(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直列に接続された複数の旋回経路を形成する旋回搬送装置をそれぞれ収容する遮蔽室を具備し、上流側で2本の旋回経路に沿って容器を搬送中に、容器の外側から電子線を照射して容器の外面を殺菌する外面殺菌ゾーンと、下流側の旋回経路に沿って容器を搬送中に、容器内に挿入した電子線照射ノズルから電子線を照射して容器の内面を殺菌する内面殺菌ゾーンと、を具備した容器の電子線殺菌設備であって、
外面殺菌ゾーンに配置された2本の旋回経路の接続部で、その上流側近傍に容器の一方の外半面に電子線を照射する第1電子線照射装置を配置するともに、その下流側近傍に容器の他方の外半面に電子線を照射する第2電子線照射装置を配置することにより、第1電子線照射装置と第2電子線照射装置とを互いに接近させた
ことを特徴とする旋回搬送装置を用いた容器の電子線殺菌設備。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施例]
以下、本発明に係る遮蔽構造を具備した容器の殺菌設備の第1実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】
[電子線殺菌設備の概要]
この電子線殺菌設備は、
図1〜
図3に示すように、入口トラップゾーンZ1と外面殺菌ゾーンZ2と内面殺菌ゾーンZ3と出口トラップゾーンZ4とを具備し、入口トラップゾーンZ1をU字形搬送経路LUで構成し、外面殺菌ゾーンZ2および内面殺菌ゾーンZ3ならびに出口トラップゾーンZ4は、第1〜第6旋回搬送装置M1〜M6により容器Bが搬送される第1〜第6旋回経路L1〜L6を直列に接続して構成したものである。また出口トラップゾーンZ4の背面側に、リジェクト旋回搬送装置MRにより形成されたリジェクト旋回経路LRに沿って殺菌不良の容器Bを搬送し、リジェクト排出口PRから排出するリジェクトゾーンZRが設けられている。
【0016】
外面殺菌ゾーンZ2は、第1,第2旋回経路L1,L2を形成する第1,第2旋回搬送装置M1,M2が直列に接続され、これら第1,第2旋回搬送装置M1,M2がそれぞれ金属製の遮蔽体からなる第1,第2遮蔽室R1,R2にそれぞれ収容されている。第1遮蔽室R1には、第1旋回搬送装置M1によりネック部nを介して容器Bを保持し第1旋回経路L1に沿って搬送中に、容器Bの一方の外面に電子線を照射して殺菌する第1電子線照射装置E1が設置されている。また第2遮蔽室R2には、第2旋回搬送装置M2によりネック部nを介して容器Bを保持し第2旋回経路L2に沿って搬送中に、容器Bの他方の外面に電子線を照射して殺菌する第2電子線照射装置E2が設置されている。
【0017】
内面殺菌ゾーンZ3には、遮蔽体からなる第3遮蔽室R3内に、第3旋回経路L3を形成する第3旋回搬送装置M3が設置されている。この第3旋回搬送装置M3には、ネック部nを介して容器Bを保持するとともに、第3旋回経路L3に沿って搬送中に容器Bを順次上昇させて口部を電子線照射ノズルEnに挿入する複数の容器昇降保持装置26が一定ピッチで設置されている。また容器昇降保持装置26の上部に、容器昇降保持装置26ごとに垂下された電子線照射ノズルEnから電子線を照射する第3電子線照射装置E3が配置されている。
【0018】
出口トラップゾーンZ4には、第4〜第6旋回経路L4〜L6をそれぞれ形成する第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6が直列に接続されて配置され、これら第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6はそれぞれ遮蔽体からなる第4〜第6遮蔽室R4〜R6にそれぞれ収容されている。これら第4〜第6遮蔽室R4〜R6は、第3遮蔽室R3の第3−4接続開口部(容器出口)P3−4から漏出された電子線および電子線の金属製遮蔽体への反射(回折など)により発生するX線[以下、総称して電子線(X線)と表記する]を減衰するためのものである。これら第4〜第6遮蔽室R4〜R6では、第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6によりネック部nを介して容器Bを保持し第4〜第6旋回経路L4〜L6に沿って搬送する。
【0019】
前記第6旋回経路L6には、中間旋回搬送装置M8により形成される中間旋回経路L8が接続され、この中間旋回経路L8は充填装置(図示せず)に接続されて、殺菌された容器Bに液体を充填するように構成されている。
【0020】
リジェクトゾーンZRには、第5旋回経路L5に接続されたリジェクト旋回経路LRを形成するリジェクト旋回搬送装置MRが配置されており、このリジェクト旋回搬送装置MRは、遮蔽体に囲まれたリジェクト遮蔽室RRに収容されている。
【0021】
[容器殺菌設備の詳細]
この容器殺菌設備は、架台フレーム21上に架構フレームを介して設置されたクリーンルーム22内に設置されており、内面殺菌ゾーンZ3の第3旋回搬送装置M3が中心となり、外面殺菌ゾーンZ2の第1,第2旋回搬送装置M1,M2と出口トラップゾーンZ4の第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6、リジェクトゾーンZRのリジェクト旋回搬送装置MRが連動される構造となっている。
【0022】
(内面殺菌ゾーン)
第3旋回搬送装置M3は、架台フレーム21の底部フレーム21Dに立設された主軸23bが架台天板21Uを貫通して立設されている。この主軸23bに回転自在に支持された外筒軸23aの上部に支持テーブル24が支持され、外筒軸23aの下部に旋回テーブル25が支持されている。そして
図5に示す旋回搬送用駆動装置49により搬送方向に沿って所定速度で回転駆動される。支持テーブル24には、複数の第3電子線発生装置E3と、これら第3電子線発生装置E3が接続された垂下姿勢の電子線照射ノズルEnが周方向に一定ピッチで配置されている。SM3は支持テーブル24の外周部と天井部で複数の第3電子線発生装置E3を遮蔽する第3外殻遮蔽体である。
【0023】
旋回テーブル25の外周部に、電子線照射ノズルEnに対向する容器昇降保持装置26が周方向に同一ピッチで配置されている。これら容器昇降保持装置26は、ネック部nを把持して容器Bを昇降するもので、
図4に示すように、旋回テーブル25に二重筒からなる作動軸28が貫設されている。この作動軸28は、旋回テーブル25にスラスト軸受27を介して昇降自在に配置された昇降用の外軸28aと、この外軸28a内に軸心周りに回転自在に嵌合された開閉用の内軸28bとで構成されている。
【0024】
外軸28aには、上端部にネック部nを介して容器Bを保持可能なクランプ具31がそれぞれ設けられ、下端部にクランプ具31を昇降駆動する昇降用カム機構37がそれぞれ設けられている。
【0025】
外軸28aの上端部に設けられたクランプ具31は、
図4(b)に示すように、外軸28aに固定されたベース板32上に、一対の支持ピン33を介して一対のクランプアーム35a,35bが開閉可能に支持され、これらクランプアーム35a,35bは、一方のクランプアーム35aに板部材を介して固定された連動ピン34を介して他方のクランプアーム35bが連動されるとともに、閉動付勢用コイルばね30により把持方向に付勢されている。そして、これらクランプアーム35a,35bの基端部間に、内軸28bにより回動されて一方のクランプアーム35aを開閉する開閉出力カム36が設けられている。
【0026】
外軸28aの下端部に設けられた昇降用カム機構37は、架台フレーム21に設置された昇降用カム40のカム面を転動してクランプ具31を昇降させる昇降用カムフォロワ38が昇降アームを介して支持されている。41は昇降用カムフォロワ38を昇降用カム40のカム面に付勢する昇降用拘束ばねである。
【0027】
前記内軸28bは、上端部に開閉出力カム36が取り付けられ、下端部にクランプ具31を開閉駆動する開閉入力カム機構42が設けられている。この開閉入力カム機構42は、内軸28bに開閉入力アーム45を介して、開閉入力カム43のカム面を転動する開閉入力カムフォロワ44が取り付けられている。46は開閉入力カムフォロワ44を開閉入力カム43のカム面に付勢する開閉入力用拘束ばねである。
【0028】
前記昇降用カム40は、第3旋回経路L3の第2−3接続部J2−3から第3−4接続部J3−4の間にわたって配置されている。また前記開閉入力力ム43は、第3−4接続部J3−4の上流側から第2−3接続部J2−3の下流側にわたって配置されている。
【0029】
上記構成において、旋回テーブル25が旋回中に、第2−3接続部J2−3で、開閉入力カム43の作用で開放されたクランプアーム35a,35bに容器Bがネック部nを介して受け渡され、閉動されたクランプアーム35a,35bによりネック部nが把持されて容器Bが搬送される。そして昇降用カム40の作用でクランプ具31を介して容器Bが上昇されて、容器Bの口部が電子線照射ノズルEnに嵌入される。そして、電子線照射ノズルEnから照射される電子線により容器Bの内面が殺菌される。次いで、昇降用カム40の作用でクランプアーム35a,35bを介して容器Bが下降され、口部から電子線照射ノズルEnが離脱される。さらに容器Bが第3−4接続部J3−4に接近すると、開閉入力カム43の作用でクランプアーム35a,35bが開放され、容器Bが第4旋回搬送装置M4にネック部nが受け渡されて第4旋回経路L4に移送される。
【0030】
また第3旋回経路L3の内周部には、旋回テーブル25と支持テーブル24の間に、第3内周遮蔽体S3が配設されている。
さらに
図3,
図4に示すように、旋回テーブル25には、外周部から下方に垂設され、リング状軸受を介して架台天板21Uに旋回移動自在に支持された外周壁47に、連動用第3リングギヤ48が取り付けられている。そして、
図5に示すように、旋回搬送用駆動装置49に減速機を介して回転駆動される搬送駆動ギヤ50が連動用第3リングギヤ48に噛合されている。
【0031】
(外面殺菌ゾーン)
図3に示すように、架台天板21U上の第1,第2遮蔽室R1,R2に、第1,第2旋回搬送装置M1,M2がそれぞれに設置されている。これら第1旋回搬送装置M1および第2旋回搬送装置M2は、架台天板21Uに軸受を介して回転自在に貫設された第1回転軸51、第2回転軸71の上端部に、第1旋回テーブル52、第2旋回テーブル72がそれぞれ固定されている。そして、第2回転軸71の下端部に、第3旋回搬送装置M3の連動用第3リングギヤ48に噛み合う第2連動ギヤ73が取り付けられ、また第1回転軸51の下端部に第2連動ギヤ73に噛み合う第1連動ギヤ53が取り付けられ、第3旋回搬送装置M3の外筒軸23aに連動連結されて回転駆動される。
【0032】
第1旋回テーブル52および第2旋回テーブル72の外周部には、第1,第2容器保持装置54,74が一定ピッチで配設されている。ここで、第1,第2容器保持装置54,74は、ネック部nの把持位置を除いて略同一構造であるため、第1容器保持装置54のみを説明し、第2容器保持装置74には同一符号を付して説明を省略する。また、後述するように、出口トラップゾーンZ4の第4〜第6容器保持装置84,94およびリジェクトゾーンZRのリジェクト容器保持装置114も、ネック部nの把持位置を除いて略同一構造であり、詳細な説明を省略する。
【0033】
第1容器保持装置54は、
図6,
図7に示すように、第1旋回テーブル52の外周部に上下方向の支持筒55が貫設され、この支持筒55の上端部に支持プレート56が取り付けられている。そして、この支持プレート56上に左右一対のクランプアーム57a,57bがそれぞれ一対の支持ピン58を介して開閉自在に支持されている。そして両クランプアーム57a,57bは、一方のクランプアーム57aに板部材を介して取り付けられた連動ピン60が他方のクランプアーム57bの受動溝に嵌合され、一方のクランプアーム57aの開閉に連動ピン60を介して連動させて他方のクランプアーム57bを、支持ピン58を中心に開閉させることができる。またクランプアーム57a,57bの先端側間に連結された閉動付勢ばね59により閉動方向に付勢されている。
【0034】
支持筒55内に開閉軸61が回転自在に支持され、開閉軸61の下端部には、カムレバーを介して開閉入力カムフォロワ62が取り付けられ、このカムレバーに連結された開閉拘束ばね63により、開閉入力カムフォロワ62を、容器Bを受渡しする第0−1接続部J0−1および第1−2接続部J1−2に対応して第1回転軸51の外筒部に取り付けられた開閉入力カム65に当接させるように構成されている。
【0035】
前記開閉軸61の上端部には、クランプアーム57a,57bの基端部間に配置される開閉出力カム64が取り付けられており、開閉軸61の回転により開閉出力カム64を介して一方のクランプアーム57aを開閉駆動することができる。
【0036】
第1容器保持装置54および第2容器保持装置74の第1,第2旋回テーブル52,72上で第1,第2旋回経路L1,L2の外周部に第1,第2内周遮蔽体S1,S2がそれぞれ設置されている。
【0037】
ここで、第1遮蔽室R1に配置された第1電子線照射装置E1と第2遮蔽室R2に配置された第2電子線照射装置E2について説明する。
電子線を照射して容器Bの外面を殺菌する場合、第1,2旋回経路L1,L2の内周側には、第1,2旋回搬送装置M1,M2がそれぞれあるために電子線照射装置を設置することができない。このため、隣接する2本の旋回経路の外周部にそれぞれ電子線照射装置を配置して、外半面にそれぞれ電子線を照射する。
【0038】
ここで、重要な課題は、A)第1遮蔽室R1に搬入された容器Bに付着した汚染物が、外面殺菌ゾーンZ2にできるだけ持ち込まれないようにする点、B)容器Bの一方の外半面が殺菌された後、他方の外半面を殺菌するまでの間に、他方の外半面に付着した汚染物の拡散と、この汚染部による殺菌後の一方の外半面の汚染を最小限に留める点、C)他方の外半面を殺菌した後から内面殺菌ゾーンZ3までの間で、容器Bの再汚染を最小に留める点である。
【0039】
このため、この第1実施例では、A)を解決するために、第1旋回経路L1の入口近傍で、容器Bに電子線を照射する第1電子線照射装置E1を配置し、最短搬送距離と短時間で容器Bの外面殺菌を開始し、容器Bに付着した汚染物の浸入を防止している。
【0040】
B)を解決するために、第1旋回経路L1と第2旋回経路L2の第1−2接続部J1−2の上流側近傍の第1旋回経路L1に、第1電子線照射装置E1を設置するとともに、第2旋回経路L2の第1−2接続部J1−2の下流側近傍に、第2電子線照射装置E2を設置することにより、一方の外半面の殺菌から他方の外半面を殺菌するまでの搬送距離と時間とを最小としている。
【0041】
C)を解決するために、第2旋回経路L2において、他方の外半面を殺菌した位置から第2−3接続部J2−3までの搬入経路部L2cに、第2電子線照射装置E2から照射される電子線と、外面殺菌ゾーンZ2の電子線照射ノズルEnから照射される電子線が第2−3接続開口部(容器入口)P2−3を介して漏出される電子線(X線)ができるだけ容器Bに照射されるように構成している。これは、第2電子線照射装置E2の電子線の照射方向を、搬入経路部L2cにある容器Bに向くように設置している。
【0042】
すなわち、第1電子線照射装置E1は、第1遮蔽室R1内で、入口トラップゾーンZ1のU字形搬送経路LUと第1旋回経路L1の第0−1接続部J0−1近傍で、かつ第1−2接続部J1−2の上流側近傍の第1旋回経路L1の外周側に、電子線を容器Bに向かって照射するように設置されている。また、第2電子線照射装置E2は、第2遮蔽室R2内で第1−2接続部J1−2の下流側近傍の第2旋回経路L2の外周側に設置され、第2電子線照射装置E2からの電子線を、第2電子線照射装置E2に対向する第2旋回経路L2上の容器Bと、その下流側で搬入経路部L2cの容器Bに向かって照射するように、電子線の照射方向が設定されている。さらに搬入経路部L2cが、第3遮蔽室R3の第2−3接続開口部P2−3に臨んで配置されることから、第3遮蔽室R3から漏出される電子線(X線)も容器Bに照射される。
【0043】
なお、ここで
図14に示すように、第2電子線照射装置E2から照射された電子線の一部を、単数または複数の電子線偏向装置EAを介して、殺菌後の搬入刑経路部L2b上の容器Bに照射するように構成してもよい。
【0044】
また、第2遮蔽室R2には、第3遮蔽室R3の第2−3接続開口部P2−3に対向する遮蔽壁R2aから第2旋回搬送装置M2に向かって第2電子線照射装置E2の下流側に向かって突出する金属製遮蔽体からなる第2室トラップ壁T2が突出され、第2室トラップ壁T2により第2室減衰室R2bが形成されている。これにより、第2−3接続開口部P2−3および第2電子線照射装置E2から放出される電子線(X線)を、第2室トラップ壁T2により遮蔽して第2室減衰室R2bに導き、反射させて減衰させることができる。
【0045】
(入口トラップゾーン)
入口トラップゾーンZ1は、
図12(a)に示すように、平面視で2つの1/4円弧部LUi,LUoを接続したU字形搬送経路LUを形成する複数のコンベヤ式搬送装置11と、U字形搬送経路LUを囲む平面視U字形の入口トラップ遮蔽室12を具備している。入口トラップ遮蔽室12には、入口トラップ遮蔽室12により外面および内面殺菌ゾーンZ2,Z3から漏出された電子線(X線)を遮蔽する金属製遮蔽体からなる複数の第1,第2入口トラップ壁T0a,T0bと、入口減衰室R0aと、を具備している。
【0046】
第1入口トラップ壁T0aは、入口トラップ遮蔽室12と第1遮蔽室R1の接続部で、U字形搬送経路LU中心として第1旋回経路L1に反対側で、入口トラップ遮蔽室12の遮蔽側壁に垂直に(横断方向に)突出されている。この第1入口トラップ壁T0aにより、第1電子線照射装置E1や第3電子線照射装置E2、第3遮蔽室R2,R3の電子線照射ノズルEnから照射された電子線(X線)が、第0−1接続開口部(容器入口)P0−1から入口トラップ遮蔽室12に侵入するのを削減することができる。
【0047】
また下流側の第1入口減衰室R0aは、下流側の1/4円弧部LUoの外周側に第1遮蔽室R1に対向して配置され、入口トラップ遮蔽室12から平面視で矩形状に突出する囲い遮蔽壁12aにより形成されている。11aは、第1入口減衰室R0aの開口部に設けられてコンベヤ式搬送装置11を囲む遮蔽無しのコンベヤシールド壁である。この第1入口減衰室R0aにより、第1遮蔽室R1から第0−1接続開口部P0−1を介して浸入した電子線(X線)を反射させて入口トラップ遮蔽室12の入口側に放出される線量を削減している。
【0048】
さらに上流側の第2入口トラップ壁T0bが、第1入口減衰室R0aの上流端からU字形搬送経路LUを横断する方向に突出されており、第1入口減衰室R0a内に浸入した電子線(X線)が第2入口トラップ壁T0bに遮蔽されて、入口トラップ遮蔽室12から入口側に放出される線量を削減している。
【0049】
さらに、
図12(b)に示すように、入口側の1/4円弧部LUiに対応する第2入口減衰室R0bと、第3入口トラップ壁T0cを設けてもよい。ここで第2入口減衰室R0bと第3入口トラップ壁T0cは、第1入口減衰室R0aおよび第2入口トラップ壁T0bを平面視で時計方向に90°旋回した形態で、平面視矩形に形成された囲い遮蔽壁12bにより形成され、1/4円弧部LUiの外周側に配置される。これにより、さらに入口トラップ遮蔽室12の入口側に放出される線量を大幅に削減することができる。
【0050】
(出口トラップゾーン)
出口トラップゾーンZ4は、第3旋回経路L3の出口側である第3−4接続部J3−4から、第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6により形成される3つの第4〜第6旋回経路L4〜L6が直列に接続されて、容器排出部である第6−8接続部J6−8に接続され、各第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6が、金属製遮蔽体からなる第4〜第6遮蔽室R4〜R6にそれぞれ収容されている。
【0051】
架台天板21U上の第4〜第6遮蔽室R4〜R6に、第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6がそれぞれに設置されており、これら第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6は、架台天板21Uに軸受を介して第4〜第6回転軸81,91,101がそれぞれ回転自在に貫設され、これら第4〜第6回転軸81,91,101の上端部に第4〜第6旋回テーブル82,92,102がそれぞれ固定されている。そして、
図5に示すように、第4回転軸81の下端部に、第3旋回搬送装置M3の連動用第3リングギヤ48に噛み合う第4連動ギヤ83が取り付けられ、また第5回転軸91の下端部に第4連動ギヤ83に噛み合う第5連動ギヤ93が取り付けられている。さらに第6回転軸101の下端部に第5連動ギヤ93に噛み合う第6連動ギヤ103が取り付けられ、これら第4〜第6旋回テーブル82,92,102が、第3旋回搬送装置M3の外筒軸23aに連動連結されて回転駆動されている。
【0052】
第4〜第6旋回テーブル82,92,102の外周部には、第4〜第6容器保持装置84,94,104が一定ピッチで配設されている。そして第4〜第6旋回テーブル82,92,102上で第4〜第6旋回経路L4〜L6の内周部には、上面が閉塞された第4〜第6内周遮蔽体S4〜S6がそれぞれ設けられている。
【0053】
ここで、第4〜第6容器保持装置84,94,104は、ネック部nの把持位置を除いて第1容器保持装置54と略同一構造であるため、第1容器保持装置54と同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
次に出口トラップゾーンZ4の遮蔽構造を説明する。
まず、第1〜第6旋回経路L1〜L6における第1−2〜第5−6接続部J1−2〜J6−8の第1−2〜第6−8接続開口部P1−2〜P6−8、およびリジェクト旋回経路LRにおけるリジェクト接続部J5−Rのリジェクト接続開口部P5−Rは、それぞれ略同一構造であるため、ここでは第4−5接続部J4−5に形成された第4−5接続開口部P4−5についてのみ、
図10を参照して説明し、他の接続開口部の説明は省略する。
【0055】
第4−5接続開口部P4−5は、第4遮蔽室R4の遮蔽側壁R4Wと第5遮蔽室R5の遮蔽側壁R5Wは所定間隔をあけて互いに重なる状態で配置され、これら2枚の遮蔽側壁R4W,R5Wにそれぞれ形成された異形の第1,第2開口13,14により構成されている。すなわち、第1開口13は、第4旋回経路L4から第4−5接続部J4−5を介して第5旋回経路L5上を搬送される容器Bを通過可能な上下幅の広い受渡し部13aと、第5旋回経路L5に沿って移動されるクランプアーム57a,57b(35a,35b)の先端部分が通過可能な上下幅の狭い保持具挿通部13b,14bとで構成されている。また第2開口14も、第4旋回経路L4から第4−5接続部J4−5を介して第5旋回経路L5上を搬送される容器Bが通過可能な受渡し部14aと、第4旋回経路L4に沿って移動されるクランプアーム57a,57b(35a,35b)の先端部分が通過可能な保持具挿通部14bとで構成されている。このように遮蔽側壁R4W,R5Wに対応して異形の第1,第2開口13,14を形成することにより、第4−5接続開口部P4−5から漏出する電子線(X線)の線量を低減することができる。
【0056】
またこれら第4〜第6旋回経路L4〜L6の第4−5〜第6−8接続部J4−5〜J6−8の配置に関し、第3−4接続開口部P4−5に対して第4−5接続開口部P4−5は、幾分の角度αを持って配置されるが、第4−5接続開口部P4−5、第5−6接続開口部P5−6、第6−8接続開口部P6−8は、略直線状に配置され、第4〜第6旋回搬送装置M4〜M6が略直線状に配置されている。ここで、
図11(a)に示すように、第3遮蔽室R3の第3−4接続開口部P3−4から直接漏出される電子線は、第4遮蔽室R4のほぼ全域で検出されることになるが、第4旋回搬送装置M4の第4内周遮蔽体S4に遮られる背面部分に電子線が達することがない。さらに第4−5接続開口部P4−5を介して第5遮蔽室R5に達する電子線は、第5旋回搬送装置M5の第5内周遮蔽体S5に遮られて第5−6接続開口部P5−6に達することがない。このように、第5遮蔽室R5に達する電子線に対して、第5内周遮蔽体S5はきわめて有効に働くことがわかる。
【0057】
ここで、第5旋回経路L5の外径を第4,第6旋回経路L4,L6の外径に比較して大きく設定することにより、第5旋回搬送装置M5の第5内周遮蔽体S5の外径D5を、第4,6内周遮蔽体S4,S6の外径D4,D6に比較して大きくすることができる。これにより、第3−4接続開口部P3−4および第4−5接続開口部P4−5から漏出する電子線(X線)を効果的に遮蔽することができる。また第5内周遮蔽体S5の外径D5は、第4,6内周遮蔽体S4,S6の外径D4,D6に対して1.3倍以上が好ましく、また2.5倍以下が適正範囲である。ここで1.3倍未満であると、遮蔽能力が低下するからであり、2.5倍を超えると、設備が大型化するためである。また第3−4接続開口部P3−4から漏出し金属製の遮蔽体に衝突した電子線(X線)について考えると、
図11(b)に示すように、第3−4接続開口部P3−4から第4内周遮蔽体S4に衝突して発生するX線が、第4−5接続開口部P4−5を介して第5遮蔽室R5に漏出した場合、第5内周遮蔽体S5の外径D5が小さいと、第5−6接続開口部P5−6を介して第6遮蔽室R6に漏出されるおそれがある。このため、内周遮蔽体S5の外径D5が大きく形成されることで、第5−6接続開口部P5−6から第6遮蔽室R6に漏れ出すX線量をほとんど無くすことができる。
【0058】
次いで、第4遮蔽室R4には、第3遮蔽室R3の第3−4接続開口部P3−4に対向する遮蔽壁R4aから第3−4接続開口部P3−4に向かって突出された金属製遮蔽体からなる第4室トラップ壁T4が突出され、この第4室トラップ壁T4により第4室減衰室R4bが形成されている。したがって、第3遮蔽室R3の電子線照射ノズルEnから第3−4接続開口部P3−4を介して第4遮蔽室R4に漏出される電子線(X線)を、第4室トラップ壁T4により遮蔽して第4室減衰室R4bに導き、反射させて減衰させることができる。
【0059】
また第5遮蔽室R5には、第5−6接続開口部P5−6近傍の遮蔽側壁から略垂直に突出される第5室トラップ壁T5が設けられている。この第5室トラップ壁T5は、第5−6接続開口部P5−6でリジェクト室RRの反対側に配置されており、この第5室トラップ壁T5により、第4−5接続開口部P4−5から浸入した電子線(X線)が遮蔽壁に反射して、第5−6接続開口部P5−6から第6遮蔽室R6に浸入する線量を減少させることができる。
【0060】
[リジェクトゾーン]
たとえば供給電圧が低く所定の電子線量が照射できなかった殺菌不良容器Bを排出するリジェクトゾーンZRには、クリーンルーム22内にリジェクト旋回搬送装置MRが設置されて、リジェクト旋回経路LRが形成されている。このリジェクト旋回搬送装置MRは、架台天板21Uに軸受を介してリジェクト回転軸111が貫設され、リジェクト回転軸111の上端部にリジェクト旋回テーブル112が取り付けられている。そしてリジェクト旋回テーブル112の外周部に、第1容器保持装置54と同一構造のリジェクト容器保持装置114が一定ピッチで取り付けられている。リジェクト旋回テーブル112はリジェクト回転軸111の下端部に取り付けられたリジェクト連動ギヤ113が、第5連動ギヤ93と噛合されて、第3旋回搬送装置M3の外筒軸23aに連動連結されて回転駆動される。
【0061】
このリジェクトゾーンZRにおけるリジェクト旋回経路LRに設置される排出シュート121,131を
図13を参照して説明する。
図13(c)は比較例を示す排出シュート141で、リジェクト排出口PRに対応して形成された容器入口142から天井テーパ部143を介して傾斜するシュート本体144に容器Bを送り出し、容器出口145からトレイに落下させる構造である。この排出シュート141の場合には、リジェクト排出口PRに達したX線が、さらに少ない反射回数または直接容器出口145から漏出しやすい。
【0062】
図13(a)は金属製遮蔽壁により形成される排出シュート121の第1実施例で、リジェクト排出口PRの下流側のリジェクト遮蔽室RRに、段部を介して天井部の高い減衰室122を形成し、シュート本体123の入口天井部123aを減衰室122内に突出させている。またシュート本体123の中間部に折れ曲がり部123bを形成し、容器出口123cを下方に折り曲げている。この排出シュート121では、X線が減衰室122の遮蔽壁に反射され、また折れ曲がり部123bと容器出口123cの遮蔽壁に反射されることから、容器出口123cから漏出されるX線量は大幅に減少される。
【0063】
図13(b)は金属製遮蔽壁により形成される排出シュート131の第2実施例で、減衰室132や入口部分133a、折れ曲がり部133b、容器出口133cは第1実施例と同様に形成されているが、減衰室132の天井部に段部を無くして高い平坦状に形成されている点で相違している。この第2実施例の排出シュート131は、第1実施例と同様の作用効果を奏することができる。
【0064】
(第1実施例の効果)
上記第1実施例によれば、外面殺菌ゾーンZ2に配置された第1,第2旋回経路L1,L2の第1−2接続部J1−2の上流側近傍と下流側近傍とに、容器Bの外半面にそれぞれ電子線を照射して殺菌する第1,第2電子線照射装置E1,E2を互いに接近して配置したので、一方の外半面を殺菌後、短時間で他方の外半面を殺菌することができ、一方の外半面を殺菌した後に、他方の外半面に付着した汚染物が一方の外半面に付着して再汚染されることが極めて少なくなり、外面全体の殺菌を効果的に行うことができる。
【0065】
また、第2電子線照射装置E2から照射される電子線の一部が、殺菌後の第2旋回経路L2上の容器Bに照射されることにより、全面が殺菌された容器Bの外面の再汚染を効果的に防止することができる。
【0066】
さらに外面、内面殺菌ゾーンZ2,Z3では、第1〜第3旋回駆動装置M1〜M3に、第1〜第3旋回経路L1〜L3の内周部に沿う、第1〜第3内周遮蔽体S1〜S3を設置することにより、外面、内面殺菌ゾーンZ2,Z3の第1〜第3遮蔽室R1〜R3と第1〜第3内周遮蔽体S1〜S3間で、電子線の反射回数を増大させて効果的に減衰させることができる。
【0067】
また出口トラップゾーンZ4では、第4〜第6旋回駆動装置M4〜M6に第4〜第6旋回経路L4〜L6の内周部に沿って第4〜第6内周遮蔽体S4〜S6を設置することにより、内面殺菌ゾーンZ3の第3遮蔽室R3から第3−4接続開口部P3−4を介して漏出される電子線(X線)を効果的に遮蔽することができ、下流側に漏出される電子線(X線)を効果的に減衰することができる。
【0068】
さらにまた、内面殺菌ゾーンZ3では、容器Bの口部への電子線照射ノズルEnへの挿入と、電子線の照射を行うために、容器Bの十分な搬送距離と時間が必要で、第3旋回経路L3を長くするために直径を大きくする必要があるが、第3−4接続開口部P3−4に配置される出口トラップゾーンZ4の第4旋回経路L4の径が大きいと、第3旋回経路L3の搬送距離を制限することになり、出口トラップゾーンZ4では第4旋回経路L4の径を大きくとることができない。このため、第3−4接続開口部P3−4から出口トラップゾーンZ4の上流側の第4遮蔽室R4に漏出する電子線(X線)の線量は必然的に多くなる傾向になる。
【0069】
この対策として、第5旋回経路L5の外径を大きくし、第5内周遮蔽体S5の外径D5を、第4内周遮蔽体S4の外径D4の1.3〜2.5倍の範囲で大きく形成することにより、第4遮蔽室R4から第5遮蔽室R5を介して下流側に漏出する電子線(X線)の線量を効果的に減少させることができる。
【0070】
また、出口トラップゾーンZ4の第4遮蔽室R4に、第4室トラップ壁T4を設けて第4室減衰室R4bを形成したので、内面殺菌ゾーンZ3の第3−4接続排出口P3−4から漏出する電子線(X線)を第4室減衰室R4bに導入することができ、減衰室R4bで電子線(X線)を効果的に反射させて減衰させることができる。
【0071】
また第5遮蔽室R5では、第5−6接続開口部P5−6近傍の遮蔽側壁に、第5室トラップ壁T5を設けたので、第4−5接続開口部P4−5から浸入する電子線(X線)を遮蔽して第6遮蔽室R6に浸入する線量を減少させることができる。
【0072】
さらに、外面殺菌ゾーンZ2の第2遮蔽室R2で、第2-3接続開口部P2−3に対向する遮蔽壁から第2室トラップ壁T2を突設して第2室減衰室R2bを形成したので、第2−3接続開口部P2−3から漏出する電子線(X線)を、第2室トラップ壁T2により第2室減衰室R2bに導入して、効果的に反射させ減衰させることができる。
【0073】
[第2実施例]
本発明に係る電子線殺菌設備の第2実施例を、
図15および
図16を参照して説明する。この実施例2は、入口トラップゾーンZ1を複数の旋回経路LT1,LT2で構成したものである。
【0074】
この入口トラップゾーンZ1には、搬入旋回搬送装置M0により形成される搬入旋回経路LSと、第1旋回経路L1との間に、第1トラップ旋回経路LT1と第2トラップ旋回経路LT2とが直列に接続されて配置されている。そして第1トラップ旋回経路LT1を形成する第1トラップ旋回搬送装置MT1と、第2トラップ旋回経路LT2を形成する第2トラップ旋回搬送装置MT2は、それぞれ金属製遮蔽壁により形成された第1トラップ遮蔽室RT1内および第2トラップ遮蔽室RT2内に収容されている。そして搬入旋回搬送装置M0および第1,第2トラップ旋回搬送装置MT1,MT2には、搬入旋回経路LSおよび第1,第2トラップ旋回経路LT1,LT2が、それぞれの旋回経路LS,LT1,LT2の内周部に沿って金属製遮蔽壁からなる搬入部内周遮蔽壁S0および第1,第2トラップ内周遮蔽壁ST1,ST2が設けられている。さらに、搬入旋回経路LSと第1トラップ旋回経路LT1のトラップ入口接続部JT0−1、第1トラップ旋回経路LT1と第2トラップ旋回経路LT2のトラップ中間接続部JT1−2、および第2トラップ旋回経路LT2と第1線回経路L1のトラップ出口接続部JT2−1では、第1トラップ遮蔽室RT1内および第2トラップ遮蔽室RT2の遮蔽壁に、実施例1と略同一構造のトラップ入口、中間、出口接続開口部PT0−1、PT1−2、PT2−1がそれぞれ形成されている。
【0075】
なお、これら搬入旋回駆動装置M0および第1,第2トラップ旋回搬送装置MT1,MT2は、第1実施例と同一に構成されるため、同一符号を付して説明を省略する。
ここで、
図16(a)に示すように、第3遮蔽室R3の電子線照射ノズルEnおよび第2電子線照射装置E2から照射された電子線が、直接または反射X線として第2トラップ遮蔽室RT2に侵入することは極めて少ない。しかし、第1電子線照射装置E1から照射されてトラップ出口接続開口部PT2−1から漏出される電子線が浸入するおそれがある。この対策として、第2トラップ旋回経路LT2の外径を、第1旋回経路L1の外径より大きく形成し、第2トラップ内周遮蔽体ST2の外径DT2を第1内周遮蔽体S1の外径D1より十分に大きく形成している。このように、トラップ出口接続開口部PT2−1に臨む第2トラップ内周遮蔽体ST2を十分に大きく形成することにより、トラップ出口接続開口部PT2−1から漏出する電子線(X線)を効果的に遮蔽することができる。すなわち、第2トラップ内周遮蔽体ST2の外径DT2は、第1内周遮蔽体S1の外径D1に対して1.3倍以上が好ましく、また2.5倍以下が適正範囲である。ここで1.3倍未満であると、遮蔽能力が低下するからであり、2.5倍を超えると、設備が大型化するためである。
【0076】
また
図15、
図16で第0−1入口接続開口部P0−1の一方の第1トラップ遮蔽室RT1の遮蔽壁が延長されているのは、容器保持具のみが通過する開口部が形成されているためである。
【0077】
(内周遮蔽体の他の実施例)
実施例1、2において、第1〜第6旋回搬送装置M1〜M6、中間旋回駆動装置M8、リジェクト旋回駆動装置MR、搬入旋回駆動装置M0、第1、第2トラップ旋回搬送装置MT1,MT2にそれぞれ設けられた第1〜第6内周遮蔽体S1〜S6、中間内周遮蔽体S8、リジェクト内周遮蔽体SR、搬入部内周遮蔽体S0および第1,第2トラップ内周遮蔽体ST1,ST2を、それぞれ天面が閉鎖された円筒形に形成したが、
図17(a)に示す内周遮蔽体S11のように、円筒形の外周面に、軸心方向の凹状溝aを周方向に一定ピッチで形成してもよい。また
図17(b)に示す内周遮蔽体S12のように、円筒方の外周面に、軸心方向に沿う反射板bを周方向に一定ピッチで突設してもよい。さらに
図17(c)に示す内周遮蔽体S13のように、軸心部で交差する半径方向の遮蔽板cを所定角度ごとに放射方向に組み立ててもよい。
【0078】
上記内周遮蔽体S11〜S13によれば、入射する電子線をより効果的に拡散させて減衰を促進することができる。