【実施例1】
【0017】
実施例1は、本発明のイヤリングに関する。
図1の(A)には、実施例1のイヤリングの模式的な正面図を示し、
図1の(B)には、実施例1のイヤリングの模式的な右側面図を示し、
図1の(C)には、実施例1のイヤリングを使用している状態を模式的な右側面図で示す。更には、
図2の(A)及び(B)に、実施例1のイヤリングの第1の部分を説明するための模式的な正面図及び右側面図を示し、
図2の(C)及び(D)に、実施例1のイヤリングの第2の部分を説明するための模式的な正面図及び右側面図を示し、
図2の(E)及び(F)に、実施例1のイヤリングの第3の部分を説明するための模式的な正面図及び右側面図を示す。尚、
図2の(A)及び(B)にあっては、第1の部分を実線で示し、その他の部分を点線で示す。また、
図2の(C)及び(D)にあっては、第2の部分を実線で示し、その他の部分を点線で示す。更には、
図2の(E)及び(F)にあっては、第3の部分を実線で示し、その他の部分を点線で示す。ここで、
図1に示したイヤリングと鏡像に関係にあるイヤリングとの一対(右耳用イヤリング及び左耳用イヤリング)が、実際の使用に供される。
【0018】
実施例1のイヤリングは、金属線材10、具体的には、弾性と硬度に富む特殊なアレルギーフリーの医療用ステンレス鋼、より具体的には、メンザニウム(MENZANIUM)から製造された線材から成る。そして、金属線材10は、第1の部分11、第1の部分11から連続した第2の部分12、及び、第2の部分12から連続した第3の部分13から構成され、第3の部分13で終端している。即ち、実施例1のイヤリングは、接続部がない1本の金属線材から構成されている。
【0019】
ここで、第1の部分11は、
図1の(A)及び(B)、並びに、
図2の(A)及び(B)に示すように、金属線材10の一端から、第1仮想平面内を螺旋状に外方に向かって3/4回転を越えて概ね最下点まで延びる。尚、第1仮想平面は、
図1の(A)にあっては紙面が該当し、
図1の(B)にあっては紙面に垂直な面が該当する。実施例1にあっては、より具体的には、第1の部分11は、その端部から垂直方向下方に延び始めて、第1仮想平面内を螺旋状に外方に向かって延び続け、1回転して最下点まで延びている。また、第2の部分12は、
図1の(A)及び(B)、並びに、
図2の(C)及び(D)に示すように、第1の部分11に対して、概ね90度捻られ、第2仮想平面内を上方に、且つ、第1仮想平面から離れる方向に、第1の部分11から延びる。尚、第2仮想平面は、
図1の(B)にあっては紙面が該当し、
図1の(A)にあっては紙面に垂直な面が該当する。より具体的には、実施例1にあっては、第2の部分12は、第1の部分11に対して、90度捻られている。尚、第1仮想平面と第2仮想平面とは、概ね90度(実施例1にあっては90度)にて交わっている。更には、第3の部分13は、
図1の(A)及び(B)、並びに、
図2の(E)及び(F)に示すように、第2仮想平面内を、第1仮想平面に近づく方向に、第2の部分12から螺旋状に内方に向かって延び、1/2回転を越えて、実施例1においては3/4回転して、終端する。第1の部分11及び第3の部分13は、例えば、クロソイド曲線に類似した曲線を描いている。
【0020】
そして、
図1の(C)に示すように、第1仮想平面内に位置する金属線材10の第1の部分11、及び、第3の部分13の第1仮想平面に最も近づいた部分13Aによって、耳たぶを挟む。
【0021】
実施例1のイヤリングにおいて、金属線材10の一端には係止部20、具体的には、装飾部材から成る係止部20が設けられている。ここで、装飾部材は、例えば、真珠から構成されている。より具体的には、係止部20に穴を開け、金属線材10の第1の部分11の端部をこの穴に挿入し、接着剤で固定すればよい。係止部20の大きさ、素材、形、色等は、任意に選択することができるが、係止部20を設けることで、装飾だけでなく、金属線材10の先端部と皮膚や耳たぶとの直接的な接触を防ぎ、安全性を高め、しかも、耳たぶとの密着の安定化を図ることができる。
【0022】
金属線材10の第1の部分11と第2の部分12の接続部分(折返し部)14は、滑らかな曲線で結ばれている。ここで、金属線材10の第1の部分11と第2の部分12の接続部分(折返し部)14を第2仮想平面に投影したとき得られる形状は、閉じた環状である(
図1の(B)参照)。即ち、金属線材10の第1の部分11と第2の部分12の接続部分(折返し部)14にあっては、金属線材10は、小さなループ状に巻き回されており、しかも、概ね90度捻られている。また、金属線材10の第2の部分12は、滑らかな曲線、例えば、円弧に類似した2つの曲線の組合せから構成されている(
図1の(B)参照)。
【0023】
実施例1のイヤリングの使用にあっては、
金属線材の第1の部分11が耳たぶの外側に位置するといった使用形態とすることができる。この状態にあっては、
図1の(C)において、第3の部分13の右側に使用者の頭部が位置する。あるいは又、
金属線材の第3の部分13が耳たぶの外側に位置するするといった使用形態とすることもできる。この状態にあっては、
図1の(C)において、第1の部分11の左側に使用者の頭部が位置する。このような使用形態によって、1つのイヤリングに2つのデザイン性を付与することができる。
【0024】
実施例1のイヤリングは、第1仮想平面内に位置する金属線材10の第1の部分11と、第3の部分13の第1仮想平面に最も近づいた部分13Aとの間の隙間を適度に広げ、この隙間に外耳(耳介、耳殻)の軟骨部を挿入し、イヤリングを下方に耳たぶまでスライドさせることで、イヤリングを耳たぶに装着することができる。尚、金属線材の硬度と弾性により、装着時に隙間を広げても、容易に元に戻る。イヤリングを取り外す際には、そのまま、耳たぶより下方に引き抜けばよい。そして、使用者に応じて、例えば、この隙間の広狭、イヤリング全体の大きさの最適化を図ればよい。
【0025】
実施例1のイヤリングの装着にあっては金属線材10の弾性を利用してはいるが、イヤリングそれ自身は、耳たぶの厚さに適応した状態を保っている。そのため、耳たぶへの圧迫感が殆ど無く、金属線材10の適度な弾性と耳たぶの弾力とによって、耳たぶへのイヤリングの装着、固定を確実に行うことができる。そして、第1仮想平面内に位置する金属線材10の第1の部分11、及び、第3の部分13の第1仮想平面に最も近づいた部分13Aによって、耳たぶを挟むので、使用者が装着したとき、圧迫感や痛みを感じ難い。また、金属線材の曲げ具合により、多様なデザインが可能である。しかも、耳たぶに穴を開けることなく、ピアスを装着したような外観を与えることができる。