(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係るデータ管理装置を利用した電子会議システムを示す構成図である。
図1の会議システムは、資料データ配布部1、資料データ管理部2、主データ管理部3、フィルタ部4がLAN(Local Area Network)等のネットワーク5に接続している。またネットワーク5には、登録端末10と、複数の端末装置11,12,13…(以下、端末と呼ぶ)を接続している。
【0009】
資料データ配布部1は、会議資料を端末11,12,13…に配布するものであり、資料データ管理部2は、会議毎の資料データを管理する。主データ管理部3は、データ管理装置を構成し、端末11,12,13…で追記したメモ情報(描画データ)を管理する管理サーバである。フィルタ部4は、追記した描画データの表示をフィルタリングするための条件を設定する。尚、フィルタ部4は、主データ管理部3内に構成することもできる。
【0010】
登録端末10は、会議情報を作成して資料データ管理部2に登録する。端末11,12,13…は、PC(ハーソナルコンピュータ)やタブレット端末等の、表示と追記が可能な端末装置である。以下の説明では、端末11,12,13としてタブレット端末装置を用いた例を説明する。
【0011】
また端末11,12,13は、追記データベース21と追記データ管理部22を有している。追記データベース21は、以下、追記DBと呼ぶ。追記DB21と追記データ管理部22は、端末11,12,13内にそれぞれ設けているが、外部にある記憶装置に構成することもできる。
【0012】
図2は、主データ管理部3の主要部のハードウェア構成を示すブロック図である。主データ管理部3は、コントローラであるCPU31、ROM32、RAM33を含む制御部30と、キーボード等の操作入力部34、HDD35等の記憶部及び通信インターフェース(IF)36を備える。CPU31、ROM32、RAM33、操作入力部34、HDD35、通信インターフェース(IF)36は、バスライン37を介して互いに接続している。
【0013】
制御部30は、コンピュータとして機能し、CPU31は、ROM32に記憶したプログラムを読み込んで実行することにより、主データ管理部3の全体を制御し、様々な機能を実現する。RAM33は、各種の可変データや画像データ等を一時的に記憶する。またRAM33は、端末11,12,13で追記した描画データ(後述)等を所定の領域に記憶し管理する。したがって、RAM33は、描画記憶部を構成する。
【0014】
操作入力部34は、ユーザの操作入力を受け付ける。HDD35は、主データ管理部3で処理した各種の情報等を記憶する。通信IF36は、ネットワーク5を介して登録端末10や端末11,12,13との間でデータのやり取り(入出力)を行う。またCPU31は、フィルタ部4で設定したフィルタ条件に従って描画データが追記されたときに、追記した描画データの表示・非表示を制御する。
【0015】
図3は、端末11,12,13のハードウェアの構成を示すブロック図である。
図3では、端末11を代表に説明する。端末11は、CPU41、ROM42、RAM43を含む制御部40と、表示パネル44、HDD47等の記憶部、及び通信インターフェース(IF)48を備える。CPU41、ROM42、RAM43、表示パネル44、HDD47、通信IF48は、バスライン49を介して互いに接続している。
【0016】
CPU41は、ROM42に記憶したプログラムを読み込んで実行することにより端末11の全体を制御し、様々な機能を実現する。RAM43は、各種の可変データや画像データ等を一時的に記憶する。CPU41、ROM42、RAM43を含む制御部40は、
図1の追記データ管理部22に相当する。表示パネル44は、例えばタッチパネルであり、ユーザの操作入力を受け付ける操作入力部45と表示部46を兼ねる。尚、操作入力部45は、ユーザが指でタッチパネルにタッチしたり、タッチペンでタッチすることで各種の入力が可能であるが、操作入力部45は、ボタンやキーであってもよい。
【0017】
HDD47は、追記された描画データ(後述)等を保管する記憶部であり、
図1の追記DB21に相当する。通信IF48は、ネットワーク5を介して、資料データ配布部1、資料データ管理部2、主データ管理部3との間でデータのやり取り(入出力)を行う。端末11は、操作入力部45を介して入力を受け付けることで、主データ管理部3に各種の要求を送信することができる。
以下、実施形態に係る会議システムの動作を説明する。
図4、
図5は、会議システムの概略的な動作を説明するもので、端末11,12,13での会議資料の表示と、メモ情報の追記動作を説明する図である。
【0018】
端末11,12,13は、ネットワーク5に接続すると会議に参加することができ、資料データ管理部2が管理する会議資料を資料データ管理部2からダウンロードすることができる。ここでは、端末11を代表に説明する。ユーザは、端末11の表示パネル44に指Fをタッチすることで画面の選択をしたり、メモ情報の追記を行うことができる。
【0019】
端末11をネットワーク5に接続して会議システムにアクセスすると、
図4に示すように、端末11の表示パネル44には、例えば、共有ボタン51、独立ボタン52が表示される。共有ボタン51は、会議に参加するユーザにそれぞれ共通に配布される資料を選択するものである。共有ボタン51にタッチすると、下位メニューが表示され(図示は省略)、そのメニューから会議名を選択することで、例えば議案1〜議案4で示す項目が表示され、議案を選択することができる。例えば議案1は、複数のページ531〜53nから成る資料データを含む。
【0020】
図5は、端末11に表示された議案1の1ページ目の資料531が表示された例を示す。ユーザが端末11を操作して発表を行う場合は、端末11が発表者端末となる。他の端末12,13も
図5と同様の画面が表示され、例えば議案1を選択して資料531を表示することで、画面を見ながら発表者の説明を受けることができる。このとき端末12,13は、閲覧者端末となる。また
図5において、発表者端末11は指Fを画面にタッチしてメモ情報を追記(描画)することができる。追記したメモ情報(描画データ)は閲覧者端末12,13にも表示される。
【0021】
メモ情報を追記する際は、画面に色選択用の選択ボタン54が表示され、赤、青、緑などの色をユーザが選択することで、発表者は希望する色で追記することもできる。
図5では、例えば「あ」というメモ情報55(描画データ)が追記された例を示している。実際の会議においては、表示された資料531の注目部分を丸で囲ったり、アンダーラインを引いたり、各種のメモを書込むことになるが、説明を分かり易くするため、ここでは、簡略的に「あ」というメモ情報55を追記した例を示す。発表者Aが追記した「あ」というメモ情報は、「―」、「|」、「の」という描画オブジェクトにより構成されており、それらの描画オブジェクトを描画ページという単位で管理する。
【0022】
追記されたメモ情報55は、発表者端末11の追記DB21に保存され、追記データ管理部22によって管理される。また追記されたメモ情報55は、主データ管理部3に送信されて管理される。
【0023】
また発表者端末11や閲覧者端末の12(13)の画面には、例えば、
図5のように引継ぐボタン56と破棄ボタン57が表示され、途中で発表者が変わる際に次の発表者が、引継ぐボタン56と破棄ボタン57のいずれかを選択する。追記されたメモ情報55を引き継いで説明する場合に、閲覧者端末12(13)のユーザは、画面に表示された引継ぐボタン56を選択して発表を引き継ぐ。追記したメモ情報55を破棄して発表する場合は、破棄ボタン57を選択する。
【0024】
以下、実施形態に係る会議システムの動作の詳細を、主データ管理部3と端末11〜13を中心に説明する。
【0025】
先ず、会議システムの概略を説明すると、会議には発表者、閲覧者というユーザが存在する。ここでは、端末11〜13の内、発表者が操作する端末は発表者端末となり、それ以外の端末は閲覧者端末となる。
【0026】
発表者端末には「共有」モードが存在し、閲覧者端末には「共有」と「独立」モードが存在する。「共有」モードの場合、発表者端末が追記した描画データは閲覧者端末に順次反映されるが、閲覧者端末では追記することができない。「独立」モードは、端末がオフライン状態の時にあり、閲覧者端末で追記した描画データは、追記DB21に記憶され、かつ主データ管理部3に蓄積されるが、他の閲覧者端末には反映されない。
【0027】
図1において、登録端末10で作成した会議用の資料データは、資料データ管理部2に送付して管理される。
図6は、資料データ管理部2にて管理する会議情報の一例を示す説明図である。
図6(a)は、会議情報を示し、
図6(b)は、会議情報の詳細を示す。
【0028】
例えば会議情報は、
図6(a)に示すように、会議ID、開催の日時、開始時刻、会議名、管理者の項目を含む。会議の管理者は複数指定可能である。例えば、会議名が「経営会議」の詳細は、
図6(b)に示すように議案1、議案2、議案3と、それぞれの議案の発表者の項目を含む。発表者に関してはデフォルトで設定されてもよい。会議を開始してから発表者権限の取得要求が発生するたびに発表者が変わる。また登録端末10は、各議案1〜3に関する資料も合わせて資料データ管理部2に登録する。
【0029】
端末11,12,13より会議資料の要求を受けると、資料データ配布部1は、端末11,12,13に対して資料データ管理部2のデータを送付する。端末11,12,13には、参加する会議(経営会議、販売会議)を選択する画面が表示され、例えば経営会議を選択すると、
図4に示すように、経営会議の議案1〜4を選択する画面が表示される。さらに、「議案1」を選択すると、
図5に示すように、議案1に関する資料531が表示される。また、
図5で説明したように、発表者は、自身の端末を操作してメモ情報を追記(描画)することができる。
【0030】
図7は、主データ管理部3の制御のもとに、端末11〜13の追記DB21に記憶されるデータの一例を示す説明図である。
図7(a)は、会議ID、議案名、発表者、資料ページ、描画データの項目でなる。例えば、経営会議の議案1で、発表者「社員A」が発表を行い、発表の途中で資料ページ1に「あ」というメモ情報を追記した場合、描画データ「あ」として追記DB21に記憶される。つまり、
図7(a)では、
図5に表示された第1ページの資料531にメモ情報「あ」が追記され、描画データ「あ」として記憶されたことを示す。
【0031】
図7(b)は、発表者が社員Aから社員Xに変わったときに、発表者端末の追記DB21に記憶されるデータの一例を示す。社員Aが発表しているときに、社員Xが発表したいとき、社員X(例えば端末12のユーザ)は、発表の交代を主データ管理部3に要求し、端末12は発表者端末となる。例えば
図5の画面に表示された交代ボタン58にタッチすることで発表者交代のリクエストが主データ管理部3に送られ、社員Xは発表者権限を取得する。
【0032】
交代した発表者「社員X」は、前発表者「社員A」が追記したメモ情報「あ」をそのまま引き継いで発表を行うか、前発表者「社員A」が追記したメモ情報「あ」を破棄して発表するかを選択できる。例えば
図5のボタン56,57のいずれかをタッチする。引継ぐボタン56を選択すると、資料531にメモ情報「あ」が追記された状態のまま表示される。
【0033】
また発表者「社員X」は、資料531に自身のメモ情報を追記することができる。ここで、例えば「か」というメモ情報が追記されると、
図7(b)に示すように、第1ページの資料531にメモ情報「あ」と「か」の両方が追記され、発表者端末12の追記DB21に描画データ「あ」、「か」として記憶される。
【0034】
また、発表者「社員X」が
図5の破棄ボタン57にタッチした場合は、資料531に追記されたメモ情報「あ」は削除され、資料531のみが各端末11〜13の画面に表示される。メモ情報「あ」が消去された資料をもとに発表しているときに、例えば「か」というメモ情報が追記されると、
図7(c)に示すように、発表者端末12の追記DB21には、第1ページの資料531にメモ情報「か」のみが追加され、描画データ「か」として記憶される。尚、発表者「社員A」及び「社員X」が追記したメモ情報「あ」、「か」は、引継ぐボタン56、破棄ボタン57の選択に拘わらず全て主データ管理部3に保存される。
【0035】
図7(d)は、さらに、発表者「社員X」が発表したあと、再び「社員A」が、発表者権限を取得して、「社員X」の追記したメモ情報「か」を引き継いで発表し、新たにメモ情報「い」を追記した例を示す。このとき、発表者端末11の追記DB21には、第1ページの資料531に対してメモ情報「あ」、「か」、「い」が追加され、描画データ「あ」、「か」、「い」として記憶される。
図7(d)のデータは、会議が終了した時点でのリストになる。
【0036】
上述したように、主データ管理部3は、発表者端末からの意志(引継ぐ、破棄)によって、他の参加者の端末に対して、追記したメモ情報を表示又は非表示に設定して資料を表示する。また発表端末で追記したメモ情報は、全て主データ管理部3に保存され、後で閲覧者端末11〜13から要求があれば、資料データとともに提示することができる。
【0037】
図8は主データ管理部3に記憶された発表者データの一例を示す説明図である。
図8の発表者データは、会議ID、議案名、発表者、資料ページ、描画データのほかに、ポインタと全体表示の項目でなる。
【0038】
図8(a)、(b)は、
図7(d)の社員A及び社員Xが追記したメモ情報「あ」、「か」、「い」を、会議システムに繋がっている全体の端末11〜13に表示するか否かを「全体表示」の項目に設定している。「全体表示」の項目が「True」であれば表示し、「False」であれば非表示とする。また「ポインタ」は、描画データが追記された順番を示し、「あ」が最初に追記され、「か」が2番目に追記され、「い」が3番目に追記されたことを示す。
【0039】
つまり、発表者「社員A」が描画したメモ情報「あ」に関しては、主データ管理部3に加えられ、ポインタ1が割り振られ、発表者権限を持つ度にポインタは追加されていく。したがって、発表者「社員X」が描画したメモ情報「か」に関しては、主データ管理部3に加えられ、ポインタ2が割り振られる。
【0040】
図8(a)は、全ての描画データ「あ」、「か」、「い」に対して「True」が設定されているため、それらのメモ情報が全ての端末11〜13に表示される。
図8(b)は、描画データ「あ」、「か」に対しては「True」が設定されているが、「い」に対しては「False」が設定されているため、「あ」、「か」のメモ情報のみが端末11〜13に表示され、「い」のメモ情報は表示されない。
【0041】
図9は、端末11〜13がオフライン状態で資料に追記したときに、追記DB21に記憶されるデータの一例を示している。端末11〜13は、ネットワーク5に接続しないオフライン状態で、前もって入手した資料(例えば531)を画面に表示し、追記することもできる。オフライン状態の端末においては他の端末との接続がないので、端末は「独立」モードになる。ここでは、端末13がオフライン状態であるとする。
【0042】
図9(a)は、会議ID、議案名、発表者、資料ページ、描画データ、ポインタの項目を含む。例えば、オフライン状態の端末13で、「社員W」が資料の1ページ目にメモ情報「さ」と「し」を追記したとすると、描画データ「さ」、「し」が端末13の追記DB21に記憶される。
【0043】
図9(b)は、端末13をネットワーク5に接続して、オンライン状態にしたときの、主データ管理部3に記憶されるデータの一例を示す。端末13がオンライン状態になると、オフライン状態のときに追記DB21に記憶された描画データは、主データ管理部3に追加して記憶される。ポインタは、
図9(b)のように現在保存しているポインタの末尾に追加される。また主データ管理部3がタイマ機能を有していれば、端末13がオンライン状態になった時刻をもとに、ポインタを設定し直しても良い。なお、以上述べた例では、資料のページ1のみにメモ情報の追記を説明したが、当然、資料のページが変わった場合にも同様に追記・管理することができる。
【0044】
また、実施形態の会議システムでは、オフライン状態からオンライン状態になった閲覧者端末に対する表示等を選択することもできる。例えば、閲覧者「社員W」が会議を共有する際に、現在の発表者「社員A」の表示しているメモ情報(描画データ)と同じデータを「社員W」の閲覧端末13で表示する場合、主データ管理部3から全てのポインタを描画データとして取得し、「社員W」の閲覧者端末13に送信する。「社員W」の閲覧者端末13では、上記メモ情報(描画データ)は追記DB21に格納され、「社員W」の閲覧者端末13に保管され、表示される。
【0045】
また、発表者「社員A」から発表者「社員X」に交代した場合に、発表者「社員X」のメモ情報を閲覧する場合は、主データ管理部3から発表者「社員X」のポインタ2に対応するメモ情報のみ描画データとして取得し、「社員W」の閲覧端末13に送信する。閲覧端末13において、上記ポインタ2に対応するメモ情報は、追記DB21に格納され、「社員W」の閲覧者端末13に保管され、表示される。したがって、ユーザ別のメモ情報を閲覧することができる。
【0046】
図10A、
図10Bは、主データ管理部3の処理を説明するフローチャートである。
【0047】
図10Aにおいて、CPU31は動作(Act)A1にて、行数NをN=1に初期化する。CPU31は動作A2で、端末11〜13のいずれかから発表者交代の通知を受ける。例えば「社員A」が操作する端末11から通知を受けると、端末11は発表者端末として機能するようにCPU31は処理する。CPU31は動作A3で、前発表者の追記した描画データを発表者端末11が引き継ぐか否かを判断する。例えば発表者端末11が引継ぐボタン56を選択したとき、即ち、CPU31が発表者端末11から引継ぎ情報を受けた場合(A3のYES)は、動作A4に進み、CPU31は行数NをN+1とする。また発表者端末11が破棄ボタン57を選択したとき、即ち、CPU31が発表者端末11から引継ぎ破棄情報を受けた場合(A3のNO)は、動作A5でN=1にリセットして、動作A6に進む。
【0048】
動作A6でCPU31は、発表者端末11で描画データ(メモ情報)を受信したか否かを判断する。動作A6で描画データを受信したと判断すると(A6のYES)、動作A7でCPU31は、受信した描画データが、発表者権限が付与された端末からの追記によるものか否かを判断する。
【0049】
発表者権限が付与された端末で追記された描画データである場合(A7のYES)、CPU31は動作A8において、例えば描画データ「あ」をRAM33の所定の領域のN行目に記憶する。動作A9ではCPU31は、発表者端末11以外の閲覧者端末12〜13に対して、追記DB21に描画データ「あ」を記憶するとともに表示パネル44に表示するように指示をする。逆に発表者権限のない閲覧者端末で追記したメモ情報は、他の端末には表示されない。或いは、CPU31の制御により、発表者権限のない閲覧者端末ではメモ情報を追記できないよう制御させてもよい。
【0050】
次に
図10Bに移行し、動作A11でCPU31は、RAM33の所定の領域のN行目に記憶した描画データ「あ」に対してポインタを1に設定する。また動作A12でCPU31は、端末12、13から発表者交代の通知、例えば「社員X」が操作する端末12から通知を受けると、端末12は発表者端末として機能する。CPU31は動作A13で、前発表者が追記した描画データを発表者端末12が引き継ぐか否かを判断する。
【0051】
動作A13で描画データを引き継ぐ場合(A13のYES)は、動作A14に進み、CPU31は行数NをN+1として動作A16に進む。また前発表者の描画データを引き継がない場合は、動作A15で発表者端末12の追記DB21をリセットし、動作A16に進む。
【0052】
発表者端末12は、動作A16のタイミングで、例えば描画データ「か」の追記があると、CPU31は描画データ「か」を受信する。次の動作A17でCPU31は、RAM33の所定の領域のN+1行目に描画データ「か」を記憶し、ポインタを2に設定する。動作A18でCPU31は、閲覧者端末12〜13に対して描画データ「か」を表示パネル44に追加表示するように指示をする。また発表者端末12は、動作A18のタイミングで追記DB21に描画データ「か」を追加して記憶する。動作A19でCPU31は、会議が終了か否かを判断し、終了であれば処理を終了し、終了していない場合は、
図10Aの動作A2に進み、以降の動作を繰り返す。
【0053】
図11は、主データ管理部3の動作を説明するフローチャートである。
図11では、発表者「社員A」が閲覧者となったあと、再び発表者になるときの動作の一例を示し、端末11を例にして説明する。
【0054】
動作A21でCPU31は、端末11(「社員A」)から発表者交代の通知を受ける。ここで端末11は発表者端末となる。動作A22において、発表者端末11にて「社員A」が描画データ「あ」を追記すると、CPU31は、発表者端末11から描画データ「あ」の情報を受信する。
【0055】
A23でCPU31は、RAM33の所定の領域に描画データ「あ」を記憶し、ポインタを1に設定する。また動作A24でCPU31は閲覧者端末に、追加された描画データ「あ」が表示されるように指示をする。
【0056】
次の動作A25でCPU31は、他の端末(例えば端末12「社員X」)から発表者交代の通知を受けると、動作A26でCPU31は、端末11を発表者端末から閲覧者端末に変更する。動作A27で閲覧者端末11がオフライン状態となったとすると、CPU31は、閲覧者端末11がオフライン状態になっている旨をRAM33の所定の領域に記憶する。その後、閲覧者端末11が独立モードで、例えば描画データ「い」を追記したとする。閲覧者端末11が再びオンライン状態になると、動作A28でCPU31は、RAM33の所定の領域の“閲覧者端末11がオフライン状態になっている旨”をクリアにし、追記した描画データ「い」をRAM33の所定の領域に追加して記憶するとともに、ポインタを3に設定する。
【0057】
次の動作A29でCPU31は、端末11(「社員A」)から再び発表者交代の通知を受ける。これで端末11は再び発表者端末となる。動作A30でCPU31は、追記した描画データ「い」を他の端末12,13に表示するように指示をする。
【0058】
以上述べた第1の実施形態によれば、端末で追記した描画データを他の端末に対して表示することができる。また前発表者が追記したメモ情報を引き継いで発表を行うか否かを選択することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、発表者が交代する場合、新たな発表者は、前発表者が追記したメモ情報を引き継いで発表するか、破棄して発表するかを、例えば引継ぐボタン56や破棄ボタン57にタッチして選択する例を述べたが、第2の実施形態では、フィルタ部4によって、メモ情報(描画データ)を引き継ぐか、破棄するかを選択するものである。
【0060】
即ち、
図5で示すように、メモ情報を追記する場合は、色選択用の選択ボタン54が表示され、赤、青、緑などの色をユーザが選択することができる。したがって、フィルタ部4において、例えば赤色で追記したときは、前発表者が追記したメモ情報を引き継いで発表を行い、青色で追記したときは、前発表者が追記したメモ情報を破棄して発表を行うというように予め条件を設定することができる。主データ管理部3は、発表者端末で追記したメモ情報の色を判別し、他の閲覧者端末に対して、追記したメモ情報を表示又は非表示に設定して資料を表示する。
【0061】
こうして、追記した描画データの色を選択することによって、前発表者が追記したメモ情報を引き継いで発表を行うか否かを選択することができる。
【0062】
またフィルタ部4において、時間情報をもとに、前発表者が追記したメモ情報を引き継いで発表を行うか、破棄して発表するかの設定を行うこともできる。例えば、会議の開始時刻からの経過時間をタイマでカウントし、前発表者がxx時yy分以前に追記したメモ情報は引き継いで発表を行い、xx時yy分以降に追記されたメモ情報については破棄して発表するように設定することができる。主データ管理部3は、発表者端末により追記された時刻を判断し、閲覧者端末に対して、追記したメモ情報を表示又は非表示に設定して資料を表示する。
【0063】
したがって、第2の実施形態によれば、フィルタ部4の設定条件(追記した色や追記した時の時間)によって追記処理が実行されたとき、実行処理の内容によって他の閲覧者端末に追記したメモ情報を表示したり非表示とすることが可能になる。例えば、時間で区切ることにより、開始10分後に追記した描画データや、終了10分前に追記した描画データ、開始10分から終了前10分までに追記した描画データ、という形で時間別に表示・非表示とすることができる。
【0064】
本実施の形態では装置内部に発明を実施する機能が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等のプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0065】
以上述べた実施形態によれば、会議において発表者が切り替わった場合であっても発表者の意図する描画データを閲覧者に提供することが可能になる。
【0066】
尚、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。