【実施例】
【0043】
以下の実施例は、本発明の特徴及び範囲を例証する。以下の実施例は、如何なる限定としても解釈すべきでなく、有用な薬物送達システムを作り上げる方法を単に教示するものと解釈すべきである。
【0044】
実施例1. オクトレオチドアセタートを含む製剤の調製及びin vitro放出
2gのNMPを8gのSAIBと合わせた後、穏やかに混合することによって、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中スクロースアセタートイソブチラート(SAIB)の80質量%濃度の溶液を調製した。清澄な低粘度溶液を得た。次に60mgのオクトレオチドアセタートを100μLのNMPに溶かし、NMP中のSAIB溶液(80%)900μLと合わせて十分に混合し、約6%のオクトレオチドアセタートを含む製剤を得た。
【0045】
約0.1mLのオクトレオチド製剤をガラスバイアル中の3mLの放出緩衝液(PBS 7.4、0.1%のナトリウムアジド含有)に注入した。バイアルを37℃でインキュベートし、種々の時点でサンプリングした。各時点で、2mLの放出媒体を除去して2mLの新鮮な放出媒体で置き換えた。YMC−Pack ODS−120Aカラムを用いて、HPLCにより、放出サンプルのペプチドの濃度と完全性を分析した。
【0046】
知見:NMP中オクトレオチドアセタートの溶液100μLをNMP中のSAIB溶液(80%)900μLと混合すると、驚くべきことに、分厚い凝集体のある不透明な懸濁液が得られた。SAIBとオクトレオチドアセタートは両方ともNMPにかなり可溶性なので、同溶媒(NMP)中で2つの溶液を混合した後には清澄溶液が予測された。このことは、オクトレオチド又はオクトレオチドアセタートがSAIBとあまり相溶性がないことを示唆している。懸濁液を室温で放置すると、数時間以内で相分離の出現が観察され、室温で一晩放置した後に2つの区別される相が得られた。従って、該製剤は、SAIB/NMP溶液中のオクトレオチドの安定した単相製剤の調製には適していない。
【0047】
室温で種々の期間貯蔵した製剤のHPLC分析は、予想外に、クロマトグラム上にいくつかの余分な異なるピークを示した。それらのピークは最初には製剤から観察されなかったので、不純物又はオクトレオチドの分解生成物の発生を示唆している。これらのピークの強度は、時間とともに増加し、一方オクトレオチドのピークは経時的に減少した。この結果は、製剤中の生理活性物質と他の賦形剤の化学的な不安定性が単相安定製品の開発の成功を妨げていることを示唆している。従って、このタイプの製剤は、種々の生理活性物質の制御放出送達に適合するように改変されなければならない。
【0048】
実施例2. オクトレオチドと硫酸ドデシルの複合体(OCT−SDS)の調製
215.2mgのドデシル硫酸ナトリウム(SDS,MW:288.38,98.5%)を20mlの水に溶かした(10.76mg/mL,36.75mM)。251.7mg(0.212mmol)のオクトレオチドアセタート(MW:1019.2+120(アセタート),85.8%)を水(10mL)に溶かした。オクトレオチド溶液を11.56mLのSDS溶液と混合して化学量論的に複合体を形成した。沈殿物を遠心分離で分けてから真空下で乾燥させた。
【0049】
実施例3. リュープロリドと硫酸ドデシルの複合体(LA−SDS)の調製
215.2mgのドデシル硫酸ナトリウム(SDS,MW:288.38,98.5%)を20mLの水に溶かした(10.76mg/mL,36.75mM)。201.4mg(0.142mmol)のリュープロリドアセタート(MW:1209.4,85.1%)を10mLの水に溶かした(14mM)。リュープロリド溶液を7.619mLのSDS溶液と混合して化学量論的に複合体を形成した。沈殿物を遠心分離で分けてから真空下で乾燥させた。
【0050】
実施例4. オクトレオチドとドクサートの複合体(OCT−DSS)の調製
1,4−ビス(2−エチルヘキシル)スルホブタン二酸ナトリウム又はナトリウムドクサート(DSS,C
20H
37NaO
7S,MW:444.56,506.6mg,1.139mmol)をイソプロパノール(20mL)に溶かし(56.97mM)、201.4mg(0.17mmol)のオクトレオチドアセタート(MW:1019.2,85.8%)を10mLの水に溶かした(17mM)。5.968mLのDSS溶液をオクトレオチド溶液と混合し、約1時間撹拌した。複合体を遠心分離で分け、結果として生じた沈殿物を水で洗浄してから真空下で乾燥させた。
【0051】
実施例5. リュープロリドとドクサートの複合体(LA−DSS)の調製
1,4−ビス(2−エチルヘキシル)スルホブタン二酸ナトリウム(DSS,C
20H
37NaO
7S,MW:444.56,506.6mg,1.139mmol)をイソプロパノール(20mL)に溶かし(56.97mM)、250mg(0.176mmol)のリュープロリドアセタート(MW:1209.4,85.1%)を水(10mL)に溶かした。6.178mLのDSS溶液をリュープロリド溶液と混合し、1時間撹拌した。遠心分離で複合体を分け、結果として生じた沈殿物を水で洗浄してから真空下で乾燥させた。
【0052】
実施例6. リュープロリドオレアート(LA−OL)の調製
77.4mgのリュープロリドアセタート(MW:1209.4,84.2%)を1mLのDI水に溶かした(0.0539mmol)。31.38mgのオレイン酸(#A0241935,MW:282.46,97%)を添加して1:2モル比のLA:OLを得た。この溶液を混合すると白色沈殿が生じた。遠心分離で複合体を分離し、結果として生じた沈殿物を水で洗浄してから真空下で乾燥させた。
【0053】
実施例7. オクトレオチドを含む製剤の調製及びin vitro特徴づけ
オクトレオチドアセタート(OCT−Ac)、オクトレオチドドデシルスルファート(OCT−SDS)及びオクトレオチドドクサート(OCT−DSS)複合体粉末をNMPに溶かした。次にオクトレオチドの種々の塩形態を含む溶液をNMP中のSAIB溶液(90%w/w)と徹底的に混合した。表1に示すように、全ての製剤についてオクトレオチド含量は約6%であり、SAIB濃度は約70%だった。
【0054】
【表1】
【0055】
OCT−AcをSAIB/NMP溶液と合わせると、即座に相分離が起こった。実施例1で観察されたように、分厚い固体沈殿物が観察され、不均質な製剤が得られた。この不均質製剤は針を塞ぐであろうから注射に適さない。オクトレオチドとドデシル硫酸ナトリウムの複合体(OCT−SDS)をSAIB/NMP溶液と混合すると、均質懸濁液が得られたので、注射に適している。この製剤は、投与直前に調製することができ、或いは製剤パラメーターを調整することによって、一定期間の貯蔵に適しうる。オクトレオチドとドクサートナトリウムの複合体をSAIB/NMP溶液と混合すると、透明の均一溶液が得られ、相分離は起こらなかった。この製剤は、包装して室温で長期間保存することができる。
【0056】
さらに、オクトレオチドは、OCT−Acを含む製剤中で安定でないことが分かり、上記実施例1の知見を確証した。表2に示すように、成分を合わせるとすぐにオクトレオチドの不純物の発生が起こった。2時間後、約4%のオクトレオチドが分解又は反応していた。半分より多くのオクトレオチドが5日後に分解し、このシステムが該ペプチドの制御放出に適さないことを示唆している。しかし、予想外に、OCT−SDS及びOCT−DSSを含む製剤からは室温で7日経過した後でも、オクトレオチドの分解がほとんど又は全く検出されないことが分かった(表2)。
【0057】
【表2】
【0058】
実施例8. オクトレオチドを含む製剤の調製及びin vitro特徴づけ
オクトレオチドアセタート(OCT−Ac)とオクトレオチドドデシルスルファート(OCT−SDS)複合体粉末をNMPに溶かした。次にオクトレオチドの種々の塩形態を含む溶液をNMP中のSAIB溶液(90%w/w)と徹底的に混合した。表3に示すように、全ての製剤について最終オクトレオチド含量は約6%であり、SAIB濃度は約80%だった。
【0059】
【表3】
【0060】
より高い濃度のSAIB(実施例7の70%に対して80%)を使用したが、OCT−AcをSAIB/NMP溶液と混合すると、実施例7で観察したよりもはるかに早く相分離が起こった。製剤の底部に分厚い凝集体が形成された(
図1(a))。この不均質製剤は、制御放出のために一貫したデポーシステムをin situ形成するための注入には明らかに適していない。OCT−SDSをSAIB/NMP溶液と合わせると、均質な乳白色の懸濁液が得られたので注入に適している。24時間後でさえ、懸濁液には有意な相分離が観察されず(図(b))、注射器を用いた注入によよって容易に投与することができた。
【0061】
実施例9. 種々の製剤からのオクトレオチドのin vitro放出
オクトレオチドアセタート(OCT−Ac)、オクトレオチドドデシルスルファート(OCT−SDS)及びオクトレオチドドクサート(OCT−DSS)複合体粉末をNMP中のSAIB溶液(90%w/w)と混合することによって製剤を調製した。表4に示すように、各製剤中のオクトレオチド含量は約6%だった。
【0062】
【表4】
【0063】
in vitro放出のため一定分量の懸濁液を用いた。オクトレオチドを含む約0.1mLの各製剤を4mLのガラスバイアル中の3mLの放出緩衝液(PBS 7.4、0.1%のナトリウムアジド含有)に注入した。バイアルを37℃でインキュベートし、種々の時点でサンプリングした。各時点で、2mLの放出媒体を除去して2mLの新鮮な放出媒体で置き換えた。YMC−Pack ODS−120Aカラムを用いて、HPLCにより、収集したサンプルのペプチド濃度と完全性を分析した。各製剤について三通りのサンプルを用いた。
【0064】
図2に示すように、OCT−Acを含む製剤からのOCTの放出は、非常に高い初期バースト放出を示した。24時間以内で60%より多くのオクトレオチドが放出され、2週間後には90%より多くのオクトレオチドが放出された。しかし、驚くべきことに、OCT−SDS及びOCT−DSSを含む製剤からのOCTの放出はほとんど初期バースト放出を示さなかった。OCT−SDS及びOCT−DSSを含む両製剤からは24時間以内で10%未満のオクトレオチドが放出され、その後、経時的に徐々に放出された。
【0065】
実施例10. 種々の製剤からのリュープロリドのin vitro放出
リュープロリドアセタート(LA−Ac)、リュープロリドドデシルスルファート(LA−SDS)、リュープロリドドクサート(LA−DSS)及びリュープロリドオレアート(LA−OL)複合体粉末をNMP中のSAIB溶液(90%w/w)と混合することによって製剤を調製した。表5に示すように、各製剤中のリュープロリド含量は約6%だった。
【0066】
【表5】
【0067】
in vitro放出のため一定分量の懸濁液を使用した。4mLのガラスバイアル中の3mLの放出緩衝液(PBS 7.4、0.1%のナトリウムアジド含有)に約0.1mLの各リュープロリド製剤を注入した。バイアルを37℃でインキュベートし、種々の時点でサンプリングした。各時点で、2mLの放出媒体を除去して2mLの新鮮な放出媒体で置き換えた。YMC−Pack ODS−120Aカラムを用いて、HPLCにより、収集したサンプルのペプチド濃度と完全性を分析した。各製剤について三通りのサンプルを用いた。
【0068】
図3に示すように、LA−Ac及びLA−OLを含む製剤からのリュープロリドの放出は、非常に高い初期バースト放出を示した。80%より多くのリュープロリドが24時間以内で放出され、2週間後にはほとんど全てのリュープロリドが放出された。リュープロリドとオレアートの複合体化が水不溶性の複合体をもたらしたが、それはリュープロリドの初期バースト及び全体的な放出を低減しなかった。しかし、驚くべきことに、LA−SDS及びLA−DSSを含む製剤からのリュープロリドの初期バースト放出は劇的に減少した。LA−SDS及びLA−DSSを含む両製剤からは24時間以内で10%未満のリュープロリドが放出され、その後は経時的な漸次のゼロ次放出だった。
【0069】
実施例11. ドキソルビシンドクサート(DOX−DSS)及びドキソルビシンドデシルスルファート(DOX−SDS)の調製
1,4−ビス(2−エチルヘキシル)スルホブタン二酸ナトリウム(DSS,C
20H
37NaO
7S,MW:444.56,235.3mg,0.53mmol)をイソプロパノール(2mL)に溶かし、200mg(0.53mmol)のドキソルビシン塩酸塩(DOXHCl,C
27H
29NO
11・HCl,MW:579.98,>98.0%)を水(20mL)に溶かした。DSS溶液をドキソルビシン塩酸塩溶液と混合し、1時間撹拌した。3500RPMにて遠心分離で複合体を分離し、結果として生じた沈殿物を真空下で凍結乾燥させた。
【0070】
実施例12. 種々の製剤からのドキソルビシンのin vitro放出
ドキソルビシン−HCl(DOX−HCl)及びドキソルビシンドクサート(DOX−DSS)複合体粉末を用いて製剤を調製した。DOX−HCl及びDOX−DSSをNMP中のSAIB溶液と混合することによって製剤を調製して、表6に示すように6%のDOX装填を達成した。
【0071】
【表6】
【0072】
種々の製剤からのDOXのin vitro放出を研究するため一定分量の懸濁液を用いた。約0.1mLの各DOX製剤を4mLのガラスバイアル中の3mLの放出緩衝液(PBS 7.4、0.1%のナトリウムアジド含有)に注入した。バイアルを37℃でインキュベートし、種々の時点でサンプリングした。各時点で、2mLの放出媒体を除去して2mLの新鮮な放出媒体で置き換えた。YMC−Pack ODS−120Aカラムを用いて、HPLCにより、収集したサンプルのペプチド濃度と完全性を分析した。各製剤について三通りのサンプルを用いた。
【0073】
表7に示すように、DOX−HClを含む製剤からのDOXの放出は非常に高い初期バースト放出を示した。24時間以内で70%より多くのDOXが放出された。しかし、驚くべきことに、DOX−DSSを含む製剤からのDOXの放出はほとんど初期バースト放出を示さなかった。DOX−DSSを含む製剤からは24時間以内で8%未満のDOXが放出された。この結果は、DOXとDSSの複合体化は、DOXの初期バースト放出を有意に低減し、ほぼ10倍減少させることを示している。複合体化が、長期間にわたるDOXの送達を可能にするだろう。
【0074】
【表7】
【0075】
実施例13. プラミペキソール(PPL)とSDSの複合体(PPL−SDS)の調製
80.7mgのプラミペキソール(PPL,MW:302.27)を2mLのDI水(0.267mmol)に溶かした。2.662mLのSDS溶液(MW:288.38,57.83mg/mL)をPPL:SDS=1:2比となるように添加し(0.534mmol)、溶液をよく混合した。白色沈殿が生じた。NaOHでpHを4から7にに調整した。溶液を凍結させて一晩凍結乾燥機上に置いた。白色粉末を得た。
【0076】
実施例14. SAIB製剤からのプラミペキソールのin vitro放出
PPLをNMP中90%のSAIB溶液と混合することによって、異なる塩形態の約6%のPPLを含む製剤を調製した。ほぼ100mgを、3mLのPBS緩衝液と0.1%のNaN
3を含むバイアル中に注入した。ゲル様ペレットが生じた。バイアルを37℃にて振とう機上に置いた。所定時間に2mLの放出媒体を除去し、それを2mLの新鮮な緩衝液で置き換えることによってPPLの放出を測定した。放出媒体中の濃度を逆相HPLCで決定した。
【0077】
【表8】
【0078】
図4に示すように、PPL−HClを含む製剤からのプラミペキソールの放出は非常に高い初期バースト放出を示した。24時間以内で60%より多くのプラミペキソールが放出され、1週間後には約90%のプラミペキソールが放出された。しかし、驚くべきことに、PPL−SDSを含む製剤からのプラミペキソールの初期バースト放出は劇的に減少した。PPL−SDSを含む製剤からは24時間以内で5%未満のプラミペキソールが放出され、その後は経時的な漸次のゼロ次放出だった。
【0079】
実施例15. ゲンタマイシンドクサート(GEN−DSS)の調製
79.7mgのゲンタマイシン(2−[4,6−ジアミノ−3−[3−アミノ−6−(1−メチルアミノエチル)テトラヒドロピラン−2−イル]オキシ−2−ヒドロキシ−シクロヘキソキシ]−5−メチル−4−メチルアミノ−テトラヒドロピラン−3,5−ジオール、MW:477.6g/mol及び5つのイオン化できる(帯電)基)硫酸塩(GEN硫酸塩,MW:694−723,88.2%)を2mLのDI水(0.125mmol)に溶かした。4.877mLのDSS溶液(MW:444.55,57.11mg/mL)を加えて5:1比のDSS:GENを得た。DSS溶液を添加すると即座に白色沈殿が生じた。溶液を凍結させ、一晩凍結乾燥機内に置いた。
【0080】
実施例16. GEN−DSSを含む製剤の調製
約6%及び2%のGEN−DSSとNMP中90%のSAIBを含む製剤を調製した。ほぼ100mgを、3mLのPBS緩衝液と0.1%のNaN
3を含むバイアル中に注入した。室温でゲル様ペレットが生じた。しかし、バイアルを37℃でインキュベートした後、ペレットが崩壊し始め、数時間以内でバラバラになった。
【0081】
実施例17. リゾチームドクサート(LYZ−DSS)の調製
50.5mgのリゾチーム(MW:18,000)を1mLのDI水(0.0028mmol)に溶かした。148.2μLのDSS溶液(MW:444.55,58.86mg/mL)を加えて7:1比のDSS:LYZを得た。DSS溶液を添加すると即座に白色沈殿が生じた。溶液を凍結させ、一晩凍結乾燥機上に置いた。
【0082】
実施例18. リゾチームドクサート(LYZ−DSS)を含む製剤の調製
約6%のLYZ及びLYZ−DSS(85.2%LYZ)とNMP中90%のSAIBとを含む製剤を調製した。ほぼ100mgを、3mLのPBS緩衝液と0.1%のNaN
3をを含むバイアル中に注入した。室温でゲル様ペレットが生じた。37℃にて振とう機上に置いた。LYZを含むペレットは1日後に相分離し、ペレットは透明な層で囲まれた白色の不透明な中心を有していた。LYZ−DSSを含むペレットは、均一な白色ペレットとして1つの相のままだった。リゾチームと両親媒性分子DSSの複合体化によって、改良されたデポーシステムが達成された。
【0083】
実施例19. ナルトレキソンドクサート(NT−DSS)の調製
1,4−ビス(2−エチルヘキシル)スルホブタン二酸ナトリウム(DSS,C
20H
37NaO
7S,MW:444.56,235.3mg,0.53mmol)をイソプロパノール(2mL)に溶かし、200mg(0.53mmol)のナルトレキソン塩酸塩(NT,C
20H
23NO
4・HCl,MW:377.86,>99.0%)を水(20mL)に溶かした。DSS溶液をナルトレキソン塩酸塩溶液と混合して1時間撹拌した。3500RPMにて遠心分離で複合体を分離し、結果として生じた沈殿物を真空下で凍結乾燥させた。
【0084】
本発明は、単に例として提示される上記実施形態によって制限されず、添付の特許請求の範囲によって定義される保護範囲内で種々の方法で修正されうる。
【0085】
従って、本発明の好ましい実施形態に当てはまるように本発明の基本的な新規特徴を示し、記載し、指摘したが、当然のことながら、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、例示した装置の形態及び詳細、並びにそれらの操作に種々の省略及び置換及び変更を行なうことができる。例えば、同一結果を得るための実質的に同一の手段で実質的に同一の機能を果たす当該要素及び/又は方法工程の全ての組合せが本発明の範囲内であることを明確に意図している。さらに、本発明のあらゆる開示形態又は実施形態と関連して示し、及び/又は述べた構造及び/又は要素及び/又は方法工程は、設計選択の一般的事項としていかなる他の開示又は記載又は示唆した形態又は実施形態にも組み込まれ得るものであることを認識すべきである。従って、本明細書に添付された特許請求の範囲によって示されるようにのみ制限されるものである。