【文献】
CLAUDE DESSET,UWB SEARCH STRATEGIES FOR MINIMAL-LENGTH PREAMBLE AND A LOW-COMPLEXITY ANALOG RECEIVER,IEEE 7TH WORKSHOP ON SIGNAL PROCESSING ADVANCES IN WIRELESS COMMUNICATIONS 2006. SPAWC '06,米国,2006年 7月 1日,P1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ランダムシーケンスは、複数のコードシンボルを含む擬似雑音シーケンスであり、前記受信機は、直接シーケンススペクトラム拡散方式の受信機である請求項7又は8に記載のデータ取得を実行する方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、受信機が同期のためにより多くの受信されたビットを利用できるほど、結果としてデータパケットは、より良く受信されかつより高い信頼性を有すると解釈される。
【0006】
ある複数の実施例において、プリアンブルベースの超低電力の複数の無線通信と同様に、SFDの長さは、非データ通信のために浪費されるエネルギーを最小化するために通常短い。しかしながら、この短いSFDの長さは受信機がプリアンブルの終わりを識別することを難しくし、従って、信号パケットにおけるデータの、誤検出された又は検出に失敗した開始位置を導く可能性がある。このことは結果として、パケット伝送によって著しいパケットの損失及び/又はエネルギーの増加をもたらす可能性がある。これらの影響は、低い信号対雑音の複数のシナリオに対してより深刻になり、これらの影響は典型的に、超低電力の複数の無線通信において遭遇する。
【0007】
特許文献1は、変更された
フレーム開始デリミタの検出に関する。特許文献1は主として、復号されたがまだデスクランブルされていない受信信号を用いてどこで同期が実行されるかという問題に取り組んでいる。SFDを検出するために、受信システムで、デスクランブラの初期化における同期を目的として、1つ又はそれ以上のビットの消費が必要となるであろう。提案された解決方法において、受信システムは、デコードされたがまだデスクランブルされていない受信信号をスキャンする。この受信信号は、使用されているプリアンブルのフォーマットに関連したSFDのスクランブルバージョンのための信号である。この方法において、複数の同期動作のためのこれらのビットの利用可能性は失われない。また、特に、短いプリアンブルが使用される場合、SFDをまだ信頼性を有して検出しながら、プリアンブルのより多くのビットは同期のために利用可能であるということが利点である。
【0008】
特許文献2も、フレームの同期に取り組む。システムは、スクランブルされた入力データ信号を受信して取り扱うために開示され、この信号は
フレーム開始デリミタ(SFD)を有するプリアンブルを含む。デスクランブルされたデータに対するSFDの検索の実行に代えて、システムはスクランブルされた入力データに対してSFDの検索を開始することによって、デスクランブラの初期化の周期をセーブすることを試みる。
【0009】
特許文献3は、高い雑音レベル及びマルチパスの複数の環境における、マルチレベルの相関技術と、シンボル及びデータフレームの同期を検出する装置とを開示する。相関の最高のレベルが、完全な同期パターンにおける符号化の全てのより低いレベルを含むように、複数の受信信号は、既知の擬似ランダム雑音(PN)又は他の既知の複数のコードと、ベースレベルで相関され、ベースレベルの複数の相関結果は順番に、PN又は他の既知の複数のコードを用いて、次に高いレベルで相関される。提案された解決方法は、低い信号対雑音比及び/又はマルチパスの複数の環境において信頼性を有する同期検出を提供する。
【0010】
特許文献4は、無線ネットワークを介して伝送される複数のデータパケットからデータを抽出する方法に関し、本方法は、プリアンブル部及びペイロード部を有するデータパケットを受信することを含む。プリアンブル部は、第1の既知の拡散シーケンスと相互に相関されて第1のタイミング信号を発生する。プリアンブル部は、第2の既知の拡散信号と相互に相関されて、フレームタイミング信号を発生する。第1のタイミング信号においてインパルスが検出され、第1のタイミング信号において検出されたインパルスに基づいて、第1のタイミングパラメータが設定される。フレームタイミング信号においてインパルスが検出され、フレームタイミング信号において検出されたインパルスに基づいて、フレームタイミングパラメータが設定される。データは、第1のタイミングパラメータ及びフレームタイミングパラメータに従って、受信されたペイロード部から抽出される。
【0011】
本発明の目的は、複数の信号パケットの構造を不変に保ちながらも、(エネルギー、データレート、及び誤ったSFD検出の回避の観点から)改善された性能を有する
フレーム開始デリミタの検出ための方法及び装置を提供することにある。本発明の更なる目的は、データパケットに対して信号取得を実行する方法を提供することにあり、
フレーム開始デリミタの検出のための本方法及び装置が応用される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、データパケットの複数のサンプルの受信されたストリームにおける既知の
フレーム開始デリミタパターンを検出する方法に関する。データパケットが少なくともプリアンブル部及びヘッダ部を備えることによって、プリアンブル部はヘッダ部の前段に設けられかつ
フレーム開始デリミタパターンを含む。本方法は、
データパケットの複数のサンプルの受信されたストリームの一部を、
フレーム開始デリミタパターンに対応する第1のシーケンスと相関させることによって、第1の相関結果を得るステップと、
第1の相関結果を、与えられたしきい値と比較するステップと、
複数のサンプルの受信されたストリームの一部を、第2のシーケンスと相関させ、第2のシーケンスはプリアンブル部において現れるパターンから導出されかつ第1のシーケンスと異なることによって、第2の相関結果を得るステップと、
第1の相関結果を、第2の相関結果と比較するステップと、
第1の相関結果が、与えられたしきい値よりも大きくかつ第2の相関結果よりも大きい場合に、
フレーム開始デリミタパターンが検出されていると判定するステップと、
さもなければ、第1及び第2のシーケンスの別の一部を用いて、前のステップを繰り返すステップとを含む。
実際には、まず両方の相関ステップを実行し、次いで複数の比較ステップを実行することを選択可能である。明らかに、2つの比較のうちのどちらがまず実行されるかは重要ではない。複数の比較結果の両方の条件は、
フレーム開始デリミタパターンが検出されていると判定される前に満たされる必要がある。
【0013】
提案される方法は実際、上記の複数の目的を達成する。パケット構造は、本方法のさまざまなステップによる影響を受けない。第2の評価基準を導入することによって、より信頼性がある方法を用いて、
フレーム開始デリミタパターンが実際に検出されていると判定されることができる。この付加的な評価を実行することは、デジタルの実施例において、無視可能な電力及びサイズの増加を必要とする。
【0014】
好ましい実施形態において、本方法は、そのような第2のシーケンスを決定するステップを含む。
【0015】
もう1つの好ましい実施形態において、本方法は、別のシーケンスと相関させる少なくとも1つの別のステップを含み、別のシーケンスが、プリアンブル部において現れる別のパターンから導出されかつ第1のシーケンス及び第2のシーケンスと異なることによって、別の相関結果が得られる。本方法は、第1の相関結果が別の相関結果と比較されることによって、第1のしきい値が別の相関結果よりも大きいときに、
フレーム開始デリミタパターンを検出する。
【0016】
第1の相関結果と比較される与えられたしきい値は有利に、受信された雑音電力の推定から導出される。
【0017】
第2のシーケンスは好ましくは、第1のシーケンスと同一の長さを有する。有利な実施形態において、第2のシーケンスはプリアンブル部におけるパターンであり、プリアンブル部は、
フレーム開始デリミタパターンと相関される場合、第1のシーケンスを除外して最大の相関値を生じさせる。
【0018】
一態様において、本発明はまた、受信機装置において受信された複数のデータパケットの複数のサンプルのストリームに対してデータ取得を実行する方法に関する。本方法は、
所定の雑音レベルのしきい値よりも大きい又は等しい相関結果が得られるまで、複数のサンプルのストリームをランダムシーケンスと相関させることによって、受信されたデータパケットを受信機装置において検出するステップと、
ランダムシーケンスのコードシンボルに対するサンプリング位置を推定して、1つ又はそれ以上のコードシンボルを合成することによってビットを形成する位置を推定するステップと、
前述の方法を用いて
フレーム開始デリミタパターンを検出するステップとを含む。
【0019】
本発明の実施形態において、本方法は、雑音電力の推定を実行し、そのような推定から所定の雑音レベルのしきい値を計算するステップを含む。
【0020】
好ましい実施形態において、ランダムシーケンスは複数のコードシンボルを含む擬似雑音シーケンスである。この場合において、受信機は直接シーケンススペクトラム拡散方式の受信機である。変形例として、ランダムシーケンスは1つのみのコードシンボルを含む。この場合において、本システムは、非直接的なシーケンススペクトラム拡散システムである。
【0021】
もう1つの態様において、本発明は、既知の
フレーム開始デリミタパターンを検出する装置に関する。本装置は、
データパケットの複数のサンプルのストリームを受信し、データパケットは少なくともプリアンブル部及びヘッダ部を備え、プリアンブル部はヘッダ部の前段に設けられかつ
フレーム開始デリミタパターンを含む受信機手段と、
データパケットの複数のサンプルの受信されたストリームの一部を、
フレーム開始デリミタパターンに対応する第1のシーケンスと相関させることによって、第1の相関結果を得る第1の相関手段と、
第1の相関結果を、与えられたしきい値と比較する第1の比較手段と、
複数のサンプルの受信されたストリームの一部を、第2のシーケンスと相関させ、第2のシーケンスはプリアンブル部において現れるパターンから導出されかつ第1のシーケンスと異なることによって、第2の相関結果を得る第2の相関器手段と、
第1の相関結果を第2の相関結果と比較する第2の比較手段と、
比較手段の複数の結果を合成する合成手段とを備える。
【0022】
好ましくは、第1及び第2の相関器手段は複数のスライディング相関器である。
【0023】
有利には、第1及び第2の相関器手段は有限インパルス応答フィルタを備える。
【0024】
解決方法は、信号パケットの構造を変更することなく、
フレーム開始デリミタの検出の改善された性能のために提供される。本発明に係るアプローチがSFDの検出を可能にすることによって、エネルギー及びデータレートが低減されかつSFDの誤った検出及び再送信が避けられる。このことは、超低電力の複数の無線通信に非常に望ましい。従来のSFD検出と比較すると、付加的な評価基準は、SFDが検出されたか否かを確認するために用いられる。この評価基準は、信号パケットの構造を変更することなく得られる。付加的な評価基準は、デジタルの実施例において、無視可能な電力及びサイズの増加を必要とする。従来、受信機がサンプリング位置を発見した後、複数の信号の復調が開始され、あるしきい値を超えるまで、SFDシーケンスを有する複数の復調された信号がスライドされる。提案された検出アプローチにおいて(推定された雑音電力に関するしきい値を超える場合)、検討される複数の復調された信号は、同一のSFDシーケンス長を有するもう1つの所定のシーケンスと相関される。この所定のシーケンスの選択は、同一のSFDシーケンス長を有するすべての可能な複数のビットパターンを含むコードブックに基づかない。むしろ、その所定のシーケンスは、プリアンブルパターンに対応して選択される。プリアンブルをスパンするウィンドウのスライディングを用いてそれをSFDシーケンスと相関させることによって、2番目に大きな相関結果(最大の相関結果はSFDシーケンスそれ自身との相関結果であろう。)を生じさせるウィンドウ内シーケンスは、所定のシーケンスとして決定される。SFDシーケンスからの相関結果が所定のシーケンスからの相関結果よりも大きい場合、SFDが検出される。さもなければ、複数の復調された信号は、2つの基準が満たされるまで相関させることを継続する必要がある。2つの基準は、SFDシーケンスとの相関結果がしきい値よりも大きいことと、所定のシーケンスとの相関結果よりも大きいことである。1つの所定のシーケンスを使用するコンセプトは、複数の所定のシーケンス(3番目に大きな相関結果、4番目に大きな相関結果、など)の使用に一般化可能である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
現在好ましい複数の実施形態は、添付の複数の図面とともに以下に説明される。いくつかの図において、類似の参照番号は類似の構成要素を引用する。
【0027】
本発明は、特定の複数の実施形態に関して、ある複数の図面を参照して説明されるが、本発明はそれらに限定されない。説明される複数の図面は、図示のみのため用いられ、限定するために用いられない。複数の図面において、複数の構成要素のいくつかのサイズは、例示の目的のために誇張されて正しい縮尺で描かれない。
【0028】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、類似の複数の構成要素の間の識別のために用いられ、順次的な又は年代的な順序の説明のために必要ではない。それらの用語は、適切な状況の下で交換可能であり、本発明の複数の実施形態は、ここに説明され又は例示される順序とは異なる他の複数の順序で動作可能である。
【0029】
さらに、明細書及び特許請求の範囲における上部、底部、上、下などの用語は、説明の目的のために用いられ、相対的な位置の説明のために必要ではない。そのように用いられる用語は、適切な状況の下で交換可能であり、ここに説明される本発明の複数の実施形態は、ここに説明され又は例示される方向とは異なる他の複数の方向で動作可能である。
【0030】
特許請求の範囲において用いられる用語「備える」は、以下に記載される意味に限定されて解釈されるべきではない。用語「備える」は、他の複数の構成要素又は他の複数のステップを除外しない。用語「備える」は、説明された複数の特徴、複数の整数、複数のステップ、又は複数の構成要素の存在の指定として解釈されるべきであるが、1つ又はそれ以上のその他の複数の特徴、複数の整数、複数のステップ、又は複数の構成要素、若しくはこれらのグループの存在又は付加を排除しない。従って、「手段A及びBを備える装置」なる表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなる複数の装置に限定されるべきではない。当該表現は、本発明に関して、装置の関連構成要素はA及びBのみであることを意味する。
【0031】
本発明は、プロセス、装置、システム、又はコンピュータにより可読なメディアを含む、多数の方法で実施可能であることが理解されるべきである。なお、開示される複数のプロセスのステップの順番は、本発明の範囲内において変更可能である。
【0032】
本発明において、複数のサンプルのストリームにおける
フレーム開始デリミタ(SFD)を検出するためのアプローチが開示される。従来の複数の相関動作及び複数の比較動作意外に、付加的な相関及び比較が、SFDが実際に検出されていると判定される前に実行される。
【0033】
プリアンブルベースの超低電力の複数の無線通信において、信号パケットのフォーマットは通常、3つの主要な構成要素を備える。3つの主要な構成要素は、
図1に示すように、同期ヘッダ(SHR)プリアンブル、物理層ヘッダ(PHR)、及びデータフィールドである。SHRプリアンブルは、同期フィールド及び
フレーム開始デリミタ(SFD)を含み、タイミング取得アルゴリズムによって使用される。無線チャンネル上にパケットがあることを検出できかつ正しい復調及びデコードのためにこのパケットと同期させることを可能とするために、そのようなアルゴリズムは必要である。PHRは、パケットの正常なデコードのために必要な情報を受信機に伝送する。データフィールドは、メディアアクセスコントロール(MAC)ヘッダ、ペイロード、及び周期的冗長性チェック(CRC)を含むことが可能である。PHR及びデータフィールドの両方は、提案された検出アルゴリズムによって抽出される。
【0034】
本発明のアプローチは、複数の直接シーケンススペクトラム拡散(DSSS)システムを例にして、以下に説明される。ここで、SFDの検出は典型的には、最後のステップである。なお、DSSSシステムは、ベースバンド信号を、複数のPNコードシンボルから構成される擬似雑音(PN)シーケンスと直接乗算することによって、ベースバンド信号を拡散させる。DSSSシステムは例えば、IEEE802.15.4及びDS−CDMAシステムなどである。ベースバンド信号とPNシーケンスとの乗算が実行されないような「通常の」(すなわち、非DSSSの)複数のシステムは、PNの長さが1である場合のDSSSシステムと見なされることが可能であるため、本アプローチは容易に、そのような複数のシステムに拡張可能である。SFD検出ステップにおける2つの基準に加えて、タイミング取得アルゴリズムの異なる複数のステップにおけるPNシーケンスの異なる複数のバージョン(すなわち、PNシーケンスのための異なる複数のアルファベット(文字))の適切な使用も、提案されるアプローチにおいて検討される。
【0035】
DSSS技術は、ベースバンド信号を複数のPNコードシンボルから構成されるPNシーケンスと直接乗算することによって、ベースバンド信号を拡散させる。PNコードシンボルはチップと呼ばれ、PNシーケンスにおけるチップの数は、
図2に示すようにL
SCと記される。チャンネル上において信号対雑音比を向上させることの結果として生じる効果は、処理利得と呼ばれる。より長いPNシーケンスを利用することによって、すなわち1ビットあたりにより多くのチップを合成することによって、この効果を大きくすることができる。
【0036】
タイミング取得アルゴリズムにおいて、受信機は、受信信号が最大のエネルギーで回復可能な位置を発見するために、すべての可能な位置を検索する必要がある。DSSSシステムに対して、3つのタイミング情報パラメータが推定される必要がある:
−パルスレベル位置、すなわち、信号が1つのチップ内においてサンプリングされることができる位置。
−コードレベル位置:これは、複数の信号が合成開始されて1ビットを形成する位置である。
−ビットレベル位置:これは、データペイロードが有効に開始する位置である。
複数のサンプリング位置とそれらの複数の理想的な位置との間の複数のオフセットはそれぞれ、パルスレベルオフセット、コードレベルオフセット、及びビットレベルオフセットと言われる。
【0037】
典型的には、例えば非特許文献1において示されるように、パルスレベル位置及びコードレベル位置を検索する2つの可能な取得方法がある。すなわち、まずパルスレベル位置を検索してその後にコードレベル位置を検索するか、両方の位置を同時に検索するかのいずれかがある。第1の方法では2つの位置の検索が分離されるために、第1の方法は原則として、第2の方法と比較するとより小さな検索空間を必要とする。しかしながら、この方法はパルスレベル位置の検索時にエネルギーの蓄積不足を有する。これは、伝送電力が1チップに対して非常に小さい超低電力の複数のシステムに対して望ましくない。また、この第1の方法は、2つの位置が順番に検索されるために、より長いプリアンブルを必要とする。検討されるタイミング取得アルゴリズムは好ましくは、必要とされるプリアンブルの長さを最小化するために、第2の方法すなわちパルスレベル位置及びコードレベル位置の両方に対する同時検索に基づく。
【0038】
SFDの検出のための付加的な基準を用いるアプローチは、5つのステップのタイミング取得アルゴリズム内において例示される。しかしながら、本アプローチはSFDの検出を必要とする任意の取得アルゴリズムに適合するために、本発明はそれらに限定されない。検討されるタイミング取得アルゴリズムの5つのステップのフローチャートは、
図3に例示される。
図3に示すように、これらの5つのステップは、雑音電力推定、信号検出、確認、2つのタイミングパラメータの推定、及びSFD検出を含む。
【0039】
検討されるプリアンブルは、
図4に例示される。すでに説明されたように、SHRプリアンブルは、SHR同期(SYNC)フィールドとSFDとの2つの部分から構成される。SYNCフィールドは、複数の同一のSHRビットB
iから構成される。このSHRビットは、DSSSシステムが考えられる場合、PNシーケンスを用いて拡散される。SFDは,プリアンブルの終了を示すために用いられる。それは、SHRビットB
iを用いて特別に設計されたシーケンス(すなわちSFDシーケンス)を拡散することによって得られる。このSFDシーケンスは、複数の誤ったアラームを避けるために、良好な自己相関特性と、SFDシーケンスの巡回シフトされた複数の置換シーケンスとの低い相互相関とを有する特別なシーケンスである。
【0040】
ステップ1:雑音電力推定
タイミング取得の開始時、受信機は、複数の信号サンプルの受信されたストリームが雑音から識別可能なようにしきい値を定義するために、雑音電力を推定する必要がある。この推定は特に、低い信号対雑音比(SNR)で動作するときに必要とされる。また、推定された雑音電力は、アナログデジタル変換器(ADC)の前段に設けられた可変利得増幅器(VGA)制御するためにも利用される。なお、雑音電力は通常、複数の隣接パケットにおいて一定のままであるため、本ステップは全てのパケットに対して実行される必要はない場合がある。雑音電力は、これらのサンプルが雑音のみを含むと仮定して複数のサンプルにわたって電力を平均することによって、推定される。受信機は典型的にはパケットが受信される前に複数の信号を受信するようにスイッチがオンされるために、この仮定は現実的である。
【0041】
ステップ2:信号検出
本ステップにおいて、信号パケットの存在が識別される。本ステップは、相関結果がしきい値を上回るまで、受信された複数のサンプルを、信号を拡散するために使用されるPNシーケンスの(巡回シフトされた)複製と、継続的に相関させる。本ステップは、パルスレベル位置及びコードレベル位置の性質の同時推定を利用する。
【0042】
理想的なパルスレベル位置は、信号レベルが1つのチップにおいて最大となる位置である。検索される1つのパルス期間内において、必要とされる解像度に応じてL
s個の可能なパルスレベル位置が存在する。L
sの選択は、タイミングの解像度と複雑性との間のトレードオフである。一般に、これらのL
s個の可能なパルスレベル位置から複数のサンプルを得るための2つの方法がある。第1の方法は、より高速なADCを使用してチップをL
s回オーバーサンプリングすることである。第2の方法は、複数のサンプルがL
s個のチップ上にわたって得られることが可能なように、遅延線を使用することである。いずれかの方法が、ここで検討されるアプローチにおいて使用可能である。
【0043】
パルスレベル位置及びコードレベル位置の同時推定の原理は、以下の実施例において例示可能である。まず、L
s個の先入れ先出し(FIFO)バッファの全てが複数のサンプルを格納するために使用される。各バッファは、1つの可能なパルスレベル位置に対応する。SHRビット全体のサンプリングの後、L
s個のバッファの全ては、L
sc個のサンプルで満たされる(
図5参照)。この場合において、各バッファ内において(すなわち、与えられたサンプリングされたパルスレベル位置に対して)、
図6に示すように以下の複数のステップが実行される:
・格納された複数のサンプルと、PNシーケンスの全ての可能な回転との複数の相関が計算される。各加算オペレータは、複数の相関のうちの1つを出力する。
・全てのこれらの相関の最大値は決定され、このバッファの出力と見なされる。対応するコードレベル位置は、この与えられたパルスレベル位置に対して選択されたコードレベル位置である。
【0044】
最後に、L
s個のバッファの複数の出力は比較されて、最大値がこのタイミング取得フェーズの出力として選択される。この出力に対応するパルスレベル位置及びコードレベル位置は、このタイミング取得フェーズにおいて推定されたパルスレベル位置及びコードレベル位置である。出力がしきい値よりも大きい場合、信号が存在しているということが結論されることが可能である。この場合において、信号検出ステップが停止して、確認ステップが開始する。さもなければ、受信された複数のサンプルのもう1つのセットを利用することによって、信号検出ステップが継続する。
【0045】
PNシーケンスの少なくとも2つの可能なバージョンは、受信信号と相関させるために使用されることが可能であり、従って、結果として(異なる性能が結果として得られる複数のPNアルファベット(文字)バージョンを考慮する)2つの非コヒーレントな相関方法が得られる。第1のバージョンは、アルファベット(文字){0,+1}を有する。なお、このバージョンにおける要素のうちの半分はゼロである。従って、対応する受信された複数のサンプルは利用されないであろう。これは、受信された複数のサンプルが主として雑音を含む場合に望ましい。雑音の半分を捨てることは、信頼性を有する複数の決定のために有益である。第2のバージョンは、アルファベット(文字){−1,+1}を有する。明らかに、全ての受信された複数のサンプルは、ここで利用されるであろう。これは、受信された複数のサンプルの大部分が有用な情報を含む場合に望ましい。全ての情報を利用することは、有用な情報の半分を捨てることよりも良い。なお、処理されることとなる受信された複数のサンプルは典型的には雑音を含む。
【0046】
ステップ3:確認
本ステップは、今回は複数のサンプルがいくつかのSHRビットにわたって平均されることを除いて、信号検出ステップと同一である。追加の平均処理は、雑音を有する複数の信号の分散を低減する利点を有することよって、品質が低い複数のSNRのシナリオにおけるタイミング取得アルゴリズムの信頼性が向上する。さらに、追加の平均処理は、低速でありさらに低電力の複数のデジタル信号処理プロセッサに対して、計算負荷の緩和の利点を有する。これは、全ての相関の計算時間が1つのSHRビットの周期からいくつかのSHRビットの複数の周期に拡張されるためである。出力がしきい値よりも大きい場合、信号は存在していると仮定される。この場合において、タイミング取得アルゴリズムにおける次のステップは開始される。さもなければ、受信機は、信号検出ステップに戻る。なお、本ステップにおいて、処理されることとなる受信された複数のサンプルは典型的には信号を含むと仮定される。従って、アルファベット(文字){−1,+1}を有するPNシーケンスは、(受信信号が位相情報を含む場合)選択される。確認ステップを終えた後、受信された複数のサンプルは常に複数の信号を含むことが期待される。アルファベット(文字){−1,+1}を有するPNシーケンスは、従って選択されることとなる。
【0047】
ステップ4:2つのタイミングパラメータの推定
本ステップにおいて、パルスレベル位置及びコードレベル位置の両方の推定に焦点が置かれる。本ステップの原理は、確認ステップの原理と同一である。しかしながら、本ステップにおいて、信号パケットの存在を決定するためのしきい値は存在しない。代わりに、最大の相関結果が考慮される。対応するパルスレベル位置及びコードレベル位置は、本ステップにおいて推定される位置である。なお、必要な場合には、より細かいタイミング解像度が、パルスレベル位置を決定するために考慮される。
【0048】
ステップ5:SFD検出
2つのタイミングパラメータが推定された後、受信された複数のサンプルの合成をどこで開始して複数のSHRビットの復調のためのPNシーケンスと相関させるかを知ることが可能である。アルファベット(文字){−1,+1}を有するPNシーケンスは、相関のために使用可能である。相関結果は、信号の復調のために使用される。受信機は、残っている複数のSHRビットを継続的に復調する。受信機は、複数の復調された信号をスライドさせ、与えられたしきい値を超えるまで、SFDシーケンスの複製と相関させる。なお、SFDは、PNシーケンスの一種でもある(例えば、第2のバージョンが使用され、すなわちアルファベット(文字){−1,+1}が用いられる)。全ての残りの評価基準が満たされると、SFDは検出されて、受信機はデータ復調モードに入り始める。一般に、ハードウェア情報を含む複数の復調された信号又はソフトウェア情報を含むそのような信号のいずれかは、SFDと相関させるために使用可能である。ハードウェア情報の場合に対して、各SHRビット−1又は+1は決定され、次いでSFDと相関される。ソフトウェア情報の場合に対して、各SHRビットに関連する相関結果は、SFDと相関させるために使用される。
【0049】
SFDシーケンスとは異なるシーケンスに対する相関結果がしきい値を上回る場合、このシーケンスは、SFDシーケンスそれ自身を除いてプリアンブルにおいてSFDシーケンスに最も類似したシーケンスである可能性が非常に高い。この理由により、復調された信号をこのシーケンスと相関させることが可能であり、このシーケンスは、一度プリアンブルのパターンが既知となる前に決定可能である。このシーケンスは、「所定のシーケンスと呼ばれる。今や、SFDシーケンスに対応する相関結果と、所定のシーケンスに対応する相関結果との2つの相関結果がある。第1の相関結果が第2の相関結果よりも大きい場合、SFDが検出されたと結論可能である。さもなければ、本アプローチは、基準が満たされるまで複数のビットの復調を継続する。相関のためにこのシーケンスを使用することの主要な利点は、所定のシーケンスによる誤ったアラームの確率を最小化できることであり、所定のシーケンスはプリアンブルにおいて誤ったSFDのアラームを引き起こすシーケンスである可能性が最も高い。さらに、誤ったアラームの確率を顕著に増加させることなく検出の失敗の確率を低減させるために、付加的な評価基準を用いてしきい値を下げることが可能である。
【0050】
提案されたSFDモジュールのハードウェアの実施例は、以下に説明される。提案されたSFD検出アルゴリズムは、複数のビットを、2つのシーケンスすなわちSFDシーケンス及びいわゆる所定のシーケンスと相関させる。所定のシーケンスとの付加的な相関のために、必要とされるゲート(ハードウェア)の数量は増加するであろう。しかしながら、ハードウェアの複数の機能の一部をシェアすることによって、付加される論理回路の数量は低減可能である。
【0051】
本発明のSFD検出モジュールのハードウェアの実施例は、従来のSFD検出ユニットと比較される。面積及び電力の観点から両方の設計を比較するために、ポストレイアウトシミュレーションが実行される。両方のユニットのブロック図は、
図7及び
図8に示される。第1の図(
図7)は、1つの相関モジュール及び1つの比較器に基づいた従来のSFD検出ユニットを示す。第2のブロック図(
図8)は、(SFD及び所定のシーケンスを用いた)2つの相関、2つの比較器、及び論理積ユニットを含む提案されたSFDアルゴリズムの実施例を描く。面積及び電力消費の観点から、複数の相関モジュールは、両方のSFD検出アルゴリズムに優勢的に普及している複数のモジュールである。提案されたアルゴリズムが1つの相関モジュールに代えて2つの相関モジュールを必要とするという事実は、面積及び電力に関する影響を有する。しかしながら、両方の相関ユニットは同一の複数のサンプルを使用するために、2つの相関器の一部はシェア可能である。
【0052】
相関機能のハードウェアの実施例は、
図9に示すように、N個のタップを有する有限インパルス応答フィルタに等しい。信号sとシーケンスgとの間の相関値
【数1】
を計算する関数
【数2】
は、
図9に示される通常のN個のタップのFIR(有限インパルス応答)フィルタによるハードウェアにおいて実施可能である。sがパッケージの受信されたビットストリームに等しくかつgがフレームの開始を示すために使用されるSFDシーケンスに等しい場合、
【数3】
は相関値に等しい。このモジュールの遅延/格納の複数の構成要素をシェアすることによって、第2の相関値
【数4】
を計算するために必要とされる付加的なハードウェアは縮小可能である(
図10参照)。
【0053】
複数のポストレイアウト電力シミュレーションを用いて、両方の設計に対する動的電力及び漏れ電力が比較される。表1に記載の複数の値は、60μ秒のポストレイアウトシミュレーションから抽出される。クロック周波数は6MHzであり、複数のサンプルのデータレートは1MHzである。
【0055】
従来の設計と提案された設計との比較は、モジュールそれ自身に対して、動的電力が6.6%増加し、かつ漏れ電力が32%増加することを示す。受信機アルゴリズム全体の電力が考慮される場合(表1の最後の列)、提案されたSFD検出アルゴリズムに対する電力の増加は無視可能である(動的電力0.3%、漏れ電力0.7%)ことが明らかである。
【0056】
表2は、基準(すなわち従来)のアルゴリズム及び提案されたアルゴリズムに対して必要とされる面積を含む。
【0058】
受信機アルゴリズム全体のために必要な面積と比較すると、提案されたSFD検出アルゴリズムの面積の増加は1.59%だけである。
【0059】
複数のコンピュータシミュレーションは、タイミング取得アルゴリズムの性能を評価するために実行される。検討されるSFDシーケンスは[−1 1 −1 1 1 −1 −1 1](PNシーケンスの第2のバージョン)であり、
図4に示される複数のSHRビットは、全て1である。所定のシーケンスの選択は、決定されたプリアンブルパターンに応じて行われる。
図11に示すように、ウィンドウは下方にスライドして、SFDシーケンスと相関させる。最大の相関結果は8であり、この相関結果はプリアンブルにおけるSFDシーケンスに対応することが分かる。2番目に大きな相関結果は2であり、この相関結果は[1 1 1 1 1 1 −1 1]に対応する。これは、SFDシーケンスの6ビット前に位置するシーケンスである。パケットが誤って同期される場合、同期誤りであると考えられる。
【0060】
図12は、PNの長さが1である場合の、異なる複数のSNRに対する同期誤り率(SER)をプロットする。括弧内の数字は、SFDステップにおいて使用されるしきい値を示し、このしきい値は、推定された信号電力を所定の整数T
r倍して2で除算した値である。「従来」は従来のSFD検出を示し、これは第2の推定が考慮されない場合に使用される。この場合において、しきい値は、推定された信号電力の4倍を2で除算した値に設定される。
図12から、しきい値がSERに顕著に影響を与えるであろうということは明らかである。しきい値Trが3である場合の複数の低いSNR値では、本発明において提案されるような付加的な推定を使用することはより良好な性能を提供できるということが発見される。設定Tr=2は、10dBを超える複数のSNR値に対して最良の性能を達成できることが発見される。
【0061】
図13は、PNの長さが4である場合の、異なる複数のSNRに対するSERをプロットする。従来のSFD検出と比較すると、提案されたような付加的な推定の使用は常により良好な性能を提供する。さらに、設定Tr=4の場合、最良の性能が達成される。SERが1%の場合、SNR値は3.5dBの性能の改善を有する。
【0062】
図14は、PNの長さが1である場合の、異なる複数のSNRに対する複数のエネルギー結果をプロットする。ここで、受信機の電力消費は10mWであることが仮定される。1つのパケットは1Mbpsのデータレートの1000ビットを有する。従って、各パケットは、10μJを消費する。SERによって、パケットは再送信される必要があり、結果としてエネルギーの増加をもたらす。
図14は、正しく受信している1つのパケットの対象の平均エネルギーが12μJである場合に、設定Tr=3は従来のSFD検出と比較すると5dBの改善を生じさせることを示す。
【0063】
図15は、PNの長さが1である場合の、異なる複数のSNRに対する複数の有効データレートをプロットする。ここで、1Mbpsのデータレートが仮定される。SERによって、パケットは再送信される必要があり、結果として有効データレートの減少をもたらす。
図15から、対象の有効データレートが0.9Mbpsである場合、設定Tr=3によって、従来のSFD検出と比較すると約5dBの改善が達成されることが分かる。
【0064】
付加的な評価の使用は常に、従来のSFD検出の方法と比較して、より良好な性能を達成する。さらに、実施されたアルゴリズムは、従来のアルゴリズムと比較すると、電力消費及びチップサイズを無視可能に増加させるであろう。超低電力の複数の無線通信システムの実用的な実施例に対して提案されたアルゴリズムを使用することが望ましいと結論される必要がある。