(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5737692
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】改良型薬品容器
(51)【国際特許分類】
A61M 39/02 20060101AFI20150528BHJP
A61J 1/05 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
A61M39/02
A61J1/00 315Z
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-539108(P2011-539108)
(86)(22)【出願日】2008年12月2日
(65)【公表番号】特表2012-510330(P2012-510330A)
(43)【公表日】2012年5月10日
(86)【国際出願番号】IB2008003736
(87)【国際公開番号】WO2010064074
(87)【国際公開日】20100610
【審査請求日】2011年11月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【復代理人】
【識別番号】100124604
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セドリック フーシェ
(72)【発明者】
【氏名】ライオネル ルフェーブル
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル ヴェルニゾー
【審査官】
金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2004/033330(WO,A1)
【文献】
特開平11−047274(JP,A)
【文献】
特開平06−254161(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3024311(JP,U)
【文献】
特開2008−035913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/02
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品が移送される通路を提供する導管(4)を取り囲んでいる末端先端部(3)を含む製品用容器(2)を備えている注入装置(1)、
摩擦により前記末端先端部(3)に装着され、連結装置(11)がネジ留めされるよう構成されたリング(6)を備えているアダプタ(5)、
を備えるアセンブリ(101)であって、
前記アセンブリ(101)は、前記容器(2)の少なくとも一部(2a)および前記アダプタ(5)の少なくとも一部(5a)を連続的に覆う熱収縮性フィルム(9)をさらに備え、該熱収縮性フィルム(9)は、該熱収縮性フィルム(9)が熱収縮された状態にあり、前記連結装置(11)が前記アダプタ(5)にネジ留めされるとき、前記アダプタ(5)を、前記容器(2)に対して回転および並進することを妨げられた状態に保持し、
前記熱収縮性フィルムは、前記容器の一部および前記アダプタの一部に接着されていることを特徴とするアセンブリ(101)。
【請求項2】
前記熱収縮性フィルム(9)は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリスチレン(OPS)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ乳酸(PLA)およびこれらの混合物からなるグループから選択される熱可塑性材料から作られていることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ(101)。
【請求項3】
前記熱収縮性フィルム(9)は、ポリ塩化ビニルから作られていることを特徴とする請求項1または2に記載のアセンブリ(101)。
【請求項4】
前記アセンブリ(101)は、前記熱収縮性フィルム(9)と前記容器(2)および/またはアダプタ(5)との間に閉じ込められているラベルをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアセンブリ(101)。
【請求項5】
前記アセンブリ(101)は、前記熱収縮性フィルム(9)上に配置されているラベルをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアセンブリ(101)。
【請求項6】
前記アセンブリ(101)は、前記アダプタ(5)に装着されているプラグ(10)をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のアセンブリ(101)。
【請求項7】
熱収縮性フィルム(9)は、また、前記プラグ(10)の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする請求項6に記載のアセンブリ(101)。
【請求項8】
前記熱収縮性フィルム(9)には、前記プラグ(10)を覆っている熱収縮性フィルム(9)の一部に配置されている環状の破れ易い線が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ(101)。
【請求項9】
前記熱収縮性フィルム(9)には、文字が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のアセンブリ(101)。
【請求項10】
請求項1に記載のアセンブリの製造方法であって、
a°)注入装置(1)は、製品用容器(2)を備え、該容器(2)は、製品の移送用通路を提供する導管(4)を取り囲む末端先端部(3)を備え、適切なアダプタ(5)が設けられるステップ、
b°)適切なアダプタは、前記注入装置(1)の末端先端部(3)に取り付けられるステップ、
c°)熱収縮性フィルム(9)は、例えば、矩形状のシートの形で、アダプタ(5)の少なくとも一部および容器(2)の少なくとも一部を覆うように、アセンブリ(101)に接着剤により接着されるステップ、
d°)熱収縮性フィルム(9)は、該フィルム(9)が収縮し、前記容器(2)の前記一部(2a)および前記アダプタ(5)の前記一部(5a)をしっかりと覆うまで、加熱され、これにより、前記アダプタ(5)を、前記容器(2)に対して回転および並進することを妨げられた状態に保持するステップ、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
ステップa°)において、プラグ(10)がさらに提供され、プラグ(10)は、アダプタ(5)に装着され、ステップc°)において、熱収縮性フィルム(9)が前記プラグ(10)の少なくとも一部をさらに覆うように選択されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
c°)の接着ステップの前に、破れ易い線(13)が、前記プラグ(10)の一部を覆うように意図されている熱収縮性フィルム(9)に設計されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアー式固定アダプタ(a Luer lock adaptor)のようなアダプタ要素が装着されている末端先端部を有する注入装置を備え、さらに、末端先端部に対してアダプタが回転することを防止する手段を備えるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
この出願において、構成要素または装置の末端部は、使用者の手から最も遠い端部を意味するものと理解されるべきである。また、基端部は、使用者の手に最も近い端部を意味するものと理解されるべきである。同様に、この出願において、「末端方向」は、注入方向を意味し、「基端方向」は、注入方向とは逆の方向を意味するものと理解されるべきで得ある。
【0003】
注射器、灌流装置や輸血用器具および連結装置のような医療用流体を移送および/または貯蔵する種々の医療装置が知られている。これらの種々の医療装置は、正確に且つ安全に一緒に組み立てられ得ることが肝要である。
【0004】
従来の注入装置は、通常、医療製品用の容器を形成する中空の本体を備えている。容器を形成する本体の末端部は、通常、そこを通って医療製品が容器から吐出される軸方向の通路が配列されている先端部を備えている。
【0005】
液体製品、特に、病院において、または、緊急事態においてよくあるように、灌流装置を介して実行される患者への非経口投与用の製品の取り扱いは、一般的な方法では、連結装置の使用を当然に含んでいる。そのような連結装置は、医療装置のアセンブリを密封し、医療用流体製品が入っている医療用流体製品の汚染からの保護を提供することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、IV(点滴の)連結装置のような、連結装置は、通常、アダプタのような中間要素を用いて注入装置に連結される。通常、これらのアダプタは、最初に摩擦で注入装置の末端先端部に装着される。IV連結装置のような、連結装置は、例えば、ネジ留めによりアダプタの自由端に装着される。そのようなステップにおいて、アダプタは、末端先端部に対する摩擦力により末端先端部に摩擦的に取り付けられ、動かない状態にあると推定される。他方、連結装置は、アダプタにネジ留めされる。しかしながら、種々の注入装置とのいくつかのアダプタの使用に関し問題が報告されてきている。例えば、アダプタは、末端先端部に対して動かない状態にはない。特に、摩擦力は、アダプタが末端先端部に対して回転することを防止できるほどには十分ではない。したがって、連結装置がアダプタに良く嵌合しているか否かを、結果として、連結装置が注入装置の末端先端部に良く連結されているかどうかを決定することは、使用者にとって困難である。注入装置と連結装置との間の不正確な連結は、製品の漏れを引き起こす恐れがあり、したがって、不正確な量が患者に投与される。
【0007】
したがって、使用者は、連結装置がアダプタを介して注入装置に正しく連結されたときを知るように、注入装置とアダプタとの間の再現可能な連結を可能とする注入装置の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの形態は、製品の移送用通路を提供する導管(a channel)を取り囲む末端先端部を含む製品用容器を備えている注入装置、末端先端部に装着されているリング(a ring)を備えているアダプタ、を備えているアセンブリであって、該アセンブリは、さらに、容器の少なくとも一部およびアダプタの少なくとも一部を覆う熱収縮性フィルムを備え、該熱収縮性フィルムは、熱収縮性フィルムがその熱収縮された状態にあるとき、容器に対して回転および並進が阻止されているアダプタを保持することを特徴とする。
【0009】
アダプタの少なくとも一部は、容器の少なくとも一部とともに収縮したフィルム内に閉じ込められるので、アダプタは、容器に対して、したがって、末端先端部に対して、しっかりと固定される。アダプタは、注入装置の末端先端部に対して回転および並進することが阻止される。使用者は、一方で収縮されたフィルムを介してアセンブリを、他方でコネクタを、彼の指でつかむことにより、連結装置をアダプタに簡単にネジ留めすることができる。アダプタは、容器の末端先端部に対して移動させることができないので、使用者は、アダプタに、そして次に注入装置に、連結装置を正しくネジ留めするに決まっている。
【0010】
本発明の実施態様においては、アダプタのリングは、摩擦により末端先端部に装着される。
【0011】
本発明の実施態様において、熱収縮性フィルムは、容器の一部およびアダプタの一部を連続的に覆うことが好ましい。
【0012】
本発明の実施態様において、熱収縮性フィルムは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリスチレン(oriented polystyrene)(OPS)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ乳酸(PLA)およびこれらの混合物からなるグループから選択された熱可塑性材料から作られる。本発明の実施態様において、熱収縮性フィルムは、ポリ塩化ビニルから作られている。
【0013】
本発明のアセンブリは、さらに、熱収縮性フィルムと容器および/またはアダプタとの間に閉じ込められたラベル(a label)を備えている。本発明の別の実施態様においては、アセンブリは、熱収縮性フィルム上に配置されたラベルを備えている。ラベルは、紙から作られており、例えば、容器の内容物に関する情報が印刷されている。
【0014】
本発明の別の実施態様においては、アセンブリは、アダプタの上に取り付けられたプラグ(a plug)をさらに備えている。プラグは、例えば、摩擦またはネジ留めにより、アダプタに取り外し可能に取り付けられており、アダプタへの進入路を閉じることを目的としている。熱収縮性フィルムは、また、プラグの少なくとも一部を覆っていてもよい。そのような場合、例えば、熱収縮性フィルムには、プラグの一部を覆っている熱収縮性フィルムの一部に配置された環状の破れ易い線が設けられる。環状の破れ易い線は、プラグを取り外し、アダプタを開けるために破られる必要がある。環状の破れ易い線は、したがって、アダプタを開ける開封明示手段を構成している。
【0015】
本発明の別の実施態様では、熱収縮性フィルムは、容器またはアダプタの少なくとも1つに少なくとも部分的に接着されている。
【0016】
熱収縮性フィルムには、また、文字が設けられている。
【0017】
本発明の別の形態は、以下のステップを備える上述されたアセンブリを製造する方法にある。
【0018】
a°)注入装置は、製品用容器を備え、該容器は、製品の移送用通路を提供する導管を取り囲む末端先端部を備え、適切なアダプタが設けられるステップ、
b°)適切なアダプタは、注入装置の末端先端部に取り付けられるステップ、
c°)熱収縮性フィルムは、例えば、矩形状のシートの形で、アダプタの少なくとも一部および容器の少なくとも一部を覆うように、アセンブリに接着されるステップ、
d°)熱収縮性フィルムは、該フィルムが収縮し、アダプタが容器に対して回転および並進することを阻まれている状態を維持するように、容器の一部およびアダプタの一部をしっかりと覆うまで、加熱されるステップ。
【0019】
本発明の別の実施態様では、ステップa°)でプラグがさらに設けられ、プラグは、アダプタに取り付けられ、熱収縮性フィルムは、プラグの少なくとも一部をさらに覆うように、ステップc°)で選択される。ある実施態様においては、c°)の接着ステップの前に、例えば、点線の形での破れ易い線が、プラグの一部を覆うことを目的としている熱収縮性フィルムの一部に設計され得る。
【0020】
本発明および本発明から生じる利点は、添付図面を参照して以下に記載される詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】装置の末端先端部に装着されることを目的としているアダプタと一緒の本発明のアセンブリの注入装置の斜視図である。
【
図2】アダプタが装置の末端先端部に装着されたときの、
図1の注入装置およびアダプタの斜視図である。
【
図4】プラグがアダプタに装着された
図3のアセンブリの断面図である。
【
図5】開封明示手段としての点線を有する熱収縮性フィルムが、また、アダプタに装着されたプラグの一部を覆っているアセンブリの側面図である。
【
図6】連結装置が部分的にネジ留めされた
図3のアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、本発明のアセンブリ(
図3参照)の注入装置1が示されている。注入装置1は、長手方向の軸Aを有する、末端先端部3を含む容器2を備えている。この図から明らかなように、容器2と末端先端部3は、単一の要素から作られている。容器2は、筒形形状を有しており、製品、例えば、医療用流体のための貯蔵室を画定している。容器2と末端先端部3は、ガラス物質から作られることが好ましい。容器2は、ピストン(不図示)により基端部で密封され得る。末端先端部3は、長手方向の軸Aに整列し、容器2から、例えばIV連結装置のような連結装置への、あるいは、薬壜から容器2への、製品の移送用通路を提供している導管4を取り囲んでいる。示されている例において、末端先端部3の外面3aは、わずかに先細状の形状を有している。
【0023】
図1には、また、
図3のアセンブリのアダプタ5が示されている。該アダプタ5は、リング6を備えている。示されている例において、リング6には、その基端領域において、半径方向内側に向って突出する不連続な環状隆起7の形での内部突出体が設けられている。不連続な環状隆起7は、該隆起7の内壁に加えられる圧力の下で、不連続な環状隆起7が外側の方向に半径方向にわずかに膨張することが十分可能である可撓性の材料から作られる。あるいは、不連続な環状隆起は、半径方向外側に向って膨張することができる連続した環状隆起に取り替えられ得る。リング6の内壁には、不連続な環状隆起7から末端方向に間隔をおいて配置される内部ネジ山8が設けられる。アダプタ5は、プラスチックのような可撓性の物質から作られることが好ましい。
【0024】
図2に示されるように、アダプタ5は、注入装置1の末端先端部3に装着される。末端先端部3の外面3aが先細状の形状であるために、また、不連続な環状隆起7が半径方向外側に向ってわずかに膨張することができるために、アダプタ5は、摩擦により末端先端部3に装着される。
【0025】
図3を参照すると、末端先端部3に装着されたアダプタ5とともに
図2の注入装置1に、さらに、例えば、接着剤により、容器2の一部およびアダプタ5の一部に接着され、次に、容器2の少なくとも一部、示されている例においては、容器2の末端領域2a、及びアダプタ5の少なくとも一部、示されている例においては、アダプタ5の基端領域5a、をしっかりと覆い、包むように熱収縮される熱収縮性フィルム9が設けられている本発明のアセンブリ101が部分的に示されている。熱収縮フィルム9は、容器2の末端領域2aから連続し、アダプタ5の基端部5aまで覆っている。例えば、熱収縮性フィルム9は、容器2上を5mm以上の長さ延在し、アダプタ5上を5mm以上の長さ延在し得る。熱収縮フィルム9は、熱可塑性プラスチック材料から作られる。ある実施態様においては、熱収縮性フィルム9は、ポリ塩化ビニルから作られる。ある実施態様においては、熱収縮性フィルム9は、透明であり、および/または例えば、目盛、ブランド名のような文字を備えていてもよい。
【0026】
示されていない本発明の実施態様においては、アセンブリ101は、さらに熱収縮性フィルム9と容器2およびアダプタ5との間に閉じ込められたラベルを備えていてもよい。あるいは、ラベルは、熱収縮性フィルム9と容器2との間、または、熱収縮性フィルム9とアダプタ5との間に閉じ込められていてもよい。示されていない本発明の別の実施態様においては、ラベルは、例えば、接着剤により、熱収縮性フィルム9の上に配置されていてもよい。そのようなラベルは、例えば、容器2の内容物に関する情報を有する紙製のラベルであってもよいし、それが印刷されていてもよい。
【0027】
図3から明瞭であるように、熱収縮性フィルム9の存在により、アダプタ5は、容器2に対して回転することが妨げられ、長手方向の軸A周りに末端先端部3に対して回転することが妨げられる。したがって、熱収縮性フィルム9は、長手方向の軸A周りに容器2に対して回転すること妨げられているアダプタ5を保持する。熱収縮性フィルム9は、また、アダプタが容器に対して並進することを妨げている。
【0028】
結果として、使用者がアダプタ5に連結装置をネジ留めするステップに進むと、操作が容易になされ、安全である。
【0029】
図4は、プラグ10がアダプタ5に装着されている、
図3のアセンブリ101を示す。このプラグ10は、アダプタ5に取り外し可能に装着され、アダプタ5を保護するために、使用前のアダプタ5への接近経路を閉じることを目的としている。
【0030】
図6は、アダプタ5に連結装置11をネジ留めするステップ中にある
図3のアセンブリを示している。連結装置11には、アダプタ5のリング6の内部ネジ山8に合致することを意図されている外部ネジ山12が設けられている。
【0031】
結果として、
図4および6を参照すると、
図4に示されるようにアダプタ5が閉じられた状態にあるアセンブリ101が与えられた使用者は、IV連結装置のような連結装置11をアダプタ5に連結する次のステップに進むことを望む場合、使用者は、最初に、一方の手に熱収縮されたフィルム9を介してアセンブリ101を掴み、プラグ10を取り外す。このとき、使用者は、
図6に示されるように、アダプタ5が末端先端部3に対して静止しているか否かに関して悩むことなく、アダプタ5の内部ネジ山8に連結装置11をネジ留めすべきである。事実、容器2の末端領域2aおよびアダプタ5上で連続的に熱収縮されたフィルム9により、アダプタ5は、末端先端部3に対して、したがって、容器2に対して、回転し、並進することが妨げられている。連結装置11の外部ネジ山12が、アダプタ5の内部ネジ山8にしっかりとネジ留めされると、次に、使用者は、一方から他方へ移送される製品が漏れるという恐れなしに、注入装置1及び連結装置11がしっかりと連結されたことを知る。
【0032】
図5には、
図4の実施態様とは別の実施態様が示されている。該実施態様では、熱収縮性フィルム9がより長く、プラグ10の一部をも覆っている。したがって、熱収縮性フィルム9は、容器の一部、(熱収縮性フィルム9により完全に覆われているので、
図5には示されていない)アダプタ5、およびプラグの一部を連続的に覆っている。そのような場合、例えば、熱収縮性フィルム9には、点線またはミシン目のような環状の破れ易い線13が設けられている。該線13は、プラグ10を取り外し、アダプタを開けるために、破られる必要がある。破れ易い線13は、したがって、アダプタをあける開封明示手段として作用する。
【0033】
本発明のアセンブリは、以下のように製造され得る。注入装置が製品用容器を備え、該容器は、製品を移送する通路を提供する導管を取り囲む末端先端部を含み、適切なアダプタが設けられる。「適切なアダプタ」は、本明細書では、注入装置の末端先端部に摩擦力で押し付けられるのに適している寸法を有している適合要素(an adapting element)を意味している。第2のステップにおいて、適切なアダプタは、注入装置の末端先端部に摩擦力で押し付けられる。例えば、矩形状のシートの形で、ポリ塩化ビニルから作られている熱収縮性フィルムは、例えば、アダプタの少なくとも一部および容器の少なくとも一部を、好ましくは連続的に覆うように、接着剤によりアセンブリに接着される。次のステップにおいて、熱収縮性フィルムは、それが収縮し、容器の一部およびアダプタの一部を、好ましくは連続的にしっかりと覆うまで、加熱される。結果として、熱収縮されたフィルムは、容器に対する長手方向の軸Aの周りの回転および並進を妨げられているアダプタを保持する。
【0034】
熱収縮性フィルムが、また、アダプタに装着されているプラグの一部を覆う場合には、プラグは、熱収縮性フィルムを接着する前にアダプタに装着され、収縮性フィルムの長さは、アダプタを完全に覆い、プラグの少なくとも一部を覆い、特に連続的に覆うように選択される。例えば、破れ易い線は、熱収縮性フィルムが容器、アダプタ、およびプラグに接着される前に、プラグに接着されることを意図されている熱収縮性フィルムの領域に設計される。
【0035】
本発明のアセンブリは、したがって、注入装置とアダプタに形成されている中間要素との間の固定の堅さを点検することなく、注入装置を連結装置に安全に連結することを可能にする。