(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738203
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】オフショア風力発電パーク
(51)【国際特許分類】
F03D 11/04 20060101AFI20150528BHJP
B63B 35/00 20060101ALI20150528BHJP
B63B 21/00 20060101ALI20150528BHJP
B63B 21/50 20060101ALI20150528BHJP
B63B 39/06 20060101ALI20150528BHJP
F03D 9/00 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
F03D11/04 A
B63B35/00 T
B63B21/00 B
B63B21/50 D
B63B39/06 A
F03D9/00 G
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-550581(P2011-550581)
(86)(22)【出願日】2010年2月19日
(65)【公表番号】特表2012-518736(P2012-518736A)
(43)【公表日】2012年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2010052152
(87)【国際公開番号】WO2010094776
(87)【国際公開日】20100826
【審査請求日】2013年2月18日
(31)【優先権主張番号】09153330.7
(32)【優先日】2009年2月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】311004223
【氏名又は名称】エクスイーエムシー ダーウィンド ビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(72)【発明者】
【氏名】ド ボエール,ゲルロフ ヨハネス
【審査官】
山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−504205(JP,A)
【文献】
特開2007−002721(JP,A)
【文献】
特開2009−030586(JP,A)
【文献】
特開2001−165032(JP,A)
【文献】
特開2005−264865(JP,A)
【文献】
米国特許第07281881(US,B1)
【文献】
特表2001−509565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 11/04
B63B 21/00
B63B 21/50
B63B 35/00
B63B 39/06
F03D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの風力タービンを各々備えられた2つのコーナーおよび係留部を備える第3のコーナーを有している少なくとも1つの浮体構造を備える風力発電施設であって、
該浮体構造上の全ての風力タービンは、風力タービンを有しない該第3のコーナーから距離をおいて一列に配置されている、風力発電施設。
【請求項2】
該複数の風力タービンは、回転面を規定する1以上のローターブレードを有するローターを各々備え、該複数の風力タービンの該複数の回転面は同一平面内にある、請求項1に記載の風力発電施設。
【請求項3】
該2つの風力タービンは、該浮体構造に対して固定した配向を有する、請求項1又は2に記載の風力発電施設。
【請求項4】
該浮体構造はタレット係留システムを備える、請求項3に記載の風力発電施設。
【請求項5】
該タレット係留システムは分離可能な水中タレットである、請求項4に記載の風力発電施設。
【請求項6】
該複数の風力タービンの間の距離はローターブレード領域の直径の2倍未満である、請求項1〜5の何れか1項に記載の風力発電施設。
【請求項7】
該浮体構造は、1以上の補助駆動装置を有する、請求項1〜6の何れか1項に記載の風力発電施設。
【請求項8】
該浮体構造は、その浮力中心の上に位置付けられた重心を有する、請求項1〜7の何れか1項に記載の風力発電施設。
【請求項9】
該浮体構造は、3つの半潜水可能な垂直支柱および該支柱を夫々接続する接続要素を備える、請求項1〜8の何れか1項に記載の風力発電施設。
【請求項10】
浮体構造プラットホームが、3つの垂直な支柱、および該支柱の各々の下端に取り付けられて各該支柱の基底部の周りに1つの区画を形成するように外向きに延在する水中水平水捕捉板を備えており、該水捕捉板の面積は該水捕捉板がその上に取り付けられている安定化する支柱の断面積を超え、さらに、該水捕捉板は、複数の半径方向梁および複数の横方向梁によって支持されており、該半径方向梁の各々は一端で支柱の基底部に接続され且つ他端で該水捕捉板の端部に接続され、および該横方向梁の各々はその両端で支柱の基底部に接続され且つ水捕捉板に連続的な支持を提供する、請求項1〜9の何れか1項に記載の風力発電施設。
【請求項11】
該浮体構造は、該2つの風力タービン用の共用設備を備えており、該共用設備は該第3コーナー上またはその近傍に置かれている、請求項1〜10の何れか1項に記載の風力発電施設。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載の風力発電施設のための浮体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2以上の風力タービンを備えるオフショア風力発電施設または風力発電パークに関する。本発明の文脈において、「オフショア」の用語は、水上、例えば岸近くまたは岸から遠く離れた海上、大洋上または湖上の任意の場所を意味する。
【背景技術】
【0002】
オフショアな場所は、風力発電パークにとって特に有用である。なぜなら、岸よりも、より高い風力エネルギー出力が得られるからであり、且つ空間的な制約が少ないからである。オフショア風力発電パークを建設するために、浮体基盤、例えば米国のMarine Innovation & Technology社のWindFloat(商標)システムを利用できる。
【0003】
オフショア風力発電施設または風力発電パークにおいては、風力タービンによって引き起こされる擾乱が隣接する風力タービンにぶつかる風の流れを乱すことを防止するために、複数の風力タービン間には最小限距離を置くことが要求される。
図1は、直径115メートルのローターをもつ5MW(メガワット)の風力タービンの計算上の後流効果を図式的に示す。エネルギー変換効率の低下および望ましくない複数の負荷(これらは風力タービンの構成部品に加速度的な劣化を起こしうる)を回避するように、1つの上流風力タービンとその他の風下側の風力タービンとの間の距離は、風力タービンを該上流風力タービンの後流領域外に保つように十分とるべきである。
図1は、風向が不変な場合の後流領域を示す。しかし、一般的には風向きは変化する。このことは、拡大された後流領域および部分的な後流効果をもたらし、隣接する風力タービン間の間隔を一層とることを必要とする。
【0004】
一般に、風力タービンは、ヨー機構を備えており、該ヨー機構は、風力タービンが風で旋回、且つエネルギー効率を最大化させるために時々の風向きに従い風上または風下配向を維持することを可能にする。後流領域は風力タービンのヨーイング(yawing;回転軸の左右への偏移)と共に変化する。その結果、風力タービン間の距離は全方向において十分大きくとるべきである。
【0005】
国際公開第02/073032号明細書は、1点係留システムを備える三角形状フロートおよびその各コーナー上に風力タービンを有するオフショア浮体式風力発電プラントを開示している。そのフロートは正三角形を形成する。これら複数の風力タービンは1つの平行配向を有する。風の方向において、風力タービンの1つは、他の2つから距離を置かれる。風力タービン間の距離は、最前線の風力タービンの後流領域の外に風下側の風力タービンを保つために、十分大きく取るべきである。その結果、大きな浮体構造が使用されねばならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第第02/073032号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、所定の大きさのオフショア風力発電パークのエネルギー出力を高めることである。さらに、風力タービンを備える単純な構造の高出力風力発電パークを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、1つの風力タービンを各々有する2つのコーナー及び1つの係留部を備える第3のコーナーを有する少なくとも1つの浮体構造を備える風力発電パークであって、該第3のコーナーは風力タービンを有しない風力発電パークで実現される。これにより、風力タービンによって引き起こされる擾乱が、隣接する風力タービンに当たる風の流れを乱すことはない。仮に第3の前方の風力タービンがこの2つの風力タービンの前方に距離を置いている浮体構造上に置かれたとした場合に可能である以上に、この2つの風力タービンははるかにより近くに一緒に設置することができる。例えば、2つの風力タービン間の距離は、ローターブレード領域の直径の2倍未満、例えばローターブレード領域の直径の約1.5倍である。浮体構造はよりコンパクトに作ることができるので、単位表面積当たりにしてより多くの風力タービンが使用でき、高い風力タービン密度を有するコンパクトな風力発電施設が実現可能である。係留部と風力タービンとの間のこの距離は、風見による風の方向への自動的な配置を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】単一の風力タービンの後流を示した図式図である。
【
図2】本願発明に係る風力発電施設を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各風力タービンは、回転面を規定する1以上のローターブレードを持つローターを備える。擾乱による干渉は、複数の風力タービンの回転面が同一平面内にあるときに最小化される。もし1以上の風力タービンがある角度範囲にわたってヨーするヨー機構を備えているならば、風力タービンは、ヨー位置の中心に風力タービンがあるときに、複数の回転面が同じ面内にあるように位置付けられうる。
【0011】
複数のローターブレードが1つの回転面を規定する一方で、複数のブレードは、平行で真っ直ぐの長手方向の軸をもつことは要求されない。もし望まれるならば、ブレードは、ハブに対して相対的に、全体的にまたは部分的に湾曲され、ねじられ及び/又は円錐形にされうる。しかし、全体的な感じとして、ブレードは1つの回転面を規定するであろう。
【0012】
例えば、風力タービンは浮体構造に対して固定の配向を有しうる。そのような場合、それら風力タービンは、ヨー機構を持つ必要はない。ヨー機構がない場合、風力タービンはより少ない可動部分を備え、より少ない保守及び修理を要求する。浮体構造は、風力タービンを風上のまたは風下の位置に位置付けるように旋回されうる。随意的に、風の方向と海流の間のずれがある場合に(これは風力タービンが風の方向からはずれることになる)、その訂正を可能にするために、1以上の風力タービンは、制限されたヨー運動、例えば約20度、例えば約10度の範囲にわたるヨーイングを可能にするヨー機構を持ちうる。
【0013】
例えば、その構造は、海底に浮体構造物を固定する係留線条のための係留部を備えている。この係留部は旋回の中心点を形成しうる。タレット係留システムは、特に適している。タレット係留システムは、線条がタレット(turret;小塔)に接続され、このタレットはベアリングを介して浮体構造がアンカーレグの周りを旋回しうるような係留システムである。単一点係留システムは、所望の位置に浮体構造が風向きを取ることを可能にする。
【0014】
任意的に、浮体構造のより正確な位置決めのために、浮体構造は1以上の駆動ユニット、例えば1以上のコーナー上に1以上の補助駆動装置を備えうる。このことは例えば、浮体式風力タービンを風に対するその最適位置から移動させる潮流を補償するために望まれうる。
【0015】
別の可能な実施態様においては、タレットは、例えばタレットに解放可能に結合されうる水中係留ブイを備える分離可能タレットでありうる。適切な分離可能タレットシステムの例は、テキサス州ヒューストンのSBM Imodco社のRiser Turret Mooring (RTM) システム及び Buoyant Turret Mooring (BTM) システムである。1以上の風力タービンを支える浮体構造の係留用の分離可能タレットシステムの使用は、例えば保守または修理のために、または予想される極端な天候条件、例えば台風からそれを救うためにどこか一時的に貯留しておくために、浮体構造が分離されて他の場所へ移動させられうるという利点を有している。水中係留ブイを分離した後は、波の運動の衝撃を防ぐためにそれは海面下に浮遊する状態に保たれうる。本ブイは、風力タービンをグリッド(電力網)に接続する電力ケーブルの接続端を支持しうる。
【0016】
典型的には、風力タービンは同一のサイズ、電力、型式および高さであろう。しかし、望まれるならば、様々な風力タービン、例えば異なる高さの風力タービンが使用可能である。
【0017】
浮体構造上での複数の風力タービンが、並列配置の一列に置かれる。任意的に、第3、第4またはそれ以上の風力タービンが、浮体構造の2つのコーナー上の風力タービンと共に一列に設けられうる。好ましくは、もし風力タービンが浮体構造に対して固定した配向を有するならば、全ての風力タービンの回転面は同一面内にあるべきである。もしある限度の角度範囲にわたってヨーイングを可能にするヨー機構を有しているならば、風力タービンがヨー位置の中央にあるときに、好ましくは全ての風力タービンの回転面は同一平面内にあるべきである。
【0018】
2つの隣接する風力タービンの通り過ぎる2つのブレードの先端間の速度の差異を最小化するために、風力タービンは反対方向に回転するように構成されうる。このような場合、例えば風力タービンは鏡映対称のブレード幾何構造を有してもよく、またはローターブレードは対称のローターブレード幾何構造を有してもよい。もし3つ以上の風力タービンがある場合には、これらは例えば交互に替わる回転方向を有しうる。代替案として、望まれるならば、風力タービンは、同じ方向に回転するように配置されてもよい。
【0019】
風力タービンを支持するコーナーと係留部を有する第3のコーナーとは、三角形状配列を形成する。例えば、この三角形状の構成は正三角形を形成する。代替的に、係留部と風力タービンとの距離は、2つの風力タービン間の距離よりもより長くしうるし、また望まれるならばこの距離はより短くしうる。一般的に、全体として浮体構造は、三角形状の外形を有するであろうが、もし望まれるならば、他の形状も使用されうる。
【0020】
例えば、風力発電施設は、2つの風力タービンで共用される電気装置、例えば変換器及び/又は変圧器を備え、この電気装置は浮体構造の第3のコーナーまたは別の空いているコーナー上にまたは近くに置かれる。また、他の共用設備は、浮体構造、例えばヘリコプター用デッキ上に設置されうる。共用ヘリコプター用デッキは、1回の飛行で2つの風力タービンがサービスを受けうるという利点を有している。風力タービンの保守のために必要な飛行回数は実質的に減らされうる。
【0021】
特定の実施態様において、浮体構造はその浮力中心に置かれたまたはその上方に置かれた重心を有しうる。
【0022】
浮体構造は、例えば3つの垂直支柱及び2つの支柱を各接続要素が接続する複数の接続要素を備えうる。例えば、支柱は、波の運動の衝撃に対して自身を安定にするために半潜水可能でありうる。任意的に、浮体構造は、水中水平水捕捉板を有することが可能であり、該水捕捉板は各支柱の下端に取り付けられ、外向きに延在して、各支柱の基底部の周りに円形または多角形の1つの区画を形成し、ここで、該水捕捉板の面積は該水捕捉板がその上に取り付けられ安定化する支柱の断面積を超え、また、該水捕捉板は複数の半径方向梁および複数の横方向梁によって支持されており、該半径方向梁の各々は一端で支柱の基底部に接続され且つ他端で該水捕捉板の端に接続され、および該横方向梁の各々はその両端で支柱の基底部に接続され且つ水捕捉板に連続的な支持を提供する。
【0023】
任意的に、浮体構造は、支柱の上端へ取り付けられたデッキを有し、及び/又は該支柱の間に通路を備えられうる。
【0024】
典型的には、風力タービンは、少なくとも1枚のローターブレードをもつローターを支持しているローターハブを具備するゴンドラまたはナセルを支持しているタワーを有している。1以上のブレードに働く風力は、ローターの回転を引き起こし、該ローターは、例えばギヤなしでまたはギアトランスミッションを介して、例えばナセル内に置かれうる発電機に連結されている。
【0025】
浮体構造は、1つの浮体構造、最小のオフショア設備を支持するデッキ、及び/又は浮体構造と浮体構造の下方の在りうる海中設備との間の供給ラインを備えうる。浮体構造は、複数の垂直浮体支柱を備えることができ、該支柱は、該支柱の下端で水平水捕捉板に取り付けられ、および設備を支持するデッキに該支柱の上端で取り付けられている。該水平水捕捉板は、支柱底部の中心によって形成された領域を覆うために各支柱から半径方向に延在しうる。例えば、浮体構造は、別の設備、例えばホストプラットホームと情報を交換するためのアンテナおよびその以外の通信装置、ヘリコプター用デッキ、貯蔵および分配システム、保守者のための宿泊設備、デッキ上で装置を移動させるためのクレーンまたはガントリー、またはウィンチ等、を備えうる。浮体構造は、支柱の底部に取り付けられた大きな水捕捉板を有する支柱安定化されたユニットでありうる。水中水平水捕捉板は、垂直加速およびロールおよびピッチ回転加速への抵抗を増加させるように、設計されうる。該水捕捉板が垂直に移動しようとすると、大量の水が動かされる。この動かされた水の質量は、浮体構造の質量と同じオーダーまたはそれ以上である。該水捕捉板の総面積は、支柱の断面積の数倍である。該水捕捉板の寸法および形状は、それがうねり(heave)のみならず、支持された風力タービンに働く強い風力をも補償しうるように調節される。これは、正常運転の間、浮体構造の運動が小さく保たれることを保証する。該水捕捉板は、多角形の区画を形成して各支柱から半径方向に延在しうる。半径方向の距離は、固有のロールおよびピッチ周期を制御するように調節されうる。水捕捉板の総面積は、うねりの固有周期を制御するよう調節される。支柱の外側へ延在している水捕捉板の区画においては、構造体の殻部の他の部分へのいかなる支持も、水捕捉板の外側端部の近くでは利用できず、したがって水捕捉板は支柱からの片持ち梁のように作られねばならない。水捕捉板にかかる大きな流体力学的負荷の故に、水捕捉板の非破損および水捕捉板の支柱への接続の完全性を確保するために、大きな構造的支持が要求される。このような浮体構造は、波およびタービンの運動を減衰させるのに適しており、強風によって以前は接近できなかった場所に風力タービンを設置することを可能にする。例えば、浮体構造に適した構造物は、米国特許第7281881号明細書に開示されており、引用することによって本願明細書に取り込まれる。
【0026】
本発明は、図面を参照してさらに説明される。
図2は本願発明に係るオフショア風力発電施設(1)の斜視図を示す。風力発電施設(1)は、2つの風力タービン(3)を支持する1つの浮体構造(2)を備えている。風力タービン(3)は、3枚のローターブレード(8)を支持しているハブ(7)を備えるローター(6)付きのゴンドラまたはナセル(5)を支持しているタワー(4)を備える。ローターブレード(7)に作用する風力は、ローター(6)の回転を引き起こし、該ローターは、例えばギヤなしでまたはギアトランスミッションを介して、ナセル内に置かれた発電機に連結され、該ローターの機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換し、該電気的エネルギーは公共電力網に供給される。各風力タービン(3)のローターブレード(7)は、回転面を規定する。
図1に示すように、両方の風力タービンのこれらの回転面は、同一平面内にある。風力タービン(3)は、上記浮体構造(2)に対して固定した配向を有し、ヨー機構をもたない。
【0027】
浮体構造(2)は、その浮力中心の上方に位置付けられた重心を有する。浮体構造(2)は、三角形状に配置された3つの垂直支柱(10)を備える。各これらの支柱(10)の下端に取り付けられているのは、水中水平水捕捉板であり(図示しない)、各支柱(10)の基底部の周りに円形または多角形の区域を形成するように外向きに延在している。該水捕捉板の面積は、該水捕捉板が取り付けられている安定化支柱(3)の断面積を超えている。該水捕捉板は、複数の半径方向梁および複数の横方向梁によって支持されており、該半径方向梁の各々は一端で支柱(3)の基底部に接続され且つ他端で水捕捉板の端部に接続されており、および該横方向梁の各々は両端で支柱の基底部に接続され且つ水捕捉板に連続的な支持を提供している。
【0028】
3つの支柱(10)は三角形を形成する。支柱(10)の最上部はデッキ(20)を形成する。これらのデッキ(20)の内の2つは、1つの風力タービン(3)を各々支持している。第3のコーナー(21)上のデッキ(22)は、共用設備、例えば、両方の風力タービンのために用いられる共用のコンバータまたは変圧器、及び/又は共用のヘリコプター用デッキ等(図示しない)を支持しうる。また、第3のコーナー(21)上のデッキ(22)は、海底に浮体構造(2)を固定する係留線条を取り付けるための、タレット(図示しない)を有する係留部として使用される。浮体構造(2)は、第3のコーナー(21)の回りを旋回しうる。風力は、風力タービン(3)を備える浮体構造(2)を風上方向に配向するであろう。3つの支柱(10)は、接続要素(23)によって連結されている。