特許第5738173号(P5738173)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5738173現像剤収容器、画像形成ユニット及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738173
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】現像剤収容器、画像形成ユニット及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
   G03G15/08 343
   G03G15/08 348B
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-285077(P2011-285077)
(22)【出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-134401(P2013-134401A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100089635
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 守
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】小山 哲
(72)【発明者】
【氏名】後藤 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 純一
(72)【発明者】
【氏名】村上 龍也
【審査官】 八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−42620(JP,A)
【文献】 特開2006−243446(JP,A)
【文献】 特開2008−209865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)現像剤収容器筐体と、
(b)該現像剤収容器筐体内に形成され、現像剤を貯蔵するための貯蔵部と、
(c)前記現像剤収容器筐体に形成され、前記貯蔵部に貯蔵された現像剤を前記現像剤収容器筐体外に供給するための開口部と、
(d)該開口部を開閉するための開閉部材とを有するとともに、
(e)該開閉部材における前記開口部と対向する部分に凹形状部が形成され
(f)該凹形状部は、前記開閉部材の外周面に形成された窪み部、該窪み部内において互いに離間させて配設された第1、第2の弾性部材、並びに前記開閉部材が、前記開口部を開放する開放位置から、開口部を閉鎖する閉鎖位置に移動させられる場合の移動方向における前記第1の弾性部材より上流側に形成された第1の規制部、及び前記開閉部材の移動方向における前記第2の弾性部材より下流側に配設された第2の規制部を備えることを特徴とする現像剤収容器。
【請求項2】
(a)現像剤収容器筐体と、
(b)該現像剤収容器筐体内に形成され、現像剤を貯蔵するための貯蔵部と、
(c)前記現像剤収容器筐体に形成され、前記貯蔵部に貯蔵された現像剤を前記現像剤収容器筐体外に供給するための開口部と、
(d)該開口部を開閉するための開閉部材とを有するとともに、
(e)該開閉部材は、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置に置かれたときに前記開口部と対向する凹形状部を備え、
(f)該凹形状部は、前記開閉部材の外周面に形成された窪み部、及び該窪み部内において互いに離間させて配設された第1、第2の弾性部材を備え、
(g)前記窪み部は、前記開閉部材が、前記開口部を開放する開放位置から、開口部を閉鎖する閉鎖位置まで移動させられる場合の移動方向における前記第1の弾性部材の上流端側に配設された第1の規制部、及び前記開閉部材の移動方向における前記第2の弾性部材の下流端側に配設された第2の規制部を備えることを特徴とする現像剤収容器。
【請求項3】
記第1の弾性部材は、前記開閉部材が、前記開口部を開放する開放位置から、開口部を閉鎖する閉鎖位置に移動させられる場合の移動方向における前記第2の弾性部材より上流側に配設される請求項1又は2に記載の現像剤収容器
【請求項4】
記開口部の内周壁に、現像剤収容器筐体の外周面側に向けて傾斜させられた傾斜部が形成される請求項1〜のいずれか1項に記載の現像剤収容器。
【請求項5】
前記傾斜部は、前記開閉部材が、前記開口部を開放する開放位置から、開口部を閉鎖する閉鎖位置に移動させられる場合の移動方向における前記開口部の上流端及び下流端にそれぞれ形成される請求項4に記載の現像剤収容器。
【請求項6】
(a)前記開閉部材は、前記開口部に対応させて形成された供給口を備え、
(b)該供給口の内周壁に、開閉部材の内周面側に向けて傾斜させられた傾斜部が形成される請求項1〜のいずれか1項に記載の現像剤収容器。
【請求項7】
(a)前記第1の規制部は、前記窪み部の一端側において窪み部を形成するための第1の段差であり、
(b)前記第2の規制部は、前記窪み部の他端側において窪み部を形成するための第2の段差であり、
(c)前記第1の弾性部材の厚さは、前記第1の段差の高さより厚く、前記第2の弾性部材の厚さは、前記第2の段差の高さより厚くされる請求項1〜5のいずれか1項に記載の現像剤収容器。
【請求項8】
前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像剤収容器を備えた画像形成ユニット。
【請求項9】
(a)請求項4又は5に記載の現像剤収容器を有するとともに、
(b)前記傾斜部と対応する位置に第3の弾性部材が配設されることを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項10】
前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像剤収容器を備えた画像形成装置。
【請求項11】
前記請求項8又は9に記載の画像形成ユニットを備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤収容器、画像形成ユニット及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタは、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ユニット、定着器等を備える。前記画像形成ユニットは、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設された現像剤収容器としてのトナーカートリッジを備え、前記画像形成ユニット本体内には、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、現像ブレード、トナー供給ローラ、クリーニングブレード等が配設され、トナーカートリッジ内には現像剤としてのトナーが収容されるようになっている。
【0003】
前記プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて、静電潜像が形成される。また、前記トナーカートリッジから画像形成ユニット本体内に供給されたトナーはトナー供給ローラによって現像ローラに供給され、現像ブレードによって現像ローラ上にトナーの薄層が形成される。そして、前記現像ローラ上のトナーは、感光体ドラム上の静電潜像に付着させられ、該静電潜像が現像されて感光体ドラム上にトナー像が形成される。
【0004】
続いて、トナー像は、転写ユニットの転写ローラによって用紙に転写され、定着器において用紙に定着させられて、画像が形成される。
【0005】
前記トナーカートリッジは、トナーカートリッジのケース、該ケースに対して回動自在に配設され、回動に伴って前記ケースに形成された開口部を開閉するためのシャッタ等を備える。また、前記画像形成ユニット本体の筐体には、トナーカートリッジから供給されたトナーを受けるための受け口が形成され、前記シャッタを回動させて開口部を開放すると、トナーカートリッジ内のトナーが、開口部及び受け口を介して画像形成ユニット本体内に供給される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−243446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のトナーカートリッジにおいては、シャッタを回動させて開口部を閉鎖する際に、画像形成ユニット本体の受け口に付着していたトナーがシャッタの外周面に付着してしまう。そして、その状態でトナーカートリッジを画像形成ユニット本体から取り外すと、シャッタに付着していたトナーが飛散し、開口部の周辺、すなわち、トナーカートリッジのケース、画像形成ユニット本体の筐体、プリンタの筐体内等を汚してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のトナーカートリッジの問題点を解決して、画像形成ユニット本体から現像剤収容器を取り外す際に、現像剤が飛散して開口部の周辺を汚すことがない現像剤収容器、画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の現像剤収容器においては、現像剤収容器筐体と、該現像剤収容器筐体内に形成され、現像剤を貯蔵するための貯蔵部と、前記現像剤収容器筐体に形成され、前記貯蔵部に貯蔵された現像剤を前記現像剤収容器筐体外に供給するための開口部と、該開口部を開閉するための開閉部材とを有する。
【0010】
そして、該開閉部材における前記開口部と対向する部分に凹形状部が形成される。
また、該凹形状部は、前記開閉部材の外周面に形成された窪み部、該窪み部内において互いに離間させて配設された第1、第2の弾性部材、並びに前記開閉部材が、前記開口部を開放する開放位置から、開口部を閉鎖する閉鎖位置に移動させられる場合の移動方向における前記第1の弾性部材より上流側に形成された第1の規制部、及び前記開閉部材の移動方向における前記第2の弾性部材より下流側に配設された第2の規制部を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、現像剤収容器においては、現像剤収容器筐体と、該現像剤収容器筐体内に形成され、現像剤を貯蔵するための貯蔵部と、前記現像剤収容器筐体に形成され、前記貯蔵部に貯蔵された現像剤を前記現像剤収容器筐体外に供給するための開口部と、該開口部を開閉するための開閉部材とを有する。
【0012】
そして、該開閉部材における前記開口部と対向する部分に凹形状部が形成される。
また、該凹形状部は、前記開閉部材の外周面に形成された窪み部、該窪み部内において互いに離間させて配設された第1、第2の弾性部材、並びに前記開閉部材が、前記開口部を開放する開放位置から、開口部を閉鎖する閉鎖位置に移動させられる場合の移動方向における前記第1の弾性部材より上流側に形成された第1の規制部、及び前記開閉部材の移動方向における前記第2の弾性部材より下流側に配設された第2の規制部を備える。
【0013】
この場合、開閉部材における前記開口部と対向する部分に凹形状部が形成されるので、開閉部材の外周面に現像剤が付着することがない。
【0014】
したがって、画像形成ユニット本体から現像剤収容器を取り外すときに、現像剤が飛散することがないので、開口部の周辺を汚すことがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるシャッタが閉鎖位置に置かれた状態を示す図である。
図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図である。
図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図である。
図5】本発明の第1の実施の形態におけるシャッタが開放位置に置かれた状態を示す図である。
図6】本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジに組み付ける前のシャッタの要部を示す図である。
図7】本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニット本体からトナーカートリッジを取り外した状態を示す図である。
図8】シャッタが閉鎖位置に置かれた状態を示す参考図である。
図9】画像形成ユニット本体からトナーカートリッジを取り外した状態を示す参考図である。
図10】本発明の第2の実施の形態におけるシャッタが開放位置に置かれた状態を示す図である。
図11】本発明の第2の実施の形態におけるシャッタの要部を示す拡大図である。
図12】本発明の第2の実施の形態におけるシャッタを開放位置から閉鎖位置に回動させる際にトナーによってシャッタに加わる圧力の特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概略図、図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの概略図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジの斜視図である。なお、後述される画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの構造は同じであるので、図3及び4においては、画像形成ユニット16Bkだけが示される。
【0018】
図において、10はプリンタであり、該プリンタ10の下部に媒体収容部としての用紙カセット11が配設され、該用紙カセット11内に媒体としての用紙Pが収容される。そして、前記用紙カセット11の前端に隣接させて、用紙Pを1枚ずつ分離させて給紙するための給紙機構が配設され、該給紙機構は、ホッピングローラ13a、分離装置13b等を備える。また、用紙Pの搬送方向における給紙機構より下流側に搬送ローラ14が、該搬送ローラ14より下流側に画像形成部Ar1が配設される。
【0019】
該画像形成部Ar1は、プリンタ10の本体、すなわち、装置本体に対して着脱自在に、かつ、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側にかけて順に配設されたブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成する画像形成ユニット(イメージドラムユニット)16Bk、16Y、16M、16C、該画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの下方において、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに沿って配設された転写ユニットu1、前記画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに配設された像担持体としての感光体ドラム31と対向させて配設された露光装置としてのLEDヘッド22等を備える。
【0020】
前記画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cは、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの本体、すなわち、画像形成ユニット本体23、及び該画像形成ユニット本体23に対して着脱自在に配設された現像剤収容器としてのトナーカートリッジ41を備え、各トナーカートリッジ41内にそれぞれブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤としてのトナーTが収容される。
【0021】
前記画像形成ユニット本体23において、前記感光体ドラム31は、回転自在に配設され、駆動源としての図示されない駆動モータから回転が伝達され、所定の回転速度で回転させられる。そして、前記感光体ドラム31に当接させて、帯電装置としての帯電ローラ32が回転自在に配設される。該帯電ローラ32は、図示されない帯電用の電源に接続されて所定の電圧が印加され、前記感光体ドラム31と逆方向に回転させられて感光体ドラム31の表面を一様に帯電させる。前記LEDヘッド22は感光体ドラム31の表面を露光し、感光体ドラム31の表面に潜像としての静電潜像を形成する。
【0022】
また、30は、前記感光体ドラム11に隣接させて配設され、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置としての現像器である。該現像器30は、感光体ドラム11に当接させて、又は対向させて回転自在に配設され、前記感光体ドラム11と逆方向に回転させられて静電潜像にトナーTを付着させて現像を行う現像剤担持体としての現像ローラ33、該現像ローラ33に当接させて回転自在に配設され、現像ローラ33と同方向に、かつ、周速度を一定の値だけ異ならせて回転させられ、現像ローラ33にトナーTを供給する現像剤供給部材としての、かつ、現像剤供給用のローラ部材としてのトナー供給ローラ34、先端を前記現像ローラ33に当接させて配設され、現像ローラ33上のトナーTの厚さを規制する現像剤層規制部材としての現像ブレード35等を備える。本実施の形態においては、現像器30において、一成分現像方式による現像が行われ、そのために、前記トナーTとして、非磁性一成分のトナーが使用される。
【0023】
また、前記感光体ドラム31と対向させてクリーニング装置36が配設される。該クリーニング装置36は、弾性体から成り、先端を感光体ドラム31に所定の圧力で当接させて配設され、転写後に感光体ドラム31の表面に残留したトナーTを掻き取るクリーニング部材としてのクリーニングブレード37、及び掻き取られたトナーTを搬送する搬送部材としてのスパイラル38を備える。
【0024】
そして、前記転写ユニットu1は、駆動側のローラとしての駆動ローラr1、従動側のローラとしての従動ローラr2、前記駆動ローラr1と従動ローラr2とによって走行自在に張設された搬送部材としての転写ベルト15、及び該転写ベルト15を挟んで、前記各感光体ドラム31と対向させて配設された転写部材としての転写ローラ21を備える。前記転写ベルト15及び各転写ローラ21は、図示されない転写用の電源に接続され、転写用の電圧が印加される。
【0025】
また、用紙Pの搬送方向における画像形成部Ar1より下流側に定着装置としての定着器17が配設され、該定着器17より下流側に搬送ローラ18が、該搬送ローラ18より下流側に、用紙Pを装置本体外に排出するための排出ローラ19が配設される。なお、積載部としてのスタッカ20がプリンタ10の筐体Cs1の頂壁に形成される。
【0026】
前記画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cにおいて、各感光体ドラム31が回転させられ、感光体ドラム31の表面が帯電ローラ32によって一様に帯電させられる。そして、前記LEDヘッド22によって、感光体ドラム31の表面が露光され、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。
【0027】
また、前記現像器30において、トナー供給ローラ34にトナーTが供給されると、トナー供給ローラ34は、トナー供給ローラ34と現像ローラ33との電位差に基づいてトナーTを現像ローラ33に供給するとともに、現像ローラ33上の余剰のトナーTを掻き取る。
【0028】
そして、現像ローラ33に供給されたトナーTは、現像ローラ33の回転に伴って現像ブレード35によって厚さが規制され、現像ローラ33上に一定の厚さのトナー層が形成される。続いて、現像ローラ33上のトナーTは、感光体ドラム31と対向する領域、すなわち、現像領域に搬送され、該現像領域において、感光体ドラム31上の静電潜像による静電気によって、感光体ドラム31上の静電潜像が形成された部分に付着させられ、トナー像が形成される。
【0029】
また、前記ホッピングローラ13a及び分離装置13bによって1枚ずつ分離させて繰り出された用紙Pは、搬送ローラ14によって斜行が矯正された後、画像形成部Ar1に送られる。
【0030】
該画像形成部Ar1に送られた用紙Pは、前記転写ベルト15が走行させられるのに伴って、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cと転写ローラ21との間を通過させられ、転写ローラ21によって各色のトナー像が順次重ねて転写され、カラーのトナー像が形成される。
【0031】
続いて、用紙Pは、前記定着器17に送られ、定着器17においてカラーのトナー像が定着させられ、カラー画像が形成される。そして、定着器17から排出された用紙Pは、搬送ローラ18によって搬送された後、排出ローラ19によって装置本体外に排出され、スタッカ20上に積載される。
【0032】
ところで、前記画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cにおいては、画像形成ユニット本体23に対してトナーカートリッジ41が着脱自在に配設され、該トナーカートリッジ41から、前記画像形成ユニット本体23内に配設された現像器30にトナーTが供給される。
【0033】
そのために、前記トナーカートリッジ41は、トナーカートリッジ41の筐体、すなわち、現像剤収容器筐体としてのケース43内が区画壁101によって区画され、未使用のトナーTを貯蔵するための貯蔵部としての、かつ、現像剤収容室としてのトナー収容室102、及びスパイラル38によって搬送されたトナーTを廃トナーとして回収する廃棄現像剤収容室としての廃トナー収容室103が形成される。
【0034】
前記ケース43は、断面が矩形の形状を有する上半部分43U、及び断面が半円筒形の形状を有する下半部分43Lを備え、該下半部分43Lの下端部に、トナーTをケース43外、すなわち、画像形成ユニット本体23内に供給するための現像剤開口部としての開口部44が、トナーカートリッジ41の長手方向(転写ベルト15の幅方向、すなわち、用紙Pの搬送方向に対して直角の方向)に延在させて形成される。
【0035】
また、前記画像形成ユニット本体23の筐体Cs2は、ロワフレームfL及びアッパフレームfUから成り、該アッパフレームfUには、トナーカートリッジ41を取り付けるために、前記下半部分43Lに対応させて、断面が半円筒形の形状を有する凹部から成る取付部S1が形成され、該取付部S1に、前記開口部44と対応させて、開口部44を介して供給されたトナーTを受けるための現像剤受け部としての受け口45が形成される。なお、前記開口部44及び受け口45は、同じ形状及び同じ寸法で、かつ、前記トナーカートリッジ41を画像形成ユニット本体23に取り付けた状態で合わせられるように形成される。
【0036】
そして、前記開口部44を開閉するために、前記トナー収容室102内に、円筒形の形状を有する遮蔽部材としての、かつ、開閉部材としてのシャッタ42が移動自在に、本実施の形態においては、回動自在に配設され、シャッタ42の移動、本実施の形態においては、回動に伴って、下半部分43Lの内周面とシャッタ42の外周面とが摺動させられる。
【0037】
また、前記シャッタ42には、円周方向における所定の箇所に、前記開口部44と対応させて現像剤供給部としての供給口42aが、円周方向における該供給口42aと異なる箇所に連通部42bが、いずれも軸方向に延在させて形成される。
【0038】
操作者が、シャッタ42と一体に形成された操作部としての操作レバー46を操作して矢印A方向に回動させると、シャッタ42が、所定の量だけ矢印A方向に回動させられ、開口部44を開放する開放位置に置かれ、前記開口部44と供給口42aとが合わせられることによって、トナー収容室102と画像形成ユニット本体23内とが連通させられる。そして、トナー収容室102内のトナーTは、開口部44、供給口42a及び受け口45を介して、画像形成ユニット本体23内においてトナーTを一時的に貯蔵する一時貯蔵室としてのトナーホッパ23aに供給される。
【0039】
また、操作者が操作レバー46を操作して矢印B方向に回動させると、シャッタ42が、所定の量だけ矢印B方向に回動させられ、開口部44を閉鎖する閉鎖位置に置かれ、開口部44と供給口42aとがずらされることによって、トナー収容室102と画像形成ユニット本体23内とが連通しなくなる。したがって、トナーTの供給が停止させられる。
【0040】
ところで、前記トナー収容室102内のトナーTが少なくなってトナーカートリッジ41を交換する際に、操作者が操作レバー46を矢印B方向に回動させ、シャッタ42を開放位置から閉鎖位置に置き、開口部44を閉鎖すると、画像形成ユニット本体23の受け口45に付着していたトナーTがシャッタ42に付着してしまう。その状態で画像形成ユニット本体23からトナーカートリッジ41を取り外すと、シャッタ42に付着していたトナーTが飛散して、開口部44の周辺、例えば、トナーカートリッジ41のケース43、画像形成ユニット本体23の筐体Cs2、プリンタ10の筐体Cs1内等を汚してしまう。
【0041】
そこで、本実施の形態においては、シャッタ42を閉鎖位置に置き、開口部44を閉鎖したときに、画像形成ユニット本体23の受け口45に付着していたトナーTがシャッタ42に付着することがないようにしている。
【0042】
次に、前記画像形成ユニット本体23に対するトナーカートリッジ41の着脱状態について説明する。
【0043】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるシャッタが閉鎖位置に置かれた状態を示す図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるシャッタが開放位置に置かれた状態を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるトナーカートリッジに組み付ける前のシャッタの要部を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニット本体からトナーカートリッジを取り外した状態を示す図である。
【0044】
図において、23は画像形成ユニット16Bkの画像形成ユニット本体、41はトナーカートリッジである。該トナーカートリッジ41を前記画像形成ユニット本体23に取り付けるに当たり、画像形成ユニット本体23に対してトナーカートリッジ41を適正な位置に置くことができるように、取付部S1の両縁に、支持部111、112が上方に向けて突出させて形成され、前記ケース43の下半部分43Lに、被支持部113、114が水平方向に延在させて形成される。そして、トナーカートリッジ41を前記画像形成ユニット本体23に取り付けると、支持部111、112が被支持部113、114に当接させられ、開口部44と受け口45とが合わせられる。
【0045】
ところで、前記シャッタ42の一部、本実施の形態においては、シャッタ42が閉鎖位置に置かれたときの開口部44と対向する部分に、閉鎖部50が設定される。
【0046】
該閉鎖部50の外周面には、円周方向における所定の範囲にわたって長溝状の窪み部51が形成される。そして、該窪み部51の両縁に、開口部44の位置に対応させて、第1、第2の規制部としての、かつ、第1、第2の突当部としての段差St1、St2が形成され、該段差St1、St2に突き当てて、第1の密封部材としての、かつ、第1、第2の弾性部材としての一対のシール材52、53が互いに離間させて配設される。該シール材52、53は、窪み部51の長手方向に延在させて、かつ、下半部分43Lの内周面と当接するように、固定部材としての図示されない両面テープによって、窪み部51の底面S4に貼着され、固定される。前記窪み部51、シール材52、53及び段差St1、St2によって凹形状部が構成される。
【0047】
なお、シール材52は、シャッタ42を開放位置から閉鎖位置に回動させる場合の移動方向、本実施の形態においては、回動方向(矢印B方向)におけるシール材53より上流側に配設され、円周方向におけるシール材52、53間の幅は開口部44の幅より大きくされる。そのために、前記回動方向におけるシール材52より上流側の、開口部44及びシール材52の幅に基づいて設定された位置に前記段差St1が、シール材53より下流側の、開口部44及びシール材53の幅に基づいて設定された位置に前記段差St2が形成される。
【0048】
また、前記シール材52、53は、画像形成ユニット本体23の筐体Cs2及びトナーカートリッジ41のケース43を形成する板材より硬度が低い弾性体、例えば、ウレタンスポンジによって形成される。シャッタ42をトナーカートリッジ41に組み付ける前の状態で、シール材52、53の外周面S3がシャッタ42の外周面S2より径方向外方に置かれ、窪み部51の底面S4からシール材52、53の外周面S3までの距離h2が窪み部51の底面S4からシャッタ42の外周面S2までの距離h1より長くされる。そして、シャッタ42は、シール材52、53を圧縮し、変形させた状態でトナーカートリッジ41に挿入され、組み付けられる。
【0049】
したがって、シャッタ42が閉鎖位置に置かれた状態で、シール材52、53の変形に伴う押圧力によってシャッタ42の外周面S2と下半部分43Lの内周面とが密封されるので、トナーカートリッジ41内のトナーTがトナーカートリッジ41外に漏れるのを防止することができる。
【0050】
また、シール材52、53が段差St1、St2に突き当てて配設されるので、シール材52、53が円周方向に変形するのを抑制することができる。したがって、シャッタ42の外周面S2と下半部分43Lの内周面とを安定させて密封することができる。
【0051】
ところで、トナーカートリッジ41が画像形成ユニット本体23に取り付けられた状態で、操作者が操作レバー46(図4)を操作してシャッタ42を矢印B方向に回動させ、開放位置から閉鎖位置に置き、開口部44を閉鎖すると、開口部44と供給口42aとがずらされ、シャッタ42における閉鎖部50と開口部44及び受け口45とが対向させられる。
【0052】
このとき、トナーTは、閉鎖部50によって擦り切られ、トナー収容室102内のトナーTaと画像形成ユニット本体23内のトナーTbとに分けられる。そして、前記閉鎖部50の窪み部51によってトナーTbの表面と閉鎖部50との間に、トナーTの存在しない隙間CLが形成される。
【0053】
したがって、シャッタ42を閉鎖位置に置いたときに、シャッタ42の表面、本実施の形態においては、窪み部51の底面S4にトナーTbが付着することはない。
【0054】
しかも、円周方向におけるシール材52、53間の幅は開口部44の幅より大きくされるので、シール材52、53にトナーTbが付着することもない。
【0055】
その結果、図7に示されるように、画像形成ユニット本体23からトナーカートリッジ41を取り外すときに、トナーTが飛散することがないので、開口部44の周辺、すなわち、トナーカートリッジ41のケース43、画像形成ユニット本体23の筐体Cs2、プリンタ10の筐体Cs1(図2)内等を汚すことがない。
【0056】
また、画像形成ユニット本体23の取付部S1上における受け口45の両端部には、受け口45に沿って、下半部分43Lの外周面と当接させて、第2の密封部材としての一対のシール材55、56が配設される。該シール材55、56は、画像形成ユニット本体23の筐体Cs2、及びトナーカートリッジ41のケース43を形成する板材より硬度が低い弾性体、例えば、ウレタンスポンジによって形成され、対向する端面と受け口45の内周壁とが面一になるように、受け口45の長手方向に延在させて配設される。
【0057】
前記開口部44の内周壁には、開口部44に近いほど板厚が小さくされた傾斜部としてのテーパ面tp1、tp2が、下半部分43Lの外周面側に向けて形成される。そして、画像形成ユニット本体23にトナーカートリッジ41が取り付けられると、下半部分43Lによってシール材55、56の前記テーパ面tp1、tp2と対応する箇所が押されて圧縮され、開口部44に近いほど厚さが厚くされた傾斜部としてのテーパ面55a、56aが形成される。
【0058】
この場合、開口部44の内周壁の大部分がテーパ面55a、56aによって覆われるので、開口部44及び受け口45付近に存在するトナーTbが下半部分43Lの外周面と取付部S1との間に進入するのを防止することができる。また、開口部44の、内周壁におけるトナーTbと対向する面積が小さくなるので、開口部44の内周壁にトナーTbが付着するのを防止することができる。
【0059】
なお、図7に示されるように、画像形成ユニット本体23からトナーカートリッジ41を取り外すと、下半部分43Lによってシール材55、56が圧縮されなくなるので、シール材55、56の上面は平坦になる。
【0060】
このように、本実施の形態においては、閉鎖部50に窪み部51が形成されるので、シャッタ42を閉鎖位置に置いたときに、シャッタ42の外周面S2にトナーTが付着することがない。したがって、画像形成ユニット本体23からトナーカートリッジ41を取り外すときに、トナーTが飛散することがないので、開口部44の周辺、すなわち、トナーカートリッジ41のケース43、画像形成ユニット本体23の筐体Cs2、プリンタ10の筐体Cs1内等を汚すことがない。
【0061】
図8はシャッタが閉鎖位置に置かれた状態を示す参考図、図9は画像形成ユニット本体からトナーカートリッジを取り外した状態を示す参考図である。
【0062】
図において、23は画像形成ユニット本体、41はトナーカートリッジ、42はシャッタ、42aは供給口、44は開口部、45は受け口、55、56はシール材である。
【0063】
この場合、シャッタ42の閉鎖部50に、窪み部は形成されず、シール材60が配設されるので、シャッタ42を閉鎖位置に置いたときに、トナーTは、閉鎖部50によって擦り切られ、トナー収容室102内のトナーTaと画像形成ユニット本体23内のトナーTbとに分けられる。このとき、シール材60にトナーTbが付着する。
【0064】
したがって、図9に示されるように、画像形成ユニット本体23からトナーカートリッジ41を取り外すときに、シール材60に付着したトナーTbが飛散し、開口部44の周辺、すなわち、トナーカートリッジ41のケース43、画像形成ユニット本体23の筐体Cs2、プリンタ10の筐体Cs1内等を汚してしまう。
【0065】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0066】
図10は本発明の第2の実施の形態におけるシャッタが開放位置に置かれた状態を示す図、図11は本発明の第2の実施の形態におけるシャッタの要部を示す拡大図である。
【0067】
この場合、遮蔽部材としての、かつ、開閉部材としてのシャッタ42の現像剤供給部としての供給口42aの内周壁において、シャッタ42を開放位置から閉鎖位置に回動させる場合の回動方向(矢印B方向)における窪み部51より下流側の部位Wuに、供給口42aに近いほど板厚が小さくされた傾斜部としてのテーパ面tp3が、シャッタ42の内周面側に向けて形成される。
【0068】
そして、シャッタ42を開放位置から閉鎖位置に回動させると、現像剤としてのトナーTが閉鎖部50によって擦り切られ、貯蔵部としての、かつ、現像剤収容室としてのトナー収容室102内のトナーTa(図1)と画像形成ユニット本体23内のトナーTbとに分けられる。このとき、テーパ面tp3上又は近傍のトナーTeはテーパ面tp3の表面を滑り、矢印C方向に移動させられる。したがって、トナーTeによってシャッタ42に加わる圧力を小さくすることができる。
【0069】
次に、シャッタ42を開放位置から閉鎖位置に回動させる際にトナーTeによってシャッタ42に加わる圧力について説明する。なお、現像剤開口部としての開口部44の内周壁における下流側の部位をWdとし、供給口42aの内周壁における前記部位Wuと部位Wdとの隙間をΔtとする。
【0070】
図12は本発明の第2の実施の形態におけるシャッタを開放位置から閉鎖位置に回動させる際にトナーによってシャッタに加わる圧力の特性を示す図である。なお、横軸に隙間Δt〔mm〕を、縦軸に圧力P〔Pa〕を採ってある。
【0071】
この場合、L1はシャッタ42の供給口42aの内周壁における部位Wuにテーパ面tp3が形成されない場合の圧力P〔Pa〕を、L2はテーパ面tp3が形成されている場合の圧力P〔Pa〕を示す。
【0072】
図に示されるように、隙間Δt〔mm〕が小さい場合、圧力P〔Pa〕は高くなり、例えば、隙間Δt〔mm〕が値t1の場合に圧力P〔Pa〕は極大値P1〔Pa〕になる。
【0073】
シャッタ42の供給口42aの内周壁における部位Wuにテーパ面tp3が形成されない場合の圧力P〔Pa〕の極大値をP1〔Pa〕とし、テーパ面tp3が形成されている場合の圧力P〔Pa〕の極大値をP2〔Pa〕とすると、極大値P2〔Pa〕が極大値P1〔Pa〕と比べて、極めて小さくなることが分かる。
【0074】
このように、本実施の形態においては、シャッタ42の供給口42aの内周壁における部位Wuにテーパ面tp3が形成されるので、シャッタ42を開放位置から閉鎖位置に回動させる際にトナーTeによってシャッタ42に加わる圧力を小さくすることができる。
【0075】
また、シャッタ42が、回動させられるのに伴ってトナーTに与える力を小さくすることができるので、トナーTが下半部分43Lの外周面と取付部S1との間に進入するのを防止することができる。
【0076】
前記各実施の形態においては、カラーのプリンタについて説明しているが、本発明を、モノクロのプリンタに適用することができるだけでなく、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0077】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0078】
41 トナーカートリッジ
42 シャッタ
43 ケース
44 開口部
51 窪み部
52、53 シール材
102 トナー収容室
St1、St2 段差
T トナー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12