特許第5738066号(P5738066)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大和製衡株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5738066-組合せ秤 図000002
  • 特許5738066-組合せ秤 図000003
  • 特許5738066-組合せ秤 図000004
  • 特許5738066-組合せ秤 図000005
  • 特許5738066-組合せ秤 図000006
  • 特許5738066-組合せ秤 図000007
  • 特許5738066-組合せ秤 図000008
  • 特許5738066-組合せ秤 図000009
  • 特許5738066-組合せ秤 図000010
  • 特許5738066-組合せ秤 図000011
  • 特許5738066-組合せ秤 図000012
  • 特許5738066-組合せ秤 図000013
  • 特許5738066-組合せ秤 図000014
  • 特許5738066-組合せ秤 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738066
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】組合せ秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
   G01G19/387 F
   G01G19/387 D
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-109165(P2011-109165)
(22)【出願日】2011年5月16日
(65)【公開番号】特開2012-242102(P2012-242102A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】田中 忠信
【審査官】 三笠 雄司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−304082(JP,A)
【文献】 特開平6−137927(JP,A)
【文献】 特開平5−99732(JP,A)
【文献】 特開2003−156383(JP,A)
【文献】 特開2011−2428(JP,A)
【文献】 特開平1−250829(JP,A)
【文献】 特開平5−16928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状に列設され、供給される被計量物を保持および排出する複数のホッパと、前記ホッパの下方に配設されて前記複数のホッパから排出される被計量物を、前記直線状に列設された方向である搬送方向に沿って搬送し、搬送終端から後段の装置である包装機へ投入する搬送コンベヤと、組合せ演算を行って、適量組合せの前記ホッパを選択する組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段の演算結果に基づいて、前記複数のホッパの被計量物の排出を制御すると共に、前記搬送コンベヤによる搬送を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤの前記搬送終端から前記包装機への被計量物の投入経路に設けられて、前記被計量物の保持および排出が可能な集合ゲートとを備え、
前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの前記搬送方向の位置に応じて、前記搬送コンベヤの駆動および前記集合ゲートの開閉を制御することによって、前記包装機への被計量物の投入を制御するものであって、前記制御手段は、前記包装機からの投入要求信号に基づいて、該包装機への被計量物の投入開始および投入時間を制御するものであり、
前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの内、前記搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの前記搬送方向に沿う距離が、所定長さ以上であるときには、前記投入要求信号に応答して前記搬送コンベヤを駆動して被計量物を搬送すると共に、前記集合ゲートを閉じて前記搬送コンベヤの搬送終端から供給される被計量物を保持した後、前記集合ゲートを開いて被計量物を前記包装機へ投入する、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項2】
直線状に列設され、供給される被計量物を保持および排出する複数のホッパと、前記ホッパの下方に配設されて前記複数のホッパから排出される被計量物を、前記直線状に列設された方向である搬送方向に沿って搬送し、搬送終端から後段の装置である包装機へ投入する搬送コンベヤと、組合せ演算を行って、適量組合せの前記ホッパを選択する組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段の演算結果に基づいて、前記複数のホッパの被計量物の排出を制御すると共に、前記搬送コンベヤによる搬送を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤの前記搬送終端から前記包装機への被計量物の投入経路に設けられて、前記被計量物の保持および排出が可能な集合ゲートとを備え、
前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの前記搬送方向の位置に応じて、前記搬送コンベヤの駆動および前記集合ゲートの開閉を制御することによって、前記包装機への被計量物の投入を制御するものであって、前記制御手段は、前記包装機からの投入要求信号に基づいて、該包装機への被計量物の投入開始および投入時間を制御するものであり、
前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの内、前記搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの前記搬送方向に沿う距離が、所定長さ未満であるときには、前記投入要求信号から遅れて前記搬送コンベヤを駆動して被計量物を搬送する一方、前記投入要求信号に応答して前記集合ゲートを開いて前記搬送コンベヤの搬送終端から前記包装機へ被計量物を投入する、
ことを特徴とする組合せ秤。
【請求項3】
前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの内、前記搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの前記搬送方向に沿う距離が、所定長さ未満であるときには、前記投入要求信号から遅れて前記搬送コンベヤを駆動して被計量物を搬送する一方、前記投入要求信号に応答して前記集合ゲートを開いて前記搬送コンベヤの搬送終端から前記包装機へ被計量物を投入する、
請求項に記載の組合せ秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線状に列設されると共に、被計量物が供給される複数のホッパの組合せを選択して、所定重量範囲の被計量物を包装機等へ投入する組合せ秤に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の組合せ秤として、例えば、被計量物の投入を作業者の手によって行う半自動式の組合せ秤がある。この半自動式の組合せ秤は、通常、直線状に列設された複数の計量ホッパと、各計量ホッパの下方に配置された搬送コンベヤとを備えており、作業者が、被計量物を計量ホッパに直接、または、計量ホッパの上方の供給ホッパを介して間接的に投入する。各計量ホッパに投入された被計量物の重量値に基づいて、組合せ演算を行ってその組合せ合計重量である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しい、または、目標組合せ重量に最も近い値となる適量組合せを選択すると共に、その適量組合せに選択された計量ホッパの被計量物を、搬送コンベヤに排出する。搬送コンベヤは、複数の計量ホッパが列設された方向である搬送方向に沿って被計量物を搬送し、その搬送終端から後段の装置、例えば、包装機へ投入する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−46968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる組合せ秤では、上述のように、複数の計量ホッパは、搬送コンベヤの搬送方向に沿って直線状に列設され、適量組合せに選ばれた計量ホッパから被計量物が搬送コンベヤ上に排出され、搬送コンベヤによって前記搬送方向に沿って搬送され、搬送方向の下流側の搬送終端から、順次、後段の装置である包装機へ投入される。
【0005】
したがって、適量組合せに選ばれた複数の計量ホッパから排出される被計量物の排出位置によっては、搬送方向の最も上流側に排出される被計量物と、最も下流側に排出される被計量物との距離が長くなり、前記最も下流側の被計量物が搬送コンベヤの搬送終端まで搬送されて包装機へ投入される投入開始時点から前記最も上流側の被計量物が搬送コンベヤの搬送終端まで搬送されて包装機へ投入される投入終了時点までの投入時間が長くなる。
【0006】
したがって、包装機では、この長い投入時間に亘って搬送コンベヤからの被計量物の投入を受入れる必要があり、投入受入れのための待ち時間が長くなる。このため、包装機での包装処理のサイクル時間が長くなって、計量包装システム全体としての運転速度が低下するという課題がある。
【0007】
本発明は、上述のような課題を解決するために為されたものであって、組合せ秤から後段の装置への被計量物の投入時間の短縮を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0009】
(1)本発明の組合せ秤は、直線状に列設され、供給される被計量物を保持および排出する複数のホッパと、前記ホッパの下方に配設されて前記複数のホッパから排出される被計量物を、前記直線状に列設された方向である搬送方向に沿って搬送し、搬送終端から後段の装置である包装機へ投入する搬送コンベヤと、組合せ演算を行って、適量組合せの前記ホッパを選択する組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段の演算結果に基づいて、前記複数のホッパの被計量物の排出を制御すると共に、前記搬送コンベヤによる搬送を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤの前記搬送終端から前記包装機への被計量物の投入経路に設けられて、前記被計量物の保持および排出が可能な集合ゲートとを備え、前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの前記搬送方向の位置に応じて、前記搬送コンベヤの駆動および前記集合ゲートの開閉を制御することによって、前記包装機への被計量物の投入を制御するものであって、前記制御手段は、前記包装機からの投入要求信号に基づいて、該包装機への被計量物の投入開始および投入時間を制御するものであり、前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの内、前記搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの前記搬送方向に沿う距離が、所定長さ以上であるときには、前記投入要求信号に応答して前記搬送コンベヤを駆動して被計量物を搬送すると共に、前記集合ゲートを閉じて前記搬送コンベヤの搬送終端から供給される被計量物を保持した後、前記集合ゲートを開いて被計量物を前記包装機へ投入する
【0010】
ホッパとは、供給される被計量物を保持し、排出するものであればよく、例えば、計量ホッパ、メモリホッパなどのいずれであってもよい。このホッパで被計量物の重量を計量してもよいし、あるいは、計量済の被計量物が供給されるものであってもよい。
【0011】
複数の前記ホッパは、直線状に列設されておればよく、例えば、複数列で直線状に列設されてもよい。
【0012】
搬送コンベヤは、直線状に列設された複数のホッパから排出される被計量物を、前記直線状に列設された方向である搬送方向に沿って搬送する。
【0013】
後段の装置とは、被計量物の搬送方向の下流側に配置される装置であり、被計量物を包装する包装機である。
【0014】
適量組合せとは、組合せ条件を満たす組合せをいい、例えば、被計量物の重量を組合せた合計重量である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しい、あるいは、目標組合せ重量に最も近い許容重量範囲内の組合せをいう。
【0015】
集合ゲートは、搬送手段の搬送終端から後段の装置への被計量物の投入経路に設けられるものであって、そのゲートの開閉によって、被計量物を保持できる一方、保持した被計量物を排出することができ、あるいは、前記搬送終端からの被計量物を通過させことができるものである。
【0016】
本発明の組合せ秤によると、制御手段は、適量組合せに選択されて被計量物を排出するホッパの前記搬送方向の位置に応じて、すなわち、搬送方向のどの位置のホッパから被計量物が排出されるかに応じて、搬送手段の駆動および集合ゲートの開閉を制御することによって、後段の装置への被計量物の投入を制御するようにしている。
【0017】
したがって、例えば、適量組合せに選択されるホッパの内、搬送方向の最も上流側に位置するホッパと最も下流側に位置するホッパとの距離が長いような場合には、適量組合せのホッパから排出される被計量物を、搬送手段の搬送終端まで搬送してそのまま後段の装置に投入すると、投入時間が長くなるが、本発明によると、搬送手段を駆動して被計量物を搬送終端から排出する一方、集合ゲートを閉じて前記搬送終端から排出される被計量物を保持して集合させると共に、後段の装置への投入開始のタイミングを遅らせ、その後、集合ゲートを開いて、保持した被計量物の後段の装置への投入を開始すると共に、搬送終端から排出される被計量物をそのまま通過させて後段の装置に投入するといったことが可能となる。このように、集合ゲートによって、被計量物を集合させてまとめると共に、後段の装置への投入開始のタイミングを遅らせることによって、後段の装置への被計量物の投入時間を短縮することができ、後段の装置では、被計量物の投入を受入れる待ち時間を短縮することができる。
【0018】
また、逆に、適量組合せに選択されたホッパの内、搬送方向の最も上流側に位置するホッパと最も下流側に位置するホッパとの距離が短い場合には、適量組合せのホッパから排出された被計量物を、搬送手段の搬送終端まで搬送して後段の装置に投入するのに要する時間が短いので、本発明によると、搬送手段を駆動して被計量物を搬送して搬送終端から被計量物を排出すると共に、集合ゲートを開いてそのまま被計量物を、後段の装置へ投入することができ、しかも、搬送手段の駆動開始のタイミングによって後段の装置への投入開始のタイミングを調整することができる。
【0019】
このように、本発明によると、適量組合せに選択されて被計量物を排出するホッパの内、最も上流側に位置するホッパと最も下流側に位置するホッパとの搬送方向の距離が長いような場合には、後段の装置への被計量物の投入時間を短縮することができ、これによって、適量組合せに選択されて被計量物を排出するホッパの搬送方向の位置に拘らず、所要の投入時間内で被計量物を後段の装置へ投入することができる。
【0021】
本発明によると、包装機からの投入要求信号を基準として、搬送コンベヤの駆動および集合ゲートの開閉を制御して、所要のタイミングで包装機への被計量物の投入を開始することができると共に、所要の投入時間内に被計量物を包装機へ投入することができる。
【0023】
搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの搬送方向の距離は、前記最も上流側のホッパの位置と最も下流側のホッパの位置との搬送方向に沿う距離に対応するものであればよく、前記両ホッパのどの部分を基準とした距離であるかは特に限定されない。例えば、各ホッパの搬送方向の中心位置を基準とし、最も上流側のホッパの搬送方向の中心位置と、最も下流側のホッパの搬送方向の中心位置との間の距離としてもよいし、あるいは、各ホッパの端部の位置を基準とし、最も上流側のホッパの上流側端部の位置と、最も下流側のホッパの下流側端部の位置との間の距離としてもよい。
【0024】
所定長さは、計量包装システムの運転速度に応じて予め設定されるのが好ましく、運転速度の高速化に応じて、前記所定長さは短くなる。
【0025】
本発明によると、例えば、適量組合せに選択されたホッパの内、搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの搬送方向に沿う距離が所定長さ以上であって、ホッパから排出された被計量物を、搬送コンベヤの搬送終端まで搬送して包装機にそのまま投入するのでは、投入時間が長くなるような場合には、搬送コンベヤを駆動して被計量物を搬送終端から排出する一方、集合ゲートを閉じて前記搬送終端から排出される被計量物の一部を保持して集合させると共に、包装機への投入開始のタイミングを遅らせ、その後、集合ゲートを開いて、保持した被計量物の包装機への投入を開始すると共に、前記搬送終端から排出される被計量物をそのまま通過させて包装機へ投入することができるので、包装機への投入時間を短縮することができる。
【0026】
しかも、集合ゲートでは、搬送コンベヤの搬送終端から排出される被計量物の全てを保持してまとめるのではなく、その一部をまとめて所要の投入時間となるように、投入開始のタイミングを遅らせればよく、これによって、前記搬送終端から排出される被計量物の全てを保持する場合のように集合ゲートを大型にする必要がなく、また、被計量物の全てを保持して排出する際に、集合ゲートで被計量物が詰まって排出できないといった事態が生じるのを防止することができる。
【0027】
本発明の組合せ秤は、直線状に列設され、供給される被計量物を保持および排出する複数のホッパと、前記ホッパの下方に配設されて前記複数のホッパから排出される被計量物を、前記直線状に列設された方向である搬送方向に沿って搬送し、搬送終端から後段の装置である包装機へ投入する搬送コンベヤと、組合せ演算を行って、適量組合せの前記ホッパを選択する組合せ演算手段と、前記組合せ演算手段の演算結果に基づいて、前記複数のホッパの被計量物の排出を制御すると共に、前記搬送コンベヤによる搬送を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤの前記搬送終端から前記包装機への被計量物の投入経路に設けられて、前記被計量物の保持および排出が可能な集合ゲートとを備え、前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの前記搬送方向の位置に応じて、前記搬送コンベヤの駆動および前記集合ゲートの開閉を制御することによって、前記包装機への被計量物の投入を制御するものであって、前記制御手段は、前記包装機からの投入要求信号に基づいて、該包装機への被計量物の投入開始および投入時間を制御するものであり、前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの内、前記搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの前記搬送方向に沿う距離が、所定長さ未満であるときには、前記投入要求信号から遅れて前記搬送コンベヤを駆動して被計量物を搬送する一方、前記投入要求信号に応答して前記集合ゲートを開いて前記搬送コンベヤの搬送終端から前記包装機へ被計量物を投入する。
【0028】
本発明によると、例えば、適量組合せに選択された被計量物を排出するホッパの内、搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの前記搬送方向に沿う距離が所定長さ未満であって、ホッパから排出された被計量物を、搬送コンベヤの搬送終端まで搬送して包装機へ投入する時間が短い場合には、搬送コンベヤによって搬送終端から被計量物を排出する一方、集合ゲートを開いて、前記搬送終端からそのまま被計量物を包装機へ投入することができると共に、搬送コンベヤの駆動開始のタイミングによって包装機への投入開始のタイミングを調整することができる。
【0029】
しかも、投入要求信号に応答して集合ゲートを開き、搬送コンベヤの搬送終端から排出される被計量物を保持することなく、そのまま通過させるので、被計量物が、集合ゲートで詰まることがない。
(3)上記(1)の本発明の組合せ秤の他の実施態様では、前記制御手段は、前記適量組合せに選択されて被計量物を排出する前記ホッパの内、前記搬送方向の最も上流側のホッパと最も下流側のホッパとの前記搬送方向に沿う距離が、所定長さ未満であるときには、前記投入要求信号から遅れて前記搬送コンベヤを駆動して被計量物を搬送する一方、前記投入要求信号に応答して前記集合ゲートを開いて前記搬送コンベヤの搬送終端から前記包装機へ被計量物を投入してもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、適量組合せに選択されて被計量物を排出するホッパの搬送方向の位置に応じて、搬送手段の駆動および集合ゲートの開閉を制御することによって、後段の装置への被計量物の投入を制御するので、適量組合せに選択されて被計量物を排出するホッパの内、搬送方向の最も上流側に位置するホッパと最も下流側に位置するホッパとの距離が長い場合には、後段の装置への被計量物の投入時間を短縮することができ、これによって、適量組合せに選択されて被計量物を排出するホッパの搬送方向の位置に拘らず、所要の投入時間内に後段の装置へ被計量物を投入することができ、後段の装置では、被計量物の投入を受入れる待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は本発明の一実施形態の組合せ秤の概略平面図である。
図2図2図1の組合せ秤の概略正面図である。
図3図3図1の組合せ秤の概略側面図である。
図4図4図1の組合せ秤の制御系統を示すブロック図である。
図5図5は搬送コンベヤへの被計量物の排出から包装機への投入までの動作の一例を示す概略図である。
図6図6図5の動作説明に供するタイムチャートである。
図7図7は搬送コンベヤへの被計量物の排出から包装機への投入までの動作の一例を示す概略図である。
図8図8図7の動作説明に供するタイムチャートである。
図9図9は本発明の他の実施形態の組合せ秤の概略平面図である。
図10図10図9の組合せ秤の概略正面図である。
図11図11図9の組合せ秤の概略側面図である。
図12図12は本発明の更に他の実施形態の組合せ秤の概略平面図である。
図13図13図12の組合せ秤の概略正面図である。
図14図14図12の組合せ秤の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0033】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る半自動式の組合せ秤の概略平面図であり、図2はその正面図であり、図3はその側面図である。
【0034】
この実施形態の組合せ秤1は、被計量物の供給を人手によって行う半自動式の組合せ秤であり、被計量物は特に限定されないが、鶏肉(ブロイラー)等の生肉、イカやカツオ等の魚介類等、粘着性があり単重(1個あたりの重さ)が比較的大きい被計量物の計量に好適である。
【0035】
この実施形態の半自動式の組合せ秤1は、被計量物の組合せ計量を行う本体2と、当該秤1の運転制御用パラメータ、例えば、目標組合せ重量、許容上限値などの設定や作動状況の表示を行う操作設定表示部3と、本体2から排出される被計量物を搬送する搬送コンベヤ4とを備えている。
【0036】
本体2は、基台5と、この基台5の上部に位置して平面視が略矩形状の天板6とを備える。天板6には、図1に示すように、作業者が被計量物を掴んで投入するための複数、この実施形態では9個の投入口121〜129が、中央部に所定間隔で直線状に列設されている。
【0037】
各投入口121〜129の下方には、それぞれ個別に対応する供給ホッパ71〜79が配設されている。各供給ホッパ71〜79の下方には、それぞれ個別に対応する計量ホッパ91〜99が、直線状に列設されている。これら計量ホッパ91〜99はそれぞれ基台5に支持されている。基台5の側部には、図3に示すように、9個の計量センサ101〜109が格納されている。これら計量センサ101〜109は、例えば、ロードセルからなり、各計量ホッパ91〜99に個別に連結されている。
【0038】
各計量ホッパ91〜99は、各供給ホッパ71〜79から供給される被計量物をそれぞれ収容して計量するため、前後方向(図3の左右方向、図1の上下方向)に、手前側1室、奥側1室で合計2室の独立した計量室111a〜119a;111b〜119bをそれぞれ備えている。
【0039】
これら計量室111a〜119a;111b〜119bは、中央の区画壁351〜359によって仕切られている。基台5には、後述する制御回路(図示せず)が収納されている。
【0040】
各供給ホッパ71〜79は、図3に示すように、エアシリンダ(図示せず)によって開閉駆動される一対のゲート131a〜139a;131b〜139bをそれぞれ有している。これらゲート131a〜139a;131b〜139bはそれぞれ独立して開閉が可能であり、いずれか一方のゲート131a〜139a(または131b〜139b)を開くことで、被計量物を計量ホッパ91〜99のいずれか一方の計量室111a〜119a(または111b〜119b)に選択的に供給できるように構成されている。
【0041】
各計量ホッパ91〜99は、上述のように各計量センサ101〜109にそれぞれ連結されているので、被計量物が供給ホッパ71〜79から計量ホッパ91〜99のいずれか一方の計量室111a〜119a(または111b〜119b)に供給されると、各計量センサ101〜109によって検出される重量値の変化に基づいて、各計量室111a〜119a(または111b〜119b)に供給される被計量物を計量することができる。
【0042】
計量ホッパ91〜99は、前後方向の手前側の計量室111a〜119aには手前側のゲート231a〜239a、奥側の計量室111b〜119bには奥側のゲート231b〜239bをそれぞれ有している。これらゲートは、図示しないエアシリンダによって開閉駆動される。なお、ゲートの開閉はエアシリンダに限らず、例えば、モータを用いてもよい。
【0043】
これら手前側のゲート231a〜239aと、奥側ゲート231b〜239bとは、それぞれ独立して開閉が可能であり、一方のゲート231a〜239aを開くことで、対応する一方の計量室111a〜119aから被計量物を排出し、また、他方のゲート231b〜239bを開くことで、他方の計量室111b〜119bから被計量物を排出する。なお、これら両側のゲート231a〜239a;231b〜239bを同時に開けば、両側の計量室111a〜119a;111b〜119bから被計量物が排出される。
【0044】
搬送コンベヤ4は、基台5により支持され、計量ホッパ91〜99の直線状の列設方向と被計量物の搬送方向(図1図2の左右方向)とが平行になるように計量ホッパ91〜99の下方に配設されている。
【0045】
搬送コンベヤ4は、計量ホッパ91〜99の各計量室111a〜119a;111b〜119bから排出される被計量物を、搬送方向の下流側(図1図2の右側)へ搬送し、その搬送終端4aからその下方に配置されている後段の包装機(図示せず)へ投入する。
【0046】
この組合せ秤では、一定時間間隔の組合せ演算のタイミングで、計量センサ101〜109による計量が完了している計量ホッパ91〜99の各計量室111a〜119a,111b〜119bの被計量物の重量を種々に組合せ、これら組合せの中から組合せ重量(合計重量)が、目標組合せ重量に等しい、あるいは、目標組合せ重量に最も近い所定重量範囲内にある適量組合せを探す、すなわち、組合せ演算を行う。そして、組合せが成立して、選択された適量組合せの被計量物が収容されている計量ホッパ91〜99の各計量室111a〜119a,111b〜119bのゲート231a〜239a,231b〜239bを開いて、下方の搬送コンベヤ4上に排出し、搬送コンベヤ4によって、該搬送コンベヤ4の搬送終端4a側に配置されている包装機に搬送投入し、包装機で被計量物が包装される。
【0047】
このようにして、被計量物の排出が行われると、空になった計量ホッパ91〜99の計量室111a〜119a,111b〜119bには、その上方にある供給ホッパ71〜79から被計量物が供給される。その結果、空になった供給ホッパ71〜79には、人手によって被計量物が供給される。
【0048】
この実施形態では、搬送コンベヤ4の搬送終端4aから排出される被計量物の包装機への投入時間を短縮できるように、搬送コンベヤ4の搬送終端4aから、その下方の包装機へ至る被計量物の投入経路には、集合ゲート45を設けている。
【0049】
この集合ゲート45は、基台5に支持されており、図2に示すように、被計量物を収容する収容部45aと、ゲート部45bとを備えており、ゲート部45bを閉じて、搬送コンベヤ4の搬送終端4aから排出される被計量物を収容部45aに保持し、また、前記ゲート部45bを開いて、収容部45aに保持した被計量物を包装機へ投入し、あるいは、前記搬送終端4aから排出される被計量物をそのまま通過させる。
【0050】
図4は、この実施形態の制御系統を示すブロック図であり、上述の図1図3に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0051】
この実施形態の組合せ秤1は、制御回路22を備えており、この制御回路22は、各部を制御する制御手段としての機能を有すると共に、組合せ演算を行う組合せ演算手段としての機能を有するCPU部24と、制御プログラムが格納されていると共に、計量値などが格納されるメモリ部25と、各供給ホッパ71〜79の一対の各ゲート131a〜139a;131b〜139bを開閉する供給ホッパゲート駆動回路部26と、各計量ホッパ91〜99の一対の各ゲート231a〜239a;231b〜239bを開閉する計量ホッパゲート駆動回路部27と、各計量センサ101〜109からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路部29と、搬送コンベヤ4を駆動するコンベヤ駆動回路部31と、包装機に接続されたI/O回路部32と、集合ゲート45のゲート部45bの開閉を制御する集合ゲート駆動回路部28とを有している。
【0052】
A/D変換回路部29からのデジタル信号は、CPU部24において、計量値に変換される。CPU部24は、計量ホッパ91〜99の各計量室111a〜119a,111b〜119bに供給された被計量物の重量を計量し、一定の時間間隔の組合せ演算のタイミング時に、上述の組合せ演算を行う。組合せが成立し、適量組合せがあったときには、計量ホッパゲート駆動回路部27を介して適量組合せの計量ホッパ91〜99の計量室111a〜119a;111b〜119bのゲート231a〜239a;231b〜239bの開閉を制御し、選択された計量ホッパ91〜99の計量室111a〜119a;111b〜119bの被計量物を、搬送コンベヤ4に排出させる。
【0053】
すなわち、CPU部24は、組合せ演算を行って、組合せが成立すると、適量組合せとして選択された計量ホッパ91〜99の計量室111a〜119a;111b〜119bのゲート231a〜239a;231b〜239bを開いて、被計量物を搬送コンベヤ4へ排出し、包装機からの投入要求信号の入力に応答して、後述のように搬送コンベヤ4の駆動および集合ゲート45の開閉を制御して、被計量物を包装機へ投入する。CPU部24は、搬送コンベヤ4による被計量物の包装機への投入が終了すると、搬送コンベヤ4の駆動を停止すると共に、包装機に対して投入完了信号を送信する。
【0054】
また、組合せが成立しない重量不良の被計量物の場合には、搬送コンベヤ4に排出し、包装機とは逆方向に搬送して回収容器に搬出する、いわゆる、リジェクトを行う。
【0055】
次に、この実施形態における被計量物の搬送及び包装機への投入の動作について説明する。
【0056】
この実施形態の包装機は、組合せ秤1から投入される被計量物を受け取って、予め成形された袋に充填して真空パックを行う給袋式の包装機である。
【0057】
この包装機は、上述の投入要求信号を送信してから投入の受入れの準備が整うまでの一定の準備時間が経過した後、組合せ秤1からの被計量物の投入の受入れを許可する投入許可期間となる。この投入許可期間の長さは、組合せ秤1及び包装機からなる計量包装システムの運転速度に応じて設定される。この実施形態では、計量包装システムを、所望の高速で運転するために、投入許可期間は、比較的短く設定される。
【0058】
この実施形態では、組合せ演算によって適量組合せとして選択された計量ホッパ91〜99の搬送方向(図1図2の左右方向)における位置に応じて、搬送コンベヤ4の駆動を制御すると共に、集合ゲート45の開閉を制御することによって、包装機からの投入要求信号に基づいて、前記投入許可期間内に、適量組合せの計量ホッパ91〜99の計量室111a〜119a;111b〜119bから排出された被計量物を包装機へ投入するようにしている。なお、各計量ホッパ91〜99は、前後方向に2つの計量室111a〜119a;111b〜119bをそれぞれ有しているが、両計量室の搬送方向における位置は同じ、例えば、計量ホッパ91の手前側の計量室111aと奥側の計量室111bとの搬送方向における位置は同じであるので、簡略化のため以下の説明では、計量室を明示することなく、搬送方向に沿う1列の計量ホッパ91〜99として説明する。
【0059】
この実施形態では、適量組合せに選択されて被計量物を排出する計量ホッパ91〜99の内、搬送方向の最も上流側の計量ホッパと最も下流側の計量ホッパとの搬送方向に沿う距離が、所定長さ以上であるか否かに応じて、搬送コンベヤ4及び集合ゲート45の制御を異ならせている。この所定長さは、例えば、包装機の前記投入許可期間内において、搬送コンベヤ4によって搬送できる距離以内に予め設定されるのが好ましい。
【0060】
先ず、組合せ演算によって適量組合せに選択されて被計量物を排出する計量ホッパ91〜99の内、搬送方向の最も上流側の計量ホッパと最も下流側の計量ホッパとの搬送方向に沿う距離が、所定長さ以上である場合について、図5及び図6に基づいて説明する。
【0061】
図5は、組合せ演算によって適量組合せとして選択された計量ホッパ91〜99から被計量物を搬送コンベヤ4に排出し、搬送コンベヤ4によって搬送終端4aまで搬送し、集合ゲート45を介して包装機19のシュート19aに投入するまでの動作の一例を示す概略図である。図6は、図5のタイムチャートであり、同図(a)は投入要求信号を、同図(b)は搬送コンベヤ4の駆動状態を、同図(c)は集合ゲート10の開閉状態をそれぞれ示している。図6(b)において、ハイレベルは搬送コンベヤ4を駆動している状態を、図6(c)において、ハイレベルは集合ゲート45の開放状態をそれぞれ示している。
【0062】
図5において、搬送コンベヤ4の長さである搬送距離をL、上記所定長さをL1としている。この実施形態では、所定長さL1は、例えば、搬送方向に沿う計量ホッパ5個分の上流側の端部から下流側の端部までの長さとしている。
【0063】
図5の例では、同図(a)に示すように、組合せ演算によって適量組合せに選択された計量ホッパ91,95,97,99から被計量物201,205,207,209が搬送コンベヤ4上に排出される。この場合、適量組合せに選択された計量ホッパ91,95,97,99の内、最も上流側の計量ホッパ91の上流側の端部と最も下流側の計量ホッパ99の下流側の端部との搬送方向に沿う距離は、計量ホッパ9個分であり、上述の計量ホッパ5個分に対応する所定長さL1以上である。
【0064】
このように搬送方向の最も上流側の計量ホッパ91と最も下流側の計量ホッパ99との距離が、所定長さL1以上である場合には、搬送コンベヤ4によって最も下流側の被計量物209をその搬送終端4aから包装機19に直接投入してから最も上流側の被計量物201をその搬送終端4aから包装機19へ直接投入するまでの投入時間は、包装機19の上述の投入許可期間を上回ることになり、したがって、投入時間を短縮する必要がある。また、包装機19の投入要求信号から投入の受入れの準備が整うまでの一定の準備時間が経過した後に、包装機19への投入を開始する必要がある、すなわち、投入開始のタイミングを調整する必要がある。
【0065】
そこで、この実施形態では、図6(a)に示すハイレベルの投入要求信号に応答して、図6(b)に示すように、搬送コンベヤ4を直ちに駆動して排出された被計量物201,205,207,209の搬送を開始する。このとき、包装機19の前記準備時間が経過するまでは、被計量物20を包装機19へ投入しないようにすると共に、投入時間を短縮するために、集合ゲート45は、図6(c)に示すように閉じられている。
【0066】
したがって、図5(b),(c)に示すように、搬送コンベヤ4が駆動されて被計量物201,205,207,209が搬送され、下流寄りの被計量物209,207が、搬送終端4aから排出され、集合ゲート45に保持されてまとめられる。
【0067】
そして、図6(c)に示すように、投入要求信号の受信から一定の待機時間Tが経過すると、集合ゲート45を開く。この待機時間Tは、包装機19が、投入要求信号を送信して投入の受入れの準備が整うまでの一定の準備時間以上の時間となっている。したがって、待機時間Tが経過した時点では、包装機19は、被計量物の投入の受入れを許可する投入許可期間となっている。
【0068】
また、この待機時間Tは、例えば、図5(a)に示される、搬送距離Lから所定長さL1を減算した距離(L−L1)を、搬送するのに要する時間となっている。したがって、仮に、投入要求信号に応答して直ちに搬送コンベヤ4の駆動を開始すると共に、集合ゲート45を開いたとすると、待機時間Tが経過した時点では、下流寄りの4個の計量ホッパ96〜99から排出された被計量物が、包装機19に投入されることになる。
【0069】
この実施形態では、上述のように、待機時間Tが経過して集合ゲート45を開くので、図5(d),(e)に示すように、集合ゲート45に保持されていた被計量物209,207が包装機19に投入されると共に、後続の上流寄りの被計量物205,201も集合ゲート45を通過して包装機19に投入される。
【0070】
このように組合せ演算によって適量組合せに選択された計量ホッパ91,95,97,99の内、最も上流側の計量ホッパ91の上流側の端部と最も下流側の計量ホッパ99の下流側の端部との距離が、所定長さL1以上であるときには、包装機19からの投入要求信号に応答して搬送コンベヤ4を駆動して被計量物を搬送して搬送終端4aから排出すると共に、集合ゲート45を閉じて前記搬送終端4aから排出される下流寄りの被計量物209,207を保持して集合させると共に、包装機19への投入開始のタイミングを遅らせる。
【0071】
そして、包装機19の投入の受入れの準備が整う準備時間に対応する待機時間Tが経過して投入許可期間になったときには、集合ゲート45を開いて保持していた被計量物209,207を排出して包装機19への投入を開始し、後続の上流寄りの被計量物205,201も集合ゲート45を通過させて包装機19へ投入するので、集合ゲート45を開いて被計量物209の投入を開始して最後の被計量物201の投入を終了するまでの投入時間を短縮して投入許可期間内に投入することができる。
【0072】
しかも、集合ゲート45は、搬送コンベヤ4の搬送終端4aから排出される被計量物201,205,207,209の全てを保持するのではなく、待機時間Tが経過するまでに搬送コンベヤ4の搬送終端4aから排出される下流寄りの被計量物207,209を保持すればよい。したがって、全ての被計量物を保持する場合のように、集合ゲート45の収容容量を大きくする必要がなく、また、集合ゲート45を開いて保持した被計量物を排出する際に、被計量物が集合ゲート45で詰まって排出できないといった事態が生じるのを防止することができる。
【0073】
また、集合ゲート45を開いた後には、保持していた下流寄りの被計量物207,209が集合ゲート45から排出されると共に、後続の上流寄りの被計量物205,201が、集合ゲート45を通過するので、仮に、集合ゲート45で保持されていた被計量物207,209が排出の際に詰まったとしても、落下する後続の被計量物205,201の衝撃によって、詰まりを解消することができる。
【0074】
次に、組合せ演算によって適量組合せに選択された計量ホッパの内、最も上流側の計量ホッパの上流側の端部と最も下流側の計量ホッパの下流側の端部との搬送方向に沿う距離が、所定長さL1未満である場合について、上述の図5及び図6にそれぞれ対応する図7及び図8に基づいて説明する。
【0075】
図7は、組合せ演算によって適量組合せとして選択された計量ホッパ96〜99から被計量物206〜209を搬送コンベヤ4に排出し、搬送コンベヤ4によって搬送終端4aまで搬送し、集合ゲート45を介して包装機19のシュート19aに投入するまでの動作の一例を示す概略図であり、図8は、図7のタイムチャートである。
【0076】
この例では、図7(a)に示すように、組合せ演算によって適量組合せとして選択された計量ホッパ96,97,98,99から被計量物206,207,208,209が搬送コンベヤ4上に排出される。この場合、最も上流側の計量ホッパ86の上流側の端部と最も下流側の計量ホッパ89の下流側の端部との距離は、計量ホッパ4個分であり、計量ホッパ5個分に対応する所定長さL1未満である。
【0077】
この場合は、搬送コンベヤ4によって最も下流側の被計量物209をその搬送終端4aから包装機19に直接投入してから最も上流側の被計量物206をその搬送終端から包装機19へ直接投入するまでに要する投入時間は、包装機19の上述の投入許可期間に対応する時間内に収まることになるので、集合ゲート10で被計量物を保持して投入時間を短縮する必要はない。しかしながら、包装機19の投入要求信号から投入の受入れの準備が整う準備時間に対応する上述の待機時間Tが経過した後に投入を開始する必要がある、すなわち、投入開始のタイミングを調整する必要がある。
【0078】
上述の図5及び図6の場合には、被計量物の投入時間を短くするために、集合ゲート45を閉じて下流寄りの被計量物を保持するようにしている。したがって、図5(c),(d)に示されるように、集合ゲート45を開いて包装機19への被計量物の投入を開始した時点では、被計量物が既に集合ゲート45に保持されている。
【0079】
これに対して、図7及び図8の場合は、集合ゲート45で被計量物を保持して投入時間を短縮する必要はなく、被計量物は、集合ゲート45に保持されない。
【0080】
このため、図7(a)に示すように、最も下流寄りの被計量物209を、搬送コンベヤ4の搬送終端4aから集合ゲート45までの距離L2を移送するのに要する移送時間T1を考慮するようにしている。
【0081】
具体的には、投入要求信号の受信から上述の待機時間Tが経過したときには、最も下流側の被計量物209が集合ゲート10の位置まで移送されているようにするために、待機時間Tから移送時間T1を減算した待ち時間(T−T1)が、経過したときに、搬送コンベヤ4の駆動を開始するようにしている。
【0082】
すなわち、図8(a)の投入要求信号に応答して、図8(c)に示すように、集合ゲート45を直ちに開く一方、搬送コンベヤ4は、図8(b)に示すように、投入要求信号の受信から前記待ち時間(T−T1)が経過した後、駆動を開始して搬送終端4aから被計量物を排出するようにしている。
【0083】
したがって、投入要求信号から待ち時間(T−T1)が経過すると、図7(b)に示されるように、搬送コンベヤ4の駆動が開始されて被計量物206,207,208,209が搬送され、搬送終端4aから排出され、図7(c)に示すように、開いている集合ゲート45を通過して包装機19に投入される。
【0084】
このように組合せ演算によって適量組合せに選択された計量ホッパ91,95,97,99の内、最も上流側の計量ホッパの上流側の端部と最も下流側の計量ホッパの下流側の端部との搬送方向に沿う距離が、所定長さL1未満であるときには、包装機19からの投入要求信号に応答して集合ゲート45を直ちに開く一方、包装機19の準備時間が経過して投入許可期間になったときに、最も下流側の被計量物209が包装機19に投入されるように、搬送コンベヤ4の駆動の開始を、待ち時間(T−T1)遅らせるので、上述の図5及び図6の場合と同様に、包装機19の投入許可期間の開始に応じたタイミングで、包装機19へ被計量物209の投入を開始し、投入許可期間内に全ての被計量物206,207,208,209を投入することができる。
【0085】
しかも、集合ゲート45では、被計量物206,207,208,209を全く保持しないので、被計量物が集合ゲート45で詰まって排出できないといった事態が生じることがない。
【0086】
以上のように、この実施形では、適量組合せに選択されて被計量物を排出する計量ホッパ91〜99の内、搬送方向の最も上流側の計量ホッパと最も下流側の計量ホッパとの搬送方向に沿う距離が、所定長さL1以上であるときには、包装機19への被計量物の投入時間を短縮し、前記搬送方向に沿う距離が所定長さL1未満であるときと同様に、包装機19の投入許可期間内に被計量物を投入することができる。
【0087】
したがって、包装機19の投入許可期間を、適量組合せに選択されて被計量物を排出する計量ホッパ91〜99の内、搬送方向の最も上流側の計量ホッパと最も下流側の計量ホッパとの搬送方向に沿う距離が、所定長さL1以上であるときを想定して長くしておく必要がない。これによって、包装機19の投入受入れのための待ち時間を短くして包装処理のサイクル時間を短縮することができ、その分、計量包装システム全体としての運転速度を高めて生産量を向上させることができる。
【0088】
しかも、集合ゲート10で被計量物が詰まるのを有効に防止することができる。
【0090】
(実施形態2)
図9は、本発明の他の実施形態に係る半自動式の組合せ秤の概略平面図であり、図10はその正面図であり、図11はその側面図であり、上述の図1図3に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0091】
この実施形態の組合せ秤1aでは、図9に示すように、天板6には、9個の投入口121〜129が直線状に列設され、各投入口121〜129の下方には、図10及び図11に示すように、それぞれ個別に対応する9個の計量ホッパ141〜149が配設され、更に、各計量ホッパ141〜149の下方には、前後方向(図11の左右方向、図9の上下方向)に、一対のメモリホッパ151〜159,161〜169が配設されている。
【0092】
計量ホッパ141〜149は、搬送コンベヤ4による被計量物の搬送方向に沿って直線状に一列に列設され、メモリホッパ151〜159,161〜169は、前記搬送方向に沿って直線状に二列に列設されている。
【0093】
基台5には、図11に示すように、各計量ホッパ141〜149に個別に連結されたロードセルからなる9個の計量センサ101〜109が格納されている。各計量センサ101〜109は、各投入口121〜129から各計量ホッパ141〜149に投入される被計量物の重量を計量する。
【0094】
各計量ホッパ141〜149は、図11に示すように、両開きの2個の排出用のゲート141a〜149a,141b〜149bをそれぞれ有している。これら2個のゲート141a〜149a,141b〜149bはそれぞれ独立して開閉が可能であり、どちらか一方のゲート141a〜149a(または141b〜149b)を開くことで、被計量物を一対のメモリホッパ151〜159,161〜169のいずれかのメモリホッパ151〜159(または161〜169)に選択的に供給できるように構成されている。
【0095】
各メモリホッパ151〜159,161〜169は、連動して開閉する一対の排出用のゲート151a〜159a,161a〜169aを有している。
【0096】
この実施形態の組合せ秤1aでは、計量ホッパ141〜149に供給された被計量物の重量を計量し、計量ホッパ141〜149の一方の排出用のゲート141a〜149a(または141b〜149b)を開くことで、被計量物を計量ホッパ141〜149から空のメモリホッパ151〜159,161〜169に落下させる。更に、一定の時間間隔の組合せ演算のタイミング時に、組合せ演算を行う。この組合せ演算では、メモリホッパ151〜159,161〜169の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せ合計重量が、目標組合せ重量に等しい、あるいは、目標組合せ重量に最も近い許容重量範囲内にある組合せを探し、組合せが成立すると、メモリホッパ151〜159,161〜169の排出用のゲート151a〜159a,161a〜169aの開閉を制御し、組合せで選択されたメモリホッパ151〜159,161〜169の被計量物を、搬送コンベヤ4に排出する。
【0097】
この実施形態では、組合せ演算によって適量組合せとして選択されたメモリホッパ151〜159,161〜169の搬送方向における位置に応じて、搬送コンベヤ4の駆動を制御すると共に、集合ゲート45の開閉を制御することによって、包装機からの投入要求信号に基づいて、前記投入許可期間内に、適量組合せのメモリホッパ151〜159,161〜169から排出された被計量物を包装機へ投入するようにしている。なお、前後方向の各一対のメモリホッパ151〜159,161〜169は、搬送方向における位置は同じ、例えば、手前側のメモリホッパ151と奥側のメモリホッパ161との搬送方向における位置は同じであるので、各一対のメモリホッパ151〜159,161〜169は、上述の実施形態の各計量室111a〜119a,111b〜119bにそれぞれ対応し、この実施形態においても、搬送方向に沿って9個の計量ホッパ91〜99が列設されている上述の実施形態と同様に考えることができる。
【0098】
したがって、この実施形態においても、上述の実施形態と同様に、適量組合せに選択されて被計量物を排出するメモリホッパ151〜159,161〜169の内、搬送方向の最も上流側のメモリホッパと最も下流側のメモリホッパとの搬送方向に沿う距離が、所定長さL1以上であるときには、包装機19への被計量物の投入時間を短縮し、前記搬送方向に沿う距離が所定長さL1未満であるときと同様に、包装機19の投入許可期間内に被計量物を投入することができる。
【0099】
(実施形態3)
図12は、本発明の更に他の実施形態に係る半自動式の組合せ秤の概略平面図であり、図13はその正面図であり、図14はその側面図であり、上述の図1図3に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0100】
この実施形態の組合せ秤1bの天板6には、図12に示すように、作業者が被計量物を掴んで投入するための複数、この例では、1列9個ずつ前後2列の合計18個の投入口121〜1218が左右方向に沿って直線状に列設されている。
【0101】
各投入口121〜1218の下方には、個別に対応する18個の計量ホッパ171〜1718が、左右方向に沿って直線状に列設され、基台5には、図14に示すように、各計量ホッパ171〜1718に個別に連結されたロードセルからなる18個の計量センサ101〜1018が格納されている。
【0102】
各計量センサ101〜1018は、各投入口121〜1218から各計量ホッパ171〜1718に投入される被計量物の重量を計量する。
【0103】
各計量ホッパ171〜1718は、図14に示すように、連動して開閉する一対の排出用のゲート171a〜1718aを有している。
【0104】
この実施形態の組合せ秤1bでは、一定の時間間隔の組合せ演算のタイミング時に、組合せ演算を行う。この組合せ演算では、各計量ホッパ171〜1718の被計量物の重量を種々に組合せ、組合せ合計重量が、目標組合せ重量に等しい、あるいは、目標組合せ重量に最も近い許容重量範囲内にある組合せを探し、組合せが成立すると、計量ホッパ171〜1718の排出用のゲート171a〜1718aの開閉を制御し、組合せで選択された計量ホッパ171〜1718,161〜169の被計量物を、搬送コンベヤ4に排出する。
【0105】
この実施形態では、組合せ演算によって適量組合せとして選択された計量ホッパ171〜1718の搬送方向における位置に応じて、搬送コンベヤ4の駆動を制御すると共に、集合ゲート45の開閉を制御することによって、包装機からの投入要求信号に基づいて、前記投入許可期間内に、適量組合せの計量ホッパ171〜1718から排出された被計量物を包装機へ投入するようにしている。
【0106】
なお、前後方向の各一対の計量ホッパ171〜179,1710〜1718は、搬送方向における位置は同じ、例えば、手前側の計量ホッパ171と奥側の計量ホッパ1710との搬送方向における位置は同じであるので、前後方向の各一対の計量ホッパ171〜179,1710〜1718は、上述の実施形態の各計量室111a〜119a,111b〜119bにそれぞれ対応し、この実施形態においても、搬送方向に沿って9個の計量ホッパ91〜99が列設されている上述の実施形態と同様に考えることができる。
【0107】
したがって、この実施形態においても、上述の実施形態と同様に、適量組合せに選択されて被計量物を排出する計量ホッパ171〜179,1710〜1718の内、搬送方向の最も上流側のメモリホッパと最も下流側のメモリホッパとの搬送方向に沿う距離が、所定長さL1以上であるときには、包装機19への被計量物の投入時間を短縮し、前記搬送方向に沿う距離が所定長さL1未満であるときと同様に、包装機19の投入許可期間内に被計量物を投入することができる。
【0108】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、被計量物の供給を人手によって行う半自動式の組合せ秤に適用して説明したけれども、本発明は、被計量物の供給を自動的に行う全自動式の組合せ秤に適用することもできる。
【符号の説明】
【0109】
1,1a,1b 組合せ秤
4 搬送コンベヤ
7 供給ホッパ
1〜99,141〜149,171〜1718 計量ホッパ
101〜1018 計量センサ
151〜159,161〜169 メモリホッパ
24 CPU部
19 包装機
45 集合ゲート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14