(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突出部が、前記針状端子部の延長方向に突出して形成され且つ前記インナハウジング収容室の内壁面に当接されることを特徴とする請求項1に記載のジョイントコネクタ。
前記インナハウジング収容室には、前記インナハウジングの長手方向の両端側のそれぞれを押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のジョイントコネクタ。
前記インナハウジング収容室の内壁面と前記インナハウジングとの間に、前記複数本の針状端子部のそれぞれに貫通されるフェライトコアが設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のジョイントコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、
図1〜
図11を参照して説明する。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかるジョイントコネクタ1は、
図1に示すように、端子金具3と、前記端子金具3が収容されて相手方コネクタ(
図5に示す)62と嵌合されるコネクタハウジング2と、を備えている。
【0025】
端子金具3は、
図2および
図3に示すように、導電性の板金から構成され、プレス加工等によって櫛形状に形成されている。端子金具3は、
図5に示すサブハーネス61を構成する相手方コネクタ62の端子に電気的に接続される。端子金具3は、薄板状に形成されたバスバ28と、前記バスバ28から該バスバ28の長手方向に対して直交する方向に延長された針状端子部29と、前記バスバ28の両端から前記針状端子部29の延長方向に突出された突出部32と、を備えている。端子金具3は、
図4に示すように、前記バスバ28の厚さ方向に、一方の端子金具3aと、他方の端子金具3bとが平行して設けられている。
【0026】
バスバ28は、
図2および
図3に示すように、該バスバ28の長手方向に沿って複数個(図示例では、10個)の孔31が等間隔に開孔されている。バスバ28は、長方形状に形成されている。
【0027】
針状端子部29は、前記バスバ28の長手方向に沿って等間隔で複数本(図示例では、11本)設けられているとともに、互いに平行して設けられている。針状端子部29は、相手方コネクタ62の端子(雄型端子)に嵌入しやすいように、先端部が先細形状に形成されている。針状端子部29は、相手方コネクタ62がコネクタハウジング2と嵌合した際に、前記相手方コネクタの端子と電気的に接続される長さに形成されている。
【0028】
突出部32は、前記バスバ28の両端側から前記針状端子部29の延長方向に突出して形成されている。突出部32は、前記針状端子部29よりも幅広に形成されている。突出部32は、後述するインナハウジング5のバスバ圧入溝12に前記バスバ28を圧入した際に、該バスバ圧入溝12から僅かに突出する突出量で形成されている。
【0029】
なお、突出部32は、インナハウジング5をインナハウジング収容室38に押し込んだ際に、該インナハウジング収容室38の内壁面16と当接する突出量に形成されていれば良い。このため、内周面16に突出部32が当接し、バスバ28がバスバ圧入溝12に圧入されて、端子金具3が適正な取付位置とされる。
【0030】
また、突出部32を、前記バスバ28の長手方向の両端側を該長手方向に延長して形成しても良い。この場合には、後述するインナハウジング収容室38の内壁面16の形状が、前記突出部32の形状に沿って形成されていれば良い。
【0031】
コネクタハウジング2は、前記端子金具3が固定されるインナハウジング5と、前記インナハウジング5が収容されるアウタハウジング4と、を備えている。コネクタハウジング2は、ポリ塩化ビニル樹脂などの絶縁性の合成樹脂により形成されている。
【0032】
インナハウジング5は、前記端子金具3のバスバ28が圧入されて固定されるバスバ圧入溝12と、前記アウタハウジング4に係止される係止突起40と、を備えている。
【0033】
バスバ圧入溝12は、前記端子金具3のバスバ28の外形に沿って長方形状に形成されている。バスバ圧入溝12は、前記バスバ28が圧入された際に、該バスバ28に係合する幅に形成されている。バスバ圧入溝12は、
図4に示すように、前記一方の端子金具3aのバスバ28が圧入される一方のバスバ圧入溝12aと、前記他方の端子金具3bのバスバ28が圧入される他方のバスバ圧入溝12bと、を備えている。一方のバスバ圧入溝12aと他方のバスバ圧入溝12bとは、前記バスバ28の厚さ方向に平行して設けられている。
【0034】
係止突起40は、
図2および
図3に示すように、前記インナハウジング5の長手方向の両端側から突出して設けられている。係止突起40は、前記端子金具3の針状端子部29側に向かって徐々に突出量が減少して形成されている。
【0035】
アウタハウジング4は、相手方コネクタ62と嵌合される嵌合部9と、前記インナハウジング5を収容するインナハウジング収容室38と、を備えている。
【0036】
嵌合部9は、長方形状の筒状に形成されており、内周面に、相手方コネクタ62に嵌合される際の取付方向を規定するガイド部55が形成されている。嵌合部9には、前記相手方コネクタ62に設けられた図示しない係合手段と係合する係合部が設けられている。
【0037】
インナハウジング収容室38は、前記インナハウジング5が収容された際に、前記端子金具3の突出部32が当接する内壁面16と、前記インナハウジング5の長手方向の両端側を押圧する押圧部13と、を備えている。
【0038】
内壁面16は、前記インナハウジング収容室38と前記嵌合部9とを隔てる壁とされている。内壁面16には、前記端子金具3の針状端子部29が挿通する挿通孔18と、奇数番目の前記挿通孔18の周縁部から前記インナハウジング収容室38側に突出された突出部17と、が設けられている。
【0039】
挿通孔18は、前記針状端子部29が挿通される孔径の円形状に形成されている。挿通孔18は、前記一方の端子金具3aの針状端子部29が挿通する複数本(図示例では、11本)設けられているとともに、前記他方の端子金具3bの針状端子部29が挿通する複数本(図示例では、11本)設けられている。
【0040】
突出部17は、前記挿通孔18の周縁部に沿って円筒状に突出して形成されている。突出部17は、前記端子金具3のバスバ28に接触しない程度の突出量に形成されている。
【0041】
押圧部13は、前記内壁面16とともに前記インナハウジング収容室38を構成する壁面に設けられている。押圧部13には、
図3および
図4に示すように、前記インナハウジング収容室38の開口部側から前記内壁面16側に向かって切り欠いた一対のスリット51,51と、前記インナハウジング5の係止突起40に係止する係止突起14と、が設けられている。
【0042】
一対のスリット51,51は、前記インナハウジング収容室38の開口部から中間部近傍にまで形成されている。一対のスリット51,51は、前記インナハウジング収容室38の互いに対向する壁面のそれぞれに設けられている。このため、前記押圧部13が可撓性を有する。
【0043】
係止突起14は、前記インナハウジング収容室38の内側に向かって突出して形成されている。係止突起14は、前記インナハウジング収容室38の互いに対向する壁面のそれぞれに設けられている。係止突起14は、前記開口部側に向かって徐々に突出量が減少して形成されている。係止突起14は、前記インナハウジング5の長手方向の両端部に当接する突出量で形成されている。
【0044】
このため、インナハウジング5の両端部に当接した係止突起14によって、押圧部13がインナハウジング収容室38の外側に弾性変形され、弾性変形された押圧部13の弾性回復力によって前記係止突起14を前記インナハウジング5の両端部に押し当てる。よって、インナハウジング収容室38内でのインナハウジング5の移動が規制される。
【0045】
次に、前述の如く構成されたジョイントコネクタ1の組立方法について説明する。なお、ジョイントコネクタ1を構成するアウタハウジング4と、インナハウジング5と、端子金具3a,3bとは、それぞれ予め製造される。
【0046】
図4に示すように、インナハウジング5のバスバ圧入溝12a,12bに端子金具3a,3bのバスバ28を圧入して嵌合させて固定し、インナハウジング5をアウタハウジング4のインナハウジング収容室38内に押し込む。このとき、前記端子金具3a,3bのそれぞれの針状端子部29がインナハウジング収容室38の内壁面16の挿通孔18を挿通する。
【0047】
次に、インナハウジング5をインナハウジング収容室38内に完全に押し込む。このとき、前記端子金具3a,3bのバスバ28の突出部32が前記内壁面16に当接するとともに、インナハウジング5の係止突起40が前記インナハウジング収容室38の係止突起14を乗り越えて該係止突起14と係止する。
【0048】
このとき、内壁面16に当接した突出部32によってバスバ28がバスバ圧入溝12に完全に圧入し、係止突起14が押圧部13の弾性回復力によってインナハウジング5を押圧する。このようにして、ジョイントコネクタ1を組み立てる。
【0049】
このようにして組み立てられたジョイントコネクタ1は、
図5に示すように、サブハーネス61を構成する複数本(図示例では、22本)の電線63と該電線63の端末に設けられた雄型の相手方コネクタ62に接続される。このとき、相手方コネクタ62の端子と、ジョイントコネクタ1の端子金具3とが電気的に接触して接続される。
【0050】
本実施形態によれば、ジョイントコネクタ1は、端子金具3と、前記端子金具3が収容されて相手方コネクタ62と嵌合されるコネクタハウジング2と、を備え、前記端子金具3が、バスバ28と、前記バスバ28の長手方向に互いに間隔をあけて該バスバ28の長手方向に対して直交する方向に延長された複数本の針状端子部29と、を備え、前記コネクタハウジング2が、前記バスバ28が圧入されて固定されるバスバ圧入溝12が設けられたインナハウジング5と、前記インナハウジング5が収容されるインナハウジング収容室38が設けられたアウタハウジング4と、を備え、かつ、前記端子金具3には、前記バスバ28の両端側のそれぞれに突出部32が設けられている。
【0051】
このため、ジョイントコネクタ1は、端子金具3をインナハウジング5に固定し、該インナハウジング5をアウタハウジング4に収容するため、インナハウジング5とアウタハウジング4との間の遊びができる。このため、インナハウジング5に固定された端子金具3の取付位置に誤差を生じたとしても、相手方コネクタ62とジョイントコネクタ1とを接続した際に、前記遊びによって前記誤差が緩和され、前記相手方コネクタ62の端子と前記ジョイントコネクタ1の端子金具3とを良好に接触することができる。
【0052】
また、ジョイントコネクタ1は、端子金具3をインナハウジング5に圧入して固定するため、簡易な構造とすることができ、容易に成形することができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、前記突出部32が、前記針状端子部29の延長方向に突出して形成され且つ前記インナハウジング収容室38の内壁面16に当接される。
【0054】
このため、ジョイントコネクタ1は、インナハウジング収容室38の内壁面16に当接する突出部32を端子金具3に設けたため、インナハウジング5をインナハウジング収容室38に押し込んだ際に、該インナハウジング収容室38の内壁面16に前記突出部32が当接して、前記インナハウジング5のバスバ圧入溝12にバスバ28を完全に圧入する。このため、インナハウジング5に固定された端子金具3の取付位置を適正な位置とすることができる。よって、相手方コネクタ62の端子と前記ジョイントコネクタ1の端子金具3とを確実に接触することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、ジョイントコネクタ1は、前記インナハウジング収容室38には、前記インナハウジング5の長手方向の両端側のそれぞれを押圧する押圧部13が設けられている。
【0056】
このため、ジョイントコネクタ1は、アウタハウジング4のインナハウジング収容室38でインナハウジング5の両端側を押圧するため、前記インナハウジング収容室38内での前記インナハウジング5の移動が規制されて、前記アウタハウジング4と前記インナハウジング5との間の遊びが過大とならないように規制することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、ジョイントコネクタ1は、前記押圧部13には、前記インナハウジング5に係止される係止突起14が設けられている。
【0058】
このため、ジョイントコネクタ1は、押圧部13に係止突起14を設けたため、係止手段を別部材として新たに形成する場合よりも構造を簡略化することができる。よって、容易に成形することができる。
【0059】
なお、前記インナハウジング収容室38の内壁面16と前記インナハウジング5との間に、前記複数本の針状端子部29のそれぞれに貫通されるフェライトコア(
図8ないし
図11に示す)10を設け、相手方コネクタと端子金具との接続によって形成される回路のノイズを除去するようにしても良い。
【0060】
(第二の実施形態)
次に、本発明にかかるジョイントコネクタ1の第二の実施形態について、
図6および
図7を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
ジョイントコネクタ1は、
図6および
図7に示すように、端子金具3と、前記端子金具3が圧入されて固定されるインナハウジング5と、前記インナハウジング5を収容するアウタハウジング4と、を備えている。
【0062】
インナハウジング5には、バスバ圧入溝12が設けられている。バスバ圧入溝12には、該バスバ圧入溝12の底部12aが幅狭とされる第一傾斜面41が設けられている。
【0063】
第一傾斜面41は、前記バスバ圧入溝12の長手方向の両端部のそれぞれに設けられている。第一傾斜面41は、前記バスバ圧入溝12の開口部から底面12aに向かって徐々に該バスバ圧入溝12の開口幅が減少する傾斜に形成されている。第一傾斜面41は、直線状に形成されている。
【0064】
端子金具3は、バスバ28と針状端子部29とを備えている。バスバ28には、前記バスバ圧入溝12の第一傾斜面41に相対する第二傾斜面33が設けられている。
【0065】
第二傾斜面33は、前記バスバ28の長手方向の両端部のそれぞれに設けられている。第二傾斜面33は、前記バスバ28の長手方向の幅が、前記針状端子部29側が幅広となる傾斜に形成されている。第二傾斜面33は、直線状に形成されている。第二傾斜面33は、前記第一傾斜面41の長さと略同一の長さに形成されている。
【0066】
次に、前述の如く構成されたジョイントコネクタ1の組立方法について説明する。
【0067】
まず、端子金具3のバスバ28をインナハウジング5のバスバ圧入溝12に圧入する。このとき、バスバ圧入溝12の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた第一傾斜面41,41と、端子金具3のバスバ28の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた第二傾斜面33,33とが相対して、前記バスバ28を適正な取付位置に案内する。
【0068】
次いで、インナハウジング5をアウタハウジング4のインナハウジング収容室38内に押し込む。このとき、前記端子金具3の針状端子部29がインナハウジング収容室38の内壁面16の挿通孔18を挿通する。
【0069】
次いで、インナハウジング5をインナハウジング収容室38内に完全に押し込む。このとき、前記端子金具3のバスバ28の突出部32が前記内壁面16に当接するとともに、インナハウジング5の係止突起40が前記インナハウジング収容室38の係止突起14を乗り越えて該係止突起14と係止する。
【0070】
このとき、係止突起14が押圧部13の弾性回復力によってインナハウジング5を押圧する。そして、内壁面16に当接した突出部32によってバスバ28がバスバ圧入溝12に圧入されて前記第一傾斜面41,41と前記第二傾斜面33,33とが相対して、前記バスバ28を適正な取付位置に正確に案内する。このようにして、ジョイントコネクタ1を組み立てる。
【0071】
本実施形態によれば、ジョイントコネクタ1は、バスバ圧入溝12には、該バスバ圧入溝12の底部12aが幅狭とされる第一傾斜面41が設けられ、かつ、前記バスバ28には、前記第一傾斜面41に相対する第二傾斜面33が設けられている。
【0072】
このため、ジョイントコネクタ1は、バスバ28をバスバ圧入溝12に圧入した際に、該バスバ12が前記第一傾斜面41に沿って摺動して、底部12aに前記バスバ28が案内される。このため、バスバ28をバスバ圧入溝12の適正な取付位置により高精度に配置することができる。
【0073】
なお、前記インナハウジング収容室38の内壁面16と前記インナハウジング5との間に、前記複数本の針状端子部29のそれぞれに貫通されるフェライトコア(
図8ないし
図11に示す)10を設け、相手方コネクタと端子金具との接続によって形成される回路のノイズを除去するようにしても良い。
【0074】
(第三の実施形態)
次に、本発明にかかるジョイントコネクタ1の第三の実施形態について、
図8および
図9を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
ジョイントコネクタ1は、
図8および
図9に示すように、端子金具3と、端子金具3に設けられるフェライトコア10と、前記端子金具3と前記フェライトコア10とを保持するインナハウジング5と、前記インナハウジング5を収容するアウタハウジング4と、を備えている。
【0076】
端子金具3は、バスバ28と、前記バスバ28から延長された複数本(図示例では、11本)の針状端子部29と、前記バスバ28の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた突出部32と、を備えている。
【0077】
バスバ28は、前述した第一の実施形態および第二の実施形態の端子金具3のバスバの短手方向の幅が約半分の幅に形成されている。
【0078】
針状端子部29は、前述した第一の実施形態および第二の実施形態の端子金具3の針状端子部の長さの約二倍の長さに形成されている。
【0079】
突出部32は、インナハウジング収容室38の内壁面16に当接する突出量で形成されている。
【0080】
フェライトコア10は、直方体形状に形成され、前記端子金具3の針状端子部29が貫通する貫通孔11が設けられている。フェライトコア10は、複数個(図示例では、11個)形成されており、何れも同一寸法、同一形状に形成されている。フェライトコア10は、後述する第一インナハウジング6の第一収容室に収容される第一フェライトコア10aと、第二インナハウジング7の第二収容室に収容される第二フェライトコア10bと、を備えている。フェライトコア10a,10bは、高周波ノイズを除去する所謂フェライトコアとされ、公知の金属酸化物の強磁性体から構成され、公知の製法によって製造されている。
【0081】
第一フェライトコア10aは、図示例では、6個形成されている。第二フェライトコア10bは、図示例では、5個形成されている。
【0082】
貫通孔11は、端子金具3aの針状端子部29が貫通する貫通孔と、端子金具3bの針状端子部29が貫通する貫通孔と、を備えている。貫通孔11は、前記端子金具3a,3bの針状端子部29が挿通される孔径の円形状に形成されている。
【0083】
インナハウジング5は、前記端子金具3と前記第一フェライトコア10aとを保持する第一インナハウジング6と、前記第二フェライトコア10bを保持する第二インナハウジング7と、を備えている。
【0084】
第一インナハウジング6は、前記端子金具3のバスバ28が圧入されて固定されるバスバ圧入溝12と、前記バスバ圧入溝12の開口部側に設けられて前記第一フェライトコア10aが収容される第一収容室15と、アウタハウジング4に係止される係止突起40と、を備えている。
【0085】
第一収容室15は、前記バスバ圧入溝12に連通して形成されている。第一収容室15は、前記バスバ圧入溝12の長手方向に沿って複数(図示例では、6つ)設けられている。第一収容室15は、前記端子金具3の針状端子部29の端子間距離の二倍の間隔で設けられている。第一収容室15は、一端から奇数番目の針状端子部29aに貫通される位置に設けられている。
【0086】
第二インナハウジング7は、前記第二フェライトコア10bが収容される第二収容室21と、前記端子金具3の針状端子部29が挿通される挿通孔23と、前記挿通孔23の周縁部から突出された突出部24と、を備えている。
【0087】
第二収容室21は、前記第二インナハウジング7の長手方向に沿って複数(図示例では、5つ)設けられている。第二収容室21は、前記端子金具3の針状端子部29の端子間距離の二倍の間隔で設けられている。第二収容室21は、一端から偶数番目の針状端子部29bに貫通される位置に設けられている。第二収容室21には、一端から偶数番目の針状端子部29bが挿通する挿通孔22が設けられている。
【0088】
挿通孔22は、一方の端子金具3aの偶数番目の針状端子部29bが挿通される挿通孔と、他方の端子金具3bの偶数番目の針状端子部29bが挿通される挿通孔と、を備え、合計で10本設けられている。挿通孔22は、前記針状端子部29が挿通される孔径の円形状に形成されている。
【0089】
挿通孔23は、前記第二インナハウジング7の長手方向に沿って複数本(図示例では、6本)設けられている。挿通孔23は、前記第二インナハウジング7の長手方向に沿って、前記端子金具3の針状端子部29の端子間距離の二倍の間隔で設けられている。挿通孔23は、一端から奇数番目の針状端子部29aに挿通される位置に設けられている。挿通孔23は、一方の端子金具3aの奇数番目の針状端子部29aが挿通される挿通孔と、他方の端子金具3bの奇数番目の針状端子部29aが挿通される挿通孔と、を備え、合計で12本設けられている。挿通孔23は、前記針状端子部29が挿通される孔径の円形状に形成されている。
【0090】
突出部24は、前記挿通孔23の前記第一インナハウジング6側の周縁部に沿って円筒状に突出して形成されている。突出部24は、前記第一収容室15に収容された第一フェライトコア10aに当接する突出量あるいは該第一フェライトコア10aの近傍にまで突出した突出量で形成されている。なお、突出部24は、第一フェライトコア10aのガタツキを抑える突出量に形成されていればよい。突出部24は、前記挿通孔23の一端側に設けられているため、合計で12個設けられている。
【0091】
アウタハウジング4は、前記相手方コネクタ62と嵌合する嵌合部9と、前記第一インナハウジング6と前記第二インナハウジング7とを収容するインナハウジング収容室38と、を備えている。
【0092】
インナハウジング収容室38は、前記嵌合部9側の内周面としての内壁面16と、前記インナハウジング収容室38の側面に設けられて前記第一インナハウジング6の長手方向の両端部を押圧する押圧部13と、を備えている。
【0093】
内壁面16は、前記インナハウジング収容室38の長手方向の両端側が、前記インナハウジング収容室38の開口部側に膨出されて形成されている。このため、前記インナハウジング収容室38が凸状に形成されている。内壁面16には、前記端子金具3の奇数番目の針状端子部29aが挿通される挿通孔19と、前記端子金具3の偶数番目の針状端子部29bが挿通される挿通孔18と、前記挿通孔18の周縁部から突出された突出部17と、が設けられている。
【0094】
挿通孔19は、前記アウタハウジング4の長手方向に沿って、前記端子金具3の針状端子部29の端子間距離の二倍の間隔で設けられている。挿通孔19は、一端から奇数番目の針状端子部29aに挿通される位置に設けられている。挿通孔19は、一方の端子金具3aの奇数番目の針状端子部29aが挿通される挿通孔と、他方の端子金具3bの奇数番目の針状端子部29aが挿通される挿通孔と、を備え、合計で12本設けられている。挿通孔19は、前記針状端子部29が挿通される孔径の円形状に形成されている。
【0095】
挿通孔18は、前記アウタハウジング4の長手方向に沿って、前記端子金具3の針状端子部29の端子間距離の二倍の間隔で設けられている。挿通孔18は、一端から偶数番目の針状端子部29bに挿通される位置に設けられている。挿通孔18は、一方の端子金具3aの偶数番目の針状端子部29bが挿通される挿通孔と、他方の端子金具3bの偶数番目の針状端子部29bが挿通される挿通孔と、を備え、合計で10本設けられている。挿通孔18は、前記針状端子部29が挿通される孔径の円形状に形成されている。
【0096】
突出部17は、前記挿通孔18の前記インナハウジング収容室38側の周縁部に沿って円筒状に突出して形成されている。突出部17は、前記第二収容室21に収容された第二フェライトコア10bに当接する突出量あるいは該第二フェライトコア10bの近傍にまで突出する突出量で形成されている。なお、突出部17は、第二フェライトコア10bのガタツキを抑える突出量に形成されていればよい。突出部17は、前記挿通孔18の一端側に設けられているため、合計で10個設けられている。
【0097】
次に、前述の如く構成されたジョイントコネクタ1の組立方法について説明する。なお、ジョイントコネクタ1を構成するアウタハウジング4と、第一インナハウジング6と、第二インナハウジング7と、端子金具3a,3bと、第一フェライトコア10aと、第二フェライトコア10bとは、それぞれ予め製造される。
【0098】
まず、端子金具3a,3bのバスバ28を第一インナハウジング6のバスバ圧入溝12に圧入し、第一フェライトコア10aに前記端子金具3a,3bの一端から奇数番目の針状端子部29aを貫通させて、前記第一フェライトコア10aを第一収容室15に収容する。
【0099】
次いで、第二インナハウジングを第一インナハウジングに重ねる。このとき、前記端子金具3a,3bの一端から奇数番目の針状端子部29aが挿通孔23を挿通するとともに該端子金具3a,3bの一端から偶数番目の針状端子部29bが挿通孔22を挿通し、且つ、前記一端から偶数番目の針状端子部29bが第二収容室21を貫通する。
【0100】
次いで、第二フェライトコア10bに前記端子金具3a,3bの一端から偶数番目の針状端子部29bを貫通させて、前記第二フェライトコア10bを第二収容室21に収容する。
【0101】
次いで、第一インナハウジング6と第二インナハウジング7とをインナハウジング収容室38内に押し込む。このとき、このとき、前記端子金具3a,3bの一端から奇数番目の針状端子部29aが挿通孔19を挿通するとともに該端子金具3a,3bの一端から偶数番目の針状端子部29bが挿通孔18を挿通する。
【0102】
次いで、第一インナハウジング6と第二インナハウジング7とをインナハウジング収容室38内に完全に押し込む。このとき、前記端子金具3a,3bのバスバ28の突出部32が内壁面16に当接するとともに、第一インナハウジング6の係止突起40が前記インナハウジング収容室38の係止突起14を乗り越えて該係止突起14と係止する。
【0103】
このとき、係止突起14が押圧部13の弾性回復力によって第一インナハウジング6を押圧する。そして、内壁面16に当接した突出部32によってバスバ28がバスバ圧入溝12に圧入されて、前記バスバ28が適正な取付位置となる。このようにして、ジョイントコネクタ1を組み立てる。
【0104】
本実施形態によれば、ジョイントコネクタ1は、前記インナハウジングが、第一フェライトコアが収容される第一収容室が設けられた第一インナハウジングと、第二フェライトコアが収容される第二収容室が設けられた第二インナハウジングと、を備え、かつ、前記第一収容室と前記第二収容室とが、前記複数本の針状端子部のそれぞれに交互に設けられている。
【0105】
このため、ジョイントコネクタ1は、第一収容室15と第二収容室21とが複数本の針状端子部29のそれぞれに交互に設けられているため、第一フェライトコア10aと第二フェライトコア10bとを小型化することなく使用できる。よって、第一フェライトコア10aと第二フェライトコア10bとの汎用性が維持されて、専用品のフェライトコア10を用いる場合よりも費用を抑えることができる。
【0106】
また、第一収容室15と第二収容室21とが複数本の針状端子部29のそれぞれに交互に設けられているため、端子金具3の針状端子部29の端子間距離を変更することなく使用できる。このため、専用品の端子金具3を用いることなく相手方コネクタ62の端子と接続することができる。
【0107】
(第四の実施形態)
次に、本発明にかかるジョイントコネクタ1の第四の実施形態について、
図10および
図11を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同一部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】
ジョイントコネクタ1は、
図10および
図11に示すように、端子金具3と、端子金具3に設けられるフェライトコア10と、前記端子金具3と前記フェライトコア10とを保持するインナハウジング5と、前記インナハウジング5を収容するアウタハウジング4と、を備えている。
【0109】
端子金具3は、バスバ28と、前記バスバ28から延長された複数本(図示例では、11本)の針状端子部29と、前記バスバ28の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた突出部32と、前記バスバ28の両端部のそれぞれに設けられた第二傾斜面33を備えている。
【0110】
第二傾斜面33は、バスバ圧入溝12の第一傾斜面41に相対して形成されている。第二傾斜面33は、前記バスバ28の長手方向の両端部のそれぞれに設けられている。第二傾斜面33は、前記バスバ28の長手方向の幅が、前記針状端子部29側が幅広となる傾斜に形成されている。第二傾斜面33は、直線状に形成されている。第二傾斜面33は、前記第一傾斜面41の長さと略同一の長さに形成されている。
【0111】
インナハウジング5は、前記端子金具3と前記第一フェライトコア10aとを保持する第一インナハウジング6と、前記第二フェライトコア10bを保持する第二インナハウジング7と、を備えている。
【0112】
第一インナハウジング6は、前記端子金具3のバスバ28が圧入されて固定されるバスバ圧入溝12と、前記バスバ圧入溝12の開口部側に設けられて前記第一フェライトコア10aが収容される第一収容室15と、アウタハウジング4に係止される係止突起40と、を備えている。
【0113】
バスバ圧入溝12には、該バスバ圧入溝12の底部12aが幅狭とされる第一傾斜面41が設けられている。第一傾斜面41は、前記バスバ圧入溝12の長手方向の両端部のそれぞれに設けられている。第一傾斜面41は、前記バスバ圧入溝12の開口部から底面12aに向かって徐々に該バスバ圧入溝12の開口幅が減少する傾斜に形成されている。第一傾斜面41は、直線状に形成されている。
【0114】
次に、前述の如く構成されたジョイントコネクタ1の組立方法について説明する。
【0115】
まず、端子金具3a,3bのバスバ28を第一インナハウジング6のバスバ圧入溝12に圧入し、第一フェライトコア10aに前記端子金具3a,3bの一端から奇数番目の針状端子部29を貫通させて、前記第一フェライトコア10aを第一収容室15に収容する。このとき、バスバ圧入溝12の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた第一傾斜面41,41と、端子金具3のバスバ28の長手方向の両端部にそれぞれ設けられた第二傾斜面33,33とが相対して、前記バスバ28を適正な取付位置に案内する。
【0116】
次いで、第二インナハウジングを第一インナハウジングに重ねる。このとき、前記端子金具3a,3bの一端から奇数番目の針状端子部29が挿通孔23を挿通するとともに該端子金具3a,3bの一端から偶数番目の針状端子部29が挿通孔22を挿通し、且つ、前記一端から偶数番目の針状端子部29が第二収容室21を貫通する。
【0117】
次いで、第二フェライトコア10bに前記端子金具3a,3bの一端から偶数番目の針状端子部29を貫通させて、前記第二フェライトコア10bを第二収容室21に収容する。
【0118】
次いで、第一インナハウジング6と第二インナハウジング7とをインナハウジング収容室38内に押し込む。このとき、このとき、前記端子金具3a,3bの一端から奇数番目の針状端子部29aが挿通孔19を挿通するとともに該端子金具3a,3bの一端から偶数番目の針状端子部29bが挿通孔18を挿通する。
【0119】
次いで、第一インナハウジング6と第二インナハウジング7とをインナハウジング収容室38内に完全に押し込む。このとき、前記端子金具3a,3bのバスバ28の突出部32が内壁面16に当接するとともに、第一インナハウジング6の係止突起40が前記インナハウジング収容室38の係止突起14を乗り越えて該係止突起14と係止する。
【0120】
このとき、係止突起14が押圧部13の弾性回復力によって第一インナハウジング6を押圧する。そして、内壁面16に当接した突出部32によってバスバ28がバスバ圧入溝12に圧入されて前記第一傾斜面41,41と前記第二傾斜面33,33とが相対して、前記バスバ28を正確に適正な取付位置とする。このようにして、ジョイントコネクタ1を組み立てる。
【0121】
本実施形態によれば、ジョイントコネクタ1は、バスバ圧入溝12には、該バスバ圧入溝12の底部12aが幅狭とされる第一傾斜面41が設けられ、前記バスバ28には、前記第一傾斜面41に相対する第二傾斜面33が設けられ、第一フェライトコア10aが収容される第一収容室15が設けられた第一インナハウジング6と、第二フェライトコア10bが収容される第二収容室21が設けられた第二インナハウジング7と、を備え、かつ、前記第一収容室15と前記第二収容室21とが、複数本の針状端子部29のそれぞれに交互に設けられている。
【0122】
このため、ジョイントコネクタ1は、バスバ28をバスバ圧入溝12に圧入した際に、該バスバ12が前記第一傾斜面41に沿って摺動して、底部12aに前記バスバ28が案内される。よって、バスバ28をバスバ圧入溝12の適正な取付位置により高精度に配置することができる。
【0123】
また、ジョイントコネクタ1は、第一収容室15と第二収容室21とが複数本の針状端子部29のそれぞれに交互に設けられているため、第一フェライトコア10aと第二フェライトコア10bとを小型化することなく使用できる。このため、第一フェライトコア10aと第二フェライトコア10bとの汎用性が維持されて、専用品のフェライトコア10を用いる場合よりも費用を抑えることができる。
【0124】
また、ジョイントコネクタ1は、第一収容室15と第二収容室21とが複数本の針状端子部29のそれぞれに交互に設けられているため、端子金具3a,3bの針状端子部29の端子間距離を変更することなく使用できる。このため、専用品の端子金具3を用いることなく相手方コネクタ62の端子と接続することができる。