特許第5737893号(P5737893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5737893
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】駆動回路及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20150528BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20150528BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20150528BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 622E
   G09G3/20 670K
   G09G3/20 612K
   G09G3/20 611A
   G02F1/133 550
   G02F1/133 520
   G02F1/1368
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-215597(P2010-215597)
(22)【出願日】2010年9月27日
(65)【公開番号】特開2012-68592(P2012-68592A)
(43)【公開日】2012年4月5日
【審査請求日】2013年7月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(73)【特許権者】
【識別番号】506087819
【氏名又は名称】パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東島 啓之
(72)【発明者】
【氏名】落合 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】後藤 充
【審査官】 武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−140023(JP,A)
【文献】 特開2006−344306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 3/38
G02F 1/133
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する表示パネルを駆動する駆動回路であって、
前記画素を区分けした群毎に設けられ、互いに共通の制御期間内において当該画素群の駆動時には第1電位となり、非駆動時には第2電位となる駆動信号を出力する複数の単位駆動回路と、
それぞれ前記第1電位と前記第2電位との中間電位である第3電位及び、前記第2電位を選択的に出力する第1乃至第nの電源回路(nは2以上の自然数である。)と、
を有し、
前記単位駆動回路は、
前記画素群毎に前記制御期間内にて順次設定される出力動作期間内において前記第1電位を有する選択パルスを出力する選択パルス出力回路と、
それぞれトランジスタからなるスイッチであって当該スイッチの一方端子に接続された当該単位駆動回路の出力端子と当該スイッチの他方端子に接続された前記第kの電源回路(kは1≦k≦nなる整数である。)との間を断続する第kの出力端子スイッチを有し、
前記第1乃至第nの出力端子スイッチは、前記出力動作期間以外の前記制御期間にて少なくとも1つがオン状態とされ、かつ交代してオフ状態とされ、
前記第kの電源回路は、前記第kの出力端子スイッチのオン期間には前記第2電位を前記第kの出力端子スイッチの前記他方端子に入力し、前記第kの出力端子スイッチのオフ期間の少なくとも一部では前記第3電位を前記第kの出力端子スイッチの前記他方端子に入力すること、
を特徴とする駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記選択パルス出力回路は、ゲート端子に前記第1電位を印加されるとオンし、前記第2電位を印加されるとオフして、クロック信号線と前記出力端子との間を断続するトランジスタを含み、当該トランジスタを前記出力動作期間にてオンし、前記クロック信号線のクロックパルスに応じて前記選択パルスを出力し、
前記単位駆動回路は、さらに、それぞれトランジスタからなり前記ゲート端子と前記第kの電源回路との間を断続する第kのゲート端子スイッチを有し、
前記第kのゲート端子スイッチは、前記第kの出力端子スイッチに同期して動作すること、
を特徴とする駆動回路。
【請求項3】
請求項1に記載の駆動回路において、
前記出力端子スイッチは、アモルファスシリコン薄膜トランジスタで構成されること、を特徴とする駆動回路。
【請求項4】
請求項2に記載の駆動回路において、
前記ゲート端子スイッチは、アモルファスシリコン薄膜トランジスタで構成されること、を特徴とする駆動回路。
【請求項5】
複数の画素を有する表示パネルを駆動する駆動回路であって、
前記画素を区分けした群毎に設けられ、互いに共通の制御期間内において当該画素群の駆動時と非駆動時とで電位が切り替わる駆動信号を出力する複数の単位駆動回路と、
それぞれ第1電位と第2電位との中間電位である第3電位及び、前記第2電位を選択的に出力する第1乃至第nの電源回路(nは2以上の自然数である。)と、
を有し、
前記単位駆動回路は、
ゲート端子に前記第1電位を印加されるとオンし、前記第2電位を印加されるとオフして、クロック信号線と当該単位駆動回路の出力端子との間を断続するトランジスタを含み、当該トランジスタを、前記画素群毎に前記制御期間内にて順次設定される出力動作期間にてオンし、前記クロック信号線のクロックパルスに応じて前記駆動信号に選択パルスを出力する選択パルス出力回路と、
それぞれトランジスタからなるスイッチであって当該スイッチの一方端子に接続された前記ゲート端子と当該スイッチの他方端子に接続された前記第kの電源回路(kは1≦k≦nなる整数である。)との間を断続する第kのゲート端子スイッチと、
を有し、
前記第1乃至第nのゲート端子スイッチは、前記出力動作期間以外の前記制御期間にて少なくとも1つがオン状態とされ、かつ交代してオフ状態とされ、
前記第kの電源回路は、前記第kのゲート端子スイッチのオン期間には前記第2電位を前記第kのゲート端子スイッチの前記他方端子へ入力し、前記第kのゲート端子スイッチのオフ期間の少なくとも一部では前記第3電位を前記第kのゲート端子スイッチの前記他方端子へ入力すること、
を特徴とする駆動回路。
【請求項6】
請求項5に記載の駆動回路において、
前記ゲート端子スイッチは、アモルファスシリコン薄膜トランジスタで構成されること、を特徴とする駆動回路。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の駆動回路において、
前記第3電位は、当該駆動回路の接地電位であること、を特徴とする駆動回路。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の駆動回路と、
当該駆動回路を用いて駆動される表示パネルと、
を有する画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示パネルの駆動回路及びそれを用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のような画像表示装置は、各画素に対応した画素回路が二次元的に配列された表示パネルを備える。表示パネルは画素の各走査線に対応してゲート線を有する。ゲート線は表示領域の側部にてゲート線駆動回路に接続される。ゲート線駆動回路は、画素回路へのデータの書き込みを可能とする電圧を走査線ごとに順番に出力するシフトレジスタを備える。
【0003】
ゲート線駆動回路等に用いられるシフトレジスタは、表示パネルの表示領域の側部に形成することができる。この場合、シフトレジスタは、画素回路と同一基板上に、アモルファスシリコン(a−Si)を半導体層とする薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を用いて構成される。
【0004】
シフトレジスタは、従属接続された複数段の単位レジスタ回路(単位駆動回路)からなり、基本的にその単位レジスタ回路列の一方端から他方端へ各段の単位レジスタ回路が順番に選択パルスを1回出力する動作を垂直走査等に連動して行う。すなわち、ゲート線駆動回路に備えられたシフトレジスタを構成する複数の基本レジスタ回路それぞれは、1フレーム期間のうち、対応する走査線の画素回路を制御する際にのみ選択パルスとして所定の正電位であるHigh(H)レベルを出力し、他の走査線に対応する大半の期間は所定の負電位であるLow(L)レベルを出力する。
【0005】
図6は従来技術に係る基本レジスタ回路の回路図である。回路を構成する各トランジスタはゲートにHレベルを印加されるとオンし、Lレベルを印加されるとオフする。初期状態ではノードN1はLレベル、ノードN2はHレベルに設定される。第n段である単位レジスタ回路の出力端子OUTとクロック信号線CLK1との間には出力トランジスタT5が接続され、また端子OUTとLレベルの電源VGLとの間にはトランジスタT6が接続される。
【0006】
シフトレジスタを構成する単位レジスタ回路は順番に出力パルスを発生し、第n段の単位レジスタ回路に前段の出力パルスG(n−1)が入力されると、ノードN1(キャパシタC1の一方端)は電源VGHに接続され、その電位がHレベルとなってT5がオンする。このN1がHレベルの状態ではノードN2は電源VGLに接続され、その電位がLレベルとなってトランジスタT6はオフする。この状態にある期間(出力動作期間)では、出力端子OUTの電位はクロック信号CLK1に応じて決定される。すなわち、クロック信号CLK1にHレベルのパルスが出力されると、その間、T5のソース−ゲート間に接続されたキャパシタC1を介してN1の電位がさらに上昇して、出力端子OUTにHレベルのパルスG(n)が生じる。
【0007】
第(n+1)段の単位レジスタ回路は、この第n段の出力パルスG(n)を入力されて、第n段と同様に動作し、クロック信号CLK2のパルスに同期して出力パルスG(n+1)を生じる。さらに第(n+2)段がクロック信号CLK3のパルスに同期して出力パルスG(n+2)を発生する。
【0008】
第n段の単位レジスタ回路は第(n+2)段の出力パルスG(n+2)を入力されると、N1が電源VGLに接続されて再びLレベルとなる。同時に、クロック信号CLK3のパルスによってN2は電源VGHに接続されて再びHレベルとなる。
【0009】
このように出力動作期間以外の期間においては、N1はLレベル、N2はHレベルであり、T5がオフ状態、T6がオン状態となる。この状態では、出力端子OUTの電位は電源VGLが与えるLレベルに設定される。
【0010】
なお、出力動作期間以外でもT5のドレインにはクロック信号CLKのパルスが印加され、当該パルスはT5のゲート−ドレイン間容量を介してN1の電位を浮き上がらせる働きをする。N1と電源VGLとの間に接続されたトランジスタT2は、出力動作期間以外の期間においてゲート端子にN2のHレベルを印加されてオン状態となり、上述のN1の電位の浮き上がりを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−95190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
シフトレジスタの動作期間のうち各段の単位レジスタ回路は自段に対応する走査線への選択パルスを生成するタイミング以外ではLレベルを出力する。すなわち、1フレーム期間のうちのほとんどが出力動作期間以外の期間となり、トランジスタT6,T2は長時間にわたってオン状態に保たれる。その結果、トランジスタT6,T2のしきい値電圧Vthは正方向にシフトし、T6が出力端子OUTをLレベルに固定する能力、及びT2がノードN1をLレベルに固定する能力は低下する。その結果、単位レジスタ回路の動作が不安定となり得るという問題があった。このVthシフトはa−Siトランジスタにて顕著に起こり、a−SiのTFTを用いて駆動回路を構成する画像表示装置において特に問題となる。例えば、70℃の環境下で、a−SiのTFTのゲート−ソース間に30Vの正バイアス電圧を3時間程度印加した場合に、Vthが10V程度上昇することもある。ここで、Vthが正方向にシフトした際と逆方向のバイアスをトランジスタに印加すれば、今度は負方向のシフトが起こり、それによりVthの復元を図ることができる。しかし、バイアス電圧を周期的に変化させるための回路は、変化させない回路と比較して、一般に消費電力が多くなる。これは、定性的には、例えば、バイアス電圧を変化させない回路では、電源はLレベルの位置エネルギーを有した電荷を供給するだけでよいのに対し、バイアス電圧を変化させる回路では、電源はさらにHレベルの位置エネルギーを与えた電荷も生成する必要が生じたり、またバイアスの向きの変化に応じて電荷の位置エネルギーをLレベルとHレベルとの相互間で変化させたりする分、エネルギーを余計に消費すると説明することができよう。
【0013】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、Vthシフトを抑制する一方で、そのための消費電力の増加を少なくできる駆動回路、及びそれを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る駆動回路は、複数の画素を有する表示パネルを駆動するものであって、前記画素を区分けした群毎に設けられ、互いに共通の制御期間内において当該画素群の駆動時には第1電位となり、非駆動時には第2電位となる駆動信号を出力する複数の単位駆動回路と、それぞれ前記第1電位と前記第2電位との中間電位である第3電位及び、前記第2電位を選択的に出力する第1乃至第nの電源回路(nは2以上の自然数である。)と、を有し、前記単位駆動回路は、前記画素群毎に前記制御期間内にて順次設定される出力動作期間内において前記第1電位を有する選択パルスを出力する選択パルス出力回路と、それぞれトランジスタからなり当該単位駆動回路の出力端子と前記第kの電源回路(kは1≦k≦nなる整数である。)との間を断続する第kの出力端子スイッチを有し、前記第1乃至第nの出力端子スイッチは、前記出力動作期間以外の前記制御期間にて少なくとも1つがオン状態とされ、かつ交代してオフ状態とされ、前記第kの電源回路は、前記第kの出力端子スイッチのオン期間には前記第2電位を出力し、前記第kの出力端子スイッチのオフ期間の少なくとも一部では前記第3電位を出力する。
【0015】
他の本発明に係る駆動回路においては、前記選択パルス出力回路が、ゲート端子に前記第1電位を印加されるとオンし、前記第2電位を印加されるとオフして、クロック信号線と前記出力端子との間を断続するトランジスタを含み、当該トランジスタを前記出力動作期間にてオンし、前記クロック信号線のクロックパルスに応じて前記選択パルスを出力し、前記単位駆動回路は、さらに、それぞれトランジスタからなり前記ゲート端子と前記第kの電源回路との間を断続する第kのゲート端子スイッチを有し、前記第kのゲート端子スイッチは、前記第kの出力端子スイッチに同期して動作する。
【0016】
さらに他の本発明に係る駆動回路は、複数の画素を有する表示パネルを駆動する駆動回路であって、前記画素を区分けした群毎に設けられ、互いに共通の制御期間内において当該画素群の駆動時と非駆動時とで電位が切り替わる駆動信号を出力する複数の単位駆動回路と、それぞれ第1電位と第2電位との中間電位である第3電位及び、前記第2電位を選択的に出力する第1乃至第nの電源回路(nは2以上の自然数である。)と、を有し、前記単位駆動回路は、ゲート端子に前記第1電位を印加されるとオンし、前記第2電位を印加されるとオフして、クロック信号線と当該単位駆動回路の出力端子との間を断続するトランジスタを含み、当該トランジスタを、前記画素群毎に前記制御期間内にて順次設定される出力動作期間にてオンし、前記クロック信号線のクロックパルスに応じて前記駆動信号に選択パルスを出力する選択パルス出力回路と、それぞれトランジスタからなり前記ゲート端子と前記第kの電源回路(kは1≦k≦nなる整数である。)との間を断続する第kのゲート端子スイッチと、を有し、前記第1乃至第nのゲート端子スイッチは、前記出力動作期間以外の前記制御期間にて少なくとも1つがオン状態とされ、かつ交代してオフ状態とされ、前記第kの電源回路は、前記第kのゲート端子スイッチのオン期間には前記第2電位を出力し、前記第kのゲート端子スイッチのオフ期間の少なくとも一部では前記第3電位を出力する。
【0017】
上記本発明の好適な態様は、前記出力端子スイッチ又はゲート端子スイッチが、アモルファスシリコン薄膜トランジスタで構成される駆動回路である。
【0018】
また上記本発明の好適な態様は、前記第3電位が当該駆動回路の接地電位である駆動回路である。
【0019】
本発明に係る画像表示装置は、上記本発明に係る駆動回路と、当該駆動回路を用いて駆動される表示パネルと、を有するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、出力動作期間以外の期間におけるトランジスタのVthシフトが比較的少ない消費電力で抑制される駆動回路及び画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る画像表示装置の構成を示す模式図である。
図2】画像表示装置のゲート信号線の走査に用いるシフトレジスタの構成を示す模式図である。
図3】シフトレジスタにて従属接続される単位レジスタ回路の概略の回路図である。
図4】単位レジスタ回路の動作に係る主要な信号の波形を示すタイミング図である。
図5】出力端子スイッチ及びゲート端子スイッチの動作に係るクロック信号及び交流電源の電圧の時間変化を示す図である。
図6】従来技術に係る基本レジスタ回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、実施形態に係る画像表示装置10の構成を示す模式図である。画像表示装置10は例えば、液晶ディスプレイなどである。画像表示装置10は、複数の画素回路12、ゲート線駆動回路14、データ線駆動回路16及び制御回路18を有する。
【0024】
画素回路12は、画素に対応して表示部にマトリクス状に配列される。
【0025】
ゲート線駆動回路14には複数のゲート信号線20が接続される。各ゲート信号線20には、水平方向(行方向)に並ぶ複数の画素回路12が接続される。ゲート線駆動回路14はゲート信号線20に順番にゲート信号を出力し、当該ゲート信号線20に接続される画素回路12をデータ書き込み可能にする。
【0026】
データ線駆動回路16には複数のデータ線22が接続される。各データ線22には、垂直方向(列方向)に並ぶ複数の画素回路12が接続される。データ線駆動回路16は1走査線分の画像データをデータ線22に出力する。各データ線22に出力されたデータは、ゲート信号により書き込み可能とされている画素回路12に書き込まれ、各画素回路12は書き込まれたデータに応じて画素から出射される光量を制御する。
【0027】
制御回路18は、ゲート線駆動回路14及びデータ線駆動回路16の動作を制御する。
【0028】
画像表示装置10はゲート線駆動回路14として表示部の左側部に配置されるゲート線駆動回路14Lと、右側部に配置されるゲート線駆動回路14Rとを備える。左右のゲート線駆動回路14は同一の回路構成であり、制御回路18の制御の下、互いに同期して同時に動作し、それぞれ各ゲート信号線20にゲート信号を供給する。つまり、左右のゲート線駆動回路14はゲート信号線20の両側から同一の駆動信号を印加する。このように両側からパルスを印加することにより、ゲート信号線20のCRによる駆動信号の波形の劣化の影響を少なくすることができる。ゲート線駆動回路14は各ゲート信号線20を1Hずれたタイミングで順次駆動する。
【0029】
図2は、画像表示装置10のゲート信号線20の走査に用いるシフトレジスタ30の構成を示す模式図である。シフトレジスタ30は、シフトレジスタ部32、クロック信号生成部34及びトリガ信号生成部36を含んで構成され、シフトレジスタ部32はゲート線駆動回路14に設けられ、クロック信号生成部34及びトリガ信号生成部36は例えば制御回路18に設けられる。シフトレジスタ部32は従属接続された複数段の単位レジスタ回路38からなる。
【0030】
シフトレジスタ部32は4相のクロックで駆動する構成とし、クロック信号生成部34は4相のクロック信号CLK1〜CLK4を生成する。各クロック信号には4H周期で1H幅のパルスが発生される。各段の単位レジスタ回路38は複数相のクロック信号のうち当該段の出力パルスのタイミングを定める位相のクロック信号(出力制御クロック信号)を1つ対応付けられる。
【0031】
クロック信号生成部34はクロックパルスをCLK1,CLK2,CLK3,CLK4,CLK1,・・・の順序で生成し、ゲート線駆動回路14の先頭段(上側)から後尾段(下側)へ向けて当該順序で1段ずつ位相を変えたクロック信号を出力制御クロック信号として供給する。
【0032】
トリガ信号生成部36は、シフト動作(制御期間)の開始時にトリガ信号VSTを生成する。具体的には、信号VSTにHレベルに立ち上がるパルスを出力する。
【0033】
シフトレジスタ部32は、既に述べたように複数の単位レジスタ回路38を従属接続した構成を有し、単位レジスタ回路38は先頭段から順番に出力端子からパルスを出力する。
【0034】
シフトレジスタ部32の総段数をNで表す。複数段の単位レジスタ回路38には、出力端子にゲート信号線20を接続される主要段と、主要段からなる列の後尾に付加され、ゲート信号線20を接続されないダミー段とが含まれる。総段数Nの値は、画像表示装置10の走査線数、つまりゲート信号線20の本数と、ダミー段の段数とに応じて定まる。本実施形態ではダミー段を2段設ける。第k段の単位レジスタ回路38の出力をGk(kは1≦k≦Nなる自然数である。)と表すと、ダミー段の出力であるG(N−1),GNはゲート信号線20へ出力されず、主要段である第λ段(λは1≦λ≦N−2なる自然数である。)の出力Gλがゲート信号線20へ出力される。
【0035】
図2には各単位レジスタ回路38の各入出力端子の接続関係が示されている。なお、表記を簡素にするためにクロック信号について例えばCLK(ζ)といった記号を用いる。この表記において、4を超える数ζで相が表されるクロック信号CLK(ζ)は、ζを4で除したときの剰余ξで表されるクロック信号CLK(ξ)を意味するものとする。
【0036】
図3は単位レジスタ回路38の概略の回路図であり、第k段の単位レジスタ回路38を表している。
【0037】
単位レジスタ回路38は、nチャネルのトランジスタT1,T2A,T2B,T3〜T5,T6A,T6B,T7,T8,TAH,TBH,TAL,TBL及びキャパシタC1,C3を含んで構成される。これら各トランジスタはa−SiのTFTである。また、これら各トランジスタはゲート端子にHレベルを印加されるとオンし、Lレベルを印加されるとオフする。
【0038】
第k段の単位レジスタ回路38は、自段のパルスGkを出力する出力端子OUTを有する。また、クロック信号を入力される端子としてIN1,IN2を備え、出力動作期間の開始のトリガ信号の入力端子としてIN3、終了のトリガ信号の入力端子としてIN4を備える。入力端子IN1はクロック信号線CLK(k)に接続され、入力端子IN2はクロック信号線CLK(k+2)に接続される。入力端子IN3は第(k−1)段からパルスG(k−1)を入力され、入力端子IN4は第(k+2)段からパルスG(k+2)を入力される。なお、第1段の入力端子IN3と、ダミー段(つまり第(N−1),N段)の入力端子IN4とはトリガ信号生成部36からトリガ信号VSTを入力される。
【0039】
各単位レジスタ回路38は電源VGHから所定の正電圧であるHレベルの電圧を供給され、電源VGLから所定の負電圧であるLレベルの電圧を供給される。
【0040】
さらに、各単位レジスタ回路38はクロック信号線CLA,CLB、及び交流電源VA,VBに接続される。クロック信号線CLA,CLBはHレベルとLレベルとに周期的に切り替わるクロックを単位レジスタ回路38に供給する。本実施形態ではクロック信号CLA,CLBは逆相に設定される。交流電源VA,VBはHレベルとLレベルとの中間電位と、Lレベルとを選択的に出力する。これら交流電源は本実施形態ではクロック信号CLA,CLBに同期して出力電位を周期的に切り替え、具体的には交流電源VA,VBはそれぞれクロック信号CLA,CLBがHレベルの期間、Lレベルを出力し、クロック信号CLA,CLBがLレベルの期間、中間電位を出力する。交流電源VA,VBが出力する中間電位は本実施形態では、ゲート線駆動回路14等の接地電位GNDに設定する。
【0041】
トランジスタT5,T1,T8及びキャパシタC1は、出力端子OUTから駆動信号として選択パルスGkを出力する選択パルス出力回路40を構成する。トランジスタT1は、トランジスタT5のゲート端子が接続されるノードN1と電源VGHとの間を断続するスイッチ素子として機能する。T1はゲート端子を入力端子IN3に接続され、入力端子IN3に第(k−1)段の出力パルスG(k−1)が入力されるとノードN1をHレベルに設定する。
【0042】
トランジスタT8はノードN1と電源VGLとの間を断続するスイッチ素子として機能する。T8はゲートを入力端子IN4に接続され、入力端子IN4に第(k+2)段の出力パルスG(k+2)が入力されるとノードN1をLレベルに設定する。
【0043】
トランジスタT5のドレインは入力端子IN1であり、ソースは出力端子OUTに接続される。T5のゲートとソースとの間にはキャパシタC1が接続される。トランジスタT5はノードN1がHレベルとなる期間(出力動作期間)にてオンし、この期間内にクロック信号線CLK(k)に出力されるクロックパルスを入力端子IN1から取り込み、出力端子OUTにパルスGkを出力する。
【0044】
トランジスタT3は、ノードN2と電源VGHとの間を断続するスイッチ素子として機能する。T3はゲート端子を入力端子IN2に接続され、入力端子IN2にクロック信号線CLK(k+2)のパルスが入力されるとオンしてノードN2にHレベルを印加する。ノードN2と電源VGLとの間にはキャパシタC3が接続される。C3はT3がオフした後もノードN2の電位をHレベルに維持することができる。
【0045】
トランジスタT4,T7はノードN2と電源VGLとの間を断続するスイッチ素子として機能する。T7はゲートを入力端子IN3に接続される。入力端子IN3にパルスG(k−1)が入力されると、上述のようにT1がノードN1をHレベルに設定する一方で、T7がノードN2をLレベルに設定する。T4はゲートをノードN1に接続され、ノードN1がHレベルの間、ノードN2をLレベルに維持する。なお、T3がノードN2をLレベルからHレベルに切り替える際には、同時にT8がノードN1をHレベルからLレベルに切り替えるのでT4はオフする。このように、ノードN1,N2は互いに逆の電位レベルとなる。すなわち、ノードN1がHレベルのとき(出力動作期間)、ノードN2はLレベルであり、ノードN1がLレベルのとき(出力動作期間以外の期間)、ノードN2はHレベルである。
【0046】
出力端子OUTには上述のT5の他にトランジスタT6A,T6Bが接続される。T6A,T6Bはそれぞれ、出力端子OUTと交流電源VA,VBとの間を断続する出力端子スイッチである。T6A,T6Bはそれぞれドレインを出力端子OUTに接続され、ソースを交流電源VA,VBに接続される。T6A,T6Bはそれぞれゲートに接続されるノードN2A,N2Bの電位に応じてオン/オフを制御される。
【0047】
ノードN2A,N2Bは、それぞれトランジスタTAH,TBHを介してノードN2に接続される。トランジスタTAH,TBHはそれぞれのゲートを、クロック信号線CLA,CLBに接続され、それらのクロック信号に応じて周期的にオン/オフを切り替えられる。N2の電位がHレベルの状態、つまり出力動作期間以外の期間では、TAHがオンするとノードN2AがHレベルにセットされ、TBHがオンするとノードN2BがHレベルにセットされる。
【0048】
一方、トランジスタTAL,TBLはそれぞれノードN2A,N2BをLレベルにリセットするためのスイッチ素子である。本実施形態では、トランジスタTALはノードN2Aとクロック信号線CLAとの間に接続され、クロック信号線CLBからゲートに印加されるクロックに応じてオン/オフを切り替えられる。トランジスタTBLはノードN2Bとクロック信号線CLBとの間に接続され、クロック信号線CLAからゲートに印加されるクロックに応じてオン/オフを切り替えられる。
【0049】
ノードN1と電源との間には上述のT8に加え、トランジスタT2A,T2Bが接続される。T2A,T2Bはそれぞれ、T5のゲート端子と交流電源VA,VBとの間を断続するゲート端子スイッチであり、それぞれドレインをノードN1に接続され、ソースを交流電源VA,VBに接続される。T2A,T2BはT6A,T6Bと同様、それぞれゲートに接続されるノードN2A,N2Bの電位に応じてオン/オフを制御される。
【0050】
次にシフトレジスタ30の動作について説明する。シフトレジスタの駆動は1フレームの画像信号の先頭にて、トリガ信号生成部36がトリガ信号VSTのパルスを生成し、第1段の入力端子IN3に入力することにより開始される。なお、ダミー段は入力端子IN4にパルスG(k+2)を供給されないので、前フレームのシフト動作が終了した際、ノードN1がHレベルに設定されたままになっている。そこで、各フレームのシフト動作の開始時にVSTのパルスをダミー段の入力端子IN4に印加して、ノードN1をLレベルにリセットする。
【0051】
図4は、第k段の単位レジスタ回路38の出力動作期間を含む期間での主要な信号の波形を示すタイミング図である。
【0052】
クロック信号生成部34は上述した順番に1H幅のパルスを生成する。すなわち、クロック信号CLK(j)(jは1≦j≦4なる自然数)のパルス立ち上がりから1H遅れてクロック信号CLK(j+1)のパルスを立ち上げ、また、クロック信号CLK4のパルス立ち上がりから1H遅れてクロック信号CLK1のパルスを立ち上げる。
【0053】
第k段の動作の前には第(k−1)段が動作して、パルスG(k−1)を出力する。このパルスG(k−1)が第k段の入力端子IN3に入力端子IN3に入力されると(時刻t1)、ノードN1がHレベルに応じた電位、具体的にはHレベルからT1のしきい値電圧を減じた電位にセットされてT5がオンし、またキャパシタC1の端子間電圧が当該電位にセットされる(出力動作期間の開始)。このとき、T4がオンしてノードN2をLレベルに設定する。また、このときT7もオンすることにより、T4だけの場合より速やかにノードN2がLレベルに設定される。当該ノードN2の電位はキャパシタC3に保持される。なお、ノードN2がLレベルであることにより、TAH,TBHがオンしてもT2A,T2B及びT6A,T6Bはオフ状態である。
【0054】
第(k−1)段の出力パルスG(k−1)はクロック信号CLK(k−1)のパルス(図4ではクロック信号CLK(k+3)のパルス)に同期して発生するので、時刻t1から1H経った時刻t2では第k段へクロック信号CLK(k)のパルスが入力される。クロック信号CLK(k)のパルスは、T5のソース電位を上昇させる。すると、ブートストラップ効果によりN1の電位がさらに上昇し、クロック信号CLK(k)のパルスは電位低下することなくパルスGkとして端子OUTから出力される。このパルスGkは第(k+1)段の入力端子IN3に入力され、当該段のN1をHレベルにセットする。
【0055】
時刻t3にてクロック信号CLK(k)のパルスが立ち下がると、パルスGkも立ち下がる。一方、ノードN1の電位はHレベルに維持される。
【0056】
時刻t4では、第(k+1)段がクロック信号CLK(k+1)のパルスに同期してパルスG(k+1)を出力する。このように、各段は先行する段のパルス出力から1H遅れて当該段のパルスを出力する。第(k+1)段のパルス出力を受けた第(k+2)段は、時刻t3から1H経った時刻t4にてパルスG(k+2)を出力する。
【0057】
時刻t4にて第k段は入力端子IN4にパルスG(k+2)を入力されると、T8がオンしてノードN1をLレベルにリセットする。それと同時にクロック信号CLK(k+2)によりT3もオンしてノードN2をHレベルに引き上げる(出力動作期間の終了)。
【0058】
なお、T3はクロック信号CLK(k+2)により時刻t4以外のタイミングでも周期的にオンし、ノードN1がHレベルにセットされる出力動作期間を除き、ノードN2をHレベルに良好に維持する。また、出力動作期間以外の期間では、T2A,T2BがノードN1をLレベルに良好に維持する。この出力動作期間以外の期間ではT5がオフ状態に維持され、当該期間の出力端子OUTの電位はT6A,T6Bによって設定される。
【0059】
図5は、クロック信号CLA,CKB及び、交流電源VA,VBの電圧の時間変化を示す図である。横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表す。既に述べたように、クロック信号CLA,CKBはHレベルとLレベルとを互いに逆相で周期的に切り替えて出力する。また、交流電源VA,VBはそれぞれクロック信号CLA,CLBがHレベルの期間、Lレベルを出力し、クロック信号CLA,CLBがLレベルの期間、中間電位として用いる接地電位GNDを出力する。
【0060】
クロック信号CLAがHレベル、CLBがLレベルの期間は、TAH及びTBLがオン状態となり、一方、TAL及びTBHがオフ状態となる。出力動作期間以外の期間では、ノードN2がHレベルであるので、オン状態のTAHを介してノードN2AがHレベルに設定されT2A,T6Aがオンする。オンしたT2A,T6AはLレベルを出力している交流電源VAをそれぞれノードN1、出力端子OUTに接続する。一方、ノードN2BはTBLを介しクロック信号CLBに接続され、当該クロック信号に出力されているLレベルに設定される。その結果、T2B,T6Bはオフ状態とされる。この状態にて、T2B,T6Bのソースは交流電源VBからGNDを印加され、それらのゲート−ソース間はオン状態とは逆向きのバイアス電圧を印加される。
【0061】
クロック信号CLAがLレベル、CLBがHレベルの期間は、T2AとT2Bの状態、及びT6AとT6Bの状態が上述したクロック信号CLAがHレベル、CLBがLレベルの期間とは入れ替わる。つまり、出力動作期間以外の期間にてTBH及びTALがオン状態、TBL及びTAHがオフ状態となると、TBHを介してノードN2BがHレベルに設定されるので、T2B,T6Bがオンして、Lレベルを出力している交流電源VBをそれぞれノードN1、出力端子OUTに接続する。また、ノードN2AはTALを介し、クロック信号CLAに出力されているLレベルに設定されるので、T2A,T6Aはオフ状態とされる。この状態ではT2A,T6Aが交流電源VAからGNDを印加され、それらのゲート−ソース間はオン状態とは逆向きのバイアス電圧を印加される。
【0062】
このように出力動作期間以外の期間では、出力端子スイッチであるT6A,T6Bのいずれかが常に出力端子OUTにLレベルを印加し、またゲート端子スイッチであるT2A,T2Bのいずれかが常にノードN1にLレベルを印加する。
【0063】
一方、T6A及びT6Bは交代してオンされ、またT2A及びT2Bは交代してオンされるので、それら各トランジスタがオン状態となる期間が短くなり、Vthシフトを軽減することができる。
【0064】
さらに、各トランジスタはオフ状態となる期間にて逆バイアス電圧を印加されることにより、Vthシフトが逆向きに進行する。すなわち、当該トランジスタのオン状態でのVthシフトで上昇したしきい値電圧をオフ状態にて低下させ、その復元を図ることができる。
【0065】
ここで、T6A,T6B及びT2A,T2Bのオフ状態にて交流電源からソースに供給する中間電位は、シフトしたVthを回復させる効果に加えて、消費電力を考慮して定めることができる。Vth回復の速度は逆バイアス電圧が大きいほど速くなり得るが、Vthのシフト量や回復時間となるトランジスタのオフ期間の長さとの兼ね合いで、必要な回復速度は定まり、その観点から回復期間にソースに供給する交流電源の電位は、Hレベルである必要はなく、Hレベルより低い中間電位で足り得る。一方、消費電力の低減を図るには、一つには交流電源の振幅を小さくすることが有効であり、この観点からは中間電位は低く設定して、Lレベルとの電位差を小さくする方がよい。もう一つには、中間電位を生成する際のエネルギー変換効率という観点がある。駆動回路の共通電源として用意されるHレベル、Lレベル及びGNDから中間電位を新たに生成する際には、その生成を行う電源回路では入力電力の100%が中間電位に変換されることは現実にはなく、当該回路でエネルギーが消費され、一般には入力電力の一部が熱に変換されてしまう。この観点からは、接地電位GNDは、HレベルとLレベルとの中間電位であって、電位変換をすることなく元より存在するので好適である。
【0066】
なお、T6A,T6B及びT2A,T2Bのオフ状態にてソースに印加する電位が高くなるほど、当該トランジスタのリーク電流が生じ易くなる。リーク電流が大きくなると、出力端子OUTやノードN1をLレベルに維持するために設ける当該トランジスタの目的にそぐわない結果となり、また無駄に電力が消費されることにもなる。この観点からもT6A,T6B及びT2A,T2Bのオフ状態にソースに印加する電位はHレベルより低い中間電位に設定することが好ましい。
【0067】
さて、既に説明したように図5に示すクロック信号CLA,CKB又は交流電源VA,VBの出力電圧が切り替わる際に、T6A,T6B及びT2A,T2Bのオン/オフ状態が切り替わる。この切り替わりは、フレーム期間のうちシフトレジスタ30が駆動信号を出力しない帰線期間に行われることが望ましい。それゆえ、クロック信号CLA,CKB又は交流電源VA,VBが1つの電位を連続させる期間は、フレーム期間の整数倍であることが望ましい。
【0068】
本実施形態では、出力端子OUTに出力端子スイッチとして並列に2つのトランジスタT6A,T6Bを設けたが、出力端子スイッチはもっと多くてもよい。例えば、m個の出力端子スイッチを設け、シフトレジスタの動作期間における出力動作期間以外の期間にて少なくとも1つがオン状態とされ、かつ交代してオフ状態とされるように制御すると共に、出力端子スイッチそれぞれに対応したm個の交流電源を設け、対応する出力端子スイッチのオフ期間の少なくとも一部では中間電位を供給し、それ以外の期間には出力端子OUTから出力させるLレベルを出力する構成とすることもできる。
【0069】
同様に、ノードN1に並列に接続するゲート端子スイッチも2個より多くすることができる。すなわち、例えば、m個のゲート端子スイッチを設け、出力動作期間以外の期間にて少なくとも1つがオン状態とされ、かつ交代してオフ状態とされるように制御すると共に、ゲート端子スイッチそれぞれに対応したm個の交流電源を設け、対応するゲート端子スイッチのオフ期間の少なくとも一部では中間電位を供給し、それ以外の期間にはノードN1に設定するLレベルを出力する構成とすることができる。
【0070】
このように出力端子スイッチやゲート端子スイッチの数を増やせば、その分、それら各スイッチのオフ期間を長くすることが可能であり、Vthシフトの回復速度が小さい中間電位であっても、十分な回復効果を達成可能となる。そして、回復速度の面での要求が緩和される分、消費電力がより好適に低減されるように中間電位を設定することが可能となる。
【0071】
上記実施形態では、トランジスタはa−Siトランジスタとしたが、Vthシフトの問題が生じるトランジスタを用いた画像表示装置の駆動回路には、上述の実施形態で示される本願発明を適用し同様の効果を得ることが可能であり、例えば、ポリシリコンで半導体層が形成されるTFTを用いた駆動回路に適用することもできる。
【0072】
上記実施形態では、単位レジスタ回路は1行の画素に選択パルスを供給するが、例えば、複数行の画素や、表示領域をマトリクス状に分割した画素ブロックを順次、シフトレジスタで選択する駆動方式があれば、本願発明は当該シフトレジスタに適用することもできる。
【符号の説明】
【0073】
10 画像表示装置、12 画素回路、14,14L,14R ゲート線駆動回路、16 データ線駆動回路、18 制御回路、20 ゲート信号線、22 データ線、30 シフトレジスタ、32 シフトレジスタ部、34 クロック信号生成部、36 トリガ信号生成部、38 単位レジスタ回路、40 選択パルス出力回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6