【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のために、本発明の主題は、次のステップを含む、処方およびオプションとして設計詳細の領域にわたって、眼科用レンズ設計の少なくとも選択された光学特性を評価する方法である:
a)眼科用レンズが累進屈折力レンズ(PAL)であるという条件で、球面度数(SPH)、円柱度数(CYL)、円柱軸(AXE)、加入度数(ADD)からなるリストに複数の処方パラメータを含む、処方およびオプションとして設計詳細のパラメータセットを選択し、処方およびオプションとして設計詳細の領域を定義するために、選択された各処方およびオプションとして設計詳細のパラメータについて、処方およびオプションとして設計詳細の範囲を選択するステップ。
b)処方およびオプションとして設計詳細の領域内の座標の代表サンプルを取得するために、処方およびオプションとして設計詳細の領域をメッシュし、したがって、各座標が、その処方およびオプションとして設計詳細の範囲内の選択された処方およびオプションとして設計詳細のパラメータの一連の値からなる複数のメッシュ座標を提供するステップ。
c)眼科用レンズの設計の選択された光学特性の評価基準を提供するステップ。
d)ステップb)の各メッシュ座標について評価基準値を計算するステップ。
e)処方およびオプションとして設計詳細の領域にわたる評価基準値の感覚表現を提供するステップ。
【0013】
一実施形態によれば、上記の方法は、コンピュータ手段によって実行される。
【0014】
本明細書で使用される用語は、主として国際標準ISO 13666、「Ophthalmic Optics − spectacle lenses − vocabulary」参照番号ISO 13666:1998(E/F)を参照する。
【0015】
本発明の枠内では、次の用語は、本明細書では以下に示す意味を有する:
− 「処方パラメータ」は、例えば目の前に配置するレンズによって個人の視力障害を補正するために眼科医によって決定された、球面度数(SPH、屈折力とも呼ばれる)、円柱度数(CYL、「円柱」とも呼ばれる)、円柱軸(AXE)、加入度数(ADD)、処方されたプリズム(prescribed prism)などの光学特性である。「非点収差」という用語は、振幅値および軸の値で形成されるデータ対を示すために使用される。これは言語の誤用であるが、非点収差の振幅のみを示すために使用されることもある。目の非点収差は、屈折異常が経線によって起こるときに発生する。これは通常、1つまたは複数の屈折表面、最も一般的には円環形状を有する前角膜によるものである。文脈により当業者は、用語がどのように使用されることを意図されているかを理解できる。一般的に言えば、累進屈折力レンズの処方データは、屈折力(SPH)の値、遠方視力点(distance-vision point)における非点収差(CYL)および円柱軸(AXE)の値、ならびに加入度値(ADD)を含む。
− 「設計詳細」は、設計に主要な傾向を与える設計上の特徴であり、例えば、累進チャネル長(progression channel length)、レンズの前面と背面との間の加入度の配分(addition repartition)、近方および/または中間および/または遠方視力ゾーンの大きさなどであり、また「設計詳細」は、前述の設計詳細の個人化、着用者のインセット(inset)、着用者の眼球−頭部の係数(eye-HEAD coefficient)など、着用者のためのレンズ設計を最適化するのに好適な個人化された特性を含む。
− 「光学特性」は、レンズのレンズ全体の光学パラメータもしくはレンズ表面のパラメータ、または上記レンズの複数のレンズ全体の光学パラメータおよび/またはレンズ表面のパラメータの組合せであり、「レンズ全体」という用語は、レンズの全表面、レンズの屈折率および互いと比較した各表面の位置、ならびにオプションとして着用者の目と比較したレンズの位置(すなわち着用状況)によって定義される光学系を指し、「レンズ表面」という用語は、レンズの表面の一方を指す。
− PALに関しては、遠方視力領域は、遠方視力点(「遠方基準点」とも呼ばれる)を囲む累進屈折力レンズの領域であり、この中で、レンズの屈折力および非点収差の局所的光学特性は、遠方視力点におけるものと実質的に同一であり、近方視力領域は、近方視力点(「近方視点」とも呼ばれる)を囲む累進屈折力レンズの領域であり、この中で、レンズの屈折力および非点収差の局所的光学特性は、近方視力点の光学特性と実質的に同一であり、累進屈折力レンズの加入度数(ADD)は、近方視力点レンズの屈折力の値と、遠方視力点の屈折力の値との差である。
− 「処方およびオプションとして設計詳細の範囲」は、所与の処方およびオプションとして設計詳細のパラメータの値の範囲を指す。
− 「処方およびオプションとして設計詳細の領域」は、複数の処方およびオプションとして設計詳細の範囲を指し、それぞれ複数の処方およびオプションとして設計詳細のパラメータ内の処方およびオプションとして設計詳細のパラメータに対して定義される。
【0016】
眼科用レンズ設計の選択される特性を評価する本方法により、信頼できる方法で処方全体およびオプションとして設計詳細の領域にわたって評価基準値の表現を取得することができる。レンズ設計者またはアイケア施術者は、したがって、指定の処方およびオプションとして設計詳細の領域にわたって、所与のレンズ設計の所望の特性を診断する、または様々なレンズ設計を比較することができる。
【0017】
本評価する方法の様々な実施形態によれば、本方法は、結合されることが可能である:
− 眼科用レンズはPALであり、ステップa)の処方パラメータセットはさらに、眼球−頭部の係数、累進チャネル長、インセット、レンズの前面および背面の間の加入度の配分からなるリストにおいて選択される設計詳細パラメータを含む。
− 評価基準は、レンズ全体の光学パラメータの関数であり、上記レンズ全体の光学パラメータは、屈折力、非点収差、発生非点収差(resulting astigmatism)、非点収差軸、屈折力勾配(optical power gradient)、非点収差勾配(astigmatism gradient)、発生非点収差勾配(resulting astigmatism gradient)からなるリストにおいて選択され、上記レンズ全体の光学パラメータは、例えば、距離基準点を通過する遠方視力方向、近方視点を通過する近方視力方向、所与の到達加入度値について経度線を通過する方向、遠方視力領域を通過する方向、近方視力領域を通過する方向、累進領域を通過する方向からなるリストにおいて選択される、少なくとも所与の注視方向により決定される。
− 評価基準は、レンズ表面パラメータの関数であり、上記レンズ表面パラメータは、球面値、円柱値、球面値勾配、円柱値勾配からなるリストにおいて選択され、上記レンズ表面パラメータは、例えば、幾何学的中心、プリズム基準点(PRP)、距離基準点、近方視点、設計基準点、遠方視力ゾーン内の点、近方視力領域内の点、累進領域内の点からなるリストにおいて選択される、少なくとも所与の表面ポイントにより決定される。
− 前述の関数は、恒等関数、二乗平均関数、加重平均関数、2つの注視方向間もしくは2つの表面ポイント間のフィールド値、閾値間に評価パラメータが含まれる面積、YESもしくはNOの2値関数、別の設計との比較関数、複素数学関数、領域内の勾配正負変換(gradient sign change)の数、エキスパートシステムによって提供される関数、またはその組合せからなるリストにおいて選択され、エキスパートシステムは、人工知能問題もしくは他のレンズ設計の特性を理解して定義される統計的計算を解くために神経回路網を使用するソフトウェアであることが可能である。
− ステップe)の感覚表現は、視覚表現、聴覚表現、嗅覚表現、触覚表現、味覚表現、またはその組合せからなるリストにおいて選択され、一実施形態によれば、視覚表現は、ステップa)の処方およびオプションとして設計詳細の領域にわたって、または上記処方およびオプションとして設計詳細の領域のゾーンにわたって、評価基準の変化を視覚化することにある。
− 評価する方法はさらに、評価スケールに照会される評価値を取得するために、感覚表現をマークするステップf)を含み、一実施形態によれば、評価スケールはカラーチャートである。
【0018】
また本発明は、前述の評価方法により評価基準値を視覚化するためのグラフィカルインタフェースに関し、上記値は、2Dまたは3D表現により、処方およびオプションとして設計詳細の領域にわたって視覚化される。
【0019】
本発明はまた、以下のステップを含む、眼科用レンズの設計を計算するまたは最適化するための方法に関する:
− 所与の眼科用レンズの設計を提供するステップ。
− 前述の評価の方法により所与の設計を評価するステップ。
【0020】
眼科用レンズの設計を計算するまたは最適化するための上記の方法の様々な実施形態によれば、
− 所与の設計の設計パラメータは、変更された設計を提供するように変更され、変更された設計は診断され、例えば所与の設計と比較される、および/または例えば前述の評価の方法による評価方法によって診断される。
− 設計パラメータの変更は、処方およびオプションとして設計詳細の領域にわたって、または上記設計パラメータの上記領域のサブ領域にわたって、閾値に到達するまで繰り返される。
【0021】
本発明はまた、次のステップを含む所与の処方により眼科用レンズを製造する方法に関する:
− レンズブランク(lens blank)を提供するステップ。
− 計算された、または最適化された眼下用レンズの設計および所与の処方に合うレンズを取得するために、レンズブランクの少なくとも表面を機械加工する。
【0022】
レンズブランクは、計算された、または最適化された設計に適合する前面を有する半完成製品とすることが可能であり、この場合、背面のみが所与の処方に適合するように機械加工される。
【0023】
本発明はまた、プロセッサにアクセスすることができ、プロセッサによって実行されるとき、前述の方法の様々な実施形態の諸ステップのうちの少なくとも1つをプロセッサに実行させる、1つまたは複数の格納された一連の命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0024】
本発明はまた、前述のコンピュータプログラム製品の1つまたは複数の一連の命令を実行するコンピュータ可読媒体に関する。
【0025】
特に別段の指定がなければ、次の記述から明らかなように、明細書の記述全体を通して、「演算する」、「計算する」、「生成する」などの用語を使用することは、コンピュータもしくはコンピュータシステム、または同様の電子計算装置の動作および/または処理のことを指し、これらはコンピュータシステムのレジスタおよび/またはメモリ内で、電子のような物理的な量として表されるデータを操作および/または変換して、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、または他のこのような情報記憶装置、転送装置、もしくは表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換する。
【0026】
本発明の諸実施形態は、本明細書では演算を行う装置を含むことができる。この装置は、特に所望の目的のために構築されることが可能であり、あるいはこの装置は、汎用コンピュータ、またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に作動されるもしくは再構成されるデジタル信号プロセッサ(「DSP」)を含むことができる。このようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク(登録商標)、光ディスク、DC−ROM、磁気光ディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能かつプログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、磁気もしくは光カード、または電子命令を格納するのに好適であって、コンピュータシステムのバスに結合可能である他のタイプの媒体のような、これらに限定ではないが、コンピュータ可読記憶媒体に格納されることが可能である。
【0027】
本明細書に提示する処理および表示は、本質的にいかなる特定のコンピュータまたは他の装置にも関連しない。本明細書における教示に従ったプログラムを用いて様々な汎用目的のシステムが使用されることが可能であり、またはより特化された装置を構築して所望の方法を行うことは便利であることがわかる。様々なこれらのシステムの所望の構造は、以下の説明から明らかになるであろう。さらに、本発明の諸実施形態は、特定のプログラミング言語を参照して記述されない。様々なプログラミング言語が使用されて本明細書に記載する発明の教示を実行することが可能であることは理解されるであろう。
【0028】
本発明の特徴、ならびに本発明自体は、その構造も、その動作も、添付の説明と併用される、添付の非限定の図面および例から最もよく理解されるであろう。