特許第5738360号(P5738360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5738360コンテンツ受信システム、携帯端末、およびコンテンツ受信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738360
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】コンテンツ受信システム、携帯端末、およびコンテンツ受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/454 20110101AFI20150604BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20150604BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
   H04N21/454
   H04N21/436
   H04N5/91 L
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-145973(P2013-145973)
(22)【出願日】2013年7月12日
(62)【分割の表示】特願2012-126692(P2012-126692)の分割
【原出願日】2006年9月27日
(65)【公開番号】特開2013-236389(P2013-236389A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2013年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神牧秀樹
(72)【発明者】
【氏名】伊達哲
(72)【発明者】
【氏名】田中晶
【審査官】 福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−184499(JP,A)
【文献】 特開2005−259045(JP,A)
【文献】 特開2006−101561(JP,A)
【文献】 特開2001−134504(JP,A)
【文献】 特開2005−150956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04N 5/38−5/46
H04N 5/76−5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ受信装置と、使用ユーザを他の携帯端末の使用ユーザと区別可能な識別情報を格納する携帯端末を含むシステムであって、
前記コンテンツ受信装置は、
放送波もしくはネットワークからコンテンツと副コンテンツと受信可能な受信部と、
記受信部で受信したコンテンツ映像及び/または音声を視聴コンテンツとして出力可能な出力部と、
前記副コンテンツを前記携帯端末へ送信可能な通信部を有し、
前記通信部は、前記携帯端末の識別情報に対応した決済に関する情報を前記携帯端末に対し個別に送信可能であり、
前記携帯端末は、
前記コンテンツ受信装置の前記通信部から送信された前記副コンテンツおよび前記決済に関する情報が受信可能な第2の通信部と、
前記第2の通信部で受信した前記決済に関する情報を用いて前記コンテンツの決済に関する処理を行う処理部と、を有する
ことを特徴とするコンテンツ受信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ受信システムであって、
前記携帯端末は蓄積媒体を有し、前記蓄積媒体に前記コンテンツをダウンロード可能であることを特徴とするコンテンツ受信システム。
【請求項3】
放送波もしくはネットワークからコンテンツおよび副コンテンツを受信し該コンテンツの映像及び/または音声を視聴コンテンツとして出力可能なコンテンツ受信装置と通信可能であり、使用ユーザを他の携帯端末の使用ユーザと区別可能な識別情報を格納する携帯端末であって、
前記コンテンツ受信装置から前記識別情報に対応して個別に送信された前記コンテンツの決済に関する情報を受信可能な通信部と、
前記決済に関する情報を用いて前記コンテンツの決済に関する処理を行う処理部と、を有する
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末であって、
蓄積媒体をさらに有し、前記蓄積媒体に前記コンテンツをダウンロード可能であることを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
使用ユーザを他の携帯端末の使用ユーザと区別可能な識別情報を格納する携帯端末と通信可能なコンテンツ受信装置であって、
放送波もしくはネットワークからコンテンツと副コンテンツとを受信可能な受信部と、
前記受信部で受信したコンテンツの映像及び/または音声を視聴コンテンツとして出力可能な出力部と、
前記副コンテンツとコンテンツの決済に関する情報を前記携帯端末へ送信可能な通信部と、を有し、
前記通信部は、前記携帯端末が格納する識別情報に対応して前記決済に関する情報を前記携帯端末に対し個別に送信することにより、前記携帯端末に、前記決済に関する情報を用いて前記視聴コンテンツの決済に関する処理をさせる
ことを特徴とするコンテンツ受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方向放送、たとえばデジタル放送波及び/またはネットワークを介して映像コンテンツを受信するためのコンテンツ受信システム、携帯端末、およびコンテンツ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル化された映像コンテンツを含むストリームは、デジタル放送、または広帯域(ブロードバンド)のネットワーク(例えばFTTH:Fiber to the Home)によって各家庭の受信端末装置に放送または配信されている。このストリームは、テレビジョン番組等の主映像コンテンツの他に、データ放送、商品の宣伝情報(コマーシャル情報)、番組関連情報、字幕データ、電子番組ガイド(EPG)などの種々の副コンテンツを含ませることが可能である。
【0003】
このとき、代表的な受信端末装置であるテレビジョン受像機に主コンテンツと副コンテンツとを同時に表示すると、各コンテンツの表示領域が狭くなり、ユーザは各コンテンツを視認しづらくなる。
【0004】
このような問題を解消すべく、例えば下記特許文献1及び2は、主コンテンツを主受信端末装置に表示させ、副コンテンツを例えば携帯通信機器やリモコン装置などの副受信端末装置に表示させることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-169747号公報
【特許文献2】特開2005-198061公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、副コンテンツとして様々なものがユーザに提供可能となっており、同じ家族であっても各個人が所望する副コンテンツはそれぞれ相違する場合がある。たとえば、副コンテンツとしてコマーシャル情報とデータ放送が提供されている場合、家族のある者はコマーシャル情報を、別の者はデータ放送のニュースを取得したい場合がある。
【0007】
従って、家庭内のテレビジョン受像機などの情報受信端末装置は、家族で共有の主コンテンツを提供するとともに、各個人の好みに応じた副コンテンツを提供して個人毎に視聴可能にすることが好ましい。しかしながら、上記特許文献1及び2には、そのような副コンテンツのパーソナライズ化については考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、その目的は、デジタル放送波及び/またはネットワークを介してコンテンツを受信するシステムにおいて、主コンテンツにとともに送信される副コンテンツをユーザの好みに応じてパーソナライズ化するのに好適な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、コンテンツ受信装置と、使用ユーザを他の携帯端末の使用ユーザと区別可能な識別情報を格納する携帯端末を含むシステムであって、
前記コンテンツ受信装置は、放送波もしくはネットワークからコンテンツと副コンテンツとを受信可能な受信部と、前記受信部で受信したコンテンツの映像及び/または音声を視聴コンテンツとして出力可能な出力部と、前記副コンテンツを前記携帯端末へ送信可能な通信部と、を有し、前記通信部は、前記携帯端末の識別情報に対応した決済に関する情報を前記携帯端末に対し個別に送信可能であり、
前記携帯端末は、前記コンテンツ受信装置の前記通信部から送信された前記副コンテンツおよび前記決済に関する情報が受信可能な第2の通信部と、前記第2の通信部で受信した前記決済に関する情報を用いて前記コンテンツの決済に関する処理を行う処理部と、を有することを特徴とするものである。
【0010】
上記本発明の構成によれば、たとえばテレビジョン番組等の主コンテンツを大画面の主受信端末装置(例えばテレビジョン受像機)により家族で視聴しながら、各個人の手元にある副受信端末装置により、個々の知りたい情報やデータを取得することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、副コンテンツをユーザの好みに応じてパーソナライズ化して各ユーザに対して提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明が適用されるコンテンツ受信システムの一例を示す図。
図2】本発明に係るコンテンツ受信システムの一具体例を示す図。
図3】サブコンテンツ制御受信装置に表示される副コンテンツ選択のためのメニュー画面の一例を示す図。
図4】本発明に係る副コンテンツ取得処理の流れの一例を示す図。
図5】本実施例に係る副コンテンツ取得の一具体例を示す図。
図6】本実施例に係る副コンテンツ取得の別の具体例を示す図。
図7】本実施例に係るシステムの更に別の具体例を示す図。
図8】メインコンテンツ受信装置に保持されるテーブル情報の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0014】
まず、本発明が適用され得るコンテンツ受信端末システムの一例について図1を参照して説明する。図1において、主受信端末装置であるメインコンテンツ受信表示装置100は、ブロードバンドインターネット104を介して、コンテンツ配信装置103から配信されたストリームを受信し、主コンテンツを表示する。ここで、ストリームは、主コンテンツに副コンテンツが多重化されたものとする。またメインコンテンツ受信表示装置100は、放送波受信部201を備えており、これにより地上波デジタル放送、BS/CSデジタル放送、アナログ放送などのテレビジョン放送信号も受信する。テレビジョン放送信号がデジタル放送信号の場合は、上記と同様に主コンテンツと副コンテンツが多重化されたストリームを受信し、そのディスプレイ上に主コンテンツを表示する。ここでは、メインコンテンツ受信表示装置100はテレビジョン受像機であるものとする。また、本実施例では、ブロードバンドインターネット104からのストリーム、及びテレビジョン放送からのストリームの両方を受信可能としているが、いずれか一方を受信可能としてもよい。
【0015】
本実施例において、主コンテンツとは、例えばテレビジョン番組等の動画コンテンツであって、本実施例では、メインコンテンツ受信表示装置100に表示される家族で共通して視聴され得る映像コンテンツのことである。
【0016】
一方、副受信端末装置であるサブコンテンツ制御受信装置A101、およびB102は、メインコンテンツ受信表示装置100が受信したストリームのうち、所望の副コンテンツをメインコンテンツ受信表示装置100から受信してそのディスプレイ上に表示するように構成されている。
【0017】
ここで、副コンテンツとは、例えば、日本語音声、英語音声などの多国語の音声データ、番組の録画予約を行うための電子番組表(以下EPGと称する)、コンテンツ配信装置103から配信される電子コンテンツ表(以下ECGと称する)、及び字幕データ、コマーシャル情報などの付加情報などを含むものとする。また、副コンテンツは、主コンテンツをダウンコンバート(たとえば、HD解像度からSD解像度へ変換)、及び/または符号化変換(たとえば、MPEG−2からMPEG−4への変換)したコンテンツ情報であって、そのコンテンツ情報の特性に応じて著作権保護処理が為された情報のことであってもよい。また、副コンテンツ情報は、サブコンテンツ制御受信装置A101、102がインターネットのサイト閲覧のためのブラウザ機能を有する場合には、インターネット上のホームページのデータ(アドレス情報、URL)やメタデータでも構わない。
【0018】
また本実施例においては、サブコンテンツ制御受信装置A101およびB102は、それぞれ無線ネットワーク(例えば無線LAN等)によりメインコンテンツ受信表示装置100と情報やデータの送受信を行うものとする。当然、無線ネットワークではなく、有線ネットワークであってもよい。またサブコンテンツ制御受信装置は、ユーザの手元に配置可能にするために携帯型(可搬型)とすることが好ましく、そのディスプレイのサイズは、メインコンテンツ受信表示装置100のディスプレイのサイズよりも小さくされている。
【0019】
本実施例では、後述するように、複数のサブコンテンツ制御受信装置A101およびB102は、それぞれ固有の識別情報であるID情報が付与もしくは格納されている。サブコンテンツ制御受信装置A101またはB102が所望の副コンテンツの取得要求を発すると、その取得要求とともにそのサブコンテンツ制御受信装置のID情報がメインコンテンツ受信表示装置100に送信される。メインコンテンツ受信表示装置100は、上記取得要求とID情報とを受信し、取得要求された所望の副コンテンツを受信したID情報とともに外部へ送信する。つまり、メインコンテンツ受信表示装置100は、要求された副コンテンツにID情報を付加して送信する。そしてサブコンテンツ制御受信装置は、メインコンテンツ受信表示装置100からのID情報が付加された副コンテンツを受信し、当該サブコンテンツ制御受信装置内のID情報と副コンテンツとともに受信したID情報とが一致した場合にのみ、当該副コンテンツを取得する。これにより複数のサブコンテンツ制御受信装置A101およびB102は、それぞれのID情報に対応する副コンテンツの表示及び/または音声出力が可能となる。
【0020】
例えば、メインコンテンツ受信表示装置100が、主コンテンツとしての映画の画像データに副コンテンツとしてEPGデータ及び副音声データが多重されたストリームを受信する場合、サブコンテンツ制御受信装置A101は、メインコンテンツ受信表示装置100からEPGデータを受信して表示し、サブコンテンツ制御受信装置B102は、副音声データを受信して音声出力することが可能となる。このとき、メインコンテンツ受信表示装置100は、主コンテンツである映画が表示される。
【0021】
また、サブコンテンツ制御受信装置A101及びB102は、Webサイトの閲覧要求機能を有し、主コンテンツにリンクされたURLなどの情報を元に、Webサイトからの情報を取得することも可能に構成されている。
【0022】
このように、本実施例によれば、リビングルームなどに設置される例えば大画面のテレビジョン受像機で構成されるメインコンテンツ受信表示装置100は、ファミリーユースとして家族全員で映像を楽しむことができる。更に、これと併せて、家族のそれぞれが所有可能なサブコンテンツ制御受信装置で副コンテンツを個人的に楽しむことができる。よって、本実施例によれば、コンテンツ受信端末装置に係る使い勝手が向上するとともに、個人の嗜好に合わせた映像配信サービスの提供が可能となる。
【0023】
さらに本実施例の構成によれば、サブコンテンツ制御受信装置に録画操作画面を表示することもできるので、家族が注目しているメインコンテンツ受信表示装置100の画面に録画操作画面を表示することなく、録画操作することができる。従って、メインコンテンツ受信表示装置100での映像コンテンツの視聴を妨げることなく、個人毎に番組のダウンロードなどの操作を並行し行うことが可能となる。また、サブコンテンツ制御受信装置101A ,101Bの装置機能、たとえば、表示解像度、H.264やMPEG-4などのコンテンツ画像のフォーマットの処理機能の情報、AACやMP3などのオーディオ処理機能の情報を取得し、メインコンテンツ受信装置100は、ターゲットとなるサブコンテンツ制御受信装置101A,101Bの端末情報に対応したサブコンテンツの形式に変換し、所望のコンテンツ情報を提供するのみならず、各々のサブコンテンツ制御受信装置101A,101Bに対応したコンテンツの提供が可能となる。さらに、サブコンテンツ制御受信装置101A,101Bには、サブコンテンツ制御受信装置の固有ID情報による個人の特定も可能となり、パレンタルの制御、コンテンツの購入などの決済権の設定も可能となり、ユーザが安心してコンテンツの視聴が可能となる。
【0024】
次に、図2を参照して本実施例に係るコンテンツ受信システムの一具体例を説明する。本例では、メインコンテンツ受信表示装置100としてテレビジョン受信機を用いる場合を例にして説明する。
【0025】
まず、メインコンテンツ受信表示装置100の具体例について説明する。放送受信制御部309は、例えばテレビジョン放送のチャンネルを選局するためのチューナを含んでおり、リモコン装置への操作によって発生された切替信号に基づいてチャネル選択動作を行う。これにより、所望チャンネルのテレビジョン放送信号(地上波アナログ/デジタル放送信号、BS/CSアナログ/デジタル放送信号)のストリームを受信する。またサブコンテンツ制御受信装置A101、B102とリモコン装置とを兼用するようにしてもよい。この場合、サブコンテンツ制御受信装置A101、B102から送信された、ユーザの指示に基づくチャネル情報は、要求情報入力/送信制御部313にて取得され、コンテンツ分離制御部310においてそのチャンネル情報が解析される。そしてコンテンツ分離制御部310は、解析したチャンネル情報を用いて放送受信制御部309に含まれるチューナの選局制御を行う。これにより、サブコンテンツ制御受信装置A101、またはB102によって、放送波I/F308を介して受信したチャネルの番組を選局することも可能である。
【0026】
また、IP放送受信/通信制御部312は、例えばMPEG−2などによって符号化されたストリームを、例えばブロードバンドインターネットで構成されるネットワークI/F311を介して受信する。このネットワークI/F311は、家庭内の電気機器及び/またはサブコンテンツ制御受信装置A101B102との通信を行うためのホームネットワークと接続されるようにしてもよく、ホームネットワーク及びネットワークI/F311を介してストリームを受信するようにしてもよい。
【0027】
放送受信制御部309及びIP放送受信/通信制御部312で受信されるストリームは、上述したように、動画コンテンツなどの主コンテンツと、字幕データ、EPGデータ、副音声データ、その他番組関連情報等の副コンテンツとを含むものとする。
【0028】
コンテンツ分離制御部310は、放送受信制御部309、及びIP放送受信/通信制御部312で受信したストリームから、主コンテンツと副コンテンツとを分離する。コンテンツ分離制御部310における副コンテンツの分離は、要求情報入力/送信制御部313が取得したサブコンテンツ制御受信装置AB101,B102からの取得要求に応じて実行される。例えば、サブコンテンツ制御受信装置A101が副音声データ(例えば英語音声)を取得するための取得要求を送信した場合、要求情報入力/送信制御部313は該取得要求を受信し、ID情報に基づき、所望のコンテンツデータ形式に変更し、要求情報制御用I/F316及び制御用I/F303を介してCPU301に送信する。
【0029】
CPU301は、メインメモリ302に記憶されたプログラムに従って、上記取得要求がどのような要求であるのかを解析し、その要求に対応した制御情報を生成する。本例では、該取得要求は副音声を取得するための要求であるので、CPU301は、受信ストリームから副コンテンツとして副音声データを分離して抽出するための制御情報を作成し、制御用I/F303を介してコンテンツ分離制御部310に与える。コンテンツ分離制御部310は、該制御情報に応答してメディア処理/表示制御部304にて副音声データを分離して抽出し、コンテンツデータ用I/F314を介して要求情報入力/送信制御部313に供給する。その後、当該副音声データは、要求情報入力/送信制御部313から、例えば赤外線や光変調でデータ通信を行う無線インターフェイス部(メイン)320に供給される。無線インターフェイス部(メイン)320は、供給された副音声データを無線伝送によってサブコンテンツ制御受信装置A101に送信する。
【0030】
ここで、要求情報入力/送信制御部313は、メディア処理/表示制御部304で副コンテンツを圧縮符号化するための符号化制御を行い、要求情報に応じてメディア処理/表示制御部304で分離・抽出された副コンテンツを符号化したコンテンツ情報を、通信パケット化する。無線インターフェイス部(メイン)320は、この符号化されパケット化された副コンテンツを無線でサブコンテンツ制御受信装置に送信する。メディア処理/表示制御部304の符号化部は、音声データのみならず、画像データも圧縮符号化する。
【0031】
またサブコンテンツ制御受信装置A101またはB102は、副コンテンツの取得要求とともに、各サブコンテンツ制御受信装置に固有のID情報を送信する。このID情報は一時的に要求情報入力/送信制御部313に保持される。そして、要求情報入力/送信制御部313は、コンテンツ分離制御部310で分離・抽出されたEPGデータに上記一時的に保持されたID情報を付加して無線インターフェイス部(メイン)320からサブコンテンツ制御受信装置側へ送信する。この詳細については後述する。
【0032】
一方、コンテンツ分離制御部310で受信ストリームから分離された主コンテンツのデータは、コンテンツデータ用I/F314を介してメディア処理/表示制御部304へ供給される。メディア処理/表示制御部304は、ワークメモリ307を用いて所定の画像処理及び音声処理を実行し、主コンテンツの映像データについてはディプレイ305に供給し、音声データについてはスピーカ306に拒給する。これにより、主コンテンツの映像、音声出力が行われる。尚、ディプレイ305は、例えばプラズマディスプレイパネルであってもよく、また液晶パネルであってもよい。
【0033】
またメディア処理/表示制御部304は、コンテンツ分離制御部310で分離・抽出された副コンテンツのデータを処理する機能を有しており、この副コンテンツに所望の画像処理を施した後に、要求情報入力/送信制御部313、無線インターフェイス部(メイン)320に供給するようにしてもよい。この副コンテンツに対する画像処理は、サブコンテンツ制御受信装置A101またはB102からの要求に応じて実行される。例えば、サブコンテンツ制御受信装置A101またはB102から映像フォーマットを変換するための要求がされると、メディア処理/表示制御部304は、副コンテンツの映像フォーマットを変換する。例えば副コンテンツの符号化方式がMPEG−2の場合、それを例えばMPEG−4、もしくはH.264など、サブコンテンツ制御受信装置の能力に応じた映像フォーマットに変換する。
【0034】
HDD315は、コンテンツデータ用I/F314を介してコンテンツ分離制御部310と接続されており、主に、コンテンツ分離制御部310で分離された主コンテンツを記録する。勿論、副コンテンツを記録するようにしてもよいし、前述した映像フォーマット変換のためのワークメモリ307の代わりとして用いてもよい。HDD315での記録動作は、リモコン装置、またはそれと兼用されるサブコンテンツ制御受信装置A101またはB102からの記録要求に応じて実行される。また、HDDに記録された副コンテンツを、要求情報入力/送信制御部313、無線インターフェイス部(メイン)320を介してサブコンテンツ制御受信装置に送信するようにしてもよい。更にまた、HDD315に記録された主コンテンツも同様にしてサブコンテンツ制御受信装置に送信するようにしてもよい。このとき、メディア処理/表示制御部304によって、主コンテンツのフォーマットを、サブコンテンツ制御受信装置の表示フォーマットと適合するように変換して送信してもよい。例えば主コンテンツの映像データが1980×1080の精細度を持ち、サブコンテンツ制御受信装置のディスプレイ411が320×240の解像度を持つ場合は、メディア処理/表示制御部304によって、主コンテンツの精細度をディスプレイ411の解像度と適合するように、すなわち320×240の画素数の信号に変換するようにしてもよい。
【0035】
また、コンテンツ分離制御部310は、有料サービス向けの契約チャンネルや課金の情報、著作権保護のための情報、映像コンテンツの著作権の情報を管理する機能も持つ。そして、そのような管理情報を用い、所望チャンネルのデジタル放送について、ユーザの契約状況などを確認して必要に応じて認証処理、暗号の解読処理等を行う。これにより、ユーザに視聴の権限が与えられたコンテンツの不正コピーを防止し、コンテンツホルダは安心してコンテンツを提供することができる。また、コンテンツ分離制御部310は、副コンテンツの著作権を管理するように構成してもよく、副コンテンツについても不正な利用を防止できる。
【0036】
次に、サブコンテンツ制御受信装置A101、B102の具体例について説明する。図2に示されるように、本実施例では、サブコンテンツ制御受信装置を、A101、B102の2つ使用しており、両方とも(固有のID情報が異なる以外は)同一の機能及び構成を有しているものとする。したがって、以下では、サブコンテンツ制御受信装置A101についてのみ説明するものとする。また、本実施例ではサブコンテンツ制御受信装置を2つとしているが、当然3つでも4つでもよい。更にまた、本例では、サブコンテンツ制御受信装置として携帯電話機を例にして説明する。サブコンテンツ制御受信装置は、ネットワーク機能を有しメインコンテンツ受信表示装置100と制御情報、コンテンツ情報の送受機能を有していれば、携帯ゲーム機などの携帯型機器でも構わない。
【0037】
サブコンテンツ制御受信装置A101は、無線インターフェイス部(サブ)420を備えており、これによりメインコンテンツ受信表示装置100と双方向通信を行う。まず、サブコンテンツ制御受信装置A101からメインコンテンツ受信表示装置100へのデータや情報の送信について説明する。
【0038】
操作部413は、カーソルキー、数字キー、決定キーなどを含むキーボードを備えており、これらのキーの操作により所望の副コンテンツを選択可能とされている。具体的には、副コンテンツの選択は、ディスプレイ411に表示された選択メニューと上記キーボードとを用いて行われる。
【0039】
ユーザが、サブコンテンツ制御受信装置A101に対し、副コンテンツ取得のための指令を入力すると、CPU401は、メインメモリ402に格納されたプログラムに従って、ディスプレイ411に例えば図3に示されるような副コンテンツ選択のためのメニュー画面を表示する。このメニュー画面は、図3に示されるように、副コンテンツの種類を選択するための選択肢であるアイコン450を含んでいる。この例では、アイコン450は5個表示されており、それぞれ「番組表」、「副音声」、「字幕」、「データ放送」、「関連情報」に対応している。
【0040】
「番組表」は上述した電子番組表(EPG)のことであり、例えば新聞に掲載されるテレビ番組欄と同様なフォーマットの番組表が表示される。「副音声」は、例えば第二音声などの他言語による音声であり、例えば日本語が主音声であるならば、英語、中国語による音声が副音声とされる。「字幕」は主コンテンツの音声に同期して提供されるもの字幕データである。「データ放送」は、例えばBML(Broadcast Markup Language)で記述されるデータであり、例えばニュース、株価などの市場情報、天気予報、商品などの広告情報を提供するためのものである。また「関連情報」は、例えば主コンテンツに関連する情報で、例えば主コンテンツがドラマであれば、そのドラマの監督、出演者、そのドラマのWebページ情報(URL)などが含まれる。また主コンテンツがCMであれば、そのCMにて紹介される商品に関する情報、例えばその商品の値段、販売予定日、メーカ、そのメーカのWebページ情報(URL)などが含まれる。ブロードバンドからのコンテンツにおいては、広帯域の通信路を活用し、同一のコンテンツ情報にユーザの年齢層、嗜好に合わせたCM情報の配信も可能となり、メインスポンサーのついたメインCM以外に、端末を所有するユーザに対応したCM情報を
サブコンテンツ制御受信装置A101、B102に提供することも可能となる。
【0041】
ユーザは、サブコンテンツ制御受信装置A101のディスプレイ411上に表示された選択メニュー画面を参照し、5つのアイコン450から所望の種類の副コンテンツを選択する。この選択は、図示しないキーボードのカーソルキーによりカーソル460を所望のアイコン450上に移動し、図示しない決定キーを押すことにより実行される。図3の例では、カーソルは「番組表」のアイコン450に合わせられており、「番組表」が選択されるものとする。尚、本例では、カーソルキーと決定キーによりアイコン450を選択するようにしたが、ディスプレイ411の表示面にタッチパネルを設け、当該表示面を直接的に接触することによってアイコン450を選択するようにしてもよい。この選択メニューは、階層化されており、ユーザの操作履歴を元にカスタマイズ可能であり、キー操作により、選択可能である。
【0042】
所望の副コンテンツが選択されると、CPU401は、その副コンテンツを取得するための取得要求を生成する。本例では、「番組表」が選択されているので、「番組表」を取得するための取得要求を生成する。そしてCPU411は、メインメモリに格納されたサブコンテンツ制御受信装置A101に固有のID情報を読み出し、生成した取得要求とともに制御用I/F404を介して通信制御部405に出力する。勿論、サブコンテンツ制御受信装置B102には、サブコンテンツ制御受信装置A102とは異なるID情報が格納されている。そして通信制御部405は、取得要求にID情報との関連付けを行い、無線インターフェイス部(サブ)420からメインコンテンツ受信表示装置100側へ送信する。尚、本例では、ID情報はメインメモリ402に格納されるものとしたが、CPU401内のRAM等に格納してもよい。また、ID情報には、サブコンテンツ制御受信装置A101、B102の復号化可能な復号方式の種類、ディスプレイ411の解像度などの装置情報、個人を特定するユーザ情報を含んでいる。
【0043】
続いて、メインコンテンツ受信表示装置100からサブコンテンツ制御受信装置A101へのデータや情報の送信について説明する。メインコンテンツ受信表示装置100からは、上述したように、制御受信装置A101から送信されたID情報とともに、取得要求に対応する副コンテンツのパケットデータが送信される。このID情報が付加されたパケットデータは無線インターフェイス部(サブ)420により受信され、通信制御部405に供給される。ここで、通信制御部405は比較部と復号部とを有しており、比較部は、受信パケットデータに付加されたID情報と、サブコンテンツ制御受信装置A101が保持するID情報(メインメモリ402に格納されたID情報)とを比較する。比較の結果、両者が一致しなければ受信パケットを破棄し、一致すれば復号部にて受信パケットの復号処理を行うことにより副コンテンツのデータを再生する。ID情報には、サブコンテンツ制御受信装置固有のID情報に加えて、サブコンテンツ制御受信装置の復号機能の種類、所有するディスプレイの解像度、CPUの性能などの情報、所有するユーザが特定できる電話番号、決済情報なども含んでも構わない。
【0044】
メインコンテンツ受信表示装置100からの副コンテンツのパケットデータは、サブコンテンツ制御受信装置B101でも受信出来るが、当該パケットデータに付加されたID情報(つまりサブコンテンツ制御受信装置A101)とサブコンテンツ制御受信装置B102に格納されたID情報が異なっているので、サブコンテンツ制御受信装置B102では当該パケットデータが破棄される。これによって、サブコンテンツ制御受信装置毎に副コンテンツを取得することができる。
【0045】
通信制御部405にて復号され再生された副コンテンツのデータは、コンテンツデータ用I/F407を介してストリーム制御部408、及びメディア処理/表示制御部409に供給される。メディア処理/表示制御部409は、ワークメモリ410を用いて、副コンテンツの画像データに対し所定の画像処理を行うとともに、音声データに対して所定の音声処理を行う。メディア処理/表示制御部409で画像処理された副コンテンツの画像データは、ディスプレイ411に供給され表示される。一方、音声処理された副コンテンツの音声データは、スピーカ306に供給され、音声出力される。これにより、例えば携帯電話等で構成されたサブコンテンツ制御受信装置A101により副コンテンツを視聴することができる。
【0046】
また、セキュリティ制御部403は、有料サービス向けの契約チャンネルや課金の情報、著作権保護のための情報、映像コンテンツの著作権の情報を管理する機能も持つ。そして、そのような管理情報を用い、所望チャンネルのデジタル放送について、ユーザの契約状況などを確認して必要に応じて認証処理、暗号の解読処理等を行う。これにより、ユーザに視聴の権限が与えられたコンテンツの不正コピーを防止し、コンテンツホルダは安心してコンテンツを提供することができる。サブコンテンツ制御受信装置が携帯電話の場合には、携帯電話の機能を活用し、セキュリティ制御部403にて視聴コンテンツに係る課金、決済処理を行っても構わない。前述のID情報にコンテンツの視聴許可形態を含むことで、サブコンテンツ制御受信端末A101、B102が蓄積メディア(SDカード、小型HDDなど)を有する場合には、ダウンロードも可能となり、メインコンテンツの情報も持ち歩くことが可能となる。
【0047】
上記説明した本実施例に係るコンテンツ受信システムの副コンテンツ取得に関する処理の流れの概要について図4を参照しつつ説明する。図4において、S(ステップ)10〜S13、S16〜S19はサブコンテンツ制御受信装置側の処理であり、S14〜S15はメインコンテンツ受信表示装置100側の処理である。
【0048】
先ずS10において、図3に示された副コンテンツ選択のためのメニュー画面が表示される。ユーザは、S11において、メニュー画面を見ながら所望の副コンテンツの種類に対応するアイコン450を選択する。次にS12において、CPU401は、選択されたアイコン450に対応する副コンテンツの取得要求を生成するとともにID情報をメインメモリ402から読み出す。続いてS13において、通信制御部405は、上記取得要求にID情報を付加し、無線インターフェイス部(サブ)420を介してメインコンテンツ受信表示装置100に送信する。
【0049】
S14において、メインコンテンツ受信表示装置100のコンテンツ分離制御部310は、取得要求に示された副コンテンツの種類、再生可能な復号化の符号化種類、ディスプレイ411の解像度情報、接続許可を得られたサブコンテンツ制御受信装置A101、B102との認証を行い、対応する副コンテンツを受信ストリームから分離して抽出する。尚、上述したように、取得要求に付加されたID情報は、要求情報入力/送信制御部313に一時的に保持されている。その後、要求情報入力/送信制御部313は、その保持したID情報と抽出された副コンテンツを圧縮符号化し、更にパケット化して無線インターフェイス部(メイン)320を介してサブコンテンツ制御受信装置側に送信する。
【0050】
続いてS16において、サブコンテンツ制御受信装置の通信制御部405において、メインコンテンツ受信表示装置100から送信されたパケットデータのID情報と、そのサブコンテンツ制御受信装置のID情報とを比較する。ここで、もし両者が不一致であれば、S17に進み受信パケットデータを破棄する。一致していれば、S18に進み、通信制御部405において副コンテンツを復号化する。最後にS19にて、復号化された副コンテンツをディスプレイ411にて映像出力し、及び/またはスピーカ412にて音声出力する。
【0051】
このように、本実施例によれば、複数のサブコンテンツ制御受信装置毎に副コンテンツを要求、取得して視聴することが可能となるので、副コンテンツのパーソナライズを実現できる。更に、パーソナル化された副コンテンツと主コンテンツとで、家族とともに、また個人別に好みの情報を取得できるので、新しい視聴スタイルの実現が可能となる。
【0052】
尚、本実施例では、図3に示すように1つのメニュー画面を用いて副コンテンツを選択するようにしたが、複数のメニュー画面を階層的に構成し、これにより副コンテンツを選択してもよい。例えばメニュー画面で「データ放送」のアイコンを選択した場合、「データ放送」の種類に対応するアイコンが羅列された(例えば「ニュース」、「市場情報」、「天気予報」等)別のメニュー画面に移行し、その別のメニュー画面により副コンテンツを選択するようにしてもよい。
【0053】
また、無線インターフェイス部は、例えば無線LAN等の無線ネットワークを利用してもよい。
【0054】
次に、本実施例における副コンテンツの取得に係る一具体例について図5を参照しつつ説明する。以下の説明では、ID情報を用いたサブコンテンツ制御受信装置の特定処理は上述したものと同様であるため、その説明は省略する。図5は、ブロードバンドのインターネットを利用したコンテンツ取得の流れの一例を示している。コンテンツ配信装置からは、多国語に対応した映画のコンテンツを含むストリームが提供される。このストリーム500は、主コンテンツとしての映像コンテンツ501と、副コンテンツとしての日本語音声データ502及び英語音声データ503とを含むものとする。
【0055】
サブコンテンツ制御受信装置A101は、映画コンテンツに付随する第2音声データである英語音声データの取得要求505とID情報とをメインコンテンツ受信表示装置100に送信する。メインコンテンツ受信表示装置100は、受信したデータを解析し、英語音声データの要求があることを判断し、ブロードバンドインターネットから受信した映像コンテンツ504から第2音声データである英語音声データ505を分離して抽出し、サブコンテンツ制御受信装置A101のID情報とともにサブコンテンツ制御受信装置A101に送信する。
【0056】
一方、サブコンテンツ制御受信端末B102は、映画コンテンツに付随する字幕データの取得要求506とID情報をメインコンテンツ受信表示装置100に送信する。メインコンテンツ受信表示装置100は、受信したデータを解析し、字幕データの要求があることを判断する。そして、ブロードバンドインターネットから受信した映像コンテンツ504から字幕データ508を分離して抽出し、サブコンテンツ制御受信装置B102のID情報とともにサブコンテンツ制御受信装置B101に送信する。
【0057】
メインコンテンツ受信表示装置100は、主コンテンツである映像コンテンツと日本語音声による視聴環境を提供するとともに、1人または複数以上のユーザからの所望副コンテンツの要求の応じ、副コンテンツを各サブコンテンツ制御受信装置A、B101、102に提供する。
【0058】
これにより、家族で同じ映画タイトルを視聴していても、英語音声データによる視聴、日本語音声データによる視聴等を個人ごとに異なる視聴環境を提供することが可能となる。
【0059】
続いて、本実施例における副コンテンツの取得に係る別の具体例について図6を参照しつつ説明する。以下の説明では、ID情報を用いたサブコンテンツ制御受信装置の特定処理は上述したものと同様であるため、その説明は省略する。図6は、放送波とブロードバンドを利用したコンテンツ取得の流れの一例を示しており、放送波から自動車CMコンテンツコンテンツを視聴する場合の例である。放送波からのストリーム600は、主コンテンツである自動車CMコンテンツ601と、副コンテンツである自動車CMコンテンツに付随する自動車メーカのホームページのURL,価格グレードなどを示す自動車情報602、及びCMソング情報603とを含むものとする。
【0060】
サブコンテンツ制御受信装置A102は、放送波映像コンテンツ情報600に付随する自動車情報602の取得要求605とID情報とをメインコンテンツ受信表示装置100に送信する。メインコンテンツ受信表示装置100は、受信したデータを解析し、自動車情報の要求があることを判断する。そして、ブロードバンドインターネットを介して受信した映像コンテンツ604からWebサイトのURLなどのメタデータ情報を解析し、自動車情報を抽出する。自動車情報は、サブコンテンツ制御受信装置A101のID情報とともにサブコンテンツ制御受信装置A101に送信される。サブコンテンツ制御受信装置A101は、そのURL情報を元に情報提供サーバ610にアクセスし、情報提供サーバ610から所望の価格、グレードなどの自動車情報を取得し表示する。サブコンテンツ制御受信端末装置A101が携帯電話の場合には、携帯網による情報提供サーバ610へアクセスし、情報を入手することも可能である。
【0061】
一方、サブコンテンツ制御受信端末B102は、自動車CMのBGMに関する情報の取得要求606をID情報とともにメインコンテンツ受信表示装置100に送信する。メインコンテンツ受信表示装置100は、受信したデータを解析し、自動車CMコンテンツ601に付随するCMソング情報の要求があることを判断する。そして、放送波からの映像コンテンツ情報600からCMソング情報603を抽出し、サブコンテンツ制御受信装置B102のID情報とともにサブコンテンツ制御受信装置B102に送信する。サブコンテンツ制御受信装置B102は、そのURL情報を元に情報提供サーバ610にアクセスし、情報提供サーバ610から所望のCMソング(BGM)の曲名、アーティスト名、アルバム名などを取得し表示する。サブコンテンツ制御受信端末装置B102が携帯電話の場合には、携帯網による情報提供サーバ610へアクセスし、情報を入手することも可能である。
【0062】
これにより、家族で自動車のCMコンテンツ情報を視聴していても、自動車情報やCMソング情報を個人ごとに取得することが可能となる。よって、従来にない新たなCMの視聴環境を提供することが可能となる。また、リビングの家族で共有するテレビをサブコンテンツ制御受信装置を家族の各ユーザが所有することで、メインコンテンツ情報を中心に、ユーザの嗜好に対応するサブコンテンツ情報で従来と異なる、デジタルライフスタイルが満喫できることを可能とするものである。
【0063】
本実施例の更に別の具体例について図7を参照しつつ説明する。従来においては、放送波やブロードバンドからの番組の視聴中にEPGデータ702を用いた録画予約が可能となっている。この場合、ユーザが操作する画面をテレビジョン受像機の画面と共用化しているため、録画予約の処理の間、画面上に映画コンテンツ701とEPGコンテンツ702が1つの画面で表示される。これに対し本例では、映画コンテンツ701の視聴を継続して行いたい場合に手元のサブコンテンツ制御受信装置A,Bにより副コンテンツであるEPGデータを表示することが可能と為されている。これによりメインコンテンツ受信表示装置100には、大画面の高画質な映像コンテンツのみを表示し続けることが可能となる。
【0064】
映画コンテンツ701を視聴している場合において、サブコンテンツ制御受信装置A101を持つユーザは、EPG画面702を表示し、所望の番組予約の処理を手元で行うことが可能となる。また、サブコンテンツ制御受信装置B102を用いて、別のユーザは、映画コンテンツ701の第2音声情報をヘッドフォン703で視聴することが可能となる。これにより、メインコンテンツ受信表示装置100で主コンテンツを表示しながら、EPGやECGなどのチェックもしくはそれを用いた録画予約などを、ユーザの手元にあるサブコンテンツ制御受信装置で行うことが可能となる。
【実施例2】
【0065】
以上の実施例では、ID情報はサブコンテンツ制御受信装置毎に定められたものであり、各装置を特定できるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、サブコンテンツ制御受信装置がネットワークを介して通信が可能である場合には、ID情報として、サブコンテンツ制御受信装置毎に割り当てられたIPアドレスを用いることも可能である。このIPアドレスは、ローカルなアドレスであってもよいし、インターネットで利用できるグローバルアドレスであってもよい。
【0066】
ID情報としてIPアドレスを利用した実施例について図8を参照して説明する。図8は、メインコンテンツ受信表示装置100に保持されるテーブル情報を示しており、サブコンテンツ受信制御装置A101、102と要求情報、及び各装置のIPアドレスが対応付けられている。要求情報は、EPGデータ、英語音声データ、字幕データ、ECGデータ、WebサイトのURL情報など、副コンテンツの種類を示しており、映像コンテンツ等の主コンテンツに付随するものであればどのようなものであってもよい。そして、これらの要求情報とサブコンテンツ制御受信装置のIPアドレスと予め対応付けることで、メインコンテンツ受信表示端末100は、このテーブルに基づき、所望のコンテンツ情報の提供が可能となる。図8に示されたテーブルは一例であり、IPv6のグローバルアドレス、携帯電話の電話番号など、通信のための装置固有のIDであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、主コンテンツと副コンテンツを含むストリームを受信、それらを分離してメインの表示装置とサブとなる表示装置に分配可能なシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
100…メインコンテンツ受信表示装置、101…サブコンテンツ制御受信装置A、102…サブコンテンツ受信制御装置B、103…コンテンツ配信装置、104…ブロードバンドインターネット、201…放送波受信部、301…CPU、302…メインメモリ、303…制御用I/F、304…メディア処理/表示制御部、305…ディスプレイ、306…スピーカ、307…ワークメモリ、308…放送受信I/F、309…放送受信制御部、310…コンテンツ分離制御部、311…ネットワークI/F、312…IP放送受信/通信制御部、313…要求情報入力/送信制御部、314…コンテンツデータ用I/F、315…HDD、401…CPU、402…メインメモリ、403…セキュリティ制御部、404…制御用I/F、405…通信制御部、406…ネットワークI/F、407…コンテンツデータ用I/F、408…ストリーム制御部、409…メディア処理/表示制御部、410…ワークメモリ、411…ディスプレイ、412…スピーカ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8