(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738309
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20150604BHJP
F21S 2/00 20060101ALI20150604BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20150604BHJP
F21V 9/08 20060101ALI20150604BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20150604BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20150604BHJP
【FI】
H01L33/00 430
F21S2/00 100
F21V8/00 200
F21V9/08
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V23/00 114
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-541397(P2012-541397)
(86)(22)【出願日】2010年11月17日
(65)【公表番号】特表2013-513229(P2013-513229A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2010067625
(87)【国際公開番号】WO2011067113
(87)【国際公開日】20110609
【審査請求日】2012年6月4日
【審判番号】不服2014-10168(P2014-10168/J1)
【審判請求日】2014年6月2日
(31)【優先権主張番号】102009047481.1
(32)【優先日】2009年12月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512288684
【氏名又は名称】オスラム ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OSRAM GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ザクセンヴェーガー
(72)【発明者】
【氏名】ズィーモン シュヴァーレンベルク
(72)【発明者】
【氏名】トビアス フロースト
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ローレンツ
【合議体】
【審判長】
吉野 公夫
【審判官】
松川 直樹
【審判官】
近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/099732(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/002508(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源(3)ならびに少なくとも1つの光センサ(31)が前面に実装されているプリント基板(2)と、
前記複数の光源(3)をまとめて側方で周回して取り囲む中空の光誘導ガイド(4;36;41)と、
前記プリント基板(2)上に前記光誘導ガイド(4;36;41)の外側に配置された少なくとも光センサ(31)のためのカバー(6)とを有し、
前記光誘導ガイド(4;36;41)内には窓(34)が配置されており、該窓(34)には、前記カバー(6)と前記光誘導ガイド(4;36;41)との間に形成された中空の光チャネル(35)が接続され、該光チャネル(35)は前記光センサ(31)に案内されている、発光モジュール(1)。
【請求項2】
前記光誘導ガイド(4;36;41)は、少なくとも1つの反射性領域を有する、請求項1に記載の発光モジュール(1)。
【請求項3】
前記窓(34)は、前記光誘導ガイド(4;36)内に形成された切欠である、請求項1又は2に記載の発光モジュール(1)。
【請求項4】
前記光誘導ガイド(41)の少なくとも一部は、透光性の材料から成り、かつ光を通さない層により覆われており、前記窓(34)は、前記光を通さない層にある切抜き部により形成されている、請求項1又は2に記載の発光モジュール(1)。
【請求項5】
前記窓(34)は、前記光誘導ガイド(4;36;41)の前方三分の一の箇所に存在する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項6】
前記窓(34)は、前記光誘導ガイド(4;36;41)の高さ(h)の少なくとも10%から15%の高さ寸法を有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項7】
前記光誘導ガイド(4;36;41)は、中空シリンダ形の基本形状を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項8】
前記光誘導ガイド(36;41)は導電性であり、下方縁部(32)で前記プリント基板(2)に接続されており、前記下方縁部(32)には少なくとも1つの切取り部(40)を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項9】
前記カバーはリングカバー(6)であり、該リングカバー(6)は、前記光誘導ガイド(4;36;41)をリング状に取り囲み、前記光センサ(31)に加えて前記プリント基板(2)上に取り付けられた別の電子デバイス(30)を覆う、請求項1から8までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項10】
前記光誘導ガイド(36;41)は、前記カバー(6)とは別個の構成部材であり、少なくとも2つの部分から組み立てられている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項11】
前記光誘導ガイド(36;41)の隣接する2つの部分は、少なくとも1つの係止ロック部(39)によって互いに結合可能である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項12】
前記窓(34)は、少なくとも1つの係止ロック部(39)によって形成される、請求項4または11に記載の発光モジュール(1)。
【請求項13】
前記光誘導ガイドは前記カバー(6)内に組み込まれている、請求項1から12までのいずれか1項に記載の発光モジュール(1)。
【請求項14】
前記透光性の材料は透明な材料であり、前記光を通さない層は反射性の層である、請求項4記載の発光モジュール(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板を備える発光モジュールに関するものであり、該プリント基板の前面には少なくとも1つの光源、たとえば発光ダイオードならびに少なくとも1つの光センサが実装されている。
【0002】
冒頭に述べた種類の発光モジュールは公知であり、これらの発光モジュールでは、たとえば発光ダイオードから放射された光の輝度および/または色をセンシングするために、発光ダイオードから放射された光が中実の光導体、たとえばプレキシガラス製の光導体によって光センサに案内される。測定値は発光ダイオードの制御のために、たとえば輝度変動を抑制することによる輝度の制御のために使用することができる。しかし中実の光導体の製造は費用を伴うし、発光モジュールの取り付けも中実の光導体が存在するためさらに煩雑になる。
【0003】
本発明の課題は、従来技術の欠点を少なくとも部分的に回避し、発光モジュールから放射される光を、とりわけ簡単かつ安価に発光モジュールの光センサに案内する手段を提供することである。
【0004】
この課題は、独立請求項の特徴によって解決される。好ましい実施形態はたとえば従属請求項に示されている。
【0005】
この課題は、発光モジュールが、前面に少なくとも1つの光源、たとえば発光ダイオードならびに少なくとも1つの光センサが実装されたプリント基板を有し、さらに少なくとも1つの光源を側方で周回して取り囲む中空の光誘導ガイドを有し、さらに、前記プリント基板上に前記光誘導ガイドに対して外側に配置され、少なくとも前記光センサのためのものであるカバーを有し、前記光誘導ガイド内には窓が配置されており、該窓には前記カバー内におよび/または前記カバーに形成された中空の光チャネルが接続され、該光チャネルは光センサに案内されていることによって解決される。中空の光チャネルを使用することにより、別個に形成される光導体を省略することができ、これにより光導体の製造および少なくとも取付け工程が不要になる。むしろ光センサへの光案内は既存の構成部材の適切な構成によって、すなわち製造における付加的コストなしで達成することができる。
【0006】
(1つまたは複数の)光源の光は光誘導ガイドによって、(1つまたは複数の)光源の面から発光モジュールのより高い面、すなわち光出射開口部の面に案内される。これにより電子デバイス(コンデンサ、抵抗、ドライバモジュール等)に対して必要な構造空間をも橋絡することができ、新たなより高い光出射面を規定することができる。こうすればマウント部材(光学素子または光活性素子等)を、新たな光放射面としての光出射開口部の近傍に随意に接近させることができ、これによりカップリング損失が回避される。
【0007】
光誘導ガイドが少なくとも1つの光源を側方で周回して取り囲むことは、光誘導ガイドが光源に対して前方にずらされている場合も含む。すなわち少なくとも1つの光源(より正確には光源の放射面)垂直方向に対して(少なくともわずかな)間隔を有することができる。しかし光損失を回避するためには、光誘導ガイドが光源に対して前方にずらされていない方が好ましい。
【0008】
好ましくは少なくとも1つの光源は少なくとも1つの発光ダイオードを含む。複数の発光ダイオードがある場合、これらの発光ダイオードは同じ色で、または異なる色で発光することができる。色は単色(たとえば赤、緑、青等)または多色(たとえば白)とすることができる。少なくとも1つの発光ダイオードから放射される光は、赤外線光(IR−LED)または紫外線光(UV−LED)とすることができる。複数の発光ダイオードは混合光、たとえば白色混合光を形成することができる。少なくとも1つの発光ダイオードは、少なくとも1つの波長変換蛍光物質(変換LED)を含むことができる。少なくとも1つの発光ダイオードは、少なくとも個々に封止された発光ダイオードの形で、または少なくとも1つのLEDチップの形で存在することができる。複数のLEDチップは1つの共通の基板(サブマウント)上に取り付けることができる。少なくとも1つの発光ダイオードには、少なくとも1つの固有のおよび/または共通の光学系、たとえば少なくとも1つのフレネルレンズやコリメータ等を光線案内のために装備することができる。たとえばInGaNまたはAlInGaPベースの無機発光ダイオードの代わりにまたはそれに加えて、一般的な有機LED(OLED、たとえばポリマーOLED)を使用することもできる。たとえばダイオードレーザを使用することもできる。その代わり少なくとも1つの光源が、たとえば少なくとも1つのダイオードレーザを有することができる。
【0009】
1つの実施形態によれば、光出射開口部の面が少なくとも1つの光源の面に対して平行である。これにより「光インターフェイス」を、(1つまたは複数の)光源が配置されたこの光源の面から主放射方向または光軸の方向で前方に簡単に持ち上げることができる。その代わりに光出射開口部の面を、少なくとも1つの光源の面に対して角度を付けて配置することができる。
【0010】
さらに別の実施形態によれば、光誘導ガイドが実質的に中空シリンダ形の基本形状を有する。この形状はとりわけ簡単に製造し、取り付けることができる。
【0011】
さらに別の実施形態によれば、光誘導ガイドを非導電性材料または誘電性材料から形成することができる。そうすれば、導電性のマウント部材(たとえばアルミニウム反射器)をプリント基板上の導電部分から絶縁することができ、このことはエアギャップおよび沿面距離の遵守を簡単にする。このために光誘導ガイドを、たとえばPC、PMMA、COC、COPのようなプラスチック製またはガラス製とすることができる。
【0012】
窓に接続している光チャネルが少なくとも一部の区間において、一部が光誘導ガイドにより、一部がカバーにより形成されている構成もある。言い替えると、そのような区間では光チャネルによる断面の縁部の一部が光誘導ガイドにより、また一部がカバーにより形成されている。このようにしていっそう複雑に成形された光チャネルでも簡単に形成することもできる。加えてとりわけ小型の構造形態が達成される。
【0013】
窓につながっている光チャネルがまず部分的に光誘導ガイドにより、また部分的にカバーにより形成され、続いてカバーにより覆われた容積体内または内部空間内を延在する構成もある。したがって光センサをカバーの下方に柔軟に位置決めすることができる。
【0014】
光誘導ガイドが少なくとも1つの反射性領域を有する構成もある。たとえば、少なくとも1つの光源に向けられた光誘導ガイドの内側を、たとえば反射性シートの積層または被覆により反射性に構成することができる。できるだけ低損失で光チャネル内を光案内するために、少なくとも1つの反射性領域を光誘導ガイドはその外側にも、たとえば光チャネルを形成する少なくとも1つの領域内に有することができる。
【0015】
光チャネル内においてできるだけ低損失で光を案内するために、カバーも光チャネルを形成する少なくとも1つの領域内で反射性に構成することができる。
【0016】
さらに別の実施形態によれば、光誘導ガイドが前方に向かって広がる(反射性の)内側を有する。この内側はたとえば実質的に円錐台形の輪郭を有することができる。これから、少なくとも1つの光源から放射される光束の照射を視準化することができるという利点が得られ、このことにより狭い角度の分布が生じる。角度勾配(「ドラフト角度」とも称する)αが1°から10°の範囲、とりわけ1°から5°の範囲(上限値を含む)にあると有利であることが判明した。
【0017】
代替の構成では、光誘導ガイドが前方に向かってテーパ状の内側を有し、これはたとえば逆さの円錐台形の輪郭を備える。これから、少なくとも1つの光源から放射される光束の照射を逆視準化することができるという利点が得られ、このことにより狭い角度分布が生じる。角度勾配αが−1°から−10°の範囲、とりわけ−1°から−5°の範囲(上限値を含む)にあると有利であることが判明した。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、光誘導ガイドの内側が光学的に作用する表面構造を有する。たとえば少なくとも1つの光源から放射される光の輝度および/または色に関して、光混合を簡単かつコンパクトなやり方で達成することができる。
【0019】
前記表面構造が波形構造を含むか、または波形構造により形成される実施形態もある。波形構造はたとえば正弦波状の波形構造を含むことができるが、しかしスプラインに基づく形状または他の自由形状さえ含むことができる。波形構造のいわゆる「ピークから谷」角度βが[30°;60°]の範囲にあると有利であることが判明した。替わりのものとして、他の一般的なピーク対谷テクスチャ方式として、たとえば周回するジグザグパターンの形式で使用することもできる。
【0020】
表面構造が粗面化された表面、たとえば等方性または異方性に散乱された表面を含む実施形態もある。これにより、アジマス角および/または極角を基準に調整された光混合が達成できるという利点が得られる。
【0021】
光誘導ガイドの反射表面または内側を全体でまたは部分的に単色または多色に着色することもでき、これにより放出される光の色を着色することができる。
【0022】
光誘導ガイドの反射性の領域たとえば光誘導ガイドの内側は、たとえば被覆またはシートを用いて一般的に鏡面性にまたは拡散反射性に構成することができる。被覆またはシートは、たとえばアルミニウム、銀、誘電性被覆および/またはたとえば硫酸バリウムから成る少なくとも1つの層を有することができる。光誘導ガイドの反射表面たとえば光誘導ガイドの内側も、光学的シート、たとえば高反射性のミラーシートもしくは拡散シート(いわゆる「輝度増強フィルム」、BEF)、またはそのような被覆を有することができ、これにより効率が向上する。
【0023】
さらに窓が光誘導ガイド内に形成された切欠である構成もある。この切欠は貫通していても良く、このことは光の通過の際の光損失を回避する。または窓を、カバーの内部空間または容積体をより良好に保護するために、透光性の、たとえば透明のカバーエレメントにより、窓を覆うことができる。
【0024】
さらに光誘導ガイドが少なくとも部分的に透光性の、たとえば透明な材料から成り、光を通さない、たとえば反射性の層により覆われている構成もあり、この場合、窓は光を通さない層にある切抜き部によって形成されている。反射性層は、透光性材料から成る基体の内側および/またはこの基体の外側に取り付けることができる。
【0025】
さらに窓が、光誘導ガイドの前方三分の一の箇所に存在する構成もある。これにより、より深い配置に比べて光流をより強く分岐することができ、たとえば複数の光源が存在するとき、光流は種々の光源の光でより良好に混合される。ここで光誘導ガイドの前方領域は、下方領域または後方領域よりも少なくとも1つの光源からさらに離れている。言い替えると、光誘導ガイドの前方領域または上方領域は、下方領域または後方領域よりも少なくとも1つの光源からより大きな垂直方向の間隔を有する。
【0026】
さらに窓が、光誘導ガイドの高さの少なくとも10%から15%の高さ寸法を有する別の構成もある。このようにして光センサの機能のために十分な光強度が光センサで準備される。
【0027】
さらに光誘導ガイドが導電性であり、下方縁部にはプリント基板が(直接またはたとえば絶縁リングを介して間接的に)接続されており、この下方縁部に少なくとも1つの切取り部を有する別の構成もある。この切取り部により、電気的な沿面距離の問題を回避することができる。光誘導ガイドは、たとえばアルミニウムの固形物であって良い。
【0028】
前記カバーがリングカバーであり、このリングカバーが光誘導ガイドを少なくとも一部の区間においてリング状に取り囲み、光センサに加えてプリント基板上に取り付けられた別の電子デバイスを覆う構成もある。言い替えると、光誘導ガイドが側方で少なくとも一部の区間において、プリント基板の前面上に配置されたいくつかの電子デバイスのために、リングカバーによって周回して取り囲まれている構成である。特に中央、たとえば少なくとも1つの光源のための、円形の領域を、この周囲から、たとえばリング状の領域から、コンパクトかつ取り付け易いやり方で空間的に分離することができる。
【0029】
さらに光誘導ガイドはカバーとは別個の構成部材であり、少なくとも2つの部分から組み立てられる構成もある。2分割または多分割構造により、複雑な幾何形状でも光誘導ガイドの内側および/または外側に比較的簡単に形成することができる。
【0030】
加えて、光誘導ガイドの隣接する2つの部材が少なくとも1つの係止ロック部によって互いに結合可能である構成である。このようにして取付けを簡単に行うことができる。しかし隣接する部材は他の固定方法によっても互いに結合することができ、その代わりにまたはそれに加えてたとえば接着により結合することができる。
【0031】
さらに光誘導ガイドが透光性の、たとえば透明な材料から成り、かつ光を通さない、たとえば反射性の層により覆われている場合、窓を前記光を通さない層にある切抜き部によって形成することが可能であり、さらに別の実施例ではその窓が少なくとも1つの係止ロック部によって形成される。
【0032】
さらに光誘導ガイドがカバーに組み込まれた構成もある。これにより製造がとりわけ格段に簡単になる。カバーと光誘導ガイドが組み合わされたものの製造は、たとえば多工程の射出成形法によって実施することができる。ここで得られる統合された光導体領域は、機能的に別構造の場合の光誘導ガイドに相当する。
【0033】
発光モジュールが、光出射開口部を介してマウント部材を収容するための少なくとも1つの収容手段を有する構成もある。この収容手段は、たとえば光出射開口部を基準にするマウント部材の位置合わせのために使用することができる。マウント部材の設計をこのような(マウント部材なしの)発光モジュールの設計から実質的に独立して行うことができるようにするために、収容手段はたとえば種々の発光モジュールについても、光出射開口部に対する規定された(標準化された)位置を有することができる。
【0034】
さらに、マウント部材を適切に構成して光出射開口部を基準にして規定の位置で光モジュールに固定することができるようにするため、収容手段が取付けインターフェイスとして構成されている格別な形態もある。取付けインターフェイスはたとえば、バヨネットロック、ねじロック(一般的な回転ロック)、差込みロック等の一部とすることができる。
【0035】
次に、図面を参照しながら本発明について実施例に基づき概略的にいっそう詳しく説明する。ここでは分かりやすくするため、同じ部材または同じ働きをもつ部材には同じ参照符合が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】マウント部材を備えていない本発明の発光モジュールを斜め前方ないしは上方から見た図
【
図3】発光モジュールとその上に取り付け前の状態で描かれたマウント部材の斜視図
【
図4】発光モジュールとその上に取り付け前の状態で描かれたマウント部材を、内側バヨネット式ホルダの領域で拡大して示す部分図
【
図5】光誘導ガイドの窓の領域での
図2からの部分図
【0037】
図1は、マウント部材を備えていない本発明の発光モジュール1を斜め前方ないしは上方から見た図である。
図2は、発光モジュールを断面図として斜視図に示す。
【0038】
発光モジュール1は実質的にディスク形のプリント基板2を有し、プリント基板2の前面の中央領域Zには、発光ダイオード3として複数の光源が実装されている。発光ダイオード3は同種の光を放射することができ、あるいはその輝度および/または色に関して異なるようにすることもできる。十字形のマトリクスパターンに配置された発光ダイオード3に共通の実質的に中空シリンダ形の光誘導ガイド4が、発光ダイオード3を側方で周回して取り囲む。光誘導ガイド4の前方縁部5は、実質的に円形ディスク形の光出射開口部Lの境界を成し、かつ取り囲む。光誘導ガイド4の後方縁部32は、プリント基板2上に絶縁リング33を介して間接的に載置されている。
【0039】
言い替えると、光出射開口部Lは光誘導ガイド4の前側開口部に相当する。中空シリンダ形状のため直線状もしくは平行である内側4aは反射性に構成されており、光源3から放射される光束の角度分布が回転対称であるという利点を有する。
【0040】
さらにプリント基板2では中央領域Zを取り囲む周囲領域Uに、別の電子デバイス30が実装されており、たとえば抵抗、コンデンサおよび/またはたとえばドライバロジック回路の一部としてのロジックデバイスが実装されている。周囲領域Uに存在する別の電子デバイス30の上はリングカバー6によりアーチ状に覆われており、このリングカバー6の後方縁部がプリント基板2上に載置している。リングカバー6は2つのねじ7によって固定されており、プリント基板2上に同じように取り付けられたプラグ29を電気接続するためのプラグブッシング28を有する。
【0041】
リングカバー6は実質的に円形シリンダ形の内壁8(内側周面または内側側壁に対応する)を有し、この内壁8は発光モジュール1の中央領域Z、ひいては光誘導ガイド4をも同心に側方で取り囲む。リングカバー6はさらに実質的に円形シリンダ形の外壁9(外側周面または外側側壁に対応する)を有する。外壁9は、内壁8と同じ高さを有する。内壁8と外壁9の後方縁部をプリント基板2上に載置することができ、それらの前面側縁部はカバー壁10によって結合することができる。ここでカバー壁10は、円形リング形の平坦なプレートとして構成されている。光誘導ガイド4とリングカバー6は別個の構成部材または互いに結合された構成部材であって良く、または互いに組み込むこともできる。
【0042】
リングカバー6の内壁8には、第1の取付けインターフェイスが内側バヨネット式ホルダ11の形で組み込まれている。リングカバー6の外壁9には、第2の取付けインターフェイスが外側バヨネット式ホルダ12の形で組み込まれている。各バヨネット式ホルダ11と12は、それぞれ前方からアクセスされる3重の長手スリット13を有し、この長手スリット13の端部には短い横スリット14が垂直に設けられている。長手スリット13は水平の底部を有し、この底部も位置調整補助部として使用することができる。マウント部材は、バヨネット式ホルダ11または12の一方に適合したバヨネット式ソケットを有することができ、このバヨネット式ソケットは長手スリット13に差し込み可能であり、回転により横スリット14に固定することができる。バヨネット式ホルダとバヨネット式ソケットとを係止するために横スリット14は係止突起を有し、この係止突起の上にバヨネット式ソケットの対応する係止(対向)突起15を移動することができる。
【0043】
光出射開口部L、内壁8および外壁9は同じ高さで閉じている。これによりマウント部材を簡単に、リングカバー6と合わせることができる。言い替えると発光モジュール1は、実質的に平坦な前面を有し、この前面ではリングカバー6と光誘導ガイド4が同一平面上で閉じている。
【0044】
電子デバイス30の1つは、発光ダイオード3から放射された光を、たとえば輝度および/または色について測定するために設けられた光センサ31である。光センサ31に発光ダイオード3から放射された光の一部を供給または照射できるようにするため、光誘導ガイド4には長方形の切抜きの形で窓34が設けられている。光センサ31に関連する発光モジュール1の構成については、
図5から
図7を参照してより詳細に説明する。
【0045】
発光モジュール1は冷却体(図示せず)に、たとえば冷却体の裏側に平坦に載置し、たとえば冷却体の対応する収容部に装着することにより簡単に装着することができる。これによって効率の良い冷却が簡単に得られる。
【0046】
図3には、発光モジュール1とその上に取り付け前の状態で描かれた反射器16の形のマウント部材としての光学素子とが、斜視図で示されている。
図4は、発光モジュールとその上に浮いた反射器16を、内側バヨネット式ホルダ11の領域で拡大して部分図に示す。反射器16はカップ状のたとえばパラボラ形に成形された反射性の内側17を有し、裏側の光入射開口部(図示せず)を、光誘導ガイド4の光出射開口部Lにまたはその近傍に載せることができる。発光モジュール1を固定するために反射器16は、発光モジュール1の内側の(小さい方の)バヨネット式ホルダ11と係合するための後方バヨネット式ソケット18を有する。バヨネット式ソケット18は、バヨネット式ホルダに対して相補的な3つの長手スリット19と横スリット20とを有し、横スリット20内には係止突起15が存在している。同じように、対応するより大きい方のバヨネット式ソケットと対応するより大きな光入射開口部とを備える他のマウント部材も外側のバヨネット式ホルダ12に取り付けることができる。
【0047】
図5は、光誘導ガイド4の窓34の領域における
図2の発光モジュール1の一部を示す。窓34は長方形のブッシングまたは光誘導ガイド4を通る切欠である。すべての発光ダイオード3についてできるだけ多くの情報を確認するために、窓34は光誘導ガイドの前方三分の一の箇所にある。光センサ31に十分に強力な光を入射するため、窓34は光誘導ガイド4の高さhの少なくとも10%から15%の高さ寸法を有する。
【0048】
窓34には、光誘導ガイド4の外側4bに沿って中空の光チャネル35がつながっている。光チャネル35はリングカバー6の上に形成されるか、またはリングカバー6によって形成され、光センサ31に至る。より正確に言えば、光チャネル35は第1の区間35aを有し、この第1の区間35aは窓34につながっていて一部が光誘導ガイド4(たとえばその外側4b)により、一部がリングカバー6(たとえばその内壁8)により形成または制限されている。第1の区間35aは窓34から下方に垂直に第2の区間35bに至っている。第2の区間35bは、リングカバー6により覆われた容積体内に、つまり光センサ31も格納されたリングカバー6の内部空間内に延在している。第2の区間35bは第1の区間35aを光センサ31と光学的に接続する。たとえば吸収による光損失を回避するために、光チャネル35の第1の区間35aおよび/または第2の区間35bを画定する壁を反射性に構成することができる。そうすると、たとえば光誘導ガイド4の外側4bを全体で、または少なくとも光チャネル35の領域で反射性に、たとえば鏡面性に構成することができる。同じようにリングカバー6の内壁8を全体で、または少なくとも光チャネル35の領域で反射性に、たとえば鏡面性に構成することができる。
【0049】
全体として、複数の発光ダイオード3から放射され窓34に入射する光は、光チャネル35の比較的狭い(光学的に少なくとも領域の一部が反射性に構成された)第1の区間35aを通り、続いて光チャネル35のより広い(光学的に少なくとも領域の一部が反射性に構成された)第2の区間35bを通って光センサ31に達することができる。
【0050】
全体として、光センサ31への簡単で安価に実現可能な光案内が達成される。
【0051】
図6は、第2の実施形態による光誘導ガイド36を示す図である。光誘導ガイド36の内側36aには、光誘導ガイド4と同じように光混合を改善するために波状の構造が付与されている。ここで中空シリンダ形の光誘導ガイド36は、明るく示された第1の半部37と暗く示された第2の半部38との2つの部分から組み立てられている。両半部37、38の境を接するまたは隣接する縁部はそれぞれ係止結合または係止接続部39によって係止されている。したがって比較的複雑な表面を有する光誘導ガイド36でも簡単に形成し、簡単に組み立てることができる。ここでは窓は、単に簡単に図示するため描かれていない。
【0052】
光誘導ガイド36が、たとえば導電性被覆されているか、または金属固形物として構成されていて導電性の場合、下方縁部32は、沿面距離による問題を回避するために少なくとも1つの切取り部40を有することができる。
【0053】
図7は、第3の実施形態による光誘導ガイド41を示す。
【0054】
同様に光誘導ガイド41の内側36aは波状の構造を有し、第1の半部42と第2の半部43との2つの部分から統合されている。同様に、両半部42,43の境を接するまたは隣接する縁部は係止接続部39によって係止されている。
【0055】
ここで光誘導ガイド41は、透光性、たとえば透明な材料、たとえばPMMAまたはガラス製の中空シリンダ形の本体部を有する。この本体部の外側41b(その代わりにまたはそれに加えて本体部の内側41a)は、光を通さない、たとえば反射性の層(たとえばBEF層)により覆われている。窓34は、光を通さない層内にある切抜き部により形成され、この切抜き部はここで係止接続部39を空けておく。したがって窓34は係止接続部39により、または係止接続部39に形成される。
【0056】
符号の説明
1 発光モジュール
2 プリント基板
3 発光ダイオード
4 光誘導ガイド
4a 光誘導ガイドの内側
4b 光誘導ガイドの外側
5 光誘導ガイドの前方縁部
6 リングカバー
7 ねじ
8 内壁
9 外壁
10 カバー壁
11 内側バヨネット式ホルダ
12 外側バヨネット式ホルダ
13 長手スリット
14 横スリット
15 係止突起
16 反射器
17 内側
18 バヨネット式ソケット
19 長手スリット
20 横スリット
28 プラグブッシング
29 プラグ
30 電子デバイス
31 光センサ
32 光誘導ガイドの後方縁部
33 絶縁リング
34 窓
35 光チャネル
35a 光チャネルの第1の区間
35b 光チャネルの第2の区間
36 光誘導ガイド
36a 光誘導ガイドの内側
36b 光誘導ガイドの外側
37 光誘導ガイドの第1の半部
38 光誘導ガイドの第2の半部
39 係止接続部
40 切取り部
41 光誘導ガイド
41a 光誘導ガイドの内側
41b 光誘導ガイドの外側
42 光誘導ガイドの第1の半部
43 光誘導ガイドの第2の半部
h 光誘導ガイドの高さ
L 光出射開口部
U プリント基板の周囲領域
Z プリント基板の中央領域