(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記記憶部が記憶した値は、上記光源に流した電流の値と、上記光源が放射する光の光束及び色度座標及び相関色温度のうち少なくともいずれかとの関係を表わすことを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、
図1〜
図6を用いて説明する。
なお、複数ある要素について、符号の後ろにアルファベットを付して区別する場合がある。
【0009】
図1は、この実施の形態における照明装置800の構成を示すブロック構成図である。
照明装置800(LED照明装置)は、商用電源などの電源ACから供給される電力により、LEDや有機ELなどの光源を点灯する。照明装置800は、放射する光の相関色温度などを変えることができる。照明装置800は、例えばリモコンなどの指示装置810から指示信号を入力し、入力した指示信号にしたがって、放射する光の相関色温度などを変化させる。照明装置800は、例えば、光源モジュール100と、点灯装置200と、ハーネス290とを有する。
【0010】
ハーネス290(接続ハーネス部、連結部)は、光源モジュール100と点灯装置200との間を物理的・電気的に接続(連結)する。ハーネス290は、例えば、2つのコネクタ291,292と、ケーブル293とを有する。ケーブル293は、2つのコネクタ291,292の間を物理的・電気的に接続している。なお、ハーネス290は、点灯装置200あるいは光源モジュール100と一体に形成されたものであってもよい。
【0011】
光源モジュール100(LEDモジュール)は、例えば、プリント配線板(基板)と、その上に実装された電子部品などの部品とによって構成されている。光源モジュール100は、複数の光源回路110と、記憶部120と、コネクタ180とを有する。
光源回路110は、1つ以上の光源を有する。光源回路110は、点灯装置200から供給される電力により光源を点灯させるための回路である。光源回路110は、例えば、複数の光源が直列に電気接続された回路である。光源回路110は、光源が放射した光を放射する。1つの光源回路110が放射する光は、他の光源回路110が放射する光と、色度座標が異なる。例えば、光源回路110aは、相関色温度が約5000Kの昼白色の光を放射する光源(第一LED群)を有し、光源回路110bは、相関色温度が約3000Kの電球色の光を放射する光源(第二LED群)を有する。照明装置800は、複数の光源回路110が放射した光を混合した光を放射する。照明装置800は、光源回路110aの光源が放射する光の強さと、光源回路110bの光源が放射する光の強さとを調整して、放射する光の相関色温度などを変化させる。照明装置800は、例えば、3000K〜5000Kの間で指示された相関色温度の光を放射する。なお、1つの光源回路110に複数の光源が含まれる場合、そのなかに色度座標の異なる光源が含まれていてもよいし、1つの光源回路110に含まれる複数の光源は、色度座標がほぼ同じであってもよい。
記憶部120(メモリ装置)は、データ(値)を記憶し、電源の供給がなくても記憶したデータを保持し、記憶したデータを電気的に読み出すことができる。記憶部120は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリ、ディップスイッチやジャンパー線、半固定抵抗などである。EEPROMなどの不揮発性メモリは、データを電気的に書き込むことができ、比較的大量のデータを記憶できるので、望ましい。記憶部120は、光源回路110の光源の特性に基づくデータを記憶している。光源の特性とは、例えば、光源が放射する光の光束、相関色温度、色度座標などである。1つの光源回路110に複数の光源が含まれている場合、記憶部120が記憶しているデータは、1つの光源回路110に含まれる光源の特性を総合した全体としての特性に基づくものである。光源の特性は、製造誤差などの影響により、個々の光源ごとにバラツキがある。そこで、光源モジュール100の組立後、光源回路110の光源を実際に点灯させて、光源の特性を測定する。記憶部120が記憶しているデータは、このようにして実測した光源の特性に基づいて算出されたものである。
コネクタ180は、ハーネス290のコネクタ291と係合して物理的・電気的に接続する。コネクタ180は、複数の光源回路110及び記憶部120と、それぞれ電気接続している。それぞれの光源回路110は、コネクタ180に接続したハーネス290を介して、点灯装置200から電力の供給を受ける。また、点灯装置200は、コネクタ180に接続したハーネス290を介して、記憶部120が記憶したデータを読み出す。
【0012】
点灯装置200(LED電源装置)は、電源ACから供給された電力を、それぞれの光源回路110に供給する電力(直流電力)に変換する。点灯装置200は、例えば、複数の電源回路210と、制御回路220と、コネクタ280とを有する。
電源回路210(直流電源回路)は、例えばスイッチング電源回路であり、電源ACから供給された電力を、光源回路110に供給する電力に変換する。電源回路210aは、光源回路110aに供給する電力を生成し、電源回路210bは、光源回路110bに供給する電力を生成する。それぞれの電源回路210は、出力電流がそれぞれの電流目標値に一致するよう動作(定電流制御)する。例えば、電源回路210は、内蔵するスイッチング素子のオン時間を制御することにより、出力電流を調整する。それぞれの電源回路210は、制御回路220から電流目標値を指示する制御信号を入力し、入力した制御信号にしたがって動作する。
制御回路220(制御装置)は、指示装置810からの指示信号と、記憶部120が記憶したデータとに基づいて、電源回路210を制御する。制御回路220は、例えば、マイコンである。制御回路220は、例えば、指示取得部221と、読出部222と、目標値算出部223と、制御部224とを有する。指示取得部221は、指示装置810が出力した指示信号を入力する。読出部222は、記憶部120が記憶したデータを読み出す。目標値算出部223は、指示取得部221が入力した指示信号と、記憶部120が記憶したデータとに基づいて、それぞれの光源回路110を流れる電流の目標値を算出する。制御部224は、目標値算出部223が算出した電流目標値を表わす制御信号を生成し、出力する。
コネクタ280(光源接続部)は、ハーネス290のコネクタ292と係合して物理的・電気的に接続する。コネクタ280は、複数の電源回路210及び制御回路220と、それぞれ電気接続している。電源回路210aが生成した電力は、コネクタ280に接続したハーネス290を介して、光源回路110aに供給される。電源回路210bが生成した電力は、コネクタ280に接続したハーネス290を介して、光源回路110bに供給される。読出部222は、コネクタ280に接続したハーネス290を介して、記憶部120が記憶したデータを読み出す。
【0013】
図2は、この実施の形態における記憶部120が記憶しているデータの構造を示す図である。
記憶部120は、例えば、複数のレコード410を記憶している。それぞれのレコード410は、相関色温度データ411と、複数の電流目標値データ413とを含む。相関色温度データ411は、照明装置800が放射する光の相関色温度を表わす。電流目標値データ413は、照明装置800が放射する光の相関色温度を、相関色温度データ411が表わす相関色温度にするために、光源回路110に流すべき電流の目標値を表わす。電流目標値データ413aは、光源回路110aに流すべき電流の目標値を表わし、電流目標値データ413bは、光源回路110bに流すべき電流の目標値を表わす。
例えば、レコード410aは、光源回路110aを流れる電流を0mA、光源回路110bを流れる電流を450mAにしたとき、照明装置800が放射する光の相関色温度が3000Kになることを表わす。レコード410bは、光源回路110aを流れる電流を200mA、光源回路110bを流れる電流を250mAにしたとき、照明装置800が放射する光の相関色温度が4000Kになることを表わす。レコード410cは、光源回路110aを流れる電流を450mA、光源回路110bを流れる電流を0mAにしたとき、照明装置800が放射する光の相関色温度が5000Kになることを表わす。
なお、記憶部120が記憶しているデータの構造は、一例であり、他の構造であってもよい。例えば、それぞれのレコード410に対応する相関色温度をあらかじめ定めておき、それぞれのレコード410は、相関色温度データ411を含まず、電流目標値データ413だけを含む構成であってもよい。
【0014】
図3は、この実施の形態における点灯処理S610の流れを示すフローチャート図である。
点灯処理S610において、制御回路220は、電源回路210を制御して、光源回路110の光源を点灯させる。点灯処理S610は、例えば、指示取得工程S611と、読出工程S612と、目標値算出工程S613と、制御工程S614とを有する。
指示取得工程S611において、指示取得部221は、指示装置810が出力した指示信号を入力し、入力した指示信号が表わす相関色温度Tを取得する。
読出工程S612において、読出部222は、記憶部120が記憶したデータを読み出す。
目標値算出工程S613において、目標値算出部223は、読出工程S612で読出部222が読み出したデータに基づいて、照明装置800が放射する光の相関色温度を、指示取得工程S611で指示取得部221が取得した相関色温度Tに一致させるために、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を算出する。
制御工程S614において、制御部224は、目標値算出工程S613で目標値算出部223が算出した電流目標値に基づいて、それぞれの電源回路210を制御する制御信号を生成する。制御部224が生成した制御信号にしたがって電源回路210a,210bが動作することにより、光源回路110a,110bには、目標値算出部223が算出した目標値にほぼ一致する電流が流れる。これにより、照明装置800は、指示信号によって指示された相関色温度Tにほぼ一致する相関色温度の光を放射する。
【0015】
なお、制御部224は、それぞれの電源回路310に対して制御信号によって指示する電流の目標値を、例えば、0から始めて徐々に増加させ、所定の時間が経過したのち、目標値算出部223が算出した電流の目標値に一致させる構成であってもよい。このようにフェードイン動作をさせることにより、目標値算出部223が目標値を算出するのを待たずに点灯を開始できるので、照明装置800の点灯開始までの遅延時間を減らすことができ、点灯時の違和感を低減することができる。
また、指示信号により調光度や相関色温度を変化させる場合も同様に、制御部224は、それぞれの電源回路310に対して制御信号によって指示する電流の目標値を、連続的に徐々に変化させる構成であってもよい。
【0016】
図4は、この実施の形態における目標値算出工程S613の処理を説明するための図である。
横軸は、相関色温度を表わす。縦軸は、電流目標値を表わす。白抜き四角形は、記憶部120が記憶したデータが表わす光源回路110aに流すべき電流の目標値を示す。白丸は、記憶部120が記憶したデータが表わす光源回路110bに流すべき電流の目標値を示す。実線511は、白抜き四角形の間を繋ぐ線分である。破線512は、白丸の間を繋ぐ線分である。
【0017】
目標値算出部223は、例えば直線補間により、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を算出する。すなわち、目標値算出部223は、実線511に基づいて、光源回路110aに流すべき電流の目標値を算出し、破線512に基づいて、光源回路110bに流すべき電流の目標値を算出する。
具体的には、例えば、目標値算出部223は、読出部222が読み出したデータのなかから、相関色温度データ411が表わす相関色温度が、指示取得部221が取得した相関色温度Tと一致するレコード410を探す。
相関色温度が一致するレコード410が見つかった場合、目標値算出部223は、そのレコード410に含まれる電流目標値データ413が表わす電流目標値を、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値とする。
相関色温度が一致するレコード410が見つからない場合、目標値算出部223は、読出部222が読み出したデータのなかから、相関色温度データ411が表わす相関色温度が相関色温度Tより小さいレコード410のうち、相関色温度データ411が表わす相関色温度が最大のレコード410を探す。このレコード410に含まれる相関色温度データ411が表わす相関色温度をT
1、電流目標値データ413aが表わす電流目標値をI
1とする。目標値算出部223は、読出部222が読み出したデータのなかから、相関色温度データ411が表わす相関色温度が相関色温度Tより大きいレコード410のうち、相関色温度データ411が表わす相関色温度が最小のレコード410を探す。このレコード410に含まれる相関色温度データ411が表わす相関色温度をT
2、電流目標値データ413aが表わす電流目標値をI
2とする。目標値算出部223は、相関色温度T
2から相関色温度Tを差し引いた差(T
2−T)と電流目標値I
1との積(T
2−T)I
1と、相関色温度Tから相関色温度T
1を差し引いた差(T−T
1)と電流目標値I
2との積(T−T
1)I
2との合計を、相関色温度T
2から相関色温度T
1を差し引いた差(T
2−T
1)で割った商を算出して、光源回路110aに流すべき電流の目標値Iとする。目標値算出部223は、光源回路110bについても同様にして、光源回路110bに流すべき電流の目標値を算出する。
【0018】
目標値算出部223がこのようにして電流の目標値を算出することにより、指示信号によって指示された相関色温度に対応するレコード410を、記憶部120が記憶していない場合でも、光源回路110に流すべき電流の目標値を算出することができる。これにより、記憶部120が記憶すべきデータの量を抑えることができる。
なお、補間の方式は、直線補間に限らず、放物線補間など他の方式であってよい。
【0019】
次に、光源モジュール100の製造方法について説明する。
【0020】
最初に、プリント配線板の上に、光源回路110を構成するLED素子などの光源や、記憶部120となるEEPROM、コネクタ180などを実装して、光源モジュール100を組み立てる。
次に、組み立てられた光源モジュール100に電力を供給し、光源を実際に点灯させて、光源モジュール100が放射する光の特性を測定する。
最後に、測定した光の特性に基づいて、記憶部120に記憶させるデータを算出して、算出したデータを記憶部120に書き込む。
【0021】
図5は、この実施の形態における測定装置300の構成を示すブロック構成図である。
測定装置300(製造装置)は、光源モジュール100に対して電力を供給し、光源モジュール100が放射する光の特性を測定する。測定装置300は、測定結果に基づいて、記憶部120に記憶させるデータを算出し、算出したデータを記憶部120に書き込む。
【0022】
ハーネス390は、光源モジュール100と測定装置300との間を物理的・電気的に接続する。ハーネス390は、照明装置800のハーネス290に相当する。ハーネス390は、例えば、2つのコネクタ391,392と、ケーブル393とを有する。コネクタ391は、光源モジュール100のコネクタ180と係合して物理的・電気的に接続する。ケーブル393は、2つのコネクタ391,392の間を物理的・電気的に接続している。なお、ハーネス390は、測定装置300あるいは光源モジュール100と一体に形成されたものであってもよい。
【0023】
測定装置300は、例えば、複数の電源回路310と、制御回路320と、測定部330と、コネクタ380とを有する。
電源回路310は、電源ACから供給された電力を、光源回路110に供給する電力に変換する。電源回路310は、照明装置800の電源回路210に相当する。電源回路310aは、光源回路110aに供給する電力を生成し、電源回路310bは、光源回路110bに供給する電力を生成する。それぞれの電源回路310は、出力電流がそれぞれの電流目標値に一致するよう動作する。
測定部330は、光源モジュール100が放射した光の光束、相関色温度、色度座標などを測定する。測定部330は、測定した結果を表わす測定結果信号を出力する。
制御回路320は、電源回路310を制御して、光源モジュール100の光源を点灯させ、測定部330が測定した結果に基づいて、記憶部120に記憶させるデータを算出し、算出したデータを記憶部120に書き込む。制御回路320は、例えば、目標設定部321と、目標値算出部323と、制御部324と、書込部325とを有する。目標設定部321は、光源モジュール100が放射する光の光束、相関色温度、色度座標などの目標を設定する。目標値算出部323(データ算出部)は、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を算出する。目標値算出部323は、測定部330が出力した測定結果信号を入力し、入力した測定結果信号に基づいて、目標値を変化させ、測定部330が測定した結果が、目標設定部321が設定した目標に一致する目標値を探す。制御部324は、目標値算出部323が算出した電流目標値に基づいて、それぞれの電源回路310を制御する制御信号を生成する。書込部325は、測定部330が測定した結果が、目標設定部321が設定した目標に一致した場合に、目標値算出部323が算出した電流目標値に基づいて、記憶部120に記憶させるデータを生成し、生成したデータを、記憶部120に記憶させる。
コネクタ380は、ハーネス390のコネクタ392と係合して物理的・電気的に接続する。コネクタ380は、複数の電源回路310及び制御回路320と、それぞれ電気接続している。電源回路310aが生成した電力は、コネクタ380に接続したハーネス390を介して、光源回路110aに供給される。電源回路310bが生成した電力は、コネクタ380に接続したハーネス390を介して、光源回路110bに供給される。また、記憶部120は、コネクタ380に接続したハーネス390を介して、書込部325が送ってきたデータを取得し、記憶する。
【0024】
図6は、この実施の形態における書込処理S630の流れを示すフローチャート図である。
書込処理S630において、測定装置300は、光源モジュール100に電力を供給して光源を点灯させ、記憶部120に記憶させるデータを算出して、記憶部120に書き込む。書込処理S630は、例えば、光源選択工程S631と、2つの目標値算出工程S632,S642と、2つの点灯工程S633,S643と、2つの測定工程S634,S644と、目標設定工程S641と、比較工程S645と、目標値調整工程S646と、書込工程S647とを有する。
【0025】
光源選択工程S631において、目標値算出部323は、複数の光源回路110のなかから、点灯させる光源回路110を一つ選択する。すべての光源回路110を選択済であり、まだ選択していない光源回路110がない場合、目標値算出部323は、書込処理S630を目標設定工程S641へ進める。まだ選択していない光源回路110がある場合、目標値算出部323は、まだ選択していない光源回路110のなかから光源回路110を一つ選択し、書込処理S630を目標値算出工程S632へ進める。
目標値算出工程S632において、目標値算出部323は、光源選択工程S631で選択した光源回路110に流すべき電流の目標値を所定の値に設定し、それ以外の光源回路110に流すべき電流の目標値を0に設定する。
点灯工程S633において、制御部324は、目標値算出工程S632で目標値算出部323が設定した目標値に基づいて、それぞれの電源回路310を制御する制御信号を生成する。それぞれの電源回路310は、制御部324が生成した制御信号にしたがって動作する。これにより、光源選択工程S631で選択された光源回路110だけが点灯する。
測定工程S634において、測定部330は、光源モジュール100が放射した光の光束や相関色温度などを測定する。目標値算出部323は、測定部330が測定した結果を記憶しておく。目標値算出部323は、書込処理S630を光源選択工程S631に戻し、次の光源回路110を選択する。
【0026】
目標設定工程S641において、目標設定部321は、あらかじめ定められた複数の相関色温度のなかから、相関色温度を一つ選択する。複数の相関色温度がすべて選択済であり、まだ選択していない相関色温度がない場合、目標設定部321は、書込処理S630を終了する。まだ選択していない相関色温度がある場合、目標設定部321は、そのなかから相関色温度を一つ選択し、選択した相関色温度を、光源モジュール100が放射する光の相関色温度の目標に設定する。
目標値算出工程S642において、目標値算出部323は、測定工程S634で測定部330が測定した結果に基づいて、それぞれの光源回路110に流す電流の目標値を算出する。なお、あとで調整するので、目標値算出工程S642で目標値算出部323が算出する目標値は、概算でよい。例えば、光源回路110aを流れる電流をI
a、光源回路110bを流れる電流を0にしたとき、測定部330が測定した光束がΦ
a、相関色温度がT
aであるとする。光源回路110aを流れる電流を0、光源回路110bを流れる電流をI
bにしたとき、測定部330が測定した光束がΦ
b、相関色温度がT
bであるとする。また、光源モジュール100が放射する光の光束の目標値がΦ、相関色温度の目標値がTであるとする。目標値算出部323は、相関色温度Tから相関色温度T
bを差し引いた差(T−T
b)を、相関色温度T
aから相関色温度T
bを差し引いた差(T
a−T
b)で割った商と、光束Φを光束Φ
aで割った商Φ/Φ
aと、電流I
aとの積[(T−T
b)/(T
a−T
b)・Φ/Φ
a・I
a]を算出して、光源回路110aに流すべき電流の目標値とする。また、目標値算出部323は、相関色温度T
aから相関色温度Tを差し引いた差(T
a−T)を、相関色温度T
aから相関色温度T
bを差し引いた差(T
a−T
b)で割った商と、光束Φを光束Φ
bで割った商Φ/Φ
bと、電流I
bとの積[(T
a−T)/(T
a−T
b)・Φ/Φ
b・I
b]を算出して、光源回路110bに流すべき電流の目標値とする。
点灯工程S643において、制御部324は、目標値算出工程S642(または後述する目標値調整工程S646)で目標値算出部323が算出した電流目標値に基づいて、それぞれの電源回路310を制御する制御信号を生成する。それぞれの電源回路310は、制御部324が生成した制御信号にしたがって動作する。これにより、それぞれの光源回路110に、目標値算出部323が算出した電流目標値にほぼ一致する電流が流れる。
測定工程S644において、測定部330は、光源モジュール100が放射した光の光束や相関色温度などを測定する。
比較工程S645において、目標値算出部323は、目標設定工程S641で目標設定部321が設定した目標と、測定工程S644で測定部330が測定した結果とを比較して、光源モジュール100が放射する光の光束や相関色温度が、目標に一致しているか否かを判定する。例えば、あらかじめ光束や相関色温度の許容誤差を定めておき、目標値算出部323は、測定部330が測定した光束や相関色温度と、光束や相関色温度の目標値との差が許容誤差以内であれば、一致していると判定する。一致していると判定した場合、目標値算出部323は、書込処理S630を書込工程S647へ進める。一致していないと判定した場合、目標値算出部323は、書込処理S630を目標値調整工程S646へ進める。
目標値調整工程S646において、目標値算出部323は、目標設定工程S641で目標設定部321が設定した目標と、測定工程S644で測定部330が測定した結果とに基づいて、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を調整する。例えば、光源モジュール100が放射した光の相関色温度が目標より低い場合、目標値算出部323は、放射する光の相関色温度が高い光源回路110に流すべき電流の目標値を増やし、放射する光の相関色温度が低い光源回路110に流すべき電流の目標値を減らす。逆に、光源モジュール100が放射した光の相関色温度が目標より高い場合、目標値算出部323は、放射する光の相関色温度が高い光源回路110に流すべき電流の目標値を減らし、放射する光の相関色温度が低い光源回路110に流すべき電流の目標値を増やす。また、光源回路110が放射した光の光束が目標より少ない場合、目標値算出部323は、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を増やす。逆に、光源回路110が放射した光の光束が目標より多い場合、目標値算出部323は、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を減らす。目標値算出部323は、書込処理S630を点灯工程S643に戻し、新たな目標値に基づいて光源回路110が点灯する。
【0027】
書込工程S647において、書込部325は、目標設定工程S641で目標設定部321が設定した目標と、目標値算出部323が算出した電流の目標値とに基づいて、記憶部120に記憶させるレコード410を生成する。例えば、書込部325が生成するレコード410の相関色温度データ411は、目標設定部321が設定した相関色温度の目標を表わす。電流目標値データ413aは、目標値算出部323が算出した光源回路110aに流すべき電流の目標値を表わす。電流目標値データ413bは、目標値算出部323が算出した光源回路110bに流すべき電流の目標値を表わす。書込部325は、生成したレコード410を、記憶部120に記憶させる。書込部325は、書込処理S630を目標設定工程S641に戻し、目標設定部321が次の目標を設定する。
【0028】
このように、それぞれの光源回路110に流す電流を変えながら、光源モジュール100が放射した光の光束や相関色温度を測定し、目標と一致したときそれぞれの光源回路110に流していた電流を、電流の目標値として記憶部120に記憶させる。実際に測定した結果に基づいているので、光源回路110の光源の特性にバラツキがあったとしても、記憶部120が記憶した目標値の電流をそれぞれの光源回路110に流せば、所望の光束や相関色温度を得ることができる。
【0029】
なお、書込部325は、生成したレコード410を一つずつ記憶部120に書き込むのではなく、生成したレコード410を一時的に記憶(バッファ)しておき、すべての目標についてのレコード410を生成したのちに、生成したレコード410をまとめて記憶部120に書き込む構成であってもよい。
【0030】
このように、光源を実際に点灯させて測定した特性に基づく値を記憶部120が記憶しているので、光源の特性のバラツキに関わらず、照明装置800が、所望の光束や相関色温度の光を放射することができる。
【0031】
また、光源モジュール100の組立前に一つ一つの光源の特性を測定し、光源の特性のバラツキが相殺されるよう選択した複数の光源を組み合わせて光源回路110や光源モジュール100を製造する方式と比較すると、光源の特性を測定する回数が少なくて済む。また、記憶部120に値を書き込んでしまえば、特性の違いによって光源モジュール100を分類して管理する必要がないので、照明装置800の製造工程において光源モジュール100を管理する手間がかからない。このため、照明装置800の製造コストを抑えることができる。
【0032】
実施の形態2.
実施の形態2について、
図7を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0033】
この実施の形態では、光源モジュール100の製造時ではなく、照明装置800の組立後に、記憶部120にデータを書き込む構成について説明する。例えば、照明装置800の製造工程の最終段階で、記憶部120にデータを書き込んでもよいし、記憶部120にデータを書き込まないまま照明装置800を出荷し、実際に照明装置800を使用する環境に照明装置800を設置したのちに、記憶部120にデータを書き込んでもよい。
【0034】
図7は、この実施の形態における照明装置800及び測定装置300の構成を示すブロック構成図である。
測定装置300(色度測定器)は、測定部330と、制御回路320とを有する。制御回路320は、目標設定部321と、目標値算出部323と、目標値通知部326とを有する。測定部330及び目標設定部321及び目標値算出部323は、実施の形態1で説明したものと同様である。目標値通知部326(測定通知部)は、目標値算出部323が算出した電流目標値を、点灯装置200に対して通知する。
制御回路220は、実施の形態1で説明した構成に加えて、書込部225と、目標値取得部226とを有する。目標値取得部226(測定取得部)は、測定装置300が通知した電流目標値を取得する。目標値算出部223は、目標値取得部226が電流目標値を取得した場合、目標値取得部226が取得した電流目標値をそのまま、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値とする。書込部225は、測定部330が測定した測定結果が、目標設定部321が設定した目標に一致したとき、目標値取得部226が取得した電流目標値に基づいて、記憶部120に記憶させるべきデータを生成し、生成したデータを記憶部120に書き込んで記憶させる。例えば、測定部330が測定した測定結果が、目標設定部321が設定した目標に一致した場合、目標値通知部326は、そのことを意味する特別な値の電流目標値を、点灯装置200に対して通知する。目標値取得部226は、取得した電流目標値がその特別な値である場合、測定部330が測定した測定結果が、目標設定部321が設定した目標に一致したと判定する。書込部225は、その直前に目標値取得部226が取得した電流目標値に基づいて、記憶部120に記憶させるべきデータを生成する。
【0035】
このように、光源モジュール100の製造工程ではなく、照明装置800の組立後に、光源モジュール100が放射する光を測定することにより、実際の使用環境により近い環境での測定ができる。このため、測定環境と使用環境との違いに起因する誤差を抑えることができ、照明装置800が、所望の光束や相関色温度の光を放射することができる。
【0036】
実施の形態3.
実施の形態3について、
図8〜
図9を用いて説明する。
なお、実施の形態1または実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0037】
この実施の形態では、光源回路110を流れる電流によって、光源回路110の光源が放射する光の相関色温度などが変化する場合に適切に対処することにより、照明装置800の調光度を変えた場合でも、所望の相関色温度などを有する光を放射する構成について説明する。
【0038】
この実施の形態における照明装置800の構成は、実施の形態1または実施の形態2で説明したものと同様である。
指示装置810は、照明装置800が放射する光の調光度と相関色温度とを指示する指示信号を出力する。
【0039】
図8は、この実施の形態における記憶部120が記憶しているデータの構造を示す図である。
レコード410は、実施の形態1で説明したデータに加えて、調光度データ412を含む。調光度データ412は、照明装置800が放射する光の調光度を表わす。例えば、レコード410aは、光源回路110aを流れる電流を5mA、光源回路110bを流れる電流を40mAにすると、照明装置800が調光度10%で相関色温度3000Kの光を放射することを表わす。レコード410bは、光源回路110aを流れる電流を0mA、光源回路110bを流れる電流を450mAにすると、照明装置800が調光度100%で相関色温度3000Kの光を放射することを表わす。
【0040】
この実施の形態における点灯処理S610の流れは、実施の形態1で説明したものと同様である。
指示取得工程S611において、指示取得部221は、指示装置810が出力した指示信号を入力する。指示取得部221は、入力した指示信号が表わす調光度dと相関色温度Tとを取得する。
【0041】
図9は、この実施の形態における目標値算出工程S613の処理を説明するための図である。
横軸は、相関色温度を表わす。縦軸は、電流目標値を表わす。白抜き四角形は、記憶部120が記憶したデータが表わす光源回路110aに流すべき電流の目標値(調光度100%)を示す。白抜き三角形は、記憶部120が記憶したデータが表わす光源回路110aに流すべき電流の目標値(調光度10%)を示す。実線511は、白抜き四角形の間を繋ぐ線分である。破線513は、白抜き三角形の間を繋ぐ線分である。
【0042】
目標値算出部223は、実施の形態1と同様、例えば直線補間により、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を算出する。実施の形態1と異なり、変数は、相関色温度と調光度との2つである。
例えば、目標値算出部223は、読出部222が読み出したデータから、相関色温度データ411が表わす相関色温度が、指示取得部221が取得した相関色温度Tより小さいなかで最大であり、かつ、調光度データ412が表わす調光度が、指示取得部221が取得した調光度dより小さいなかで最大であるレコード410を探す。このレコード410に含まれる相関色温度データ411が表わす相関色温度をT
1、調光度データ412が表わす調光度をd
1、電流目標値データ413aが表わす電流目標値をI
11とする。また、目標値算出部223は、読出部222が読み出したデータのなかから、相関色温度データ411が表わす相関色温度が、指示取得部221が取得した相関色温度Tより小さいなかで最大であり、かつ、調光度データ412が表わす調光度が、指示取得部221が取得した調光度dより大きいなかで最小であるレコード410を探す。このレコード410に含まれる相関色温度データ411が表わす相関色温度はT
1であるとする。また、レコード410に含まれる調光度データ412が表わす調光度をd
2、電流目標値データ413aが表わす電流目標値をI
12とする。更に、目標値算出部223は、読出部222が読み出したデータのなかから、相関色温度データ411が表わす相関色温度が、指示取得部221が取得した相関色温度Tより大きいなかで最小であり、かつ、調光度データ412が表わす調光度が、指示取得部221が取得した調光度dより小さいなかで最大であるレコード410を探す。このレコード410に含まれる調光度データ412が表わす調光度はd
1であるとする。また、このレコード410に含まれる相関色温度データ411が表わす相関色温度をT
2、電流目標値データ413aが表わす電流目標値をI
21とする。また、目標値算出部223は、読出部222が読み出したデータのなかから、相関色温度データ411が表わす相関色温度が、指示取得部221が取得した相関色温度Tより大きいなかで最小であり、かつ、調光度データ412が表わす調光度が、指示取得部221が取得した調光度dより大きいなかで最小であるレコード410を探す。このレコード410に含まれる相関色温度データ411が表わす相関色温度はT
2、調光度データ412が表わす調光度はd
2であるとする。また、このレコード410に含まれる電流目標値データ413aが表わす電流目標値をI
22とする。目標値算出部223は、調光度d
2から調光度dを差し引いた差(d
2−d)と相関色温度T
2から相関色温度Tを差し引いた差(T
2−T)と電流目標値I
11との積と、調光度dから調光度d
1を差し引いた差(d−d
1)と相関色温度T
2から相関色温度Tを差し引いた差(T
2−T)と電流目標値I
12との積と、調光度d
2から調光度dを差し引いた差(d
2−d)と相関色温度Tから相関色温度T
1を差し引いた差(T−T
1)と電流目標値I
21との積と、調光度dから調光度d
1を差し引いた差(d−d
1)と相関色温度Tから相関色温度T
1を差し引いた差(T−T
1)と電流目標値I
22との積との合計を、調光度d
2から調光度d
1を差し引いた差(d
2−d
1)と相関色温度T
2から相関色温度T
1を差し引いた差(T
2−T
1)との積で割った商を算出して、光源回路110aに流すべき電流の目標値Iとする。目標値算出部223は、光源回路110bについても同様にして、光源回路110bに流すべき電流の目標値を算出する。
【0043】
目標値算出部223がこのようにして電流の目標値を算出することにより、指示信号よって指示された調光度と相関色温度との組合せに対応するレコード410を、記憶部120が記憶していない場合でも、光源回路110に流すべき電流の目標値を算出することができる。これにより、記憶部120が記憶すべきデータの量を抑えることができる。
なお、補間の方式は、直線補間に限らず、放物線補間など他の方式であってもよい。
【0044】
この実施の形態における測定装置300の構成は、実施の形態1または実施の形態2で説明したものと同様である。また、この実施の形態における書込処理S630の流れは、実施の形態1で説明したものと同様である。
目標設定工程S641において、目標設定部321は、あらかじめ定められた複数の相関色温度のなかから、相関色温度を一つ選択し、あらかじめ定められた複数の調光度のなかから、調光度を一つ選択する。相関色温度と調光度との組合せがすべて選択済であり、まだ選択していない組合せがない場合、目標設定部321は、書込処理S630を終了する。まだ選択していない組合せがある場合、目標設定部321は、そのなかから、相関色温度と調光度との組合せを一つ選択し、選択した組合せを、光源モジュール100が放射する光の相関色温度及び調光度の目標に設定する。
【0045】
このように、それぞれの光源回路110に流す電流を変えながら、光源モジュール100が放射した光の光束や相関色温度を測定し、目標と一致したときそれぞれの光源回路110に流していた電流を、電流の目標値として記憶部120に記憶させる。実際に測定した結果に基づいているので、光源回路110の光源の特性にバラツキがあったとしても、記憶部120が記憶した目標値の電流をそれぞれの光源回路110に流せば、所望の光束や相関色温度を得ることができる。
【0046】
また、相関色温度を目標に一致させるだけでなく、調光度を目標に一致させたときの電流を測定して記憶部120に記憶させるので、光源回路110を流れる電流の違いにより、光源回路110が放射する光の光束や相関色温度や色度座標などが変化する場合であっても、記憶部120が記憶した目標値の電流をそれぞれの光源回路110に流せば、所望の光束や相関色温度を得ることができる。
【0047】
実施の形態4.
実施の形態4について、
図10〜
図14を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
この実施の形態では、記憶部120が、光源回路110を流れる電流を基準にして、そのときに光源回路110が放射する光の色度座標と光束との関係を表わすデータを記憶する構成について説明する。
【0049】
この実施の形態における照明装置800の構成は、実施の形態1または実施の形態2で説明したものと同様である。
【0050】
図10は、この実施の形態における記憶部120が記憶しているデータの構造を示す図である。
記憶部120は、複数のレコード410を記憶している。レコード410は、光源回路番号データ414と、電流データ415と、色度座標xデータ416と、色度座標yデータ417と、光束データ418とを含む。光源回路番号データ414は、光源回路110の番号を表わす。例えば、「1」は、光源回路110aを意味し、「2」は、光源回路110bを意味する。電流データ415は、光源回路110を流れる電流を表わす。色度座標xデータ416は、光源回路110が放射する光の色度座標のx座標を表わす。色度座標yデータ417は、光源回路110が放射する光の色度座標のy座標を表わす。光束データ418は、光源回路110が放射する光の光束を表わす。
例えば、レコード410aは、光源回路110aを流れる電流が300mAであるとき、光源回路110aが放射する光の色度座標は(0.346,0.359)であり、光束は300lmであることを表わす。レコード410bは、光源回路110aを流れる電流が700mAであるとき、光源回路110aが放射する光の色度座標は(0.345,0.356)であり、光束は800lmであることを表わす。
【0051】
図11は、この実施の形態における照明装置800が放射する光を示す色度図である。
横軸は、色度座標のx座標を表わす。縦軸は、色度座標のy座標を表わす。破線521は、黒体放射軌跡を表わす。破線522は、それぞれ、相関色温度が所定の値で一定の点を繋ぐ線分である。白丸は、記憶部120が記憶したデータが表わす光源回路110aが放射する光の色度座標を表わす。白抜き四角形は、記憶部120が記憶したデータが表わす光源回路110bが放射する光の色度座標を表わす。実線523は、白丸の間を繋ぐ線分である。実線524は、白抜き四角形の間を繋ぐ線分である。細線525は、それぞれ、照明装置800が放射する光の光束が所定の値で一定の点を繋ぐ曲線である。
光源回路110が放射する光の光束を変えるため、光源回路110に流す電流を変えると、光源回路110が放射する光の色度座標が微妙に変化する。例えば、光源回路110aは、流れる電流を大きくして光束を多くすると、放射する光の色がわずかに青白くなる。
照明装置800は、指示信号によって指示された相関色温度に対応する破線522と、指示信号によって指示された調光度(光束)に対応する細線525との交点の色度座標を持つ光を放射する。
【0052】
図12は、この実施の形態における目標値算出工程S613の流れを示すフローチャート図である。
目標値算出工程S613は、例えば、暫定目標値設定工程S621と、色度座標算出工程S622と、光束算出工程S623と、相関色温度算出工程S624と、調光度算出工程S625と、収束判定工程S626と、目標値調整工程S627とを有する。
暫定目標値設定工程S621において、目標値算出部223は、それぞれの光源回路110に流す電流の目標値を暫定的に定める。
色度座標算出工程S622において、目標値算出部223は、暫定目標値設定工程S621(または目標値調整工程S627)で算出した目標値に基づいて、それぞれの光源回路110が放射する光の色度座標を算出する。
光束算出工程S623において、目標値算出部223は、暫定目標値設定工程S621(または目標値調整工程S627)で算出した目標値に基づいて、それぞれの光源回路110が放射する光の光束を算出する。
相関色温度算出工程S624において、目標値算出部223は、色度座標算出工程S622で算出した色度座標と、光束算出工程S623で算出した光束とに基づいて、光源回路110が放射した光を混合した光の色度座標を算出する。目標値算出部223は、算出した色度座標を、所定の変換式を使って、相関色温度に変換する。
調光度算出工程S625において、目標値算出部223は、光束算出工程S623で算出した光束に基づいて、照明装置800が放射する光の光束を算出する。目標値算出部223は、算出した光束の所定の最大光束に対する比を、調光度として算出する。
収束判定工程S626において、目標値算出部223は、計算が収束したか否かを判定する。例えば、目標値算出部223は、相関色温度算出工程S624で算出した相関色温度と、指示信号によって指示された相関色温度との差が、所定の許容誤差以内であり、かつ、調光度算出工程S625で算出した調光度と、指示信号によって指示された調光度との差か、所定の許容誤差以内である場合に、収束したと判定する。収束したと判定した場合、目標値算出部223は、目標値算出工程S613を終了する。まだ収束していないと判定した場合、目標値算出部223は、目標値算出工程S613を目標値調整工程S627へ進める。
目標値調整工程S627において、目標値算出部223は、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を調整する。例えば、相関色温度算出工程S624で算出した相関色温度が、指示された相関色温度より低い場合、目標値算出部223は、放射する光の相関色温度が高い光源回路110に流すべき電流の目標値を増やし、放射する光の相関色温度が低い光源回路110に流すべき電流の目標値を減らす。逆に、相関色温度算出工程S624で算出した相関色温度が、指示された相関色温度より高い場合、目標値算出部223は、放射する光の相関色温度が高い光源回路110に流すべき電流の目標値を減らし、放射する光の相関色温度が低い光源回路110に流すべき電流の目標値を増やす。また、調光度算出工程S625で算出した調光度が、指示された調光度より低い場合、目標値算出部223は、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を増やす。逆に、調光度算出工程S625で算出した調光度が、指示された調光度より高い場合、目標値算出部223は、それぞれの光源回路110に流すべき電流の目標値を減らす。目標値算出部223は、目標値算出工程S613を色度座標算出工程S622に戻し、調整した目標値に基づいて色度座標などを算出する。
【0053】
なお、目標値算出工程S613の処理に時間がかかる場合には、目標値が収束するのを待たず、暫定的な目標値に基づいて制御部224が制御信号を生成し、光源回路110を点灯させる構成であってもよい。これにより、照明装置800の点灯開始までの遅延時間を減らすことができる。
【0054】
図13は、この実施の形態における測定装置300の構成を示すブロック構成図である。
制御回路320は、目標値算出部323と、制御部324と、書込部325とを有する。
目標値算出部323は、光源回路110を一つずつ選択し、複数の電流目標値のなかから電流目標値を一つずつ選択して、選択した光源回路110に流すべき電流の目標値とし、それ以外の光源回路110に流すべき電流の目標値を0とする。
制御部324は、目標値算出部323が算出した電流目標値に基づいて、電源回路310を制御する制御信号を生成する。
書込部325は、目標値算出部323が算出した目標値と、その目標値の電流を光源モジュール100の光源回路110に流して測定部330が測定した光束や色度座標などの測定結果とに基づいて、記憶部120に記憶されるデータを生成する。書込部325は、生成したデータを、記憶部120に書き込んで記憶させる。
【0055】
図14は、この実施の形態における書込処理S630の流れを示すフローチャート図である。
書込処理S630は、光源選択工程S631と、目標値算出工程S632と、点灯工程S633と、測定工程S634と、書込工程S647とを有する。
【0056】
光源選択工程S631において、目標値算出部323は、複数の光源回路110のなかから、点灯させる光源回路110を一つ選択する。すべての光源回路110を選択済であり、まだ選択していない光源回路110がない場合、目標値算出部323は、書込処理S630を終了する。まだ選択していない光源回路110がある場合、目標値算出部323は、まだ選択していない光源回路110のなかから光源回路110を一つ選択し、書込処理S630を目標値算出工程S632へ進める。
目標値算出工程S632において、目標値算出部323は、複数の電流目標値のなかから、光源選択工程S631で選択した光源回路110に流すべき電流の目標値を一つ選択する。その光源回路110についてすべての電流目標値を選択済であり、まだ選択していない電流目標値がない場合、目標値算出部323は、書込処理S630を光源選択工程S631に戻し、次の光源回路110を選択する。まだ選択していない電流目標値がある場合、目標値算出部323は、まだ選択していない電流目標値のなかから電流目標値を一つ選択し、光源選択工程S631で選択した光源回路110に流すべき電流の目標値とする。目標値算出部323は、光源選択工程S631で選択した光源回路110以外の光源回路110に流すべき電流の目標値を0に設定する。
点灯工程S633において、制御部324は、目標値算出工程S632で目標値算出部323が設定した目標値に基づいて、それぞれの電源回路310を制御する制御信号を生成する。それぞれの電源回路310は、制御部324が生成した制御信号にしたがって動作する。これにより、光源選択工程S631で選択された光源回路110だけが点灯する。
測定工程S634において、測定部330は、光源モジュール100が放射した光の光束や色度座標などを測定する。
書込工程S647において、書込部325は、目標値算出工程S632で目標値算出部323が算出した電流の目標値と、測定工程S634で測定部330が測定した結果とに基づいて、記憶部120に記憶させるレコード410を生成する。例えば、書込部325が生成するレコード410の光源回路番号データ414は、光源選択工程S631で目標値算出部323が選択した光源回路110の番号を表わす。電流データ415は、目標値算出工程S632で目標値算出部323が選択した電流目標値を表わす。色度座標xデータ416及び色度座標yデータ417は、測定工程S634で測定部330が測定した色度座標を表わす。光束データ418は、測定工程S634で測定部330が測定した光束を表わす。書込部325は、生成したレコード410を、記憶部120に記憶させる。書込部325は、書込処理S630を目標値算出工程S632に戻し、目標値算出部323が次の電流目標値を選択する。
【0057】
このように、それぞれの光源回路110に電流を流して、放射した光の光束や色度座標を実際に測定し、測定した結果を記憶部120に記憶させる。実際に測定した結果に基づいているので、光源回路110の光源の特性にバラツキがあったとしても、記憶部120が記憶したデータに基づいて、それぞれの光源回路110に流す電流を算出すれば、所望の調光度や相関色温度を得ることができる。
【0058】
以上、各実施の形態で説明した構成は、一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成であってもよいし、本質的でない部分の構成を、他の構成で置き換えた構成であってもよい。
例えば、照明装置800は、調光機能や相関色温度を変化させる機能を持たず、あらかじめ定められた明るさで、あらかじめ定められた相関色温度の光を放射する構成であってもよい。
また、記憶部120が記憶するデータの構造は、レコード形式に限らず、例えば、表形式(LED電流設定表)などであってもよい。また、記憶部120が記憶するデータは、光源回路110に流す電流の目標値の代わりに、光源回路110の両端に印加する電圧の値を表わすデータを含む構成であってもよい。また、記憶部120が記憶するデータは、光源回路110が有する光源の数(LED搭載個数)を表わすデータを含む構成であってもよい。記憶部120が記憶するデータが、光源回路110の両端に印加する電圧の値や光源の数を含む場合、制御部224がそれらのデータに基づいて、電源回路310が生成する電圧を制御信号により指示することとすれば、電源回路310が光源回路110に適した電圧を生成することができるので、過電圧や過電流などによる故障や寿命短縮を防ぐことができる。