(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738197
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】メガネ組立用弾性拘束装置およびかかる装置により得られるメガネ
(51)【国際特許分類】
G02C 5/16 20060101AFI20150528BHJP
G02C 5/22 20060101ALI20150528BHJP
G02C 1/04 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
G02C5/16
G02C5/22
G02C1/04
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-544108(P2011-544108)
(86)(22)【出願日】2009年12月28日
(65)【公表番号】特表2012-514230(P2012-514230A)
(43)【公表日】2012年6月21日
(86)【国際出願番号】IB2009055965
(87)【国際公開番号】WO2010076758
(87)【国際公開日】20100708
【審査請求日】2012年12月14日
(31)【優先権主張番号】MI2008A002355
(32)【優先日】2008年12月30日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511158591
【氏名又は名称】グイド・メダナ
【氏名又は名称原語表記】MEDANA, Guido
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】グイド・メダナ
【審査官】
薄井 義明
(56)【参考文献】
【文献】
特表2000−513424(JP,A)
【文献】
特表2003−504689(JP,A)
【文献】
特開2004−252026(JP,A)
【文献】
特開昭50−153949(JP,A)
【文献】
特開平05−289029(JP,A)
【文献】
特開2008−268311(JP,A)
【文献】
特開2006−301139(JP,A)
【文献】
特公昭49−022468(JP,B1)
【文献】
実開平03−086708(JP,U)
【文献】
米国特許第03796482(US,A)
【文献】
米国特許第06015212(US,A)
【文献】
仏国特許出願公開第01194067(FR,A1)
【文献】
仏国特許出願公開第01380136(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 5/16
G02C 5/22
G02C 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節ヒンジを備えていない両眼メガネのための弾性拘束装置であって、
メガネのフロントフレームまたはつる部分の2つの異なる部分に係合される2つのワイヤ端部を具備する少なくとも1つの非伸張性フレキシブルワイヤを備え、前記ワイヤ端部の少なくとも一方は、負荷をかけられて取付けられ、前記非伸張性フレキシブルワイヤの引張りに抗して作用する弾性手段を具備し、
前記ワイヤのワイヤ端部は、それぞれフロントフレーム前部分およびつる部分と結合し、またはつる部分とのみ結合し、前記ワイヤは相互に結合される複数の椎部を貫通し、
前記椎部は、前側の凸状半円筒面と後側の凹状半円筒面とを備える柱状体に形成され、
前記ワイヤは、少なくとも1つの前記椎部に設けられた孔または開口を貫通し、前記孔は、複数の前記半円筒面の中心線を通る長手方向基準面に対して偏心して配置される弾性拘束装置。
【請求項2】
前記半円筒面の両側に平面が具備される請求項1に記載の拘束装置。
【請求項3】
前記平面のうちの少なくとも一方は、前記メガネの内側に見出されることを意図される側に配置され、前記半円筒面の中心を通る長手方向基準面に対して傾いている請求項2に記載の拘束装置。
【請求項4】
前記孔または開口は円錐状または斜めである請求項1〜3のいずれかに記載の拘束装置。
【請求項5】
前記ワイヤは2本であり、ヒンジ軸の方向に一方が他方の上となるように前記椎部内を通る請求項1〜4のいずれかに記載の拘束装置。
【請求項6】
前記2本のワイヤは、U字型に曲げられた単一体から成り、それの2つの端に弾性手段を有するそれぞれのワイヤ端部を備える請求項5に記載の拘束装置。
【請求項7】
前記2本のワイヤは前記椎部内の2つの別の孔を通る請求項5または6に記載の拘束装置。
【請求項8】
前記椎部は一方の側に開放スリットを有し、そこを通して前記ワイヤを導入できる請求項1〜7のいずれかに記載の拘束装置。
【請求項9】
前記椎部がC字型横断面を有する請求項8に記載の拘束装置。
【請求項10】
後側の凹状半円筒面は、互いに平行で、長手方向基準面に垂直であるが、同一面上に位置しない内側面と外側面の2つの平面に挟まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの拘束装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明は、両眼メガネの組立てのための弾性拘束装置、およびかかる拘束装置を組立てに最大限活用できるよう特別に考案された両眼メガネに関する。
【0002】
周知のように、メガネの分野では、メガネの主保持構造、すなわち、フレームつまり前部分と、側方つる部分と、レンズとを一緒に組み立てる多くの拘束手段が提唱されている。
【0003】
一般に、組立用拘束手段は、剛性部材として形成され、ネジ、ジョイント、または他の結合手段により相互に接合およびヒンジ接続され、よって種々の構成部品の組立てが可能になり、場合によっては、弾性をもたらすことにより、メガネの着用性を向上させ、使い心地をより快適にする。とりわけ、いあゆるフレキシブルヒンジは、フロントフレームにメガネのつる部分を弾性的につなぐのに適していることで知られる。また、他の方法では破損しがちなレンズに過剰な応力を与えないようにしてレンズをフロントフレームに固定する種々の装置が知られている。
【0004】
しかし、先行技術による装置は、依然として欠点を有している。
【0005】
一方で、実際のところ、フレキシブルヒンジは、その製造および組立て、ならびにつる部分および前部分への接合が複雑である。その上、フレキシブルヒンジは段階的操作ができず、弾性的手段によりスナップ嵌合する2種類の安定位置(開/閉)しか持っていない。さらに、ヒンジ点は常に締着用ピボットネジで形成され、このことはヒンジの泣き所を意味し、緩みやすい。
【0006】
他方で、フレキシブルヒンジは専業メーカーの独壇場であり、その製造技術は、レンズの保持に適した良質フレームを得るのに一般的に用いられる製造技術とは大きく異なっており、メガネメーカーに適合しない場合が多い。
【0007】
よって本発明の目的は、製造および組立てが十分に経済的で、フロント部へのレンズの拘束のために、フレキシブルヒンジの関節またはその変形によって使用可能な改良型拘束装置を提供することである。
【0008】
更なる目的は、両眼メガネの両側つる部分に前面部分を結合する、製造が経済的で取付が簡単な改良型フレキシブル関節ヒンジ装置を提供することである。さらに、この装置によって、標準的なヒンジ用ネジをなくし、よってネジの緩みにかかわる問題が生じないようにした構造を提供することができる。
【0009】
さらに、かかる拘束装置を最大限に活用するよう特別に考案された両眼メガネを提供することを目的とする。具体的には、フレームとつる部分との間のヒンジ装置の形成において、革新的な作動方法と同時にそれに対応する独特の美的外観を生み出すことである。
【発明の概要】
【0010】
かかる目的は、添付の独立請求項に記載する特徴によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましい特徴を開示する。
【0011】
詳しくは、この発明によれば、メガネの前部分またはつる部分の2つの異なる部分と係合可能な2つのワイヤ端部を備えた少なくとも1つの非伸張性フレキシブルワイヤを備え、ワイヤ端部の少なくとも一方には、負荷をかけられて取り付けられ、前記非伸張性フレキシブルワイヤへの引張りに抗するように作用する弾性手段が備えられた弾性拘束装置が両眼メガネのために提供される。
【0012】
この発明の好ましい適用によれば、前記ワイヤのワイヤ端部はそれぞれ、前部分の末端部およびつる部分と結合するように意図され、ワイヤは、関節部材として作用する複数の相互に結合された椎部を貫通する。
【0013】
この発明の別の好ましい適用によれば、ワイヤはメガネレンズの縁部に係合する。
【0014】
実際のところ、この発明の主な態様によれば、両眼メガネ用弾性拘束装置は、前部分およびつる部分とそれぞれ係合可能な2つのワイヤ端部を有する少なくとも1本の非伸張性フレキシブルワイヤを備え、ワイヤ端部の少なくとも一方は、プリロードをかけられて取り付けられ前記非伸張性フレキシブルワイヤの引張りに抗して作用する弾性手段を備え、ワイヤは複数の相互に結合された椎部を貫通するように提供される。
【0015】
別の態様によれば、椎部は、前側の凸状半円筒面と後側の凹状半円筒面とを備えた柱状体に形成される。
【0016】
更なる態様によれば、椎部の半円筒面の両側には平坦面を具備し、その少なくとも一方は、メガネの内側に来るように配置され、前記半円筒面の中心を通る長手方向基準面に対して傾いている。
【0017】
別の態様によれば、ワイヤは椎部に設けた少なくとも1つの孔または開口を貫通し、前記孔は、前記半円筒面の中心を通る長手方向基準面から偏心して配置される。かかる孔または開口は円錐状または傾斜付きであることが好ましい。
【0018】
別の態様によれば、ワイヤは2本であり、一方が他方の上となるようヒンジ軸の方向に前記椎部内を通る。一変形例によれば、これら2本のワイヤは、U字型に曲げられた単体であり、2つの末端それぞれには弾性手段を有するワイヤ端部を具備する。
【0019】
詳細な態様によれば、2本のワイヤは前記椎部内の2つの異なる孔を通る。
【0020】
このの好ましい他の態様によれば、椎部は一方の側に開放スリットを有し、そこを通してワイヤまたはワイヤ対を簡単に導入できる。この場合、椎部はC字型横断面を有することが好ましい。
【0021】
この発明の他の応用によれば、ワイヤはメガネレンズの縁部に係合し、縁部には少なくとも部分的にワイヤを収納する溝が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、レンズと、本発明の実施の形態による拘束装置とを備えた前部分の切欠斜視分解図である。
【
図4】
図4は、
図1の装置の変形例によるメガネフレームの正面図である。
【
図5】
図5〜
図9は、この発明によるワイヤ端部の幾つかの実施の形態の切欠斜視図である。
【
図6】
図5〜
図9は、この発明によるワイヤ端部の幾つかの実施の形態の切欠斜視図である。
【
図7】
図5〜
図9は、この発明によるワイヤ端部の幾つかの実施の形態の切欠斜視図である。
【
図8】
図5〜
図9は、この発明によるワイヤ端部の幾つかの実施の形態の切欠斜視図である。
【
図9】
図5〜
図9は、この発明によるワイヤ端部の幾つかの実施の形態の切欠斜視図である。
【
図10】
図10は、この発明によるワイヤ端部固定用ソケットの切欠斜視図である。
【
図11】
図11〜
図14は、メガネ前部分内におけるワイヤ端部の様々な結合状態を示す部分断面切欠斜視図である。
【
図12】
図11〜
図14は、メガネ前部分内におけるワイヤ端部の様々な結合状態を示す部分断面切欠斜視図である。
【
図13】
図11〜
図14は、メガネ前部分内におけるワイヤ端部の様々な結合状態を示す部分断面切欠斜視図である。
【
図14】
図11〜
図14は、メガネ前部分内におけるワイヤ端部の様々な結合状態を示す部分断面切欠斜視図である。
【
図15】
図15は、この発明の実施の形態により得られたつる部分用ヒンジ装置の切欠斜視図である。
【
図16】
図16は、
図15のこの発明の実施の形態により得られたメガネのつる部分用ヒンジ装置に類似する装置の部分分解図である。
【
図17】
図17は、この発明による例示の椎部の断面図である。
【
図18】
図18〜
図20は、それぞれ、閉じた状態、開いた状態、開き過ぎた状態にあるこの発明によるつる部分用ヒンジの断面図である。
【
図19】
図18〜
図20は、それぞれ、閉じた状態、開いた状態、開き過ぎた状態にあるこの発明によるつる部分用ヒンジの断面図である。
【
図20】
図18〜
図20は、それぞれ、閉じた状態、開いた状態、開き過ぎた状態にあるこの発明によるつる部分用ヒンジの断面図である。
【0023】
この発明の更なる特徴と利点は、実施形態および添付図面に示すことで以下の詳細な説明により明らかになる。
【0024】
周知のように、両眼メガネは、フロントフレームつまり前部分1で構成され、そこに一対のレンズFが配置され、その両端にはメガネのつる部分Uがヒンジ接続される。
【0025】
図1〜
図3は、他の部分が完全に対称であることから、2つのレンズの内の一方を備えるフロントフレーム部分のみを示す。
【0026】
レンズFは、レンズを設定位置に保持する前部分のハウジング部Gに係合される。ハウジング部Gは、レンズの周囲を部分的に取り囲むだけで、そのかなりの部分、例えば少なくとも30%は拘束しない状態のままである。
【0027】
図1では、かかるハウジング部Gはフレームの上部となっているが、同様にして下部とすることもできる。
【0028】
安定性を高めるため、レンズFは、ハウジング部G上に見出されるリブEと結合する周縁溝Iを有する。
【0029】
この装置は、2つの端部A、Bを備え、少なくとも一方が弾性反発部材Dを備える実質的に非伸張性のワイヤCから成る拘束手段によって完成される。かかる弾性拘束装置は、以下に示す方法でレンズFの外部にさらされる周縁部分と結合される。
【0030】
図1〜
図3に示す実施形態において、ワイヤ端部Aは固定され、前部分内に設けた対応座A’と係合する。反対側のワイヤ端部Bはつる巻きバネDを備え、前部分1の反対側の座B’と係合する。この例では、ワイヤ端部Bは、前部分の座B’に直接当接する代わりに(固定ワイヤ端部Aと専用座A’の間で生じるのとは異なり)バネDの端部D”に着座し、バネDの反対側の端部D’は座B’の底部B”に当接する。その結果、非伸張性ワイヤCはバネD内を摺動でき、ワイヤ端部BをバネDに押し当て、それによりバネDが圧縮される。
【0031】
図1を参照すると、バネが完全に圧縮された状態(M)で、ワイヤCはレンズFの周縁全体にわたり弛緩状態を保ち、それによりレンズFは、取り外しまたは前部分のリブEとの結合のための挿入が容易になる。バネDを圧縮側に近づけるためには、バネDの弾性反応(例えば、1〜2kg程度の力)に打ち勝つために
図2の2で示される牽引力の印加が必要であることは言うまでもない。
【0032】
ワイヤを解放することにより、
図3の3で示される弾性反応は、再びバネを伸長させようとして(L)、結果として、レンズFをハウジング部Gに押しつけながら、レンズFの下辺に当接するワイヤを元に戻そうとする。ワイヤCは、レンズの周縁溝Iに挿入するのに適した直径を有し、張力をかけたまま一旦レンズの縁に近接するように配置された後は外れないようにできることが好ましい。
【0033】
従って、ワイヤの長さは、バネが専用座B’に完全に圧縮された時(M)、レンズの取付/取り外しが可能となるように調整される。
【0034】
フレームとの係合状態からのレンズの突発的な脱落や他の故障の発生につながる本装置の緩みを回避するのに十分な非伸張性を有することを条件に、ワイヤは種々の材料から作ることができる。従って、ワイヤCは金属撚線であってもよいし、適切な直径のナイロン(商標)糸や他の合成材料であってもよい。
【0035】
図4は変形例を示し、2つのワイヤ端部がともに弾性手段を備え、フレームの2つの端部において、それぞれ溝に結合される。この事例で、拘束装置は、両レンズに対して1つの拘束装置を成し、ワイヤCが鼻パッドフレーム内の溝Nを自在に通過する。
【0036】
図5〜
図9は、ワイヤCのためのワイヤ端部を構成および配置する様々な方法を示す。
【0037】
図5は、ワイヤ端部にひだ加工(塑性変形または圧印変形)を施したメタルブッシュOを示す。
【0038】
図6は、他の例として、ワイヤCの端部にコードPによって溶着または接着されたブッシュO'を示す。
【0039】
図7では、ワイヤ端部の頭部を溶融材料の溶滴O''としたものである:材料は溶接材料か、または局所的に溶融して溶滴化した、ワイヤと同一の材料(例えば、合成プラスチック材料製)であってもよい。
【0040】
図8には、ワイヤの端部において端部の結び目O'''を作る方法が示されている。
【0041】
図9は、他の例として、ワイヤを把持する横断ネジを有する端部クランプO'''によるワイヤ端部の頭部の構造を示す。
【0042】
図11〜13は、他の例として、メガネのフレーム上の弾性手段とワイヤ端部とを係合させる幾つかの異なる方法を示す。
【0043】
図11は、フレームが、ワイヤ端部の頭部を越えて伸びた状態でバネ全体を収納する細長い溝を有することを示す。ワイヤが出ている溝の入口部は、ワイヤを通すには十分であり、バネの最外部つまり遠位端D'の受面を構成するのに適切な狭窄部(
図1のB'')を有する。それにより、バネがワイヤ牽引方向に動くことが妨げられる。従って、前記の牽引はワイヤ端部の頭部の変位に変換され、その変位はバネDの最内部つまり近位端に作用してバネに圧縮状態をもたらし、それによりワイヤ牽引に抗する所望の弾性反応を発生させる。溝の中には段Rがさらに設けられ、狭窄部B''の近傍で溝の横方向の隙間をも部分的に窄めるように構成される。従ってこれは、バネDの専用座からの、特に圧縮状態における突発的な横方向への脱落を防ぐ役割を果たす。
【0044】
フレーム材料が特に強靭でなく、例えばプラスチック材料でできていて摩耗し易い場合、ワイヤ端部は、溝内に直接格納されずに
図10に示すように予め剛性の高いケースつまりソケットQに格納する。ソケットQは金属等の硬質材料で作られ、バネDとワイヤ端部の頭部との変位で生ずる擦り傷による損害を受けない。
【0045】
図11の実施形態で、ワイヤ端部と弾性手段を格納する溝は、片側が横方向に開放している。従って、ワイヤとバネDの伸長方向に対してワイヤ端部の導入を横方向から行うことができる。
図13は、かかる座の代替としての変形例を示し、溝はフレーム内のスルーホールとして形成される(従って、側方開口は技術的には不要となる)。よって、この事例では、バネ付フレキシブルワイヤとワイヤ端部の対応頭部は、方向5に従い、ワイヤの出口開口の反対側の孔を通して長手方向に挿入される。ワイヤ端部の固定は、フレーム孔内へのワイヤとバネの導入後に達成される。また、この実施形態では、
図10の固定用ソケットQを使用できる。
【0046】
図12は別の実施の形態を示し、フレーム内に止め穴Tとしての座を設けて、その出口開口にはネジを切る。この例では、組立済みのワイヤ端部−ワイヤ−バネアセンブリを方向4に沿って長手方向に導入し、雄ネジを切ったキャップSによりそこに保持して、ワイヤ上を摺動自在となるよう導入される。
【0047】
図14は、代替として、フレーム内の固定ワイヤ端部の固定方法を例示する。ワイヤを単純にフレームの止め穴に導入して、ワイヤ導入孔に直角方向に螺合する留めネジによりそこに固定する。
【0048】
ワイヤ−バネ−ワイヤ端部を備えたかかる拘束装置と、上述したそれぞれに対するあらゆる結合の変形例とにより、メガネフレームとつる部分との間で独創的な関節結合が達成される。
【0049】
図15に、本発明による関節部を図式的に示す。
【0050】
端部分Zとも呼ばれるフレーム突起とメガネのつる部分Uの近位端との間に、発明者らが椎部Vと称する複数の成形部材が配置される。椎部の数は、目指そうとする関節の特徴に依存して、1つのみとすることも可能であるが、3つ〜4つが好ましい。
【0051】
成形部材Vは以下で説明する特徴的な形状を有し、様々な材料で作ることができ、それには金属(アルミニウム、青銅、ステンレス鋼、…)、プラスチック、木、他が含まれる。
【0052】
弾性ワイヤ端部を備えるワイヤ装置は、一方の側は端部分Zに、他方の側はメガネのつる部分Uにしっかりと固定され、付随する非伸長性フレキシブルワイヤは、メガネのつる部分の主軸に従って一列に並べられた別々の椎部部材Vを貫通する。
図15に示すように、組立てし易くするために、固定ワイヤ端部は端部分Zに設けられる一方、弾性ワイヤ端部は対応するバネを備えてメガネのつる部分内に収納される。
【0053】
椎部Vは特殊な形状で特徴付けられ、直列の結合を可能にして関節ジョイントの働きを確立する。フレームの端部分Zとメガネのつる部分Uのそれぞれの端部部は、端部椎部との結合がそれぞれに応じて可能なように形成される。
【0054】
図17に見られるように、各椎部Vは、凸状半円(というより半円筒)形によって特徴づけられる前面VAと、それに対応する凹状半円(というより半円筒形)によって特徴付けられる背面VBとを有する柱状体から成る。凸面VAと凹面VBの2つの中心を通る平面が椎部Vの長手方向基準面となる。
【0055】
前側凸面は、2つの平面V'とV''に挟まれ、V'およびV''は互いに平行ではないことが好ましい。実際、メガネの外側に位置することを意図された平面Vは実質的に長手方向基準面に垂直であるが、内側の平面V''は、長手方向基準面に対して傾き、詳細には椎部Vの後方向に開放する角度を形成する。
【0056】
また後側凹面VBも、内側面V'''と外側面V''''の2つの平面に挟まれる。これら両平面は、互いに平行で且つ長手方向基準面に垂直であることが好ましいが、同一面上に位置しない方が有利である(
図17に見られるように)。
【0057】
椎部Vは1つ以上の孔Yが貫いているが、その数は何本のワイヤが椎部を貫くかに依る。
図15の実施の形態では、ただ1つの孔が椎部Vを貫き、長手方向すなわち使用ワイヤの置かれる方向に従って配置される。
図16の実施の形態では、各椎部Vは、椎部の高さに従って、2つの孔が貫いている(関節軸の方向に一方の上に他方を並べて)か、または1つの長孔が貫いて、2本のワイヤを一方の上に他方を並べて通す。
【0058】
この最後の例では、
図22A〜
図23Bに示すように、貫通孔は切欠き形状を成す。
【0059】
有利なジョイントの動作を実現するために、好ましい実施の形態によれば、貫通孔は長手方向基準面に対して偏心し、場合によっては円錐状または斜めであっても、椎部の前面の方向に向かって広がっていてもよい。
【0060】
この発明による拘束装置のワイヤは、
図19に示すように椎部の孔を貫通するように成され、この状態は、端部分Z、椎部V、およびメガネのつる部分Uの間の完全な配列の直線的状態を表す。個々の椎部は互いに結合し、各凹面は隣接する凸面と相補的に連携する。端部椎部は、メガネのつる部分Uまたは端部構成部Zの端に位置する対となる凹面または凸面と同様に結合する。
【0061】
図から明らかなように、ワイヤはスルーホールの直径が小さめな部分を自在に通り、一方でワイヤは、同じホールの直径が大きめな部分は大きな遊びを残して通る。
【0062】
椎部のこの独創的な構成は、伸縮バネによるワイヤの張力によって椎部の相互回転運動を生じさせ、それぞれの半円筒領域に伝わり、傾斜した平面V''が次の椎部の垂直平面V''''に当接するまで、自然に
図18の状態に自分自身を配置しようとする。実のところ、こういう状態でワイヤは伸びてバネDを伸長させるという事実によって、これは安定な姿勢となる。
【0063】
図18に示す状態は、メガネのつる部分の閉じた状態に一致する。
【0064】
ここで矢印4の方向にメガネのつる部分Uへ開く力を加えると、椎部−メガネのつる部分およびバネのアセンブリは、椎部がそれぞれの垂直な平面V乃至 V''との当接を止めるまで、端部分Zを動かないままに保ちつつ、
図19の伸長状態に戻る。
【0065】
椎部による矯正によりワイヤは収縮して、バネDの最初の圧縮を引き起こす。
【0066】
メガネのつる部分に加えられた力と、椎部V間の接触との間のこのバランスは、メガネのつる部分Uを開く条件を確立する。
【0067】
ここで前の4よりも大きい新たな力5をメガネのつる部分Uに加えると、椎部−メガネのつる部分およびバネのアセンブリは、端部分Zを動かないままに保ちつつ、
図20の開き過ぎた状態に移る。この力5の印加により、バネの更なる圧縮が引き起こされ、椎部は、
図19の平衡位置を打開して、平面V'と平面V''の角が互いに隣接するようにされる。
【0068】
力5を保つことで、コイルのバネDが互いにぶつかり合うこと(いわゆる「詰め込まれた」圧縮バネの状態)により開き過ぎは制限される。
【0069】
力5を解放すると、バネは伸長して椎部−メガネのつる部分およびバネのアセンブリを
図18の閉じた状態に向かわせようとする。
【0070】
図16に更なる実施形態が示され、端部分−椎部−メガネのつる部分およびバネのアセンブリは、端部分Z上の制限ピンを中心に折り曲げられた単一U字型ワイヤを含み、2つの端部に2つのバネを有する2つの弾性ワイヤ端部により拘束される。2つのワイヤ部は、メガネが通常掛けられる方向を基準にして、ジョイントの中を一方が他方の上となるように並んで通る。言い換えれば、ワイヤは、この発明によるジョイントのヒンジ軸に沿って上下に並んで配置される。
【0071】
ここで示す形態では、取付けおよび取り外しを容易にするために、端部分およびメガネのつる部分に横方向に開放したハウジング座を設けて、それにより
図11に示すように、拘束装置のワイヤ端部を導入できるようにすることがさらに提供されている。アセンブリの端においては、それぞれ端部分およびメガネのつる部分にネジ留めされる2つのプレートつまり小カバーJによりワイヤが突発的に外れることを防ぐことがさらに提供される。
【0072】
図21は、同一U字型折り曲げワイヤ上に2つのバネを採用したこの実施の形態によって実現される有利な結果を示す。メガネのつる部分に横方向の力6を加えることにより、椎部はそれぞれのエッジに沿って互いに広がったり、もたれ合ったりすることができ、2本のワイヤの一方をより大きな牽引力の状態に置くことができる。実質上、横方向応力を受けて(突発的衝撃の場合に見られる典型的な状況)、この実施の形態によるメガネのつる部分は損傷を受けることなく弾性的に撓む能力を有する。とは言うものの、1本のワイヤだけを用いた場合でも、あらゆる方向へのワイヤのもつ本質的な柔軟性のために同様の効果が得られることを強調しておく。
【0073】
図22A〜
図23Bでは、既に述べたように、椎部の代替の実施形態が示されており、それは2本ワイヤの例で用いるのが好ましい。各椎部の一方の側に開放スリットを形成して、そこを通すことで弾性拘束装置のワイヤを容易に挿入できる。
【0074】
さらに、
図23Aと
図23Bにおいて、横に開放するスリットのエッジの形状は、内側への突起を備えている。この形状は、椎部内部のそれぞれの座における一対のワイヤのより良い隔離における、具体的には一方を上側に配置し、他方を下側に配置する利点を保証する。
【0075】
推量できるように、本明細書での教示により、一連の更なる利点に加えて前文に記した目的を完全に達成することができる。
【0076】
メガネフレームに適用した場合、この発明の弾性拘束装置により、工具の助けを借りることなく、また無視できない寸法誤差が存在する中で、レンズの容易な取付が可能になる。実際、バネの弾性的復元により、この発明の拘束装置は、レンズの周囲に変形がある場合でも使用可能となる。この解決法は、例えばメガネフレームのレンズの下を覆う部分全体を無くすことで、メガネフレームの軽量化をも可能にする。非伸張性ワイヤが金属ワイヤ撚線から成る場合、フレームカラー(電気的プロセス)に合わせる配色の実現が可能となるが、巻きひもの弾性非伸張性だけを利用して似たようなレンズ保持効果を得る代わりの解決法では不可能である。
【0077】
この発明の装置は、他のフレーム部分を作るかなり異なる材料すなわち、プラスチック、金属、カーボン樹脂等を用いて、製品をより自由に特徴づけることを可能にする。
【0078】
メガネのつる部分のジョイント装置へのこの発明の適用において、この発明は、非常に柔軟で進歩的な動作を生み出す。球状面のシートを通して結合される構成要素間において一定の張力が決定されるため、メガネのつる部分とフレームの間のあらゆる構造的な遊びの除去が実現される(自己安定化)。こうして完成されたジョイントは、従来の回動ネジを必要としないため、メンテナンスの必要を大幅に減らすことができる。関節軸に従う弾性的な撓みにより、突発的な衝撃や不適切な使用に対しても本質的な堅牢さを発揮する。最後に、多彩な材料で製造が可能な椎部列は、色の整合および/またはこれまで未開拓の材料に関する新たな開発への展望を切り開く。
【0079】
しかし、この発明は、この発明の範囲の限定しない実施例を表す上述の特定の構成に限定されず、この発明の範囲から逸脱することなく、すべて当業者が達成する範囲で多くの変形が可能であることはいうまでもない。