(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5737933
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】フィルムロール保持装置
(51)【国際特許分類】
B65H 16/04 20060101AFI20150528BHJP
B65B 41/12 20060101ALI20150528BHJP
B65H 23/06 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
B65H16/04
B65B41/12 502A
B65H23/06
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-291396(P2010-291396)
(22)【出願日】2010年12月27日
(65)【公開番号】特開2012-136343(P2012-136343A)
(43)【公開日】2012年7月19日
【審査請求日】2013年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108567
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】土橋 大介
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
(72)【発明者】
【氏名】加藤 利雄
(72)【発明者】
【氏名】穂積 貴史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳平
【審査官】
西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】
実開平05−001748(JP,U)
【文献】
実開平02−040744(JP,U)
【文献】
特開平10−035616(JP,A)
【文献】
実開平02−055650(JP,U)
【文献】
特開昭62−167919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00−16/10
B65H 23/00−23/16
B65H 23/24−23/34
B65H 27/00
B65B 41/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムロールが軸方向に着脱可能に装着される中空保持筒、
前記中空保持筒に対して回転可能に支持されたねじ軸、
前記ねじ軸に連結されており前記ねじ軸を回転させるために操作される操作手段、及び 前記ねじ軸に対して相対回転可能に軸支されており且つ前記中空保持筒に対して軸方向のみに移動が規制されている二つの係止部材、
を備えており、
前記操作手段による前記ねじ軸の回転操作によって前記二つの係止部材の間に前記フィルムロールのロール芯を軸線方向外側から挟み付けることで、前記フィルムロールを保持するフィルムロール保持装置であって、
前記フィルムロールの前記中空保持筒上への装着状態で、前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を防止するロック機構が設けられており、
前記ロック機構は、摩擦材を用いたブレーキ機構であり、
前記ブレーキ機構は、前記中空保持筒の端部に設けられておりブレーキ面を備える被ブレーキ部材、前記ねじ軸の先端端部において前記被ブレーキ部材と対向し且つ軸方向にのみ移動可能に設けられているキャップ部材、及び前記キャップ部材に支持されており前記ブレーキ面に対して摩擦係合する前記摩擦材としてのブレーキパッドを備えたディスクブレーキであり、
前記キャップ部材と前記被ブレーキ部材との間に介装され且つ前記ねじ軸に嵌装して配設されており、前記キャップ部材を前記被ブレーキ部材から軸方向に離間する方向に付勢するばね手段を備えており、
前記操作手段は、前記ねじ軸の前記先端端部に前記ねじ軸と直交する軸の周りに回動可能に設けられたハンドルであり、
前記ハンドルは、当該ハンドルの偏心した位置にて、前記ねじ軸の前記先端端部に対して回動可能に設けられており、前記ハンドルが占める回動位置に応じて、当該偏心に起因して前記キャップ部材に対する押し出しの有無が選択され、前記ばね手段の付勢に抗して当該押し出しをすることで前記ディスクブレーキが作動して前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を防止するロック状態とし、当該押し出しをしないことで前記ばね手段の付勢によって前記ディスクブレーキが解除されて前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を許容する非ロック状態とする
ことを特徴とするフィルムロール保持装置。
【請求項2】
前記フィルムロールは、ウェッブ状の包装材フィルムが巻き取られていて、繰り出された包装材フィルムを成形・シールすることにより製品を連続包装する包装機において用いられる原反ロール部であり、当該原反ロール部の保持装置として適用されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムロール保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、繰り出された包装材を成形・シールするなどして製品を包装する包装機のような用途において、巻き取られた状態からフィルムが繰り出されるフィルムロールの保持に用いられるフィルムロール保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製袋充填包装機等の包装機においては、長尺の紙や合成樹脂フィルムウェブ、金属箔やその他ラミネートフィルム等の包装用フィルムウェブが中空巻芯に巻取られた状態にある包材用ロール体を機枠内の所定位置に装填し、当該包材用ロール体から包装用フィルムを連続的に繰出し、ヒートシール等を施して袋体に形成すると共に、この袋体中に品物を充填することによって、各種包装袋を製造するようになっている。包材用ロール体から包装用フィルムが使い尽されると、作業者は、使い終わったロール体の中空巻芯をロールホルダから脱着し、その後、新たな包材用ロールをロールホルダに装着して、包装機の運転を再開させている。
【0003】
ロールホルダヘのロールの装填及び取外しを容易に行ない、しかもロールフィルムのセット中心を一定位置に設定するロールホルダヘのロールフィルムの装着についての提案がなされている(特許文献1参照)。即ち、ロールホルダの一方の移動部材に配設した3本の係止爪(一方の挟持手段)を中空支持管の外周面に対して没入させた状態で、ロールフィルムを中空支持管に外挿し、ロールフィルムの端部を他方の移動部材(他方の挟持手段)に配設した3本の係止片に当接してロールフィルムのそれ以上の移動を停止する。中空支持管に配設したねじ軸を所定方向に回転し、一方の挟持手段をその退避位置から、該ロールフィルムの開口端部に当接可能な当接位置まで径方向外方に移動し、両挟持手段が前記ロールフィルムの軸方向両側に当接してこれを挟持し固定する。そして、最終的に係止爪及び係止片をロールフィルムの巻芯開口端部に押圧することで、中空支持管に対してロールフィルムを装填固定する。
【0004】
包装機におけるフィルムロールの保持装置において、フィルムロールのセット位置調節機構の簡素化を行うとともに、セット位置調節の誤操作を防止することが提案されている(特許文献2参照)。即ち、フィルムロールを装填する保持装置は、外周部の軸線方向に長溝孔を貫設した中空支持管と、この支持管の軸線上に回転可能左右ねじを螺設した中空ねじ軸と、この左右ねじに螺着される一対のクランプ部材と、中空ねじ軸に取付けられて両クランプ部材を対向移動するロール保持用ハンドルとからなるフィルム装填機構と、支持部材に回転可能に取付けて中空支持管の一端をスライド可能に、かつ共回り可能に支承するスライド受けメタルと、中空ねじ軸の軸線と同心に支承した調節ねじ杆と、そのねじ部54に螺合される調節プレートと押えプレートを連結部材により支持部材側に連結する調節連結部材と、調節ねじ杆のセット位置調節ハンドルを操作して中空支持管を軸線方向へ移動調節するフィルム位置調節機構とより構成する。
【0005】
図3は包材用のフィルムロールを従来のロールホルダへ装着した装着状態を示す斜視図である。また、
図4は
図3に示すロールホルダの断面図であり、フィルムロールをロールホルダに装着する場合のロールホルダの操作の様子を示す断面図(
図4(a))と、フィルムロールをロールホルダから脱着する場合のロールホルダの操作の様子を示す断面図(
図4(b))である。
図3に示すように、フィルムロールFrを保持し、フィルムロールFrからフィルムウェブFwを繰り出すためにロールホルダ80が図示しない包装機のフレームに対して片持ち支持される態様で回転自在に支持されている。
【0006】
ロールホルダ80は、複数本(図示の例では90度毎に4本設けられているが、その内の2本を図示する)の縦溝82が母線方向に延びるように形成された中空保持管81と、中空保持管81の各縦溝82に出没可能に且つ縦溝82から先端が出た状態で設けられた係止爪83と、各係止爪83をそれぞれの縦溝82に沿って移動させために回転操作される操作手段としての操作ハンドル84とを備えている。
【0007】
図4に示すように、回転可能に片持ち支持された中空保持管81の内部の中空部には、雄ねじ85が配設されている。雄ねじ85は、長手方向中間位置を境にして、ねじの刻設方向が逆(ねじ部85a及び85b)に形成されている。雄ねじ85のねじ部85aには係止爪83が連携可能に設けられており、ねじ部85bには、係止爪83の相手側となる係止爪86が螺合している。雄ねじ85の先端は操作ハンドル84に連結されているので、操作ハンドル84を回転操作することで雄ねじ85を回転させることができる。
【0008】
図4(a)に示す方向に雄ねじ85を回転させるときには、係止爪83は起き上がって縦溝82から先端が飛び出た状態となるとともに、雄ねじ85のねじ作用によって係止爪83と係止爪86とは互いに接近する方向に移動する。互いに接近する係止爪83と係止爪86によって、フィルムロールFrの中空巻芯を挟み込んで固定し保持することができる。操作ハンドル84を回転操作するとき、フィルムロールFrは重量があって繰り出されないので、中空保持管81共々、回転することはない。
図4(b)に示す方向に雄ねじ85を回転させるときには、係止爪83は倒伏して縦溝82内に沈む状態となるとともに、雄ねじ85のねじ作用によって係止爪83と係止爪86とは互いに離間する方向に移動する。互いに離間する係止爪83と係止爪86によって、フィルムロールFrの中空巻芯の固定・保持は解除され、フィルムロールFrを中空保持管81の先端側から取り外すことができる。フィルムロールFrのロール芯の内部に対して中空保持筒81が軸方向に嵌挿・抜出しされるように、フィルムロールFrが中空保持筒81の外周面に対して装着される。このとき、少なくとも手前側の係止爪83は、フィルムロールFrのロール芯が通過可能であるように、中空保持筒81内に後退している必要がある。こうした後退機構は、上記特許文献1、2に開示のものが採用している機構と同等のものであってよい。
【0009】
従来、包装機の一つとして製袋包装機が実用化されている。
図5は、縦型の製袋充填包装機の一例を示す斜視図である。縦型製袋充填包装機50においては、原反ロール部51(フィルムロールFrに相当)から繰り出された帯状包装材Fwは、幾つかの回転自在なガイドロール52で案内されて製筒器(フォーマ)53に送り込まれ、製筒器53において筒状に成形された後、重ね合わされた縁部に縦シール装置54によって縦シールが施されて筒状包装材Ftに成形される。包装物Aが筒状包装材Ftの内部に充填・投入され、包装物Aを筒状包装材Ftの送り方向の前後に挟む位置で筒状包装材はその横切る方向に横シール装置55によって横シールが施されるとともに、例えば横シール装置55に組み込まれたカッタ装置56によって当該横シール位置に合わせて筒状包装材をカットすることで、内部に包装物Aが充填された袋包装体P1が製造される。原反ロール部51から繰り出された帯状包装材Fwは、貯留部57において、張力調整や送り量の変動が吸収される。また、貯留部57の下流側に印字装置58が設けられている。製筒器53には、その外周面上に筒状包装材Ftを挟んで送るベルト式の紙送り装置59が設けられている。
【0010】
図6は横型の製袋包装機の一例を示す斜視図である。横型製袋包装機60においては、原反ロール部61(フィルムロールFrに相当)から繰り出された帯状包装材Fwは、幾つかの回転自在なガイドロール62で案内されて製筒器(フォーマ)63に送り込まれ、製筒器63において筒状に成形された後、重ね合わされた縁部に縦シール装置64によって縦シールが施されて筒状包装材Ftに成形される。包装物Bが製筒器63において筒状包装材Ftの内部に送り込まれ、包装物Bを筒状包装材Ftの送り方向の前後に挟む位置で筒状包装材はその横切る方向に横シール装置65によって横シールが施されるとともに、例えば横シール装置65に組み込まれたカッタ装置66によって当該横シール位置に合わせて筒状包装材をカットすることで、内部に包装物Bが充填された袋包装体P2が製造される。原反ロール部51から繰り出された帯状包装材Fwに印字を施す印字装置68が設けられている。製筒器63の送り方向前後の位置には、帯状包装材Fwを挟んで送るピンチローラ式の紙送り装置69aと、筒状包装材Ftの重ね合わされた縁部を挟んで送るローラ式の紙送り装置69bが設けられている。
【0011】
製袋包装機は、動作方式の観点からすれば、包装材を袋1個分繰り出した後、包装材の送りを一定時間停止し、該停止中に、縦シール、包装物の充填・送り込み、横シール及びカットを行う間欠動作式と、包装材の送りを停止させることなく連続して行い、包装材の送りに同期して、縦シール、包装物の充填、横シール及びカットを行う連続動作式に区分される。また、製袋包装機は、筒状に成形された包装材の送り方向によって、
図5に示すような垂直方向に送る縦型製袋充填包装機と、
図6に示すような水平方向に送る横型製袋包装機とに区分される。
【0012】
しかしながら、従来のロールホルダでは、フィルムロールのロール芯を脱着可能に保持する保持部に、フィルムロールの慣性に対処しようとする特別な機構が設けられてはいない。フィルムが所定の速度で連続して繰り出されている場合には格別の問題はないが、フィルムがロールから送り出されたり停止されたりするように間欠で繰り出される場合には、フィルムの繰り出しの停止時及び再開時にフィルムロールの回転の慣性に起因した衝撃等が保持部に対して繰り返して作用するうちに、当該保持部が弛むことがある。即ち、ねじを操作して係止部をロールに押し当てて係止することでフィルムロールを保持していたところを、係止部とねじとが次第に緩む方向に相対回転することで、ロールホルダがロール芯を確りと保持することができなくなる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特公平07−81581号公報
【特許文献2】特許第3037618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、フィルムロールを着脱自在に保持するロールホルダにおいて、当該フィルムロールを保持した場合には、保持部においてねじ軸と係止部との相対回転を拘束してその保持力が緩まないようにする点で解決すべき課題がある。
【0015】
この発明の目的は、上記課題を解決することであり、フィルムが間欠的に繰り出されて繰り出しが停止・再開されるときに衝撃が作用しても、フィルムロールの保持に弛みが生じること
がなく、コンパクトに構成され且つフィルムロールの保持を安定して実現できるフィルムロール保持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するため、この発明によるフィルムロール保持装置は、フィルムロールが軸方向に着脱可能に装着される中空保持筒、前記中空保持筒に対して回転可能に支持されたねじ軸、前記ねじ軸に連結されており前記ねじ軸を回転させるために操作される操作手段、及び前記ねじ軸に対して相対回転可能に軸支されており且つ前記中空保持筒に対して軸方向のみに移動が規制されている二つの係止部材、を備えており、前記操作手段による前記ねじ軸の回転操作によって前記二つの係止部材の間に前記フィルムロールのロール芯を軸線方向外側から挟み付けることで、前記フィルムロールを保持するフィルムロール保持装置であって、前記フィルムロールの前記中空保持筒上への装着状態で、前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を防止するロック機構が設けられていることを特徴としている。
【0017】
このフィルムロール保持装置によれば、フィルムロールが中空保持筒に対して、フィルムロールのロール芯の内部が軸方向に嵌挿・抜出しされることで、フィルムロールが装着又は脱着される。フィルムロールの装着状態で、操作手段による回転操作によってねじ軸を回転させることで、ねじ軸に対して相対回転可能に軸支されており且つ中空保持筒に対して軸方向のみに移動が規制されている二つの係止部材が互いにフィルムロールに接近する。二つの係止部材の間にフィルムロールのロール芯を軸線方向外側から挟み付けることで、フィルムロールが中空保持筒に対して確りと保持される。フィルムロールの中空保持筒上への装着状態では、ロック機構により、ねじ軸と中空保持筒との相対回転が防止される。したがって、フィルムがロールから送り出されたり停止されたりするように間欠で繰り出される場合に、フィルムの繰り出しの停止時及び再開時にフィルムロールの回転の慣性に起因した衝撃等が保持部に対して繰り返して作用するようなことがあっても、当該ロック機構によりねじ軸と中空保持筒との相対回転が阻止されるので、係止部材がフィルムロールから後退して保持部が弛むというような事態を未然に防止することができる。
【0018】
このフィルムロール保持装置において、ロック機構は、摩擦材を用いたブレーキ機構
である。また、前記ブレーキ機構は、前記中空保持筒の端部に設けられておりブレーキ面を備える被ブレーキ部材、前記ねじ軸の先端端部において前記被ブレーキ部材と対向し且つ軸方向にのみ移動可能に設けられているキャップ部材、及び前記キャップ部材に支持されており前記ブレーキ面に対して摩擦係合する前記摩擦材としてのブレーキパッド、を備え
たディスクブレーキである。また、
このフィルムロール保持装置は、前記キャップ部材を前記被ブレーキ部材から軸方向に離間する方向に付勢するばね手段を備え
ている。更に、
このフィルムロール保持装置において、前記操作手段
は、前記ねじ軸の前記先端端部に前記ねじ軸と直交する軸の周りに回動可能に設けられたハンドル
であり、
前記ハンドルは、当該ハンドルの偏心した位置にて、前記ねじ軸の前記先端端部に対して回動可能に設けられており、前記ハンドルが占める回動位置に応じて、当該偏心に起因して前記キャップ部材に対する押し出しの有無が選択され、前記ばね手段の付勢に抗して当該押し出しをすることで前記ディスクブレーキが作動して前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を防止するロック状態とし、当該押し出しをしないことで前記ばね手段の付勢によって前記ディスクブレーキが解除されて前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を許容する非ロック状態とする。
このフィルムロール保持装置において、前記ハンドルが一つの回動位置を取ることに応じて、前記ハンドルは
前記ばね手段の付勢に抗して前記キャップ部材を前記被ブレーキ部材側に押し出して前記摩擦材の前記ブレーキ面に対する摩擦係合により前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を防止するロック状態とし、前記ハンドルが他の回動位置を取ることに応じて、前記ハンドルは前記キャップ部材の前記被ブレーキ部材側への押し出しをせず
前記ばね手段の付勢によって前記摩擦材の前記ブレーキ面に対する摩擦係合を解除して、前記ねじ軸と前記中空保持筒との相対回転を許容する非ロック状態とすることができる。
また、前記フィルムロールは、ウェッブ状の包装材フィルムが巻き取られていて、繰り出された包装材フィルムを成形・シールすることにより製品を連続包装する包装機において用いられる原反ロール部とすることができ、このフィルムロール保持装置は、当該原反ロール部の保持装置として適用することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明は、上記のように構成されているので、フィルムがフィルムロールから間欠的に繰り出されるような動作がされても、ロック機構を作動させていることにより、ねじ軸と中空保持筒との相対回転が防止されるので、係止部材がフィルムロールから後退して保持部が緩むことなく、ロールホルダはフィルムロールを確りと保持することができる。
また、ブレーキ面を備えた被ブレーキ部材とブレーキパッドを備えたキャップ部材とを有するディスクブレーキ、ねじ軸に嵌装されたばね手段、及びねじ軸の先端端部に設けられたハンドルのような主要な構成部品は、中空保持筒の端部においてねじ軸を中心としてコンパクトに配設されており、ねじ軸と中空保持筒との相対回転を防止するロック機能がねじ軸周りにおいて安定的に実現され、当該構成部品についても簡単な構造を備えるものであって且つ製造するに際しても安価に製造することができる。
更に、ロック機構は平坦なブレーキ面を備えるディスクブレーキであるので、フィルムロールの装填の際、被ブレーキ部材が設けられている中空保持筒は、ブレーキパッドを備え且つねじ軸に対して軸方向にのみ移動可能なキャップ部材に対して、二つの係止部材がフィルムロールのロール芯を軸線方向に挟み付けたときの正にその回転位置、即ち中空保持筒とねじ軸が無段階に連続した回転方向位置の中のいずれの位置で停止してもその回転位置で、相対回転しないように操作手段による一回の操作でロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明によるフィルムロール保持装置の主要部を示す断面図である。
【
図2】本発明によるフィルムロール保持装置の操作手段の要部を示す拡大図である。
【
図3】フィルムロール保持装置の一例を示す斜視図である。
【
図4】従来のフィルムロール保持装置の要部を示す断面図である。
【
図5】縦型製袋充填包装装置の一例を示す斜視図である。
【
図6】横型製袋充填包装装置の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるフィルムロール保持装置の実施例を説明する。
図1は本発明によるフィルムロール保持装置の主要部を示す断面図、
図2は本発明によるフィルムロール保持装置の操作手段の要部を示す拡大図である。
【0022】
図1に示すように、本発明によるフィルムロール保持装置10は、フィルムロール(
図3と同様であり、ここでは図示しない。)が軸方向に着脱可能に装着される中空保持筒11と、中空保持筒11
を貫いて同軸心状に配置されており且つ中空保持筒11に対してベアリング13を介して回転可能に支持されたねじ軸12と、ねじ軸12に連結されておりねじ軸12を回転させるために操作される操作手段としてのハンドル14とを備えている。中空保持筒11は、
図4に示した従来の構造と同様に、装置の固定フレームに対して片持ち状に且つ回転自在に支持されている。フィルムロール保持装置10は、更に、ねじ軸12に対して相対回転可能に軸支されており且つ中空保持筒11に対して軸方向のみに移動が規制されている二つの係止部材を備えている。ハンドル14によるねじ軸12の回転操作によって当該二つの係止部材の間にフィルムロールのロール芯を軸線方向外側から挟み付けることで、フィルムロールが保持されるが、これらの係止部材については、従来の保持装置を示す
図4における83、86に相当のものとしてよく、ここでの図示を省略する。
【0023】
フィルムロール保持装置10においては、ねじ軸12と中空保持筒11との相対回転を防止するロック機構が設けられている。ロック機構は、後述するように、摩擦材を用いたブレーキ機構20であ
る。ロック機構については、フィルムロールの中空保持筒11上への装着状態で、これを使用する。
【0024】
ブレーキ機構20は、中空保持筒11の端部11aに設けられておりブレーキ面22を備える被ブレーキ部材21を備えている。被ブレーキ部材21は、この例では、外周側において中空保持筒11の端部11aにボルト止めされて、当該端部11aを封鎖する端部壁部材又は蓋部材としての機能を備えている。被ブレーキ部材21は、その内周部にはベアリング13を保持していて、ねじ軸12を回転自在に軸支している。
【0025】
ブレーキ機構20は、ねじ軸12の先端端部12aにおいて被ブレーキ部材21と対向し且つ軸方向にのみ移動可能に設けられているキャップ部材23を備えている。キャップ部材23は、ブレーキ面22に対して摩擦係合する摩擦材としてのブレーキパッド24を支持している。ブレーキパッド24は、ねじ軸12の軸線方向に移動して被ブレーキ部材21である中空保持筒11にブレーキ力を作用する。したがって、ブレーキ機構20はディスクブレーキ機構であって、ブレーキ面22はブレーキディスク面である。
【0026】
ブレーキ機構20は、また、キャップ部材23を被ブレーキ部材21から軸方向に離間する方向に付勢するばね手段としてのコイルばね25を備えている。コイルばね25は、
図1に示すように、被ブレーキ部材21とキャップ部材23との間に介装されて
いるとともに、ねじ軸12の軸端部に嵌装され且つキャップ部材23の中心の凹部内に収容されて配置されている。
図1(b)に示す状態では、コイルばね25のばね作用によってブレーキパッド24はキャップ部材23とともに被ブレーキ部材21から離れた位置にあり、ブレーキ解除状態を示している。ハンドル14を操作して、キャップ部材23を、コイルばね25のばね力に抗して、被ブレーキ部材21側に押し出すと、
図1(a)に示す状態となり、キャップ部材23に設けられたブレーキパッド24が被ブレーキ部材21のブレーキ面22に押しつけられ、中空保持筒11にブレーキ力を作用する。
図1(a)に示すロック状態では、中空保持筒11はねじ軸12とロックされた状態となり、共に回転してフィルムロールからフィルムを繰り出すことができる。
【0027】
キャップ部材23はねじ軸12に対して回転不能、即ち、キャップ部材23はねじ軸12に対して軸方向のみ移動可能に構成
されている。軸方向のみ移動可能な慣用手段としては、例えば、キーとキー溝、スプライン嵌合等の構造がある。中空保持筒11にブレーキ力が作用することで中空保持筒11とねじ軸12とが相対回転不能となることにより、ねじ軸12が係止部材との間で相対回転することが阻止される。したがって、間欠的なフィルムの繰出しにおいて、繰出し停止と繰出し再開時に、フィルムロールから慣性力が作用して、係止部材がねじ軸12に対して回転すること
に起因してフィルムロールの挟み込みが緩くなることを未然に防止することができる。なお、
図1(c)に、ロック機構を備えていない従来のフィルムロール保持装置の一部を断面で示す。従来構造は、
図4に概略示しているが、ねじ軸12の先端端部12aに取り付けられたキャップ部材33に対してハンドル34が固定された構造となっている。
【0028】
操作手段であるハンドル14は、ねじ軸12の先端端部12aにねじ軸12と直交する軸の周りに回動可能に設けられている。また、ハンドル14は、
図2に示すように、当該ハンドル14の偏心した位置にて、ねじ軸12の先端端部12aに対して回動可能に設けられている。即ち、ハンドル14の一部を構成するレバー26は軸27の回りに回動し、軸27の中心軸線からレバー26の側部に至る距離はそれぞれA,Bで示されるように、当距離ではないので、レバー26は偏心して支持されている。
図2(a)に示す状態では、
図2(b)に示す状態よりも、レバー26のキャップ部材23側の側部が距離B−Aだけ進んだ位置を占めており、この分だけキャップ部材23を被ブレーキ部材21側に押し出すことができる。
【0029】
ハンドル14が占める回動位置に応じて、当該偏心に起因してキャップ部材23に対する押出しの有無が選択されることになる。即ち、ハンドル14が一つの回動位置(
図2(a)に示す位置)を取ることに応じて、ハンドル14はキャップ部材23を被ブレーキ部材21側に押し出して摩擦材のブレーキ面に対する摩擦係合によりねじ軸と中空保持筒との相対回転を防止するロック状態とする(
図1(a))。
また、ハンドル14が他の回動位置(
図2(b)に示す位置)を取ることに応じて、ハンドル14はキャップ部材23の被ブレーキ部材21側への押出しをせず摩擦材のブレーキ面22に対する摩擦係合を解除して、ねじ軸12と中空保持筒11との相対回転を許容する非ロック状態とする(
図1(b))。
このように、ロールを保持するために操作する操作手段(ハンドル14)にブレーキ
機構20を連携させており、操作手段についてロールを保持軸に装着させるときの装着操作に続いて、当該操作手段をロック操作させることにより、
フィルムがロールから間欠的に繰り出されてフィルムの繰り出しの停止時及び再開時にフィルムロールの回転の慣性に起因した衝撃等が二つの係止部材の間での挟み付けからなるフィルムロールの保持部に対して繰り返して作用するようなことがあっても、ブレーキ機構20によりねじ軸12と中空保持筒11との相対回転が阻止されるので、係止部材がフィルムロールから後退して保持部が弛むというような事態を未然に防止することができる。
また、ブレーキ面22を備えた被ブレーキ部材21とブレーキパッド24を備えたキャップ部材23とを有するディスクブレーキ、ねじ軸12に嵌装されたばね手段(コイルばね25)、及びねじ軸12の先端端部に設けられたハンドル14のような主要な構成部品は、中空保持筒11の端部においてねじ軸12を中心としてコンパクトに配設されており、中空保持筒11とねじ軸12の相対回転を防止するロック機能がねじ軸12周りにおいて安定的に実現され、当該構成部品についても簡単な構造を備えるものであって且つ製造するに際しても安価に製造することができる。
更に、ロック機構は摩擦材によるディスクブレーキであるので、フィルムロールの装填の際、中空保持筒11は、キャップ部材23に対して、二つの係止部材がフィルムロールのロール芯を軸線方向に挟み付けたときの正にその回転位置、即ち、中空保持筒11とねじ軸12が無段階に連続した回転方向位置の中のいずれの位置で停止してもその回転位置で、相対回転しないように、操作手段による一回の操作でロックすることができる。
【0030】
上記のフィルムロール保持装置10は、
図5に示す縦型の製袋充填包装機又は
図6に示す横型の製袋充填包装機のような、フィルムとしてウェッブ状の包装材フィルムが巻き取られている原反ロール部であって、繰り出された包装材フィルムを成形・シールすることにより製品を連続包装する包装機において用いられる原反ロール部の保持装置として適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
10 フィルムロール保持装置 11 中空保持筒 11a 端部
12 ねじ軸 13 ベアリング
14 ハンドル
20 ブレーキ機構(ロック機構) 21 被ブレーキ部材
22 ブレーキ面 23 キャップ部材
24 ブレーキパッド 25 コイルばね
26 レバー 27 軸