(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738408
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】タワー構造物
(51)【国際特許分類】
F03D 11/04 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
F03D11/04 A
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-518963(P2013-518963)
(86)(22)【出願日】2010年11月4日
(65)【公表番号】特表2013-534590(P2013-534590A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2010066812
(87)【国際公開番号】WO2012007069
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2013年3月15日
(31)【優先権主張番号】10007148.9
(32)【優先日】2010年7月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク スティースデール
【審査官】
所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−120080(JP,A)
【文献】
特開2008−045395(JP,A)
【文献】
特開2008−101363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に風車用のタワー構造物であって、軸方向に配置された多数の中空で円筒状のタワーセクション(1)を有し、各タワーセクション(1)は、周方向に配置された、交互に位置する多数の第1のタワーセクションセグメント及び第2のタワーセクションセグメント(2,3)を有し、
各タワーセクション(1)には、周方向で、それぞれの交互に位置する第1のタワーセクションセグメント及び第2のタワーセクションセグメント(2,3)の重なり合う部分(4)が設けられており、該重なり合う部分(4)の寸法は、軸の下側から上側の方向で増大しており、
前記第1のタワーセクションセグメント及び前記第2のタワーセクションセグメント(2,3)は、矩形であることを特徴とする、タワー構造物。
【請求項2】
それぞれの重なり合う部分(4)は、結合手段、特にボルト接合部(5)及び/又は溶接接合部によって互いに固定される、請求項1記載のタワー構造物。
【請求項3】
1つのタワーセクション(1)の前記第1のタワーセクションセグメント及び前記第2のタワーセクションセグメント(2,3)は、同じ高さを有するが、異なる幅を有する、請求項1または2記載のタワー構造物。
【請求項4】
前記第1のタワーセクションセグメント(2)の幅は、各タワーセクション(1)に亘って一定であり、前記第2のタワーセクションセグメント(3)の幅は、各タワーセクション(1)に亘って減少している、請求項1から3までのいずれか1項記載のタワー構造物。
【請求項5】
前記第1のタワーセクションセグメント(2)は、軸方向で別の第1のタワーセクションセグメント(2)に結合され、前記第2のタワーセクションセグメント(3)は、軸方向で別の第2のタワーセクションセグメント(3)に結合される、請求項1から4までのいずれか1項記載のタワー構造物。
【請求項6】
少なくとも1つの第1のタワーセクションセグメント及び第2のタワーセクションセグメント(2,3)は、それぞれの軸方向自由端部に配置された、別の第1のタワーセクションセグメント及び別の第2のタワーセクションセグメント(2,3)と結合するための少なくとも1つの結合部分を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のタワー構造物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの結合部分は、それぞれの第1のタワーセクションセグメント及び/又は第2のタワーセクションセグメント(2,3)のそれぞれの軸方向自由端部に配置されている、請求項6記載のタワー構造物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの結合部分は、タワー構造物軸線に関してそれぞれの第1のタワーセクションセグメント及び/又は第2のタワーセクションセグメント(2,3)の半径方向外側に配置されており、前記少なくとも1つの結合部分は、タワー構造物軸線に関してそれぞれの第1のタワーセクションセグメント及び/又は第2のタワーセクションセグメント(2,3)の半径方向内側に配置されている、請求項7記載のタワー構造物。
【請求項9】
隣接する第1のタワーセクションセグメント又は第2のタワーセクションセグメント(2,3)の前記結合部分は、ボルト接合部及び/又は溶接接合部によって結合される、請求項6から8までのいずれか1項記載のタワー構造物。
【請求項10】
前記結合部分は、それぞれの第1のタワーセクションセグメント及び/又は第2のタワーセクションセグメント(2,3)に予め取り付けられる、請求項6から9までのいずれか1項記載のタワー構造物。
【請求項11】
前記結合部分は、継目板(7)として構成されている、請求項6から10までのいずれか1項記載のタワー構造物。
【請求項12】
少なくとも1つの第1のタワーセクションセグメント及び/又は第2のタワーセクションセグメント(2,3)は、少なくとも1つの、少なくとも部分的に軸方向に延びた曲がり部(6)を有する、請求項1から11までのいずれか1項記載のタワー構造物。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載のタワー構造物を有する風車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に風車用のタワー構造物に関する。
【0002】
特に風車タワー用のタワー構造物は、直径及び高さに関して大型の構造物である。これにより、陸上及び洋上の用途のための多くの異なるタワー構造物が知られ、これらのタワー構造物は、構造上の設計、すなわち例えば基礎構造物への結合形式、例えば直線的、円錐形又は段状円錐形であってよい基本的形状、それぞれの中空で円筒状の軸方向で位置合わせされたタワーセクションの数及び寸法、結合手段などについて異なる。
【0003】
特に風力エネルギの分野において、再生可能エネルギに対する関心の高まりは、風車の寸法を増大させており、したがって、それぞれのタワー構造物もより大型化しており、今日では、タワー構造物は、材料の使用及びメイクスパンの両方に関して風車のトータルコストの大きな経済的要因を成している。さらに、寸法が増大すると、それぞれのタワー構造物の構成部材の製造、搬送及び取扱いに関して困難を生じる場合がある。
【0004】
したがって、本発明の課題は、特に製造、搬送性及び取扱いに関して、改良されたタワー構造物を提供することである。
【0005】
これは、多数の軸方向に配置された中空の円筒状のタワーセクションを有し、各タワーセクションは、多数の周方向に配置された交互に位置する第1及び第2のタワーセクションセグメントを含む、上述のようなタワー構造物によって達成される。
【0006】
このタワー構造物は、実質的にタワー構造物の高さ及び基本的形状を形成する多数の軸方向に配置された中空で円筒状のタワーセクションから成る。この場合、多くの形状が考えられ、すなわち、タワー構造物は、例えば実質的に円形の横断面を有してよく、この場合、タワー構造物の直径は、高さが高まるにつれて減少し、その結果円錐形を形成していてよい。さらに、他に、タワー構造物の高さが高まるにつれてテーパした特に多角形の横断面も可能である。
【0007】
タワーセクションによるタワー構造物の鉛直方向の分割の他に、タワー構造物はさらに周方向で分割されている。なぜならば、各タワーセクションは、多数の周方向に配置された交互に位置する第1及び第2のタワーセクションセグメントを有するからであり、これらの第1及び第2のタワーセクションセグメントは、タワー構造物の基本的な構成部材と見なされてよい。このような形式において、主に高さ及び直径に関するタワー構造物の構造的設計は、基本的に、各タワーセクションの半径方向及び軸方向の寸法を形成する第1及び第2のタワーセクションセグメントの数及び寸法に依存し、したがって、タワーセクションの数に応じて、全体としてのタワー構造物の半径方向及び軸方向の寸法が決定される。
【0008】
つまり、本発明のタワー構造物は、基本的に第1及び第2のタワーセクションセグメントの数及び寸法によって決定される多くの異なるタワー設計に適したフレキシブルな構造的設計を提供する。なぜならば、タワーセクションを構成する第1及び第2のタワーセクションセグメントの交互の配列、及びそれぞれのタワーセクションの互いに上下の軸方向の配列は、常に同じだからである。
【0009】
さらに、タワー構造物の基本的な構成部材、すなわち第1及び第2のタワーセクションセグメントは、比較的に容易に製造、搬送されかつ取り扱われる。
【0010】
各タワーセクションには、周方向で、それぞれの交互に位置する第1及び第2のタワーセクションセグメントの重なり合う部分が設けられており、この場合、重なり合う部分の寸法は、軸方向で増大していることが好ましい。この配置は、それぞれのタワーセクション及びタワー構造物全体の円錐形を生じる。この場合、交互に配置された第1及び第2のタワーセクションセグメントのそれぞれの結合部分の良好な機械的安定性が提供され、この結合部分は、主に、軸方向上方に増大する、それぞれの周方向に提供された重なり合う部分によって形成されている。
【0011】
この場合、それぞれの重なり合う部分は、結合手段、特にボルト接合部及び/又は溶接接合部によって互いに固定されていてよい。もちろん、第1及び第2のタワーセクションセグメントのそれぞれの周方向で当接する重なり合う部分の適切かつ十分に安定した機械的結合部を提供するその他の結合手段も適用可能である。
【0012】
第1及び第2のタワーセクションセグメントは矩形であることが好ましい。これは、それぞれの第1及び第2のタワーセクションセグメントの製造、搬送及び取扱いに関する大きな利点につながる。なぜならば、第1及び第2のタワーセクションセグメントは、それぞれの金属プレートから容易に切断され、金属プレートの幅が、第1又は第2のタワーセクションセグメントそれぞれの幅又は長さを決定するからである。同様に、切断コスト及び廃棄材料が減じられる。さらに、矩形は、通常、それぞれの第1及び第2のタワーセクションセグメントの積み重ねやすさと、標準的な搬送コンテナによる搬送とを可能にし、すなわち、極めて特殊な機器は搬送のために不要であり、その結果、搬送コストを減じる。例外的な場合、第1及び第2のタワーセクションセグメントは、台形又はその他の形状を成していてもよい。
【0013】
発明の別の実施の形態において、タワーセクションの第1及び第2のタワーセクションセグメントは、同じ高さを有するが、異なる幅を有する。これは、第1及び第2のタワーセクションセグメントの幾何学的な相違を意味する。
【0014】
この場合、第1のタワーセクションセグメントの幅は、各タワーセクション全体に亘って一定であり、第2のタワーセクションセグメントの幅は、各タワーセクション全体に亘って減少していることが好ましい。このような形式において、軸方向上方で位置合わせされるタワーセクションの横断面又は寸法は、タワー構造物の上部に向かって減少しており、その結果、タワーセクション及びタワー構造物全体のテーパした円錐形を生じる。さらに、この特徴は、第1のタワーセクションセグメントの製造に関する肯定的な効果を有する。なぜならば、第1のタワーセクションセグメントの寸法は、タワー構造物全体に亘って基本的に一定であり、すなわち、第1のタワーセクションセグメントは、タワーセクション全体に亘って同じ若しくは均一な寸法を有し、これにより、タワー構造物全体は、本発明のタワー構造物のさらに単純化された製造プロセスにつながるからである。
【0015】
第1のタワーセクションセグメントは、別の第1のタワーセクションセグメントに軸方向で結合されてよく、第2のタワーセクションセグメントは、別の第2のタワーセクションセグメントに軸方向で結合されてよい。すなわち、本発明のタワー構造物の構造的設計は、周方向で交互に位置する第1及び第2のタワーセクションセグメントと、鉛直方向若しくは軸方向で位置合わせされた第1又は第2のタワーセクションセグメントとから成り、すなわち、第1のタワーセクションセグメントは、軸方向で当接する別の第1のタワーセクションセグメント上に配置され、第2のタワーセクションセグメントは、軸方向で当接する別の第2のタワーセクションセグメント上に配置される。これにより、第1及び第2のタワーセクションセグメントはそれぞれ互いに上下に配置される。
【0016】
少なくとも1つの第1及び第2のタワーセクションセグメントが、それぞれの軸方向自由端部に配置された、別の第1及び第2のタワーセクションセグメントと結合するための少なくとも1つの結合部分を有する場合、有利である。結合部分は、別の第1又は第2のタワーセクションセグメントそれぞれと軸方向で当接するための安全かつ確実な結合部位を提供する。これは、隣接し合って配置されるタワーセクションの容易な組立てにもつながる。なぜならば、結合部分は、互いに上下のそれぞれの第1及び第2のタワーセクションセグメントの適切な配置に貢献する支持構造として働いてもよいからである。
【0017】
この場合、少なくとも1つの結合部分が、それぞれの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメントのそれぞれの軸方向自由端部に配置されている場合が好ましい。このような形式において、軸方向で隣接し合って配置される第1又は第2のタワーセクションセグメントの結合容易性がさらに高められる。なぜならば、対応する結合部分の係合が可能であるからである。
【0018】
したがって、少なくとも1つの結合部分は、タワー構造軸線に関してそれぞれの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメントの半径方向外側に配置されており、少なくとも1つの結合部分は、タワー構造軸線に関してそれぞれの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメントの半径方向内側に配置されていることが好ましい。このような形式において、結合部分は、下流に配置される第1又は第2のタワーセクションセグメントの適切な取付けのための案内手段としても働いてよく、これにより、第1又は第2のタワーセクションセグメントを軸方向で結合する正確な順序を決定する。
【0019】
隣接する第1又は第2のタワーセクションセグメントの結合部分は、ボルト接合部及び/又は溶接接合部によって結合されてよい。同様に、例外的な場合、隣接する第1又は第2のタワーセクションセグメントの安全かつ確実な機械的接合を提供する別の結合手段も考えられる。
【0020】
結合部分は、それぞれの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメントに予め取り付けられていることができる。つまり、結合部分と、それぞれの第1又は第2のタワーセクションセグメントは、別の第1又は第2のタワーセクションセグメントそれぞれに結合される用意がなされた予め取り付けられた構成部材を提供し、これにより、タワー構造物の建設プロセスを単純化する。結合部分を予め取り付けることは、少数のボルトによって行われてよい。もちろん、結合部分は、それぞれの第1又は第2のタワーセクションセグメントと一体に構成されていてもよい。
【0021】
結合部分は好適には継目板として構成されている。もちろん、耳、目板、又はその他のあらゆるタイプの板状部材のようなあらゆるタイプの結合部分も考えられる。この場合、継目板の幅は、様々であるか、又は第1及び第2のタワーセクションセグメントのそれぞれの重なり合う部分に適応させられていてよい。
【0022】
本発明の別の好適な実施の形態において、少なくとも1つの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメントは、少なくとも1つの、少なくとも部分的に軸方向に延びた曲がり部を有する。曲がり部は、好適には、容易に製造される小さな角度の曲がり部であり、これにより、それぞれの第1又は第2のタワーセクションセグメントの加工が、特に、複雑な曲げ工具を必要とすることなく、さらに迅速かつ容易に行われる。さらに、曲がり部は、それぞれの第1又は第2のタワーセクションセグメントの積み重ねやすさにも貢献する。
【0023】
さらに、本発明は、上記タワー構造物を有する風車に関する。したがって、本発明の風車の下側部分、つまり風車タワーには、高い構造の柔軟性と、製造、搬送及び取扱いに関する利点とが提供されている。
【0024】
本発明の別の利点及び詳細は、発明の好適な実施の形態の以下の詳細な説明及び原理図から導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】第1及び第2のタワーセクションセグメントの斜視図である。
【
図3】第1のタワーセクションセグメントの平面図である。
【
図4】第2のタワーセクションセグメントの平面図である。
【
図5】第1及び第2のタワーセクションセグメントの重なり合う部分の切り取り図である。
【
図6】第1及び第2のタワーセクションセグメントの重なり合う部分の切り取り図である。
【
図7】第1及び第2のタワーセクションセグメントの重なり合う部分の切り取り図である。
【
図8】第1及び第2のタワーセクションセグメントの正面図である。
【
図9】第2のタワーセクションセグメントの軸方向配置の分解図である。
【0026】
図1は、風車の明確に示されていないタワー構造物のタワーセクション1の斜視図を示している。中空で円筒状のタワーセクション1は、タワー構造物を建設するために別のタワーセクション1に軸方向で連結されてよく、典型的なタワー構造物は、例えば軸方向で位置合わせされる8つのタワーセクション1を有してよい。これにより、それぞれのタワーセクション1の直径又は横断面に応じて、タワー構造物は、例えば直線的又は円錐形であってよい。
【0027】
タワーセクション1は、交互の配列で、多数の周方向に配置された第1のタワーセクションセグメント2と第2のタワーセクションセグメント3とから成り、第1のタワーセクションセグメント2は、タワー構造物の鉛直方向軸線に関して、半径方向外側の位置を有し、第2のタワーセクションセグメント3は、半径方向内側の位置を有する。もちろん、第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3の逆の配置も可能である。
【0028】
タワーセクション1には、周方向で、それぞれの交互に位置する矩形の第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3の重なり合う部分4が提供されており、重なり合う部分4の寸法は軸方向で増大している(重なり合う部分4の下側部分の幅d
1が重なり合う部分4の上側部分の幅d
2よりも小さいことを示す
図5から
図7までを参照されたい)。それぞれの重なり合う部分4、ひいては交互に位置する第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3の結合は、例えばボルト5によって提供されている。
【0029】
特に
図2〜
図4から分かるように、第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3は、同じ高さを有するが、幅が異なる。さらに、第1のタワーセクションセグメント2は均一な形状を有し、基本的にタワー構造物全体に亘って同じ寸法を有するのに対し、第2のタワーセクションセグメント3は、より狭くなっており、つまりタワーセクション1ごとに幅が小さくなっている。
【0030】
図2は、代表的な第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3を示しており、第1のタワーセクションセグメント2は前列に配置されており、第2のタワーセクションセグメント3は後列に配置されている。この場合、それぞれがタワー構造物のそれぞれのタワーセクション1のために使用される8対の第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3は、左から右へ組み立てられ、その結果、タワー構造物は、軸方向に配置された8つのタワーセクション1から成る。すなわち、多数の左側の第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3は、底部タワーセクションにおいて使用され、多数のそれに続く第1及び第2のタワーセクションセグメント2′,3′は、それに続く軸方向のより高いレベルに配置される後続のタワーセクションのために使用される。
【0031】
好適にはハイクラス鋼グレードから形成された第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3の両方は、軸方向に延びた低角度曲がり部6を有する。したがって、第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3は、容易に製造され、最小限の加工しか必要としない。なぜならば、第1及び第2のタワーセクションセグメントは、基本的形状を得るために金属板から切断され、さらに、主としてボルトであるそれぞれの結合手段用のボア若しくは孔と、曲がり部6とが提供されるだけでよいからである。
【0032】
特に
図7から分かるように、第1のタワーセクションセグメント2は、軸方向で別の第1のタワーセクションセグメント2に結合され、第2のタワーセクションセグメント3は、軸方向で別の第2のタワーセクション3に結合される。この場合、それぞれの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメント2,3の軸方向自由端部は、継目板7の形状の結合部を有する。継目板7は、予め取り付けられた構成部材であってよく、この場合、事前の取付けは、多数の小さなボルト又は同様のものによって行われてよい。上側の継目板7は、タワー構造物の軸線に関してそれぞれの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメント2,3の半径方向内側に配置されており、下側の継目板7は、タワー構造物の軸線に関してそれぞれの第1及び/又は第2のタワーセクションセグメント2,3の半径方向外側に配置されている。もちろん、継目板7の逆の配置も可能である。
【0033】
それぞれの第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3の重なり合う部分4の寸法は均一ではなく、軸方向で増大しているので、主に継目板7の幅である寸法は、好適にはそれに適応させられている(
図9参照)。つまり、軸方向上側の継目板7は、より小さな幅を有してよく、これにより、それぞれの第1又は第2のタワーセクションセグメント2,3は、継目板7が互いに当接する程度に重なるようにしている。
【0034】
図9は、それぞれの第2のタワーセクションセグメント3の軸方向配置を分解図で示しており、それぞれの対応する半径方向外側及び内側の継目板7は、軸方向自由端部の領域において第2のタワーセクションセグメント3のそれぞれの外面又は内面に当接する支持体として働く。言い換えれば、継目板7は、第2のタワーセクションセグメント3のそれぞれの軸方向自由端部に部分的に重なり、すなわち係合してよい。安全かつ機械的に安定した結合を提供するために、ボルト(図示せず)が使用される。同じことが、それぞれの第1のタワーセクションセグメント2の軸方向結合にも当てはまる。
【0035】
第1のタワーセクションセグメント2の例示的な寸法に関して、典型的な幅は約1250mmであってよい。第2のタワーセクションセグメント3は、下側のタワーセクション1において約1500mmの幅を有してよく、例えばそれぞれの後続のタワーセクション1のために約150mmだけ幅が減少させられていてよい。第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3の高さは、例えば約12000mmであってよく、つまり第1及び第2のタワーセクションセグメント2,3は、標準的な搬送コンテナに容易に取り付けられる。本発明のタワーは、底部において約5000mm、上部において約2500mmの直径を有してよい。