(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第2接合区域(S)を備えたデバイスパーツペアが可動性パーツ(101)であり、該可動性パーツは、ベアリングパーツ(102)を貫通して、または複数のベアリングパーツ(102)の組立体を貫通して延在し、仮組立体を部位特異的構成で導入する工程において、可動性パーツ(101)は、1つまたは複数のベアリングパーツ(102)に対して、軸方向に移動させること、および/または回転させることにより移動させられる、請求項1に記載の方法。
ロックパーツ(100)が、可動性パーツ(101)に対して押圧され、ロックパーツ(100)の隣接面に適用される振動ツールによって振動させられる、請求項2に記載の方法。
ロックパーツ(100)が、さらなる液化性材料と機械的振動の補助によって骨組織内に係留され、まず、ロックパーツ(100)が、その遠位端が骨組織から突出するように骨組織内に係留され、次いで、ベアリングパーツ(102)またはベアリングパーツ組立体が、ロックパーツ(100)の遠位端上に配置され、これに対して押圧され、振動させられる、請求項2に記載の方法。
該2つの第2接合区域(S)を備え、互いに対して可動性であるデバイスパーツペアにおいて、一方が貫通開口部を備えるプレート(20)であり、他方が貫通開口部を備え、該プレートのボウル形状の貫通開口部内に載置される挿入部(92)であり、
該ロックパーツが、該挿入部(92)の該貫通開口部に適応させたピンパート(93)のヘッド部領域(94)で構成されている、請求項5に記載のデバイス。
互いに対して可動性であり、該2つの第2接合区域(S)を備えた該デバイスパーツペアにおいて、一方が、ベアリングパーツ(102)またはベアリングパーツ(102)の組立体であり、他方が可動性パーツ(101)であり、該可動性パーツは、ベアリングパーツ(102)またはベアリングパーツ組立体を貫通して延在し、該ベアリングパーツまたはベアリングパーツ組立体に対して軸方向に移動可能および/または回転可能であり、該ベアリングパーツまたはベアリングパーツ組立体は、その外側表面からそのベアリング表面までに延在する開口部を備えており、ロックパーツ(100)がピン形状であり、該ベアリングパーツまたはベアリングパーツ組立体内の開口部を介して導入されるように適応させられている、請求項5に記載のデバイス。
ベアリングパーツの1つが、さらなる液化性材料と機械的振動の補助によって骨組織内に係留されるように具備される突起部(105)を備えている、請求項9〜11のいずれか1項に記載のデバイス。
複数の支持部(110)、ロッド(111)および複数のダブルベアリングパーツ(112)を備えた外固定デバイスである、請求項6〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
ロックパーツ(100)が、さらなる液化性材料と機械的振動の補助によって骨組織内に係留されるように具備され、骨組織から突出した係留ロックパーツ(100)の一端が、該2つの第2接合区域(S)間の空間内に配置される遠位端を構成する、請求項6〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、第2接合区域の構造部、および適合接合区域ペアを接合させることにより得られる連結部を示す。
【
図2】
図2は、第2接合区域の構造部、および適合接合区域ペアを接合させることにより得られる連結部を示す。
【
図3】
図3は、第2接合区域の構造部、および適合接合区域ペアを接合させることにより得られる連結部を示す。
【
図4】
図4は、第2接合区域の構造部、および適合接合区域ペアを接合させることにより得られる連結部を示す。
【
図5】
図5は、第2接合区域の構造部、および適合接合区域ペアを接合させることにより得られる連結部を示す。
【
図6】
図6は、第2接合区域の構造部、および適合接合区域ペアを接合させることにより得られる連結部を示す。
【
図7】
図7は、第2接合区域の構造部、および適合接合区域ペアを接合させることにより得られる連結部を示す。
【
図8】
図8は、被支持部パーツの遠位端が、骨組織内に支持部パーツによって固定され、支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部内に係留され、被支持部パーツが、支持部パーツ内または該パーツ上に固定され、被支持部パーツが種々の機能を有する、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図9】
図9は、被支持部パーツの遠位端が、骨組織内に支持部パーツによって固定され、支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部内に係留され、被支持部パーツが、支持部パーツ内または該パーツ上に固定され、被支持部パーツが種々の機能を有する、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図10】
図10は、被支持部パーツの遠位端が、骨組織内に支持部パーツによって固定され、支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部内に係留され、被支持部パーツが、支持部パーツ内または該パーツ上に固定され、被支持部パーツが種々の機能を有する、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図11】
図11は、被支持部パーツの遠位端が、骨組織内に支持部パーツによって固定され、支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部内に係留され、被支持部パーツが、支持部パーツ内または該パーツ上に固定され、被支持部パーツが種々の機能を有する、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図12】
図12は、被支持部パーツの遠位端が、骨組織内に支持部パーツによって固定され、支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部内に係留され、被支持部パーツが、支持部パーツ内または該パーツ上に固定され、被支持部パーツが種々の機能を有する、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図13】
図13は、被支持部パーツの遠位端が、骨組織内に支持部パーツによって固定され、支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部内に係留され、被支持部パーツが、支持部パーツ内または該パーツ上に固定され、被支持部パーツが種々の機能を有する、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図14】
図14は、被支持部パーツの遠位端が、骨組織内に支持部パーツによって固定され、支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部内に係留され、被支持部パーツが、支持部パーツ内または該パーツ上に固定され、被支持部パーツが種々の機能を有する、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図15】
図15は、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第2の群を示す。この群は、第1の群と類似しているが、支持部パーツは、適切に下準備した管状骨の髄腔内に係留される。
【
図16】
図16は、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第2の群を示す。この群は、第1の群と類似しているが、支持部パーツは、適切に下準備した管状骨の髄腔内に係留される。
【
図17】
図17は、被支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部から突出させた支持部パーツの隣接端に接合され、支持部パーツが係留された、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第3の群を示す。
【
図18】
図18は、被支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部から突出させた支持部パーツの隣接端に接合され、支持部パーツが係留された、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第3の群を示す。
【
図19】
図19は、被支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部から突出させた支持部パーツの隣接端に接合され、支持部パーツが係留された、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第3の群を示す。
【
図20】
図20は、被支持部パーツが、骨組織内に設けられた開口部から突出させた支持部パーツの隣接端に接合され、支持部パーツが係留された、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第3の群を示す。
【
図21】
図21は、被支持部パーツが骨組織内の開口部内に、被支持部パーツのそばの開口部内に押し入れられた1つまたは複数の支持部パーツの補助によって配置された、本発明の態様Bの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図22】
図22は、被支持部パーツが骨組織内の開口部内に、被支持部パーツのそばの開口部内に押し入れられた1つまたは複数の支持部パーツの補助によって配置された、本発明の態様Bの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図23】
図23は、被支持部パーツが骨組織内の開口部内に、被支持部パーツのそばの開口部内に押し入れられた1つまたは複数の支持部パーツの補助によって配置された、本発明の態様Bの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図24】
図24は、被支持部パーツが骨組織内の開口部内に、被支持部パーツのそばの開口部内に押し入れられた1つまたは複数の支持部パーツの補助によって配置された、本発明の態様Bの例示的な実施形態の第1の群を示す。
【
図25】
図25は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図26】
図26は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図27】
図27は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図28】
図28は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図29】
図29は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図30】
図30は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図31】
図31は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図32】
図32は、被支持部パーツが、1つまたは複数の支持部パーツの補助によって、骨表面に対して固定された、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【
図33】
図33は、骨組織に対して固定される被支持部パーツが骨組織部分である、本発明の態様Bの実施形態の第3の群を示す。
【
図34】
図34は、骨組織に対して固定される被支持部パーツが骨組織部分である、本発明の態様Bの実施形態の第3の群を示す。
【
図35】
図35は、骨組織に対して固定される被支持部パーツが骨組織部分である、本発明の態様Bの実施形態の第3の群を示す。
【
図36】
図36は、支持部パーツが、被支持部パーツをさらなるデバイスパーツに対して固定させる機能を果たす、本発明の態様Bの実施形態の第4の群を示す。
【
図37】
図37は、支持部パーツが、被支持部パーツをさらなるデバイスパーツに対して固定させる機能を果たす、本発明の態様Bの実施形態の第4の群を示す。
【
図38】
図38は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図39】
図39は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図40】
図40は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図41】
図41は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図42】
図42は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図43】
図43は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図44】
図44は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図45】
図45は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図46】
図46は、被支持部パーツが骨表面に対して、被支持部パーツと接合されると同時に、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される骨表面の下方の骨組織中に導入された支持部パーツによって固定された、本発明の態様Cの実施形態の第1の群を示す。
【
図47】
図47は、支持部パーツが、被支持部パーツと接合されるさらなるインプラント材パーツ中に導入された、本発明の態様Cの実施形態の第2の群を示す。
【
図48】
図48は、支持部パーツが、被支持部パーツと接合されるさらなるインプラント材パーツ中に導入された、本発明の態様Cの実施形態の第2の群を示す。
【
図49】
図49は、複数の仮組み立てされたデバイスパーツが、部位特異的構成で配列し、次いで、該デバイスパーツを互いに接合させる、本発明の態様Dの実施形態の第1の群を示す。
【
図50】
図50は、複数の仮組み立てされたデバイスパーツが、部位特異的構成で配列し、次いで、該デバイスパーツを互いに接合させる、本発明の態様Dの実施形態の第1の群を示す。
【
図51】
図51は、複数の仮組み立てされたデバイスパーツが、部位特異的構成で配列し、次いで、該デバイスパーツを互いに接合させる、本発明の態様Dの実施形態の第1の群を示す。
【
図52】
図52は、複数の仮組み立てされたデバイスパーツが、部位特異的構成で配列し、次いで、該デバイスパーツを互いに接合させる、本発明の態様Dの実施形態の第1の群を示す。
【
図53】
図53は、複数の仮組み立てされたデバイスパーツが、部位特異的構成で配列し、次いで、該デバイスパーツを互いに接合させる、本発明の態様Dの実施形態の第1の群を示す。
【
図54】
図54は、複数の仮組み立てされたデバイスパーツが、部位特異的構成で配列し、次いで、該デバイスパーツを互いに接合させる、本発明の態様Dの実施形態の第1の群を示す。
【
図55】
図55は、デバイスが、複数の仮組み立てされた、または仮組み立て可能なデバイスパーツに加えて、該仮組み立てされたデバイスパーツを部位特異的構成でロックするためのロックパーツを備えた、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。
【
図56】
図56は、デバイスが、複数の仮組み立てされた、または仮組み立て可能なデバイスパーツに加えて、該仮組み立てされたデバイスパーツを部位特異的構成でロックするためのロックパーツを備えた、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。
【
図57】
図57は、デバイスが、複数の仮組み立てされた、または仮組み立て可能なデバイスパーツに加えて、該仮組み立てされたデバイスパーツを部位特異的構成でロックするためのロックパーツを備えた、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。
【
図58】
図58は、デバイスが、複数の仮組み立てされた、または仮組み立て可能なデバイスパーツに加えて、該仮組み立てされたデバイスパーツを部位特異的構成でロックするためのロックパーツを備えた、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。
【
図59】
図59は、デバイスが、複数の仮組み立てされた、または仮組み立て可能なデバイスパーツに加えて、該仮組み立てされたデバイスパーツを部位特異的構成でロックするためのロックパーツを備えた、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。
【
図60】
図60は、デバイスが、複数の仮組み立てされた、または仮組み立て可能なデバイスパーツに加えて、該仮組み立てされたデバイスパーツを部位特異的構成でロックするためのロックパーツを備えた、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。
【
図61】
図61は、デバイスが、複数の仮組み立てされた、または仮組み立て可能なデバイスパーツに加えて、該仮組み立てされたデバイスパーツを部位特異的構成でロックするためのロックパーツを備えた、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。
【
図62】
図62は、複数のデバイスパーツが、インサイチュで組み立てられ、接合される、本発明の態様Eの例示的な実施形態を示す。
【
図63】
図63は、複数のデバイスパーツが、インサイチュで組み立てられ、接合される、本発明の態様Eの例示的な実施形態を示す。
【
図64】
図64は、複数のデバイスパーツが、インサイチュで組み立てられ、接合される、本発明の態様Eの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、以下に詳述する態様A〜Eを含む。
・態様A:第1のデバイスパーツは、骨組織内において第2のデバイスパーツの支持部を構成する。支持部パーツは、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備され、好ましくは、第1接合区域を備えている。第2のデバイスパーツ(被支持部パーツ)の遠位端は、支持部パーツによって骨組織に固定され、好ましくは、第2接合区域を備えている。支持部パーツは、機械的振動によって骨組織内に係留される。被支持部パーツは支持部パーツに、やはり機械的振動によって接合される。支持部パーツおよび被支持部パーツの具体的な設計にもよるが、骨組織内での支持部パーツの係留および被支持部パーツとの接合は、振動を最初に支持部パーツに適用し、次いで被支持部パーツに適用する連続する2つの工程で行なうか、または振動を支持部パーツに適用する1つの工程で行なう。
【0021】
・態様B:この場合も、第1のデバイスパーツは、支持部パーツであり、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備される。支持部パーツは、ピン、プレートまたは場合によってはくさび型の形状であり、好ましくは、第1接合区域を備えており、被支持部パーツ(第2のデバイスパーツ)は、好ましくは、第2接合区域を備えている。デバイスを骨組織に固定させるため、被支持部パーツを骨組織に対して、その接合区域が骨組織と対向するように配置する。次いで、該支持部部材を、骨組織と被支持部パーツとの間に押し入れると同時に、機械的振動がその隣接端に、支持部パーツが、その側面の一方で骨組織内に係留され、反対の側面で被支持部パーツに接合され、それにより、被支持部パーツが骨組織に対して固定されるように適用される。同様の方法を使用し、デバイスパーツ(被支持部パーツ)を骨組織に固定する代わりに、デバイスパーツを別のデバイスパーツに、または骨組織部分を別の骨組織部分(例えば、骨断片)に固定してもよい。
【0022】
・態様C:この場合も、第1のデバイスパーツは、好ましくは、ピンまたはプレートの形状の支持部パーツであり、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備され、好ましくは、第1接合区域を備えており、第2のデバイスパーツ(被支持部パーツ)は、好ましくは、第2接合区域を備えている。骨組織内にトンネル部を設け、第2のデバイスパーツは、遠位トンネル開口部に隣接して配置され、支持部パーツを、隣接トンネル開口部を通してトンネル部内に入れ、遠位トンネル開口部で被支持部パーツの接合区域と接触させる。次いで、支持部パーツおよび被支持部パーツを遠位トンネル開口部の該領域内で、機械的振動を隣接トンネル開口部近傍の支持部パーツに適用することにより一体化させる。このとき、2つのデバイスパーツの接合と同時だと、支持部パーツは、トンネル壁部の骨組織内に係留される。支持部パーツは骨組織に、液化性材料と機械的振動の補助による係留以外の手段で固定させてもよい。骨組織内の代わりに、トンネル部をさらなるデバイスパーツ内に設けてもよい。
【0023】
・態様D:複数のデバイスパーツを、デバイスパーツが互いに対して制限された様式で可動性となるように仮組み立てする。デバイスパーツのうち選択したものが、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備され得る。該デバイスパーツを、インプラント材埋入部位の仮組み立てされた構造部内に導入するか、またはインプラント材埋入部位内で仮組み立てする。仮組立体では、デバイスパーツのうちの特定のものは、依然として互いに対して制限された様式で可動性である。仮組み立てされたデバイスパーツは、特定のデバイスパーツを互いに対して移動させることにより、互いに対して部位特異的構成で配置される。次いで、デバイスパーツはこの部位特異的構成で、機械的振動の補助によって互いに接合させることによりロックされ、これにより、接合され、隣接し、互いに対して可動性のデバイスパーツに、互いに対向する適合接合区域が具備される。このようにして具備されるデバイスパーツの係留は、接合と同時、または予備工程で行なわれる。骨組織内にデバイスパーツの係留が全くなくてもよい。
【0024】
・態様E:複数のデバイスパーツがインプラント材埋入部位に、実質的に同じ経路に沿って、または異なる経路に沿ってのいずれかで連続して導入され、デバイスパーツは、インプラント材埋入部位内で互いに接合され、接合は、デバイスパーツの少なくとも1つに適用される機械的振動を用いて行なわれる。デバイスパーツのうち選択したものが、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備され得る。デバイスパーツは、接合される第1と第2の適合接合区域ペアが具備されており、インプラント材埋入部位に互いに対して、適合接合区域が互いに対向し、次いで機械的振動の補助によって互いに接合されるように配置される。このようにして具備されるデバイスパーツの係留は、接合と同時、または予備工程で行なわれる。骨組織内にデバイスパーツの係留が全くなくてもよい。
【0025】
本発明によるデバイスのパーツの接合に好適な液化性材料は、生物学的に再吸収性のものではないが、骨組織内で該デバイスのパーツを係留するための液化性材料は、再吸収性または非再吸収性のいずれであってもよい。
【0026】
第1接合区域に好適な、また場合によってはデバイスパーツの係留にも好適な非再吸収性液化性材料は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスルホン、液晶ポリマー(LCP)、ポリアセタール、ハロゲン化ポリマー、特に、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリールエーテルケトン(例えば、ポリエーテルエーテルケトンPEEK、商標Victrex 450GまたはPeek OptimaでInviboから入手可能)ポリエーテル、または対応するコポリマーおよび混合ポリマーまたは前記ポリマーと充填材もしくは強化材(例えば、繊維、ウィスカー、ナノプレートレットもしくはナノチューブなど)とを含有する複合材料である。ポリアミド11またはポリアミド12が特に好適である。
【0027】
骨組織内でのデバイスパーツの係留に好適な再吸収性液化性材料は、例えば、乳酸および/またはグルコン酸系の熱可塑性ポリマー(PLA、PLLA、PGA、PLGAなど)、またはポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリカプロラクトン(PCL)、多糖類、ポリジオキサノン(PD)、ポリ無水物、ポリペプチド、トリメチルカーボネート(TMC)、または対応するコポリマーもしくは混合ポリマー、または前記ポリマーを含有する複合材料である。再吸収性液化性材料として特に好適なのは、ポリ−LDL−ラクチド(例えば、Boehringerから商標Resomer LR708で入手可能)またはポリ−DL−ラクチド(例えば、Boehringerから商標Resomer
R208で入手可能)、ならびに対応するコポリマーおよび混合ポリマー、または前記ポリマーと充填材もしくは強化材(例えば、繊維、ウィスカー、ナノプレートレットもしくはナノチューブなど)とを含有する複合材料である。
【0028】
本発明によるデバイスは、既知のインプラント材およびエンドプロテーゼと同じ目的に供される。該デバイスは、特に、ある生存組織部分を別の生存組織部分に固定するために供され、ここで、本発明によるデバイスは、2つの組織部分間の固定部材、特に荷重負荷固定部材を構成する。また、該デバイスは、天然組織部分と置き換わる人工部材または補助部材(例えば、補助支持パーツ)を固定するために供され得、ここで、本発明によるデバイスは、置換パーツまたは補助パーツならびに固定手段を構成する。
【0029】
本発明によるデバイスおよび方法の利点は、インサイチュ組立ての容易性、インサイチュ組立てのロバスト性、生理学的条件下で不可逆性にするインサイチュ組立ての特徴および容易でほとんど制限のないインサイチュ組立てのインサイチュ適応能力である。
【0030】
本発明による方法を実施するためには、振動デバイス、例えば、超音波振動子を含む超音波デバイス、ブースターと超音波発振器、または超音波発振器(振動ツール)と音響結合要素(振動ツール)が使用され、超音波発振器または音響結合要素は好都合に交換可能である。好ましくは、デバイスパーツに加えて、デバイスパーツの接触区域に適応させた遠位端と、振動デバイスまたは超音波発振器のそれぞれの固定点に適応させた隣接端とを有する振動ツールを備えたセットが提供される。該セットは、さらに、インプラント材埋入パラメータ(例えば、振動周波数および接合に適当な適用時間など)ならびに場合によっては、インプラント材埋入のための係留方法およびセットのデバイスパーツの組立てに関する印刷された、あるいは別の方法で記録された使用説明書を備えていてもよい。
【0031】
本発明による方法およびデバイスの例示的な実施形態を、添付の図面と関連させて、さらに詳細に記載する。
【0032】
図1〜7は、本発明によるデバイスに適した第1と第2の適合接合区域ペア、およびかかる接合区域間の連結の例示的な実施形態を示す。第1接合区域Fは、液化性材料を備えており、場合によっては、エネルギーディレクターEを備えており、第2接合区域Sは、非液化性材料のアンダーカット構造部で構成され、場合によっては、エネルギーディレクターEを備えている。この2つの適合接合区域接合させるため、これらを互いに対して押圧し、機械的振動を、第1または第2の接合区域のいずれかを備えたパーツの一方に、接合区域の反対側からカップリングさせる。圧力および振動により、エネルギーディレクター領域内の液化性材料の液化が引き起こされ、液体状態で、第2接合区域の構造部内に浸透し、再固化すると、両区域間に積極嵌合連結が形成される。
【0033】
対応するペアの第1と第2の接合区域を備えた2つのデバイスパーツを、機械的振動を用いて接合させることの主な特徴は、第1接合区域の液化性材料が液化され、液体状態で、通常、該液体が流れる方向にアンダーカットされた第2接合区域の構造部内に浸透することである。得られる液化性材料の積極嵌合構造部は、該液体状態の表面張力に依存する形態を特徴とする。このような構造部の液化性材料は、第2接合区域の材料に接着するものであり得るが、そうである必要はない。
【0034】
図1〜3は、第2接合区域Sの第1の例として、例えば、チタンなどの金属からなる発泡体構造部を示す。
図1は、液化性材料が浸透する前の発泡体構造部を示し、
図3は、発泡体構造部内に係留された液化性材料のピンを示し、
図2は、拡大した状態の、再固化後の液化性材料による発泡体構造部の内部浸透(interpenetration)、すなわち、両者間の積極嵌合連結を示す。
図2および3に見られるこの積極嵌合連結は、この第1の例の構造部において、約1mm以下の範囲の大きさの部材を含む。
図1〜3に示す接合区域に適合する第1接合区域は、液化性材料を備えており、発泡体材料の外側表面に適応させたものであり(例えば、平坦)、複数の構造部の部材を被覆するのに充分な大きさである。発泡体構造部の構造部の部材は、複数のエネルギーディレクターとしての機能を果たすことができるものであり、そのため、第1接合区域には、エネルギーディレクターが具備される必要がない。しかしながら、第1接合区域はまた、ピン形状のデバイスパーツのおおむね尖形の遠位端で構成されたものであってもよく、該尖形端がエネルギーディレクターとしての機能を果たす。
【0035】
図4は、3つの縮尺のカスケード表示で、第2接合区域の第2の例、およびこの第2接合区域と第1接合区域との間の積極嵌合連結を示す。図示した第2接合区域は、S+G Implants GmbH(リューベック、ドイツ)製の人工股関節の表面で構成されている。かかるインプラント材の表面構造部は、金属(好ましくは、チタンまたはチタン合金)からなり、例えば、微粒状材料を焼結することにより、または消失模型成型(lost form molding)によって作製されたものである。該構造部の部材は、約1mm〜約2mmの平均サイズを有する。
図4による第2接合区域に適合させた第1接合区域は、液化性材料を備えており、
図1〜3による接合部材について記載したように、複数の構造部の部材を被覆するように適応させたものである。第2接合区域の構造部の部材が、鋭角的というより丸みをおびている場合、適合第1接合区域がエネルギーディレクターを具備していることが好都合である。
【0036】
第2接合区域に適した
図4に示したものと同様の構造部は、Zimmer製の小柱網用(trabecular)金属、またはJohnson & Johnson製のインプラント材で知られているようなワイヤメッシュで作製されたものであり得る。また、Eska製のインプラント材も好適な表面を有する。
【0037】
図5は、製造または成型されたものである、おおむね規則的なパターンのアンダーカット開口部(例えば、穴または溝)を備えた第2接合区域Sを示す。左側の第2接合区域Sでは、アンダーカット開口部の口が表面全体からやや突出しており、それにより、エネルギーディレクターとしての機能を果たすことができる。適合第1接合区域Fは、完全に平坦であってもよい。
図5の右側の第2接合区域Sの構造部は、エネルギーディレクターを備えておらず、したがって、エネルギーディレクターEは、第1接合区域上に好都合に設けられている。
図5による第2接合区域構造部は、好都合には、約1〜数mmの大きさを有し、第1接合区域が複数の該構造部を被覆する。
【0038】
図6は、
図5による接合区域と同様の適合接合区域ペアFとSであって、第2接合区域構造部が、開口部ではなくアンダーカット突起部(例えば、より細いネック領域を有する先頭部または櫛状部)を備えたものを示す。このような突起部は、おおむね尖った先端または尖端が具備されている場合、同様にエネルギーディレクターとしての機能を果たす。
【0039】
図7は、第2接合区域Sの構造部(この場合も、アンダーカット開口部)が第1接合区域Fよりも大きい適合接合区域ペアの最後の例を示す。第1接合区域は、ピン形状のパーツの遠位端に存在しており、該ピン形状のパーツが該開口部内に導入され、このとき、接合されるパーツが互いに押圧される。ピンの遠位端は、例えば、エネルギーディレクターとしての機能を果たすことができるように尖形であり、ピンは、第2接合区域を構成するアンダーカット開口部に充填されるのに充分な液化性材料を備えている。
【0040】
図8〜14は、本発明の態様Aの第1の群の実施形態およびその適用を示す。該デバイスは、インプラント材またはエンドプロテーゼであり、支持部パーツ(第1のデバイスパーツ)と被支持部パーツ(第2のデバイスパーツ)を備えており、被支持部パーツは、支持部パーツに接合されることにより、支持部パーツによって骨組織内に支持される。支持部パーツは、骨組織内に設けられる開口部内に嵌合するように適応させてあり、この開口部内に、第1の液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備される。この目的のため、これは、少なくとも表面領域で骨組織と接触する液化性材料を備えるか、または液化性材料が支持部パーツ内側に設けられ、係留のために開口部を介して骨組織と接触する表面に押圧される。さらに、支持部パーツは、好ましくは、その隣接側に、接合区域の一方、好ましくは第1接合区域を備えている。被支持部パーツは、支持部パーツに接合されるように適応させた遠位端を備えており、接合区域の一方、好ましくは、第2接合区域を備えている。
【0041】
図8は、例えば、縫合糸21またはワイヤまたは他の柔軟性デバイスパーツを骨組織に対して係留するための係留部を示す。係留部は、骨組織の開口部内に保持される支持部パーツ1(第1のデバイスパーツ)と、その遠位端が支持部パーツ1内に保持されるように具備され、その隣接端が縫合糸またはワイヤ(さらなるデバイスパーツ)を挟持するように具備される被支持部パーツ2(第2のデバイスパーツ)を含む。支持部パーツ1は、硬組織、特に骨組織内に、液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備され、第1接合区域3を備えている。支持部パーツ1の外側表面の少なくとも一部分は、液化性材料を備えており、場合によっては、リブまたは他の突起部の形態のエネルギーディレクターを備えている。支持部パーツの隣接表面は、振動ツール(支持部パーツを骨組織内に係留するための機械的振動の適用のための接触区域4)と接触させるのに適している。支持部パーツ1は、さらに、その隣接面から遠位端に向かって延在している開口部5を備えており、該開口部5の内側表面は、液化性材料を備えており、場合によっては、エネルギーディレクター(第1接合区域3)を備えている。支持部パーツ1は、例えば、完全に液化性材料(例えば、熱可塑性ポリマー)からなる。
【0042】
被支持部パーツ2は、その遠位端に第2接合区域6(例えば、
図1〜6のいずれかによるもの)を、およびその隣接端に、接合プロセスのための機械的振動の適用のための接触区域7を備えている。被支持部パーツ2は、例えば、適当な金属材料で作製されたものであり、その遠位端は、支持部パーツ1の開口部5に適合する。第2接合区域6は、例えば、アンダーカット空洞部と、場合によってはエネルギーディレクター(例えば、軸方向リブ)を備えている。
【0043】
支持部パーツ1、被支持部パーツ2および、場合によっては縫合糸21またはワイヤを備えたデバイスを埋入し、組み立てるため、支持部パーツ1が、例えば、骨組織11内に設けられた穴10に配置され、遠位面を支持部パーツ1の隣接面(接触区域4)に適応させた振動ツール12(係留プロセスのための振動ツール、例えば、超音波デバイスの超音波発振器)が、この隣接面に対して押圧される。振動と圧力の作用によって、骨組織と接触している液化性材料が液化され、骨組織の多孔性構造部に内部浸透し、再固化すると、支持部パーツ1の所望の係留が形成される。支持部パーツ材料の高い弾性率のため、およびその外側表面上または骨表面上のエネルギーディレクターのため、支持部パーツ材料は、この外側表面上でのみ液化され、支持部パーツの本体では、その機械的安定性と強度は完全に保持され、その結果、支持部パーツは、機械的振動の適用中ずっと、機械的に安定なオシレータとしての機能を果たすことができる。
【0044】
支持部パーツ1が骨組織11内に係留される場合、被支持部パーツ2の少なくとも遠位端が、支持部パーツの開口部5内に導入され、被支持部パーツ2の接触区域7に適応させた遠位面を有するさらなる振動ツール15(接合プロセスのための振動ツール)が被支持部パーツに適用される。機械的振動の適用により、支持部パーツの開口部5内の第1接合区域3の液化性材料が液化され、第2接合区域6内に設けられたアンダーカット空洞部内に充填され、支持部パーツの第1接合区域3との積極嵌合連結が形成され、それにより、被支持部パーツ2が支持部パーツ1に接合される。
【0045】
被支持部パーツ2は、
図8に示した機能(縫合糸またはワイヤ係留)と異なる種々の機能を有するものであってもよく、該機能のために、被支持部パーツの隣接端を相応して適応させる。被支持部パーツ2の例示的なさらなる機能は、骨組織に対する軟組織もしくはさらなる硬組織の固定、脊椎固定術に使用されるようなロッド、ロッドクランプの固定、または骨接合目的に使用されるような支持プレート、もしくは係留の場合ような別の補助デバイス(例えば、ナビゲーションのためのトラッカー)の外固定である。かかる固定目的のため、被支持部パーツ2の隣接端には、例えば、外部糸または内部糸が具備され得る。また、支持部パーツ1および被支持部パーツ2は、一緒になって歯科用インプラント材を構成するものであってもよく、これに対して、さらなる歯科用プロテーゼパーツが固定される。
【0046】
骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留される対応する1パーツ型インプラント材と比べた
図8による2パーツ型デバイスの主な利点は、支持部パーツが既に骨組織内に確実にセットされている場合、被支持部パーツが少なくとも限定的な調整可能性を有することである。開口部5周囲の材料の液化により、支持部パーツに対して被支持部パーツを所望の位置と向きに押し込むことが可能になるが、これは、元の開口部5に正確に対応しないことがあり得る。さらに、開口部5と被支持部パーツ2の遠位端が円形または多角形の形態の断面であることにより、支持部パーツに対して考えられ得る被支持部パーツの複数の考えられる回転位置から所望の1つを選択することが可能になる。
図8による実施形態のさらなる利点は、両方のデバイスパーツが1種類の材料のみで作製され得る(製造すべき多材料パーツがない)ことであり、この場合、さらなるデバイスパーツの固定に必要とされる高強度材料は、第2接合区域にも好適である。
【0047】
図8に示したデバイスおよび方法は、種々の様式で改変され得、例えば、以下のさらなる実施形態がもたらされる。
【0048】
・支持部パーツは、非液化性材料で作製されたコア部を備えており、該コア部は、支持部パーツを骨組織内にその外側表面上で係留するための液化性材料を担持し、該コア部は、第2接合区域を構成する開口部を備えており(コア部材料は、例えば、開口部5において、第1接合区域の液化性材料が内部浸透する多孔性表面を提示する焼結材料である、例えば、
図4による適合接合区域ペアを参照)、被支持部パーツは、少なくともその遠位端領域内にこの液化性材料を備えており、第1接合区域を構成する(
図9もまた参照)。
【0049】
・支持部パーツは、非液化性材料で作製されており、開口部5を外側表面と連結する通路を備え、液化性材料が開口部5内に設けられている。支持部パーツを骨組織内に係留するため、機械的振動と圧力を開口部5内の液化性材料に適用すると、これは、一部該通路を介して骨組織内に押圧され、液化性材料は、第1接合区域を構成する開口部5内に残留する(
図11参照)。
【0050】
・支持部パーツは、完全に非液化性材料からなり、骨組織内に、例えば、糸を含めることにより、および骨組織内にネジ締めすることにより固定される。支持部パーツには、第2接合区域(例えば、
図7によるもの)が具備され、被支持部パーツには第1接合区域が具備される。
【0051】
・開口部5の代わりに、支持部パーツは、接合区域が設けられた被支持部パーツ内の開口部に対応する隣接突起部を備えている(
図14参照)。
【0052】
図9は、本発明の態様Aのさらなる例示的な実施形態を示す。該デバイスは、
図1に示した方法で埋入し、組み立てるのに適している。支持部パーツ1は、非液化性材料のコア部22を備えており、該コア部22は、その外側表面上に支持部パーツ1を骨組織内に係留するための液化性材料を担持しており、さらに、支持部パーツの隣接面から遠位端に向かって延在し、第2接合区域を構成する開口部5を備えている(
図7による)。この開口部5は、被支持部パーツ2との積極嵌合連結のためだけでなく、その前の接合プロセスにおいて被支持部パーツをスナップ留めするためのアンダーカット空洞部としての機能を果たす拡大した底面領域を有する穴である。
【0053】
被支持部パーツの2つの異型2.1および2.2を図示しており、該異型はともに、液化性材料からなり、開口部5の拡大した底面領域内にスナップ留めされるように具備された遠位端を備えている。被支持部パーツの異型2.1は、その遠位面を横切って存在し、場合によっては、被支持部パーツの側部表面に沿ってその隣接面まで続く溝25を備えている。溝25は、縫合糸21をガイドすることができるように成形されており、その結果、被支持部パーツ2が支持部パーツ1内にスナップ留めされたとき、例えば、ピンと張るように縫合糸21を該溝に沿って移動させることができる。被支持部パーツ2.1が支持部パーツ1に接合されたら、溝25周囲の材料を液化させ、再固化すると、被支持部パーツ2が支持部パーツに接合されると同時に、縫合糸21が溝25内に固定される。
【0054】
被支持部パーツの異型2.2は、これに固定された縫合糸21を、例えば鋳型内に配置されていることによって備えており、この場合、被支持部パーツは射出成型によって作製される。係留された支持部パーツ1に対する縫合糸21の位置の調整を可能にするため、被支持部パーツ2.1または2.2は、例えば円形断面を有し、開口部5(the latter)内にスナップ留めする際、開口部5内で回転させることができる。
【0055】
図10は、本発明の態様Aのさらなる例示的な実施形態を示す。図示したデバイスは、この場合も縫合糸係留体としての機能を果たし、この場合も、支持部パーツ1および被支持部パーツ2を備えており、
図8に示す方法に従って埋入される。被支持部パーツ2および支持部パーツ1は、被支持部パーツ2が支持部パーツ1の開口部5内に、少なくとも2つの異なる深さでスナップ留めされ得るように互いに適応させたものである。縫合糸21の第1末端は、例えば、被支持部パーツ2内に固定され、縫合糸21の第2末端は、例えば、軟組織27を貫通し、次いで、穴28および29を経由して糸通しされ、支持部パーツ1および被支持部パーツ2内に至り、被支持部パーツが支持部パーツ内のその最外クリック止め位置にクリック止めされると、互いに一直線上になる。縫合糸の第2末端が任意の適当な位置に固定されたら、被支持部パーツ2をより深いスナップ留め位置に押圧することにより、縫合糸の張力を増大させることができる。次いで、機械的振動を被支持部パーツ2の隣接面に適用することにより、被支持部パーツ2は縫合糸21とともに支持部パーツ内に固定される。
【0056】
図11は、本発明の態様Aによるデバイスのさらなる適用を示す。該デバイスは、例えば、軟組織(例えば、靭帯または腱31)を、被支持部パーツ2が支持部パーツ1によって固定される骨組織11に対して固定する機能を果たす。
【0057】
支持部パーツ1は、その内側上に表面エネルギーディレクターを備え、非液化性材料からなる有孔スリーブ1.1と、スリーブ1.1内に配置される液化性材料製の挿入部1.2とを備えている。スリーブは、骨組織11内に設けられた開口部10内に配置され、スリーブ内に押圧され、挿入部1.2の隣接面に対向して配置される第1振動ツール12によって振動させられる。それにより、挿入部の材料は液化され、スリーブの穿孔を介して開口部10の壁面の骨組織11内に押圧され、かくして、支持部パーツ1が骨組織内に係留される。スリーブの挿入部の残部は第1接合区域を構成する。
【0058】
被支持部パーツ2は、非液化性材料からなり、腱または靭帯31内に保持されるヘッド部30を備えており、これを介して被支持部パーツ2の遠位端を押し入れると、支持部パーツに接合される。被支持部パーツの遠位端は、好ましくは尖形のヘッド部(エネルギーディレクター)を備えることにより第2接合区域を構成する。被支持部パーツを支持部パーツに接合させるため、さらなる振動ツール15または係留の場合と同じもの(12)を、ヘッド部30に対向して配置する。
【0059】
図12は、本発明の態様Aによるさらなるデバイスを非常に模式的にを示し、該デバイスは、例えば、靭帯または腱31を骨組織に固定するために適用可能である。該デバイスは、
図8、9または11に示したデバイスと同様にして具備される。しかしながら、列挙した図面に示したもの以外に、
図12によるデバイスの支持部パーツ1は、1つより多くの被支持部パーツ2(1つしか図示していない)を収容することができるものである。支持部パーツ1は、任意の適当な形態、例えば、実質的に円形または実質的に長方形を有するものであってもよい。
図12に示す被支持部パーツ2は、棘部を備えており、これは、被支持部パーツ2を対応する開口部5内に仮保持することができる。まず、すべての被支持部パーツ2を、係留された支持部パーツ1内の対応する開口部5内に配置して仮保持し、その後で初めて、最終的に、すべての被支持部パーツ2を支持部パーツ1に、被支持部パーツのそれぞれのヘッド部30に適用される機械的振動の補助によって接合させることが好都合である。また、棘部が第2接合区域の構造部(
図6による第2接合区域)を構成していてもよい。
【0060】
図13は、被支持部パーツ2が縫合糸21であり、実質的にピン形状の支持部パーツ1の係留、および支持部パーツ1と縫合糸21(被支持部パーツ2)との接合が同時に可能である本発明の態様Aによるデバイスを示す。支持部パーツは、例えば液化性材料からなり、骨組織内に係留される領域は、実質的に第1接合区域と同じ、すなわち支持部パーツの側部表面である。縫合糸21は非液化性材料からなる。これは支持部パーツ1周囲に巻きつけられており、場合によっては結ばれており、そのために、支持部パーツ上に、特に、支持部パーツの側面からその隣接面に縫合糸を通すための溝が設けられていてもよい(溝32)。支持部パーツ1と縫合糸(被支持部パーツ2)は、骨組織内に設けられた対応する開口部内に一緒に導入され、機械的振動は、支持部パーツの隣接端に適用され、それにより、支持部パーツ1が骨組織内にその遠位で側面上に係留されると同時に、縫合糸21が支持部パーツ1に接合される。
【0061】
図14は、例えば
図8に示した方法に従って埋入される2パーツ型デバイスのさらなる適用を示す。この適用は、連結におけるベアリング表面を構成する骨または軟骨の表面の表面再形成(resurfacing)に関する。
図14は、大腿骨頭の表面再形成を示すが、その適用は、カップ様構造部に関するものと同様であり得る。かかる表面再形成インプラント材は、主に、破壊された軟骨層と置換されるが、下部の骨構造部の大部分が穿刺されるよう試みられる。類似したアプローチが、ヒト骨格(凸形、凹形、平坦または多曲面外形である)におけるほとんどすべての関節に使用され得る。
【0062】
また、
図14は、支持部パーツ1が、被支持部パーツ2の遠位端に対する開口部を備えていないが突起部39を備えており、被支持部パーツ2が、突起部に適応させた開口部41(支持部パーツ上の開口部および被支持部パーツ上の突起部も可能である)を備えている本発明の態様Aの実施形態を示す。この原理は、上記の本発明の態様Aの他の実施形態に対する変形型として適応可能である。さらに、
図14は、骨組織内に設けられた1つの開口部内ではなく、複数のかかる開口部内に係留されている支持部パーツ1を示し、該複数の開口部は、かなり小さいものであってもよく(例えば、図示した2つのように)、非常に大きい、すなわち、天然もしくは製造した骨表面粗さ(例えば、海綿骨の表面)で構成されていてもよい。被支持部パーツの開口部に適応させた突起部を備えた支持部パーツの特徴について上記したように、支持部パーツの係留のために複数の開口部が骨組織内に設けられるという特徴は、本発明の態様Aの上記の実施形態の他のものに適応可能である。
【0063】
図14によるデバイスにおいて、支持部パーツ1は、このようにして下準備した大腿骨の複数の開口部内に係留される。支持部パーツ1は複数の遠位突起部を備えており、該突起部は、液化性材料を備えており、骨開口部内に到達し、液化性材料と機械的振動の補助によって該内部に係留される。支持部パーツの隣接側は、例えば、金属、セラミックまたは非液化性ポリマー材料で作製されており、アンダーカット空洞部(第2接合区域)を有する表面構造部で構成された隣接突起部39を備えている。被支持部パーツ2は、ベアリング表面(40)置換部と、ベアリング表面の反対側に、第1接合区域の液化性材料を存在させた開口部41とを備えている。
【0064】
図15および16は、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第2の群を示す。この実施形態は、第1の群の上記の実施形態と、デバイスの支持部パーツ1が係留される骨組織内の開口部が、骨組織内に作製された開口部ではなく管状骨45の髄腔である点で相違する。該デバイスは、例えば、関節部分と置換されるエンドプロテーゼである。
【0065】
図15は、例えば液化性材料で作製され(少なくとも一部分が液化性材料でコーティングされた非液化性材料のコア部を備えていることも可能である)、管状骨45の該デバイスと置換される一端の切片を除去することにより、管状骨45の骨の内側表面上だけでなく、その作出された面上にも係留されるように設計された実質的に中空の支持部パーツ1を示す。置換される骨切片は、例えば、より小さい関節部分(例えば、指関節)である。被支持部パーツ2の隣接端は置換部の大部分を提示し、遠位端は、支持部パーツ1内に嵌合するように、および第2接合区域(例えば、
図1〜3、4、5または6のいずれか1つによるもの)を構成するように設計される。
【0066】
図16は、人工股関節である本発明の態様Aによるデバイスであって、支持部パーツ1が、大腿骨内に係留されるプロテーゼのシャフトを構成し、被支持部パーツ2が中間プロテーゼパーツであり、これにさらなる被支持部パーツ2’(支持部パーツ1上に支持された被支持部パーツ2上に支持され、プロテーゼのボール部を構成する)のデバイスを示す。支持部パーツ1と被支持部パーツ2との間の接合区域、および被支持部パーツ2とさらなる被支持部パーツ2’との間の接合区域の詳細は示していない。しかしながら、各適合接合区域ペアは、第1および第2の接合区域を備えており、機械的振動の適用後、第2接合区域の非液化性材料の対応する表面構造部と、液体状態で上記の表面構造部内に浸透した第1接合区域の液化性材料との間に積極嵌合連結がもたらされるように具備される。
図16によるデバイスに好都合な第2接合区域は、特に、
図4に示す構造部であるが、
図1〜3または5または6による構造部も適用可能である。
【0067】
また、
図16によるプロテーゼのパーツ1、2および2’のうち3つ全部または少なくとも2つを、インプラント材埋入直前に接合させること(すなわち、外科医によって滅菌空間内で)、および組み立てたプロテーゼを、1つのパーツとして大腿骨の髄腔内に係留することも可能である。
【0068】
図17〜20は、本発明の態様Aの例示的な実施形態の第3の群の実施形態を示す。この群の実施形態では、被支持部パーツ2が、少なくとも1つの支持部パーツ1の隣接端に接合され、この場合、この隣接端は、支持部パーツ1が係留された骨組織内の開口部から突出しており、支持部パーツ1と被支持部パーツ2との組立体は、さらなる組織(例えば、軟組織)またはさらなるデバイスパーツを固定するために供され、該さらなる組織またはデバイスパーツは、支持部パーツ1が、支持部パーツ隣接端と被支持部パーツ2との組立体によって係留された骨組織に対して固定される。記載した固定機能の代わりに、被支持部パーツはまた、支持部パーツの強化または硬化のために供されるものであってもよい(
図20)。
【0069】
図17は、骨に対して軟組織部分(例えば、腱もしくは靭帯31)またはさらなるデバイスパーツ(例えば、骨接合目的に使用されるような支持プレート)を固定するために供され得る本発明の態様Aによるのデバイスおよび対応するインプラント材埋入方法を示す。支持部パーツ1は、例えばピン形状であり、液化性材料からなる。これは、骨組織11内の開口部10内に液化性材料と機械的振動の補助によって、その隣接端(これは、例えば尖形である)が開口部10から突出するように係留される。次いで、腱または靭帯31を支持部パーツ1の隣接端に対し、この隣接端が靭帯または腱31(事前に穿孔しておいてもしていなくてもよい)を貫通するように押圧する。被支持部パーツ2は、支持部パーツ1に対する一種のヘッド部として形成されており、その遠位側に第2接合区域を備えており(好ましくは
図7によるもの、支持部パーツの尖形遠位端がエネルギーディレクターとしての機能を果たす)、次いで、支持部パーツ1の隣接端上に配置され、機械的振動をヘッド部形状の被支持部パーツ2に適用することにより、これに接合される。
図17に示すように、ヘッド形状の被支持部パーツ2の外周縁部は、遠位に(distally)突出している鋭角エッジ部を備えていてもよく、これは、被支持部パーツ2を支持部パーツ1に接合させると、腱または靭帯31内に押圧され、腱または靭帯31を、支持部パーツ1が係留された骨組織11に対して保持するためのさらなる手段としての機能を果たす。
【0070】
図18は、椎間部材50(さらなるデバイスパーツ)を固定するために使用される
図16のものと同じ方法および類似したデバイスパーツ、例えば、2つの近接する椎体を互いに対して固定するため、および該2つの近接する椎体51間に固定されるために供される椎間固定部材またはケージを示す。配置される椎間部材50は、側面から示している。これは、椎体51間に配置され、次いで、2つまたは2つより多くのピン形状の支持部パーツ1が椎間部材50の上部と下部の椎体内に係留される。次いで、実質的にバー形状またはプレート形状の被支持部パーツ2が支持部パーツの隣接端に接合され、椎間部材50に向かって移動させると、支持部パーツ1と一緒に、椎間部材50の面に対向して存在するクラスプが形成され、椎体51間のその位置に固定される。
【0071】
図19は、骨組織11内に係留され、骨組織から突出している隣接端を備え、溝60を備えたピン形状の支持部パーツ1を示し、該溝内には、例えば、縫合糸21(またはワイヤまたはロッド)がスナップ留めまたは配置され得、該縫合糸21は、次いで、被支持部パーツ2を支持部パーツ1の隣接端に接合させることにより固定される(例えば、
図5による適合接合区域ペア)。
【0072】
図20は、支持部パーツ1が、係留部56によって骨表面に固定された支持部プレート55の組立体であり、該係留部が、支持部プレート55内の開口部から骨組織内に延在しているか、または支持部プレートの骨表面に面する側に固定されている本発明の態様Aのさらなる実施形態を示す。支持部プレートは、好ましくは薄くて、特に、あらゆる方向に柔軟性のものである。被支持部パーツ2は、骨表面から遠い支持部プレート55の一側面(隣接側)に接合される複数の硬化性部材57である。支持部プレート55または硬化性部材57のいずれかが、第1接合区域を備えており(例えば、支持部プレート55)、他方が第2接合区域を備えており(例えば、硬化性部材57)、これは、例えば、
図6に従って構成されるものであるが、
図1〜3、4または5いずれか1つに従って構成されるものであってもよい。
【0073】
柔軟性の支持部プレートは、例えば、骨折部全体に埋入され、対応する骨表面の形状に柔軟に適応させられる。埋入された支持部プレートは、次いで、必要とされる骨折部の安定化に応じて、相応して形成し、配置した硬化性部材57(例えば、互いに離れた平行な硬化性ストライプ(stripe)、横方向に配列された硬化性ストライプもしくは硬化性プレート)によって、好ましくは局所のみで硬化させる。好都合には、硬化性部材も柔軟性であり、支持部プレートと硬化性部材との組合せのみが、骨折部の安定化に必要とされる剛性を有する。さらに、安定化が、骨折部が治癒している骨に徐々に引き継がれることが必要とされるように(応力遮蔽の防止)、支持部プレートを再吸収性材料で作製することが好都合であり得る。
【0074】
図20に示したような組立体で得られ得る別のまたはさらなる利点は、支持部プレート55のピン56およびこれに対して設けられた開口部が、硬化性部材57で被覆され得ることである。これは、該組立体が関節のベアリング表面、例えば球関節のベアリング表面との置換に供される場合、および1枚のプレートが硬化性部材として使用される場合、特に好都合である。
【0075】
当業者にとって、本発明の態様Aの上記および図示した実施形態の特徴を種々の様式で組み合わせ、それにより、やはり本発明に包含されるさらなる実施形態が得られることは自明であろう。
【0076】
図21〜24は、本発明の態様Bの実施形態の第1の群を示す。これらの実施形態は、被支持部パーツ2と、少なくとも1つの支持部パーツ1とを備えるデバイス、および該デバイスを骨組織内に設けられた開口部内に、まず、被支持部パーツの少なくとも遠位端を開口部内に配置し、次いで、支持部パーツ(1つまたは複数)を骨組織と被支持部パーツとの間に押し入れ、それにより、支持部パーツを開口部の壁面の骨組織内に係留すると同時に、これを被支持部パーツに接合させることによって埋入するための方法を包含する。支持部パーツは好ましくは、液化性材料からなり、第1接合区域を備えており、該接合区域は、支持部パーツの側面に存在している。被支持部パーツは、好ましくは第2接合区域を備えており、これは、被支持部パーツの側面に存在している。また、支持部パーツは、一側面上が液化性材料でコーティングされ、反対側の側面が第2接合区域を構成する非液化性材料のコア部を備えていてもよく、第1接合区域は支持部パーツ上に設けられている。
【0077】
図21は、縫合糸係留体である本発明の態様Bによるデバイスを示す。デバイスは、被支持部パーツ2と、骨組織11内に設けられた開口部10内に埋入される支持部パーツ1とを備えている。支持部パーツ1は、液化性材料からなり、側面上に第1接合区域を備えている。被支持部パーツ2には、例えば、縫合糸またはワイヤを固定するためのアイレットが具備されており(例えば、その隣接端上に配置されており)、非液化性材料からなり、その側面上に第2接合区域(例えば、
図1〜3または4、5または6のいずれか1つに示したようなもの)を備えている。該デバイスを埋入するため、被支持部パーツ2をまず、骨組織11内に設けられた開口部10内に配置する。次いで、支持部パーツ1を、被支持部パーツ2のそばの第2接合区域を備えた一方の側面上の開口部内に押し入れる。この押し入れは、支持部パーツ1の隣接面に適用される振動ツール(図示せず)の補助によってなされる。押し入れと同時に、機械的振動を、該ツールから支持部パーツ内にカップリングさせる。押し入れ動作により、第1と第2の適合接合区域ペアが互いに接触させられ、機械的振動により、支持部パーツ1は、その一側面で開口部10の壁面の骨組織内に係留されると同時に、その他方の側面で被支持部パーツ2の反対の側面に接合される。これにより、被支持部パーツ2が、支持部パーツ1によって骨組織に対して横方向に固定されるようになり、特に、支持部パーツがくさび型形状を有する場合は、被支持部パーツは、支持部パーツの反対側で開口部10の骨壁面に対して押圧されるようにもなる。
【0078】
図21に図示した実施形態では、開口部は、少なくともその一側面上にアンダーカット領域を備えており、被支持部パーツ2は、該アンダーカット領域内に嵌合する足部を備えている。開口部10および被支持部パーツ2のこの設計は、被支持部パーツ2を開口部10内に保持するさらなる手段としての機能を果たすが、後に支持部パーツ1が充填する開口部に、相応してより大きな入口が必要とされる。
【0079】
図22は、埋入されたデバイスが、この場合も縫合糸係留体としての機能を果たし、縫合糸21を骨組織11に対して固定すると同時に被支持部パーツ2を支持部パーツ1の補助によって保持することを可能にする、本発明の態様Bのさらなる実施形態を示す。この場合も、インプラント材埋入のためには、被支持部パーツ1を骨組織11内に設けられた開口部10内に導入し、次いで、支持部パーツ1を開口部壁面と被支持部パーツとの間に押し入れる。
図21に示したもの以外に、
図22によれば、支持部パーツ1が第2接合区域を、骨組織内に係留されているのと反対側に備えており、支持部パーツ2が第1接合区域を備えており、この場合、縫合糸21は、この第1接合区域を貫通して延在し、この第1接合区域の液化性材料が液化すると、この材料中に浸漬され、再固化すると、内部に保持される。
【0080】
図23および24は、表面が可視的である骨組織11に対して被支持部パーツ2を固定するために、1つより多くの支持部パーツ1が使用されている本発明の態様Bの実施形態を示す。どちらの場合も、被支持部パーツ2の隣接端が、さらなるデバイスパーツを被支持部パーツに固定するために使用される糸を具備しているように図示されている。インプラント材埋入のために設けられた骨組織11内の開口部10は、どちらの場合も、円形断面を有する穴であり得るが、
図23に示す実施形態では、穴は、被支持部パーツ2の対応する断面よりもやや大きく、
図24に示す実施形態では、穴は、被支持部パーツの外側断面と同じ断面を有する(この場合、この外側断面は、支持部パーツ1の形状が適応する凹形部分を包含する)。
【0081】
図25〜32は、被支持部パーツが骨表面に対して配置され、支持部パーツが被支持部パーツと骨表面との間に押し入れられると同時に、骨表面内に係留され、被支持部パーツに接合される、本発明の態様Bの実施形態の第2の群を示す。
【0082】
図25は、本発明によるデバイスとして、その遠位端が、骨組織内の開口部内に液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備された被支持部パーツ2を示す。被支持部パーツに設けられた開口部10は、例えば、骨折部65を横切って第1の骨断片11.1から第2の骨断片11.2内に達し、この場合、被支持部パーツ2は、第2の骨断片11.2のみに係留されるような寸法である。被支持部パーツ2は、さらに、開口部10の断面より大きい断面を有する隣接ヘッド部セクション30を備えている。ヘッド部セクション30および被支持部パーツ2のコア部は、好ましくは、非液化性材料で作製されており、ヘッド部は、好ましくは傾斜下側側面を備えており、これは、第2接合区域(例えば、
図1〜3または4、5または6のいずれか1つによるもの)として適した表面構造部が具備されている。被支持部パーツ2は開口部10内に係留され、次いで、少なくとも1つのくさび型形状の支持部パーツ1が、第1の骨断片11.1の骨表面と被支持部パーツ2のヘッド部セクションとの間に押し入れられる。同時に、被支持部パーツを、その隣接面に適用される振動ツールによって振動させる。かかる押し入れおよび振動の際、支持部パーツ1は、一側面上で被支持部パーツ2のヘッド部セクション30に接合され、他方の側面上で骨組織内に係留されるだけでなく、骨折によって分離した2つの骨断片が互いに引き寄せられる。支持部パーツ1が係留される骨表面は、かかる係留のために、粗い表面が設けられたものであってもよい。
【0083】
図26〜31は、本発明の態様Bのさらなる実施形態を示し、該態様によれば、少なくとも1つの支持部パーツ1が、骨表面と被支持部パーツ2との間に押し入れられるとともに振動させられ、その結果、該支持部パーツが同時に骨組織内に係留されて被支持部パーツに接合され、それにより、被支持部パーツが骨組織に対して固定される。
図26〜31はすべて、椎間インプラント材置換に関する適用を示し、この場合、椎間部材(被支持部パーツ2)と支持部パーツ(1つまたは複数)は、例えば、脊柱の前面側または側面から埋入される。
【0084】
図26および27は、天然椎間円板と置換され、本発明の態様Bによるデバイスの被支持部パーツ2を構成する椎間部材50(固定部材、例えば、ケージ)を示す。椎間部材50は、2つの近接する椎体51間に配置された状態(
図26、左:支持部パーツの配置前;右:支持部パーツの配置後)で、上から見た状態(
図27)で示される。椎間部材50は、2つの椎体51に対して、例えば、2つの上側および2つの下側支持部パーツ1の補助によって固定され、該支持部パーツは、例えば、ピン形状であり、椎体の骨組織内に係留され得るように液化性材料を備えており、第1接合区域を構成している。支持部パーツは、例えば、完全に液化性材料からなるか、または少なくとも一部分が液化性材料でコーティングされた非液化性材料のコア部を備えている。後者の場合、コア部は、好ましくは、支持部パーツの遠位端で突出しており、そこに、鋭角点または自己リーミングエッジを備える。
【0085】
支持部パーツは、椎体51と椎間部材50との間に押し入れられると同時に、振動ツールをその隣接面に適用することにより振動させられる。支持部パーツ1のかかる押し入れを可能にするため、椎体51の前面または側面の当該領域の外側の皮質骨層を除去し、椎間部材50は、その上側と下側の面53上に、環形状の伸張部または他のアンダーカット構造部(第2接合区域、
図27に見られるもの)を有する対応するチャネル54を備えている。椎体51と椎間部材50との間に支持部パーツ1を押し入れ、振動させると、支持部パーツ1の液化性材料が液化され、一側面側が椎体51の骨組織内に押し進められ、椎間部材50内のチャネルの環形状の伸張部または他のアンダーカット構造部内に押し進められる。これを、
図26の右側に示す。
【0086】
図28および29は、
図26および27と同じ適用を示す(
図26と同じ方向から見ている)。
図28によれは、椎体51は、支持部パーツ1の導入のためのチャネル54’も備えているように示されている。チャネルは、好都合には、アンダーカット断面を有し、支持部パーツは、アンダーカットチャネルに適応させた断面を有する。
図29によれば、椎間部材50は、椎体51の海綿骨などの支持部パーツ1が浸透することができる多孔質材料(例えば、金属発泡体材料)領域50’を具備している(
図3も参照)。したがって、椎間部材50内にチャネル54を設ける必要がないことがあり得る。
【0087】
図30は、本発明の態様Bのさらなる例示的な実施形態を示し、椎間円板置換に関するデバイスおよび方法のさらなる適用を示す。椎間部材50(被支持部パーツ2)は、既知の椎間円板インプラント材(非固定部材)の形態を有し、本実施形態では、円盤部材70だけでなく、円盤部材70を定位置に維持するため、および椎体51の終板に固定されるための上側および下側の保持部材71も備えている。
図30の上部は、下側保持部材71のパーツと、支持部パーツ1の導入前の支持部パーツ1の1つを脊柱の側方断面で示し、下側には、組み立てられ、埋入されたデバイスを正面から背側までの断面で示す。保持部材71は、椎体51から突出している後と前のリム72を備えており、その結果、保持部材71が椎体上に配置されとき、椎体51の終板と保持部材71との間に横方向に開口間隙73が存在し、該間隙内に支持部パーツ1が押し入れられる。円盤部材70から遠い保持部材71の一側面には、さらに、第2接合区域としての機能を果たすことができる、例えばアンダーカット空洞部パターンが具備される(図示せず)。支持部パーツ1は、非液化性材料のコア部を備えており、一部分が液化性材料でコーティングされており、係留手段および第1接合区域6を構成している。非液化性材料のその遠位端には、好ましくは、自己リーミング構造部74が具備される。この場合、支持部パーツはまた、内部に液化性材料が配置された有孔スリーブを備えていてもよく、該有孔スリーブの遠位端は、自己リーミング構造部を備えている(
図32と同様)。
【0088】
円盤部材と保持部材71(被支持部パーツ2)とを含む椎間部材50は、2つの近接する椎体51の間に配置される。次いで、上側と下側の支持部パーツ1が、保持パーツ71と椎体51との間、すなわち間隙73内に導入されるとともに、支持部パーツ1を、その隣接端への振動ツールの適用によって振動させる。それにより、導入と同時の自己リーミング、椎間部材への接合および椎体の骨組織内への係留が行なわれる。
【0089】
支持部パーツ1を押圧し、振動させるために使用される振動ツールは、好ましくは、支持部パーツ1の1つを挟持することができるように設計され、その結果、これは、支持部パーツへの機械的振動と圧力の適用のためだけでなく、第1の位置への配置のためにも使用され得る。
【0090】
図31は、椎間円板置換(固定部材)に関する適用における本発明の態様Bのさらなる例示的な実施形態を示す。デバイスは、この場合も、椎間部材50(被支持部パーツ2)と、2つの近接する椎体51の骨組織に対して被支持部パーツ2を固定するように設計された複数の支持部パーツ1を備えている。椎間部材50は、例えば、非液化性材料のケージ様構造部であり、そこには、骨断片または骨置換材料が充填される。ケージ構造部の開口部と骨断片または骨置換材料は、第2接合区域を構成する。支持部パーツ1は、ステープル形状であり、例えば液化性材料で作製されており、この場合、支持部パーツ1の2つの遠位端は椎間部材50と椎体51の骨組織との間に押し入れられ、一側面上で第1接合区域を構成し、他方の側面上で椎骨終板の骨構造部内への係留のための手段を構成する。好都合には、ステープル形状の支持部パーツ1は、その中心内にさらなる突出領域を有し、これは、支持部パーツ1が椎間部材50に対して押し入れられると、椎間部材内に係留される。また、被支持部パーツは、少なくとも一部分が液化性材料でコーティングされた非液化性材料のコア部を備えていてもよい。
【0091】
図31は、2つの椎体51と、その間の椎間部材50とを正面から示す。右側の支持部パーツ1は、振動ツール12(超音波発振器)を用いた機械的振動と圧力の適用のために配置される。左側の支持部パーツ1は、椎間部材50に接合され、椎骨終板内に係留される。
【0092】
図32は、デバイスが、骨表面と該デバイスの被支持部パーツとの間に押し入れられる支持部パーツを用いて骨表面に対して固定される、本発明の態様Bのさらなる実施形態を示す。この実施形態の支持部パーツ1は、内側チャネル80と、チャネル80をスリーブ(有孔スリーブ)の外側表面と連結する開口部とを備えたくさび型形状のスリーブを備えている。該スリーブは、さらに、一側面上に骨組織内に係留される自己リーミング歯を備えていてもよい。液化性材料は、チャネル80の内側に配置される。骨表面は、管状骨の内側表面であり得、被支持部パーツ2は、この管状骨の髄腔内に固定されるエンドプロテーゼのシャフトであり得る。
図32には、インプラント材と骨を一部分だけ示している。
【0093】
インプラント材埋入のため、
図32による支持部パーツ2を管状骨内に配置し、くさび型形状の支持部パーツ1を配置する(場合によっては、これを押し入れ、それにより自己リーミング歯を骨組織内で作用させる)ことにより仮保持する。次いで、振動ツール12を液化性材料の隣接表面に適用すると、該材料は圧力と振動により少なくとも一部が液化して開口部内に押圧されるすることにより、支持部パーツ1は髄腔内にさらに押圧され、インプラント材は、一側面で骨表面内に係留され、他方の側面で、被支持部パーツの第2接合区域の構造部(例えば、
図5による)に係留される。
図32は、仮配置されたくさび型形状の支持部パーツ1を左側に、圧力と振動の適用後の同デバイスを右側に示す。
【0094】
図32による支持部パーツ1は、中央のチャネルからスリーブの表面への開口部を、被支持部パーツ2に対向する側面であって、骨表面内に棘部によって、または自己リーミング歯もしくは他の適当な構造部(例えば、棘部など)の補助単独によって係留される側面上のみに備えたものであってもよい。
【0095】
図33〜35は、本発明の態様Bの実施形態の第3の群を示す。この実施形態は、第1の群の実施形態と類似しているが、その被支持部パーツ2が、さらなる骨組織部分であるか、または骨置換材料からなる。
【0096】
図33は、骨組織11内のトンネル部または穴10に配置され、該トンネル部または穴内部に支持部パーツ1によって固定された骨−腱移植片81(被支持部パーツ2)を示す。該支持部パーツは、移植片81の骨領域の骨部分とトンネル部または穴壁面の骨との間に押し入れられている。いずれかの骨組織の内部には、チャネル54およびまたは54’が設けられていてもよい。支持部パーツ1によって接合される骨組織によっては、チャネル54および/または54’の必要なく、支持部パーツ1を間に押し入れることが可能であり得る。さらに、先に示したような非液化性材料のコア部と自己リーミング構造部を、例えば、その遠位端に有する(例えば、
図30に示したような)支持部パーツを具備することが可能である。かかる場合では、該支持部部材にチャネルが設けられ、該部材を事前に配置する必要はない。
【0097】
図34は、骨折部65の一方の側面上の骨断片11.1が、該骨折部の他方の側面上の骨断片11.2に、支持部パーツ1(1つまたは複数)によって固定された本発明の態様Bの同様の適用を示す(先で使用した文言では、一方の骨断片が、支持部パーツ1に接合される被支持部パーツ2を表し、他方の骨断片が、該支持部パーツが係留される骨組織11を表す)。骨断片内のチャネル54および54’は、好ましくはアンダーカット断面を有し、支持部パーツ1は、それに対応する断面を有する。かかる支持部パーツ1を
図34の右側に示す。
【0098】
図35は、骨組織の被支持部パーツ2が骨組織11内の開口部10内に、被支持部パーツ2と開口部10の壁面との間に押し入れられる複数の支持部パーツ1の補助によって固定される、本発明の態様Bのさらなる実施形態を示す。ここで、被支持部パーツ2は、自己または同種の骨組織または骨置換材料からなるものであり得、骨組織を採取することにより生じた開口部を充填するための栓を構成し得る。他方において、骨材料11は、骨置換材料で作製されたインプラント材を構成し得、この栓は、自己骨組織で作製されたものであり得、骨置換材料内への骨組織の内伸を促進するために供され得る。
【0099】
図36および37は、本発明の態様Bの例示的な実施形態のさらなる群を示す。ここでは、支持部パーツ1は、2つの被支持部パーツ2および2’を接合させるために供され、該パーツは骨組織に、液化性材料と機械的振動の補助によって固定され得る。また、支持部パーツ1は、該2つの被支持部パーツの間に押し入れられると同時に、支持部パーツ1を構成する液化性材料の液化のため、および支持部パーツ1の2つの対向する接合区域と2つの被支持部パーツ2および2’上の適合接合区域との間に積極嵌合連結を生成させるために振動させられる。
【0100】
図36は、デバイスが、支持部パーツ1と2つのさらなるインプラント材パーツ(被支持部パーツ2および2’)を備えた、本発明の態様Bのさらなる例示的な実施形態を示す。該デバイスは、特に、2つの椎体が一緒に固定され、所定の様式で互いに間隔をあけて配置されるようにするための、2つの椎体51間に埋入される椎間部材50として適している。
図36は、インプラント材埋入および組立て前(上)およびインプラント材埋入および組立て後(下)の支持部パーツ1ならびに被支持部パーツ2および2’を断面で示す。
【0101】
2つの被支持部パーツ2および2’は、上側と下側くさび型82として成形されており、該くさび型は、椎体51の終板内に、液化性材料と機械的振動の補助によって係留されるように具備される。したがって、くさび型82は、例えば、隣接面から始まり、椎体の骨組織に面するくさび型表面上の複数の口で終わる内側チャネル80を備えている。くさび型82(くさび型形態の有孔スリーブ)は、非液化性材料で作製されており、液化性材料は、内側チャネル80内に配置され、くさび型82を椎骨の骨組織内に係留するために供される。
【0102】
2つの被支持部パーツ2と2’との間に押し入れられる支持部パーツ1もまたくさび型形状であり、隣接面から始まり、くさび型82と接触する表面上の口で終わる内側チャネル80を備えており、非液化性材料で作製されており、例えばピンの形態の液化性材料が、内側チャネル80内に配置され、支持部パーツ1を被支持部パーツであるくさび型82に接合させるために供される。
【0103】
被支持部パーツくさび型82は、近接する椎体間に配置され、そこに係留される。かかる係留を達成するため、相応して成形した振動ツール(図示せず)を液化性材料のピンの隣接面に適用することにより、機械的振動と圧力をこのピンに適用する。次いで、くさび型形状の支持部パーツ2を、被支持部パーツくさび型82間に導入し、椎体51間の間隔が所望の値である位置に導入する。次いで、相応して成形した振動ツール(図示せず)をこのピンの隣接面に適用することにより、機械的振動と圧力が支持部パーツ1の内側チャネル80内の液化性材料のピンに適用される。そうすることにより、支持部パーツ1内の液化性材料は、少なくとも一部が液化され、被支持部パーツくさび型82(第1接合区域)(これは、被支持部パーツであるくさび型82(例えば、
図5または6による第2接合区域)上に設けられたアンダーカット構造部内に押圧される)に面する口の中に押圧される。
【0104】
図36に示したくさび型系と同様のくさび型系は、ともに一側面側で椎体の骨組織内に係留され、反対側で互いに接合される2つのくさび型のみを備えたものであり得る。これは、支持部パーツおよび被支持部パーツが実質的に同一である実施形態を意味する。
【0105】
図37は、本発明の態様Bの最後の実施形態を示す。この場合も、1つより多くの被支持部パーツ2,2’・・・が、複数の支持部パーツ1の補助によって骨表面に対して固定され、該複数の支持部パーツは、被支持部パーツ2に横方向に接合されると同時に、対応する開口部が設けられた骨組織内に末端係留される。被支持部パーツ2,2’・・・は、例えば、骨接合術用の、特に、骨折部65のどちらか側の骨断片11.1と11.2を互いに対して固定するために使用される支持プレートのユニット部材である。
図34の連結で記載したように、プレート部材の側面に設けられた側方チャネル54は、好ましくは、第2接合区域となるアンダーカット断面を有する。支持部パーツ1は、2つの一直線上になったチャネル54に対応する断面を備えており、例えば、液化性材料で作製されているか、または該材料でコーティングされている。
【0106】
当業者にとって、本発明の態様Bの上記および図示した実施形態の特徴を種々の様式で組み合わせ、それにより、やはり本発明に包含されるさらなる実施形態が得られることは自明であろう。
【0107】
図38〜46は、本発明の態様Cの第1の群の実施形態を示す。この実施形態によると、好ましくはピンまたはプレートの形状の支持部パーツ1は、その遠位端に接合区域を備えており、好ましくは、その側面で骨組織内に係留されるように具備され、骨組織内の対応する貫通穴内に、その遠位端が被支持部パーツ2の接合区域と接触するように配置される。支持部パーツの隣接面への圧力と振動の適用によって、支持部パーツは、トンネル壁部の骨組織内に係留されると同時に、被支持部パーツに接合され、かくして、支持部パーツが骨組織の表面に対して固定される。支持部パーツが、トンネル部壁面の骨組織内に係留されるように具備されていない場合、トンネル部内に保持させるための代替手段(例えば、ヘッド部)を具備している必要がある。
【0108】
図38は、本発明の態様Cの例示的な実施形態を示す。デバイスは、例えば、骨断片11.1を固定させる肩関節の置換のためのエンドプロテーゼである。エンドプロテーゼは、被支持部パーツ2を構成し、骨断片をエンドプロテーゼに固定するためのピンが支持部パーツ1である。骨断片11.1は、貫通開口部10を含む骨組織である。支持部パーツ1は、骨断片の骨組織11内に係留されるように具備され、好ましくは、第1接合区域を備えている。支持部パーツ1は、開口部10の隣接口を介して、その遠位端が、貫通開口部10の遠位口に対向して配置される被支持部パーツ2の接合区域(好ましくは、第2接合区域)と接触するように配置される。圧力と振動を支持部パーツの隣接面に適用することにより、後者は、開口部の壁面内に係留されると同時に被支持部パーツ2に接合される、すなわち、骨断片がエンドプロテーゼに対して固定される。
【0109】
貫通開口部10の断面が支持部パーツ1の断面より大きい場合、および/または支持部パーツの隣接パーツが液化性材料を備えていない場合、支持部パーツの係留が起こらないことがあり得るか、または係留は、その遠位端領域でのみ起こり得る。かかる場合には、支持部パーツ1は、貫通開口部10の隣接口領域で、骨断片の表面上に係留され得るより大きな断面を有するヘッド部セクションを具備していることが好都合である。
【0110】
図38に示した肩関節エンドプロテーゼ(被支持部パーツ2)は、例えば、非液化性材料(チタンまたはチタン合金など)からなり、相応して下準備した管状骨45内に、既知の方法(例えば、接着剤固定など)を用いて固定される。エンドプロテーゼには、好ましくは、第2接合区域、例えば、
図1〜3、4、5または6などのいずれかに示した構造部を有する表面領域が具備される。支持部パーツ1は、好都合には、完全に液化性材料からなるか、または少なくとも表面領域が液化性材料でコーティングされた非液化性コア(第1接合区域としての機能を果たす)(遠位端)と、支持部パーツを骨組織内に液化性材料と機械的振動の補助によって係留するための表面領域(側方および/または隣接領域)とを備えている。
【0111】
図38によるデバイスを埋入するため、貫通開口部10を骨断片11.1中に穿孔する。次いで、この断片をエンドプロテーゼに対向して配置し、場合によっては、クランプまたは接着剤を用いて一時的に固定する。次いで、支持部パーツを開口部10内に、その隣接端が好都合に突出するように配置する。
【0112】
次いで、支持部パーツの隣接面に、例えば、支持部パーツの隣接面に適応させた遠位面を有する超音波発振器を用いて機械的振動と圧力を適用する。支持部パーツの液化性材料の液化により、支持部パーツは、エンドプロテーゼに接合されると同時に骨断片11.1の骨組織内に係留される。
【0113】
図38に示した方法は、種々の様式で変更を行ってもよく、それにより、例えば、以下のものなどの本発明の態様Cのさらなる実施形態がもたらされる。
【0114】
・被支持部パーツ2(肩プロテーゼ)に第1接合区域が具備され(例えば、おそらく骨断片が固定される表面領域に液化性材料のコーティングを有する)、ピン形状の支持部パーツ1に第2接合区域が具備される(すなわち、その遠位端領域に非液化性材料と、好ましくは、1つのアンダーカット空洞部もしくは突起部(例えば、
図7による)を備えている)。
【0115】
・骨断片11.1は、天然骨材料からなるものではなく、骨組織と同様の多孔性構造部を有する骨置換材料片であり、該多孔性構造部は、支持部パーツの液化された材料が浸透するのに適している。
【0116】
・支持部パーツ1は、エンドプロテーゼの突起部となるように設計されたものであり得、圧力と振動を骨断片に適用することにより骨断片内に係留される。
【0117】
図39は、2つの椎体51間に配置され、多孔質材料、例えば、金属発泡体材料の側方または前面領域(
図1〜3による第2接合区域)を備えた椎間部材50(椎間固定部材、被支持部パーツ2)を示す。椎間部材50は椎体間に、2つのピンまたはプレートの形状の支持部パーツ1によって固定され、該パーツは、椎体の骨組織中に延在している貫通開口部10(トンネル部)内に固定され、その内部および椎間部材の多孔性領域内に係留される(上側に、圧力と振動の適用前の支持部パーツを示す;下側に、圧力と振動の適用後の支持部パーツを示す)。
【0118】
図40は、関節内の凹形ベアリング表面の表面再形成に適したエンドプロテーゼ(被支持部パーツ2)を示す。エンドプロテーゼは骨に対して、骨組織内の開口部を貫通して延在してエンドプロテーゼの内側層に接合された支持部パーツ1の補助によって固定される。該エンドプロテーゼは、例えば金属発泡体材料からなる(
図1〜3による第2接合区域)。骨組織上への支持部パーツのより良好な係留のためには、対応する工程で、肩部を有する支持部パーツおよび骨組織を貫通する開口部を設計することが好都合である。
【0119】
また、
図40に示したものと同様のエンドプロテーゼで、関節の凸形ベアリング表面を置換してもよい。
【0120】
図41は、本発明の態様Cによる関節突起間関節の表面再形成のためのデバイスを示す。
図41の左側に、ベアリング表面部分が下と上の関節突起83から除去された関節を断面で示す。
図41の中央には、ベアリング表面置換パーツ(被支持部パーツ2)を同じ断面で示し、この場合、該置換パーツは、多孔性内側部(
図1〜3に示すような第2接合区域を構成する金属発泡体)と、ベアリング表面を構成する本体外側層とを備えており、この場合、該置換パーツは、ピン形状の支持部パーツ1によって固定されており、該支持部パーツは骨組織中に、該関節突起の背側から置換パーツ(被支持部パーツ2)の内側表面に延在する開口部内に延在しており、該置換パーツに接合され、好ましくは骨組織内に係留されている。支持部パーツ1は、肩部を備えており、これは、支持部パーツが貫通開口部内に押し入れられると骨表面に達し、この骨表面内に係留され得るように、または骨表面から突出するヘッド部が形成されるように設計されている。
図41の右側には、
図41の中央に示した断面で示した埋入されたエンドプロテーゼをAの方向から見た図を示す。
【0121】
図42は、本発明の態様Cのさらなる実施形態を示す。この実施形態の支持部パーツ2は、例えば、指または足指の関節などの小関節のための関節プロテーゼであり、その短い幹部は、対応する骨端の着生骨組織内に設けられた対応する空洞部内に、複数の好ましくはピン形状の支持部パーツ1によって保持されており、該支持部パーツは、骨の反対の外側表面から空洞部内に達しており、横方向に骨組織内に係留され、インプラント材(被支持部パーツ2)に遠位で接合されている。さらに、支持部パーツ1は、被支持部パーツの幹部と骨組織との間の隙間に充填されてもよい。被支持部パーツは、例えば
図1〜3による第2接合区域を備えている。
【0122】
図43〜46は、本発明の態様Cの例示的な実施形態の第2の群を示す。この実施形態では、被支持部パーツ1が、管状骨45の髄腔内に配置されており、支持部パーツ1が、管状骨の外側から管状骨壁面の骨組織を貫通して被支持部パーツに達している。皮質骨組織からなる支持部パーツを管状骨の壁面に係留させるためには、骨壁面を貫通する開口部内に適当な構造部を設けることが好都合であり得る。
【0123】
図43は、管状骨45の髄腔86内に複数の好ましくはピン形状の支持部パーツ1の補助によって固定された髄内釘または髄内プレート85を示す。該支持部パーツは、好ましくは、液化性材料からなり、管状骨45の外側表面から髄腔まで、管状骨の骨壁面を貫通する開口部10を介して髄内釘またはプレート85まで延在している。かかる髄内釘またはプレート85は、例えば、管状骨45の骨折部を安定させるために使用される。
【0124】
該デバイスを埋入するため、開口部10を設け、髄内釘またはプレート85を髄腔内に導入し、場合によっては、適当な手段で仮保持する。次いで、支持部パーツ1を開口部10内に、その遠位端部が髄内釘またはプレートと接触するように導入する。圧力および振動を支持部パーツの隣接面に適用すると、遠位支持部パーツ端部の髄内釘またはプレート85への接合がもたらされ、場合によっては、管状骨45の骨壁面内での支持部パーツの係留がもたらされる。
【0125】
図43に示した実施形態では、被支持部パーツと支持部パーツのために設けられた貫通開口部領域内の管状骨の骨壁面との間の空間が、液化性材料が充填されると第2接合区域(
図7に示したものと類似)の幾何学的形態の充分な保持を構成する形状を有することがあり得るため、第2接合区域としての機能を果たす具体的な表面構造部を提供することは必要でない場合があり得る。
【0126】
図44は、
図43と類似した実施形態を示す。髄内釘またはプレート85は、接合区域ではなく貫通開口部を備えており、その内部では、支持部パーツ1が管状骨45の反対側の壁面と接触するまで達しており、該壁面に支持部パーツ1が係留されることにより接合されている。これは、
図44による実施形態では、管状骨45の反対側の壁面が、本発明の意味の被支持部パーツ2を構成していることを意味する。
【0127】
図43および44に示したような髄内釘または髄内プレート85の代わりに、類似した実施形態の被支持部パーツはまた、関節プロテーゼのシャフトであってもよく、これは、管状骨の髄室内に保持される。
【0128】
図45は、例えば、関節のような様式で互いに接合されたリンクを備えたリンクチェーンの形態を有する仮柔軟性の髄内釘85(被支持部パーツ2)を示す。先に記載した本発明の態様Cの実施形態に関して詳述したように、該チェーンは被支持部パーツ2を構成し、各連接チェーンまたは連接チェーン間の連結部材は接合区域を構成し、これは管状骨に対して固定され、この場合、チェーンは、好ましくはピン形状の支持部パーツ1の遠位端に接合されることにより配置され、該支持部パーツは、管状骨45の壁面を貫通してその髄腔内に達してチェーンと接触している。仮柔軟性チェーンは髄腔内に、剛性の髄内釘の導入よりもかなり小さい室を用いて導入され得、支持部パーツ1に接合されるときは、その機能に充分な機械的強度を有する剛性の髄内釘を表す。
【0129】
図46は、本発明の態様Cのさらなる実施形態を示す。この場合も、対応するデバイスは、例えば、骨折部65の両側の管状骨45の骨断片11.1および11.2を安定させるために供される。態様Cの先に記載した実施形態のものを除くと、支持部パーツ1および被支持部パーツ2は非常に類似している、すなわち、両者は、好ましくはピン形状であり、液化性材料を備えている。被支持部パーツ2をまず、骨壁面内の開口部10を介してその遠位端が反対側の骨壁面に達するように導入する。機械的振動と液化性材料の補助によって、被支持部パーツ2は開口部10内に、好ましくは、反対側の骨壁面の内側表面上に係留される。次いで、支持部パーツ1を、対応する開口部10を介して導入する。該対応する開口部10は、導入時、支持部パーツ1が髄腔内で被支持部パーツ2と接触した後、反対側の骨壁面に達するように配置および配向される。支持部パーツ1の隣接端に適用される圧力および振動により、開口部10’内および反対側の骨壁面の内側表面上への支持部パーツ1の係留、ならびに支持部パーツ1が被支持部パーツ2と接触したときの両者の接合がもたらされる。かかる接合のため、該パーツの一方には、第2接合区域が具備される、例えば、被支持部パーツ2内の開口部の内層となり、支持部パーツ1が該被支持部パーツと接触したとき該開口部を貫通して導入される構造体スリーブが具備される。
【0130】
図47および48は、本発明の態様Cの実施形態の第2の群を示す。これらの実施形態では、この場合も、好ましくはピン形状の支持部パーツ1が、骨組織中の開口部内に導入されるのではなく、さらなるデバイスパーツ内の開口部を介して導入され、その遠位端が被支持部パーツ2と接合される。
【0131】
図47に示した例では、該さらなるデバイスパーツは、例えば、人工脛骨プラトー87であるが、別の整形外科用(例えば、別の関節の表面再形成用)インプラント材のパーツであってもよい。支持部パーツ1は、人工脛骨プラトー87下の骨断片(被支持部パーツ2)または対応する骨置換材料片(ともに、第2接合区域(例えば、
図1〜3または4、5または6に示したものとしての意味の)に適した多孔性非液化性材料を構成する)を固定するために供される。支持部パーツ1は、好ましくは液化性材料からなり、これは、支持部パーツ1の隣接端にカップリングさせる機械的振動の補助によって液化し、一方において支持部パーツ2に、および脛骨プラトーに接合される。後者の目的のため、脛骨プラトー内の開口部は、再固化したとき、液化性材料との積極嵌合連結を形成するように具備された内側表面を備えている。
【0132】
人工脛骨プラトー87は、それ自体は既知の方法を用いて置換される天然球関節の代わりに固定され、この場合、骨断片(被支持部パーツ2)は、人工脛骨プラトーの固定前または後に、人工脛骨プラトーの下方に配置される。支持部パーツ1(または複数の支持部パーツ)は、脛骨プラトー87の開口部内に配置され、次いで、機械的振動と圧力が支持部パーツの隣接面に適用される。それにより、支持部パーツ1は、骨断片内に係留されると同時に支持部パーツ1に接合される。場合によっては、骨断片内に、支持部パーツ1を係留するための穴を設けることは必要でない。
【0133】
図48に示した例では、該さらなるデバイスパーツが、2つの椎体51間に配置して椎間円板と置換するため、または2つの椎間円板を固定するための椎間部材50である。被支持部パーツは、この場合、椎間部材50に隣接している椎体51である。椎間部材は、例えば、非液化性材料で作製されており、隣接口が脊柱の前面または側面から到達可能であり、遠位口が椎体51の骨組織の方に開口している少なくとも1つの貫通開口部を備えている。貫通開口部は、直線状ではなく屈曲した軸を有し、この場合、開口部の隣接パーツと遠位パーツとの角度は、110〜160度、または好ましくは135〜150度である。
【0134】
椎間部材50は、2つの近接する椎体51間に配置される。支持部パーツ1(この場合も、好ましくはピン形状であり、液化性材料からなる)は、椎間部材50内の開口部内に、隣接口から該開口部に導入される。次いで、これを開口部の遠位口に向かって押圧し、その隣接端に適用される振動ツールによって振動させ、それにより、まず、屈曲してその屈曲部分が開口部内に収容され、続いて椎体51の骨組織内に係留される。開口部10内の屈曲部分およびそれに応じて屈曲する支持部パーツ1は、椎間部材50を椎体51間のその位置に保持するための積極嵌合連結として充分である。
【0135】
当業者にとって、本発明の態様Cの上記および図示した実施形態の特徴を種々の様式で組み合わせ、それにより、やはり本発明に包含されるさらなる実施形態が得られることは自明であろう。
【0136】
図49〜61は、本発明の態様Dを示す。この態様によると、デバイスは、複数のデバイスパーツを備えており、これらは、互いに対して制限された様式で可動性であるように仮組み立てされており、仮組み立ては、インサイチュ(インプラント材埋入部位内)またはエクスサイチュで行なわれる。インプラント材埋入部位に配置された仮組み立てデバイスは、デバイスパーツのさらなる相対移動によって該デバイスに部位特異的構造部をもたらし、次いで、該デバイスパーツを互いに対して接合して該構造部を固定することにより、この部位に適応させる。この目的のため、デバイスパーツには、適合接合区域ペアが具備される。デバイスパーツは、互いに対して押圧させ、選択したものに機械的振動を適用することにより接合される。ここで、デバイスパーツのうちの選択されるものは、さらに、骨組織内に係留されるように具備されていてもよく、かかるものは、本発明の意味の支持部パーツである。しかしながら、これは、本発明の態様Dの条件ではない。
【0137】
図51〜54は、本発明の態様Dの第1の群の実施形態を示す。これらの実施形態では、デバイスパーツペアが、第1と第2の適合接合区域ペアを備えており、これらは、該デバイスの部位特異的構造部を固定するため、機械的振動の適用によって1つの該ペアのデバイスパーツに一体化される。
【0138】
図49および50は、本発明の態様Dの例示的な実施形態を示す。対応するデバイスは、仮組み立てされる複数のデバイスパーツ90を備えた多パーツデバイスである。その仮組み立てされた構成のデバイス(
図49上)は、複数のデバイスパーツの柔軟性チェーンであり、該パーツは、埋入され組み立てられた構成において例えば円弧または環形状のデバイスが形成されるように配列され、該デバイスは、例えば、椎体51の終板内に係留され、天然または人工椎間円板50またはその一部を保持するために供される(
図49下:横からみた図;
図50:上から見た図)。
【0139】
図49および50による実施形態のデバイスパーツ90は、すべて同一であるか、またはかなり類似しており、これらは実質的にすべてが、同時に支持部パーツ1と被支持部パーツ2を構成している。デバイスパーツはそれぞれ(支持部パーツ1として)、椎体51の骨組織内に係留され、近接するデバイスパーツ(被支持部パーツ2)部分に、好ましくは、圧力と振動を適用する一工程だけで接合される。記載した近接するデバイスパーツは、その後の圧力と振動を適用する工程において、支持部パーツとしての機能を果たす。
【0140】
デバイスパーツ90にはすべて、第1および第2の接合区域3および6、あるいは2つの第1接合区域または2つの第2接合区域が具備され、さらに、接触区域7と、デバイスパーツを骨組織内に係留するために配置される液化性材料とが具備される。適合接合区域ペアは、デバイスパーツの互いに面する側に配列される。該パーツは、
図49に示すように、例えば台形形態を有し、デバイスパーツのチェーンは、各パーツが2つの近接するデバイスパーツと接触して最終的に接合される円環状に形成され得る。
【0141】
図49上に示した仮組み立てデバイスパーツ90の柔軟性チェーンは、インプラント材埋入部位に、例えば、低侵襲手術によって導入される。該チェーンは、これが柔軟性であり、
図49下および
図50に示したような、埋入され最終的に組み立てられた状態のデバイスよりもずっと小さな断面を有することが実現可能であり得るため、かかる手術に非常に適している。次いで、該チェーンは、パーツごとに配置され、埋入され、組み立てられる。
図49(下)は、円弧形状を有するインプラント材を形成している、配置され、埋入され、組み立てられた3つのデバイスパーツを示す。
図50は、8つのデバイスパーツの対応する環形状のデバイスを示す。
【0142】
図49に示した連接チェーンを組み立てるための振動ツールとして、振動ケーブルが適用可能である。ケーブルは、チェーンの長さ方向にすべての連接チェーンに通し、その一端を、連接チェーンの最も遠位のものから突出させる。
図50に示したような円環状のチェーンを仮組み立てするため、連接チェーンの最も遠位のものから突出しているケーブルの一端を、連接チェーンの最も隣接したものの近傍に導入し、場合によっては、連接チェーンの最も隣接したものから突出しているケーブルに摺動可能に固定し、なお可変形態を有するチェーンリングを形成する。ケーブルの隣接端を振動源(例えば、超音波デバイス)に連結し、次いで、適当な手段で定位置に挟持されたチェーンリングから引っ張る。それにより、チェーンリングの直径が最小となり、該連接体が互いに押圧される。ケーブルのこの圧力と振動により、該連接体は、接合された適合接合区域ペアによって互いに連結した状態となる。ケーブルが、第2接合区域としての機能を果たし得る表面構造部を有する場合、ケーブルも同時に該連接体の内側に接合され、ケーブルリングは、ケーブルの隣接残部から離れるとチェーン内に残留し、チェーンリングを安定させて強化するさらなるデバイスパーツが形成され得る。
【0143】
図51は、本発明の態様Dによるさらなる多パーツデバイスを示す。該デバイスは、4つのデバイスパーツ90を備えており、これらは、関節動作性(articulating)ハーモニカ様様式で仮組み立てされており、この場合、関節動作性連結領域内のデバイスパーツには、第1と第2の適合接合区域ペアが具備されている。該デバイスは、例えば、骨折部65の両側の2つの骨断片11.1および11.2を安定させるために供される。該デバイスを埋入するため、4つの仮組み立てされたデバイスパーツ90の1つを骨折部65のいずれか側に、例えば、各骨断片11.1および11.2の骨組織内に係留されるピン91によって固定する。次いで、骨断片または固定されたデバイスパーツを、それぞれ、互いに対して押圧して骨折部65を閉鎖させ、デバイスパーツ90間の関節動作性連結部を、該連結部のそれぞれに適用される機械的振動の補助によってロックする。
【0144】
図51によるデバイスのデバイスパーツ90を、骨組織近傍に存在させ、液化性材料を備えた骨表面に対向するピン形状の突起部を具備させることも可能である。次いで、このような突起部は、かかる係留のために設けられた骨組織内の開口部内に係留され得る。このように具備されたデバイスパーツは、本発明の先に記載した態様の意味における支持部パーツとしての機能を果たし、該支持部パーツも同時に別のデバイスパーツ(被支持部パーツ)に固定され、骨組織内に係留される。
【0145】
図52および53は、本発明の態様Dのさらなる実施形態を示す。この3パーツ型デバイスは、骨接合術において、例えば骨折部を安定させるのに適用可能なプレート20と、貫通穴を有し、プレート20の貫通開口部内に該プレートに対して種々の方向に配向され得るように載置されるように構成された挿入部92とを備えている。該デバイスは、さらに、断面を挿入部92内の開口部に適応させたピンパーツ93を備えている。インプラント材埋入のためには、プレート20を骨表面に対して配置し、骨表面には、挿入部開口部にドリルを導入することによりピンパーツのための開口部を設け、それにより挿入部92を部位特異的様式で配向させ、次いで、ピンパーツ93を挿入部92内の開口部を介して骨表面内の開口部に導入し、圧力と振動をその隣接面に適用して、まず、ピンパーツ93が骨組織内に係留され、続いて挿入部92がプレート20に接合され、部位特異的向きに固定される。
【0146】
図52によれば、プレート20を貫通して延在するボウル形状の開口部と、半球部として形成された挿入部92とが各第2接合区域を構成し、ピンパーツ93は、液化性材料からなるヘッド部領域94を備えている。該材料は、ピンパーツ93が開口部内に押圧されると、プレート20と挿入部92との間に押し入れられて、挿入部92の両側に第1接合区域を構成し、これをプレート20に対して固定する。
【0147】
図53によれば、ピンパーツ93とプレート20は、液化性材料を備えており(第1接合区域)、球形状の挿入部92が、好ましくは、プレートと対向する表面上とピンパーツ93と対向する表面上に、第2接合区域を構成する。
【0148】
挿入部92内の開口部を貫通して延在するピンパーツ93を骨組織内の開口部内に押圧し、振動ツールをその隣接面に適用することにより振動させると、ピンパーツが骨組織内に係留され、該挿入部が、その部位特異的向きでプレート20に接合され、ピンパーツ93が挿入部92に接合される。
【0149】
図54は、プレート20(例えば、骨接合目的に適した)と、該プレートを骨表面に対して固定するための手段とを備えた、さらなる仮組み立てされたデバイスを示す。プレート20は非液化性材料を備えており、この材料内には、プレートの骨表面と反対側を横切るように溝96が存在する。溝は、好ましくはアンダーカットされたものであり、第2接合区域として適当な内側表面(例えば、粗い表面、微細溝)を備えている。プレート20を骨組織に対して固定するための手段は、例えば、コアとして金属ワイヤを備えたステープル形状のデバイスパーツ97であり、該金属ワイヤは、末端領域を除く少なくとも一部分が液化性材料でコーティングされ、該末端領域では、金属コアがコーティングから突出し、切断点または切断端を構成している。ステープル形状のデバイスパーツ97の中央部は、溝断面に適応させた断面、および溝長さより長い長さを有し、その結果、ステープル形状のデバイスパーツ97のこの中央部は、溝の1つにスナップ留めされ、その内部で回動(二重矢印)され得、その結果、プレート20とステープル形状のデバイスパーツ97との角度が自由に選択可能となる。
【0150】
このプレートとステープル形状の回動性デバイスパーツの構成は、仮組立体を構成する。この仮組立体を骨表面に対して固定させるため、圧力と機械的振動をステープル形状のデバイスパーツ97に適用することにより、ステープル端部を骨組織内に押し進める。これにより、骨組織内への該ステープルの側面部の係留、およびその中央部のプレート20への接合がもたらされる。
【0151】
図55〜61は、本発明の態様Dの実施形態の第2の群を示す。この場合、デバイスは、デバイスパーツの仮組立体または仮組み立てされるように設計された複数のデバイスパーツとは別に、少なくとも1つのさらなるデバイスパーツ(ロックパーツ100)を備えており、これは、液化性材料を備えており、デバイスパーツの仮組立体において互いに対向する第2接合区域間に導入されるように設計されている。仮組み立てされたデバイスパーツの部位特異的構造部は、ロックパーツ(100)の液化性材料が、仮組み立てされたデバイスパーツの第2接合区域間に押し進められることにより固定される。この場合、この材料は、仮組み立てされたデバイスパーツの第2接合区域に適合させた2つの対向する第1接合区域を構成する。
【0152】
互いに対する仮組み立てされたデバイスパーツの移動(この移動は、ロックパーツ100によってブロックされる)は、特に、ベアリングパーツ102内の、または複数のベアリングパーツ102によって形成されたベアリング開口部内のロッドもしくはバー(可動性パーツ101)の回転および/または軸方向移動である。この場合、ベアリングパーツ102および/または可動性パーツ101は、可動性パーツ101がベアリングパーツ102のベアリング内に配置されると互いに対向する第2接合区域を備えている。ロックパーツ100は、遠位端に液化性材料を備えている。これは、ベアリングパーツ102を介して導入され、可動性パーツ101と接触し、圧力と機械的振動がその隣接面に適用されると、その遠位端の液化性材料が液化され、ベアリングパーツ102と可動性パーツ101(2つの対向する側面上で2つの第2接合区域に適合させた第1接合区域を構成する)との間に押圧される。再固化すると、液化性材料はベアリングパーツ102(1つまたは複数)に対して可動性パーツ101をロックする。
【0153】
図55および57は、ロッド(可動性パーツ101)の回転および/または軸方向移動のロックに関する上記の原理を示す。この図は、回転軸に対して垂直な方向のベアリングパーツ102と可動性パーツ101の断面である。ベアリングパーツと可動性パーツはともに、第2接合区域の意味の凹部(例えば、
図1〜3、4、5または6に示したものなど)を備えている。ベアリングパーツ102と可動性パーツ101との間の空間には、ロックパーツ100が、例えばその外側表面からそのベアリング表面に至る対応する開口部を備えたベアリングパーツ102によって到達可能である。
【0154】
図55は、可動性パーツ101の周囲にベアリング表面が密封されるように、任意の適当な手段によって連結された状態の2つのベアリングパーツ102を示す。可動性パーツ101をベアリングパーツに対して所望の回転位置および軸方向位置にロックするため、ロックパーツ100がベアリングパーツの開口部内に導入され(
図55の左側)、振動ツールをその隣接面に適用することにより、該ロックパーツが振動させられ、可動性パーツの表面に対して押圧され、液化性材料が、ロックパーツの遠位端領域内で液化され、ベアリングパーツと可動性パーツとの間および第2接合区域としての機能を果たす構造部(凹部)内に押圧される。液化性材料が再固化すると、可動性パーツ101の回転および/または軸方向移動は、可動性パーツ101とベアリングパーツ102との間の積極嵌合連結によって妨げられ、該積極嵌合連結は、ロックパーツのこのようにして成形される液化性材料の両側で実現される(ロックされた構成:
図55の右側)。
【0155】
第2接合区域としての機能を果たす表面構造部によっては、可動性パーツ101は、回転方向および/または軸方向の負荷に関してロックされる。内径5.9mmのベアリング開口部と直径5.8mmのロッドを使用し、PLDLLAピンを用いてロックした実験では、環状溝で軸方向移動に対して、および軸方向溝で回転に対して良好なロック特性が示される。良好なロックは、可動性パーツ101上の表面構造部とベアリングパーツ102が、凹パターン部、または軸方向溝もしくは止まり穴(blind bore)と環形状の溝との組合せを構成する場合、両方の方向で達成される。
【0156】
上記の詳述したロック原理は、軸方向負荷のみでも、円形断面以外の可動性パーツと同様にして達成可能である。
【0157】
図56は、本発明の態様Dによるロックのさらなる実施形態を示す。この実施形態では、ベアリングパーツ(例えば、糸通しされた穴103内部の糸通しされたボルト)間の連結が可逆性であり、ロックパーツ100の液化性材料がベアリング表面を濡らしておらず、したがって、再固化時にこれらに接着しない場合、ロックは可逆性である。ロックの可逆性を得るため、第2接合区域の構造部は、アンダーカットをベアリングパーツが互いに離れる方向に構成していないか、または少数のみのアンダーカットをこの方向に構成している。かかる構造部は、例えば、その断面がボルトおよび穴103と平行に延在し、ベアリングパーツのベアリング表面内に軸方向に延在する溝であり(
図56に図示)、可動性パーツ101上の比較的小さい構造部(例えば、表面粗さ)である。明らかに、上記のような環状溝は、
図56に示したような可逆性ロックに適している。
【0158】
ベアリングパーツ102と可動性パーツ101との間の連結を緩めるためには、ボルト103をゆるめ、液化性材料を除去して可動性パーツ101を解放させる。
【0159】
図57〜61は、本発明の態様Dによるロック原理の例示的な適用を示す。
図57および58は、脊柱を支え、椎体間に所望の間隔を維持するための、ロッド(可動性パーツ101)を近接する椎体51に固定するためのロッドロック適用を示す。ロッドロックデバイスは、実質的には、
図56によるデバイスであって、取り外し不可能なベアリングパーツに突起部105が具備され、該突起部は、例えば、ロックデバイスが、椎体内に設けられた対応する穴に係留されるように具備される。
図57は、ロッドの周囲に密封されたロックデバイスを拡大して示し、
図58は、椎体に載置されたロックデバイスを示す。
【0160】
図59は、管状骨45の断片を骨折部65の両側で安定させるための外固定デバイスを示す。該デバイスは、適当な手段により骨断片内に係留される支持部110と、支持部110を連結し、これらと一緒に外部デバイスを形成するロッド111とを備えている。支持部110とロッド111との間にダブルロックデバイス112が設けられている。第1ベアリングパーツ102.1は、支持部110を支え、支持部に対するロックデバイスの軸方向と回転位置を規定する。第2ベアリングパーツ102.2は、ロッド111を支え、支持部に対するロッドの軸方向と回転位置を規定する。第3ベアリングパーツ102.3は、第1ベアリングパーツ102.1のアクセルを支え、支持部とロッドとの角度を規定する。外固定デバイス全体は、インサイチュで仮組み立てされる。すべてのパーツを組み立てたら、矢印で示したすべての区域にロックパーツを導入することにより、その相対位置と向きをロックする。
【0161】
図60は、
図59に示したデバイスと類似し、脊柱を安定させ、椎体51間に規定の間隔を維持するために供されるデバイスのさらなる適用を示す。この場合、支持部は椎弓根ねじである。
【0162】
図61は、本発明の態様Dによるロックデバイスの著しくシンプルな実施形態をより詳細に示す。該デバイスは、ロックパーツ100を備えており、これは、好ましくは、液化性材料からなるか、または該材料でコーティングされており、骨組織11内に機械的振動の補助によって係留される。ロックパーツ100は、その上面に係留のための振動ツールが適用される肩部と、それより小さい断面の突出部とを備えている。ベアリングパーツ102は、好ましくは非液化性材料で作製されており、内側ベアリング表面と、このベアリング表面に至る開口部とを備えており、該開口部は、ロックパーツ100の突出部に適応させられている。該開口部周囲のベアリングパーツ102の外側表面は、第2接合区域6(例えば、
図6に示したようなもの)を構成するように具備される。ベアリングパーツ102は、ロックパーツ100の突出部上に仮配置され、可動性パーツ101がベアリングパーツ102内に導入されている。可動性パーツの部位特異的回転位置および/または軸方向位置を確立し、次いで、ベアリングパーツを骨表面に向かって押し入れると同時に振動させ、それにより、ロックパーツ100の突出部が可動性パーツ101に対して押圧され、その液化性材料が液化して可動性パーツ101とベアリングパーツ102との間に浸透し、再固化すると、これらの2つがロックされる。同時に、骨表面に面するベアリングパーツ102の末端がロックパーツ100の肩部内部に押圧されて、さらなる第1と第2の適合接合区域ペアの意味の後者に接合される。
【0163】
上記のようなロックパーツの肩部によるロックパーツ100へのベアリングパーツ102の接合の代わり、またはその他に、ベアリングパーツの内側に、第2の適合接合区域としてロックパーツ100の突出部のための開口部を具備させることも可能である。その場合も、該2つのパーツ間で接合が行なわれる。
【0164】
当業者にとって、本発明の態様Dの上記および図示した実施形態の特徴を種々の様式で組み合わせ、それにより、やはり本発明に包含されるさらなる実施形態を得ることは自明であろう。
【0165】
図62〜64は、本発明の態様Eを示す。この態様によると、複数のデバイスパーツは、インプラント材埋入部位に独立して導入され、インプラント材埋入部位内で接合され、完全なデバイスが形成される。デバイスパーツには第1と第2の適合接合区域ペアが具備され、これらはインプラント材埋入部位に、適合ペアの接合区域が互いに対向するように配置される。次いで、互いに対して押圧し、機械的振動を一方に適用することにより、デバイスパーツを互いに接合させる。この場合、デバイスパーツのうちの選択したものは、さらに、液化性材料と機械的振動の補助によって骨組織内に係留されるように具備されてもよく、かかるものは、本発明の意味の支持部パーツである。しかしながら、これは、本発明の態様Dの条件ではない。
【0166】
図62は、本発明の態様Dの第1の例示的な実施形態を示す。該デバイスは、2つの椎体51間に埋入される椎間部材50(固定部材、例えば、ケージ)である。椎間部材50は、2つの半端部50.1および50.2を備えており、半端部はそれぞれ、適合接合区域ペアの接合区域の一方を、これらが接合される側に備えている。1ピース型椎間部材と比べた
図62による椎間部材の利点は、該半端部部材が椎体間に背側面(矢印)から導入され得、同様に、背側面からこれらを互いに対して押圧することができることである。適合接合区域ペアは、
図1〜3、4、5または6のいずれか1つに示したものであり得る。
【0167】
図63は、本発明の態様Dの第2の例示的な実施形態を示す。該デバイスは、例えば、管状骨45の髄腔86内に連続して導入され、髄腔内で2工程の接合で組み立てられる3つのデバイスパーツを備えた髄内釘85またはプレートである。第1の釘パーツ120は、例えば、非液化性材料のコア部と、液化性材料のコーティングとを備えており、骨端の海綿骨内に液化性材料と機械的振動の補助によって係留され、反対側の面に第1接合区域(コーティング)と第2接合区域(コア)を備える。第2のデバイスパーツは、例えば、液化性材料のコア部と、非液化性材料のコーティングとを備え、両端の面に第1と第2の接合区域を備える。第3のデバイスパーツは実質的に第1のデバイスパーツに相当し、導入され、第2のデバイスパーツに接合されると、骨端の骨幹骨組織内に係留され得る。
【0168】
釘の完全長と比べて、
図63による釘85のデバイスパーツの長さが短いことにより、釘またはそのパーツをそれぞれ導入するために必要とされる骨内の側方開口部は、既知の完全長の釘の場合よりもずっと小さくなる。
【0169】
図64は、本発明の態様Dによるユニットプレートを示す(上:4プレート型ユニット127の構成、上から見た図;下:2プレート型ユニット127の構成、断面)。プレートユニット127は骨表面にピン91の補助によって固定され、該ピンは、2つの多層型プレートユニットの穴を貫通して延在し、骨組織内において液化性材料と機械的振動の補助によって係留され得る。各プレートユニットは、少なくとも2つの穴を備えている。プレートユニットは、ピンのための穴領域内に、一方の側面上に第1接合区域5および他方の側面上に第2接合区域6を備えている。これは、例えば、液化性材料の層と、非液化性材料の層を備え、後者の層が例えば、
図5または6に示したような第2接合区域に適した表面構造部を備えたプレートユニットによって実現される。
【0170】
該ユニットは、連続するユニットに適した開口部を穿孔し、連続するピンを該開口部内に配置することにより、1つ1つ骨表面上に仮配列される。プレート全体が組み立てられ、仮固定されたら、機械的振動を隣接面に適用することによりピン91を骨開口部内に推進させ、それにより、骨組織内に係留させる。同時に、プレートユニット127が一体化され、ユニット構成が強固になり、安定する。
【0171】
当業者にとって、本発明の態様Eの上記および図示した実施形態の特徴を種々の様式で組み合わせ、それにより、やはり本発明に包含されるさらなる実施形態が得られることは自明であろう。
【0172】
また、当業者にとって、本発明の態様の1つに関して記載したデバイスの具体的な特徴が、本発明の任意の他の態様による実施形態に使用されることも自明であろう。