【実施例】
【0083】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。なお、本実施例中における分子量および表面抵抗値は下記方法により測定した。
【0084】
< 分子量 >
下記条件でのGPCにより測定した。
装置名:HLC−8120(東ソー(株)製)
カラム:GF−1G7B+GF−510HQ(Asahipak:登録商標、
昭和電工(株)製)
基準物質:ポリスチレンおよびポリスチレンスルホン酸ナトリウム
サンプル濃度:1.0mg/ml
溶離液:50ミリモル塩化リチウム水溶液/CH
3CN=60/40wt
流量:0.6ml/min
カラム温度:30℃
検出器:UV254nm
【0085】
< 表面抵抗 >
(株)ダイアインスツルメンツ製の、低抵抗率計ロレスタGP、PSPタイププローブを用い、四端子四探針法により測定した。
【0086】
実 施 例 1
(1)高分子化合物(A−1)(2−ソジウムスルホエチルメタクリレート/ベンジルメタアクリレート=30/70)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート51.7g、ベンジルメタクリレート100g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、18時間重合反応を行ってポリマーを得た。
【0087】
(2)高分子化合物(A−1)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、100℃で減圧下、24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−1)(EP−1)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−1)(EP−1)をゲルパーミュエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)=41,000であった。
【0088】
(3)ポリアニリン重合と精製:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得られた高分子化合物(A−1)(EP−1)15.6g、イオン交換水200gおよび35%塩酸水溶液6gを投入し、60℃に加熱し、3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0089】
ついで、乳化剤溶液にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。50gの硫酸鉄(III)をイオン交換水150gに溶解したものを、25℃に保ったフラスコ内に10時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃に昇温し、48時間重合反応を続けた。
【0090】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下、40℃にて96時間乾燥して複合導電性高分子組成物(E−1)を得た。この複合導電性高分子組成物(E−1)の揮発分を測定した結果、2%以下だった。なお揮発分は、複合導電性高分子組成物を105℃の熱風循環式乾燥機に3時間投入し、その前後の質量減量率から求めた(以下同じ)。
【0091】
(4)塗膜評価:
ビーカーに、上記(3)で得た複合導電性高分子組成物(E−1)5gおよびトルエン95gを投入し、室温で攪拌して、複合導電性高分子組成物(E−1)のトルエン溶解液を得た。この溶液の外観は、黄緑色であった。
【0092】
ついで、そのトルエン溶解液をドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、緑色の均一な塗膜が得られた。その塗膜の表面抵抗値は、100kΩ/□であった。
【0093】
実 施 例 2
(1)高分子化合物(A−2)(2−ソジウムスルホエチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート=35/65)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート60.3g、シクロヘキシルメタクリレート88.6g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、20時間重合反応を行ってポリマーを得た。
【0094】
(2)高分子化合物(A−2)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、100℃で減圧下24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−2)(EP−2)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−2)(EP−2)のMwは、45,000であった。
【0095】
(3)ポリアニリン重合と精製:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−2)(EP−2)13.1g、イオン交換水200gおよび35%塩酸水溶液6gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0096】
ついで、乳化剤溶液にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。ペルオキソ二硫酸アンモニウム10gをイオン交換水30gに溶解したものを、フラスコ内を0℃に保ちながら10時間かけて滴下した。滴下終了後、室温(25℃)に戻し、48時間重合反応を続けた。
【0097】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下40℃にて96時間乾燥して複合導電性高分子組成物(E−2)を得た。この複合導電性高分子組成物(E−2)の揮発分を測定した結果、揮発分は2%以下だった。
【0098】
(4)塗膜評価:
ビーカーに、上記(3)で得た複合導電性高分子組成物(E−2)5g、トルエン90gおよびメチルエチルケトン5gを投入し、室温で撹拌して、複合導電性高分子組成物(E−2)のトルエン・メチルエチルケトン溶液を得た。この溶液の外観は、黄緑色であった。
【0099】
その複合導電性高分子組成物(E−2)溶液を、ドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、緑色の均一な塗膜が得られた。その塗膜の表面抵抗値は、250kΩ/□だった。
【0100】
実 施 例 3
(1)高分子化合物(A−3)(2−ソジウムスルホエチルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート=35/65)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート60.3g、フェノキシエチルメタクリレート108.6g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち20時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0101】
(2)高分子化合物(A−3)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、100℃で減圧下36時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−3)(EP−3)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−3)(EP−3)のMwは、44,000であった。
【0102】
(3)ポリアニリン重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記高分子化合物(A−3)(EP−3)14.9g、イオン交換水200g、35%塩酸水溶液6gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0103】
ついで、乳化剤溶液にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。ペルオキソ二硫酸アンモニウム10gをイオン交換水30gに溶解したものを、フラスコ内を5℃に保ちながら8時間かけて滴下した。滴下終了後、室温(25℃)に戻し、36時間重合反応を続けた。
【0104】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下30℃にて110時間乾燥して複合導電性高分子組成物(E−3)を得た。この複合導電性高分子組成物(E−3)の揮発分を測定した結果、揮発分は1%以下だった。
【0105】
(4)塗膜評価:
ビーカーに、上記(3)で得た複合導電性高分子組成物(E−3)5gおよびトルエン95gを投入し、室温で撹拌して、複合導電性高分子組成物(E−3)のトルエン溶液を得た。この溶液の外観は、黄緑色であった。
【0106】
この複合導電性高分子組成物(E−3)のトルエン溶液を、ドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、緑色の均一な塗膜が得られた。その塗膜の表面抵抗値は、500kΩ/□だった。
【0107】
実 施 例 4
(1)高分子化合物(A−4)(p−スチレンスルホン酸ナトリウム/ベンジルメタクリレート=40/60)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム67g、ベンジルメタクリレート85.9g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、18時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0108】
(2)高分子化合物(A−4)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、70℃で減圧下24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−4)(EP−4)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−4)(EP−4)のMwは、31,000であった。
【0109】
(3)ポリアニリン重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−4)(EP−4)11.8g、イオン交換水100gおよび35%塩酸水溶液6gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、飽和食塩水100g添加し、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0110】
ついで、乳化剤溶液にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。ペルオキソ二硫酸アンモニウム10gをイオン交換水30gに溶解したものを、フラスコ内を0℃に保ちながら8時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに0℃に保ち、30時間重合反応を続けた。
【0111】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を5回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下30℃にて110時間乾燥して複合導電性高分子組成物(E−4)を得た。この複合導電性高分子組成物(E−4)の揮発分を測定した結果、揮発分は1%以下だった。
【0112】
(4)塗膜評価:
ビーカーに上記(3)で得た複合導電性高分子組成物(E−4)5g、トルエン70gおよびシクロペンタノン25gを投入し、室温で撹拌して、複合導電性高分子組成物(E−4)のトルエン溶液を得た。この溶液の外観は、黄緑色であった。
【0113】
この複合導電性高分子組成物(E−4)のトルエン溶液を、ドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、緑色の均一な塗膜が得られた。その塗膜の表面抵抗値は、120kΩ/□だった。
【0114】
実 施 例 5
(1)高分子化合物(A−5)(p−スチレンスルホン酸ナトリウム/ベンジルメタクリレート=40/60)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム67g、ベンジルメタクリレート85.9g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、18時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0115】
(2)高分子化合物(A−5)の精製:
得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、70℃で減圧下24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−5)(EP−5)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−5)(EP−5)のMwは、31,000だった。
【0116】
(3)ポリチオフェン重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−5)(EP−4)1.6g、イオン交換水200gおよび35%塩酸水溶液4.8gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0117】
ついで、乳化剤溶液にチオフェン3.2gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。塩化鉄(III)24.8gをイオン交換水100gに溶解したものを、フラスコ内を90℃に保ちながら10時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに90℃に保ち、72時間重合反応を続けた。
【0118】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下40℃にて96時間乾燥して複合導電性高分子組成物(E−5)を得た。この複合導電性高分子組成物(E−5)の揮発分を測定した結果、揮発分は0.5%以下だった。
【0119】
(4)塗膜評価:
ビーカーに上記(3)で得た複合導電性高分子組成物(E−5)5g、トルエン70gおよびシクロペンタノン25gを投入し、室温で撹拌して、複合導電性高分子組成物(E−5)のトルエン・メチルエチルケトン溶液を得た。この溶液の外観は、黒緑色であった。
【0120】
この複合導電性高分子組成物(E−5)の溶液を、ドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、黒緑色の均一な塗膜が得られた。その塗膜の表面抵抗値は、30kΩ/□だった。
【0121】
実 施 例 6
(1)高分子化合物(A−6)(p−スチレンスルホン酸ナトリウム/BzMA=40/60)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム67g、ベンジルメタクリレート85.9g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、18時間重合反応を行った。
【0122】
(2)高分子化合物(A−6)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、70℃で減圧下24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−6)(EP−6)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−6)(EP−6)のMwは、31,000だった。
【0123】
(3)ポリピロール重合(高分子化合物(A−6)50%仕込み、塩酸1.2倍量):
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−6)(EP−6)11.8g、水200gおよび35%塩酸水溶液6gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0124】
ついで、乳化剤溶液にピロール3.3gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。10.0gのペルオキソ二硫酸アンモニウムをイオン交換水30gに溶解したものを、0℃に保ったフラスコ内に10時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに0℃に保ち、30時間重合反応を続けた。
【0125】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下40℃にて72時間乾燥して複合導電性高分子組成物(E−6)を得た。この複合導電性高分子組成物(E−6)の揮発分を測定した結果、揮発分は1%以下だった。
【0126】
(4)塗膜評価
ビーカーに、上記(3)で得た複合導電性高分子組成物(E−6)5g、トルエン90gおよびメチルエチルケトン5gを投入し、室温で撹拌して、複合導電性高分子組成物(
E−6)のトルエン・メチルエチルケトン溶液を得た。この溶液の外観は、黒色であった。
【0127】
この複合導電性高分子組成物(E−6)の溶液を、ドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、黒色の均一な塗膜が得られた。その塗膜の表面抵抗値は、70kΩ/□だった。
【0128】
比 較 例 1
(1)比較高分子化合物(A−7)(2−ソジウムスルホエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート=15/85)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート25.9g、ベンジルメタクリレート121.4g、イオン交換水100gおよびイソプロピルアルコール400gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、18時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0129】
(2)比較高分子化合物(A−7)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、70℃で減圧下24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−7)(CP−1)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−7)(CP−1)のMwは、35,000だった。
【0130】
(3)ポリアニリン重合(高分子化合物(A−7)50%仕込み、塩酸1.2倍量)
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−7)(CP−2)30.2g、イオン交換水200g、35%塩酸水溶液6gをフラスコに秤量し、約60℃で加熱攪拌を行ったが不溶物が残存して完全に溶解しなかった。
【0131】
ついで、フラスコ中にアニリン4.65gを投入し、攪拌したところ不溶物が残存する不均一乳化液となった。10.0gのペルオキソ二硫酸アンモニウムをイオン交換水30gに溶解したものを、0℃に保ったフラスコ内に10時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに0℃に保ち、10時間重合反応を続けたところ、反応液中に白色結晶物が見られるようになり一部は凝集物となったので、水50gを追加し室温に戻し更に36時間攪拌を行った。
【0132】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下40℃にて72時間乾燥してポリマー(C−1)を得た。このポリマー(C−1)の揮発分を測定した結果、揮発分は1%以下だった。
【0133】
(4)塗膜評価:
ビーカーに前記(3)で得たポリマー(C−1)5gおよびトルエン95g投入し、室温で撹拌したが、ポリマー(C−1)は溶解せず、一部沈殿物を生じた微分散溶液が得られた。
【0134】
このポリマー(C−1)の分散液を、200メッシュフィルターにてろ過し、そのろ液をドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、微粒子膜としての均一膜は得られたが、表面を指で擦ると脱落するような膜質となり、実施例1〜6で得られたような均一な自立塗膜にならず、その表面抵抗値は、10
7Ω/□以上であった。
【0135】
比 較 例 2
(1)比較高分子化合物(A−8)(2−ソジウムスルホエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート=70/30)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート120.9g、ベンジルメタクリレート42.8g、イオン交換水100gおよびイソプロピルアルコール400gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、18時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0136】
(2)比較高分子化合物(A−8)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、100℃で減圧下30時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−8)(CP−2)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−8)(CP−2)のMwは、49,000だった。
【0137】
(3)ポリアニリン重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−8)(CP−2)14.4g、イオン交換水200gおよび35%塩酸水溶液6gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0138】
ついで、乳化剤溶液にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。10.0gのペルオキソ二硫酸アンモニウムをイオン交換水30gに溶解したものを、0℃に保ったフラスコ内に10時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに0℃に保ち、30時間重合反応を続けた。
【0139】
得られた反応液(CS−2)は、均一な溶液であった。反応液(CS−2)を80℃の熱風循環式乾燥機で、乾燥して固形分を回収した。得られた固形分をイソプロピルアルコール(IPA)に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。このIPA洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下40℃にて72時間乾燥してポリマー(C−2)を得た。ポリマー(C−2)の揮発分を測定した結果、揮発分は2%以下だった。
【0140】
(4)塗膜評価:
ビーカーに、上記(3)で得たポリマー(C−2)5gおよびトルエン95gを投入し、室温で撹拌したが、ポリマー(C−2)は溶解せず、一部沈殿物を生じた微分散溶液が得られた。
【0141】
このポリマー(C−2)の分散液を、200メッシュフィルターにてろ過し、そのろ液をドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、微粒子膜としての均一膜は得られたが、表面を指で擦ると脱落するような膜質となり、実施例1〜6で得られたような均一な自立塗膜にならず、その表面抵抗値は、10
7Ω/□以上であった。
【0142】
また、反応液(CS−2)を直接ガラス基板上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗工して、乾燥を行ったところ、不均一な塗膜が得られ、その表面抵抗は10
6Ω/□以上であった。
【0143】
比 較 例 3
(1)比較高分子化合物(A−9)(2−ソジウムスルホエチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート=35/65)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、2−ソジウムスルホエチルメタクリレート60.3g、2−エチルヘキシルメタクリレート104.4g、イオン交換水100gおよびイソプロピルアルコール400gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち20時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0144】
(2)比較高分子化合物(A−9)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、1kgのメタノールを1時間かけて滴下し、固形分を析出させた。析出した固形分を濾別し、100℃で減圧下30時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−9)(CP−3)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−9)(CP−3)のMwは、42,000だった。
【0145】
(3)ポリアニリン重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−9)(CP−3)14.5g、イオン交換水200gおよび35%塩酸水溶液6gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0146】
ついで、乳化剤溶液中にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。10.0gのペルオキソ二硫酸アンモニウムをイオン交換水30gに溶解したものを、フラスコ内を0℃に保ちながら10時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに0℃に保ち、30時間重合反応を続けた。
【0147】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下40℃にて72時間乾燥してポリマー(C−3)を得た。このポリマー(C−3)の揮発分を測定した結果、揮発分は1%以下だった。
【0148】
(4)塗膜評価:
ビーカーに前記ポリマー(C−3)5gおよびトルエン95gを投入し、室温で撹拌したが、ポリマー(C−3)は溶解せず、一部沈殿物を生じた微分散溶液が得られた。
【0149】
このポリマー(C−3)の分散液を、200メッシュフィルターにてろ過し、そのろ液をドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、微粒子膜としての均一膜は得られたが、表面を指で擦ると脱落するような膜質となり、実施例1〜6で得られたような均一な自立塗膜にならず、またその表面抵抗値は、10
7Ω/□以上であった。
【0150】
比 較 例 4
(1)比較高分子化合物(A−10)(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム150g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち18時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0151】
(2)比較高分子化合物(A−10)の精製:
上記(1)で得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、水層をエバポレーターで濃縮した。得られた固形物を100℃で減圧下24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−10)(CP−4)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−10)(CP−4)のMwは、32,000だった。
【0152】
(3)ポリアニリン重合(高分子化合物(A−10)50%仕込み、塩酸1.2倍量):
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記(2)で得た高分子化合物(A−10)(CP−4)5.2g、イオン交換水200gおよび35%塩酸水溶液6gを投入し、加熱して60℃で3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0153】
ついで、乳化剤溶液にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。10.0gのペルオキソ二硫酸アンモニウムをイオン交換水30gに溶解したものを、フラスコ内を0℃に保ちながら10時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに0℃に保ち、30時間重合反応を続けた。
【0154】
重合反応終了後の重合溶液を濾別し、得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。さらに、水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下40℃にて72時間乾燥してポリマー(C−4)を得た。このポリマー(C−4)の揮発分を測定した結果、揮発分は1%以下だった。
【0155】
(4)塗膜評価:
ビーカーに前記(3)で得たポリマー(C−4)5gおよびトルエン95gを投入し、室温で撹拌したが、ポリマー(C−4)は溶解せず、一部沈殿物を生じた微分散溶液が得られた。
【0156】
このポリマー(C−4)の分散液を、200メッシュフィルターにてろ過し、そのろ液をドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、微粒子膜としての均一膜は得られたが、表面を指で擦ると脱落するような膜質となり、実施例1〜6で得られたような均一な自立塗膜にならず、その表面抵抗値は、10
7Ω/□以上であった。
【0157】
比 較 例 5
(1)比較高分子化合物(A−11)(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)の重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量1000cm
3の四つ口フラスコに、p−スチレンスルホン酸ナトリウム150g、イオン交換水150gおよびイソプロピルアルコール300gを投入した。フラスコ内に窒素ガスを導入しながら、フラスコ内の混合物をリフラックス温度まで昇温した。ついで、アゾビスイソブチロニトリル0.7gをフラスコ内に投入し、リフラックス状態を保ち、20時間重合反応を行なってポリマーを得た。
【0158】
(2)比較高分子化合物(A−11)の精製:
得られたポリマー溶液の全量を、2000cm
3のビーカーに移し、スターラーにより撹拌しながらヘキサン500gを添加し、その後1時間静置して不純物を含む油層を除去した。油層を除去した後、水層をエバポレーターで濃縮した。得られた固形物を100℃で減圧下24時間乾燥した。得られた乾燥物を乳鉢で粉砕して高分子化合物(A−11)(CP−5)の粉体を得た。得られた高分子化合物(A−11)(CP−5)のMwは、32,000だった。
【0159】
(3)ポリアニリン重合:
撹拌機、窒素ガス導入管、環流冷却器、投入口および温度計を備えた容量500cm
3の四つ口フラスコに、上記高分子化合物(A−11)(CP−3)20.6g、イオン交換水300gおよび35%塩酸水溶液10gを投入し、60℃に加熱して3時間撹拌を行った後、25℃まで冷却した。フラスコ内の乳化剤溶液は、均一なものであった。
【0160】
ついで、乳化剤溶液中にアニリン4.65gを投入し、攪拌して均一な乳化液とした。10.0gのペルオキソ二硫酸アンモニウムをイオン交換水30gに溶解したものを、0℃に保ったフラスコ内に10時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに0℃に保ち、30時間重合反応を続けた。
【0161】
得られた反応液(CS−5)は、均一な溶液であった。反応液(CS−5)を80℃の熱風循環式乾燥機で、乾燥して固形分を回収した。得られた固形分を水に再分散して洗浄を行い、再度濾別を行った。この水洗浄・濾別を4回繰り返し、水を含んだ固形物を得た。この固形物を、減圧下100℃にて72時間乾燥してポリマー(C−5)を得た。このポリマー(C−5)の揮発分を測定した結果、揮発分は1%以下だった。
【0162】
(4)塗膜評価:
ビーカーに、ポリマー(C−5)5g、トルエン95gを投入し、室温で撹拌したが、ポリマー(C−5)は全く溶解しなかった。
【0163】
次に、ビーカーに、ポリマー(C−5)5g、イオン交換水95gを投入し、室温で撹拌して、ポリマー(C−5)の一部が溶解した水分散液が得られた。
【0164】
このポリマー(C−5)の水分散液を、200メッシュフィルターにてろ過し、そのろ液をドクターブレードを用い、乾燥後の厚みが10μmとなるようガラス基板上に塗工した後、乾燥を行ったところ、乾燥を行ったところ、緑色の均一な塗膜が得られた。その塗膜の表面抵抗値を測定したところ、3MΩ/□だった。
【0165】
実施例7〜実施例11および比較例6〜比較例9
国際公開番号WO/2009/013942の実施例1で用いている対向電極(開口銅メッシュ電極)ならび対向電極基板(厚さ80μmのPETフィルム)を、実施例1〜4で調製した複合導電性高分子組成物溶液もしくは比較例2で調製した導電性高分子組成物溶液をドクターブレードを用い乾燥後の厚みが5μmとなるように、SUS箔、ITO PENフィルム、ガラス基板、ITOガラス基板またはFTOガラス基板上に塗工したものに替えて色素増感型太陽電池素子を製造した。
【0166】
得られた色素増感型太陽電池素子評価は山下電装(株)製のソーラーシュミレーターYSS−80Aを用いた。セル面積1cm
2の素子に対してAM1.5(1sun;100mW/cm
2)照射下のI−V特性を調べることにより、セルの短絡電流、開放電圧、フィルファクターおよび発電効率を評価した。その結果を表1に示した。
【0167】
【表1】
【0168】
以上の結果より、本発明の複合導電性高分子組成物を用いてなる色素増感型太陽電池素子は高い光電変換効率を示した。
【0169】
実施例14〜実施例15および比較例9〜比較例10
実施例1〜2で調製した複合導電性高分子組成物溶液または比較例2で調製した導電性高分子組成物溶液を、それぞれ固形分2.5%に再調整し、それらをスピンコート法により4000rpm−15secの条件で、厚さが1000μmのガラス基板および100μmのPETフィルム基板に対して塗布し、熱風乾燥機で溶媒を除去させて帯電防止層を形成した帯電防止フィルムを作製した。なお、帯電防止層の膜厚を触針式表面形状測定器(Dektak 6M:アルバック製)で測定を行ったところ、帯電防止層の厚さはいずれもおよそ25nmであった。
【0170】
得られた帯電防止フィルムについて、以下のような条件下で静置した後に表面抵抗値の評価を行った。評価結果を表2に示した。
条件(1):23℃50%RHにて192hr
条件(2):40℃80%RHにて168hr
【0171】
【表2】
【0172】
以上の結果より、本発明の帯電防止フィルムは、高温多湿下での環境で使用されても、帯電防止特性を十分に示す結果であった。