【0013】
前記コンクリート床2の上には、防水シート6が敷設してある。
当該実施形態においては、コンクリート床2の全域に防水シート6が敷設してある状態で、その上に、当該固定台1を設置して、固定対象部材3を固定台1に固定してある例を示している。従って、固定台1を設置した後、その周囲に、防水シート6と固定台1の外周部にわたる状態に立上り防水層7を設置し、その上端部をバンド29で縛ると共に、シール剤30を塗布して雨水の浸入を防止して、固定台設置部分から下方への漏水防止を図っている。
コンクリート床2における固定台設置箇所には、予め、アンカーボルト8が設置してあり、このアンカーボルト8に固定台1が固定されている。
【0020】
前記第2固定具本体13は、略四角筒形状の4つの周側部夫々に切欠き部を形成して、第2固定部10に対する固定操作用の第2開口部26を形成してある。
尚、第2開口部26は、第2固定具本体13の周側部に1箇所以上あれば良い。
前記第2固定具本体13の連結部21は、四角筒の4隅部に位置し、夫々平面視で直交する連結用面部21Aを有して各連結用面部21Aにボルト挿通用丸孔27を形成してある。前記直交する連結用面部21A間に縦長のスリット25を形成して、そのスリット25により、第1固定具本体12に対して第2固定具本体13を傾斜状態で連結する場合に、鉄系材の良好な靭性を利用して、連結用面部21Aが相手の連結用面部21Aになじむように変形を許容できるようにしてある(
図5)。
【0023】
〈1〉 前記第1固定具本体12には、
図6に示すように、外嵌して上下にスライド自在なスライド筒部材28を設け、第1固定部9によるコンクリート床2への固定操作後に、第1開口部16を閉じて、立上り防水層7の立上部分を、このスライド筒部材28の外周面に固定することで、固定台1周囲の防水を行えるようにしてあっても良い。
〈2〉 前記固定枠5を、H形鋼の例で示したが、断面コの字形の溝形鋼やチャンネル材であってもよく、
図7に示すように、H形鋼どうし又は溝形鋼やチャンネル材どうしの連結部を鋼板からなる平板で連結して、第2固定部10に固定する場合は、3本の第2ボルト挿通孔18のうちの外側の2本のものに、夫々ボルト19を挿通して固定する。
〈3〉 前記水切り庇部23は、天蓋部15とは別に形成して第1固定具本体12の周側部に付設してあっても良い。
〈4〉 第1開口部16は、
図10に示すように、その下端部が、底板部14に接する状態に配置してあってもよい。
〈5〉 第1固定具本体12は、横断面四角形以外に、
図10に示すように、横断面8角形のように多角形の筒体であってもよい。
〈6〉 第1固定具本体12及び第2固定具本体13は、
図13に示すように、横断面円形の筒体であってもよく、この場合、第1固定具本体12に設けるスライド筒部材28も円筒形で、周方向に回転させることで(
図13(a)→(b))、第1開口部16を開閉できる第3開口部35を、スライド筒部材28に設けてある。
〈7〉 前記天蓋部15には、
図11に示すように、傾斜を設けてあったり、中央部が盛り上がったムクリ部を形成して(図示せず)、排水性を向上させてあっても良い。
〈8〉
図9(a)、(b)、(c)に示すように、第1固定具本体12に対して、第2固定具本体13を上下、左右、斜めに相対位置、及び、相対姿勢を変更自在にするために、一方の連結部21に、横に長いボルト挿通用長孔22を形成すると共に(
図9では第2固定具本体13に形成)、他の連結部21に、縦に長いボルト挿通用長孔22を形成してもよく(
図9では第1固定具本体12に形成)、第1固定具本体12の連結部21のコーナー部には、排水孔33を設けてある。また、第2固定具本体13には、4つの横側面の内の互いに対向する2側面に連結部21を形成し、他の互いに対向する2側面に、第1縦長孔39を形成した左右一対の第1脚部37を設け、連結部21から第1脚部37の内側で重なるように横方向に延設した第2脚部38を設け、その第2脚部38に、第1縦長孔39と一部が重なる第2横長孔40を形成し、第1縦長孔39と第2横長孔にボルト20を通してナットNをそのボルト20に螺合させて締め付けることで、第2固定具本体13は、剛体になり補強される。つまり、ボルト20とナットNとの締付け操作は、第1固定具本体12の連結部21と第2固定具本体13の連結部21とを連結した後に、行うことで、
図9(c)のように、第1固定具本体12に対する第2固定具本体13の姿勢を、自在に調整した状態(他物を取付下地2に対する高さや相対姿勢を自在に調整して固定する)で補強される。
〈9〉
図9の実施形態の第2固定具本体13の別実施形態として、
図15の構造のように、互いに対向する横側面の内、連結部21を設けた2側面とは別の2側面に第2脚部38を設けると共に、補強のための側板41を別部材として一対設け、その側板41に第1脚部37を設け、第1脚部37に形成した第1縦長孔39と第2脚部38に形成した第2横長孔40とにボルト20を挿通させると共に、上部のボルト挿通孔42にボルト20を挿通させて、夫々のボルト20にナットNを締め付けて、第2固定具本体13の横側面と側板41とを一体に連結して補強ができるようにしてあってもよい。
〈10〉
図12に示すように、第1開口部16は、横断面4角形の第1固定具本体12の各コーナー部に形成してあっても良く、この第1開口部16は、第1固定具本体12の最下端より少し上に配置してあり、第1固定具本体12の下端角部に、剛性を維持して強度を低下させないための立上り淵部36を形成してある。各第1開口部16を通して第1固定部9を、アンカーボルト8とナットNとで固定するために、第1固定部9に立上り淵部36と略同じ高さのナットN受け用の筒体34を配設し、スパナ32によるナットNの回動操作をしやすくしてある。尚、第1固定具本体12には、底板部14を形成する金属板を溶接により一体化させてある。尚、筒体34は、第1固定部9に予め溶接等により一体に取り付けてあってもよい。
〈11〉 第1固定部9に設けた8個の第1ボルト挿通孔17に対しては、取付下地2の状態(特にコンクリート床内の配筋との干渉を避けるべく)や、場所によっては、挿通させるアンカーボルト8を、
図14(a)、(b)、(c)、(d)のように、配置してあっても良い。
〈12〉 外気温が下がる冬季には第一固定部9の外周面が冷やされ、第1固定部9の内面に結露を生じる可能性があるので、これを防水するため、第1固定具本体12の内部空間へ、熱伝導率の低い物質や内部の空気の対流を阻害する物質(例:現場発泡のウレタン
系断熱材)を充填するとよい。
〈13〉 第1固定具9及び第2固定具10の表面を鍍金仕上げとした場合、ボルトで締め付ける連結部21の第1固定具9と第2固定具10間の摩擦係数が低下するため、両固定具9,10が接する面にリン酸亜鉛を塗布するか、又は固くて細かい粒状物を用いたブラスト処理で目荒らしを行うなどして、摩擦係数の向上を図るとよい。