特許第5737800号(P5737800)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 松山株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5737800-農作業機 図000002
  • 特許5737800-農作業機 図000003
  • 特許5737800-農作業機 図000004
  • 特許5737800-農作業機 図000005
  • 特許5737800-農作業機 図000006
  • 特許5737800-農作業機 図000007
  • 特許5737800-農作業機 図000008
  • 特許5737800-農作業機 図000009
  • 特許5737800-農作業機 図000010
  • 特許5737800-農作業機 図000011
  • 特許5737800-農作業機 図000012
  • 特許5737800-農作業機 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5737800
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】農作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/12 20060101AFI20150528BHJP
   A01B 35/04 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   A01B33/12 Z
   A01B35/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-283352(P2010-283352)
(22)【出願日】2010年12月20日
(65)【公開番号】特開2012-130262(P2012-130262A)
(43)【公開日】2012年7月12日
【審査請求日】2013年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】池田 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】黒田 将仁
(72)【発明者】
【氏名】江原 徹
(72)【発明者】
【氏名】大久保 博和
【審査官】 中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−128503(JP,A)
【文献】 特開2004−041027(JP,A)
【文献】 特開2001−309701(JP,A)
【文献】 特開平08−275602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/12
A01B 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘体支持部を有する機体と、
前記耕耘体支持部にて回転可能に支持され、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、
前記機体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
この整地体に設けられ、前記耕耘体支持部に付着した土を落す土落し体とを備え
前記機体は、前記耕耘体の上方部を覆うカバー本体板を有し、
前記土落し体は、非作業時に前端板部が前記カバー本体板の下面近傍に位置する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
耕耘体支持部を有する機体と、
前記耕耘体支持部にて回転可能に支持され、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、
前記機体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
この整地体に設けられ、前記耕耘体支持部に付着した土を落す土落し体とを備え、
前記機体は、前記耕耘体の上方部を覆うカバー本体板を有し、
前記土落し体は、非作業時に前端板部が前記カバー本体板から上方に向かって突出する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項3】
土落し体は、整地体が自重で下方に回動する際にこの整地体と一体となって回動して耕耘体支持部に付着した土を落す
ことを特徴とする請求項1または2記載の農作業機。
【請求項4】
耕耘体支持部を有する機体と、
前記耕耘体支持部にて回転可能に支持され、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、
前記機体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
この整地体に設けられ、前記耕耘体支持部に付着した土を落す土落し体とを備え、
前記機体は、前記土落し体に付着した土を落す土落し部を有する
ことを特徴とする農作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の負担を軽減できる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、左右1対の耕耘体支持部(サイドチェーンケースおよびサイドフレーム)を有する機体と、両耕耘体支持部にて回転可能に支持され回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、機体に上下方向に回動可能に設けられ耕耘体の後方で整地作業をする整地体とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10ー155304号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の農作業機では、機体の耕耘体支持部の内面に土が付着した場合には、作業者が手作業でその土を落さなければならず、その手作業による土落し作業は手間がかかるものであり、作業者にとって負担であった。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業者の負担を軽減できる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の農作業機は、耕耘体支持部を有する機体と、前記耕耘体支持部にて回転可能に支持され、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、前記機体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体に設けられ、前記耕耘体支持部に付着した土を落す土落し体とを備え、前記機体は、前記耕耘体の上方部を覆うカバー本体板を有し、前記土落し体は、非作業時に前端板部が前記カバー本体板の下面近傍に位置するものである。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、耕耘体支持部を有する機体と、前記耕耘体支持部にて回転可能に支持され、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、前記機体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体に設けられ、前記耕耘体支持部に付着した土を落す土落し体とを備え、前記機体は、前記耕耘体の上方部を覆うカバー本体板を有し、前記土落し体は、非作業時に前端板部が前記カバー本体板から上方に向かって突出するものである。
【0009】
請求項記載の農作業機は、請求項1または2記載の農作業機において、土落し体は、整地体が自重で下方に回動する際にこの整地体と一体となって回動して耕耘体支持部に付着した土を落すものである。
【0010】
求項4記載の農作業機は、耕耘体支持部を有する機体と、前記耕耘体支持部にて回転可能に支持され、回転しながら耕耘作業をする耕耘体と、前記機体に上下方向に回動可能に設けられ、前記耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体に設けられ、前記耕耘体支持部に付着した土を落す土落し体とを備え、前記機体は、前記土落し体に付着した土を落す土落し部を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、整地体に設けられ耕耘体支持部に付着した土を落す土落し体を備える構成であるから、耕耘体支持部に付着した土を土落し体にて適切に落すことができ、作業者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
図2】同上農作業機の部分背面図である。
図3】同上農作業機の整地体非作業状態時(旋回時)の部分側面図である。
図4】同上農作業機の整地体作業状態時(作業時)の部分側面図である。
図5】同上農作業機の整地体メンテナンス作業状態時(メンテナンス時)の部分側面図である。
図6】(a)および(b)は同上農作業機の作用説明図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
図8】同上農作業機の整地体非作業状態時(旋回時)の部分側面図である。
図9】同上農作業機の整地体作業状態時(作業時)の部分側面図である。
図10】同上農作業機の整地体メンテナンス作業状態時(メンテナンス時)の部分側面図である。
図11】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
図12】本発明の第4の実施の形態に係る農作業機の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1ないし図5において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結されて使用される耕耘整地作業機(ロータリー)である。つまり、農作業機1は、トラクタの後部に連結された状態で、トラクタの走行により進行方向である前方(図1上、左方向)に向かって圃場上を移動しながら耕耘整地作業等をするロータリー耕耘装置である。
【0015】
農作業機1は、図示しないトラクタの後部の3点リンク部(農作業機昇降装置)に連結された機体2と、機体2に回転可能に設けられトラクタ側から動力を受けて所定方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体3と、機体2の耕耘体カバー部6の後端部に左右方向の軸(回動支点)7を中心として上下方向に回動可能に設けられ耕耘体3の後方で整地作業をする1枚板状の整地体(均平板)4とを備えている。
【0016】
機体2は、左右方向長手状で円筒状のフレーム部であるフレームパイプ部11を有している。フレームパイプ部11の左右方向中央部にはギアボックス部12が設けられ、このギアボックス部12から入力軸13が前方に向かって突出している。入力軸13は、トラクタのPTO軸(図示せず)に、ユニバーサルジョイントおよび伝動シャフト等にて構成された伝動手段(図示せず)を介して接続されている。
【0017】
フレームパイプ部11の長手方向一端部である左端部には、上下方向長手状でかつ箱状の耕耘体支持部であるチェーンケース部(サイド伝動ケース部)16の上部が取り付けられている。フレームパイプ部11の長手方向他端部である右端部には、上下方向長手状でかつ板状の耕耘体支持部であるブラケット部(サイドフレーム部)17の上部が取り付けられている。そして、互いに離間対向する左右のチェーンケース部16およびブラケット部17に耕耘体3が回転可能に架設されている。つまり、所定距離を介して互いに離間対向する左右1対の耕耘体支持部16,17にて耕耘体3が回転可能に支持されている。なお、チェーンケース部16の後端部およびブラケット部17の後端部には、サイドカバー板(後側板)20が取り付けられている。また、チェーンケース部16は、例えばチェーンケース本体板16aとこのチェーンケース本体板16aに固着されたチェーンケースカバー16bとにて構成されている。ブラケット部17は、例えばブラケット本体板17aのみで構成されている。
【0018】
また、機体2の耕耘体カバー部6は、耕耘体3の上方部を覆う湾曲板状のカバー本体板18と、このカバー本体板18の左右方向両端部に鉛直状に設けられた細長板状のカバー側板19とを有している。そして、耕耘体カバー部6のカバー本体板18の後端部に整地体4の前端部(上端部)が軸7を中心として回動可能に取り付けられている。
【0019】
なお、左側のカバー側板19はチェーンケース部16の上部内面に互いに重なり合うように取り付けられ、右側のカバー側板19はブラケット部17の上部内面に互いに重なり合うように取り付けられている(図2参照)。
【0020】
耕耘体3は、左側のチェーンケース部16の下部と右側のブラケット部17の下部とにて回転可能に支持された左右方向の耕耘軸である回転軸21を有している。つまり、回転軸21の軸方向一端部である左端部がチェーンケース部16の下部にて回転可能に支持されかつ回転軸21の軸方向他端部である右端部がブラケット部17の下部にて回転可能に支持されており、この回転軸21はフレームパイプ部11内の伝動シャフトおよびチェーンケース部16内のチェーン等にて構成された伝動手段(図示せず)から動力を受けて駆動回転する。また、回転軸21の軸方向に間隔をおいた複数位置には、回転軸21と一体となって回転しながら耕耘作業をする耕耘爪22がそれぞれ脱着可能に取り付けられている。
【0021】
整地体4は、耕耘体カバー部6のカバー本体板18の後端部に軸7を中心として上下方向に回動可能に取り付けられた整地本体板23を有している。整地本体板23の左右方向両端部には、細長板状の整地側板24が鉛直状に設けられている。
【0022】
また、農作業機1は、整地体4にこの整地体4と一体となって左右方向の軸7を中心として上下方向に回動するように設けられ主としてチェーンケース部16の内面およびブラケット部17の内面に付着した土を落す板状の左右1対の土落し体31を備えている。つまり、土落し体31は整地体4の左右方向両端部に前方に向かって突設され、左側の土落し体31が左側の整地側板24から前斜め上方に向かって突出し、右側の土落し体31が右側の整地側板24から前斜め上方に向かって突出している。そして、左側の土落し体31の前端側はチェーンケース部16の内面近傍に位置し、右側の土落し体31の前端側はブラケット部17の内面近傍に位置するようになっている。なお、左右の土落し体(土落し側板)31は、いずれも同一の板形状に形成されている。
【0023】
ここで、土落し体31は、例えば整地体4の整地側板24の外面に取付具(図示しないボルトおよびナット等)にてその整地側板24の外面に沿って固定的に取り付けられた鉄等の金属製の1枚の板部材32のみによって構成されている。
【0024】
また、土落し体31は、複数(例えば2つ)のボルト用孔33が形成された取付板部34を後端部に有し、この取付板部34が整地側板24の外面に互いに重なり合うように脱着可能に取り付けられている。さらに、土落し体31は、側面視で前端に頂点を持つ略三角形状をなす前端板部35を前端部に有している。
【0025】
さらに、図1に示されるように、農作業機1は、整地体4のメンテナンス作業状態時にこの整地体4を機体2に対して解除可能にロックするロック手段41を備えている。また、機体2の前端部には、ゲージ輪42が高さ位置調整可能に取り付けられている。さらに、整地体4の左右方向両端部には、延長整地板43が折畳み可能に取り付けられている。
【0026】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0027】
図3には、略鉛直姿勢になった非作業状態の整地体4が示されている。例えば圃場の隅部におけるトラクタの旋回時(非作業時)に、トラクタの3点リンク部を作動させて農作業機1の全体を所定位置まで上昇させると、整地体4が自重で下方に回動してこの図3に示す非作業状態となる。この状態において、土落し体31の前端板部35は、側面視で耕耘体3の回転軸21の上方に位置している。また、前端板部35の上端縁35aは、耕耘体カバー部6のカバー本体板18の下面近傍にこのカバー本体板18の下面に沿って位置している。
【0028】
図4には、機体2に対して上下方向に回動可能な作業状態(フリー状態)の整地体4が示されている。つまり、整地体4は、トラクタの走行により前方(図4上、左方向)に移動しながら耕耘体3の後方で整地作業をして圃場面を均平にする。この状態において、土落し体31の前端板部35は側面視で耕耘体3の回転軸21の上方に位置しているが、この前端板部35の上端縁35aは、耕耘体カバー部6のカバー本体板18の下面から下方に離れて位置している。
【0029】
図5には、耕耘体3の全体が後方に露出して作業者がメンテナンス作業(例えば耕耘爪22の交換や洗浄等)を行えるように、略水平姿勢にロックされたメンテナンス作業状態の整地体4が示されている。例えば耕耘爪22の交換等のメンテナンス作業時に、整地体4を機体2に対して所定位置まで上方に回動させると、整地体4がこの図5に示すメンテナンス作業状態となり、ロック手段41にてロックされる。この状態において、土落し体31の前端板部35はその前端のみが側面視で耕耘体3の回転軸21の上方に位置しているが、この前端板部35の上端縁35aは、耕耘体カバー部6のカバー本体板18の下面から下方に大きく離れて位置している。
【0030】
ここで、例えば図6(a)に示すように、耕耘体3が耕耘作業をしその後方で整地体4が整地作業をする農作業機1の耕耘整地作業時において、圃場の土質によっては、土がチェーンケース部16の内面、ブラケット部17の内面、左右のカバー側板19の内面およびカバー本体板18の下面の左右方向両端部に付着する場合がある。つまり、機体2の内面のうち耕耘爪22と対向する対向面に、回転中の耕耘爪22から飛ばされてくる土が付着して成長して土塊となって固まってしまう場合がある。
【0031】
しかし、このような場合であっても、図6(b)に示すように、チェーンケース部16の内面、ブラケット部17の内面、左右のカバー側板19の内面およびカバー本体板18の下面に付着した土(付着土)は、左右の土落し体31によって、掻き落されるようにして崩されて除去される。
【0032】
すなわち例えばトラクタが圃場の隅部に到達して旋回する際には、トラクタに乗った作業者は、所定の操作をして3点リンク部を作動させて農作業機1の全体を上昇させる。
【0033】
このとき、トラクタに対して農作業機1の全体が上昇することにより、整地体4が圃場面から離されてその自重で機体2に対して下方に回動する。すると、左右の土落し体31は、整地体4と一体となってチェーンケース部16の内面近傍位置およびブラケット部17の内面近傍位置を前端部が上方に回動し、チェーンケース部16、ブラケット部17および耕耘体カバー部(カバー本体板18、カバー側板19)6の付着土と接触してこの付着土を落す。
【0034】
なお、整地体4をメンテナンス作業状態に切り換える際に、土落し体31は、整地体4と一体となって上方に回動してチェーンケース部16およびブラケット部17に付着した土を落す。
【0035】
そして、このような農作業機1によれば、整地体4の左右方向両端部に設けられチェーンケース部16およびブラケット部17等に付着した土を落す土落し体31を備える構成であるから、チェーンケース部16およびブラケット部17等に付着した土を土落し体31にて適切に落すことができ、よって、作業者が手作業でチェーンケース部16およびブラケット部17等に付着した土を落す必要がなく、作業者の負担を軽減でき、しかも、チェーンケース部16等の付着土との接触による耕耘爪22の磨耗やトラクタのPTO軸による無駄な出力を防止できる。
【0036】
また、左右の土落し体31は、トラクタの旋回時において整地体4が自重で下方に回動する際にこの整地体4と一体となって回動してチェーンケース部16およびブラケット部17等に付着した土を落すため、作業者の負担をより適切に軽減できる。
【0037】
なお、図7ないし図10には、第2の実施の形態に係る農作業機1が示されている。
【0038】
この第2の実施の形態に係る農作業機1の機体2は、左右の土落し体31の内面(耕耘体3の耕耘爪22と対向する側の面)に付着した土を落す土落し部51を有している。なお、左右の土落し部51は、いずれも同一の板形状に形成されている。
【0039】
土落し部51は、例えば機体2の耕耘体カバー部6のカバー本体板18の下面に取付具(図示しないボルトおよびナット等)にてそのカバー本体板18の下面に沿って固定的に取り付けられた鉄等の金属製の1枚の板部材(スクレーパ)52のみによって構成されている。なお、この板部材52の厚さ寸法は、例えば4.5mm〜6.0mm程度で、カバー本体板18の厚さ寸法よりも大きい。
【0040】
また、土落し部51は、前後方向長手状の矩形状に形成され、かつ、カバー本体板18に沿って位置するように上方に凸の湾曲板状に形成されている。土落し部51の一側縁である外側縁が、土落し体31の内面に付着した土を落す土落し縁53となっている。そして、土落し部51の土落し縁53は、カバー本体板18の左右方向両端部に上下面に貫通して形成された前後方向長手状の開口部(長孔部)55の一部に臨んで位置している。
【0041】
また、カバー本体板18の左右の開口部55は、いずれも整地体4の非作業状態時に板状の土落し体31が挿通可能な大きさに形成されている。つまり、第2の実施の形態に係る農作業機1の土落し体31は、第1の実施の形態のものよりも長手状に形成され、図8に示すように整地体4の非作業状態時(トラクタの旋回時)には土落し体31が開口部55に挿通され、前端板部35がカバー本体板18から上方に向かって突出する。そして、整地体4が非作業状態になる際に、土落し体31の前端板部35の付着土が土落し部51の土落し縁53にて落されて除去される。なお、土落し縁53が土落し体31の内面に接触して付着土を落す構成でもよく、また土落し縁53が土落し体31の内面に非接触で付着土を落す構成でもよい。なお、その他の構成は第1の実施の形態の構成と同じである。
【0042】
また、図11には、第3の実施の形態に係る農作業機1が示されている。
【0043】
この第3の実施の形態に係る農作業機1の土落し体31は、内面側に土が付着しにくい構成となっている。つまり、この土落し体31は、例えば鉄等の金属製の板部材(ベース部材)32と、この板部材32の内面に貼着された樹脂製或いはステンレス製の土付着防止板(土付着防止用の補助部材)56とにて構成されている。なお、その他の構成は第1の実施の形態の構成と同じである。
【0044】
さらに、図12には、第4の実施の形態に係る農作業機1が示されている。
【0045】
この第4の実施の形態に係る農作業機1の土落し体31は、第3の実施の形態と同様、内面側に土が付着しにくい構成となっている。つまり、この土落し体31は、板部材32と土付着防止板56とにて構成されている。また、この第4の実施の形態に係る農作業機1の機体2の耕耘体カバー部6のカバー側板19は、土落し体31と同じように、鉄等の金属製の板部材57と、この板部材57の内面に貼着された樹脂製或いはステンレス製の土付着防止板58とにて構成されている。なお、その他の構成は第1の実施の形態の構成と同じである。
【0046】
なお、例えば図示しないが、上記各実施の形態を適宜組み合わせた構成としてもよい。
【0047】
また、例えば第2の実施の形態において、板部材52を用いずに、カバー本体板18のうち開口部55に臨んだ縁部が、土落し体31に付着した土を落す土落し部となっている構成でもよい。
【0048】
さらに、土落し体31が耕耘体支持部(チェーンケース部16、ブラケット部17)の内面近傍位置を回動して耕耘体支持部に付着した土を落す構成には限定されず、例えば土落し体が耕耘体支持部の内面に接触しながら回動して耕耘体支持部に付着した土を落す構成等でもよい。つまり、土落し体31が耕耘体支持部の内面に接触して付着土を落す構成でもよく、また土落し体が耕耘体支持部の内面に非接触で付着土を落す構成でもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 農作業機
2 機体
3 耕耘体
4 整地体
16 耕耘体支持部であるチェーンケース部
17 耕耘体支持部であるブラケット部
18 カバー本体板
31 土落し体
35 前端板部
51 土落し部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12