特許第5737648号(P5737648)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5737648
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】アカウント情報送信システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20150528BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   G06F21/31
   H04L9/00 673A
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2010-157366(P2010-157366)
(22)【出願日】2010年7月10日
(65)【公開番号】特開2012-18652(P2012-18652A)
(43)【公開日】2012年1月26日
【審査請求日】2013年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】310002927
【氏名又は名称】株式会社サイエンスインパクト
(74)【代理人】
【識別番号】100153707
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】成田 浩司
【審査官】 宮司 卓佳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/055684(WO,A1)
【文献】 特開2002−189945(JP,A)
【文献】 特開2001−209720(JP,A)
【文献】 特開2003−122718(JP,A)
【文献】 特開2010−074481(JP,A)
【文献】 特開2004−334433(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/157366(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/31
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターシステムを利用するためのアカウント情報を、該コンピューターシステムのユーザーにネットワーク回線を介して送信するアカウント情報送信システムであって、
前記ユーザーを識別するユーザー識別情報と、前記アカウント情報とを対応付けて記憶しておくユーザーアカウント情報記憶手段と、
照合に用いるデータたる照合データを、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから受信する照合データ受信手段と、
前記受信した照合データの照合の合致を判定する照合合致判定手段と、
前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから前記ユーザー識別情報を受信するユーザー識別情報受信手段と、
前記照合が合致すると、前記受信したユーザー識別情報に対応付けられた前記アカウント情報を、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーに送信するアカウント情報送信手段と
を備え
前記ユーザーアカウント情報記憶手段は、複数の前記ユーザー識別情報を複数の種別に分類した状態で記憶している手段であり、
前記照合データ受信手段は、前記複数の種別のいずれかに分類された前記照合データを受信する手段であり、
前記ユーザーから受信した前記照合データが、前記複数の種別のいずれの種別に分類されているかを該照合データに基づいて特定する照合データ種別特定手段を備え、
前記アカウント情報送信手段は、前記受信した照合データの種別と、前記ユーザーから受信した前記ユーザー識別情報の種別とが一致した場合に、前記アカウント情報を送信する手段であるアカウント情報送信システム。
【請求項2】
前記ユーザー識別情報受信手段は、前記受信した照合データが前記照合に合致した後に、前記ユーザー識別情報を受信する手段である請求項1に記載のアカウント情報送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューターシステムの使用権限をユーザーに付与する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ログイン名とパスワードとを入力してログインするコンピューターシステムが広く普及している。このタイプのコンピューターシステムでは、アカウントが付えられたユーザーのみがコンピューターシステムを使用することが可能であり、また、ユーザーごとに専用のアカウントを設けることにより、コンピューターシステムの利用権限をユーザーごとに設定することができる。このため、コンピューターシステムが不正に使用される事態を回避してコンピューターシステムを適切に運用することが可能である(例えば特許文献1)。
【0003】
また、ユーザーごとにアカウントを設けた場合でも、そのアカウントをユーザーに無条件で付与するのではなく、ユーザーが所定の要件を満たした場合にアカウントを付与すことも可能である。例えば、ユーザーがコンピューターシステムの使用講習を修了したらアカウントを付与したり、あるいは、ユーザーがアカウントの購入代金の支払いを完了したらアカウントを付与する。このような場合、ユーザーがアカウント購入代金を支払ったり講習を修了したその場でログイン名やパスワードをユーザーに伝えることにより、代金の支払いや講習を済ませたユーザーのみに確実にアカウントを引き渡すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−169855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ユーザーごとにアカウントが設けられている場合、所定の要件を満たしたユーザーにアカウントを引き渡そうとすると、煩雑な作業が必要になるという問題があった。すなわち、アカウントのログイン名やログインパスワードをユーザーに引き渡す際には、そのユーザー用のアカウントのログイン名やログインパスワードを渡さなければならないので、身分証等を確認してユーザーを特定するといった作業が必要になる。このため、アカウントを引き渡す作業がどうしても煩雑になってしまう。
【0006】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ユーザーを特定する煩雑な作業を回避して、アカウントを容易に引き渡し可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明のアカウント情報送信システムは次の構成を採用した。すなわち、
コンピューターシステムを利用するためのアカウント情報を、該コンピューターシステムのユーザーにネットワーク回線を介して送信するアカウント情報送信システムであって、
前記ユーザーを識別するユーザー識別情報と、前記アカウント情報とを対応付けて記憶しておくユーザーアカウント情報記憶手段と、
照合に用いるデータたる照合データを、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから受信する照合データ受信手段と、
前記受信した照合データの照合の合致を判定する照合合致判定手段と、
前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから前記ユーザー識別情報を受信するユーザー識別情報受信手段と、
前記照合が合致すると、前記受信したユーザー識別情報に対応付けられた前記アカウント情報を、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーに送信するアカウント情報送信手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
また、上記のアカウント情報送信システムに対応する本発明のアカウント情報送信方法は、
コンピューターシステムを利用するためのアカウント情報を、該コンピューターシステムのユーザーにネットワーク回線を介して送信するアカウント情報送信方法であって、
前記ユーザーを識別するユーザー識別情報と、前記アカウント情報とを対応付けて記憶しておく第1の工程と、
照合に用いるデータたる照合データを、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから受信する第2の工程と、
前記受信した照合データの照合の合致を判定する第3の工程と、
前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから前記ユーザー識別情報を受信する第4の工程と、
前記照合が合致すると、前記受信したユーザー識別情報に対応付けられた前記アカウント情報を、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーに送信する第5の工程と
を備えることを要旨とする。
【0009】
かかる本発明のアカウント情報送信システムおよびアカウント情報送信方法では、アカウント情報をユーザー識別情報に対応付けて記憶している。また、ユーザー識別情報および照合データを、ネットワーク回線を介してユーザーから受信する。そして、ユーザーから受信した照合データの照合の合致を判定し、合致した場合には、ユーザーから受け取ったユーザー識別情報に対応付けられたアカウント情報をユーザーに送信する。
【0010】
こうすれば、照合に合致する照合データを送信してきたユーザーに対して、そのユーザー用のアカウント情報を送信することができる。したがって、ユーザーには照合に合致する照合データを配布するだけでよく、ユーザーを特定してそのユーザー用のアカウント情報を引き渡す作業は必要ない。また、ユーザーがアカウント情報を取得するためには、照合に合致する照合データが必要なことから、代金を支払うなどの所定の要件を満たしたユーザーに対して照合に合致する照合データを配布すれば、要件を満たしたユーザーのみにアカウントを確実に付与することが可能である。これにより、ユーザーを特定するための煩雑な作業を回避しながらも、所定の要件を満たしたユーザーにカウントを確実に引き渡し可能となる。
【0011】
なお、照合データの照合の合致を判定する際には、種々の方法を用いることが可能である。例えば、照合に合致する照合データを予め記憶しておき、ユーザーから受信した照合データが、予め記憶しておいた照合データと一致するか否かを判断すればよい。あるいは、照合データを変数とする関数を用意しておき、その関数の値に基づいて合致を判定してもよい。例えば、照合データを数値に変換するとともに、その数値を所定の数値で除算した剰余が特定の数値であるか否かを調べることによって、照合の合致を判定する。もちろん、こうした方法に限らず、照合の合致が判定可能であれば、どのような方法を用いてもよい。
【0012】
また、照合の合致を判定可能であればよいことから、照合データはどのような態様のデータであってもよい。例えば、複数の文字や数字からなる文字列であってもよいし、あるいは、文字や数字でなく、単純に「0」または「1」からなるビットを並べたビット列であってもよい。いずれの態様のデータであっても照合の合致を判定可能である。
【0013】
なお、照合データをユーザーに配布する際には、種々の態様で配布することが可能である。たとえば、照合データを記載したカードをユーザーに配布してもよいし、あるいは、照合データを記憶した記憶媒体をユーザーに配布してもよい。あるいはより単純に、照合データを口頭でユーザーに伝えてもよい。いずれの場合も、その照合データの照合の合致を判定可能であり、したがって、照合に合致する照合データを送信してきたユーザーに対してアカウント情報を送信可能である。
【0014】
なお、本発明において「コンピューターシステムを利用する」とは、いわゆるログインを行ってから使用するコンピューターシステムを利用する場合に限らず、何らかの形でコンピューターシステムを利用するものも含まれる。例えば、アクセス制限が設けられたデータを、アカウント情報に基づいて許可を受けてダウンロードする場合も、コンピューターシステムを利用するものに含まれる。こうした場合も、ユーザーは照合データを用いて本発明のアカウント情報送信システムからアカウント情報を取得することにより、データをダウンロードすることが可能となる。そして、この場合も、ユーザーには照合データを配布するだけでよく、ユーザーを特定する煩雑な作業を行う必要はない。これにより、ダウンロード権限を店頭等で簡便に付与することが可能となる。例えば、電子データ化された書籍や教材や、各種の写真や動画などのコンテンツをユーザーに販売する場合、店頭等では照合データをユーザーに渡すだけでよいので、こうしたコンテンツを容易に販売することが可能となる。もちろん、販売に限らず無料で配布してもよいし、あるいはユーザーに特典として付与してもよい。そして、こうした場合もユーザーにそれぞれのユーザー用のアカウント情報を送信可能なことから、ユーザーごとに適切な利用制限を設けることが可能となる。また、ユーザーはユーザー専用のアカウントを用いてアクセスすることから、電子データを取得したユーザーを特定することも可能である。
【0015】
また、上述した本発明のアカウント情報送信システムでは、ユーザー識別情報を複数の種別に分類した状態で記憶しておくものとしてもよい。このとき、照合データをこれらの種別のいずれかの種別に対応付けておき、ユーザーから照合データを受信したら、その照合データの種別を特定する。そして、ユーザーから受信したユーザー識別情報の種別と、照合データの種別とが一致するか否かを判定し、一致した場合には、そのユーザー識別情報に対応付けられたアカウント情報をユーザーに送信する。
【0016】
アカウント情報はユーザー識別情報に対応付けられていることから、このように照合データの種別がユーザー識別情報の種別に一致した場合にアカウント情報を送信することは、実質的には、照合データの種別に対応付けられたアカウント情報を送信することに相当する。したがって、ユーザーに配布する照合データの種別を選択することにより、ユーザーに送信するアカウント情報を選択することが可能となる。例えば、コンピューターシステムの使用権限や使用期間などが異なる複数の種類のアカウントが設けられている場合、それぞれの種類のアカウントに対応して、複数のアカウント情報(および各アカウント情報に対応付けられたユーザー識別情報)を本発明のアカウント情報送信システムに記憶しておくことになるが、このとき、それぞれのユーザー識別情報を異なる種別に分類して記憶しておく。こうすると、ユーザーに付与されるアカウントの種類は、ユーザーにどの種別の照合データを渡すかによって定まることになる。したがって、複数の種類のアカウントが設けられている場合であっても、ユーザーに付与しようとするアカウントの種類に対応する照合データをユーザーに渡すだけで、目的のアカウントをユーザーに付与可能である。例えば、複数の種類のアカウントの中からユーザーがアカウントの種類を選択してアカウントを購入した場合、そのアカウントの種類に対応する照合データをユーザーに渡すだけで、その種類のアカウントをユーザーに付与可能である。このように、複数の種類のアカウントが設けられている場合であっても、煩雑な作業が必要となることがなく、アカウントを容易に付与可能である。
【0017】
なお、ユーザーから受信した照合データの種別を特定可能であれば、照合データはどのような態様で分類されていてもよい。例えば、照合データと種別とを予め対応付けて記憶しておいてもよい。この場合には、照合データを受信した際に、その照合データに対応付けられた種別を取得することにより、受信した照合データの種別を特定可能である。あるいは、照合データの一部分に種別を特定するデータを包含しておくものとしてもよい。例えば、照合データの先頭から所定数のビットまでの部分を、種別に対応させておく。こうした場合も、照合データの種別を特定可能である。
【0018】
また、こうした方法に限らず、照合データから種別が定まるのであれば、どのような方法で照合データを分類してもよい。例えば、照合データを変数とする関数を用意しておき、受信した照合データから関数を用いて種別を定める。一例としては、照合データを「0」または「1」からなるビット列に変換し、各ビットの値を加算した総和を照合データの種別とする。こうした場合、照合データごとに種別が定まることになるが、このことは、照合データが種別に分類されていることを意味する。したがって、照合データから種別が定まりさえすれば、どのような方法を用いてもよい。
【0019】
また、上述した本発明のアカウント情報送信システムでは、照合データが照合に合致した後に、ユーザー識別情報を受信するものとしてもよい。
【0020】
こうすると、照合に合致するまではユーザーはユーザー識別情報を送信しなくてよいので、ユーザー識別情報が漏洩するのではとの不安をユーザーが抱く虞を回避することが可能である。すなわち、ユーザーは手元の照合データが照合に合致すると、そのことによって、自分がネットワーク回線を介して接続している相手が、自分がアカウント情報を受け取ろうとしている相手に間違いなく、誤って別の相手に接続していることがないことを認識することができる。このため、ユーザーが不安を覚えて手続きを途中で止めてしまう虞を回避可能である。その結果、ユーザーがコンピューターシステムの管理者に問い合わせてユーザーや管理者が煩雑な作業をしなければならなくなる虞を回避可能である。
【0021】
また、ユーザーが照合データを送信する際には、照合データだけを送信すればよいことから、ユーザーがアカウント情報を取得する手間を軽減することが可能となる。すなわち、ネットワーク回線に接続可能な機器には、データを容易に読み込んで送信可能な機器が存在する。例えば、二次元バーコードを読み込む装置を備え、読み込んだ二次元バーコードに記述されたデータを送信可能な機器が広く普及している。照合データだけを送信すればよい場合には、ユーザーはこうした機能を用いることによって照合データを容易に送信可能である。このため、ユーザーはアカウント情報をより容易に取得することが可能である。
【0022】
更に本発明は、上述したアカウント情報送信方法を実現するためのプログラムをコンピューターに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピューターを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述したアカウント情報送信方法に対応する本発明のプログラムは、
コンピューターシステムを利用するためのアカウント情報を、該コンピューターシステムのユーザーにネットワーク回線を介して送信する方法を、該ネットワーク回線に接続されるコンピューターを用いて実現するためのプログラムであって、
前記ユーザーを識別するユーザー識別情報と、前記アカウント情報とを対応付けて記憶しておく第1の機能と、
照合に用いるデータたる照合データを、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから受信する第2の機能と、
前記受信した照合データの照合の合致を判定する第3の機能と、
前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーから前記ユーザー識別情報を受信する第4の機能と、
前記照合が合致すると、前記受信したユーザー識別情報に対応付けられた前記アカウント情報を、前記ネットワーク回線を介して前記ユーザーに送信する第5の機能と
をコンピューターを用いて実現することを要旨とする。
【0023】
こうしたプログラムをコンピューターに読み込んで、上記の各機能を実現させれば、ユーザーを特定するための煩雑な作業を回避しながらも、アカウント付与の要件を満たしたユーザーにカウントを確実に引き渡し可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施例のアカウント発給システムの構成を示した説明図である。
図2】本実施例のアカウント発給システム100が実行するアカウント発給処理の流れを示した説明図である。
図3】ユーザーの携帯電話202に照合コード入力画面が表示されこれを受けてユーザーが照合コードを入力している様子を例示した説明図である。
図4】アカウント発給システム100のディスク装置104に記憶された照合テーブルを例示した説明図である。
図5】照合コードエラー画面を送信した様子を例示した説明図である。
図6】ユーザーの携帯電話にユーザーID入力画面が送信され、これを受けてユーザーがユーザーIDを入力する様子を例示した説明図である。
図7】ユーザー情報テーブルを示した説明図である。
図8】ユーザーIDに対応付けられたログイン名およびログインパスワードをユーザーの端末に送信した様子を示した説明図である。
図9】入力したユーザーIDが正しくない旨を表示するユーザーIDエラー画面を例示した説明図である。
図10】本実施例のアカウント発給システムを用いることにより店頭等でユーザーを特定する煩雑な作業をすることなくアカウントを簡便に付与可能となる様子を概念的に示した説明図である。
図11】照合コードを複数の種別に分類した状態で記憶した第1変形例の照合テーブルとユーザーIDを照合コードの種別に対応付けた第1変形例のユーザー情報テーブルとを例示した説明図である。
図12】照合テーブルの照合コードのそれぞれについて使用済みフラグを設けた第2変形例の照合テーブルを例示した説明図である。
図13】ログイン名およびログインパスワードを送信した際に使われた照合コードをそのログイン名およびログインパスワードに対応付けて記憶する第3変形例のユーザー情報テーブルを例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.システムの全体構成:
B.アカウント発給処理:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
C−3.第3変形例:
【0026】
A.システムの全体構成 :
図1は、本実施例のアカウント発給システムの構成を示した説明図である。図示されているように、アカウント発給システム100は、CPUやROMやRAMなどから構成されたアカウント管理サーバー102と、アカウント管理サーバー102に接続されたディスク装置104などから構成されている。
【0027】
アカウント発給システム100は、図示されているように、アカウント管理サーバー102のインターフェース回路IFを介してネットワーク回線(本実施例ではインターネット回線)に接続されており、ネットワーク回線を介して外部のコンピューターと接続することが可能である。また、ネットワーク回線に接続された携帯電話の基地局や公衆無線LAN基地局などの無線基地局を介して、携帯電話などの携帯通信機器と接続することも可能である。
【0028】
一般に、こうしたネットワーク回線に接続されたコンピューターや携帯通信機器の間では、ネットワーク回線を介して互いにデータを受け渡しすることが可能である。例えば、図1に例示した携帯電話202からコンピューター200にデータを送信することも可能であるし、逆にコンピューター200から携帯電話202にデータを送信することも可能である。あるいは、データを受け渡しする機器の間でデータを直接受け渡しするのではなく、他のコンピューターにデータを送信してそのコンピューターにデータを一旦記憶させ、そのコンピューターから目的のコンピューターにデータを送信することにより、他のコンピューターを経由してデータを送信することも可能である。本実施例のアカウント発給システム100は、こうしたネットワーク回線に接続された各種の機器からユーザーがアクセスしてくると、そのユーザーに対して、コンピューターシステムのログイン名やログインパスワードを送信する処理を行う。
【0029】
ここで、コンピューターシステムのログイン名やログインパスワードを、代金を支払ったユーザーのみに教えたい場合、本実施例のアカウント発給システム100を用いずに、店頭でログイン名やパスワードをユーザーに直接伝えることも考えられる。とはいえ、前述したように、そのユーザー用のログイン名やログインパスワードを伝えるためには、店頭でユーザーの身分証を確認するなどしてユーザーを特定する必要があるので、店頭での作業が煩雑になってしまう。こうした点に鑑みて、本実施例のアカウント発給システム100では、店頭で代金と引き換えにユーザーに渡した「照合コード」を参照する次の処理を行うことにより、店頭での作業を煩雑化することなくアカウントを容易に発給可能としている。
【0030】
B.アカウント発給処理 :
図2は、本実施例のアカウント発給システム100が実行するアカウント発給処理の流れを示した説明図である。かかる処理は、ユーザーがアカウントの発給をうけるべく、携帯電話202やコンピューター200を用いて本実施例のアカウント発給システム100にアクセスすると、アカウント発給システム100のアカウント管理サーバー102が実行する処理である。図示されているように、処理を開始すると、まず、「照合コード入力画面」をユーザーの端末に送信する処理を行う(ステップS100)。
【0031】
図3は、ユーザーの携帯電話202に照合コード入力画面が表示され、これを受けてユーザーが照合コードを入力している様子を例示した説明図である。ここで、「照合コード」とは、ユーザーが代金と引き換えに店頭で受け取るカード900に記載されている文字列のことである。詳しくは後述するが、本実施例のアカウント発給システム100では、こうした照合コードを受信することにより、店頭等ではユーザーを特定する煩雑な作業を行わなくても、照合コードを記載したカード900をユーザーに渡すだけでそのユーザー用のアカウントを簡便に付与することを可能としている。
【0032】
照合コード入力画面を送信すると、図示されているように、照合コードの入力を促す画面がユーザーの端末(図3の例では携帯電話202)に表示される。これを受けてユーザーは、店頭等で入手したカード900に記載された照合コードを携帯電話202に入力してネットワーク回線を介してアカウント管理サーバー102に照合コードを送信する。アカウント管理サーバー102では、ユーザーの端末から送信されてきた照合コードを受信してアカウント管理サーバー102のRAMに記憶する(図2:ステップS102)。照合コードを受信したら、次いで、受信した照合コードが、アカウント発給システム100のディスク装置104に予め記憶されている照合テーブルに存在するか否かを調べる(ステップS104)。
【0033】
図4は、アカウント発給システム100のディスク装置104に記憶された照合テーブルを例示した説明図である。図示されているように、照合テーブルには複数の文字列が予め記憶されている。ここで、これらの各文字列は、店頭で販売するカード900(図3を参照)に記載された文字列(照合コード)と予め一致させておく。すなわち、前述したように店頭では照合コードが記載されたカード900をユーザーに販売するが、このカード900に記載された文字列を、照合テーブルに予め記憶しておく。例えば、文字列を印字してカード900を製作し、次いで、各カード900に印字した文字列(照合コード)を照合テーブルに入力することにより、各カード900の文字列を照合テーブルに記憶しておく。あるいは逆に、まず照合テーブルに複数の文字列を記憶し、次に、記憶した各文字列をカード900にそれぞれ印字する。
【0034】
こうしてカード900の文字列と照合テーブルの文字列とを一致させておけば、カード900を入手したユーザーが、カードに記載された文字列(照合コード)をアカウント発給システム100に送信すると、その文字列は照合テーブルに存在することになる。ここで、図4に例示されているように、本実施例では、照合テーブルの文字列(カード900に記載された文字列)は、アルファベットと数字とがランダムに並べられた文字列となっている。このため、照合テーブルやカード900に記載された文字列を推測することは困難であり、したがって、カード900を入手していないユーザーが、照合テーブルと合致する文字列を送信することはほとんど不可能である。このため、ユーザーが送信してきた照合コードが照合テーブルに存在するか否かを調べることにより、そのユーザーがカード900を入手しているか否か(すなわち店頭で代金を支払ったか否か)を判断することが可能となる。
【0035】
受信した照合コードが照合テーブルに存在しない場合(ステップS104:No)、カードに記載された照合コードでないことから、照合コードエラー画面をユーザーの端末に送信する(ステップS108)。例えば、図5に例示されているように、照合コードが正しくない旨を表示する画面を送信すればよい。照合コードエラー画面を送信した後は、正しい照合コードが送信されなかったことから、それ以上の処理は行わずにアカウント発給処理を終了すればよい。これにより、カード900を入手していないユーザーに対しては、アカウントを発給しないでおくことが可能となる。
【0036】
なお、受信した照合コードが照合テーブルに存在しない場合であっても、ユーザーがカード900を入手していないとは限らない。すなわち、ユーザーが照合コードを端末に入力する際に入力ミスをした場合もある。このため、ユーザーが照合コードの入力をやり直せるように、照合コードエラー画面には照合コード入力画面へのリンクを表示しておくと好適である(図5を参照)。こうしたリンクを用いてユーザーが照合コード入力画面に再びアクセスしてきた場合には、アカウント発給システム100は、図2のアカウント発給処理を再び実行すればよい。
【0037】
一方、ユーザーが送信してきた照合コードが照合テーブルに存在する場合(ステップS104:Yes)、そのユーザーは代金を支払ってカード900を入手したものと考えられる。したがって、この場合にはユーザーにログイン名とパスワードとを開示することにより、カード900を入手したユーザーにアカウントを確実に付与することが可能となる。ここで、各ユーザーにはそれぞれ専用のアカウントが設けられている。そこで、そのユーザー用のログイン名とパスワードとをユーザーに送信するために、まず、ユーザーID入力画面をユーザーの端末に送信する。
【0038】
図6は、ユーザーの携帯電話にユーザーID入力画面が送信され、これを受けてユーザーがユーザーIDを入力する様子が示されている。図示されているように、ユーザーID入力画面には、ユーザーIDを入力するテキストボックスが表示されるので、ユーザーはこのテキストボックスにユーザーIDを入力することができる。ここで、ユーザーIDは、ユーザーを識別できる情報であれば、どのような情報であってもよい。例えば、ユーザーの氏名であってもよいし、あるいは、社員番号や学生番号などのようにユーザーごとに割り振られた番号であってもよい。ユーザーがユーザーIDを入力してアカウント発給システム100に送信すると、これを受けてアカウント発給システム100はユーザーIDを受信してアカウント管理サーバー102のRAMに記憶する(ステップS110)。ユーザーIDを受信したら、次いで、受信したユーザーIDが、ディスク装置104に記憶されたユーザー情報テーブルに存在するか否かを調べる(ステップS112)。
【0039】
図7は、ユーザー情報テーブルを示した説明図である。図示されているように、ユーザー情報テーブルには、ユーザーにアカウントを付与するコンピューターシステムのログイン名およびログインパスワードがユーザーIDに対応付けられた状態で記憶されている。アカウントを付与する対象のコンピューターシステムでは、ユーザーごとに専用のログイン名とパスワードとを予め設けておき、本実施例のアカウント発給システム100では、そのログイン名とパスワードとを、ユーザーを識別する情報(ユーザーID)に対応付けてユーザー情報テーブルに記憶しておく。例えば、ユーザーIDがユーザーの氏名であれば、ユーザーの氏名と対応付けて記憶しておく。あるいは、ユーザーIDが社員番号や学生番号であれば、社員番号や学生番号と対応付けて記憶しておく。こうすれば、受信したユーザーIDに対応付けられたログイン名およびログインパスワードをユーザー情報テーブルから読み出すことにより、そのユーザー用のアカウントのログイン名およびログインパスワードを容易に取得することが可能となる。
【0040】
そこで、本実施例のアカウント発給処理では、受信したユーザーIDがユーザー情報テーブルに存在するか否かをユーザー情報テーブルを検索して調べ、存在する場合には(ステップS112:Yes)、そのユーザーIDに対応付けられたログイン名およびログインパスワードをユーザー情報テーブルから読み出して、ユーザーの端末に向けて送信する(ステップS114)。
【0041】
図8には、受信したユーザーIDに対応付けられたログイン名およびログインパスワードを、ユーザーの端末に送信した様子が示されている。こうして受信したユーザーIDに対応するログイン名およびログインパスワードをユーザーの端末に送信することにより、そのユーザー用のアカウントのログイン名およびログインパスワードをユーザーに伝えることが可能となる。
【0042】
一方、受信したユーザーIDがユーザー情報テーブルに存在しない場合には、そのユーザー用のアカウントが設けられていないか、あるいはユーザーがユーザーIDを端末に入力する際に入力ミスをしたと考えられる。そこで、その旨をユーザーに通知するユーザーIDエラー画面をユーザーの端末に送信する(ステップS116)。例えば、図9に示されているように、入力したユーザーIDが正しくない旨を表示する画面を送信すればよい。これを受けてユーザーは、ユーザーIDを入力し直すなどの対応をすることが可能となる。
【0043】
以上のようにしてユーザーにログイン名およびログインパスワードを送信したら、本実施例のアカウント管理サーバー102は、図2のアカウント発給処理を終了する。
【0044】
以上に説明したように、本実施例のアカウント発給システム100では、ユーザーが入力した照合コードが予め記憶しておいた照合コードに合致するか否かを判断し、合致した場合には、ユーザーIDに対応するログイン名やログインパスワードを送信する。こうすることにより、店頭等でユーザーを特定する煩雑な作業を行わなくても、店頭等でアカウントを容易に付与することが可能となる。この点について、図10を参照しながら説明する。
【0045】
図10は、本実施例のアカウント発給システム100を用いることにより、店頭等でユーザーを特定する煩雑な作業をすることなくアカウントを簡便に付与可能となる様子を概念的に示した説明図である。前述したように、店頭でユーザーに販売する照合コードは、アカウント発給システム100の照合テーブルに予め記憶されている。そして、ユーザーが代金を支払うなどしてこの照合コードを入手し、アカウント発給システム100に送信すると、アカウント発給システム100では、照合テーブルを参照することにより、そのユーザーが代金を支払って照合コードを入手したことを認識できる。そして、ユーザーが代金を支払ったことに対応して、そのユーザーのアカウント情報をユーザーに送信することにより、そのユーザー用のアカウントのログイン名とログインパスワードとをユーザーに伝えてユーザーにアカウントを付与することができる。
【0046】
このように、照合コードを受信して照合テーブルと照合することにより、そのユーザーが店頭で代金の支払いを済ませたことを確認することが可能であり、照合コードが照合テーブルに存在することを確認した場合に、ユーザーIDに対応するログイン名とログインパスワードとを送信することによって、代金の支払いを済ませたユーザーのみに確実にアカウントを付与することが可能である。また、このように支払いを済ませたユーザーにのみアカウントを付与可能としながらも、代金の支払いを行った店頭では、照合コードが記載されたカード900をユーザーに渡すだけでよく、その場でユーザーを特定する作業をしなくてよい。加えて、ユーザーに渡す照合コードは、照合テーブルに記憶された照合コードであればどの照合コードでもよいので、店頭では、多数のカード900の中から目的の照合コードが記載されたカード900を選び出すといった煩雑な作業をする必要はなく、任意のカード900をユーザーに渡せばよい。このように、代金の支払いを済ませたユーザーのみにアカウントを付与可能としながらも、店頭ではカード900をユーザーに渡すだけでよく、アカウントを容易に付与可能である。
【0047】
なお、店頭にコンピューター端末を備えておき、ユーザーに氏名等のユーザーIDを入力させることによってユーザーを特定することも考えられるが、こうした場合には店頭にコンピューター端末を備える必要があり、また、店頭でユーザーがコンピューターを操作するため、店頭が込み合う虞がある。この点、本実施例のアカウント発給システム100では、ユーザーは自分の端末を用いてアカウント発給システム100にアクセスできることから、店頭にコンピューター端末を備えておく必要がない。また、ユーザーが代金の支払いを済ませたその場で直ちにアカウントを付与するのではなく、ユーザーがアカウント発給システム100にアクセスしてきた際にアカウントを付与しているが、照合コードを入力させることによって、そのユーザーが代金の支払いを済ませているか否かを確実に判断可能である。このため、店頭でユーザーを特定する煩雑さや、店頭に端末を備えておく煩雑さを回避しながらも、代金の支払いを済ませたユーザーのみに確実にアカウントを付与することが可能となっている。
【0048】
C.変形例 :
C−1.第1変形例 :
上述したアカウント発給システム100では、照合コードを複数の種別に分類した状態で照合テーブルに記憶しておくものとしてもよい。また、このことに対応して、ユーザー情報テーブルでは、ユーザーIDを、照合コードの各種別に対応付けておくものとしてもよい。
【0049】
図11は、照合コードを複数の種別に分類した状態で記憶した第1変形例の照合テーブルと、ユーザーIDを照合コードの種別に対応付けた第1変形例のユーザー情報テーブルとを例示した説明図である。図11(a)には、照合コードを複数の種別に分類した照合テーブルが例示されている。図示されているように、第1変形例の照合テーブルでは、それぞれの照合コードに種別が付されており、このため、照合コードが複数の種別に分類された状態となっている。このことに対応して、ユーザー情報テーブルにおいては、図11(b)に示されているように、各ユーザーIDに、照合テーブルと同様の種別が付されている。
【0050】
このようにユーザーIDに照合コードの種別を付しておくと、同じユーザーに対して、複数の種類のアカウントを付与することが可能となる。例えば、図11(b)の例では、図中に「a」および「b」と示されているように、ユーザーID「10S1001」に対して2種類のログイン名およびログインパスワードが対応付けられており、このことは、このユーザーに対して2種類のアカウントが設けられていることを意味している。これらの2種類のログイン名およびログインパスワードは、ユーザーIDに付された種別によって識別可能であるから、ログイン名およびログインパスワードをユーザーに送信する際には、いずれの種別のログイン名およびログインパスワードを送信するかを特定して、そのログイン名およびログインパスワードを送信すればよい。
【0051】
ここで、第1変形例のアカウント発給システム100では、こうした種別が照合コードに対応付けられている(図11(a)を参照)。そこで、第1変形例のアカウント発給システム100では、ユーザーが送信してきた照合コードの種別を特定して、その種別に対応するログイン名およびログインパスワードを送信する。ユーザーが送信してきた照合コードの種別は照合テーブルを参照することにより容易に特定可能である。
【0052】
こうすると、照合コードの種類に対応するアカウントをユーザーに発給できることから、ユーザーに渡す照合コードの種類を選ぶだけで、目的のアカウントをユーザーに発給することが可能である。例えば、アカウントの使用権限や使用可能期間などが異なる複数の種類のアカウントが設けられており、ユーザーはその中から所望の種類のアカウントを購入するとする。このとき、ユーザーがアカウントを購入した店頭では、そのアカウントの種類に対応する照合コードをユーザーに渡せばよい。ユーザーはその照合コードを用いてアカウント発給システム100からアカウントの発給を受けることにより、購入したアカウントのログイン名やログインパスワードを取得することが可能である。このように、複数の種類のアカウントの中から目的のアカウントをユーザーに発給する場合であっても、発給するアカウントの種類に対応する照合コードをユーザーに渡すだけで目的のアカウントを容易に発給することが可能である。
【0053】
あるいは、アカウントの種類ごとに異なる価格を設定することも容易に可能である。すなわち、ユーザーがアカウントを購入した店頭では、そのアカウントの種類に対応する照合コードをユーザーに引き渡すだけで、ユーザーが購入した種類のアカウントを発給することが可能である。このため、アカウントの種類ごとに価格が異なる場合についても、アカウント発給システム100を用いることにより、店頭等でアカウントを容易に販売可能である。
【0054】
また、店頭で景品としてアカウントを付与する場合などには、ユーザーに渡す照合コードの種類を選ぶことにより、ユーザーに付与するアカウントの種類を容易に決定可能である。例えば、店頭で抽選を行って抽選に当選するとユーザーにアカウントを付与する場合に、当選した等級に応じてアカウントの種類を異ならせたいことがあるが、このような場合には、当選した等級に応じて、ユーザーに渡す照合コードを定めておくだけで、等級に応じたアカウントを容易に付与可能である。あるいは、店頭でユーザーが商品を購入した金額に応じて異なる種類のアカウントを付与したい場合には、その金額に応じてユーザーに渡す照合コードを定めておけばよい。こうすれば、購入金額に応じたアカウントをユーザーに付与することが可能である。
【0055】
なお、上述したように、アカウント発給システム100では、同じユーザーIDに対して複数のアカウントが設けられている場合でも、目的のアカウントのログイン名やログインパスワードをユーザーに送信可能である。したがって、1つのコンピューターシステムの複数の種類のアカウントの中から目的のアカウントを付与するだけでなく、複数のコンピューターシステムの中から目的のコンピューターシステムのアカウントを付与することも可能である。例えば、コンピューターシステムAとコンピューターシステムBの2つのコンピューターシステムのログイン名およびログインパスワードをユーザー情報テーブルに設定しておき、それぞれのログイン名およびログインパスワードに異なる種別を対応付けておく。また、それぞれの種別に対応する照合コードを照合テーブルに設定しておく。こうすれば、目的のコンピューターシステムに対応する照合コードをユーザーに渡すことにより、そのコンピューターシステムのアカウントをユーザーに付与することが可能となる。
【0056】
また、第1変形例のアカウント発給システム100では、このように複数のコンピューターシステムの中から目的のコンピューターシステムのアカウントを付与可能としながらも、複数のコンピューターシステムの間でユーザーIDは共通である。このため、コンピューターシステムごとにユーザーIDをユーザーに通知したり、コンピューターシステムごとにユーザーIDをユーザーが記憶しておかなければならいといった煩わしさを回避可能である。例えば、社内で使用するコンピューターシステムが毎年更新されたり、事業所ごとに使用するコンピューターシステムが異なる場合であっても、それらのコンピューターシステムの間でユーザーIDが共通なので、ユーザーにユーザーIDを年ごとに通知したり、ユーザーが異動するごとにユーザーIDを通知するといった煩雑な作業を行う必要がない。こうした場合には、年ごとに照合コードを配布したり、ユーザーが異動した際に照合コードを付与するだけでよい。また、ユーザーIDとしては、例えば社員番号などのように、頻繁に変更されることがない番号や文字列を用いることが可能であり、こうすれば、ユーザーがユーザーIDを失念する虞を回避可能である。
【0057】
あるいは、大学や各種の学校などの教育機関において、授業が開講される学期ごとに授業に対応するアカウントが付与される場合、受講生には学期ごとに照合コードを配布したり、授業ごとに照合コードを配布するだけでよく、授業等の場で受講生を特定してログイン名やログインパスワードを配布するといった煩雑な作業をする必要がない。この場合には、学生番号や受講生番号などのように、受講生ごとに割り当てられるとともに在籍中は変わることがない番号や文字列をユーザーIDとして用いれば、受講生に学期ごとにユーザーIDを付与したり、授業ごとにユーザーIDを付与するといった煩雑な作業をする必要が無い。また、受講生がユーザーIDを失念してしまう虞も回避可能である。これにより、学期ごとや授業ごとに受講生にアカウントを容易に付与可能である。
【0058】
このように、同一のユーザーIDに対して複数のアカウントを設定可能なことから、複数のユーザーIDを扱う煩雑さを回避可能である。そして、このように複数のアカウントを設定した場合であっても、照合コードを配布するだけで目的のアカウントを容易に付与可能であり、アカウントの付与にかかる作業が煩雑化することがない。
【0059】
C−2.第2変形例 :
アカウント発給システム100では、照合コードを受信してログイン名やログインパスワードを送信したら、その照合コードが使用されたことを記憶しておくものとしてもよい。
【0060】
例えば、図12に示されているように、照合テーブルの照合コードのそれぞれについて、使用済みか否かを記憶するフラグを備えておく(図中に「使用済みフラグ」と示した欄を参照)。そして、ユーザーから照合コードを受信してログイン名やログインパスワードを送信したら、受信した照合コードのフラグをセットする。図12の例では、照合コードが使用されていない状態ではフラグが「0」に設定されており、照合コードを受信してログイン名やログインパスワードを送信すると、フラグを「1」にセットする(図中に「c」と示した箇所を参照)。これにより、照合コードに対応するフラグを参照すれば、その照合コードが使用済みか否かを判断することができる。もちろん、こうした方法に限らず、使用された照合コードを記憶可能であれば、どのような方法で記憶してもよい。
【0061】
こうして照合コードが使用されたことを記憶しておけば、その照合コードが再び送信されてきた際には、その照合コードがすでに使用されていることを把握できるので、照合コードが再利用されてしまう事態を回避することが可能となる。例えば、ユーザーが照合コードを送信してきたら、その照合コードが使用済みとして記憶されているか否かを調べて、使用済みとして記憶されていれば、ログイン名やログインパスワードの送信を行わない。こうすれば、照合コードを正規のルートで入手せずに他のユーザーが使用した照合コードを再利用したり、あるいは複数のユーザーで1つの照合コードを共用する事態を回避することが可能となる。
【0062】
C−3.第3変形例 :
また、照合コードを受信してログイン名やログインパスワードを送信した際には、その照合コードを、送信したログイン名やログインパスワードに対応付けて記憶しておくものとしてもよい。
【0063】
図13は、ログイン名およびログインパスワードを送信した際に使われた照合コードを、そのログイン名およびログインパスワードに対応付けて記憶する第3変形例のユーザー情報テーブルを例示した説明図である。図示されているように、第3変形例のユーザー情報テーブルでは、各ログイン名およびログインパスワードに対して照合コードを記憶する領域が設けられており、各ログイン名およびログインパスワードに対して照合コードを対応付けて記憶することが可能である。そこで、照合コードとログイン名およびログインパスワードを受信した際には、その照合コードをログイン名およびログインパスワードに対応付けてユーザー情報テーブルに記憶しておく。
【0064】
こうすると、照合コードが使われた際にユーザーに送信したログイン名およびログインパスワードを特定することが可能である。したがって、照合コードが送信されてきた際には、その照合コードがすでに使用されているか否かを判断することが可能なだけでなく、その照合コードによってユーザーが取得したログイン名およびログインパスワードを把握することも可能である。このため、既に使用された照合コードが送信されてきた際には、その照合コードを用いてユーザーが既に取得したログイン名およびログインパスワードを、ユーザーに再び送信することが可能である。こうすれば、ユーザーはログイン名およびログインパスワードを失念してしまった場合でも、照合コードをアカウント発給システム100に再び送信すれば、ログイン名およびログインパスワードを再び取得することが可能となる。これにより、ログイン名やログインパスワードをコンピューターシステムの管理者に問い合わせたり、コンピューターシステムの管理者が問い合わせに応じるといった煩雑さを回避して、コンピューターシステムの運用にかかる労力を低減することが可能となる。
【0065】
以上、本実施例および変形例のアカウント発給システムについて説明したが、本発明は、上述した実施例および変形例の容器に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施することが可能である。例えば、上述した実施例および変形例では、ユーザーが店頭で代金と引き換えに照合コードを入手する場合を例として説明したが、必ずしも代金と引き換えである必要はない。また、ユーザーに照合コードを渡す場所は店頭である必要はなく、どのような場所でもよい。例えば、コンピューターシステムの利用講習会や説明会の場で渡してもよいし、大学等の授業やガイダンスの場で渡してもよい。あるいは、ユーザーに直接渡すのではなく、郵便などによって送付してもよい。こうした場合も、ユーザーに照合コードを渡せば、ユーザーはその照合コードを用いてログイン名やパスワードを取得可能である。したがって、照合コードを渡す際にはユーザーを特定する煩雑な作業は必要なく、照合コードをユーザーに渡すだけでアカウントを容易に付与可能である。
【符号の説明】
【0066】
100…アカウント発給システム、 102…アカウント管理サーバー、
104…ディスク装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13