(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738134
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/14 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
G03G15/14 101A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-197358(P2011-197358)
(22)【出願日】2011年9月9日
(65)【公開番号】特開2012-118503(P2012-118503A)
(43)【公開日】2012年6月21日
【審査請求日】2014年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2010-249978(P2010-249978)
(32)【優先日】2010年11月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395003187
【氏名又は名称】株式会社セイコーアイ・インフォテック
(74)【代理人】
【識別番号】100154863
【弁理士】
【氏名又は名称】久原 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100123685
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信行
(72)【発明者】
【氏名】酒巻 秀行
【審査官】
佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−162879(JP,A)
【文献】
特開平09−043995(JP,A)
【文献】
特開2002−351223(JP,A)
【文献】
特開2007−183518(JP,A)
【文献】
特開平10−186867(JP,A)
【文献】
特開平11−338263(JP,A)
【文献】
特開2002−139918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/14
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に形成させた静電潜像に応じてトナーを付着させる感光ドラムと、前記感光ドラムに付着させた前記トナーを記録媒体に転写する転写器と、前記トナーを前記記録媒体に定着させる定着器と、前記感光ドラムに付着した記録媒体を剥離する剥離爪と、前記剥離爪を固定する剥離爪固定フレームと、を有する画像形成装置において、
前記剥離爪と前記剥離爪固定フレームとの間に固定された金属の剥離爪固定板と、
前記剥離爪固定フレームに対向して配置され、前記記録媒体を案内する搬送案内板と、
前記剥離爪固定フレーム上であって前記剥離爪の前記記録媒体の搬送方向下流側に固定され、前記記録媒体が前記搬送案内板側且つ前記定着器側に搬送されるように案内する拍車と、を有し、
前記剥離爪固定フレームは、前記剥離爪固定板が固定されている部分を変形し難くする変形防止手段を備え、
前記拍車の回転軸が、前記剥離爪と前記搬送案内板との距離より前記回転軸と前記搬送案内板との距離が大きく、且つ前記剥離爪と前記搬送案内板との距離より前記拍車の先端と前記搬送案内板との距離が小さくなる位置に配置され、
前記剥離爪は、前記剥離爪の先端部分が先端に向かって厚みが変わらずに漸次細く形成された樹脂製の板であり、
前記剥離爪固定フレームの固定する位置を変えることで、前記感光ドラムまたは前記搬送案内板に対する前記剥離爪および前記拍車の位置を変え、前記剥離爪を、前記感光ドラムに前記先端部分の一部を含み前記先端から所定の長さを当接させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変形防止手段は前記剥離爪固定フレームの前記感光ドラム側の端部を前記剥離爪固定フレームの長手方向に亘って凹状に形成したものであり、前記剥離爪固定板は前記凹状に形成された部分を跨いで前記剥離爪固定フレームに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記剥離爪固定フレームは、前記剥離爪固定フレームの前記搬送案内板に対向する面であって前記拍車が固定されている部分が前記搬送案内板から離れるように屈曲部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記剥離爪は前記先端から前記剥離爪固定板の方向に向かってスリットを有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光ドラムの外周の所定の位置の接線方向に平行に前記剥離爪が前記剥離爪固定板に固定されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記所定の位置は前記感光ドラムの鉛直方向の最下点であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。特に感光ドラムから記録媒体を剥離する剥離爪を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置が広く知られている。この画像形成装置は、光によって感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、この静電潜像に沿って感光ドラム上にトナーを付着させ、付着したトナーを紙などの記録媒体に転写させ、このトナーを定着装置によって記録媒体に定着させる装置である。
【0003】
感光ドラムから記録媒体にトナーを付着させるために、記録媒体を回転する感光ドラムに付着させ、トナーを転写させる必要がある。その後、記録媒体を感光ドラムから剥がすが、感光ドラムから記録媒体が剥がれない場合がある。このような場合のために強制的に感光ドラムから記録媒体を剥離する剥離爪を備えた画像形成装置が知られている。
【0004】
例えば、特開平9−43995号公報のように、剥離爪を、剥離爪本体と保持部材とで構成し、保持部材を介して剥離爪本体をクリーニング装置のハウジングに揺動自在に取付け、剥離爪本体の錘部の自重でもって爪部を感光体ドラム表面に添わせるようにした構成のものが知られている。剥離爪は、樹脂により作られた先端が尖った錘構造になっている。先端を尖らせ、感光ドラムと記録紙の間に先端を押し込むことで記録紙を剥離する構造である。また、剥離爪本体は、樹脂材料から一体成型され、先端に先細りの爪部を、後端に錘部を備える。また、保持部材を弾性変形可能な金属製の薄板から形成しているため、例えば、感光体ドラム周辺での紙詰まりの紙の除去に際して爪部に力が働くような場合であっても、保持部材がこの力に応じて弾性変形することにより、紙の除去を容易に行うことができるとともに、爪部の破損等が阻止される。このような剥離爪を有する画像形成装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−43995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術は、軸を中心に錘部の自重により剥離爪部を感光ドラムに当接させている。また、爪と保持部の回動部の摩擦は夫々の剥離爪で異なり、複数の剥離爪の当接圧を一律にする調整が難しい。夫々の剥離爪において、感光ドラムへの当て方を調整させる必要があり、製造やメンテナンスをするのに多くの時間がかかってしまう。また、機器の振動などの外因により容易に剥離爪が感光ドラムから離れてしまう場合がある。剥離爪が感光ドラムから離れた状態で記録紙の先端が通過すると紙ジャムが起きる。また、剥離爪の構造が複雑であり製造、組み立ての工数が多く、作業性が悪い。また、剥離爪の先端を尖らせて錘で付勢しているので、薄い記録紙であり感光ドラムに強力に付着した記録紙の場合に、剥離爪と記録紙の衝突の衝撃で剥離爪が浮き上がり、剥離爪が記録紙の下に潜り込めずジャムの原因となる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような問題を解決するものであり、単純な構造であるが、複数の剥離爪を容易に一定の当接圧に調整でき、薄い記録媒体を用いても確実に感光ドラムから記録媒体を剥離できる画像形成装置を提供する。
【0008】
本発明の画像形成装置は、表面に形成させた静電潜像に応じてトナーを付着させる感光ドラムと、前記感光ドラムに付着させた前記トナーを記録媒体に転写する転写器と、前記トナーを前記記録媒体に定着させる定着器と、前記感光ドラムに付着した記録媒体を剥離する剥離爪と、前記剥離爪を固定する剥離爪固定フレームと、を有する画像形成装置において、前記剥離爪と前記剥離爪固定フレームとの間に固定された金属の剥離爪固定板と、前記剥離爪固定フレームに対向して配置され、前記記録媒体を案内する搬送案内板と、前記剥離爪固定フレーム上であって前記剥離爪の前記記録媒体の搬送方向下流側に固定され、前記記録媒体が前記搬送案内板側且つ前記定着器側に搬送されるように案内する拍車と、を有し、前記剥離爪固定フレームは、前記剥離爪固定板が固定されている部分を変形し難くする変形防止手段を備え、前記拍車の回転軸が、前記剥離爪と前記搬送案内板との距離より前記回転軸と前記搬送案内板との距離が大きく、且つ前記剥離爪と前記搬送案内板との距離より前記拍車の先端と前記搬送案内板との距離が小さくなる位置に配置され、前記剥離爪は、前記剥離爪の先端部分が先端に向かって厚みが変わらずに漸次細く形成された樹脂製の板であり、前記剥離爪固定フレームの固定する位置を変えることで、前記感光ドラムまたは前記搬送案内板に対する前記剥離爪および前記拍車の位置を変え、前記剥離爪を、前記感光ドラムに前記先端部分の一部を含み前記先端から所定の長さを当接させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、単純な構造であるが、複数の剥離爪を容易に一定の当接圧に調整でき、薄い記録媒体を用いても確実に感光ドラムから剥離できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】
図4は、感光ドラムに当接している剥離爪と記録媒体との衝突を説明する図である。
【
図5】
図5は、感光ドラムに当接している剥離爪と記録媒体との衝突を説明する第2の図である。
【
図6】
図6は、剥離爪と拍車の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を、図面を使って説明する。
図1は、画像形成装置の概略構成図である。感光ドラム1は円柱状の回転体である。表面にトナーを付着させ、搬送されてくる記録媒体4に、そのトナーを転写する。記録媒体4は定着器11の熱と圧力によって表面にトナーを定着させる。感光ドラム1はLEDヘッド2によって表面に静電潜像を形成し、現像器3によってその静電潜像に対応させてトナーを付着させる。感光ドラム1の表面に付着したトナーは転写器9によって記録媒体4上に付着させる。記録媒体4は紙、フィルム状のプラスチックなどである。記録媒体4は、搬送ローラ10によって搬送案内板12に沿って定着器11に搬送される。搬送ローラ10は回転するローラとそのローラに押圧され連れ回るローラから構成され、ローラの回転により記録媒体4を搬送する。定着器11は発熱体を内蔵する加熱ローラと加熱ローラに付勢する加圧ローラを備え、熱と圧力によってトナーを記録媒体に定着させる。転写器9によって記録媒体4にトナーが転写されるが、わずかに残るトナーがある。感光ドラム1に残ったトナーはクリーニングユニット6によって取り除かれ、さらに除電される。その後感光ドラム1の表面は帯電器5によって再帯電され、LEDヘッド2によって所望の画像の静電潜像を形成する。
【0012】
転写器9を通過した記録媒体4が感光ドラム1から剥がれずに付着したまま搬送された場合に、記録媒体4を剥離する剥離爪7が剥離爪固定フレーム8に固定されている。剥離爪7の先端部は感光ドラム1に当接している。感光ドラム1に記録媒体4が付着して搬送された場合に、この剥離爪7によって記録媒体4を感光ドラム1から剥離し、定着器11に導く。剥離爪固定フレーム8の先端には凹部18が備わっている。剥離爪固定フレーム8に剥離爪固定板19が固定され、剥離爪固定板19に剥離爪7が固定されている。剥離爪固定板19および剥離爪7の固定は、接着剤、粘着テープ等により固定される。また、剥離爪固定フレーム8には記録媒体4が、剥離爪7や剥離爪固定フレーム8に当たらないように拍車17が備えられている。
【0013】
剥離爪7と感光ドラム1との位置関係の具体例を示す。感光ドラム1の直径は60mmである。感光ドラム1の外周下端と剥離爪7の配置の垂直方向の差13が2.9mmである。また、剥離爪7は先端が感光ドラム1に接触するように湾曲して配置されている。点線で示した剥離爪の位置16は、感光ドラム1が無かった場合の位置を示している。剥離爪7が感光ドラム1と重なる長さ14が1.6mmである。剥離爪7の先端から固定されている端までの距離15は8.0mmである。
【0014】
剥離爪7は感光ドラム1の外周の下端の接線方向と平行に配置されている。これにより下端からの高さ及び接触角の調整を容易にしている。
【0015】
剥離爪固定フレーム8が感光ドラム1に近い場合は、剥離爪7の湾曲が大きくなり、先端が感光ドラム1から離れてしまうので、好ましくない。感光ドラム1の外周下端と剥離爪7の配置の垂直方向の差13が大きい場合は、剥離爪7の湾曲が大きくなり、先端が感光ドラム1から離れてしまうので、好ましくない。剥離爪7の先端に備えられた後述するスリット23の部分が当接するのが好ましい。また、剥離爪7を感光ドラム1の当接させる位置は、感光ドラム1の中心から鉛直方向に対して15〜30度の確度の範囲に接しさせることが好ましい。記録媒体4が通過可能な高さを保持さる必要である。また、スリット23の効果を確実に得る為に、感光ドラム1に剥離爪7の先端からスリット23の長さの半分以上、例えば1mm以上、は接しさせる必要があるからである。
【0016】
凹部18は剥離爪固定フレーム8の先端の剛性を高める為に備えられている。仮にジャムが発生した場合に、変形し難くするためである。剥離爪固定フレーム8の先端は剥離爪7の位置を決めに関与するために変形することは好ましくない。また、凹部18の先端は幅が狭く、樹脂製の剥離爪7が凹部18の先端に直接当たると剥離爪7が折れる場合があるので、直接当てないため、剥離爪固定板19を備える。剥離爪固定板19は剛性のあるAL、SUS等の金属板でできている。
【0017】
図2は、剥離爪の配置図である。剥離爪7は、感光ドラム1の長さ方向に6個配置している。中心から端方向に等間隔に配置している。剥離爪7に対応した位置に拍車17が配置されている。使用する記憶媒体4の幅が変わっても、少なくとも2箇所以上の複数の箇所で剥離できるように配置されている。このため、各剥離爪7と感光ドラム1との接触の仕方が等しいことが望まれる。剥離爪固定フレーム8に剥離爪7を同じように取り付けることができ、剥離爪7は同じ形状のものを大量に生産できるので、容易に各剥離爪7と感光ドラム1との接触の仕方を同じくできる。また、剥離爪固定フレーム8に全ての剥離爪7が固定されているので、剥離爪固定プレート8を移動することで全ての剥離爪7を移動させることができる。剥離爪7と感光ドラム1との離接位置の調節を容易にできる。また、感光ドラム1と剥離爪固定フレーム8の両端はサイド固定具によって固定されている。剥離爪固定フレーム8はこのサイド固定具に対して角度や位置を可変できるように固定している。この感光ドラム1と剥離爪固定フレーム8とサイド固定具は一つのユニットとして取り扱うことができ、画像形成装置に着脱自在の構成である。
【0018】
図3は、剥離爪の構成を説明する図である。剥離爪7は樹脂製の扁平な薄板である。例えば、PET、POM樹脂などのエンジニアリングプラスチックが耐久性等に優れ、特に好ましい。PP等の樹脂でもよい。厚みは0.25mmである。好ましくは記録媒体4より厚いものを使用する。厚みは0.15mm以上〜0.35mm以下のものを使用するのが好ましく、厚すぎても薄すぎても良くない。使用する記録媒体4の厚み、感光ドラム1との位置関係などに応じて好適な厚みの板を使うのが好ましい。
【0019】
剥離爪7は剥離爪の先端部を残して剥離爪固定板19に固定されている。固定の方法は、接着、溶着または両面粘着テープなどにより固定される。剥離爪固定板19は斜線で示された剥離爪固定部25にて剥離爪固定フレーム8に固定されている。固定の方法は、接着、両面粘着テープなどにより固定される。
【0020】
剥離爪7の先端部は頂点に向かって漸次細くなっている。厚み方向には漸次細くせず、一定の厚みのままである。厚み方向には変形しないようにする。剥離爪7の先端の頂点から根元の方向にスリット23を備える。剥離爪7の先端部の長さ15は8.0mmである。先端部の根元の幅22は6.0mmである。スリット23の長さ21は2.0mmである。剥離爪7が剥離爪固定板19に固定されている部分の幅24は16.0mmである。剥離爪7の全長20は14.0mmである。これらの寸法も使用する記録媒体4の厚み、感光ドラム1との位置関係などに応じて選択するのが好ましい。
【0021】
図4は、感光ドラムに当接している剥離爪と記録媒体との衝突を説明する図である。
図4(a)は衝突直前の状態を示す図である。
図4(b)は衝突時の状態を示す図である。
図4(c)は剥離爪が記録媒体を剥離する状態を示す図である。なお剥離爪固定板19は図中省略している。
【0022】
記録媒体4が感光ドラム1に付着したまま感光ドラム1が回転すると、記録媒体4の先端が剥離爪7の先端に衝突する。剥離爪7の先端にはスリット23があるので、衝突時にはスリット23の幅が広がるように変形する。この変形により、衝突時のエネルギーが吸収される。衝突時のエネルギーが小さくなるため剥離爪7が浮き上がることを防止できる。
【0023】
記録媒体4と剥離爪7の衝突後、記録媒体4は撓みができ、先端が浮き上がる。
記録媒体4の先端が浮き上がるので、感光ドラム1と記録媒体4の間に剥離爪7が入った状態となる。その後は、記録媒体4が感光ドラム1から剥離爪7によって剥離される。
【0024】
剥離爪7は感光ドラム1と当接しているが、記録媒体1が通過する方向とは逆側に凸状に撓んでいる。そのため、剥離した記録媒体4が剥離爪7に当たり、転写されたトナーが削ぎ落とされることの防止ともなる。
【0025】
図5は、感光ドラムに当接している剥離爪と記録媒体との衝突を説明する第2の図である。
図5(a)は衝突直前の状態を示す図である。
図5(b)は衝突時の状態を示す図である。
図5(c)は記録媒体が剥離されずに通過する状態を示す図である。剥離爪7が薄すぎ、記録媒体4が厚い場合に、記録媒体4と剥離爪7の衝突時に剥離爪7が変形を起こし、記録媒体4を剥離できない例を示している。なお剥離爪固定板19は図中省略している。
【0026】
記録媒体4が感光ドラム1に付着したまま感光ドラム1が回転すると、記録媒体4の先端が剥離爪7の先端に衝突する。剥離爪7が薄すぎると、記録媒体4が変形せずに剥離爪7が変形してしまう。剥離爪7の先端にはスリット23があり衝突時にはスリット23の幅が広がるように変形する。しかし、この変形による衝突時のエネルギーが吸収により衝突時のエネルギーが小さくなっても、剥離爪7が変形してしまう。記録媒体4が変形せずに剥離爪7が変形すると、記録媒体4は感光ドラム1に付着したまま、感光ドラム1と剥離爪7の間を通り、ジャムの原因となる。
【0027】
剥離爪7と感光ドラム1との位置関係によって、剥離爪7は先端が感光ドラム1に当接するとともに、剥離爪7が撓み、剥離爪7の先端が感光ドラム1方向に付勢されている状態をつくることができる。このとき、記録媒体4との衝突によって、剥離爪7が感光ドラム1から離れにくくするために、剥離爪7の先端にスリットがあるのが好ましい。剥離爪7は薄すぎると記録媒体4との衝突で変形し、剥離できないことがあるので、適当な厚みが必要である。
【0028】
また他の形態として剥離爪7の先端にスリットが無いものがある。この場合に、剥離爪7の厚みはできるだけ薄いことが望まれる。スリットがあれば、先端が幅方向に変形し易くなるが、無い場合は厚みを抑えることで、剥離爪7の先端が変形しやすくなる。
【0029】
図6は剥離爪と拍車の構成を説明する図である。
図2に記載された、剥離爪7と拍車17が剥離爪固定フレーム8にどのように配置されているか分かりやすく説明する為の概略図である。剥離爪7は、剥離爪固定板19を介して剥離爪固定フレーム8に固定されている。剥離爪固定板19は、剥離爪固定フレーム8の先端部にある凹部18を跨ぐように固定されている。また剥離爪固定フレーム8は凹部18に対向する側に拍車17が固定されている。拍車17は剥離爪固定板19と同一の面上26に配置した場合に、拍車17の先端と剥離爪7の位置が離れすぎてしまうため、剥離された記録媒体4の先端が拍車の付け根側に向う可能性がある。この様な場合、拍車17が逆回転してしまい、記録媒体4の搬送が正常に行えなくなり、ジャムの原因となる。このような問題を避けるために、剥離爪固定フレーム8に屈曲部25を設け、そこに拍車17を固定する。好ましくは剥離爪7の配置されている面26より上に拍車17の回転軸27を配置する。これにより、拍車7は記録媒体4と当接したときは正回転となり、ジャムを起こすことはなくなる。すなわち、拍車17の回転軸27が、剥離爪7と搬送案内板12との距離より回転軸27と搬送案内板12との距離が大きく、且つ剥離爪7と搬送案内板12との距離より拍車17の先端と搬送案内板12との距離が小さくなる位置に拍車17および回転軸27が配置されている。
【0030】
剥離爪7と拍車17を同一の剥離爪固定フレーム8上に固定されているので、剥離爪固定フレーム8の固定位置を変えることで、全ての剥離爪7と拍車17を同時に感光ドラム1と搬送案内板12に対して位置調整することができる。また、全ての剥離爪7と拍車17を感光ドラム1と搬送案内番12に対して同一の精度で配置することができる。これにより取り付や位置調整の作業工程が大幅に容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は電子写真式の画像形成装置に利用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 感光ドラム
2 LEDヘッド
3 現像器
4 記録媒体
5 帯電器
6 クリーニングユニット
7 剥離爪
8 剥離爪固定フレーム
9 転写器
10 搬送ローラ
11 定着器