【実施例】
【0048】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、本発明における略号は以下の通りである。
TBS=t-ブチルジメチルシリル基
TES=トリエチルシリル基
TESCl=クロロトリエチルシラン
TMS=トリメチルシリル基
TMSCl=クロロトリメチルシラン
Piv=ピバロイル基
PivCl=ピバロイルクロリド
TBAF=テトラブチルアンモニウムフルオリド
CSA=(+/−)−カンファー−10−スルホン酸
PDC=ピリジニウムジクロメート
TBSOTf=t-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
DIBAL=水素化ジブチルアルミニウム
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
THF=テトラヒドロフラン
TsCl=p−トルエンスルホニルクロリド
Ts=p−トルエンスルホニル
【0049】
[実施例1]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−1)の製造
【0050】
【化9】
【0051】
(1)文献(例えば、Kittakaら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、2004年、69巻、7463−7471頁に)既知の化合物A−1(2.29 g, 4.11 mmol)をエタノール(20 mL)に溶解し、氷冷下で(+/−)−カンファー−10−スルホン酸(954 mg, 4.11 mmol)を加え、0℃で1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、反応液を酢酸エチルで希釈した。これを水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して化合物A−2(1.64 g, 収率90%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.96-5.88 (1H, m), 5.27-5.21 (2H, m), 4.29 (1H, dd, J = 6.8, 3.9 Hz), 3.88-3.72 (5H, m), 3.45 (1H, dd, J = 5.4, 4.1 Hz), 3.00 (1H, t, J = 6.0 Hz), 2.50-2.46 (1H, m), 2.38-2.33 (1H, m), 2.01 (1H, t, J = 2.6 Hz), 1.85-1.68 (2H, m), 0.91 (9H, s), 0.91 (9H, s), 0.10 (9H, s), 0.07 (3H, s).
(2)(1)で得られた化合物A−2(1.0 g, 2.26 mmol)をピリジン(10 mL)に溶解し、0℃でピバロイルクロリド(0.69 mL, 5.65 mmol)を加えた後、室温で攪拌した。無水メタノール(3 mL)を加えて、室温でさらに30分間攪拌した。トルエンを加えて減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して化合物A−3(1.072 g, 収率90%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.95 (1H, ddd, J = 17.0, 11.0, 6.0 Hz), 5.21 (1H, ddd, J = 17, 2.0, 1.0 Hz), 5.14 (1H, ddd, J = 11.0, 2.0, 1.0 Hz), 4.32-4.28 (1H, m), 4.18-4.10 (2H, m), 3.86 (1H, q, J = 5.6 Hz), 3.81-3.74 (1H, m), 3.68-3.60 (1H, m), 3.39 (1H, dd, J = 5.4, 3.4 Hz), 2.49 (1H, dq, J = 17.0, 2.7 Hz), 2.35 (1H, dq, J = 16.9, 2.8 Hz), 1.96 (1H, t, J = 2.7 Hz), 1.87 (2H, dt, J = 14.0, 7.0 Hz), 1.19 (9H, s), 0.90 (9H, s), 0.89 (9H, s), 0.10 (3H, s), 0.08 (3H, s), 0.07 (5H, s), 0.03 (3H, s).
(3)(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(1.25 g, 2.87 mmol)をテトラヒドロフラン(7 mL)に溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。ここに、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0 M テトラヒドロフラン溶液, 2.90 mL, 2.87 mmol)を加え、氷冷下で30分間攪拌した。反応液を−78℃まで冷却し、文献(例えば、Uskokovicら、米国特許第4804502号明細書)既知の化合物B−1(200 mg, 0.574 mmol)をテトラヒドロフラン(1.5 mL)に溶解して加えた。−78℃で1時間攪拌後、0℃でさらに1時間攪拌した。反応液にシリカゲル(2.5 g)を加え、室温で10分間激しく攪拌した後、セライトろ過した。得られたろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して化合物B−2(161 mg, 収率67%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.65 (1H, s), 2.90-2.86 (1H, m), 2.28-1.24 (20H, m), 1.08 (3H, d, J = 6.3 Hz), 0.58 (3H, s), 0.18 (9H, s).
(4)(3)で得られた化合物B−2(1.2 g, 2.82 mmol)をテトラヒドロフラン(10 mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオロリド(1Mテトラヒドロフラン溶液, 4.23 mL, 4.23mmol)を加えて、50℃で30分間攪拌した。酢酸エチルを加えて水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で精製した。精製物を無水ピリジン(10 mL)に溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。ここに、クロロトリエチルシラン(0.944 mL, 5.70 mmol)を加え、室温まで昇温し、2.5時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=99/1)で精製し、化合物B−3(783 mg, 収率88%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.65 (1H, s), 2.92-2.85 (1H, m), 2.23 (1H, dd, J = 16.5, 3.4 Hz), 2.07-1.24 (19H, m), 1.08 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.96 (9H, t, J = 7.9 Hz), 0.66 (6H, q, J = 7.9 Hz), 0.57 (3H, s).
(5)(4)で得られた化合物B−3(783 mg, 1.67 mmol)および(2)で得られた化合物A−3(733 mg, 1.39 mmol)を無水トルエン/トリエチルアミン(1/1, 11.1 mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(289 mg, 0.25 mmol)を加え、窒素雰囲気下、105℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、ジアミンシリカゲル(富士シリシア社製, 6 g)、n−ヘキサン(20 mL)を加え、室温で1時間撹拌した後に、酢酸エチルを用いてろ過した。得られたろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→95/5)で精製した。得られた精製物を無水テトラヒドロフラン(5.5 mL)、無水メタノール(4.6 mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド、メタノール溶液(0.91 mL, 5.46 mmol)を加えて、1時間還流した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→50/50)で精製し、化合物AB−1(609 mg, 収率67%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.18 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.02 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.30 (1H, brs), 5.00 (1H, brs), 4.46 (1H, brs), 4.05 (1H, m), 3.88-3.69 (4H, m), 3.36 (1H, brs), 2.94 (1H, brs), 2.83-2.77 (1H, m), 2.62-2.56 (1H, m), 2.24 (1H, dd, J = 16.5, 3.4 Hz), 2.10 (1H, dd, J = 13.9, 4.4 Hz), 2.06-1.21 (21H, m), 1.07 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.96 (9H, t, J = 7.9 Hz), 0.93 (9H, s), 0.87 (9H, s), 0.67 (6H, q, J = 7.9 Hz), 0.55 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.08 (3H, s), 0.07 (3H, s).
(6)(5)で得られた化合物AB−1(427 mg, 0.514 mmol)を無水ジクロロメタン(5.2 mL)に溶解し、0℃に冷却した後、デスマーチン試薬(523 mg, 1.23 mmol)を加え、氷冷下で2時間撹拌した後、室温に昇温し1時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。得られた残渣をt−ブタノール(21 mL)に溶解し、テトラヒドロフラン(37 mL)と2−メチルー2−ブテン(6.47 mL)を加えて氷冷した。次亜塩素酸ナトリウム(純度80%, 580 mg, 5.14 mmol)とリン酸2水素ナトリウム・2水和物(400 mg, 2.57 mmol)の水溶液(7.3 mL)を加えて、氷冷下で45分攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→80/20)で精製し、化合物AB−2(341 mg, 収率78%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.22 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.00 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.27 (1H, brs), 4.99 (1H, brs), 4.45 (1H, brs), 4.07 (1H, m), 3.91 (2H, t, J = 6.1 Hz), 3.36 (1H, brs), 2.84-2.77 (1H, m), 2.64 (2H, d, J = 6.1, 1.5 Hz), 2.60-2.53 (1H, m), 2.24 (1H, dd, J = 16.5, 3.4 Hz), 2.13 (1H, dd, J = 13.9, 5.4 Hz), 2.07-1.21 (19H, m), 1.07 (3H, d, J = 6.3 Hz), 0.96 (9H, t, J = 7.9 Hz), 0.90 (9H, s), 0.87 (9H, s), 0.67 (6H, q, J = 7.9 Hz), 0.55 (3H, s), 0.09 (3H, s), 0.09 (6H, s), 0.07 (3H, s).
(7)(6)で得られた化合物AB−2(140 mg, 0.165 mmol)をアセトン(1.65 mL)に溶解し、0℃に冷却した後、塩酸(6規定、0.332 mL)のアセトン希釈液(1.65 mL)を加え、室温で4時間攪拌した。n−ヘキサン(3.3 mL)を加えて、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/アセトン=1/1)、薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/アセトン=4/5)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=0.1%ギ酸/1%メタノール/4%アセトニトリル/水 ; B=0.1%ギ酸/5%水/19%メタノール/アセトニトリル; 0-2min.: B=20%, 2-20min.: B=20%→98%, 20-25min.: B=98%, 25-30min.: B=20%)で精製することにより、化合物C−1(34.9 mg, 収率42%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.42 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.00 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.39 (1H, d, J = 1.9 Hz), 5.09 (1H, d, J = 1.9 Hz), 4.50 (1H, d, J = 2.9 Hz), 4.36-3.58 (6H, m), 3.35 (1H, dd, J = 8.1, 3.2 Hz), 2.86-2.79 (1H, m), 2.72-2.57 (3H, m), 2.29-2.19 (2H, m), 2.04-1.20 (19H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.54 (3H, s).
【0052】
[実施例2]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−2)の製造
【0053】
【化10】
【0054】
(1)実施例1(1)で得られた化合物A−2(1.45 g, 3.27 mmol)を無水ジメチルホルムアミド(15 mL)に溶解し、ピリジニウムジクロメート(6.17 g, 16.4 mmol)を加えて、12時間攪拌した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−4(0.82 g, 収率55%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.90 (1H, ddd, J = 17.0, 6.0, 11.0 Hz), 5.30-5.20 (2H, m), 4.33 (1H, ddt, J = 7.0, 3.0, 1.0 Hz), 3.96 (2H, td, J = 6.0, 1.2 Hz), 3.85-3.75 (1H, m), 3.55 (1H, dd, J = 6.3, 3.7 Hz), 2.63 (2H, td, J = 5.9, 1.9 Hz), 2.50-2.32 (2H, m), 2.02 (1H, t, J = 2.7 Hz), 0.91 (9H, s), 0.90 (9H, s), 0.11 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.09 (3H, s), 0.08 (3H, s).
(2)(1)で得られた化合物A−4(0.82 g, 1.79 mmol)を無水メタノール(8 mL)に溶解し、濃硫酸(74 μL, 1.5 mmol)を加え、2.5時間攪拌した。室温に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮した残渣を無水ジクロロメタンに溶解し、氷冷下で2,6−ルチジン(1.01 mL, 9 mmol)、t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(1.65 mL, 7.2 mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌した。無水メタノール(1.5 mL)を加え、室温でさらに10分間攪拌した。n−ヘキサン/酢酸エチル(9/1)を加えて水で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−5(683.4 mg, 収率81%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.94 (1H, ddd, J = 10.0, 17.2, 6.5 Hz), 5.21 (1H, dt, J = 17.3, 1.3 Hz), 5.14 (1H, dt, J = 10.0, 1.3 Hz), 4.30 (1H, dd, J = 6.8, 3.4 Hz), 4.00-3.97 (1H, m), 3.88-3.82 (2H, m), 3.68 (3H, s), 3.40 (1H, dd, J = 5.5, 3.5 Hz), 2.57 (2H, t, J = 6.6 Hz), 2.48 (1H, dq, J = 16.8, 2.7 Hz), 2.35 (1H, dq, J = 17.0, 2.8 Hz), 1.96 (1H, t, J = 2.6 Hz), 0.90 (9H, s), 0.89 (9H, s), 0.09 (3H, s), 0.08 (3H, s), 0.07 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(3)(2)で得られた化合物A−5(47.0 mg, 0.1 mmol)および実施例1(3)で得られた化合物B−2(46.2 mg, 0.11 mmol)をトルエン/トリエチルアミン(1/1, 2 mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(12.5 mg, 0.0108 mmol)を加え、窒素雰囲気下、110℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で粗精製した。得られた粗精製物を無水ジクロロメタン/アセトニトリル(1/1, 1 mL)に溶解し、窒素雰囲気下、0℃でリチウムテトラフルオロボレート(78 mg, 0.8 mmol)、硫酸(1M アセトニトリル溶液, 0.08 mL, 0.08 mmol)を加えて30分間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、これを酢酸エチルで抽出して得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣を、薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル ; B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル ; B=75%)で精製することにより、化合物C−2(6.8 mg, 13%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.42 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.03 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.40 (1H, d, J = 1.2 Hz), 5.09 (1H, d, J = 2.2 Hz), 4.45 (1H, t, J = 3.3 Hz), 4.06-3.79 (3H, m), 3.73 (3H, s), 3.36 (1H, dd, J = 7.7, 3.3 Hz), 2.85-2.60 (7H, m), 2.24 (2H, dt, J = 18.8, 5.9 Hz), 2.02-1.96 (3H, m), 1.89-1.82 (2H, m), 1.72-1.54 (6H, m), 1.51 (6H, s), 1.47-1.24 (4H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.3 Hz), 0.54 (3H, s).
MS m/z 537.2 (M+23)+ 523.3 (M+18)+
【0055】
[実施例3]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−プロポキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−4)の製造
【0056】
【化11】
【0057】
(1)実施例2(1)で得られた化合物A−4(240 mg, 0.525 mmol)を原料として、実施例2(2)と同様の方法でメタノールをプロパノールに替えて行い、化合物A−6(18.5 mg, 収率27%)を得た。
【0058】
(2)(1)で得られた化合物A−6(40.5 mg, 0.081mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(47 mg, 0.11mmol)を原料にして、実施例2(3)と同様の方法により、化合物C−4(6.8 mg, 15%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.42 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.03 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.39 (1H, d, J = 1.2 Hz), 5.09 (1H, d, J = 2.2 Hz), 4.45 (1H, t, J = 3.5 Hz), 4.08 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.06-3.95 (2H, m), 3.85-3.77 (1H, m), 3.36 (1H, dd, J = 7.8, 3.2 Hz), 2.85-2.82 (1H, m), 2.79 (1H, d, J = 4.1 Hz), 2.70-2.62 (4H, m), 2.26-2.22 (2H, m), 2.03-1.98 (3H, m), 1.90-1.80 (3H, m), 1.70-1.64 (7H, m), 1.58-1.53 (4H, m), 1.51 (6H, s),1.48-1.45 (2H, m), 1.40-1.20 (4H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.94 (4H, t, J = 7.4 Hz), 0.54 (3H, s).
【0059】
[実施例4]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−(1−メチル)エトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−5)の製造
【0060】
【化12】
【0061】
(1)実施例2(1)で得られた化合物A−4(240 mg, 0.525 mmol)を原料として、実施例2(2)と同様の方法でメタノールをイソプロパノールに替えて行い、化合物A−7(157.4 mg, 収率60%)を得た。
【0062】
(2)(1)で得られた化合物A−7(35 mg, 0.07mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(44 mg, 0.11mmol)を原料にして、実施例2(3)と同様の方法により、化合物C−5(6.8 mg, 17%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.42 (1H, d, J = 11.0 Hz), 6.03 (1H, d, J = 11.5 Hz), 5.39 (1H, d, J = 1.5 Hz), 5.09-5.02 (2H, m), 4.45 (1H, t, J = 3.5 Hz), 4.05-3.78 (3H, m), 3.35 (1H, dd, J = 7.7, 3.3 Hz), 2.85-2.58 (6H, m), 2.28-1.53 (18H, m), 1.51 (6H, s), 1.46-1.30 (5H, m), 1.26 (3H, d, J = 1.7 Hz), 1.24 (3H, d, J = 1.5 Hz), 1.06 (3H, d, J = 6.3 Hz), 0.54 (3H, s).
【0063】
[実施例5]
(5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物D−1)の製造
【0064】
【化13】
【0065】
(1)文献(例えば、Saitoら、テトラへドロン(Tetrahedron)、2004年、60巻、7951−7961頁))既知の化合物(3R,4R,5S)−3,5−Bis[(t−butyldimethylsilyl)oxy]−4−[3−{(t−butyldimethylsilyl)oxy}propyl]oct−1−ene−7−yneから実施例1(1)と同様の方法で得られる化合物A−8(0.72 g, 1.69 mmol)をジクロロメタン(6.8 mL)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.47 mL, 3.37 mmol)、塩酸トリメチルアミン(16 mg, 0.169 mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド(0.48 g, 2.53 mmol)を加えて、室温で1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られる残渣をジメチルホルムアミド(3 mL)に溶解し、シアン化ナトリウム(199 mg, 4.06 mmol)、ヨウ化ナトリウム(380 mg, 2.53 mmol)を加えて、50℃で2時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、粗体の化合物A−9を得た。これをテトラヒドロフラン(5 mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオロリド(1Mテトラヒドロフラン溶液, 5.07 mL, 5.07 mmol)を加え、60℃で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をジメチルホルムアミド(5 mL)に溶解し、0℃でイミダゾール(460 mg, 6.76 mmol)、ジメチルアミノピリジン(21 mg, 0.169 mmol)、クロロトリエチルシラン(0.851 mL, 5.07 mmol)を加えて50℃で40分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル/n−ヘキサン→2%酢酸エチル/n−ヘキサン→5%酢酸エチル/n−ヘキサン→10%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−10(531.3 mg, 収率72%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.82 (1H, ddd, J = 17.0, 10.0, 7.0 Hz), 5.17 (1H, dd, J = 17.2, 1.1 Hz), 5.11 (1H, ddd, J = 10.0, 2.0, 1.0 Hz), 4.00-3.95 (1H, m), 2.42-2.37 (2H, m), 2.32 (2H, t, J = 7.8 Hz), 1.97 (1H, t, J = 2.6 Hz), 1.85-1.65 (3H, m), 1.43-1.29 (2H, m), 1.26 (2H, t, J = 7.2 Hz), 0.89 (19H, s), 0.09 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(2)(1)で得られた化合物A−10(449.4 mg, 1.03 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解し、−78℃で冷却下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1M トルエン溶液, 2.08 mL, 2.08 mmol)を加えて−78度で50分間攪拌した。無水メタノール(0.3 mL)を加えて室温で20分間攪拌し、さらに飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加えて、10分間攪拌した。酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をテトラヒドロフラン(6.9 mL)に溶解し、t−ブタノール(6.9 mL)と2−メチルー2ブテン(4.5 g)を加えて氷冷した。次亜塩素酸ナトリウム(931 mg, 10.3 mmol)とリン酸2水素ナトリウム(803 mg, 5.15 mmol)の水溶液(6.9 mL)を加えて、1時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/1 → 50/1→ 20/1→ 10/1→ 5/1→ 2/1)で精製し、化合物A−11(220 mg, 47%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.82 (1H, ddd, J = 17.0, 10.0, 7.0 Hz), 5.17 (1H, dd, J = 17.2, 1.1 Hz), 5.11 (1H, ddd, J = 10.0, 2.0, 1.0 Hz), 4.00-3.95 (1H, m), 2.42-2.37 (2H, m), 2.32 (2H, t, J = 7.8 Hz), 1.97 (1H, t, J = 2.6 Hz), 1.85-1.65 (3H, m), 1.43-1.29 (2H, m), 1.26 (2H, t, J = 7.2 Hz), 0.89 (19H, s), 0.09 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(3)(2)で得られた化合物A−11(126.6 mg, 0.278 mmol)をジメチルホルムアミド(1.2 mL)に溶解し、0℃で冷却下、トリエチルアミン(0.126 mL, 0.9 mmol)を加えて40分間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)で精製し、化合物A−12(126.5 mg, 79%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.82 (1H, ddd, J = 17.0, 10.0, 7.0 Hz), 5.17 (1H, dd, J = 17.2, 1.1 Hz), 5.11 (1H, ddd, J = 10.0, 2.0, 1.0 Hz), 4.00-3.95 (1H, m), 2.42-2.37 (2H, m), 2.32 (2H, t, J = 7.8 Hz), 1.97 (1H, t, J = 2.6 Hz), 1.85-1.65 (3H, m), 1.43-1.29 (2H, m), 1.26 (2H, t, J = 7.2 Hz), 0.89 (19H, s), 0.09 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(4)(3)で得られた化合物A−12(46 mg, 0.08 mmol)および実施例1(3)で得られた化合物B−2(47 mg, 0.1 mmol)をトルエン/トリエチルアミン(1/1, 2 mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(12 mg, 0.01 mmol)を加え、窒素雰囲気下、110℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で粗精製した。得られた粗精製物をアセトンに溶解し、塩酸(6N, 0.1 mL, 0.6 mmol)を加えて0℃で50分攪拌し、さらに塩酸(6N, 0.2 mL, 1.2 mmol)を加えて室温で40分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をボンドエリュートSI(バリアン製 n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2→酢酸エチル→酢酸エチル/酢酸=99/1)で粗精製した。さらに粗精製物を、逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル ; B=0.5%酢酸/5%水/アセトニトリル ; B=65%)で精製することにより、化合物D−1(14.6 mg, 36%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.40 (1H, d, J = 11.5 Hz), 6.00 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.27 (1H, d, J = 1.5 Hz), 4.99 (1H, d, J = 2.0 Hz), 4.39 (1H, t, J = 4.0 Hz), 3.92-3.84 (1H, m), 2.86-2.79 (1H, m), 2.65 (1H, dd, J = 13.3, 4.3 Hz), 2.30-2.20 (4H, m), 2.05-1.96 (3H, m), 1.88 (2H, t, J = 10.0 Hz), 1.81-1.64 (8H, m), 1.56 (6H, dt, J = 15.3, 4.5 Hz), 1.51 (6H, s), 1.49-1.46 (3H, m), 1.45 (9H, s), 1.40-1.24 (5H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.54 (3H, s), 0.54 (3H, s).
【0066】
[実施例6]
(5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−(1,1−ジメチル)エトキシカルボニルプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物D−6)の製造
【0067】
【化14】
【0068】
(1)実施例5(1)で得られた化合物A−9(565 mg, 1.29 mmol)をジクロロメタンに溶解し、−78℃で冷却下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1M トルエン溶液, 2 mL, 2 mmol)を加えて−78度2時間で攪拌した。無水メタノール(1 mL)を加えて室温で20分間攪拌し、さらに飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加えて、10分間攪拌した。酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をテトラヒドロフラン(18.3 mL)に溶解し、t−ブタノール(18.3 mL)と2−メチルー2ブテン(6 mL)を加えて氷冷した。次亜塩素酸ナトリウム(1.47 g, 13 mmol)とリン酸2水素ナトリウム(1.01 g, 6.5 mmol)の水溶液(5 mL)を加えて、1時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1 → 7/1→ 5/1)で精製し、化合物A−13(233.7 mg, 38%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.82 (1H, ddd, J = 17.0, 10.0, 7.0 Hz), 5.17 (1H, dd, J = 17.2, 1.1 Hz), 5.11 (1H, ddd, J = 10.0, 2.0, 1.0 Hz), 4.00-3.95 (1H, m), 2.42-2.37 (2H, m), 2.32 (2H, t, J = 7.8 Hz), 1.97 (1H, t, J = 2.6 Hz), 1.85-1.65 (3H, m), 1.43-1.29 (2H, m), 1.26 (2H, t, J = 7.2 Hz), 0.89 (19H, s), 0.09 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(2)(1)で得られた化合物A−13(228.4 mg, 0.5mmol)にトルエン(5 mL)を加え、N,N−ジメチルホルムアミド ジt−ブチル アセタール(1.1 mL, 4 mmol)を加えて、80℃で1時間攪拌した。酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、化合物A−14(118.5 mg, 46%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.83 (1H, ddd, J = 17.0, 10.0, 7.0 Hz), 5.15 (1H, dq, J = 17.2, 1.0 Hz), 5.10 (1H, dq, J = 10.0, 1.0 Hz), 4.12 (1H, dd, J = 8.0, 5.0 Hz), 4.00 (1H, td, J = 6.2, 3.8 Hz), 2.39 (2H, dd, J = 6.1, 2.7 Hz), 2.17 (2H, t, J = 8.0 Hz), 1.79-1.63 (3H, m), 1.44 (9H, s), 1.40-1.20 (4H, m), 0.89 (18H, s), 0.09 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.05 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(3)(2)で得られた化合物A−14(59.6 mg, 0.12 mmol)および実施例1(3)で得られた化合物B−2(60 mg, 0.14 mmol)をトルエン/トリエチルアミン(1/1, 2 mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(17 mg, 0.0147 mmol)を加え、窒素雰囲気下、110℃で3.5時間攪拌した。室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で粗精製した。得られた粗精製物をテトラヒドロフランに溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオロリド(1Mテトラヒドロフラン溶液, 0.84 mL, 0.84mmol)を加え、60℃で2時間攪拌した。酢酸エチルでを加え、水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル ; B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル ; B=85%)で精製することにより、化合物D−6(5.0 mg, 7%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.40 (1H, d, J = 11.5 Hz), 6.00 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.27 (1H, d, J = 1.5 Hz), 4.99 (1H, d, J = 2.0 Hz), 4.39 (1H, t, J = 4.0 Hz), 3.92-3.84 (1H, m), 2.86-2.79 (1H, m), 2.65 (1H, dd, J = 13.3, 4.3 Hz), 2.30-2.20 (4H, m), 2.05-1.96 (3H, m), 1.88 (2H, t, J = 10.0 Hz), 1.81-1.64 (8H, m), 1.56 (6H, dt, J = 15.3, 4.5 Hz), 1.51 (6H, s), 1.49-1.46 (3H, m), 1.45 (9H, s), 1.40-1.24 (5H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.54 (3H, s), 0.54 (3H, s).
【0069】
[実施例7]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((t−ブチルカルボニルオキシ)メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−7)の製造
【0070】
【化15】
【0071】
(1)実施例2(1)で得られた化合物A−4(164.3 mg, 0.360 mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.2 mL)に溶解し、0℃に冷却し、トリエチルアミン(0.15 mL, 1.08 mmol)、ピバロイルオキシメチルクロリド(0.104 mL, 0.719 mmol)を加えて、室温で1時間攪拌した。1時間後、ヨウ化ナトリウム(150 mg, 1.008 mmol), 炭酸カリウム(140 mg, 1.008 mmol)を加えて、50℃でさらに30分間加熱撹拌した。室温まで冷却し、水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、化合物A−15(158.0 mg, 収率77%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.98-5.90 (1H, m), 5.76 (2H, s), 5.21 (1H, dt, J = 17.32, 1.46 Hz), 5.14 (1H, dt, J = 10.37, 1.10 Hz), 4.30 (1H, dd, J = 8.00, 3.00 Hz), 4.02-3.82 (3H, m), 3.42 (1H, dd, J = 5.61, 3.41 Hz), 2.62 (2H, t, J = 6.71 Hz), 2.47 (1H, ddd, J = 16.83, 2.68, 5.50 Hz), 2.34 (1H, ddd, J = 16.83, 2.76, 5.50 Hz), 1.96 (1H, t, J = 2.68 Hz), 1.21 (9 H, s), 0.90 (9H, s), 0.89 (9H, s), 0.09 (3H, s), 0.08 (3H, s), 0.07 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(2)(1)で得られた化合物A−15(40 mg, 0.07mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(36 mg, 0.085mmol)を原料にして、実施例2(3)と同様の方法により、化合物C−7(7.8 mg, 18%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.42 (1H, d, J = 11.47 Hz), 6.02 (1H, d, J = 11.22 Hz), 5.81-5.76 (2H, m), 5.39 (1H, d, J = 1.46 Hz), 5.09 (1H, d, J = 2.20 Hz), 4.44 (1H, s), 4.04-3.95 (2H, m), 3.85-3.80 (1H, m), 3.36 (1H, dd, J = 7.56, 3.17 Hz), 2.85-2.57 (6H, m), 2.28-1.81 (8H, m), 1.59-1.24 (16H, m), 1.23 (9H, s), 1.06 (3H, d, J = 6.59 Hz), 0.54 (3H, s).
【0072】
[実施例8]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((フェニルカルボニルオキシ)メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−8)の製造
【0073】
【化16】
【0074】
実施例2(1)で得られた化合物A−4(175 mg, 0.383 mmol)を原料として、実施例7(1)におけるピバロイルオキシメチルクロリドをベンゾイルオキシメチルクロリドに替えて、実施例7(1)と同様に行い化合物A−16を得たのちに、化合物A−16(41.3 mg, 0.07 mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(34 mg, 0.08 mmol)を出発物質として、実施例7(2)と同様にして、化合物C−8(4.9 mg, 11%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 8.09-8.07 (2H, m), 7.62-7.44 (3H, m), 6.41 (1H, d, J = 10.98 Hz), 6.05-6.01 (3H, m), 5.38 (1H, d, J = 1.46 Hz), 5.07 (1H, d, J = 1.95 Hz), 4.44 (1H, d, J = 2.93 Hz), 4.05-3.97 (2H, m), 3.87-3.82 (1H, m), 3.36 (1H, dd, J = 7.56, 3.17 Hz), 2.85-2.64 (4H, m), 2.32-2.18 (2H, m), 2.05-1.53 (9H, m), 1.49-1.24 (4H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.34 Hz), 0.55 (3H, s).
【0075】
[実施例9]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((2−カルボキシー2,2―エタノ)エトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物E−1)の製造
【0076】
【化17】
【0077】
(1)文献(例えば、Kittakaら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、2004年、69巻、7463−7471頁に)記載の化合物A−17(6.03 g, 22.8 mmol)をN−メチルピロリドン(60 mL)に溶解し、カリウムt−ブトキシド(11.88 g, 114 mmol)を加えて、130度で4時間、加熱撹拌した。室温まで冷却し、水(240 mL)を加え、ダイヤイオンHP−20SS(三菱化学製、30 g(乾燥重量))を加えて、室温で一晩撹拌した。ろ過し、固体を飽和塩化アンモニウム水溶液(100 mL)、水(200 mL)で洗浄し、アセトン(500 mL)で溶出した。溶出液を減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/4)で精製し、化合物A−18(1.78 g, 21%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ: 7.51-7.36 (5H, m), 5.54 (1H, s), 4.61 (1H, s), 4.40-4.29 (2H, m), 4.08 (1H, t, J = 4.27 Hz), 4.01 (1H, dd, J = 9.27, 2.68 Hz), 3.93 (1H, br s), 3.83-3.75 (3H, m), 3.60-3.50 (3H, m), 3.41 (3H, s), 0.59-0.41 (3H, m).
(2)(1)で得られた化合物A−18(2.97 g, 8.10 mmol)を無水ピリジン(30 mL)に溶解して0℃に冷却し、ピバロイルクロリド(1.15 mL, 9.32 mmol)を加えて同温で1時間攪拌した。無水メタノール(3 mL)を加え、室温で5分間撹拌し、減圧濃縮した。トルエンに溶解して飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮、乾燥した。この粗体を無水ジクロロメタン(20 mL)に溶解して0℃に冷却し、2,6−ルチジン(1.3 mL, 11.6 mmol)、t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(2.14 mL, 9.32 mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌した。無水メタノール(5 mL)を加えた後、減圧濃縮した。トルエンに溶解し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/n−ヘキサン→10%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−19(3.19 g, 収率69%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ: 7.49-7.34 (5H, m), 5.56 (1H, s), 4.45 (1H, s), 4.29-4.25 (2H, m), 4.18 (1H, d, J = 11.22 Hz), 3.98-3.92 (3H, m), 3.75 (1H, t, J = 12.08 Hz), 3.65 (1H, t, J = 2.68 Hz), 3.56 (2H, dd, J = 29.76, 9.51 Hz), 3.35 (3H, s), 1.19 (9H, s), 0.91 (9H, s), 0.61-0.51 (4H, m), 0.10 (3H, s), 0.10 (3H, s).
(3)(2)で得られたA−19(3.17 g, 5.61 mmol)をシクロヘキサン(63 mL)に溶解し、炭酸バリウム(775 mg, 3.92 mmol)、過酸化ベンゾイル(136 mg, 0.56 mmol)、N−ブロモスクシンイミド(1.21 g, 6.73 mmol)を加えて、1時間加熱還流した。冷却後、セライトろ過し、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して、粗体(4.0 g)を得た。この粗体を1―プロパノール(36 mL)と水(4 mL)の混合溶媒に溶解し、活性化させた亜鉛(7.38 g, 112.2 mmol)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.42 g, 22.4 mmol)を加えて1時間加熱還流した。冷却後、セライトろ過し、固体を1−プロパノールで洗浄後、液体を減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10 → 80/20)で精製し、化合物A−20(1.50 g, 収率 50%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ: 8.05-8.02 (2H, m), 7.59-7.43 (3H, m), 6.11 (1H, ddd, J = 11.00, 17.32, 6.00 Hz), 5.78-5.75 (1H, m), 5.41 (1H, dt, J = 17.32, 1.34 Hz), 5.30 (1H, dt, J = 10.49, 1.22 Hz), 4.17 (1H, d, J = 11.47 Hz), 3.96-3.93 (2H, m), 3.81 (1H, dd, J = 11.47, 5.12 Hz), 3.73-3.68 (2H, m), 3.64 (1H, d, J = 9.76 Hz), 3.50 (1H, d, J = 9.76 Hz), 1.18 (9H, s), 0.90 (9H, s), 0.55 (4H, t, J = 1.95 Hz), 0.09 (3H, s), 0.07 (3H, s).
(4)(3)で得られたA−20(2.41 g, 4.5mmol)をアセトニトリル(25 mL)に溶解させ、トリエチルアミン(1.26 mL, 9 mmol)、トリメチルアミン塩酸塩(86 mg, 0.9 mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド(1.30 g, 6.8 mmol)の順に加えて室温で1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。この粗体(3.31 g)をテトラヒドロフラン(18 mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフロリド(1M テトラヒドロフラン溶液, 13.5 mL, 13.5mmol)を加えて、1.5時間加熱還流した。冷却後、減圧濃縮した後にトルエンで希釈し、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10)で精製し、化合物A−21(851 mg, 収率 47%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ: 8.06-8.02 (2H, m), 7.61-7.44 (3H, m), 6.10-6.01 (1H, m), 5.67-5.64 (1H, m), 5.42 (1H, dt, J = 17.24, 1.34 Hz), 5.32 (1H, dt, J = 10.57, 1.22 Hz), 4.04 (2H, dd, J = 27.32, 11.22 Hz), 3.65 (1H, d, J = 10.24 Hz), 3.53 (1H, d, J = 10.24 Hz), 3.17 (1H, dd, J = 7.32, 5.37 Hz), 3.10-3.06 (1H, m), 2.75 (1H, t, J = 4.39 Hz), 2.60 (1H, dd, J = 4.88, 2.93 Hz), 1.19 (9H, s), 0.55 (4H, s).
(5)トリメチルシリルアセチレン(1.62 mL, 11.5 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3 mL)を窒素雰囲気下にし、溶液をドライアイスーアセトンで冷却した。ここに、n−ブチルリチウム ヘキサン溶液(2.64 M, 3.97 mL, 10.5 mmol)を加えて45分撹拌した。ここに、(4)で得られた化合物A−21(846 mg, 2.1 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(6 mL)、トリフルオロボランージエチルエーテル錯体(0.343 mL, 2.73 mmol)を加え、ドライアイスーアセトン冷却下で2時間、0℃で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて室温に戻し、酢酸エチルで希釈した。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮した。得られた残渣を無水メタノール(10 mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(870 mg, 6.3 mmol)を加えて、50℃で1時間加熱撹拌した。冷却後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈後、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=60/40 → 50/50 → 35/65)で精製し、化合物A−22(311.5 mg, 収率62%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ: 5.57 (1H, ddd, J = 17.00, 11.00, 6.00 Hz), 4.88 (1H, dt, J = 17.00, 1.70 Hz), 4.73 (1H, dt, J = 11.00, 1.70 Hz), 3.85-3.81 (1H, m), 3.51 (1H, ddd, J = 8.42, 5.73, 2.07 Hz), 3.16 (1H, d, J = 9.50 Hz), 3.05 (1H, d, J = 9.50 Hz), 2.85 (2H, dd, J = 4.63, 2.20 Hz), 2.12-1.92 (2H, m), 1.85 (1H, t, J = 2.68 Hz).
(6)(5)で得られた化合物A−22(534.4 mg, 2.26 mmol)を無水ピリジン(7.5 mL)に溶解し、0℃でピバロイルクロリド(0.276 mL, 2.26 mmol)を加えて、同温で45分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。トルエンで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を無水ジクロロメタン(10 mL)に溶解し、0℃で2,6−ルチジン(1.1 mL, 9.22 mmol)、t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(1.7 mL, 7.55 mmol)を加えて同温で1.5時間撹拌した。酢酸エチルを加えて飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=99/1→85/15)で精製し、化合物A−23(1.08 g, 収率91%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.00-5.91 (1H, m), 5.21 (1H, d, J = 17.32 Hz), 5.13 (1H, d, J = 11.00 Hz), 4.32 (1H, dd, J = 7.07, 3.90 Hz), 4.03 (2H, dd, J = 19.03, 11.22 Hz), 3.94 (1H, dd, J = 10.73, 5.85 Hz), 3.64 (1H, d, J = 9.76 Hz), 3.45 (1H, d, J = 9.76 Hz), 3.39 (1H, t, J = 4.27 Hz), 2.51 (1H, ddd, J = 16.83, 6.00, 3.00 Hz), 2.36 (1H, ddd, J = 16.71, 6.10, 2.56 Hz), 1.95 (1H, t, J = 2.56 Hz), 1.19 (9H, s), 0.90 (9H, s), 0.88 (9H, s), 0.55-0.48 3H, m), 0.11 (3H, s), 0.09 (3H, s), 0.06 (3H, s), 0.03 (3H, s).
(7)(6)で得られた化合物A−23(70 mg, 0.15 mmol)と実施例1(4)で得られた化合物B−3(69 mg, 0.16 mmol)を出発物質として、実施例1(5)と同様に反応させることで、化合物AB−3(48.1 mg, 37.4%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.18 (1H, d, J = 10.98 Hz), 6.02 (1H, d, J = 11.47 Hz), 5.32 (1H, s), 5.01 (1H, s), 4.47 (1H, s), 4.03 (1H, q, J = 4.15 Hz), 3.91 (1H, d, J = 9.03 Hz), 3.58 (1H, dd, J = 11.10, 4.03 Hz), 3.46-3.39 (2H, m), 3.32 (1H, d, J = 9.51 Hz), 3.21 (1H, br s), 2.80 (1H, t, J = 7.81 Hz), 2.61 (1H, d, J = 13.42 Hz), 2.24 (1H, dd, J = 16.34, 3.42 Hz), 2.10 (1H, dd, J = 13.66, 4.15 Hz), 2.05-1.84 (4H, m), 1.66-1.49 (12H, m), 1.43-1.30 (4H, m), 1.07 (4H, d, J = 6.59 Hz), 0.98-0.83 (36H, m), 0.82-0.81 (2H, m), 0.70-0.64 (9H, m), 0.57-0.54 (6H, m), 0.51-0.36 (6H, m), 0.11 (3H, s), 0.10 (3H, s), 0.08 (3H, s), 0.07 (3H, s).
(8)(7)で得られた化合物AB−3(48.1 mg, 0.056 mmol)を原料として、実施例1(6)と同様の方法で、処理した。この反応物(28.5 mg, 0.0327 mmol)を無水ジクロロメタン/アセトニトリル(1/1 1 mL)の混合溶媒に溶解して0℃に冷却した後、トシル酸一水和物(31 mg, 0.163 mmol)、リチウムテトラフルオロボレート(30 mg, 0.327 mmol)を加えて30分間同温で撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=9/1+0.5%酢酸)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル ; B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル ; B=85%)で精製することにより、化合物E−1(4.9 mg, 16.6%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.41 (1H, d, J = 11.22 Hz), 6.01 (1H, d, J = 10.98 Hz), 5.37 (1H, s), 5.08 (1H, d, J = 1.46 Hz), 4.48 (1H, d, J = 2.68 Hz), 4.06-3.82 (2H, m), 3.55-3.25 (2H, m), 2.88-2.60 (2H, m), 2.28-1.54 (13H, m), 1.42-1.20 (10H, m), 1.10-1.08 (1H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.59 Hz), 0.91 (3H, d, J = 4.88 Hz), 0.54 (3H, s).
【0078】
[実施例10]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−26,27−ジメチル−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物F−1)の製造
【0079】
【化18】
【0080】
(1)トリメチルシリルアセチレン(1.84 mL, 13.0 mmol)を1,4−ジオキサン(15 mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム(1.59 M n-ヘキサン溶液, 8.18 mL, 13.0 mmol)を10分間で滴下した。ここにTanakaらの方法(国際公開WO98/58909明細書)により合成される化合物B-4(1.91 g, 4.33 mmol)を1,4−ジオキサン(10 mL)に溶解して加え、110℃で24時間加熱還流した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて攪拌した後、n−ヘキサンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、これを減圧濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン−メタノール(1 : 1, 20 mL)に溶解し、炭酸カリウム(718 mg, 5.20 mmol)を加えて室温で一晩攪拌した。反応液に水を加えた後にn-ヘキサンで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン)で精製して化合物B−5(1.14 g, 収率89%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.65 (1H, s), 2.90-2.86 (1H, m), 2.25 (1H, dt, J = 16.6, 3.0 Hz), 2.10-1.88 (5H, m), 1.72-1.25 (9H, m), 1.11 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.58 (3H, s)ppm.
(2)(1)で得られた化合物B−5(301 mg, 1.02 mmol)をテトラヒドロフラン(10 mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃に冷却しながらn−ブチルリチウム(1.59 M n-ヘキサン溶液, 0.673 mL, 1.02 mmol)を滴下し、30分間攪拌した。ここに3−ペンタノン(0.216 mL, 2.04 mmol)を加え、−78℃のまま1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて室温に昇温した。反応液を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル=9 / 1)で精製して化合物B−6(205 mg, 収率53%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.42 (1H, d, J = 11.2 Hz), 6.02 (1H, d, J = 11.2 Hz), 5.39 (1H, s), 5.10 (1H, s), 4.44 (1H, t, J = 3.9 Hz), 4.11-4.07 (1H, m), 3.84-3.81 (1H, m), 3.75-3.68 (2H, m), 3.39 (1H, dd, J = 7.4, 3.3 Hz), 2.84-2.81 (1H, m), 2.68 (1H, dd, J = 13.7, 4.4 Hz), 2.52 (2H, t, J = 6.8 Hz), 2.29-2.20 (3H, m), 2.15-1.83 (6H, m), 1.70-1.22 (14H, m), 1.08-1.01 (9H, m), 0.55 (3H, s) ppm.
(3)(2)で得られた化合物B−6(396 mg, 1.04 mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(4 mL)に溶解し、クロロトリエチルシラン(0.283 mL, 1.68 mmol)、イミダゾール(152 mg, 2.23 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(27 mg, 0.22 mmol)を加えて、50℃で1時間加熱撹拌した。室温まで冷却し、無水メタノール(1 mL)を加え、30分間撹拌した。トルエンで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル=90/10)で精製して化合物B−7(454.8 mg, 収率88%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.65 (1H, s), 2.91-2.85 (1H, m), 2.24 (1H, dd, J = 16.46, 3.54 Hz), 2.10 (1H, dd, J = 16.58, 6.83 Hz), 2.02-1.88 (4H, m), 1.71-1.58 (9H, m), 1.54-1.24 (7H, m), 1.08 (3H, d, J = 8.00 Hz), 0.98-0.91 (22H, m), 0.73-0.64 (9H, m), 0.58 (3H, s), 0.52 (2H, q, J = 7.97 Hz).
(4)実施例2(1)で得られた化合物A−4(457 mg, 1 mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(5 mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.421 mL, 3 mmol)、クロロメチルベンジルエーテル(0.276 mL, 2 mmol)を加えて、0℃で1時間45分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後に、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル=95/5)で精製し、化合物A−24(485 mg, 収率84%)を得た。
【0081】
(5)(3)で得られた化合物B−7(44 mg, 0.09 mmol)と(4)で得られた化合物A−24(43 mg, 0.075 mmol)を出発原料として、実施例5(4)記載の方法に準じて、カップリング反応と脱保護反応を行った。得られた反応粗体は薄層シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=4/1+酢酸(1.5v/v%))で粗精製した後に、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル ; B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル ; B=75%)で精製することにより、化合物F−1(4.7 mg, 12%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.42 (1H, d, J = 10.98 Hz), 6.00 (1H, d, J = 10.98 Hz), 5.37 (1H, d, J = 1.46 Hz), 5.08 (1H, d, J = 1.95 Hz), 4.47 (1H, d, J = 2.93 Hz), 4.08-3.94 (2H, m), 3.82-3.74 (1H, m), 3.33 (1H, dd, J = 8.17, 3.05 Hz), 2.83 (1H, d, J = 12.20 Hz), 2.69-2.60 (3H, m), 2.30-2.20 (2H, m), 1.98 (2H, d, J = 11.71 Hz), 1.91-1.80 (1H, m), 1.72-1.24 (16H, m), 1.07 (3H, d, J = 6.34 Hz), 1.03 (8H, t, J = 7.44 Hz), 0.54 (3H, s).
【0082】
[実施例11]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−26,27−ノル−25−シクロペンチルー23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物F−2)の製造
【0083】
【化19】
【0084】
(1)実施例10(1)で得られた化合物B−5(442 mg, 1.5 mmol)を出発物質として、実施例10(2)と同様の方法に従って、化合物B−8とシクロペンタノンの混合物(427.2 mg)を得た。この粗体を出発物質とし、無水N,N−ジメチルホルムアミド(4.5 mL)、クロロトリエチルシラン(0.283 mL, 1.68 mmol)、イミダゾール(152 mg, 2.23 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(27 mg, 0.22 mmol)を用い、実施例10(3)と同様の方法により、化合物B−9(506.2 mg, 収率68%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 5.65 (1H, s), 2.92-2.85 (1H, m), 2.24 (1H, dd, J = 16.46, 3.29 Hz), 2.08 (1H, dd, J = 16.10, 6.83 Hz), 2.02-1.57 (19H, m), 1.54-1.26 (7H, m), 1.07 (4H, d, J = 7.56 Hz), 0.98-0.91 (15H, m), 0.73-0.63 (8H, m), 0.57 (3H, s), 0.52 (3H, q, J = 7.97 Hz).
(2)(1)で得られた化合物B−9(44 mg, 0.09 mmol)と実施例10(4)で得られた化合物A−24(43 mg, 0.075 mmol)を出発物質として、実施例10(5)と同様の方法により、化合物F−2(2.0 mg, 収率5%)を得た。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 6.41 (1H, d, J = 10.98 Hz), 6.00 (1H, d, J = 10.98 Hz), 5.36 (1H, s), 5.07 (1H, s), 4.46 (1H, s), 4.10-3.93 (2H, m), 3.78 (1H, br s), 3.30 (1H, d, J = 6.59 Hz), 3.07-2.62 (9H, m), 2.30-2.19 (2H, m), 2.05-1.24 (25H, m), 1.06 (3H, d, J = 6.59 Hz), 0.54 (3H, s).
【0085】
[実施例12]
VDR親和性評価
VDRの評価は市販の測定評価キット、例えばインビトロジェン社が販売するポーラースクリーン ビタミン D レセプター コンペティター アッセイ レッド(POLARSCREEN VITAMIN D RECEPTOR COMPETITOR ASSAY,RED (invitrogen) Cat.No.PV4569)を用いて、以下の手順で、評価を行った。
【0086】
384ウェル ブラックプレートに2ウェルずつ、化合物溶液を10μLずつ加えた。キットに含まれているVDR/Fluoromone VDR Complexを各ウェルに10μLずつ加え、室温で2時間反応させた。2時間後、蛍光偏光を測定し、親和性を評価した。
【0087】
なお、親和性は、1,25−(OH)2-ビタミンD
3の親和性を1とした場合の相対値(1/X)で評価した。
【0088】
【表2】
【0089】
本発明で得られた化合物は、強いVDR親和性を有することが確認された。特に、化合物C−1、化合物D−1は非常に強いVDR親和性を有することが判明した。
【0090】
[実施例13]
ヒト骨芽細胞(HOS細胞)におけるVDR転写活性
(1)レポーターベクターはpGL3ベクター(promega社)を用い、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に、文献既知の方法(Ozonoら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry )、265巻、21881−21888頁、1990年)で得られるヒトオステオカルシン遺伝子プロモーター部分の配列を、HOS細胞(ATCCより入手)から取得したcDNAよりクローニングし、組み込んで構築した。発現ベクターはpCDNA3ベクター(Invitrogen社)にヒトVDRおよびヒトRXRをコードするDNA配列を挿入して構築した。HOS細胞は10%FBSを含むDMEM培地で37℃、5%CO
2の条件で培養し、2日あるいは3日ごとに継代した。
(2)継代培養していた細胞を遠心回収し、無血清、フェノールレッド不含のDMEM培地に4×10
5cells/mlの密度で分散させ、96ウェルプレートに0.1mL/ウェルで播種した。この系に、(1)に記載した各種ベクターをLipofectamine2000(Invitrogen社)試薬を用いてウェルあたり0.05mL添加した。37℃で3時間インキュベートした後、各ウェルに各種濃度の被験化合物エタノール溶液あるいはコントロールとしてエタノールを2μLずつ添加した。37℃で24時間インキュベートした後、培地を取り除き、PBS(−)で一度洗浄した後、DualGlo−Luciferase Assay kit(Promega社)を用いて、ルミノメータ(ベルトールド社)によりルシフェラーゼ活性を測定した。
【0091】
その結果、本発明の化合物は、いずれもEC
50値が20nM以下の転写活性を有することが判明した。さらに、化合物C−1、C−2、D−1、E−1、F−1、F−2については、EC
50値が0.2nM以下の転写活性を有することが判明した。特に、化合物D−1、F−1、F−2については、EC
50値が0.02nM以下の転写活性を有することが判明した。
【0092】
[実施例14]
骨粗鬆症モデル(卵巣摘出)ラットにおける骨密度増強作用(比較試験)
12週齢のSD系雌性ラット(チャールズリバージャパン)の両側卵巣を摘出し、4週間放置後、本発明の化合物、並びに国際公開WO01/62723号パンフレットに記載されている2α−(3−ヒドロキシプロピル)オキシー1α,25−ジヒドロキシビタミンD
3を、週5回、4週間、それぞれ経口投与した。最終投与24時間後、エーテル麻酔下で採血を行い、安楽死させた。麻酔下において、第4第5腰椎の骨密度を二重X線骨塩量測定装置(QDR−2000,HOLOGIC)を用いて測定した。比較のために、偽手術(sham)群(開腹手術をするが卵巣摘出せず、試験化合物の投与を行わない)と卵巣摘出(OVX)群(卵巣摘出するが試験化合物の投与を行わない)についても解剖時において腰椎の骨密度の測定を行った。また、各群における血清中のカルシウム濃度の測定も行った。
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
手術を施すことにより、OVX群の骨密度は、偽手術群(sham)群に比べて低下することが確認された。ビタミンD誘導体を投与することによって、骨密度の回復が確認された。しかしながら、国際公開WO01/62723号パンフレットに記載されている2α−(3−ヒドロキシプロピル)オキシー1α,25−ジヒドロキシビタミンD
3投与群は、骨密度の増加にあわせて血中カルシウム値が上昇し、骨密度がsham群以上になるために必要な投与量に(25ng/kg)おいては、血清カルシウム値上昇幅が1mg/dL以上と大きく上昇してしまうことが判明した。
【0096】
一方で本発明の化合物は、血清カルシウム値の上昇範囲がOVXの血清カルシウム値より1mg/dL以下の範囲内で、sham群と同等以上の骨密度にまで、骨密度を増強させることが判明した。
【0097】
以上の結果から、本発明のビタミンD
3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物は、従来報告されているビタミンD
3誘導体よりも優れた骨への作用を有していることが判明した。