【実施例】
【0044】
実施例1
市販ペパーミントオイルに、(E,Z,Z)−6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン(ユズノン:長谷川香料(株)の登録商標)のエタノール希釈液を表1に示した濃度となるように配合し、比較品1〜3および本発明品1〜8を得た。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例2(ペパーミントオイル粉末香料の調製)
軟水1300gに化工デンプン300gおよびデキストリン400gを溶解した後、比較品1〜3および本発明品1〜8をそれぞれ300gずつ加え、ホモミキサーにて乳化粒子経0.5μm〜2μm程度に乳化を行い、O/Wエマルジョンを得た。このエマルジョンをモービルマイナー型スプレードライヤー(ニロジャパン社製)を使用して、熱風入り口温度150℃、排風温度80℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、表1に示した量のユズノンを配合したペパーミントオイルを30質量%含有する粉末香料をそれぞれ980gずつ得た。
【0047】
実施例3(チューインガムへの賦香試験および官能評価:ミント様のハーブ感、ミント感、天然感、フレッシュ感の評価)
下記に示すチューインガム基材に、本発明品1〜8または比較品1〜3の粉末香料をそれぞれ添加し、高せん断型ミキサーを用いて常法により約50℃で混合し、冷却後ロールにかけて圧展成型し、1枚3gのミントチューインガム(ペパーミントオイル0.3%含有)を調製した。
チューインガム基材組成
原料 配合量(質量部)
チューインガムベース 25部
砂糖 54
ブドウ糖 8
コーンシロップ(Bx85) 11.4
グリセリン 0.6
本発明品または比較品の粉末香料 1
このミントチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。10人の平均的な官能評価結果を表2に示す。
【0048】
官能評価は、それぞれのミントチューインガムについて、よく訓練された10名のパネリストにて、ミントチューインガムの咀嚼中におけるミント風味におけるミント様のハーブ感、ミント感、天然感、フレッシュ感を下記基準により採点し、また、官能評価を記した。10名のパネリストの採点の平均点および平均的な官能評価結果を表2に示す。
【0049】
ミント風味の採点基準:
コントロール(無配合):0点
コントロールと比べ、ごくわずかにミント様のハーブ感、ミント感が強い:2点
コントロールと比べ、わずかに、ミント様のハーブ感、ミント感が強い:4点
コントロールと比べ、やや、ミント様のハーブ感、ミント感が増強し、天然感、フレッシュ感が感じられる:6点
コントロールと比べ、ミント様のハーブ感、ミント感が増強され、天然感、フレッシュ感が強く感じられる:8点
コントロールと比べ、ミント様のハーブ感、ミント感が大幅に増強し、天然感、フレッシュ感が極めて強く感じられる:10点
コントロールと比べ、ややグリーンノート、果実様香気が強すぎ、バランスがやや悪い:−2点
コントロールと比べ、グリーンノート、果実様香気が強すぎ、バランスが悪い:−4点
【0050】
【表2】
【0051】
表2に示したとおり、ペパーミントオイルにユズノンを0.01ppm(1×10
−8質量部)〜10000ppm(1×10
−2質量部)の濃度範囲で配合した場合には、ミントチューインガムにミント様のハーブ感が付与され、ミント感が増強された。また、ユズノンのペパーミントオイルに対する配合濃度が、0.01ppmでは、賦香したミントチューインガムは、ごくわずかにミント様のハーブ感、ミント感が増強される程度であるが、配合濃度の増加と共に、ミント様のハーブ感、ミント感の増強効果が高まり、さらに天然感、フレッシュ感が良好に感じられることが確認された。しかしながら、10000ppmの配合ではミント様のハーブ感、ミント感は強く感じられるが、ややユズノン特有のグリーンノート、果実様香気が強すぎるとの評価であった。また、さらに配合量を増やし、50000ppmではユズノン特有のグリーンノート、果実様香気が強すぎてバランスが悪くなるという結果であった。
【0052】
以上より、ペパーミントオイル1質量部に対してユズノンの配合量が0.01ppm(1×10
−8質量部)〜10000ppm(1×10
−2質量部)の範囲であれば、ペパーミントオイルに良好なミント様のハーブ感が付与され、本発明のミント風味香料組成物を添加したミントチューインガムのミント感が増強できることが判明した。
【0053】
実施例4
市販ペパーミントオイルに、3−メチル−2,4−ノナンジオンのエタノール希釈液を表3に示した濃度となるように配合し、比較品4〜6および本発明品9〜16を得た。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例5(ペパーミントオイル粉末香料の調製)
実施例2と同様の製法にて、比較品4〜6および本発明品9〜16を粉末香料とし、表3に示した量の3−メチル−2,4−ノナンジオンを配合したペパーミントオイルを30質量%含有する粉末香料をそれぞれ980gずつ得た。
【0056】
実施例6(チューインガムへの賦香試験および官能評価:ミント様のリーフ感、ミント感、天然感、フレッシュ感の評価)
比較品4〜6および本発明品9〜16を粉末香料としたものを用いて、実施例3と同様の組成および製法で、1枚3gのミントチューインガム(ペパーミントオイル0.3%含有)を調製した。
【0057】
このミントチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。10人の平均的な官能評価結果を表4に示す。
【0058】
官能評価は、それぞれのミントチューインガムについて、よく訓練された10名のパネリストにて、チューインガムの咀嚼中におけるミント風味におけるミント様のリーフ感、ミント感、天然感、フレッシュ感を下記基準により採点し、また、官能評価を記した。10名のパネリストの採点の平均点および平均的な官能評価結果を表4に示す。
【0059】
ミント風味の採点基準:
コントロール(無配合):0点
コントロールと比べ、ごくわずかにミント様のリーフ感、ミント感が強い:2点
コントロールと比べ、わずかに、ミント様のリーフ感、ミント感が強い:4点
コントロールと比べ、やや、ミント様のリーフ感、ミント感が増強し、天然感、フレッシュ感が感じられる:6点
コントロールと比べ、ミント様のリーフ感、ミント感が増強され、天然感、フレッシュ感が強く感じられる:8点
コントロールと比べ、ミント様のリーフ感、ミント感が大幅に増強し、天然感、フレッシュ感が極めて強く感じられる:10点
コントロールと比べ、ややグリーンノート、緑茶様香気が強すぎ、バランスがやや悪い:−2点
コントロールと比べ、グリーンノート、緑茶様香気が強すぎ、バランスが悪い:−4点
【0060】
【表4】
【0061】
表4に示したとおり、ペパーミントオイルに3−メチル−2,4−ノナンジオンを0.001ppm(1×10
−9量部)〜1000ppm(1×10
−3質量部)の濃度範囲で配合した場合は、ミントチューインガムにミント様のリーフ感が付与され、ミント感が増強された。また、3−メチル−2,4−ノナンジオンをペパーミントオイルに対する配合濃度が、0.001ppmではごくわずかにミント様のリーフ感、ミント感が増強される程度であるが、配合濃度の増加と共に、ミント様のリーフ感、ミント感の増強効果が高まり、さらに天然感、フレッシュ感が良好に感じられることが確認された。しかしながら、1000ppmの配合ではミント様のリーフ感、ミント感は強く感じられるが、やや3−メチル−2,4−ノナンジオン特有のグリーンノート、緑茶様香気が強すぎるという評価であった。また、さらに配合量を増やし、5000ppmでは3−メチル−2,4−ノナンジオン特有のグリーンノート、緑茶様香気が強すぎてバランスが悪くなるという結果であった。
【0062】
以上より、ペパーミントオイル1質量部に対して3−メチル−2,4−ノナンジオンの配合量が0.001ppm(1×10
−9質量部)〜1000ppm(1×10
−3質量部)の範囲であれば、ペパーミントオイルに良好なミント様のリーフ感が付与され、本発明のミント風味香料組成物を添加したミントチューインガムのミント感が増強できることが判明した。
【0063】
実施例7
市販ペパーミントオイルに、4−エチルグアヤコールのエタノール希釈液を表5に示した濃度となるように配合し、比較品7〜9および本発明品17〜24を得た。
【0064】
【表5】
【0065】
実施例8(ペパーミントオイル粉末香料の調製)
実施例2と同様の製法にて、比較品7〜9および本発明品17〜24を粉末香料とし、表5に示した量の4−エチルグアヤコールを配合したペパーミントオイルを30質量%含有する粉末香料をそれぞれ980gずつ得た。
実施例9(チューインガムへの賦香試験および官能評価:ミント様の甘いボディ感、ミント感、天然感、フレッシュ感の評価)
実施例3と同様の組成および製法で、1枚3gのミントチューインガム(ペパーミントオイル0.3%含有)を調製した。
【0066】
このミントチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。10人の平均的な官能評価結果を表6に示す。
【0067】
官能評価は、それぞれのミントチューインガムについて、よく訓練された10名のパネリストにて、チューインガムの咀嚼中におけるミント風味におけるミント様の甘いボディ感、リーフ感、ミント感、天然感、フレッシュ感を下記基準により採点し、また、官能評価を記した。10名のパネリストの採点の平均点および平均的な官能評価結果を表6に示す。
【0068】
ミント風味の採点基準:
コントロール(無配合):0点
コントロールと比べ、ごくわずかにミント様の甘いボディ感、ミント感が強い:2点
コントロールと比べ、わずかに、ミント様の甘いボディ感、ミント感が強い:4点
コントロールと比べ、やや、ミント様の甘いボディ感、ミント感が増強し、天然感、フレッシュ感が感じられる:6点
コントロールと比べ、ミント様の甘いボディ感、ミント感が増強され、天然感、フレッシュ感が強く感じられる:8点
コントロールと比べ、ミント様の甘いボディ感、ミント感が大幅に増強し、天然感、フレッシュ感が極めて強く感じられる:10点
コントロールと比べ、ややスパイシーノート、薬品様香気が強すぎ、バランスがやや悪い:−2点
コントロールと比べ、スパイシーノート、薬品様香気が強すぎ、バランスが悪い:−4点
【0069】
【表6】
【0070】
表6に示したとおり、ペパーミントオイルに4−エチルグアヤコールを0.001ppm(1×10
−9量部)〜1000ppm(1×10
−3質量部)の濃度範囲で配合した場合は、ペパーミントオイルにミント様の甘いボディ感が付与され、ミント感が増強された。また、4−エチルグアヤコールをペパーミントオイルに対する配合濃度が、0.001ppmではごくわずかにミント様の甘いボディ感、ミント感が増強される程度であるが、配合濃度の増加と共に、ミント様の甘いボディ感、ミント感の増強効果が高まり、さらに天然感、フレッシュ感が良好に感じられることが確認された。しかしながら、1000ppmの配合ではミント様の甘いボディ感、ミント感は強く感じられるが、やや4−エチルグアヤコール特有のスパイシーノート、薬品様香気が強すぎるという評価であった。また、さらに配合量を増やし、5000ppmでは4−エチルグアヤコール特有のスパイシーノート、薬品様香気が強すぎてバランスが悪くなるという結果であった。
【0071】
以上より、ペパーミントオイル1質量部に対して4−エチルグアヤコールの配合量が0.001ppm(1×10
−9質量部)〜1000ppm(1×10
−3質量部)の範囲であれば、ペパーミントオイルに良好なミント様の甘いボディ感を付与し、本発明のミント風味香料組成物を添加したミントチューインガムのミント感が増強できることが判明した。
【0072】
参考例1
下記処方にて、ミント系香料、その他の成分および溶剤からなる調合香料組成物を調製し、参考品1とした。
【0073】
配 合 成 分 配合量(質量部)
ミント系香料:
ペパーミントオイル 20
スペアミントオイル 10
薄荷白油 10
l−メントール 30
l−カルボン 12.5
ユーカリプタスオイル 5
その他の成分:
アネトール 1
レモンオイル 0.5
シナモンオイル 0.5
ガルバナムオイル 0.2
シス−3−ヘキセノール 0.1
1,3,5−ウンデカトリエン 0.1
β−ダマセノン 0.1
溶剤:
エタノール 10
合計 100(このうちミント系香料87.5)
【0074】
実施例10
参考品1に本発明のミント風味増強剤である、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン(ユズノン:長谷川香料(株)の登録商標)を87.5ppm(ミント系香料に対し100ppm)、3−メチル−2,4−ノナンジオンを8.75ppm(ミント系香料に対し10ppm)および4−エチルグアヤコールを8.75ppm(ミント系香料に対し10ppm)配合し、本発明のミント風味香料組成物(本発明品25)を得た。
【0075】
参考品1および本発明品25をそれぞれ実施例2と同様の製法にて、粉末香料とした。得られた粉末香料を用いて、実施例3と同様の方法にて、実施例3と同様の組成および製法で、1枚3gのミントチューインガム(調合香料組成物0.3%含有)を調製した。
【0076】
このチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。その結果、10名が10名とも本発明品25を添加したチューインガムの方が参考品1を添加したチューインガムと比較して、ミントの香気、香味の拡散性、強さ、インパクトが増強されており、香気・香味の持続性においても優れており、また、格段に優れた天然感があるとして、おいしいと評価した。
【0077】
実施例11
市販ミントリキュール(比較品10とする)に本発明のミント感増強剤として(E,Z,Z)−6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン(ユズノン:長谷川香料(株)の登録商標)のエタノール希釈液をユズノンとして30ppbとなるように配合したもの(本発明品26)、3−メチル−2,4−ノナンジオンを3ppbとなるように配合したもの(本発明品27)、および、4−エチルグアヤコールを3ppbとなるように配合したもの(本発明品28)を調製した。
【0078】
ミントムースの調製
水150gにゼラチン50gを加え、約60分間放置した。これとは別に、卵黄200g(約10個分)と上白糖30gを良く攪拌混合した。これとはまた別に、牛乳450mlと生のペパーミント葉50gを混合し、ミキサーを用いて液中粉砕し、さらし布にて不溶解物を除去した後、分離液を徐々に加熱し、95℃に達温した時点で、先に調製した卵黄と上白糖の混合物を攪拌しながら混合し、90℃にて5分間攪拌加熱を続けた。加熱を止めた後、水で湿潤したゼラチンを添加し、良く溶解し、20℃まで冷却したところで、7分目に泡立てた生クリーム1250mlと比較品10または本発明品26〜28のいずれかのミントリキュール15mlを加え、良く混合した。容器に少量(約100ml)ずつ小分けし、5℃冷蔵庫で約2時間冷却し、比較品10または本発明品26〜28のいずれかのミントリキュールを添加したミントムースを調製した。
【0079】
これらのミントムースについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。その平均的な官能評価結果を表7に示す。
【0080】
【表7】
【0081】
表7に示した通り、10名のパネリストのほぼ全員が本発明のミント風味増強剤を添加したミントムースの方がコントロールと比較して、ミントの香気、香味の拡散性、強さ、インパクトが増強されており、香気・香味の持続性においても優れており、また、格段に優れた天然感があるとして、おいしいと評価した。