特許第5738209号(P5738209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本自動車部品総合研究所の特許一覧 ▶ 株式会社デンソーの特許一覧 ▶ アンデン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5738209-電磁継電器 図000002
  • 特許5738209-電磁継電器 図000003
  • 特許5738209-電磁継電器 図000004
  • 特許5738209-電磁継電器 図000005
  • 特許5738209-電磁継電器 図000006
  • 特許5738209-電磁継電器 図000007
  • 特許5738209-電磁継電器 図000008
  • 特許5738209-電磁継電器 図000009
  • 特許5738209-電磁継電器 図000010
  • 特許5738209-電磁継電器 図000011
  • 特許5738209-電磁継電器 図000012
  • 特許5738209-電磁継電器 図000013
  • 特許5738209-電磁継電器 図000014
  • 特許5738209-電磁継電器 図000015
  • 特許5738209-電磁継電器 図000016
  • 特許5738209-電磁継電器 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738209
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/38 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
   H01H50/38 A
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-25938(P2012-25938)
(22)【出願日】2012年2月9日
(65)【公開番号】特開2013-164900(P2013-164900A)
(43)【公開日】2013年8月22日
【審査請求日】2014年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】アンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 健
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 清成
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−287455(JP,A)
【文献】 実開昭60−107551(JP,U)
【文献】 実開昭52−138370(JP,U)
【文献】 特開2006−019148(JP,A)
【文献】 特開昭59−224029(JP,A)
【文献】 特開2010−212035(JP,A)
【文献】 米国特許第02825783(US,A)
【文献】 米国特許第02575060(US,A)
【文献】 米国特許第04404443(US,A)
【文献】 実開平2−133821(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動接点と固定接点との対からなる複数の接点対と、
通電により磁束を発生する電磁コイルと、
該電磁コイルへの通電と通電停止とを切り替えることにより、磁力によって進退動作して、上記可動接点が上記固定接点に接触するオン状態と、上記可動接点が上記固定接点から離隔するオフ状態とを切り替えるよう構成されたプランジャと、
上記オン状態から上記オフ状態に切り替わる際に、上記複数の接点対にそれぞれ発生するアークを消弧するための消弧用磁石と、
軟磁性体からなり、上記消弧用磁石から発生した磁束を上記複数の接点対へ導く消弧用ヨークと
上記電磁コイルへの通電により発生した磁束が流れるコイル用ヨークとを備え、
上記消弧用ヨークは所定間隔をおいて複数個設けられ、該複数個の消弧用ヨークのうち一部の上記消弧用ヨークは上記コイル用ヨークと一体化していることを特徴とする電磁継電器。
【請求項2】
請求項に記載の電磁継電器において、上記消弧用磁石の2つの磁極のうち一方の磁極は上記コイル用ヨークに接触し、他方の磁極は、上記コイル用ヨークと一体化していない上記消弧用ヨークに接触していることを特徴とする電磁継電器。
【請求項3】
請求項に記載の電磁継電器において、上記電磁コイルに通電した際に、上記消弧用磁石が上記コイル用ヨークに吸引されるように、上記電磁コイルへ流す電流の向きが定められていることを特徴とする電磁継電器。
【請求項4】
請求項〜請求項のいずれか1項に記載の電磁継電器において、2個の上記消弧用ヨークの間に、上記接点対と、上記磁束によって引き延ばされた上記アークが入る消弧室とが介在しており、上記接点対近傍における上記2個の消弧用ヨーク間の隙間は、上記消弧室における上記2個の消弧用ヨーク間の隙間よりも狭くなっていることを特徴とする電磁継電器。
【請求項5】
請求項〜請求項のいずれか1項に記載の電磁継電器において、2個の上記接点対を有し該2個の接点対に流れる電流のオンオフを切り替えるスイッチ部を備え、該スイッチ部に含まれる上記2個の上記接点対にそれぞれ発生する上記アークを、上記消弧用ヨークによって導かれた磁束によって同一方向に引き延ばして消弧するよう構成されていることを特徴とする電磁継電器。
【請求項6】
可動接点と固定接点との対からなる複数の接点対と、
通電により磁束を発生する電磁コイルと、
該電磁コイルへの通電と通電停止とを切り替えることにより、磁力によって進退動作して、上記可動接点が上記固定接点に接触するオン状態と、上記可動接点が上記固定接点から離隔するオフ状態とを切り替えるよう構成されたプランジャと、
上記オン状態から上記オフ状態に切り替わる際に、上記複数の接点対にそれぞれ発生するアークを消弧するための消弧用磁石と、
軟磁性体からなり、上記消弧用磁石から発生した磁束を上記複数の接点対へ導く消弧用ヨークとを備え、
該消弧用ヨークとして、第1消弧用ヨークと第2消弧用ヨークと第3消弧用ヨークとを有し、
2個の上記接点対の間に上記第1消弧用ヨークが配され、上記2個の接点対の配列方向において該2個の接点対を挟む位置に、上記第2消弧用ヨーク及び上記第3消弧用ヨークが配されていることを特徴とする電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点対に発生したアークを消弧するための消弧用磁石を備えた電磁継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、可動接点と固定接点との対からなる接点対と、電磁コイルとを有し、該電磁コイルの磁力を使って上記接点対をオンオフさせる電磁継電器が知られている(下記特許文献1参照)。従来の電磁継電器の一例を図15図16に示す。
【0003】
従来の電磁継電器9は、導線を円筒状に巻回した2個の電磁コイル91と、軟磁性体からなるヨーク92と、2本のプランジャ93と、複数の接点対99とを備える。個々のプランジャ93は、軟磁性体からなるコア部93aと、絶縁部材からなる当接部93bとを有する。コア部93aは、電磁コイル91の中心に配されている。また、ヨーク92は複数の磁性部材を組み合わせて構成されている。電磁コイル91の中心には、ヨーク92の一部であるコイル内ヨーク92aが設けられている。
【0004】
図16に示すごとく、電磁コイル91に通電すると磁束Φが発生し、該磁束Φがプランジャ93のコア部93aおよびヨーク92内を流れる。これにより、コア部93aが磁化してコイル内ヨーク92aに引き付けられる。また、コア部93aとコイル内ヨーク92aとの間には、ばね部材97を設けてある。図15に示すごとく、電磁コイル91への通電を停止すると磁束Φが消滅し、ばね部材97の押圧力により、コア部93aがコイル内ヨーク92aから離れる。
【0005】
また、上記接点対99は、可動接点94と固定接点95との対からなる。電磁継電器9は、プランジャ93を電磁コイル91の軸線方向(Z方向)に進退させることにより、オン状態(図16参照)とオフ状態(図15参照)とを切り替えている。オン状態では、可動接点94が固定接点95に接触し、これらの間に電流が流れる。また、オフ状態では、可動接点94が固定接点95から離隔して電流が遮断される。
【0006】
接点対99をオン状態からオフ状態へ切り替える際に、接点対99にアーク(図示しない)が発生する。電流を早く遮断するためには、アークを消弧する必要がある。そのため、接点対99の近傍に消弧用磁石98を設けてある。この消弧用磁石98を使ってアークに磁界を加え、ローレンツ力の作用によってアークを引き延ばし、消弧するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−287455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の電磁継電器9は、個々の接点対99の近傍に消弧用磁石98を配置し、該消弧用磁石98から接点対99へ直接、磁界を加えているため、多くの消弧用磁石98を必要としていた。そのため、電磁継電器9の製造コストが増えやすいという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、消弧用磁石の数を低減でき、製造コストを低減できる電磁継電器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様は、可動接点と固定接点との対からなる複数の接点対と、
通電により磁束を発生する電磁コイルと、
該電磁コイルへの通電と通電停止とを切り替えることにより、磁力によって進退動作して、上記可動接点が上記固定接点に接触するオン状態と、上記可動接点が上記固定接点から離隔するオフ状態とを切り替えるよう構成されたプランジャと、
上記オン状態から上記オフ状態に切り替わる際に、上記複数の接点対にそれぞれ発生するアークを消弧するための消弧用磁石と、
軟磁性体からなり、上記消弧用磁石から発生した磁束を上記複数の接点対へ導く消弧用ヨークと
上記電磁コイルへの通電により発生した磁束が流れるコイル用ヨークとを備え、
上記消弧用ヨークは所定間隔をおいて複数個設けられ、該複数個の消弧用ヨークのうち一部の上記消弧用ヨークは上記コイル用ヨークと一体化していることを特徴とする電磁継電器にある(請求項1)。
また、本発明の第2の態様は、可動接点と固定接点との対からなる複数の接点対と、
通電により磁束を発生する電磁コイルと、
該電磁コイルへの通電と通電停止とを切り替えることにより、磁力によって進退動作して、上記可動接点が上記固定接点に接触するオン状態と、上記可動接点が上記固定接点から離隔するオフ状態とを切り替えるよう構成されたプランジャと、
上記オン状態から上記オフ状態に切り替わる際に、上記複数の接点対にそれぞれ発生するアークを消弧するための消弧用磁石と、
軟磁性体からなり、上記消弧用磁石から発生した磁束を上記複数の接点対へ導く消弧用ヨークとを備え、
該消弧用ヨークとして、第1消弧用ヨークと第2消弧用ヨークと第3消弧用ヨークとを有し、
2個の上記接点対の間に上記第1消弧用ヨークが配され、上記2個の接点対の配列方向において該2個の接点対を挟む位置に、上記第2消弧用ヨーク及び上記第3消弧用ヨークが配されていることを特徴とする電磁継電器にある(請求項6)。
【発明の効果】
【0011】
上記電磁継電器においては、上記消弧用磁石から発生した磁束を、上記消弧用ヨークを使って複数の接点対へ導き、該複数の接点対に発生したアークを消弧するよう構成されている。このようにすると、個々の接点対に隣接する位置に消弧用磁石を配置する必要がなくなるため、消弧用磁石の数を減らすことができる。また、消弧用ヨークは鉄等の軟磁性体を使って製造できるため、消弧用磁石よりも安価である。そのため、電磁継電器の製造コストを低減することができる。
【0012】
以上のごとく、本発明によれば、消弧用磁石の数を低減でき、製造コストを低減できる電磁継電器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1における、オフ状態での電磁継電器の断面図であって、図3のC−C断面図。
図2】実施例1における、オン状態での電磁継電器の断面図。
図3図1のA−A断面図。
図4図1のB−B断面図。
図5】実施例1の電磁継電器を用いた回路図。
図6】実施例2における、電磁継電器の断面図であって、図7のF−F断面図。
図7】実施例2における、オフ状態での電磁継電器の断面図であって、図6のD−D断面図。
図8図6のE−E断面図。
図9】実施例2における、オン状態での電磁継電器の断面図。
図10】実施例3における、電磁継電器の断面図。
図11】実施例4における、電磁継電器の断面図。
図12】実施例5における、電磁継電器の断面図。
図13図12のG−G断面図。
図14】実施例6における、電磁継電器の断面図。
図15】従来例における、オフ状態での電磁継電器の断面図。
図16】従来例における、オン状態での電磁継電器の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記電磁継電器は、例えば、電気自動車やハイブリッド車等に搭載される電力変換装置に用いることができる。
【0015】
また、本発明の第1の態様においては、上記電磁コイルへの通電により発生した磁束が流れるコイル用ヨークを備え、上記消弧用ヨークは所定間隔をおいて複数個設けられ、該複数個の消弧用ヨークのうち一部の上記消弧用ヨークは上記コイル用ヨークと一体化している。
そのため、複数個の消弧用ヨークのうち一部の消弧用ヨークが上記コイル用ヨークと一体化しているため、電磁継電器の部品点数を少なくすることができる。そのため、電磁継電器の製造コストをより低減することが可能になる。
【0016】
また、上記消弧用磁石の2つの磁極のうち一方の磁極は上記コイル用ヨークに接触し、他方の磁極は、上記コイル用ヨークと一体化していない上記消弧用ヨークに接触していることが好ましい(請求項)。
この場合には、消弧用磁石の磁極とコイル用ヨークとが接触しているため、これらの間の磁気抵抗を小さくすることができる。また、消弧用磁石の他の磁極が、コイル用ヨークと一体化していない消弧用ヨークに接触しているため、これらの間の磁気抵抗も小さくすることができる。そのため、消弧用磁石の磁束を上記接点対へ効率的に導くことができ、接点対に発生したアークを効果的に消弧することが可能になる。
【0017】
また、上記電磁コイルに通電した際に、上記消弧用磁石が上記コイル用ヨークに吸引されるように、上記電磁コイルへ流す電流の向きが定められていることが好ましい(請求項)。
消弧用磁石とコイル用ヨークとが互いに反発し合うと、電磁コイルから発生した磁束がコイル用ヨーク内をスムーズに流れにくくなり、プランジャの吸引力が低下しやすくなる。しかしながら、消弧用磁石がコイル用ヨークに吸引されるようにすれば、電磁コイルから発生した磁束がコイル用ヨーク内をスムーズに流れ、プランジャを強い力で吸引することが可能になる。
【0018】
また、2個の上記消弧用ヨークの間に、上記接点対と、上記磁束によって引き延ばされた上記アークが入る消弧室とが介在しており、上記接点対近傍における上記2個の消弧用ヨーク間の隙間は、上記消弧室における上記2個の消弧用ヨーク間の隙間よりも狭くなっていることが好ましい(請求項)。
この場合には、消弧室に加わる磁界よりも、接点対に加わる磁界の方を強くすることができる。アークは、引き延ばす最初の段階で最も強い磁界が必要で、一旦引き延ばされた後は比較的弱い磁界でも消弧できる性質がある。そのため、接点対に加わる磁界を強くすることにより、アークをより消弧しやすくなる。
【0019】
また、2個の上記接点対を有し該2個の接点対に流れる電流のオンオフを切り替えるスイッチ部を備え、該スイッチ部に含まれる上記2個の上記接点対にそれぞれ発生する上記アークを、上記消弧用ヨークによって導かれた磁束によって同一方向に引き延ばして消弧するよう構成されていることが好ましい(請求項)。
電磁継電器内には、引き延ばされたアークが入る空間(消弧室)を確保しておく必要がある。ここで仮に、2つのアークを互いに反対方向に引き延ばしたとすると、一方のアークが導かれる消弧室と他方のアークが導かれる消弧室とが、上記スイッチ部に対して互いに反対側に配置されるので、電磁継電器が大型化しやすくなる。しかしながら、2つのアークを同一方向に引き延ばせば、2つ消弧室を隣接配置できるため、電磁継電器を小型化することができる。
【実施例】
【0020】
(実施例1)
上記電磁継電器に係る実施例について、図1図5を用いて説明する。図1図3に示すごとく、本例の電磁継電器1は、可動接点21と固定接点22との対からなる複数の接点対2と、電磁コイル3とを備える。図2に示すごとく、電磁コイル3は、通電により磁束Φを発生する。この電磁コイル3の径方向外側に、2本のプランジャ4が配置されている。プランジャ4は、電磁コイル3への通電と通電停止とを切り替えることにより、磁力によって進退動作する。これにより、可動接点21が固定接点22に接触するオン状態(図2参照)と、可動接点21が固定接点22から離隔するオフ状態(図1参照)とを切り替えるよう構成されている。
【0021】
また、電磁継電器1は、消弧用磁石5と、軟磁性体からなる消弧用ヨーク6とを備える。接点対2が上記オン状態から上記オフ状態に切り替わる際に、複数の接点対2にそれぞれアークが発生する。図3に示すごとく、消弧用磁石5から発生した磁束φを、消弧用ヨーク6によって複数の接点対2に導くことにより、これら複数の接点対2にそれぞれ発生したアークを消弧するよう構成されている。
【0022】
可動接点21と固定接点22とは、それぞれ貴金属からなる。図1に示すごとく、可動接点21は可動接点支持部11に支持され、固定接点22は固定接点支持部12に支持されている。可動接点支持部11と固定接点支持部12とは、それぞれ金属からなる。
【0023】
また、電磁コイル3、プランジャ4、消弧用コイル5等は、収容ケース15に収容されている。固定接点支持部12の端部19は、収容ケース15の側壁151から、2本のプランジャ4の配列方向(X方向)に突出している。
【0024】
プランジャ4は、軟磁性体からなるコア部41と、絶縁樹脂からなる当接部42とからなる。本例では、1個の電磁コイル3を使って、2本のプランジャ4を進退動作させている。2本のプランジャ4は、それぞれ独立に進退動作できるようになっている。すなわち、例えば接点対2が溶着して、2本のプランジャ4のうち一方のプランジャ4が進退動作できなくなった場合でも、他方のプランジャ4が進退動作できる。
【0025】
また、収容ケース15内には、軟磁性体からなるコイル用ヨーク7が収容されている。図2に示すごとく、電磁コイル3への通電により発生した磁束Φは、コイル用ヨーク7を流れる。コイル用ヨーク7は、柱状ヨーク71と、底部ヨーク72と、2個の吸引ヨーク73と、板状ヨーク74とからなる。柱状ヨーク71は、電磁コイル3の巻回中心軸を貫通するように配されている。板状ヨーク74は、電磁コイル3の軸線方向(Z方向)における、柱状ヨーク71の一方の端部に接続している。また、底部ヨーク72は、Z方向における、柱状ヨーク71の他方の端部に接続している。吸引ヨーク73は、電磁コイル3の径方向外側に配されており、底部ヨーク72に接触している。プランジャ4のコア部41と吸引ヨーク73との間には、プランジャ4をZ方向における可動接点支持部11側へ押圧するプランジャ押圧部材13が設けられている。
【0026】
図2に示すごとく、電磁コイル3に通電すると磁束Φが発生する。この磁束Φは、柱状ヨーク71、板状ヨーク74、コア部41、吸引ヨーク73、底部ヨーク72を流れる。これによりコア部41が磁化し、プランジャ押圧部材13の押圧力に抗して、コア部41が吸引ヨーク73に吸引される。
【0027】
なお、コア部41と吸引ヨーク73には、互いに接触する接触面410,730がそれぞれ形成されている。コア部41の接触面410は凸状の円錐面であり、吸引ヨーク73の接触面730は凹状の円錐面である。
【0028】
また、収容ケース15の上壁150と可動接点支持部11との間には、可動接点支持部11を固定接点支持部12側へ押圧する接点押圧部材14を設けてある。接点押圧部材14のばね定数は、プランジャ押圧部材13のばね定数よりも小さい。
【0029】
図1に示すごとく、電磁コイル3への通電を停止すると磁束Φが消滅し、プランジャ押圧部材13の押圧力によりプランジャ4が可動接点支持部11側に押圧される。そのため、プランジャ4の当接部42が可動接点支持部11に当接し、接点押圧部材14の押圧力に抗して、可動接点支持部11が上壁150側に持ち上げられる。これにより、可動接点21が固定接点22から離隔したオフ状態となる。
【0030】
また、図2に示すごとく、電磁コイル3に通電してプランジャ4を吸引ヨーク73に吸引させると、接点押圧部材14の押圧力により可動接点支持部11が固定接点支持部12側へ押圧される。これにより、可動接点21が固定接点22に接触するオン状態となる。
【0031】
図3図4に示すごとく、本例では、2個の固定接点支持部12と1個の可動接点支持部11とにより、2個の固定接点支持部12間に電流を流したり遮断したりするためのスイッチ部10を構成してある。接点対2がオン状態になると、可動接点支持部11を介して2個の固定接点支持部12間に電流が流れる。接点対2がオフ状態になると、電流が遮断される。本例では、2個のスイッチ部10(10a,10b)を設けてある。個々のスイッチ部10には、2個の接点対2が形成されている。
【0032】
図3に示すごとく、接点対2の近傍に、軟磁性体からなる消弧用ヨーク6を設けてある。接点対2をオン状態からオフ状態に切り替えると、可動接点21と固定接点22との間にアーク(図示しない)が発生する。そのため、消弧用磁石5の磁束φを、消弧用ヨーク6によって複数の接点対2に導き、ローレンツ力の作用によってアークを引き延ばして消弧している。これにより、スイッチ部10に流れる電流を早く遮断できるようにしてある。
なお、本例では、消弧用磁石5として、ネオジム磁石等の永久磁石を用いている。
【0033】
図3に示すごとく、本例の電磁継電器1は第1消弧用ヨーク6a〜第3消弧用ヨーク6cの、3個の消弧用ヨーク6を有する。第1消弧用ヨーク6aは消弧用磁石5の一方の磁極(N極)に接触している。第1消弧用ヨーク6aは、Z方向において固定接点支持部12および固定接点22と略同じ位置に配置されている。また、図4に示すごとく第1消弧用ヨーク6aは、Z方向から見た場合に、X方向に細長い長方形状に形成されている。第1消弧用ヨーク6aは、スイッチ部10a,10bにそれぞれ含まれる2個の接点対2の間に位置している。第1消弧用ヨーク6aには、プランジャ4の当接部42が通るプランジャ挿通孔420が形成されている。
【0034】
また、図3に示すごとく、第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cは、X方向とZ方向との双方に直交する幅方向(Y方向)における、コイル用ヨーク7の一部である板状ヨーク74の両端部から、Z方向における上壁150側に突出している。第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cは、それぞれ板状に形成されている。板状ヨーク74と、第2消弧用ヨーク6bと、第3消弧用ヨーク6cとは、一枚の金属板を曲げ加工することにより形成されている。第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cの先端65は、接点対2のギャップGよりも上壁150側まで延出している。板状ヨーク74の主面はZ方向に直交しており、第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cとの主面は、それぞれY方向に直交している。
【0035】
図4に示すごとく、第1消弧用ヨーク6aと第2消弧用ヨーク6bとの間に、2個のスイッチ部10a,10bの、一方の接点対2a,2cが介在している。また、第1消弧用ヨーク6aと第3消弧用ヨーク6cとの間に、2個のスイッチ部10a,10bの、他方の接点対2b,2dが介在している。
【0036】
図3に示すごとく、板状ヨーク74にはZ方向に貫通した貫通孔740が形成されている。この貫通穴740に、柱状ヨーク71の一端が内嵌している。柱状ヨーク71の端面は、消弧用磁石5の、第1消弧用ヨーク6aが接続した磁極(N極)とは反対側の磁極(S極)に接続している。
【0037】
図4に示すごとく、消弧用磁石5から発生した磁束φは、4つに分かれて接点対2a〜2dにそれぞれ導かれる。磁束φの一部は、消弧用磁石5から第1消弧用ヨーク6aを通って接点対2aに導かれ、接点対2aのギャップG(図3参照)を通って、第2消弧用ヨーク6bに移る。その後、図3に示すごとく、磁束φは板状ヨーク74、柱状ヨーク71の一部を流れ、消弧用磁石5に戻る。このように、接点対2aに磁束φを流すことにより、接点対2aのギャップGに発生するアークを引き延ばして消弧している。
【0038】
図4に示すごとく、磁束φは他の接点対2b〜2dにも導かれ、第2ヨーク6bまたは第3ヨーク6c、板状ヨーク74、柱状ヨーク71に移り、消弧用磁石5に戻る。このように、消弧用磁石5から発生した磁束φは、それぞれ別々の経路を流れて、4個の接点対2a〜2dを通るようになっている。
【0039】
また、本例では、消弧用磁石5の磁束φは、消弧用ヨーク6a〜6cだけでなく、コイル用ヨーク7の一部(板状ヨーク74および柱状ヨーク71)にも流れるようになっている。
【0040】
図4に示すごとく、2個のスイッチ部10a,10bの間には、引き延ばされたアークが入る消弧室Rが形成されている。2個のスイッチ部10a,10bのうち一方のスイッチ部10aに含まれる2個の接点対2a,2bにそれぞれ発生したアークは、X方向における他方のスイッチ部10b側に引き延ばされ、消弧室R1,R2に入って消弧される。また、他方のスイッチ部10bに含まれる2個の接点対2c,2dにそれぞれ発生したアークは、X方向における一方のスイッチ部10a側に引き延ばされ、消弧室R3,R4に入って消弧される。X方向に隣り合う2つの消弧室R1,R3の間には、絶縁体からなる絶縁壁部18aが形成されている。この絶縁壁部18aによって、2つの消弧室R1,R3に入ったアークが互いに接触して短絡することを防止している。また、X方向に隣接する別の2つの消弧室R2,R4の間にも、絶縁壁部18bが形成されている。
【0041】
また、本例では図2に示すごとく、電磁コイル3に電流を流した場合に、消弧用磁石5が柱状ヨーク71および板状ヨーク74に引き付けられるように、電磁コイル3に流す電流の向きが定められている。すなわち、消弧用磁石5の、柱状ヨーク71に接触する磁極(本例ではS極)に対して、柱状ヨーク71の、消弧用磁石5に接触する磁極が異極(本例ではN極)となるように、電磁コイル3に流す電流の向きを定めている。
【0042】
なお、本例では、消弧用磁石5の、柱状ヨーク71に接触する磁極をS極とし、柱状ヨーク71の、消弧用磁石5に接触する磁極をN極としているが、消弧用磁石5の向きを反転し、電磁コイル3に流す電流の向きを逆にしてもよい。この場合、消弧用磁石5によって接点対2に加わる磁界の向きが逆になるため、アークを消弧室Rに入れるためには、スイッチ部10に流す電流の向きを逆にする必要がある。
【0043】
一方、図4に示すごとく、固定接点支持部12の端部19は、収容ケース15からX方向に突出している。2個のスイッチ部10(10a,10b)のうち、一方のスイッチ部10aに含まれる2個の固定接点支持部12の端部19a,19bは、それぞれ同一方向に突出している。また、他方のスイッチ部10bに含まれる2個の固定接点支持部12の端部19c,19dは、上記一方のスイッチ部10aの端部19a,19bとは反対側に突出している。これらの端部19a〜19dが、スイッチ部10を他の電子機器に接続するための接続端子になっている。
【0044】
次に、本例の電磁継電器1を用いる電気回路の説明をする。図5に示すごとく、本例の電磁継電器1はインバータ80に用いられる。インバータ80は直流電源8の直流電力を交流電力に変換しており、この交流電力を使って三相交流モータ81を駆動するようになっている。電磁継電器1に含まれる2個のスイッチ部10a,10bのうち一方のスイッチ部10aは、直流電源8の正電極とインバータ80との間を繋ぐ正側電力ライン83に設けられ、他方のスイッチ部10bは、直流電源8の負電極とインバータ80との間を繋ぐ負側電力ライン84に設けられている。そして、制御回路82を使って電磁継電器1のオン状態とオフ状態とを切り替えることにより、インバータ80を直流電源8に接続したり、遮断したりしている。
【0045】
電磁継電器1をオン状態からオフ状態に切り替える際に、2個のスイッチ部10のうち一方のスイッチ部10が溶着することがある。この場合でも、他方のスイッチ部10をオフにすることができれば、インバータ80に流れる直流電流Iを遮断できるようになっている。
【0046】
本例の作用効果について説明する。図3に示すごとく、本例では消弧用磁石5から発生した磁束φを、消弧用ヨーク6を使って複数の接点対2へ導き、該複数の接点対2に発生したアークを消弧するよう構成されている。このようにすると、個々の接点対2に隣接する位置に消弧用磁石5を配置する必要がなくなるため、消弧用磁石5の数を減らすことができる。また、消弧用ヨーク6は鉄等の軟磁性体を使って製造できるため、消弧用磁石5よりも安価である。そのため、電磁継電器1の製造コストを低減することができる。
【0047】
また、図3に示すごとく、本例の電磁継電器1は3個の消弧用ヨーク6a〜6cを備える。そして、3個の消弧用ヨーク6のうち一部の消弧用ヨーク6(第2消弧用ヨーク6bおよび第3消弧用ヨーク6c)は、コイル用ヨーク7(板状ヨーク74)と一体化している。
このようにすると、電磁継電器1の部品点数を少なくすることができる。そのため、電磁継電器1の製造コストをより低減することが可能になる。
また、消弧用ヨーク6b,6cとコイル用ヨーク7とを一体化すると、これらの間の磁気抵抗を小さくすることができる。そのため、接点対2に導かれる、消弧用磁石5の磁束φを強くすることができる。これにより、アークの消弧性能を高めることが可能になる。仮に、消弧用ヨーク6b,6cとコイル用ヨーク7とを別々に形成し、これらの間に隙間を設けたとすると、隙間において磁気抵抗が大きくなり、接点対2に導かれる磁束φが少なくなってしまう。そのため、アークの消弧性能が低下してしまう。
【0048】
また、本例では、図3に示すごとく、1枚の金属板を曲げ加工することにより、消弧用ヨーク6b,6cと板状ヨーク74とを形成してある。このようにすると、金属板を曲げるだけで3個のヨーク6b,6c,74を形成できるため、製造コストを低減できる。
【0049】
また、図3に示すごとく、消弧用磁石5の2つの磁極のうち一方の磁極(S極)はコイル用ヨーク7(柱状ヨーク71および板状ヨーク74)に接触している。そして他方の磁極(N極)は、コイル用ヨーク7と一体化していない消弧用ヨーク6(第1消弧用ヨーク6a)に接触している。
このようにすると、消弧用磁石5の一方の磁極がコイル用ヨーク7に接触しているため、これらの間の磁気抵抗を小さくすることができる。また、消弧用磁石5の他方の磁極が、コイル用ヨーク7と一体化していない消弧用ヨーク6(第1消弧用ヨーク6a)に接触しているため、これらの間の磁気抵抗も小さくすることができる。これにより、接点対2に導かれる、消弧用磁石5の磁束φを強くすることができ、アークを効率的に消弧することが可能になる。
また、上記構成にすると、消弧用ヨーク6及びコイル用ヨーク7に多くの磁束φを流すことができるため、これらのヨーク6,7の外部に漏れる磁束φの量を少なくすることができる。そのため、電磁継電器1の外部に漏れる磁束φの量を低減でき、電磁継電器1の近傍に磁気センサ等を有する部品を配置しても、この磁気センサへの影響を少なくすることが可能となる。
なお、上記「消弧用磁石5の一方の磁極がコイル用ヨーク7に接触している」とは、これらが磁気的に接触していることを意味する。すなわち、上記磁極とコイル用ヨーク7とが実際に接触している場合の他に、磁気抵抗が大きく増加しない範囲で、薄い物体(薄紙等)を介在させた場合も含むものとする。また、「消弧用磁石5の他方の磁極が第1消弧用ヨーク6aに接触している」の意味も同様である。
【0050】
また、図2に示すごとく、本例では、電磁コイル3に通電した際に、消弧用磁石5がコイル用ヨーク7に吸引されるように、電磁コイル3へ流す電流の向きが定められている。
消弧用磁石5とコイル用ヨーク7とが互いに反発し合うと、電磁コイル3から発生した磁束Φがコイル用ヨーク7内をスムーズに流れにくくなり、プランジャ4の吸引力が低下しやすくなる。しかしながら、消弧用磁石5がコイル用ヨーク7に吸引されるようにすれば、電磁コイル3から発生した磁束Φがコイル用ヨーク7内をスムーズに流れ、プランジャ4を強い力で吸引することが可能になる。
【0051】
また、図4に示すごとく本例の電磁継電器1は、2個の接点対2を有するスイッチ部10を備える。そして、スイッチ部10に含まれる2個の接点対2にそれぞれ発生するアークを、消弧用ヨーク6によって導かれた磁束φによって同一方向に引き延ばして消弧するよう構成されている。
仮に、1個のスイッチ部10から発生する2つのアークを互いに反対方向に引き延ばしたとすると、一方のアークが導かれる消弧室Rと他方のアークが導かれる消弧室Rとが、スイッチ部10に対して互いに反対側に配置されるので、電磁継電器1が大型化しやすくなる。しかしながら、本例のように2つのアークを同一方向に引き延ばせば、2つ消弧室R(R1,R2およびR3,R4)をY方向に隣接するよう配置できる。そのため、電磁継電器1を小型化することができる。
【0052】
以上のごとく、本例によれば、消弧用磁石の数を低減でき、製造コストを低減できる電磁継電器を提供することができる。
【0053】
(実施例2)
本例は、スイッチ部10とプランジャ4の数および消弧用磁石5の位置を変更した例である。図6図8に示すごとく、本例の電磁継電器1は、1個のスイッチ部10と1個のプランジャ4を備える。プランジャ4は、電磁コイル3の巻回中心に配されている。
【0054】
図7図8に示すごとく、本例のコイル用ヨーク7は、吸引ヨーク73と、底部ヨーク72と、側壁ヨーク75と、板状ヨーク74とからなる。吸引ヨーク73は、電磁コイル3の巻回中心に配されている。板状ヨーク74は、Z方向における電磁コイル3の一方側に配置されており、プランジャ4が通るプランジャ挿通孔415を有する。底部ヨーク72は、Z方向における電磁コイル3の他方側に配置されており、吸引ヨーク72に接触している。側壁ヨーク75は、底部ヨーク72の外周縁からZ方向に立設し、板状ヨーク74に接触している。
【0055】
図9に示すごとく、電磁コイル3に通電すると磁束Φが発生する。この磁束Φは、板状ヨーク74、側壁ヨーク75、底部ヨーク72、吸引ヨーク73、プランジャ4のコア部41を流れる。これによりコア部41が磁化し、吸引ヨーク73に吸引される。また、電磁コイル3への通電を停止すると磁束Φが消滅し、プランジャ押圧部材13の押圧力により、プランジャ4がZ方向における可動接点支持部11に向けて押圧される。このようにプランジャ4を進退動作させることにより、接点対2を接離させている。
【0056】
また、図8に示すごとく本例の消弧用磁石5は、電磁コイル3の巻回中心から、該電磁コイル3の径方向外側にずれた位置に設けられている。消弧用磁石5は、第1消弧用ヨーク6aと板状ヨーク74とにそれぞれ接触している。
【0057】
図6に示すごとく、第1消弧用ヨーク6aは2個の固定接点支持部12の間に介在している。Z方向から見ると、第1消弧用ヨーク6aは、固定接点支持部12が延びる方向(X方向)に細長い長方形状を呈している。また、スイッチ部10は、第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cとに挟まれている。第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cは、板状ヨーク74(図7参照)と一体化している。2個の接点対2a,2bのうち一方の接点対2aは、第1消弧用ヨーク6aと第2消弧用ヨーク6bとの間に介在している。また、他方の接点対2bは、第1消弧用ヨーク6aと第3消弧用ヨーク6cとの間に介在している。
【0058】
図6図7に示すごとく、消弧用磁石5から発生した磁束φは、第1消弧用ヨーク6aを通って2個の接点対2a,2bに導かれ、接点対2のギャップGを通って第2消弧用ヨーク6b、第3消弧用ヨーク6cに移る。そして、磁束φは板状ヨーク74を流れて消弧用磁石5に戻る。これにより、接点対2に発生するアークを引き延ばし、消弧している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0059】
本例の作用効果について説明する。上記構成にすると、電磁コイル3の巻回中心にプランジャ4が配されている場合でも、消弧用磁石5と消弧用ヨーク6を設けることができる。そのため、これら消弧用磁石5と消弧用ヨーク6を使って、複数の接点対2に発生するアークを消弧することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0060】
(実施例3)
本例は、消弧用ヨーク6の形状を変更した例である。図10に示すごとく、本例では、接点対2付近において第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cとに凸部69を形成してある。そのため、2個の消弧用ヨーク6間の間隔(第1消弧用ヨーク6aと第2消弧用ヨーク6bとの間隔、または第1消弧用ヨーク6aと第3消弧用ヨーク6cとの間隔)は、接点対2近傍において狭くなっており、消弧室Rにおいて広くなっている。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0061】
本例の作用効果について説明する。本例では、消弧室Rに加わる磁界よりも、接点対2に加わる磁界の方を強くすることができる。アークは、引き延ばす最初の段階で最も強い磁界が必要で、一旦引き延ばされた後は比較的弱い磁界でも消弧できる性質がある。そのため、接点対2に加わる磁界を強くすることにより、アークをより消弧しやすくなる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0062】
(実施例4)
本例は、接点対2の位置を変更した例である。図11に示すごとく本例では、接点対2a〜2dを、X方向における電磁継電器1の中心(消弧用磁石5を配置した位置)に近い場所に配置し、個々の接点対2のX方向外側に消弧室Rを形成した。また、固定接点支持部12の端部19を、Y方向に突出させた。
【0063】
本例では、実施例1と同様に、電磁継電器1に2個のスイッチ部10a,10bを設けてある。これら2個のスイッチ部10a,10bのうち一方のスイッチ部10aにおいて、電流は、端部19a、接点対2a、可動接点支持部11a、接点対2b、端部19bを流れる。また、他方のスイッチ部10bにおいて、電流は、端部19c、接点対2c、可動接点支持部11b、接点対2d、端部19dを流れる。そして、接点対2a〜2dの切離に伴って生じたアークを、消弧用磁石5の磁束φによってX方向外側へ引き延ばし、消弧室Rに入れて消弧するようになっている。
その他、実施例1と同様の構成を有する。
【0064】
本例の作用効果について説明する。消弧用磁石5の近傍では磁気抵抗が小さいため、磁束φを強くすることができる。そのため、本例のように、消弧用磁石5に近い位置に接点対2を配置することにより、接点対2を通る磁束φ1を強くすることが可能となる。
【0065】
上述したように、アークは、引き延ばす最初の段階で最も強い磁界が必要で、一旦引き延ばされた後は比較的弱い磁界でも消弧できる性質がある。本例では、接点対2における磁界を強くすることができるため、より効果的にアークを消弧することが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0066】
(実施例5)
本例は、消弧用ヨーク6の形状を変更した例である。図12図13に示すごとく、本例では、電磁継電器1のX方向における中央部にて、第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cとに、Y方向へ貫通する切欠部61を形成した。また、本例では接点対2a〜2dを、切欠部61の側面63よりもX方向において僅かに外側に位置するよう形成した。そして、接点対2a〜2dのX方向外側に消弧室Rを形成した。
【0067】
切欠部61は、図13に示すごとく、第2消弧用ヨーク6bと第3消弧用ヨーク6cの上端縁62から、板状ヨーク74付近まで切り欠くように形成されており、略矩形状をしている。
その他、実施例4と同様の構成を有する。
【0068】
本例の作用効果について説明する。
本例では、消弧用磁石5の近傍において、第2消弧用ヨーク6b及び第3消弧用ヨーク6cに切欠部61を形成しため、磁束φは、消弧用磁石5の近傍において第1消弧用ヨーク6aから第2消弧用ヨーク6b又は第3消弧用ヨーク6cへ流れにくくなる。そのため、磁束φは、第1消弧用ヨーク6aから接点対2a〜2dを通って、第2消弧用ヨーク6b又は第3消弧用ヨーク6cへ流れるようになる。これにより、接点対2a〜2dを通る磁束φを強くすることができ、アークをより効果的に消弧することが可能になる。
その他、実施例4と同様の作用効果を有する。
【0069】
(実施例6)
本例は、図14に示すごとく、2個のプランジャ4a,4bにそれぞれ電磁コイル3a,3bを設けた例である。本例では、個々のプランジャ4a,4bを、個々の電磁コイル3a,3bによって進退させている。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
【符号の説明】
【0070】
1 電磁継電器
2 接点対
21 可動接点
22 固定接点
3 電磁コイル
4 プランジャ
5 消弧用磁石
6 消弧用ヨーク
7 コイル用ヨーク
Φ 電磁コイルから発生した磁束
φ 消弧用磁石から発生した磁束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16