【実施例】
【0056】
実験の部
【0057】
実施例1
4’,6’−ジ−O−ベンジリデンラクトースの調製
【0058】
ラクトース一水和物200g(0.555mol)を撹拌しながらN,N−ジメチルホルムアミド1.4Lに添加し、次いでベンズアルデヒドジメチルアセタール209ml(1.39mol)とp−トルエンスルホン酸一水和物5.28g(0.028mol)を添加した。得られた懸濁液を55℃に加熱し、TLCが成功するまで(16〜18時間)(薬局方)この温度を維持した。室温まで冷却した後、pHが7〜8になるまでトリエチルアミン4.7mlを添加した。前記混合物を濃縮して、溶液700mlを得た。溶液を激しく撹拌しながら、高温のアセトン3L(50〜55℃)でドレインした。当該混合物を0±5℃に冷却して、沈殿は完了させた。沈殿物を濾過し、冷たいアセトン0.7Lで洗浄し、乾燥させて、白色生成物として4’,6’−ジ−O−ベンジリデンラクトース(αアノマー及びβアノマーの混合物)208gを得た(分析結果 HPLC66%、0319mol、収率57%)。
【0059】
二重結晶化(最初はMeOH、次いでMeOH/H
2O 4/1 体積/体積による)により、αアノマーに濃縮された分析試料が得られた。NMRキャラクタリゼーションが以下に報告される。
1H NMR(DMSOd
6,300MHz):δ ppm 7.51〜7.34(5H,m,Ph);6.36(d,J
OH−1=4.8Hz,1H,C1−OH);5.58(s,1H,PhCH);5.28(d,J=4.2Hz,1H,OH);5.01(d,J=5.7Hz,OH);4.92(擬似t,J
1−OH=J
1〜2=4.0Hz,1H,H−1);4.68(d,J=6.9Hz,1H,OH);4.45(m,2H,2×OH);4.37(d,J
1’−2’=7.5Hz,1H,H−1’);4.16〜3.95(m,3H);3.84〜3.11(m,9H)(H−2,H−3,H−4,H−5,CH
2−6,H−2’,H−3’,H−4’,H−5’,CH
2−6’)。
13C NMR(DMSOd
6,75MHz):δ ppm 138.5、128.6、127.9、126.2(Ph);103.1(C−1’);99.8(PhCH);92.1(C−1);79.6、75.8、72.2、71.6、71.3、69.9、69.8、68.5(C2,C2’,C3,C3’,C4,C4’,C5,C5’);66.2(C6’);60.3(C6)。
Rf(薬局方、可視紫外分光法及びナフトレゾルシン)=0.7
【0060】
実施例2
4’,6’−O−p−メトキシベンジリデンラクトースの調製
【0061】
ラクトース一水和物200g(0.555mol)を撹拌しながら、N,N−ジメチルホルムアミド1.4Lに添加し、次いでp−メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール237ml(1.39mol)とp−トルエンスルホン酸一水和物5.28g(0.028mol)を添加した。得られた懸濁液を55℃に加熱し、好ましいTLC結果になるまで(16〜18時間)(薬局方)この温度を維持した。室温まで冷却した後、pHが7〜8になるまでトリエチルアミン5.0mlを添加した。当該混合物を濃縮し、高温のアセトン3L(50〜55℃)中で残留物を結晶化した。混合物を0−5℃に冷却して沈殿を完結させた。沈殿物を濾過し、2×200mlの冷たいアセトンで洗浄し、淡黄色固体で4’,6’−O−p−メトキシベンジリデンラクトース(αアノマー及びβアノマーの混合物)219gを得た(分析結果 HPLC76%、0361mol、収率65%)。高温のアセトン/水 4/1 体積/体積による結晶化により、αアノマー及びβアノマーの混合物(1/1 mol/mol)の分析試料が得られた。NMRキャラクタリゼーションが以下に報告される。
1H NMR(DMSOd
6,300MHz):δ ppm 7.38(d,J=8.7Hz,2H)、6.93(d,J=8.7Hz,2H)(Ph);6.70(d,J
OH−1=6.6Hz,1H,C1−OH β);6.36(d,J
OH−1=4.1Hz,1H,C1−OH α);5.52(s,1H,PhCH α+β);5.27(m,1H,OHα+β);5.04〜4.95(m,1H,OHα+β);4.92(擬似t,J=4.1Hz,H−1 α);4.72〜4.60(m,1H,OHα+β);4.56〜4.28(m,H−1’ α+β+H−1 β+2×OHα+β);4.12〜3.92(m,3H);3.76(s,3H,OMe);3.80〜3.11(m,9H);2.98(m,1H β)。
13C NMR(DMSOd
6,75MHz):δ ppm 159.4、130.9、127.6、113.2(Ph);103.0(C−1’ α+β);99.7(PhCHα+β);96.7(C−1β);92.1(C−1α);79.6、79.2、75.7、74.9、74.8、74.6、72.2、71.6、71.3、69.9、69.8、68.4(C2,C2’,C3,C3’,C4,C4’,C5,C5’ α+β);66.2(C6’ α+β);60.4,60.3(C6α+β);55.1(OMeα+β)。
Rf(薬局方、可視紫外分光法及びナフトレゾルシン)=0.8
【0062】
実施例3
1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−ベンジリデン−β−D−ラクトースの調製
【0063】
実施例1に従って得られた4’,6’−O−ベンジリデンラクトース100g(HPLCで0.153mol)とトリエチルアミン256ml(1.84mol)をメチルエチルケトン600mlに加えた。反応混合物を60℃に加熱し、無水酢酸174ml(1.84mol)を滴下し、内部温度を70℃未満に維持した。TLCが成功するまで(10〜12時間)、反応混合物を70℃で撹拌した(AcOEt)。この溶媒を蒸発させ、残留物をジクロロメタン270ml及び水200mlに溶解した。pHが9〜9.5になるまで撹拌しながらNaOH30%を添加し、次いで層を分離した。水層をジクロロメタン75mlで再度抽出した。集めた有機層を水200mlで洗浄した後、pHが1〜1.5になるまで撹拌しながらHCL溶液32%を添加した。酸性水層をジクロロメタン75mlで抽出した。次いで、集めた有機層をNaCl(20%)370mlで洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、活性炭及びベントナイトで脱色した。当該溶媒を濃縮し、その残留物をそのまま次の反応で使用した。HPLC定量では、1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−ベンジリデンラクトース103g(0.151mol)が、基本的にβアノマーとして示された(αアノマー<10mol%)(収率99%)。αアノマー9mol%を含有する分析試料が、高温のMeOHからの結晶化により得られた。NMRキャラクタリゼーション(βアノマー)を以下に示す。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ ppm 7.54〜7.34(m,5H,Ph);5.68(d,J
1〜2=8.4Hz,1H,H−1)、5.47(擬似s,1H,CHPh);5.32〜5.21(m,2H,H−3+H−2’)、5.07(dd,J
2〜3=9.6Hz e J
2〜1=8.4Hz,1H,H−2)、4.87(dd,J
3’−2’=10.4Hz e J
3’−4’=3.8Hz,1H,H−3’)、4.54〜4.43(m,2H,H−1’+H−6a)、4.38〜4.25(m,2H,H−4’+H−6’a)、4.14(dd,J
6b−6a=12.2 e J
6b−5=4.6Hz,1H,H−6b)、4.04(d,J
6’b−6’a=12.3Hz,1H,H−6’b)、3.90〜3.70(m,2H,H4+H5);3.46(擬似s,1H,H−5’)、2.14〜2.00(6×COCH
3)。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ ppm 170.8、170.4、170.1、169.7、169.0、168.9(6×COCH
3);137.5、129.3、128.3、126.6(Ph);101.4(CHPh);101.1(C−1’);91.8(C−1);75.5、73.8、73.2、72.4、72.2、70.5、69.0、68.5(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’);66.6(C−6’);61.8(C−6)、20.9〜20.7(6×COCH
3)。
Rf(AcOEt:ヘキサン=1:1、可視紫外分光法及びH
2SO
4/MeOH)=0.3
【0064】
実施例4
1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−p−メトキシベンジリデン−β−D−ラクトースの調製
【0065】
実施例2に従って得られた4’,6’−O−p−メトキシベンジリデンラクトース100g(HPLC定量 0.165mol)とトリエチルアミン242ml(1.74mol)をメチルエチルケトン600mlに加えた。当該懸濁液を60℃に加熱し、無水酢酸164ml(1.74mol)を滴下し、内部温度を70℃未満に維持した。好ましくTLCが成功するまで(10〜12時間)、反応混合物を70℃で撹拌した(AcOEt:ヘキサン=1:1)。当該溶媒を蒸発させ、残留物をジクロロメタン270ml及び水200mlに溶解した。pHが9〜9.5になるまで撹拌しながらNaOH30%を添加し、次いで層を分離した。水層をジクロロメタン75mlで再度抽出した。集めた有機層を水200mlで洗浄した後、pHが1〜1.5になるまで撹拌しながらHCL溶液32%を添加した。酸性水層をジクロロメタン75mlで抽出した。次いで、集めた有機層を飽和NaHCO
3400ml、NaCl(20%)400mlで洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、活性炭及びベントナイトで漂白した。当該溶媒を濃縮し、その残留物をそのまま次の反応で使用した。HPLC定量では、1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−p−メトキシベンジリデンラクトース110g(0.155mol)が、基本的にβアノマーとして示された(収率94%)。分析試料が、高温のMeOHからの結晶化により得られた。NMRキャラクタリゼーション(βアノマー)を以下に示す。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ ppm 7.36(d,J=8.7Hz,2H)、6.88(d,J=8.7Hz,2H)(Ph);5.66(d,J
1〜2=8.4Hz,1H,H−1);5.40(擬似s,1H,CHPh);5.24(擬似t,J
3〜2=J
3〜4=9.6Hz,1H,H−3);5.23(dd,J
2’−3’=10.2Hz e J
2’−1’=7.8Hz,1H,H−2’);5.04(dd,J
2〜3=9.6Hz e J
2〜1=8.4Hz,1H,H−2);4.84(dd,J
3’−2’=10.2Hz e J
3’−4’=3.6Hz,1H,H−3’)、4.46(dd,J
6a−6b=12.0Hz e J
6a−5=1.5Hz,1H,H−6a);4.44(d,J
1’−2’=7.8Hz,1H,H−1’);4.28(d,J
4’−3’=3.6Hz,1H,H−4’);4.25(d,J
6’a−6’b=12.6Hz,1H,H−6’a);4.12(dd,J
6b−6a=12.0 e J
6b−5=4.5Hz,1H,H−6b)、4.00(dd,J
6’b−6’a=12.6Hz e J
6’b−5’=1.5Hz,1H,H−6’b);3.87〜3.69(m,2H,H4+H5);3.79(s,3H,OMe);3.42(擬似s,1H,H−5’);2.09、2.07、2.03、2.02、2.00(6×COCH
3)。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ ppm 170.8、170.4,170.1、169.6、168.93、168.89(6×COCH
3);160.3、130.1、127.9、113.7(Ph);101.3(CHPh);101.1(C−1’);91.8(C−1);75.5、73.8、73.2、72.4、72.1、70.5、69.0、68.4(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’);66.5(C−6’);61.8(C−6)、55.4(OMe);20.9〜20.6(6×COCH
3)。
Rf(AcOEt:ヘキサン=1:1、可視紫外分光法及びH
2SO
4/MeOH)=0.2
【0066】
実施例5
1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトースの調製
【0067】
実施例3に従って得られた1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−ベンジリデンラクトース100g(0.15mol)を含むシロップを、氷酢酸400mlに溶解した。反応混合物を80℃に加熱し、次にこの混合物を1.5時間この温度で撹拌しながら、水100ml(80℃に予熱)を加えた。次に、反応混合物を急激に室温まで冷却し、トルエン500mlと水350mlを加えて、抽出した。水層を、トルエン150mlで抽出した。合一したトルエン層には、別の反応で使用可能な未反応の1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−ベンジリデンラクトースが含有していた。1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトースを含む水層を、塩化メチレン500ml及び150mlで連続して抽出した。有機抽出液を、水(3×150ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、更に濃縮した。残留物を高温の酢酸イソプロピル(50〜55℃)580mlから結晶化して、乾燥させた後、1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトース(0.05mol)30.8gを白亜色の固体で得た。合一したトルエン層で未反応の1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−ベンジリデンラクトース(0.03mol)20.2gが回収されたことを考慮すると、収率は42%である。
融点 188〜190℃
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ ppm 5.68(d,J
1〜2=8.1Hz,1H,H−1)、5.24(擬似t,J
3〜2=J
3〜4=9.3Hz,1H,H−3)、5.19(dd,J
2’−3’=10.2Hz e J
2’−1’=7.8Hz,1H,H−2’)、5.05(dd,J
2〜3=9.3Hz e J
2〜1=8.1Hz,1H,H−2)、4.88(dd,J
3’−2’=10.2Hz e J
3’−4’=3.3Hz,1H,H−3’)、4.49(d,J
1’−2’=7.8Hz,1H,H−1’)、4.49(dd,J
6a−6b=11.1Hz e J
6a−5=1.8Hz,1H,H−6a)、4.15〜4.05(m,2H,H−4’+H−6b)、4.00〜3.70(m,4H,H−4+H−5+H−6’a+H−6’b)、3.56(擬似t,J=5.4Hz,1H,H−5’)、2.96(d,J
OH−4’=4.2Hz,C4’−OH)、2.59(dd,J
OH−6’=7.5 e 4.8Hz,C6’−OH)、2.11、2.09、2.08、2.07 2.04、2.03(6×COCH
3)。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ ppm 170.6、170.4、170.3、169.7、169.6、169.0(6×COCH
3);101.2(C−1’)、91.7(C−1)、75.9(C−4)、74.6(C−5’)、73.7(C−3’)、73.6(C−5)、73.1(C−3)、70.7(C−2)、69.7(C−2’)、67.8(C−4’)、62.1、62.0(C−6,C−6’)、20.9、20.8、20.7(6×COCH
3)。
Rf(AcOEt、可視紫外分光法及びH
2SO
4/MeOH)=0.4
【0068】
実施例6
ジ1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトースの調製
【0069】
実施例4に従って得られた1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−p−メトキシベンジリデンラクトース100g(0.14mol)を含むシロップを、氷酢酸400mlに溶解した。次に、水100mlを加えて、混合物を室温で4.5時間撹拌した。トルエン500mlと水350mlを添加した後、抽出した。水層を、トルエン150mlで抽出した。集めたトルエン層には、別の反応で使用可能な未反応の1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−4’,6’−O−p−メトキシベンジリデンラクトースが含有していた。1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトースを含む水層を、塩化メチレン500ml及び150mlで連続して抽出した。有機抽出液を、水(3×150ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、更に濃縮した。残留物を高温の酢酸イソプロピル(50〜55℃)580mlから結晶化して、乾燥させた後、1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトース(0.07mol、収率50%)40.6gを白色粉末状の固体で得た。当該白色粉末状固体の特性は、実施例5で得られた固体の特性と類似する。
【0070】
実施例7
(メチル5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−ノノ−2−ウロピラノシルオナート)−(2→6)−2,3−ジ−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−1,2,3,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノースの調製
【0071】
実施例3に従って得られた1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトース100g(0.168mol)をジクロロメタン600mlに溶解し、次いでモレキュラーシーブ3Aを250g添加した。当該溶液を5〜10分間撹拌した後、炭酸銀(0.14mol)38.0gを添加した。ジクロロメタン500ml中の式(II)(式中、Pはアセチルであり、Xは塩素であり、R1はメチルである)の塩素誘導体128.5(0.252mol)(1.5eq)の溶液を添加して、その懸濁液を塩素誘導体が消滅するまで7日間30℃で激しく撹拌し続けた(TLC、CH
2Cl
2:MeOH=10:1)。次に、その混合反応物をジカライト上で濾過し、溶媒を除去し、縮合生成物、1,2,3,6,2’,3’−ヘキサ−O−アセチル−β−D−ラクトース及び式(II)の2,3脱離生成物の混合物と微量の4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−NANAを含有する脆性固体の残留物(約230g)を得た。
13CのNMRにより、約90%のモル転化率が評価された。縮合生成物の分析試料を、エタノール:イソプロピルエーテル=1:3 体積/体積からの結晶化により白色非晶質固体で得た。
1H NMR(CDCl
3,300MHz):δ ppm 5.66(d,J
1〜2=8.4Hz,1H,H−1);5.42〜5.10(m,5H,H−3+H−2’+H−7”+H−8”+NH);5.01(擬似t,J
2〜1=8.4Hz,1H,H−2);4.94〜4.78(m,2H,H−3’+H−4”);4.53〜4.27(m,3H,H−1’+H−6a+H−9”);4.24〜3.92(m,5H,H−6b+H−4’+H−5”+H−6”+H−9”b);3.92〜3.50(m,5H,H−4+H−5+H−5’+H−6’a+H−6’b);3.80(s,3H,COOCH
3)、2.93(広幅なs,1H,OH);2.55(dd,J
3”eq−3”ax=12.6 e J
3”eq−4”=4.5Hz,1H,H−3”eq);2.17〜1.97(31H,10×CH
3CO e H−3”ax)、1.86(s,3H,NHCOCH
3)。
13C NMR(CDCl
3,75MHz):δ ppm 171.05、170.98、170.5、170.4、170.29、170.28、170.24、170.0、169.6、169.4、169.0、168.0(OAc,NHAc,COOMe);100.8(C−1’);99.1(C−2”);91.7(C−1);75.7、73.7、73.6、72.94、72.90、72.4、70.7、69.7、68.95、68.87、67.4、66.3(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’,C−4”,C−6”,C−7”,C−8”);62.6、62.4、62.1(C−6,C−6’,C−9”);53.2(OCH
3);49.4(C−5”);37.4(C−3”);23.2(NHCOCH
3)、21.1、20.9、20.8、20.74、20.67(10×CH
3CO)。
【0072】
実施例8
(メチル5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−Dガラクト−ノノ−2−ウロピラノシルオナート)−(2→6)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−(α/β)−D−グルコピラノースの調製
【0073】
実施例7に従って得られた粗生成物230gをMeOH1.4Lに溶解し、次いでメタノール25重量%中のナトリウムメトキシド29.6mlを添加した。溶液を室温で12時間撹拌し続けた。好ましいTLC制御(薬局方)下で、当該溶液を乾燥したIR120(H
+)39gで中和した。樹脂を濾過し、溶媒をロータベーパーで除去して、残留物143gを得た。残留物は次の反応で使用された。収率は、定量的であった。
1H NMR(D
2O,300MHz):δ ppm 5.21(d,J
1〜2 3.6Hz,1H,H−1α)、4.66(d,J
1〜2 7.8Hz,1H,H−1β)、4.42(d,J
1’−2’:7.5Hz,1H,H−1’)、4.15〜3.45(m,19H)、3.89(s,3H,COOCH
3)、3.29(m,1H)、2.70(dd,J
3”eq−3”ax 12.9 e J
3”eq−4” 4.8Hz,H−3”eq)、2.03(s,3H,NHCOCH
3)、1.88(擬似t,J
3”ax−3”eq=J
3”ax−4” 12.9Hz,H−3”ax)。
13C NMR(D
2O,75MHz):δ ppm 175.5(NHCOCH
3)、170.4(COOMe)、103.9(C−1’)、99.6(C−2”)、96.3(C−1β)、92.5(C−1α)、80.5,80.4,75.2(2C)、74.4、74.0、73.5、73.0、72.2、71.7、71.3、71.2、70.5、69.0(2C)、67.9(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’,C−4”,C−6”,C−7”,C−8”)、64.0(C−6’)、63.8(C−9”)、60.8 e 60.7(C−6α+β)、54.1(COOCH
3)、52.3(C−5”)、39.6(C−3”)、22.8(NHCOCH
3)。
【0074】
実施例9
ナトリウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−ノノ−2−ウロピラノシルオナート)−(2→6)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−(α/β)−D−グルコピラノースの調製
【0075】
実施例8に従って得られた脱アセチル化粗生成物143gを水715mlに溶解し、溶液を4℃に冷却した。NaOH水溶液でpHを中性に調整し、次いでNaOH(30%)23mlを加えて溶液の温度を10℃未満に維持した。当該溶液を、室温で24時間撹拌した。好ましいTLC制御(薬局方)下で、溶液をIR120(H
+)/IRA96(OH
−)に通した。溶出液をNaOHでpH9に調整し、シロップに濃縮し、脆性の白色固体を得るまで無水EtOHで数回揮散させた。この白色固体をEtOH96%から再結晶して、77.3gを得た。
当該化合物の
1H NMRデータ及び
13C NMRデータは、文献(L.Dorland他、Eur.J.Biochem.1978,87,323;J.P.Kamerling他、Carbohydr.Res.1982,100,331)で報告されるデータと一致した。
1H NMR(D
2O,300MHz):δ ppm 5.22(d,J
1〜2 3.8Hz,1H,H−1α)、4.66(d,J
1〜2 7.8Hz,1H,H−1β)、4.43(d,J
1’−2’:7.6Hz,1H,H−1’)、4.02〜3.48(m,19H)、3.31(m,1H)、2.71(dd,J
3”eq−3”ax 12.5 e J
3”eq−4” 4.7Hz,H−3”eq)、2.03(s,3H,NHCOCH
3)、1.74(擬似t,J
3”ax−3”eq=J
3”ax−4” 12.5Hz,H−3”ax)。
13C NMR(D
2O,75MHz,外部標準アセトン):δ ppm 175.6(NHCOCH
3)、174.1(COO
−)、103.9(C−1’)、100.9(C−2”)、96.3(C−1β)、92.5(C−1α)、80.4、80.3、75.30、75.26、74.4、74.3、73.2、73.0、72.4、72.3、71.7、71.4、70.6、69.2、69.04、69.01(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’,C−4”,C−6”,C−7”,C−8”)、64.2(C−6’)、63.3(C−9”)、60.9 e 60.8(C−6α+β)、52.4(C−5”)、40.7(C−3”)、22.7(NHCOCH
3)。
[α]
D20℃:+9.3°(c:1%,H
2O)
融点: 191.4−194.2°C(T 分解)
【0076】
実施例10
カルシウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−ノノ−2−ウロピラノシルオナート)−(2→6)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−(α/β)−D−グルコピラノースの調製
【0077】
実施例8に従って得られた脱アセチル化粗生成物100gを水500mlに溶解し、溶液を4℃に冷却した。NaOH水溶液でpHを中性に調整し、次いでNaOH(30%)23mlを加えて溶液の温度を10℃未満に維持した。生成した溶液を室温で24時間撹拌し続けた。好ましいTLC制御(薬局方)下で、溶液をIR120(H
+)/IRA96(OH
−)に通した。溶出液をCa(OH)
2でpH8.7に調整し、濾過し、次いで、65°Brixでシロップに濃縮した。当該シロップを50℃でメタノール540mlに滴下した。生成した懸濁液を50℃で1時間激しく撹拌し続けた。更に室温で1時間撹拌した後、真空下で濾過した。当該固体をメタノール160mlで洗浄し、真空下、50−55℃で乾燥させ、46.2gを得た。
1H NMR(D
2O,300MHz):δ ppm 5.22(d,J
1〜2 3.8Hz,1H,H−1α)、4.66(d,J
1〜2 7.8Hz,1H,H−1β)、4.43(d,J
1’−2’:7.8Hz,1H,H−1’)、4.02〜3.48(m,19H)、3.31(m,1H)、2.71(dd,J
3”eq−3”ax 12.0 e J
3”eq−4” 4.5Hz,H−3”eq)、2.03(s,3H,NHCOCH
3)、1.74(擬似t,J
3”ax−3”eq=J
3”ax−4” 12.0Hz,H−3”ax)。
13C NMR(D
2O,75MHz,内部標準アセトニトリル):δ ppm 175.5(NHCOCH
3)、174.1(COO
−)、103.8(C−1’)、100.9(C−2”)、96.2(C−1β)、92.4(C−1α)、80.3、80.3、75.26、75.22、74.4、74.3、73.1、73.0、72.4、72.2、71.7、71.4、70.5、69.1、69.13、69.00(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’,C−4”,C−6”,C−7”,C−8”)、64.2(C−6’)、63.2(C−9”)、60.9 e 60.7(C−6α+β)、52.4(C−5”)、40.7(C−3”)、22.7(NHCOCH
3)。
Ca
2+の分析 98.3%
[α]
D20°C:+10°(c:1%、H
2O)
融点:204,5−206,6°C(T 分解)
IRν
KBrmax:3400、1612、1380、1033cm
−1.
【0078】
実施例11
カリウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−ノノ−2−ウロピラノシルオナート)−(2→6)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−(α/β)−D−グルコピラノースの調製
【0079】
実施例8に従って得られた脱アセチル化粗生成物100gを水500mlに溶解し、溶液を4℃に冷却した。NaOH水溶液でpHを中性に調整し、次いでNaOH(30%)23mlを加えて溶液の温度を10℃未満に維持した。溶液を室温で24時間撹拌し続けた。好ましいTLC制御(薬局方)下で、溶液をIR120(H
+)/IRA96(OH
−)に通した。溶出液をKOHでpH10に調整し、シロップに濃縮し、脆性の白色固体を得るまで無水EtOHで数回揮散させた。この白色固体を無水EtOHから再結晶した。当該固体を真空下、50−55℃で乾燥させ、35.7gを得た。
1H NMR(D
2O,200MHz):δ ppm 5.22(d,J
1〜2 3.8Hz,1H,H−1α)、4.66(d,J
1〜2 7.8Hz,1H,H−1β)、4.43(d,J
1’−2’:7.6Hz,1H,H−1’)、4.02〜3.48(m,19H)、3.31(m,1H)、2.71(dd,J
3”eq−3”ax 12.0 e J
3”eq−4” 4.4Hz,H−3”eq)、2.03(s,3H,NHCOCH
3)、1.74(擬似t,J
3”ax−3”eq=J
3”ax−4” 12.0Hz,H−3”ax)。
13C NMR(D
2O,75MHz,内部標準アセトン):δ ppm 175.5(NHCOCH
3)、174.0(COO
−)、103.8(C−1’)、100.9(C−2”)、96.2(C−1β)、92.4(C−1α)、80.3、80.2、75.22、75.19、74.4、74.3、73.1、72.9、72.4、72.2、71.7、71.4、70.5、69.1、69.04、69.01(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’,C−4”,C−6”,C−7”,C−8”)、64.1(C−6’)、63.2(C−9”)、60.8 e 60.7(C−6α+β)、52.4(C−5”)、40.7(C−3”)、22.6(NHCOCH
3)。
[α]
D 20℃:+9.8°(c:1%,H
2O)
融点179.3−182.8°C(T 分解)
IRν
KBr max:3391、1612、1379、1034cm
−1
【0080】
実施例12
マグネシウム5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−ノノ−2−ウロピラノシルオナート)−(2→6)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−(α/β)−D−グルコピラノースの調製
【0081】
実施例8に従って得られた脱アセチル化粗生成物100gを水500mlに溶解し、溶液を4℃に冷却した。NaOH水溶液でpHを中性に調整し、次いでNaOH(30%)23mlを加えて溶液の温度を10℃未満に維持した。溶液を室温で24時間撹拌し続けた。好ましいTLC制御(薬局方)下で、溶液をIR120(H
+)/IRA96(OH
−)に通した。溶出液をMgOでpH9.8に調整し、残留物に濃縮し、脆性の白色固体を得るまで無水EtOHで数回揮散させた。当該白色固体を無水EtOHから再結晶して、50.8gを得た。
1H NMR(D
2O,300MHz):δ ppm 5.22(d,J
1〜2 3.6Hz,1H,H−1α)、4.66(d,J
1〜2 8.1Hz,1H,H−1β)、4.43(d,J
1’−2’:7.5Hz,1H,H−1’)、4.02〜3.48(m,19H)、3.31(m,1H)、2.71(dd,J
3”eq−3”ax 12.3 e J
3”eq−4” 4.5Hz,H−3”eq)、2.03(s,3H,NHCOCH
3)、1.74(擬似t,J
3”ax−3”eq=J
3”ax−4” 12.3Hz,H−3”ax)。
13C NMR(D
2O,75MHz,内部標準アセトニトリル):δ ppm 175.5(NHCOCH
3)、174.1(COO
−)、103.8(C−1’)、100.9(C−2”)、96.3(C−1β)、92.4(C−1α)、80.3、80.2、75.26、75.23、74.4、74.3、73.1、73.0、72.4、72.2、71.7、71.4、70.6、69.1、69.00、68.96(C−2,C−3,C−4,C−5,C−2’,C−3’,C−4’,C−5’,C−4”,C−6”,C−7”,C−8”)、64.2(C−6’)、63.3(C−9”)、60.9 e 60.7(C−6α+β)、52.4(C−5”)、40.7(C−3”)、22.7(NHCOCH
3)。
Mg
2+の分析97.5%
[α]
D20°C+9.8°(c:1%、H
2O)
融点183.1−185.1°C(T 分解)
IRν
KBrmax:3391、1634、1379、1035cm
−1