット250との間や絶縁パッキンP1と蓋体31との間)の気密性が悪くなったりすることを防止することができる。
【0061】
そして、本実施形態に係る電池1の巻芯21は、嵌合用突出部210a,210bを嵌合用凹部32a,32bに嵌入した状態で、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に圧接するように軸線方向の長さが設定されているため、巻芯21の両端部(嵌合用突出部210a,210b)が外装本体30の対向する内壁面間で突っ張って支持された状態になり、発電要素2を外装本体30に対して確実(強固)に固定することができる。
【0062】
特に、本実施形態に係る電池1は、両嵌合用突出部210a,210bが電極シートS1,S2側から先端側に向けて先細りに形成され、前記嵌合用凹部32a,32bが嵌合用突出部210a,210bの形状に即して形成されているため、嵌合用突出部210a,210bの外面と嵌合用凹部32a,32bの内面との間で作用する接触力(圧接力)が、巻芯21の軸線に対して交差方向に作用することになり、発電要素2を巻芯21の軸線方向及び該軸線方向と交差する方向の二方向の移動を確実に規制することができる。
【0063】
そして、本実施形態において、前記嵌合用凹部32a,32bは、外装本体30の開放部から奥側に向けて延びる溝状に形成され、前記嵌合用突出部210a,210bが嵌合用凹部32a,32bに沿って形成されているため、嵌合用突出部210a,210bの多くの部分が嵌合用凹部32a,32bに嵌入されることになる。これにより、本実施形態に係る電池1は、巻芯21の両端部が支持される(固定される)ことになり、発電要素2を確実に固定することができる。
【0064】
また、前記嵌合用凹部32a,32bは、嵌合用突出部210a,210bを嵌入した状態で、発電要素2を構成する電極シートS1,S2が外装本体30の内底面と非接触になるように嵌合用突出部210a,210bを位置決めする位置決部320が外装本体30の奥側にある終端部に形成されているため、発電要素2(巻芯21)が嵌合用凹部32a,32bの終端部(位置決部320)と干渉することになり、嵌合用凹部32a,32bの延びる方向(縦方向)においても発電要素2の移動を確実に防止することができる。
【0065】
さらに、本実施形態において、前記巻芯21は、両端部に前記嵌合用突出部210a,210bを備えた芯本体211と、嵌合用突出部210a,210b間にある芯本体211の外周全周を覆う被覆部212とを備え、芯本体211は、熱伝導性に優れた金属材料で構成され、被覆部212が電気絶縁性及び弾性を有する合成樹脂(SBR)で構成されているため、被覆部212の電気絶縁性により、電極積層体20(積層される正極用及び負極用の電極シートS1,S2)の巻き初めとなる端部同士が巻芯21を介して短絡してしまうことを確実に防止することができる。
【0066】
また、被覆部212の弾性により、電極シートS1,S2の巻回状態を適正な状態で維持させることができる。すなわち、電極シートS1,S2を巻芯21に巻き付けるとき、被覆部212に対して電極シートS1,S2の巻き付け力(締め付け力)が作用して被覆部212が弾性変形することになる。これにより、本実施形態に係る電池1は、被覆部212の復元力(径方向外方に向けて作用する力)で電極シートS1,S2の巻き付け状態を適正な状態にすることができる。さらに、本実施形態に係る電池1は、芯本体211が熱伝導性に優れた金属材料で構成されているため、芯本体211を介して充放電に伴う熱を表面積の大きな外装本体30に伝達することができ、放熱性に優れたものにすることができる。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し得ることは勿論のことである。
【0068】
例えば、上記実施形態において、リチウムイオン電池を対象に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ニッケル水素電池や、ニッケルカドミウム電池等の電池であっても勿論よい。すなわち、蓋体31の内外に配置された集電部材5と外部端子4とが電気的に接続されるとともに集電部材5が蓋体31に固定されたものであればよい。
【0069】
上記実施形態において、外装本体30の対向する内壁面に対し、外装本体30の開放部から奥部に向けて延びる嵌合用凹部32a,32bを形成するとともに、巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを嵌合用凹部32a,32bに沿った態様で形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、外装本体30の開放部から奥部に向けて延びる嵌合用凹部32a,32bを形成するとともに巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを縦方向において嵌合用凹部32a,32bに比して短い態様で形成し、該嵌合用突出部210a,210bが嵌合用凹部32a,32bの一部に対して圧接するように形成してもよいし、外装本体30の嵌合用凹部32a,32bを部分的に形成するとともに巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを前記嵌合用凹部32a,32bに嵌入可能に形成してもよい。すなわち、外装本体30の対向する内壁面に形成される嵌合用凹部32a,32bに嵌合用突出部210a,210bが嵌入された状態で、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に接触又は略接触した状態になるように、嵌合用凹部32a,32b及び嵌合用突出部210a,210bの態様は種々変更可能である。
【0070】
また、上記実施形態において、外装本体30の対向する内壁面に対して外装本体30の開放部から奥部に向けて延びる嵌合用凹部32a,32bを形成するとともに、一端から他端までの全長にかけて同一材料で構成された芯本体211の両端部で前記嵌合用凹部32a,32bに嵌合させる嵌合用突出部210a,210bを構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、外装本体30の対向する内壁面に対して嵌合用凹部32a,32bを部分的に形成するとともに、巻芯21の両端部に設けられる嵌合用突出部210a,210bの少なくとも何れか一方を軸線方向に移動可能に構成し、電池外装体3(外装本体30)内で出退可能に構成してもよい。このようにすれば、発電要素2を外装本体30に挿入するときに嵌合用突出部210a,210bが退避し、嵌合用突出部210a,210bが部分的に形成された嵌合用凹部32a,32bと対応した配置になった状態で該嵌合用突出部210a,210bが外方に突出して嵌合用凹部32a,32bに嵌合した状態になる。なお、この場合、芯本体211内に嵌合用突出部210a,210bを外方に向けて付勢する付勢手段を内装することが好ましいことは言うまでもない。
【0071】
上記実施形態において、基端側から先端側に向けて厚み方向の寸法が小さくなるように、嵌合用突出部210a,210bを縦方向からみて三角形状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、
図7(a)に示す如く、嵌合用突出部210a,210bを縦方向から見て半円状に形成し、嵌合用凹部32a,32bを嵌合用突出部210a,210bに対応させて縦方向から見て半円状をなす溝の如く形成してもよいし、
図7(b)に示す如く、嵌合用突出部210a,210bを縦方向から見て台形状に形成し、嵌合用凹部32a,32bを上方から見て三角形状又は台形状に形成してもよい。
【0072】
また、前記嵌合用突出部210a,210bは、基端側から先端側に向けて厚み方向の寸法が小さくなるように形成されたものに限定されるものではなく、例えば、
図7(c)に示す如く、嵌合用突出部210a,210bを縦方向からみて方形状に形成し、嵌合用凹部32a,32bをこれに対応させた形状で形成してもよい。
【0073】
上記実施形態において、集電部材5の接続部50を一対の挟持片52a,52bと該一対の挟持片52a,52bの一端同士を接続する帯板状部52cとで構成し、挟持片52a,52b間に電極シートS1,S2の端部を介装させた状態で該一対の挟持片52a,52bの間隔を狭める(かしめる)ことで発電要素2と電気的に接続するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、集電部材5は、
図8に示す如く、電極シートS1,S2の端部を挟持する一対の挟持片52a’,52b’を別体で構成したものであってもよい。
【0074】
具体的には、集電部材5は、発電要素2に対して電気的に接続するための構成(上記実施形態の接続部50に相当する構成)として、連結部51に連設された短冊片501と、該短冊片501と共に発電要素2の電極シートS1,S2の端部を挟み込む挟持部材502とを備えてもよい。すなわち、集電部材5は、発電要素2を構成する電極シートS1,S2の端部に沿って配設される短冊片501及び該短冊片501が連設されて蓋体31に固定される連結部51を有する集電部材本体500と、短冊片501とともに電極シートS1,S2の端部を挟み込む挟持部材502とで構成されたものであってもよい。かかる挟持部材502は、互いの一端同士が接続されて互いに対向する一対の挟持片52a’,52b’が形成されている。すなわち、該挟持部材502は、一枚の金属板又は金属シートを二つ折りにすることで、折り曲げ稜線を境にして一対の挟持片52a’,52b’が形成されている。これにより、この種の集電部材5は、電極シートS1,S2の端部と、該電極シートS1,S2の端部に沿って配置された短冊片501とを一対の挟持片52a’,52b’間に介在させた状態で一対の挟持片52a’,52b’の間隔を狭める(かしめる)ことで、短冊片501と電極シートS1,S2の端部とが圧接した状態になり、上記実施形態と同様、発電要素2からの電気を外部端子4に通電させることができる。
【0075】
上記実施形態において、巻芯21の被覆部21をSBRで構成したが、他の合成樹脂や天然樹脂で構成してもよい。すなわち、巻芯21を芯本体211及び被覆部212で構成する場合、被覆部212は弾性及び電気絶縁性を有する材料を採用すればよい。また、上記実施形態において、巻芯21を芯本体211及び被覆部212で構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、巻芯21全体を電気絶縁性のある単一材料で成形するようにしてもよい。但し、発電要素2の熱を放熱させるには、上記実施形態のように熱伝導性に優れた芯本体211を備えた巻芯21を採用することが好ましいことは言うまでもない。
【0076】
上記実施形態において、発電要素2を一つ備えた電池1を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、発電要素2を二つ以上備えた電池1であってもよい。この場合、各発電要素2に剛性を有する巻芯21を設け、各発電要素2の巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを嵌入させる嵌合用凹部32a,32bを発電要素2(巻芯21)の配置に併せて設けるようにすればよい。
【0077】
上記実施形態において、外部端子4を接続杆251に取り付け、外部端子4を接続杆251、リベット250及び集電部材5を介して発電要素2に接続するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、外部端子4をリベット材で構成し、該リベット材の外装本体30内(蓋体31内)にある端部を集電部材5の連結部51に連結してもよい。
【0078】
上記実施形態において、巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを外装本体30の嵌合用凹部32a,32bに嵌入することで巻芯21を側壁30b,30c間で突っ張らせつつ発電要素2を密閉したシート(ゴムシート)Bの周囲を電池外装体3の内壁面に圧接させることで、発電要素2を内外から拘束するようにしたが、これに限定されるものではなく、巻芯21の嵌合用突出部210a,210bを外装本体30の嵌合用凹部32a,32bに嵌入することで巻芯21を側壁30b,30c間で突っ張らせるようにするだけでも勿論よい。但し、電池外装体3が金属製である場合、発電要素2と電池外装体3との電気絶縁を図るべく、電気絶縁性を有する樹脂シートで発電要素2を包み込んだ状態で該発電要素2を電池外装体3に収容するようにしてもよい。
【0079】
上記実施形態において、嵌合用突出部210a,210bを嵌合用凹部32a,32bに嵌入した状態で、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に圧接する(嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に押圧力が作用する)ように前記巻芯21の軸線方向の長さを設定したが、これに限定されるものではなく、前記巻芯21は、嵌合用突出部210a,210bを嵌合用凹部32a,32bに嵌入した状態で、嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に接触又は略接触する(嵌合用突出部210a,210bの外面が嵌合用凹部32a,32bの内面に押圧力を作用させずに接触する)ように軸線方向の長さを設定するようにしてもよい。
【0080】
上記実施形態において、嵌合用突出部210a,210bを嵌合用凹部32a,32bに嵌入することで、巻芯21を外装本体30(電池外装体3)に支持させる(固定する)ようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、外装本体30の内壁面に凸部を形成するとともに巻芯21の端部に凹部を形成し、該凹部に外装本体30の凸部を嵌合することで巻芯21を外装体30に支持させる(固定する)ようにしてもよい。また、外装本体30による巻芯21の支持は凹凸嵌合に限定されるものではなく、例えば、巻芯21の両端部を外装本体30の内壁面に溶接等で支持(固定)するようにしてもよい。このようにしても、発電要素2が電池外装体3内で揺動することを防止することができ、電気抵抗が上昇したり内部の気密性が悪くなったりすることを防止することができる。また、上記実施形態において、巻芯21の両端部を外装本体30に支持させるようにしたが、例えば、上述の如く、溶接等で巻芯21を外装本体30の内壁面に支持させる(固定する)する場合、巻き心21の両端部を支持したものに限定されるものではなく、巻芯21の一方の端部を外装本体30の内壁面に支持させるようにしてもよい。