(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記の準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンが、電子供与体、共通イオン塩、もしくは共通イオン塩前駆体の存在下で、ルイス酸およびモノマーを開始剤に加えることにより製造される請求項16に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[(a)定義]
別に定義される場合を除き、ここで使用される技術用語および化学用語は、いずれも当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。ここで使用される用語に複数の意味が存在している場合、別に述べられる場合を除き、このセクションに示される定義が優先される。
【0014】
本明細書で使用する「アルカン」は、単結合のみを含むゼロ価の炭化水素を意味する。ある態様では、アルカンが炭化水素直鎖を含む。ある態様では、アルカンが炭化水素分岐鎖を含む。ある態様では、アルカンが環状である。ある態様では、アルカンが1乃至10の炭素原子を含む。ある態様では、アルカンが1乃至8の炭素原子を含む。ある態様では、アルカンが1乃至6の炭素原子を含む。ある態様では、アルカンが1乃至3の炭素原子を含む。ある態様では、アルカンが1もしくは2の炭素原子を含む。ある態様では、アルカンが5もしくは6の炭素原子を含む。ある態様では、アルカンがペンタンである。ある態様では、アルカンがヘキサンである。ある態様では、アルカンが置換されている。
【0015】
本明細書で使用する「アルカリール」は、少なくとも一つのアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル基で置換された一価のアリール基を意味する。
【0016】
本明細書で使用する「アルカリールオキシ」は、式−ORの一価の基を意味し、Rはアルカリールである。
【0017】
本明細書で使用する「アルケニル」は、約2乃至約20の炭素原子を含む一価の炭化水素鎖もしくは基であり、該鎖もしくは基は一つ以上の二重結合を含む。ある態様では、アルケニルが約2乃至約15の炭素原子を含む。ある態様では、アルケニルが約2乃至約10の炭素原子を含む。ある態様では、アルケニルが約2乃至約8の炭素原子を含む。ある態様では、アルケニルが約2乃至約6の炭素原子を含む。ある態様では、アルケニルが約2乃至約3の炭素原子を含む。ある態様では、アルケニルがアリル基である。ある態様では、アルケニルが別の不飽和基と共役する一つ以上の二重結合を含む基である。ある態様では、アルケニルが置換されている。
【0018】
本明細書で使用する「アルコキシ」は、−ORであり、Rはアルキルである。
【0019】
本明細書で使用する「アルキル」は、約1乃至約20の炭素原子を含む一価の炭化水素鎖もしくは基である。ある態様では、アルキルが約1乃至約15の炭素原子を含む。ある態様では、アルキルが約1乃至約10の炭素原子を含む。ある態様では、アルキルが約1乃至約8の炭素原子を含む。ある態様では、アルキルが約1乃至約6の炭素原子を含む。ある態様では、アルキルが約1乃至約3の炭素原子を含む。ある態様では、アルキルが1もしくは2の炭素原子を含む。ある態様では、アルキルが一級である。ある態様では、アルキルが二級である。ある態様では、アルキルが三級である。ある態様では、アルキルがメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、もしくはイソヘキシルである。ある態様では、アルキルがメチル、エチル、n−プロピル、もしくはイソプロピルである。ある態様では、アルキルがメチルである。ある態様では、アルキルがtert−ブチルである。ある態様では、アルキルが炭化水素直鎖である。ある態様では、アルキルが炭化水素分岐鎖である。ある態様では、アルキルが環状である。ある態様では、アルキルが置換されている。
【0020】
本明細書で使用する「アルキニル」は、約2乃至約20の炭素原子を含む一価の炭化水素鎖もしくは基であり、該鎖は一つ以上の三重結合を含む。ある態様では、アルキニルが約2乃至約15の炭素原子を含む。ある態様では、アルキニルが約2乃至約10の炭素原子を含む。ある態様では、アルキニルが約2乃至約8の炭素原子を含む。ある態様では、アルキニルが約2乃至約6の炭素原子を含む。ある態様では、アルキニルが約2乃至約3の炭素原子を含む。ある態様では、アルキニルがプロパルギル基である。ある態様では、アルキニル基が別の不飽和基と共役する一つ以上の三重結合を含む。ある態様では、アルキニルが置換されている。
本明細書で使用する「アミド」は、下記式の化合物である:
【0022】
式中、R
1〜R
3は、それぞれ独立に、水素原子もしくは任意に置換されている炭化水素基である。ある態様では、R
1が水素原子である。ある態様では、R
1が炭化水素基である。ある態様では、R
2が水素原子である。ある態様では、R
2およびR
3が炭化水素基である。ある態様では、アミドがN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0023】
本明細書で使用する「アラルキル」は、少なくとも一つのアリール基で置換された一価のアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル基である。
【0024】
本明細書で使用する「アリール」は、6乃至約30の炭素原子を含む一価の単環もしくは多環の芳香族基である。ある態様では、アリールが単環である。ある態様では、アリールが約6乃至約15の炭素原子を含む。ある態様では、アリールが約6乃至約10の炭素原子を含む。ある態様では、アリールがフルオレニル、フェニル、もしくはナフチルである。ある態様では、アリールがフェニルである。ある態様では、アリールが置換されている。
【0025】
本明細書で使用する「アリールオキシ」は、式−ORを有する一価の基であって、Rはアリールである。
【0026】
本明細書で使用する「カルボカチオン末端ポリオレフィン」は、少なくとも一つのカルボカチオン末端基を含むポリオレフィンである。例としては、下記式の化合物を含むが、これらに限定されない:
【0029】
本明細書で使用する「連鎖末端濃度」は、カルボカチオン末端基および休止している末端基のモル濃度の合計である。単官能開始剤が用いられる場合には、連鎖末端濃度は開始剤濃度にほぼ等しい。多官能開始剤については、開始剤の官能価がxに等しいとすると、連鎖末端濃度は開始剤濃度のx倍にほぼ等しい。
【0030】
本明細書で使用する「共通イオン塩」は、生長するカルベニウムイオンと対イオンとの対の解離を阻害するように、準リビングカルボカチオン性重合条件下において実施される反応に任意に添加されるイオン性塩である。
【0031】
本明細書で使用する「共通イオン塩前駆体」は、準リビングカルボカチオン性重合条件下において実施される反応に任意に添加されるイオン性塩であって、該イオン性塩は、そのままルイス酸と反応することによって、生長連鎖末端のものと同一である対アニオンを生じる。
【0032】
本明細書で使用する「希釈剤」は、液状の希釈用試薬もしくは化合物である。希釈剤は、単一でも、二種類以上の化合物もしくは試薬の混合物であってもよい。希釈剤は反応成分を完全に溶解もしくは部分的に溶解できる。
【0033】
本明細書で使用する「電子供与体」は、別の分子に電子対を供与できる分子である。
【0034】
本明細書で使用する「ハロ」は、ハロゲンである。ある態様では、ハロがF、Cl、Br、もしくはIである。ある態様では、ハロがFである。ある態様では、ハロがClである。ある態様では、ハロがBrである。ある態様では、ハロがIである。
【0035】
本明細書で使用する「ヘテロアリール」は、約5乃至約15の環構成原子を含む一価の単環もしくは多環の芳香族環系であって、少なくとも一つの環構成原子がヘテロ原子である。ある態様では、ヘテロアリールが5乃至約10の環構成原子を含む。ある態様では、ヘテロアリールが5もしくは6の環構成原子を含む。ある態様では、ヘテロアリールが単環である。ある態様では、ヘテロ原子がN、O、もしくはSである。ある態様では、ヘテロアリールが一つのヘテロ原子を含む。ある態様では、ヘテロアリールが1乃至3のN原子を含む。ある態様では、ヘテロアリールが一つのOもしくはS原子および一つもしくは二つのN原子を含む。ある態様では、ヘテロアリールがフリル、イミダゾリル、ピリミジニル、テトラゾリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、キノリニル、もしくはイソキノリニルである。ある態様では、ヘテロアリールがフリルである。ある態様では、ヘテロアリールが置換されている。
【0036】
本明細書で使用する「ヘテロアリールオキシ」は、式−ORの一価の基であって、Rはヘテロアリールである。
【0037】
本明細書で使用する「炭化水素基」は、炭素および水素原子を含む一価の直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状の基であり、ある態様では置換されている。ある態様では、炭化水素基がアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルであって、それぞれは任意に置換されている。ある態様では、炭化水素基が置換されている。ある態様では、炭化水素基が置換されていない。
【0038】
本明細書で使用する「ヘテロサイクリル」は、約3乃至30の環構成原子を含む一価の単環もしくは多環の非芳香族環系であり、少なくとも一つの環構成原子がヘテロ原子である。ある態様では、ヘテロサイクリルが5乃至約10の環構成原子を含む。ある態様では、ヘテロサイクリルが5もしくは6の環構成原子を含む。ある態様では、ヘテロ原子がN、O、もしくはSである。ある態様では、ヘテロサイクリルが単環である。
【0039】
本明細書で使用する「ニトロアルカン」は、RNO
2であって、Rは炭化水素基である。ある態様では、Rがアルキルである。
【0040】
本明細書で使用する「イニファー」は、開始剤と連鎖転移剤との双方として機能する化合物である。ある態様では、イニファーはビニファーもしくはトリニファーである。本明細書で使用する「ビニファー」は、イニファーの二つの別々の部位にて開始および生長が可能であるイニファーである。ある態様では、開始および生長が二つの部位で同時にもしくはほぼ同時に起こる。本明細書で使用する「トリニファー」は、イニファーの三つの別々の部位において開始および生長が可能であるイニファーである。ある態様では、開始および生長が三つの部位で同時にもしくはほぼ同時に起こる。
【0041】
本明細書で使用する「開始剤」は、一もしくは二以上のカルボカチオンもしくはそれらの反応性等価物を供与する化合物である。ある態様では、開始剤は、カルボカチオン性重合においてモノマーを加えることができる一もしくは二以上のカルボカチオンを供与する化合物である。ある態様では、最初に開始剤から一もしくは二以上のカルボカチオンを生成し、引き続き一もしくは二以上のカルボカチオンを、カルボカチオンに加えることができる一もしくは二以上のモノマーと接触させることにより重合反応を実施する。開始剤は、単官能開始剤もしくは多官能開始剤のいずれでもよい。本明細書で使用する「単官能開始剤」は、開始剤当たり相対的に、おおよそ化学量論的に一当量のカルボカチオンを供与する開始剤である。単官能開始剤が用いられる場合、連鎖末端濃度は開始剤濃度にほぼ等しい。本明細書で使用する「多官能開始剤」は、開始剤当たり相対的に、おおよそ化学量論的にx当量のカルボカチオンを供与する開始剤である。ここで、xは開始剤の官能価を表す。多官能開始剤が用いられる場合、開始剤の官能価がxに等しいとすると、連鎖末端濃度は開始剤濃度のx倍に等しい。ある態様では、xが2であり、そして開始剤が二官能開始剤である。
【0042】
本明細書で使用する「開始剤残基」は、一価もしくは多価(すなわち、二価もしくはそれ以上)のポリマーに結合する部分である。ある態様では、開始剤残基が開始剤から誘導され、上記の開始剤は例えば本明細書に記載する開始剤を含む。ある態様では、開始剤残基は、一もしくは二以上のカルボカチオンの生成後に残存し、重合の間に一もしくは二以上のモノマーと結合を形成する部分である。
【0043】
本明細書で使用する「イオン化ポリオレフィン」は、少なくとも一つのカルベニウムイオンを含むポリオレフィンである。ある態様では、イオン化ポリオレフィンは、三級ハロゲン化末端ポリオレフィンもしくはオレフィンを含むポリオレフィンのイオン化によって誘導される。オレフィンを含むポリオレフィンは、例えば、外部オレフィン末端のポリオレフィンおよび内部オレフィン末端のポリオレフィンとを含む。ある態様では、イオン化ポリオレフィンがイニファーから誘導される。
【0044】
本明細書で使用する「ルイス酸」は、電子対を受容できる化学的な存在である。
【0045】
本明細書で使用する「モノマー」は、カルボカチオンと結合して別のカルボカチオンを形成できるオレフィンである。
【0046】
本明細書で使用する「ポリイソブチル基」は、少なくとも二つのイソブチレンモノマー単位を含む一価のポリオレフィン基である。ある態様では、ポリイソブチル基は下記式で表される:
【0048】
式中、RはHもしくは1乃至約10の炭素原子を含むアルキルであり、そしてnは約10乃至約2000の整数である。別の態様では、nが約10乃至約1000である。別の態様では、nが約10乃至約500である。別の態様では、nが約10乃至約250である。別の態様では、nが約10乃至約100である。別の態様では、nが約10乃至約50である。
【0049】
本明細書で使用する「ポリイソブチレン基」は、少なくとも二つのイソブチレンモノマー単位を含む二価のポリオレフィン基である。ある態様では、ポリイソブチレン基が下記式で表される:
【0051】
式中、nは約5乃至約20000の整数である。別の態様では、nが約10乃至約10000である。別の態様では、nが約10乃至約1000である。別の態様では、nが約10乃至約500である。別の態様では、nが約10乃至約250である。別の態様では、nが約10乃至約100である。別の態様では、nが約50乃至約1000である。別の態様では、nが約10乃至約50である。ある態様では、nが少なくとも5、10、25、50、100、250、もしくは500である。
【0052】
本明細書で使用する「ポリオレフィン」は、少なくとも二つのオレフィンモノマー単位を含むポリマーである。ある態様では、ポリオレフィンが約300乃至百万を超えるg/モルの分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが約200乃至10000g/モルの分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが約100000乃至1000000g/モルの分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが200g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが400g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが600g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが800g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが1000g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが5000g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが10000g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが100000g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが500000g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが1000000g/モルを超える分子量を有する。ある態様では、ポリオレフィンが単官能開始剤、二官能開始剤、もしくは多官能開始剤から誘導される。ある態様では、ポリオレフィンがポリイソブチレンである。
【0053】
本明細書で使用する「ポリオレフィン基」は、ポリオレフィン置換基である。ある態様では、ポリオレフィン基がポリイソブチル基もしくはポリイソブチレン基である。
【0054】
本明細書で使用する「準リビングカルボカチオン性ポリオレフィン」は、準リビングカルボカチオン性重合条件下で生成されたカルボカチオン性ポリオレフィンである。
【0055】
本明細書で使用する「準リビングカルボカチオン性重合条件」は、準リビング重合を可能にする条件であり、準リビング重合は最小限の不可逆的連鎖停止および最小限の連鎖転移を伴って進行する重合である。準リビング重合は、開始、進行、そして生長する。ここで、生長(活性)種は、非生長(休止している)重合体連鎖と平衡状態にある。
【0056】
本明細書で使用する「置換(された)」は、一つ以上の置換基の存在を意味する。ある態様では、一つの置換基のみが存在する。
【0057】
本明細書で使用する「テレケリックポリマー」は、官能化された末端基を持つポリオレフィンである。
【0058】
本明細書で使用する「三級ハロゲン化末端ポリオレフィン」は、少なくとも一つの三級ハロゲン化末端基を含むポリオレフィンである。ある態様では、三級ハロゲン化末端ポリオレフィンが下記式を有する:
【0060】
式中、Rはポリオレフィン基であり、そしてXはハロである。ある態様では、三級ハロゲン化末端ポリオレフィンが下記式を有する。
【0062】
[(b)方法]
本発明は、式Iの化合物を塩基と接触させることを含むテレケリックポリマーを製造するための方法を提供する:
【0064】
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;
R
aはポリイソブチレン基であり;
R
xは開始剤残基であり;
rは1乃至4の整数であり;そして、
Xは−Cl、−Br、−I、もしくは−OC(O)Rであって、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、もしくはヘテロアリールである。
【0065】
ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、炭素原子数が1乃至6のアルキル、もしくは炭素原子数が1乃至6のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、炭素原子数が1乃至3のアルキルもしくは炭素原子数が1乃至3のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2がHである。ある態様では、R
1およびR
2の少なくとも一つがHである。ある態様では、R
1およびR
2がtert−ブチルである。
【0066】
ある態様では、rが1乃至3の整数である。ある態様では、rが1もしくは2である。ある態様では、rが1である。
【0067】
ある態様では、rが1であり、R
xが下記式で表される。
【0069】
ある態様では、rが2であって、R
xが下記式で表される:
【0071】
式中、R
cはHもしくはアルキルである。
【0072】
ある態様では、R
xは式(−CR
aR
b)
rR
cを有する。式中、R
aおよびR
bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルである。ただし、R
aおよびR
bの少なくとも一つは、水素原子ではない。R
cは、脂肪族もしくは芳香族の一価もしくはr価を有する多価の基であって、rは1乃至4の整数である。ある態様では、R
cは炭化水素基である。ある態様では、R
cはアリールである。ある態様では、R
cはアルキルである。ある態様では、R
cはフェニルである。ある態様では、rが1である。ある態様では、rが2である。ある態様では、rが3である。ある態様では、rが4である。
【0073】
ある態様では、Xは−Cl、−Br、−I、もしくは−OC(O)Rであって、Rはアルキルである。別の態様では、Rは炭素原子数が1乃至6もしくは1乃至3ののアルキルである。さらに別の態様において、Rがメチルである。ある態様では、Xが−Cl、−Br、もしくは−Iである。ある態様では、Xが−Clである。
【0074】
ある態様では、R
aは下記式で表される:
【0076】
式中、nは1乃至10000の整数である。
【0077】
別の態様では、nが10乃至10000、50乃至10000、100乃至10000、500乃至10000、もしくは1000乃至10000の整数である。別の態様では、nが10乃至5000、50乃至5000、100乃至5000、もしくは500乃至5000の整数である。別の態様では、nが10乃至1000、50乃至1000、100乃至1000、もしくは500乃至1000の整数である。
【0078】
(i)生成物
本発明は前記の生成物もしくは本明細書に記載の方法の生成物も提供する。
【0079】
ある態様では、式Iの化合物が上記の塩基と接触して式IIの化合物を生成する:
【0081】
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;
R
aはポリイソブチレン基であり;そして、
R
xは開始剤残基である。
【0082】
ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、炭素原子数が1乃至6のアルキル、もしくは炭素原子数が1乃至6のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、炭素原子数が1乃至3のアルキルもしくは炭素原子数が1乃至3のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2がHである。ある態様では、R
1およびR
2の少なくとも一つがHである。ある態様では、R
1およびR
2がtert−ブチルである。
【0083】
ある態様では、rが1乃至3の整数である。ある態様では、rが1もしくは2である。ある態様では、rが1である。
【0084】
ある態様では、rが1であって、R
xが下記式で表される。
【0086】
ある態様では、rが2であって、R
xが下記式で表される:
【0088】
式中、R
cはHもしくはアルキルである。
【0089】
ある態様では、R
xは式(−CR
aR
b)
rR
cを有する。式中、R
aおよびR
bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルである。ただし、R
aおよびR
bの少なくとも一つは、水素原子ではない。R
cは、脂肪族もしくは芳香族の一価もしくはr価を有する多価の基であって、rは1乃至4の整数である。ある態様では、R
cは炭化水素基である。ある態様では、R
cはアリールである。ある態様では、R
cはアルキルである。ある態様では、R
cはフェニルである。ある態様では、rが1である。ある態様では、rが2である。ある態様では、rが3である。ある態様では、rが4である。
【0090】
ある態様では、R
aは下記式で表される:
【0092】
式中、nは1乃至10000の整数である。
【0093】
別の態様では、nが10乃至10000、50乃至10000、100乃至10000、500乃至10000、もしくは1000乃至10000の整数である。別の態様では、nが10乃至5000、50乃至5000、100乃至5000、もしくは500乃至5000の整数である。別の態様では、nが10乃至1000、50乃至1000、100乃至1000、もしくは500乃至1000の整数である。
【0094】
(ii)塩基
本明細書に記載の方法では、式Iの化合物を塩基と接触させる。ある態様では、式Iの化合物を塩基と接触させて式IIの化合物を生成させる。別の態様では、式Iの化合物を塩基と反応させて式IIの化合物を生成させる。理論に制限されるものではないが、ある態様では、塩基が式IのXに対するベータ位のプロトンを離脱させ、それによりX基を除いて二重結合を形成する。
【0095】
ある態様では、塩基は水酸化物イオンもしくはアルコキシドイオンを与える。ある態様では、塩基は金属水酸化物もしくは金属アルコキシドである。例としては、K、Ba、Cs、Na、Sr、Ca、Li、Rb、もしくはMgの水酸化物もしくはアルコキシドが含まれる。ある態様では、塩基は金属アルコキシドである。ある態様では、塩基はアルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ金属アルコキシドである。ある態様では、塩基は立体障害がある塩基である。
【0096】
ある態様では、塩基は式−ORのアルコキシドであって、Rはアルキルである。ある態様では、上記のアルキルが1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12の炭素原子数を有する。ある態様では、上記のOがRの二級もしくは三級炭素原子にて結合する。ある態様では、上記のアルコキシドがtert−ブトキシドである。
【0097】
ある態様では、塩基は金属アミドであって、金属アルキルアミドを含むが、それに限定されない。ある態様では、塩基はリチウムジイソプロピルアミドもしくはリチウムジエチルアミドである。ある態様では、塩基は金属カルバニオンである。
【0098】
(iii)反応条件
ある態様では、希釈剤の存在下で上記方法が実施される。本明細書に記載の方法のある態様では、当該方法を希釈剤中で実施する。ある態様では、希釈剤が単一の化合物または二もしくは三以上の化合物の混合物である。ある態様では、希釈剤が完全に反応成分を溶解させるか、部分的に反応成分を溶解させる。ある態様では、希釈剤が完全にもしくはほぼ完全に反応成分を溶解させる。ある態様では、希釈剤が完全に反応成分を溶解させる。ある態様では、希釈剤がほぼ完全に反応成分を溶解させる。
【0099】
ある態様では、希釈剤が低沸点および/または低凝固点を有する。ある態様では、希釈剤がアルカンである。ある態様では、希釈剤が直鎖アルカンである。ある態様では、希釈剤がプロパン、直鎖ブタン、直鎖ペンタン、直鎖ヘキサン、直鎖ヘプタン、直鎖オクタン、直鎖ノナン、もしくは直鎖デカンである。ある態様では、希釈剤が直鎖ヘキサンもしくは直鎖ペンタンである。ある態様では、希釈剤が直鎖ヘキサンである。ある態様では、希釈剤がヘプタンである。ある態様では、希釈剤が分岐アルカンである。ある態様では、上記のアルカンがイソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、もしくは2,3−ジメチルブタンである。ある態様では、上記のアルカンが環状である。ある態様では、上記のアルカンがメチルシクロヘキサンである。ある態様では、希釈剤が混合沸点分画アルカンである。ある態様では、希釈剤がC5アルカンの混合沸点分画、すなわち混合ペンタンであるか、C6アルカンの混合沸点分画、すなわち混合ヘキサンである。ある態様では、上記のアルカンがニトロアルカンである。
【0100】
ある態様では、希釈剤がハロゲン化アルキルである。ある態様では、希釈剤がモノハロゲン化アルキルもしくはポリハロゲン化アルキルである。ある態様では、希釈剤がクロロホルム、塩化エチル、塩化n−ブチル、塩化メチレン、塩化メチル、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、塩化n−プロピル、塩化イソプロピル、1,2−ジクロロプロパン、もしくは1,3−ジクロロプロパンである。ある態様では、希釈剤が塩化メチレンもしくは塩化メチルである。ある態様では、希釈剤が塩化メチルである。ある態様では、希釈剤がアルケンもしくはハロゲン化アルケンである。ある態様では、希釈剤が塩化ビニル、1,1−ジクロロエテン、もしくは1,2−ジクロロエテンである。
【0101】
ある態様では、希釈剤は置換されたベンゼンである。ある態様では、希釈剤はベンゼンである。ある態様では、希釈剤はトルエンである。
【0102】
ある態様では、希釈剤は二硫化炭素、二酸化硫黄、酢酸無水物、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、クロロベンゼン、ニトロアルカン、もしくはN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0103】
ある態様では、希釈剤は二もしくは三以上の化合物の混合物である。ある態様では、希釈剤はヘプタンとN−N−ジメチルホルムアミドとの混合物である。
【0104】
ある態様では、約20乃至200℃の温度で上記方法が実施される。ある態様では、約20乃至150℃の温度で上記方法が実施される。ある態様では約50乃至120℃の温度で方法が実施される。ある態様では、約70乃至120℃の温度で上記方法が実施される。ある態様では、希釈剤もしくは希釈剤混合物の還流における温度で上記方法が実施される。
【0105】
ある態様では、式Iの化合物は、塩基と接触させる際に塩基と反応する。
【0106】
ある態様では、上記方法を30分間、45分間、60分間、もしくは90分間実施する。ある態様では、上記方法を2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12時間実施する。ある態様では、上記方法を24時間実施する。
【0107】
ある態様では、希釈剤混合物および反応温度について一定の組み合わせを採用することによって、望ましいテレケリックポリマー生成物の生成と単離との双方を容易にすることができる。ある態様では、二もしくは三以上の溶剤の希釈剤混合物を採用する。ここで、上記の複数の溶剤は(1)特定の温度において二相溶剤混合物を実現し、かつ(2)短時間(例えば、より高い温度)で単相溶剤混合物に一体化することができるようにする。ある態様では、上記のような希釈剤混合物が非プロトン性の二極性溶剤および非極性溶剤を含む。ある態様では、上記の非プロトン性の二極性溶剤が本明細書に記載の方法の副生成物である塩基および/または塩を溶解することができ、かつ上記の非極性溶剤がテレケリックポリマー生成物を溶解させることができる。ある態様では、上記の非極性溶剤が高い沸点を有する。ある態様では、上記の非極性溶剤が上記の二極性溶剤と室温において混和しないが、より高い温度では混和する。ある態様では、本明細書に記載の方法は、非プロトン性の二極性溶剤および非極性溶剤を含む希釈剤混合物中で、希釈剤混合物を単相にするために充分な温度で実施する。ある態様では、反応系を引き続き冷却して、二相混合物を生成させる。二相混合物における一つの相は上記の非プロトン性の二極性溶剤であり、他方の相は上記の非極性溶剤である。ある態様では、望ましいテレケリックポリオレフィン生成物の質量の大部分が上記の非極性溶剤中に溶解し、かつ上記の塩基および/または塩からなる副生成物の質量の大部分が上記の非プロトン性の二極性溶剤中に溶解する。
【0108】
ある態様では、式Iの化合物は、非プロトン性の二極性溶剤および非極性溶剤を含む希釈剤混合物中で、塩基と接触させる。ある態様では、これを、希釈剤混合物を単相にするために充分な温度で実施する。ある態様では、反応系を引き続き、希釈剤混合物を二相にするために充分な温度まで冷却する。
【0109】
ある態様では、上記の非プロトン性の二極性溶剤がN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、もしくはヘキサメチルホスホロトリアミド(HMPT)である。ある態様では、上記の非プロトン性の二極性溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0110】
ある態様では、上記の非極性溶剤がC5−C12アルカンである。ある態様では、上記の非極性溶剤がヘプタン類、ヘキサン類、オクタン類、もしくはノナン類である。ある態様では、上記の非極性溶剤がヘプタン類である。
【0111】
ある態様では、希釈剤混合物がヘプタン類およびN,N−ジメチルホルムアミドを含む。
【0112】
(iv)式IIIの化合物の合成
ある態様では、式Iの化合物を以下の工程により生成させる:
(a)カルボカチオン性ポリオレフィンを与える工程;そして、
(b)工程(a)のカルボカチオン性ポリオレフィンを一もしくは二以上の式IIIの化合物と接触させる工程:
【0114】
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;そしてXは−Cl、−Br、−I、もしくは−OC(O)Rであって、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、もしくはヘテロアリールである。
【0115】
ある態様では、工程(a)のカルボカチオン性ポリオレフィンを一もしくは二以上の式IIIの化合物と反応させる。
【0116】
ある態様では、工程(a)のカルボカチオン性ポリオレフィンは、準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンである。
【0117】
さらに別の態様では、式Iの化合物を以下の工程により生成させる:
(a)準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンを生成させる工程;そして、
(b)工程(a)の準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンを、ルイス酸もしくはルイス酸の混合物の存在下かつ準リビングカルボカチオン性重合条件下で一もしくは二以上の式IIIの化合物と接触させる工程:
【0119】
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;そして、Xは−Cl、−Br、−I、もしくは−OC(O)Rであって、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、もしくはヘテロアリールである。
【0120】
ある態様では、工程(a)の準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンを、一もしくは二以上の式IIIの化合物と反応させる。
【0121】
ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、炭素原子数が1乃至6のアルキル、もしくは炭素原子数が1乃至6のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、炭素原子数が1乃至3のアルキルもしくは炭素原子数が1乃至3のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2がHである。ある態様では、R
1およびR
2の少なくとも一つがHである。ある態様では、R
1およびR
2がtert−ブチルである。
【0122】
ある態様では、Xは−Cl、−Br、−I、もしくは−OC(O)Rであって、Rはアルキルである。別の態様では、Rは炭素原子数が1乃至6もしくは1乃至3のアルキルである。さらに別の態様では、Rはメチルである。ある態様では、Xは−Cl、−Br、もしくは−Iである。ある態様では、Xは−Clである。
【0123】
(A)イオン化ポリオレフィン
イオン化ポリオレフィンは、当業者に知られている任意の方法で製造することができる。例としては、準リビング条件下で三級ハロゲン化末端ポリオレフィンをルイス酸でイオン化し;プロトン供給源の存在下かつ準リビング条件下で予め生成させておいた末端に不飽和を含むポリオレフィンをルイス酸でイオン化し;そして準リビングカルボカチオン性重合条件下でオレフィンモノマーを重合すること、あるいは「イニファー」重合法を実施することを含むが、これらに限定されない。
【0124】
ある態様では、イオン化ポリオレフィンはカルボカチオン性ポリオレフィンである。ある態様では、上記のカルボカチオン性ポリオレフィンはカルボカチオン末端ポリオレフィンである。ある態様では、上記のカルボカチオン性ポリオレフィンは一もしくは二以上のカルボカチオン末端基を含む。ある態様では、上記のカルボカチオン性ポリオレフィンは一つのカルボカチオン末端基を含む。ある態様では、上記のカルボカチオン性ポリオレフィンは二つのカルボカチオン末端基を含む。ある態様では、上記のカルボカチオン性ポリオレフィンは三つのカルボカチオン末端基を含む。ある態様では、上記のカルボカチオン性ポリオレフィンはカチオン性末端基を伴うポリイソブチルである。ある態様では、上記のカルボカチオン性ポリオレフィンは、下記式の化合物である。
【0126】
(1)準リビング条件下での三級ハロゲン化物からのイオン化ポリオレフィン
ある態様では、イオン化カルボカチオン性ポリオレフィンは準リビング条件下で、三級ハロゲン化末端ポリオレフィンから誘導される。ある態様では、イオン化ポリオレフィンは準リビング条件下で、三級塩化物末端ポリオレフィン、三級臭化物末端ポリオレフィン、もしくは三級ヨウ化物末端ポリオレフィンから誘導される。ある態様では、イオン化ポリオレフィンは準リビング条件下で、三級塩化物末端ポリオレフィンもしくは三級臭化物末端ポリオレフィンから誘導される。ある態様では、イオン化ポリオレフィンは準リビング条件下で、三級塩化物ポリオレフィンから誘導される。
【0127】
三級ハロゲン化末端ポリオレフィンは、当業者に知られている任意の方法で製造することができる。
【0128】
ある態様では、イオン化ポリオレフィンは準リビング条件下で、三級ハロゲン化末端ポリオレフィンをルイス酸に接触させることにより生成する。ある態様では、イオン化ポリオレフィンは準リビング条件下で、三級塩化物末端ポリオレフィン、三級臭化物末端ポリオレフィン、もしくは三級ヨウ化物末端ポリオレフィンをルイス酸に接触させることにより生成する。ある態様では、イオン化ポリオレフィンは準リビング条件下で、三級塩化物末端ポリオレフィンをルイス酸に接触させることにより生成する。
【0129】
ある態様では、三級ハロゲン化末端ポリオレフィンはイニファーから誘導される。
【0130】
(2)予め生成させたポリオレフィンからの準リビング条件下でのイオン化ポリオレフィン
ある態様では、イオン化ポリオレフィンは、予め生成させたポリオレフィンから準リビング条件下で誘導される。ある態様では、予め生成させたポリオレフィは一もしくは二以上の二重結合を含む。ある態様では、予め生成させたポリオレフィンは一つの二重結合を含む。ある態様では、予め生成させたポリオレフィンはポリイソブチレン誘導体である。ある態様では、予め生成させたポリオレフィンは一もしくは二以上の内部オレフィンを含む。
【0131】
ある態様では、イオン化ポリオレフィンはプロトン供給源の存在下かつ準リビング条件下で、ルイス酸を予め生成させたポリオレフィンに接触させることにより生成する。ある態様では、イオン化ポリオレフィンはプロトン供給源の存在下かつ準リビング条件下で、一もしくは二以上の二重結合を含む予め生成させたポリオレフィンをルイス酸に接触させることにより生成する。ある態様では、イオン化ポリオレフィンはプロトン供給源の存在下かつ準リビング条件下で、一つの二重結合を含む予め生成させたポリオレフィンをルイス酸に接触させることにより生成する。ある態様では、イオン化ポリオレフィンはプロトン供給源の存在下かつ準リビング条件下で、ポリイソブチレン誘導体をルイス酸に接触させることにより生成する。ある態様では、イオン化ポリオレフィンはプロトン供給源の存在下かつ準リビング条件下で、一もしくは二以上の内部および/または外部オレフィンを含む予め生成させたポリオレフィンをルイス酸に接触させることにより生成する。
【0132】
(3)イニファー法によるイオン化ポリオレフィン
ある態様では、イオン化ポリオレフィンは、当業者に知られている方法を用いてイニファーから誘導される。そのような方法の例は、米国特許第4276394号および同第4568732号に記載されているが、それらには限定されない。各特許の記載は、参照記載として本明細書の記載とする。ある態様では、モノマーはカチオン性重合条件下で、少なくとも二つの三級ハロゲン原子を伴うイニファーと反応させる。
【0133】
本明細書に記載の方法において使用するのに適したイニファーの例は、米国特許第4276394号および同第4568732号に開示されているイニファーであるが、それらには限定されない。各特許の記載は、参照記載として本明細書の記載とする。ある態様では、イニファーはビニファーもしくはトリニファーである。ある態様では、イニファーはビニファーである。ある態様では、イニファーはトリニファーである。ある態様では、イニファーは、塩化トリクミル、塩化p−ジクミル、塩化m−ジクミル、1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)−5−tert−ブチルベンゼン、もしくは臭化トリクミルである。
【0134】
(4)準リビングカルボカチオン性重合条件下でのオレフィン性モノマーからのイオン化ポリオレフィン
ある態様では、イオン化ポリオレフィンは準リビングカルボカチオン性重合条件下で、オレフィン性モノマーから誘導される。そのような条件下で、準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンが生成する。そのような条件は、当業者に知られている任意の方法により決められる。そのような方法の例は、EP206756B1号およびWO2006/110647A1号に記載されているが、それらには限定されない。各公報の記載は、参照記載として本明細書の記載とする。
【0135】
ある態様では、モノマー、開始剤およびルイス酸が用いられる。ある態様では、電子供与体、共通イオン塩、および/または共通イオン塩前駆体が用いられる。ある態様では、イオン化ポリオレフィンは、下記式の準リビングカルボカチオン性ポリイソブチレンである。
【0137】
準リビングポリオレフィンを生成する重合に適した試薬および条件の例を以下に記載するが、それらには限定されない。
【0138】
a)開始剤
ある態様では、開始剤は、カチオン性オレフィン重合を開始することができる一つもしくは一つ以上の末端基を伴う化合物もしくはポリオレフィンである。例えば、開始剤は式(X’−CR
aR
b)
nR
cの化合物である。式中、R
aおよびR
bは、独立に水素原子、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルである。ただし、R
aもしくはR
bの少なくとも一つは水素原子ではない。R
cは脂肪族もしくは芳香族の一価もしくはn価である多価の基であって、nは1乃至4の整数である。X’は、アセテート、アルコキシ、ヒドロキシル基、もしくはハロゲン原子である。ある態様では、R
a、R
bおよびR
cが1乃至約20の炭素原子を含む炭化水素基である。ある態様では、R
a、R
bおよびR
cが1乃至約8の炭素原子を含む炭化水素基である。ある態様では、X’がハロゲン原子である。ある態様では、X’が塩素原子である。ある態様では、R
a、R
bおよびR
cの構造が生長種もしくはモノマーに類似する。ある態様では、そのような構造は、ポリスチレンに対する1−ハロ,1−フェニルエタン開始剤もしくはポリイソブチレンに対する2−ハロ−2,4,4−トリメチルペンタン開始剤である。ある態様では、R
a、R
bおよびR
cはイソブチレン重合の開始のためには、それぞれ1乃至約8の炭素原子を含む炭化水素基である。ある態様では、上記の開始剤がハロゲン化クミル、ジクミルもしくはトリクミルである。
【0139】
開始剤の例は、2−クロロ−2−フェニルプロパン(塩化クミル);1,4−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン(塩化p−ジクミル);1,3,5−トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン(塩化トリクミル);2−アセトキシ−2−フェニルプロパン(酢酸クミル);2−プロピオニルオキシ−2−フェニルプロパン(プロピオン酸クミル);2−メトキシ−2−フェニルプロパン(クミルメチルエーテル);1,4−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン(p−ジクミルメトキシド);1,3,5−トリ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン(トリクミルメトキシド);2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン(TMPCl);1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン;2,6−ジクロロ−2,4,4,6−テトラメチルヘプタン;および1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)−5−tert−ブチルベンゼン(bDCC)を含む。
【0140】
ある態様では、開始剤は単官能、二官能、もしくは多官能である。
【0141】
ある態様では、上記の単官能開始剤は、2−クロロ−2−フェニルプロパン、2−アセトキシ−2−フェニルプロパン、2−プロピオニルオキシ−2−フェニルプロパン、2−メトキシ−2−フェニルプロパン、2−エトキシ−2−フェニルプロパン、2−アセトキシ−2,4,4−トリメチルペンタン、2−プロピオニルオキシ−2,4,4−トリメチルペンタン、2−メトキシ−2,4,4−トリメチルペンタン、2−エトキシ−2,4,4−トリメチルペンタン、もしくは2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタンである。ある態様では、上記の開始剤が2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタンである。
【0142】
ある態様では、上記の二官能開始剤は、1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)−5−tert−ブチルベンゼン、1,3−ジ(2−メトキシ−2−プロピル)−5−tert−ブチルベンゼン、2,6−ジクロロ−2,4,4,6−テトラメチルヘプタン、もしくは2,6−ジメトキシ−2,4,4,6−テトラメチルヘプタンである。ある態様では、上記の開始剤は、1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)−5−tert−ブチルベンゼンもしくは2,6−ジクロロ−2,4,4,6−テトラメチルヘプタンである。ある態様では、上記の開始剤は1,3−ジ(2−クロロ−2−プロピル)−5−tert−ブチルベンゼンである。
【0143】
ある態様では、上記の多官能開始剤は、1,3,5−トリ(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリ(2−ブロモ−2−プロピル)ベンゼン、もしくは1,3,5−トリ(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼンである。
【0144】
b)モノマー
ある態様では、モノマーは炭化水素モノマー、すなわち水素原子および炭素原子のみを含む化合物であって、オレフィンおよびジオレフィン、並びに約2乃至約20の炭素原子を有するものを含むが、それらに限定されない。ある態様では、それらの化合物は約4乃至約8の炭素原子を有する。
【0145】
ある態様では、本明細書に記載する方法を、そのようなモノマーの重合に用いて、均一な分子量の様々なポリマーを生成することができる。ある態様では、そのような分子量は、約300乃至100万g/モルを超える。ある態様では、そのようなポリマーは、約200乃至10000g/モルの分子量を有する低分子量の液体もしくは粘性ポリマー、または約100000乃至1000000g/モル以上の分子量を有する固形ワックス状から可塑性あるいは弾性に至るまでの物質である。
【0146】
ある態様では、モノマーはイソブチレン、スチレン、ベータピネン、イソプレン、ブタジエン、あるいは以上述べた種類の置換化合物である。ある態様では、モノマーはイソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、もしくはスチレンである。ある態様では、モノマーはイソブチレンである。
【0147】
ある態様では、モノマーの混合物が用いられる。
【0148】
c)ルイス酸
ある態様では、ルイス酸が非プロトン酸である。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化金属もしくはハロゲン化非金属である。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化金属である。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化チタン(IV)、ハロゲン化亜鉛(II)、ハロゲン化スズ(IV)、あるいはハロゲン化アルミニウム(III)である。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化チタン(IV)である。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化スズ(IV)である。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化アルミニウム(III)である。ある態様では、ルイス酸は四臭化チタンもしくは四塩化チタンである。ある態様では、ルイス酸は四塩化チタンである。ある態様では、ルイス酸は塩化亜鉛である。ある態様では、ルイス酸はAlBr
3である。ある態様では、ルイス酸は二塩化エチルアルミニウムである。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化非金属である。ある態様では、ルイス酸はハロゲン化アンチモン(V)、ハロゲン化ガリウム(III)、あるいはハロゲン化ホウ素(III)である。ある態様では、ルイス酸は三塩化ホウ素である。ある態様では、ルイス酸はトリアルキルアルミニウム化合物である。ある態様では、ルイス酸はトリメチルアルミニウムである。
【0149】
ある態様では、一つのルイス酸が用いられる。ある態様では、二つ以上のルイス酸の混合物が用いられる。ある態様では、二つのルイス酸の混合物が用いられる。ある態様では、ハロゲン化アルミニウム(III)とトリアルキルアルミニウム化合物との混合物が用いられる。ある態様では、ハロゲン化アルミニウム(III)対トリアルキルアルミニウム化合物が約1:1の化学量論的な比率で用いられる。ある態様では、ハロゲン化アルミニウム(III)対トリアルキルアルミニウム化合物が2:1の化学量論的な比率で用いられる。ある態様では、ハロゲン化アルミニウム(III)対トリアルキルアルミニウムが1:2の化学量論的な比率で用いられる。ある態様では、ハロゲン化アルミニウム(III)対トリアルキルアルミニウムの化学量論的な比率が1よりも大きい。ある態様では、ハロゲン化アルミニウム(III)対トリアルキルアルミニウムの化学量論的な比率が1未満である。ある態様では、三臭化アルミニウムとトリメチルアルミニウムとの混合物が用いられる。
【0150】
ある態様では、ルイス酸はハロゲン化アルキルアルミニウムである。ある態様では、ルイス酸は臭化メチルアルミニウムである。
【0151】
ある態様では、ルイス酸を一度に添加する。ある態様では、ルイス酸を一よりも多い数で分割して添加する。ある態様では、ルイス酸を二度に分割して添加する。ある態様では、ルイス酸の第1分割分を重合反応において添加し、そして式Iの化合物の添加後にルイス酸の第2分割分を添加する。
【0152】
d)電子供与体
当業者に理解されているように、ある種の電子供与体は従来の重合系を準リビングカルボカチオン性重合系に変換できる。ある態様では、本明細書に記載する方法を電子供与体の存在下で実施する。
【0153】
ある態様では、電子供与体はルイス酸と錯体を形成できる。ある態様では、電子供与体は塩基および/または求核性である。ある態様では、電子供与体はプロトンを引き抜く、もしくは離脱させることができる。ある態様では、電子供与体は有機塩基である。ある態様では、電子供与体はアミドである。ある態様では、電子供与体はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN,N−ジエチルアセトアミドである。ある態様では、電子供与体はスルホキシドである。ある態様では、電子供与体はジメチルスルホキシドである。ある態様では、電子供与体はエステルである。ある態様では、電子供与体は酢酸メチルもしくは酢酸エチルである。ある態様では、電子供与体はホスフェート化合物である。ある態様では、電子供与体はリン酸トリメチル、リン酸トリブチル、あるいはリン酸トリアミドヘキサメチルである。ある態様では、電子供与体は酸素含有金属化合物である。ある態様では、電子供与体はチタン酸テトライソプロピルである。
【0154】
ある態様では、電子供与体はピリジンもしくはピリジン誘導体である。ある態様では、電子供与体は下記式の化合物である:
【0156】
式中、R
1A、R
1B、R
1C、R
1D、およびR
1Eは、それぞれ独立に、水素原子もしくは炭化水素基であり;あるいはR
1AおよびR
1B、もしくはR
1BおよびR
1C、もしくはR
1CおよびR
1D、もしくはR
1DおよびR
1Eは独立に約3乃至約7の炭素原子を含む縮合脂肪族環もしくは約5乃至約7の炭素原子を含む縮合芳香族環を形成する。ある態様では、R
1AおよびR
1Eは、それぞれ独立に、炭化水素基であり、そしてR
1B〜R
1Dは水素原子である。
【0157】
ある態様では、電子供与体は2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2−メチルピリジン、もしくはピリジンである。ある態様では、電子供与体はN,N−ジメチルアニリンもしくはN,N−ジメチルトルイジンである。ある態様では、電子供与体は2,6−ルチジンである。
【0158】
e)共通イオン塩およびイオン塩前駆体
ある態様では、共通イオン塩もしくは塩前駆体は、電子供与体に加えて、もしくはそれに代えて、反応混合物に任意に添加できる。ある態様では、そのような塩はイオン強度を増加させ、遊離イオンを抑制するために使用できる。ある態様では、共通イオン塩前駆体は塩化テトラn−ブチルアンモニウムである。ある態様では、共通イオン塩前駆体は臭化テトラn−ブチルアンモニウムである。ある態様では、共通イオン塩前駆体はヨウ化テトラn−ブチルアンモニウムである。ある態様では、全反応混合物中の共通イオン塩もしくは塩前駆体の濃度を、リットル当たり約0.0005モル乃至リットル当たり約0.05モルの範囲にすることができる。ある態様では、共通イオン塩もしくは塩前駆体の濃度はリットル当たり約0.0005モル乃至リットル当たり約0.025モルの範囲である。ある態様では、共通イオン塩もしくは塩前駆体の濃度はリットル当たり約0.001モル乃至リットル当たり約0.007モルの範囲である。
【0159】
f)希釈剤
準リビング重合は、希釈剤の存在下で実施する。ある態様では、希釈剤は単一の化合物もしくは二種類以上の化合物の混合物である。ある態様では、希釈剤は反応成分を完全に溶解させるか、あるいは反応成分を部分的に溶解させる。ある態様では、希釈剤は反応成分を完全にもしくはほぼ完全に溶解させる。ある態様では、希釈剤は反応成分を完全に溶解させる。ある態様では、希釈剤は反応成分をほぼ完全に溶解させる。
【0160】
ある態様では、希釈剤が低沸点および/または低凝固点を有する。ある態様では、希釈剤はアルカンである。ある態様では、希釈剤は直鎖アルカンである。ある態様では、希釈剤はプロパン、直鎖ブタン、直鎖ペンタン、直鎖ヘキサン、直鎖ヘプタン、直鎖オクタン、直鎖ノナン、もしくは直鎖デカンである。ある態様では、希釈剤は直鎖ヘキサンもしくは直鎖ペンタンである。ある態様では、希釈剤は直鎖ヘキサンである。ある態様では、希釈剤は直鎖ヘプタンである。ある態様では、希釈剤は分岐鎖状アルカンである。ある態様では、アルカンはイソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、もしくは2,3−ジメチルブタンである。ある態様では、アルカンは環状である。ある態様では、アルカンはメチルシクロヘキサンである。ある態様では、希釈剤は混合沸点分画アルカンである。ある態様では、希釈剤がC5アルカンの混合沸点分画、すなわち混合ペンタン、もしくはC6アルカンの混合沸点分画、すなわち混合ヘキサンである。ある態様では、アルカンはニトロアルカンである。
【0161】
ある態様では、希釈剤はハロゲン化アルキルである。ある態様では、希釈剤はモノハロゲン化アルキルもしくはポリハロゲン化アルキルである。ある態様では、希釈剤はクロロホルム、塩化エチル、塩化n−ブチル、塩化メチレン、塩化メチル、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、塩化n−プロピル、塩化イソプロピル、1,2−ジクロロプロパン、もしくは1,3−ジクロロプロパンである。ある態様では、希釈剤は塩化メチレンもしくは塩化メチルである。ある態様では、希釈剤は塩化メチルである。ある態様では、希釈剤はアルケンもしくはハロゲン化アルケンである。ある態様では、希釈剤は塩化ビニル、1,1−ジクロロエテン、もしくは1,2−ジクロロエテンである。
【0162】
ある態様では、希釈剤は置換ベンゼンである。ある態様では、希釈剤はベンゼンである。ある態様では、希釈剤がトルエンである。
【0163】
ある態様では、希釈剤は二硫化炭素、二酸化硫黄、酢酸無水物、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、メチルシクロヘキサン、クロロベンゼン、ニトロアルカン、もしくはN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0164】
ある態様では、希釈剤は二種類以上の化合物の混合物である。ある態様では、希釈剤はヘキサンと塩化メチルとの混合物である。別の態様では、そのような混合物のヘキサン/塩化メチルの容量比は約10/90乃至約90/10である。別の態様では、そのような混合物のヘキサン/塩化メチルの容量比は約20/80乃至約80/20である。別の態様では、そのような混合物のヘキサン/塩化メチルの容量比は約30/70乃至約70/30である。別の態様では、そのような混合物のヘキサン/塩化メチルの容量比は約40/60乃至約60/40である。別の態様では、そのような混合物のヘキサン/塩化メチルの容量比は約50/50である。別の態様では、そのような混合物のヘキサン/塩化メチルの容量比は約60/40である。別の態様では、そのような混合物のヘキサン/塩化メチルの容量比は約40/60である。
【0165】
g)準リビング重合温度
準リビング重合は、約−120℃乃至約0℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−110℃乃至約−10℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−100℃乃至約−20℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−90℃乃至約−30℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−80℃乃至約−40℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−70℃乃至約−40℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−60℃乃至約−40℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−40℃、−50℃、−60℃、−70℃、もしくは−80℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−40℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−50℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−60℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−70℃の温度で実施される。ある態様では、本明細書に記載する方法は約−80℃の温度で実施される。
【0166】
h)濃度
本明細書に記載する方法の連鎖末端濃度は、開示されている例に限定されない。本明細書に記載する方法における連鎖末端濃度は明確な上限を有していないように思われ、本明細書に記載する方法は、反応成分の密度および分子量(モル容積)により課せられる本質的な制限を条件として、任意の連鎖末端濃度で実施できる。
【0167】
ある態様では、式Iの化合物のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1乃至約10倍である。ある態様では、式Iの化合物のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1.1乃至約8倍である。ある態様では、式Iの化合物のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1.1乃至約5倍である。ある態様では、式Iの化合物のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1.1乃至約4倍である。ある態様では、式Iの化合物のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1.1乃至約3倍である。ある態様では、式Iの化合物のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1.1乃至約2倍である。
【0168】
ある態様では、ルイス酸のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約0.5乃至約20倍である。ある態様では、ルイス酸のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約0.5乃至約15倍である。ある態様では、ルイス酸のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1.0乃至約10倍である。ある態様では、ルイス酸のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約1.0乃至約8倍である。ある態様では、ルイス酸のモル濃度は連鎖末端のモル濃度に対して約2乃至約5倍である。
【0169】
ある態様では、電子供与体濃度はルイス酸の濃度に対して半分未満である。ある態様では、電子供与体濃度はルイス酸の濃度に対して0.4倍未満である。ある態様では、電子供与体濃度はルイス酸の濃度に対して0.3倍未満である。ある態様では、電子供与体濃度はルイス酸の濃度に対して0.2倍未満である。ある態様では、電子供与体濃度はルイス酸の濃度に対して0.1倍未満である。
【0170】
ある態様では、連鎖末端濃度は0.010M未満である。ある態様では、連鎖末端濃度は0.050M未満である。ある態様では、連鎖末端濃度が0.10M未満である。ある態様では、連鎖末端濃度は0.5M未満である。ある態様では、連鎖末端濃度は1.0M未満である。ある態様では、連鎖末端濃度は0.001Mより大きな値である。
【0171】
i)停止剤
本明細書に記載の方法で使用する停止剤は、ルイス酸を不活性化できる化合物である。ある態様では、停止剤はルイス酸を分解するか、あるいは化合物のルイス酸としての性質を破壊する。ある態様では、停止剤は塩基および/または求核性である。ある態様では、停止剤は有機塩基である。ある態様では、停止剤は電子供与体である。ある態様では、停止剤は生長ポリマーを増大させることなく、その末端を封止する。
【0172】
本明細書に記載の方法では、一もしくは二以上の停止剤を望ましい時間で加えて、重合反応中に存在するルイス酸を不活性化することができる。ある態様では、クエンチング剤の添加後に、一もしくは二以上の停止剤を加えることができる。例えば、ある態様では、式Iの化合物は、モノマーの重合を望ましい時間だけ進行させ、次に式IIIの化合物を加えて生長ポリマーを官能基化し、さらに停止剤を加えてルイス酸を不活性化することにより得られる。
【0173】
ある態様では、上記の停止剤はアルコールもしくはアミンである。ある態様では、上記の停止剤はピリジン誘導体である。停止剤の例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくは水を含むが、これらには限定されない。ある態様では、上記の停止剤はピリジン誘導体である。ある態様では、上記の停止剤はメタノールである。ある態様では、上記の停止剤は、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、n−ブチルアミン、もしくはtert−アミルアミンである。
【0174】
[化合物]
本発明は式IIの化合物を提供する:
【0176】
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;
R
aはポリイソブチレン基であり;そして、
R
xは開始剤残基である。
【0177】
ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、H、炭素原子数が1乃至6のアルキル、もしくは炭素原子数が1乃至6のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2は、それぞれ独立に、炭素原子数が1乃至3のアルキルもしくは炭素原子数が1乃至3のアルコキシである。ある態様では、R
1およびR
2がHである。ある態様では、R
1およびR
2の少なくとも一つがHである。ある態様では、R
1およびR
2がtert−ブチルである。
【0178】
ある態様では、rが1乃至3の整数である。ある態様では、rが1もしくは2である。ある態様では、rが1である。
【0179】
ある態様では、rが1であり、R
xが下記式で表される。
【0181】
ある態様では、rが2であり、R
xが下記式で表される:
【0183】
式中、R
cはHもしくはアルキルである。
【0184】
ある態様では、R
xは式(−CR
aR
b)
rR
cを有する。式中、R
aおよびR
bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル、アリール、アルカリール、もしくはアラルキルである。ただし、R
aおよびR
bの少なくとも一つは水素原子ではない。R
cは脂肪族もしくは芳香族の一価もしくはr価を有する多価の基であって、nは1乃至4の整数である。ある態様では、R
cが炭化水素基である。ある態様では、R
cがアリールである。ある態様では、R
cがアルキルである。ある態様では、R
cがフェニルである。ある態様では、rが1である。ある態様では、rが2である。ある態様では、rが3である。ある態様では、rが4である。
【0185】
ある態様では、R
aが下記式で表される:
【0187】
式中、nは1乃至10000の整数である。
【0188】
別の態様では、nは10乃至10000、50乃至10000、100乃至10000、500乃至10000、もしくは1000乃至10000の整数である。別の態様では、nは10乃至5000、50乃至5000、100乃至5000、もしくは500乃至5000の整数である。別の態様では、nは10乃至1000、50乃至1000、100乃至1000、もしくは500乃至1000の整数である。
【0189】
ある態様では、化合物の分子量は1.0×10
3乃至1.0×10
5g/モルあるいは1.0×10
3乃至1.0×10
4g/モルである。ある態様では、上記の分子量が1.0×10
3乃至3.0×10
3g/モルあるいは2.0×10
3乃至3.0×10
3g/モルである。
【0190】
ある態様では、化合物の多分散指数は、1.6未満、1.5未満、1.4未満、1.3未満、1.2未満、1.1未満、あるいは1.05未満である。
【0191】
上記の実施態様と実施例は単に例示を意図しており、本発明は、それらの実施例および実施態様には限定されない。例えば、ここに記載した主題の範囲に含まれるものとして、ここに記載した実施態様の全ての組み合わせがある。加えて、当業者は、ここに記載した実施態様と実施例の修正について、通常の実験を行うまでもなく、認識もしくは確認することができるであろう。そのような修正は、請求項の主題の範囲に含まれるとみることができ、添付の特許請求の範囲に包含されている。
【実施例】
【0192】
二工程の合成によりポリイソブチレンビニルエーテル高分子を製造した。この二工程は、1)TiCl
4触媒を用いる準リビングイソブチレン重合を(2−クロロエトキシ)ベンゼンで末端クエンチングする工程、および2)引き続いてカリウムtert−ブトキシドで脱塩酸する工程を含むものであった。
【0193】
重合およびクエンチング反応は、乾燥N
2雰囲気のグローブボックス中で実施した。ヘキサン(185ml)および塩化メチル(280ml)を70℃まで冷却し、lリットルの丸底反応フラスコに入れた。この40/60(v/v)のヘキサン/塩化メチル補助溶剤混合物に、4.20gの2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン(TMPCI)および0.33mlの2,6−ルチジンを加えた。2300g/モルの最終的な分子量を目標にして、反応器に84.8mlのイソブチレンを加えた。熱平衡に到達した後、0.93mlの四塩化チタン(TiCl
4)で重合を開始させた。完全にモノマーが転化した(約48分)後、7.84mlの(2−クロロエトキシ)ベンゼンを、追加の5.28mlのTiCl
4と共に反応器に加え、(2−クロロエトキシ)ベンゼンのアルキル化の速度を増加させた。3時間後、メタノールを加えて過剰なTiCl
4を壊した。塩化メチルを蒸発させ、次にポリマーを含むヘキサン層をメタノール層から分離し、水で2回洗浄した。さらに、ポリマーをヘキサンからメタノールに移して沈澱させた。最後に、ポリマーをヘキサン中に取り出し、水でもう一度洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、残存する溶剤を吸引除去した。
【0194】
第2の重合後工程は、上記の(2−クロロエトキシ)フェニルでキャップしたポリイソブチレンの脱塩酸である。ヘプタン(200ml)を用いて、60gのp−(2−クロロエトキシ)ポリイソブチルベンゼンを溶解した。この混合物に、同容量のN,N−ジメチルホルムアミド(200ml)を加えた。14.6gのカリウムtert−ブトキシドを加えた後、反応系を加熱して、単相になるまで還流した。1時間後、PIBは定量的に脱塩酸された。反応混合物を冷却し、相分離するまで放置した。ポリマーを含むヘプタン層を、脱イオン化水で3回洗浄した。次に、ポリマー溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、残存する溶剤を吸引除去した。ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)および光散乱分析(100%の質量の回収を仮定)は、概算で2.7×10
3g/モルの数平均分子量(M
n)を示し、重合/クエンチング後(脱塩酸前)の多分散指数(PDI)は1.23であった。脱塩酸後、M
nは概算で2.6×10
3g/モルであり、PDIは1.23であった。ポリイソブチレンビニルエーテル高分子の
1H NMRスペクトルを
図1に示す。
本発明に包含されうる諸態様は、以下のように要約される。
[1].
式Iの化合物を塩基と接触させることを含むテレケリックポリマーを製造するための方法:
[化1]
式中、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;
Raはポリイソブチレン基であり;
Rxは開始剤残基であり;
rは1乃至4の整数であり;そして、
Xは−Cl、−Br、−I、もしくは−OC(O)Rであって、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、もしくはヘテロアリールである。
[2].
R1およびR2がHである上記[1]項に記載の方法。
[3].
Xが−Clである上記[1]項に記載の方法。
[4].
上記の塩基が金属水酸化物もしくは金属アルコキシドである上記[1]項に記載の方法。
[5].
上記の塩基がMORであって、Mがナトリウムもしくはカリウムであり、RがHもしくはアルキルである上記[4]項に記載の方法。
[6].
上記のOがRの二級もしくは三級炭素原子にて結合する上記[5]項に記載の方法。
[7].
上記の塩基がカリウムtert−ブトキシドである上記[5]項に記載の方法。
[8].
式Iの化合物が上記の塩基と接触して式IIの化合物を生成する上記[1]項に記載の方法:
[化2]
式中、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;
Raはポリイソブチレン基であり;
Rxは開始剤残基であり;そして、
rは1乃至4の整数である。
[9].
rが1である上記[1]項に記載の方法。
[10].
rが1であって、Rxが下記式で表される上記[1]項に記載の方法。
[化3]
[11].
rが2であって、Rxが下記式で表される上記[1]項に記載の方法:
[化4]
もしくは
式中、RcはHもしくはアルキルである。
[12].
上記方法が希釈剤の存在下にて実施される上記[1]項に記載の方法。
[13].
上記の希釈剤が非極性溶剤と非プロトン性の二極性溶剤との混合物である上記[1]項に記載の方法。
[14].
上記の非極性溶剤がヘプタン類であり、上記の非プロトン性の二極性溶剤がN,N−ジメチルホルムアミドである上記[13]項に記載の方法。
[15].
上記方法が還流温度で実施される上記[13]項に記載の方法。
[16].
式Iの化合物が下記の工程により得られる上記[1]項に記載の方法:
(a)準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンを生成させる工程;そして、
(b)ルイス酸もしくはルイス酸混合物の存在下かつ準リビングカルボカチオン性重合条件下で、工程(a)の準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンを、一もしくは二以上の式IIIの化合物と反応させる工程:
[化5]
式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;そして、Xは−Cl、−Br、−I、もしくは−OC(O)Rであって、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アリール、もしくはヘテロアリールである。
[17].
上記の準リビングカルボカチオン性ポリオレフィンが、電子供与体、共通イオン塩、もしくは共通イオン塩前駆体の存在下で、ルイス酸およびモノマーを開始剤に加えることにより製造される上記[16]項に記載の方法。
[18].
上記の開始剤が2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタンである上記[17]項に記載の方法。
[19].
上記のモノマーがイソブチレンである上記[17]項に記載の方法。
[20].
上記の電子供与体が2,6−ルチジンである上記[17]項に記載の方法。
[21].
上記のルイス酸が四ハロゲン化チタンである上記[17]項に記載の方法。
[22].
上記の工程(a)および(b)が希釈剤の存在下で実施される上記[16]項に記載の方法。
[23].
上記の希釈剤がヘキサン類と塩化メチルとの混合物である上記[22]項に記載の方法。
[24].
上記[1]項に記載の方法により生成する生成物。
[25].
生成物の多分散指数が1.3未満である上記[24]項に記載の生成物。
[26].
式IIを有する化合物:
[化6]
式中、
R1およびR2は、それぞれ独立に、H、アルキル、もしくはアルコキシであり;
Raはポリイソブチレン基であり;
Rxは開始剤残基であり;そして、
rは1乃至4の整数である。
[27].
R1およびR2がHである上記[26]項に記載の化合物。
[28].
rが1である上記 [26]項に記載の化合物。
[29].
rが1であって、Rxが下記式で表される上記[26]項に記載の化合物。
[化7]
[30].
rが2である上記[26]項に記載の化合物。
[31].
rが2であって、Rxが下記式で表される上記[26]項に記載の化合物:
[化8]
もしくは
式中、RcはHもしくはアルキルである。
[32].
Raが下記式で表される上記[26]項に記載の化合物:
[化9]
式中、nは1乃至10000の整数である。
[33].
nが10乃至10000の整数である上記[32]項に記載の化合物。
[34].
nが100乃至10000の整数である上記[32]項に記載の化合物。
[35].
上記化合物の分子量が1.0×103乃至3.0×103g/モルである上記[26]項に記載の化合物。
[36].
上記化合物の多分散指数が1.3未満である上記[26]項に記載の化合物。