(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738414
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】成形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/36 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
B29C45/36
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-523447(P2013-523447)
(86)(22)【出願日】2011年8月11日
(65)【公表番号】特表2013-537496(P2013-537496A)
(43)【公表日】2013年10月3日
(86)【国際出願番号】CA2011050489
(87)【国際公開番号】WO2012019304
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2013年4月11日
(31)【優先権主張番号】61/372,891
(32)【優先日】2010年8月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595155303
【氏名又は名称】ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】パパ,レナト
(72)【発明者】
【氏名】マクレディ、デレク ロバートソン
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドショー,マックスフィールド ポール
【審査官】
坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/017622(WO,A1)
【文献】
特表2008−542066(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/26−45/44,45/64−45/68,
45/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
型スタックであって、
型穴を規定するため使用時に協働するように構成されるコアインサート、コアリング、および分割型インサートを備え、
前記コアインサートは、内側部分にリングシートを規定し、前記リングシートの上には、使用時に前記コアリングの上の取り付けインターフェイスと協働する前記コアリングを設置し、
前記分割型インサートは、ポケットを規定し、前記ポケットは、前記分割型インサートの底部の突起部分を通じて同軸に伸び、前記ポケットの内部で前記コアリングの突起部を受容し、
前記コアリングおよび前記分割型インサートは、前記分割型インサートの前記ポケット内において、コアリングと分割型インサートとの間の分割ラインを規定するようにさらに構成され、
前記型穴の上部分は、前記コアリングと前記コアインサートとの間で分割され、
前記コアリングの内側表面は、前記コアインサートの外部内側面と協働して、コアリングとコアインサートとの間の分割ラインを規定し、
前記コアリングは、分割ライン孔を規定し、前記分割ライン孔は、使用時に前記型穴から空気を通風するために、前記コアリングとコアインサートとの間の分割ラインに沿ってコアインサートと使用時に協働するように構成され、
前記コアリングは、分岐導管を規定し、前記分岐導管は、前記分割ライン孔と、少なくともひとつの前記コアインサートおよび前記型スタックのロックリングと関連付けられたトランク圧力導管とを流体接続するように構成される、型スタック。
【請求項2】
前記コアリングの上面は、前記分割型インサートの前記ポケットの埋め込み面と協働して、前記コアリングと分割型インサートとの間の分割ラインを規定する、請求項1に記載の型スタック。
【請求項3】
前記コアリングは、リテーナーインターフェイスを規定し、前記リテーナーインターフェイスは、前記コアリングを前記コアインサートに保持するため、前記コアインサート上の保持インターフェイスと使用時に協働するように構成される、請求項1に記載の型スタック。
【請求項4】
前記コアインサート上の前記保持インターフェイスは、コアスレッドであり、前記リテーナーインターフェイスは、リングスレッドであり、前記リングスレッドおよび前記コアスレッドは、前記コアリングおよび前記コアインサート間の相対的回転を伴って取り外し可能に係合して協働するようになっている、請求項3に記載の型スタック。
【請求項5】
前記コアリングは、リテーナーインターフェイスを規定し、前記リテーナーインターフェイスは、前記コアリングを前記コアインサートに保持するため、前記型スタックのロックリングの上の保持インターフェイスと使用時に協働するように構成される、請求項1に記載の型スタック。
【請求項6】
前記コアリングは、内部において空気ノズルを規定し、前記空気ノズルは、使用時に前記コアインサートからの成形品のエアアシステッドエジェクションを提供するために、前記コアリングの前記上面に出口孔を有する、請求項2に記載の型スタック。
【請求項7】
前記コアリングは、使用時に前記型穴から空気を通風するために、前記コアリングと分割型インサートとの間の分割ラインを介して前記分割型インサートと協働する分割ライン孔を規定する、請求項2に記載の型スタック。
【請求項8】
前記コアリングの前記上面は、複数の通気スロットによって分離される複数の半環状パッドを備え、前記複数の半環状パッドは、使用時に前記分割型インサートの前記ポケットの前記はめ込み面と接触して遮断機能を提供するように構成され、前記複数の通気スロットは、使用時に、前記分割型インサートの前記ポケットの前記はめ込み面と接触する前記分割ライン孔を提供するように構成される、請求項7に記載の型スタック。
【請求項9】
前記コアリングは、前記分割型インサートの第2の突起部分を受容するための第1の分割型インサートシートを規定するように構成される、請求項1に記載の型スタック。
【請求項10】
前記第1の分割型インサートシートは、円錐型メステーパーの形状を有する、請求項9に記載の型スタック。
【請求項11】
型スタックであって、
型穴を規定するため使用時に協働するように構成されるコアインサート、コアリング、および分割型インサートを備え、
前記コアインサートは、内側部分にリングシートを規定し、前記リングシートの上には、使用時に前記コアリング上の取り付けインターフェイスと協働する前記コアリングを設置し、
前記分割型インサートは、ポケットを規定し、前記ポケットは、前記分割型インサートの底部の突起部分を通じて同軸に伸び、前記ポケットの内部で前記コアリングの突起部を受容し、
前記コアリングおよび前記分割型インサートは、前記分割型インサートの前記ポケット内において、コアリングと分割型インサートとの間の分割ラインを規定するようにさらに構成され、
前記コアリングは、前記分割型インサートの第2の突起部分を受容するための第1の分割型インサートシートを規定する、型スタック。
【請求項12】
前記第1の分割型インサートシートは、円錐型メステーパーの形状を有する、請求項11に記載の型スタック。
【請求項13】
前記コアリングの突起部の上面は、前記分割型インサートの前記ポケットの埋め込み面と協働して、前記コアリングと分割型インサートとの間の分割ラインを規定する、請求項11に記載の型スタック。
【請求項14】
前記型穴の上部分は、前記コアリングと前記コアインサートとの間で分割される、請求項11に記載の型スタック。
【請求項15】
前記コアリングの内側表面は、コアインサートの外部内側面と協働して、コアリングとコアインサートとの間の分割ラインを規定する、請求項14に記載の型スタック。
【請求項16】
前記コアリングは、分割ライン孔を規定し、前記分割ライン孔は、使用時に前記型穴から空気を通風するために前記コアリングとコアインサートとの間の分割ラインに沿ってコアインサートと使用時に協働するように構成される、請求項15に記載の型スタック。
【請求項17】
前記コアリングは、リテーナーインターフェイスを規定し、前記リテーナーインターフェイスは、前記コアリングを前記コアインサートに保持するため、前記コアインサート上の保持インターフェイスと使用時に協働するように構成される、請求項11に記載の型スタック。
【請求項18】
前記コアインサート上の前記保持インターフェイスは、コアインサートの外部内側面の底部近傍へ備えられるコアスレッドであり、前記リテーナーインターフェイスは、コアインサートの内側表面の底部近傍のリングスレッドであり、前記リングスレッドおよび前記コアスレッドは、前記コアリングおよび前記コアインサート間の相対的回転を伴って取り外し可能に係合して協働するようになっている、請求項17に記載の型スタック。
【請求項19】
前記コアリングは、使用時に前記型穴から空気を通風するために、前記コアリングと分割型インサートとの間の分割ラインを介して前記分割型インサートと協働する、分割ライン孔を規定する、請求項11に記載の型スタック。
【請求項20】
前記コアリングの前記上面は、複数の通気スロットによって分離される複数の半環状パッドを備え、前記複数の半環状パッドは、使用時に前記分割型インサートの前記ポケットの前記はめ込み面と接触して遮断機能を提供するように構成され、前記複数の通気スロットは、使用時に、前記分割型インサートの前記ポケットの前記はめ込み面と接触する前記分割ライン孔を提供するように構成される、請求項19に記載の型スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書において開示される非限定的な実施例は、包括的に、成形装置に関連し、より具体的には、射出成形金型に使用される型スタックの構成部品に関連する。
【背景技術】
【0002】
成形とは、成形システムを使用することにより、成形材料(ポリエチレンテフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等)から成形品を形成できるという長所を活用する工程である。各種成形品は、射出成形工程等の成形工程を使用して形成できる。例えば、PET材料から形成可能な成形品のひとつの実施例としては、後続工程でボトル等の飲料容器へとブロー成形が可能なプレフォームがある。
【0003】
具体例として、典型的PET材料の射出成形は、PET材料を均一溶融状態に加熱し、加圧下で、いわゆる溶融状態のPET材料を規定された型穴へ射出するものである。この型穴は、少なくとも部分的にメスキャビティ部分およびオスキャビティ部分を、それぞれ鋳型のキャビティプレートおよびコアプレート上に取り付けることによって規定する。前記キャビティプレートおよび前記コアプレートは、型締力により相互に圧接された状態で保持される。前記型締力は、射出されるPET材料の圧力に対し、キャビティ部分およびコア部分を共に保つのに十分なものである。前記型穴は、実質的に、成形する成形品の最終冷却形状に対応する形状を有する。このように射出されたPET材料は、後に、成形により形状化された成形品を取り出すのに十分な温度まで冷却される。冷却後、成形品は、型穴の内部で収縮するため、キャビティプレートおよびコアプレート間の圧接が離れ、成形品がコア部分に結合した状態で残る傾向がある。従って、キャビティプレートとコアプレートの圧接をなくすことにより、成形品を型抜き、つまり、コア部分から取り外すことができる。エジェクション構造は、成形品をコア部分(core halves)から取り外すための支援として公知である。エジェクション構造の実施例には、ストリッパープレート、ストリッパーリングおよびネックリング、エジェクターピン等がある。
【0004】
ボトル等の飲料容器へとブロー成形が可能なプレフォームを成形処理する場合は、「ネックリージョン(頸部)」と呼ばれる箇所の成形作業に対処するために考慮すべき事項がひとつある。典型的に、または実施例として、ネックリージョン(頸部)には、(i)クロージャーアセンブリを受容および保持するためのスレッド(またはその他適切な構造)(例:ボトルキャップ)、および、(ii)クロージャーアセンブリを用いてエンド製品(つまり、飲料を充てんし、店舗へと出荷された飲料容器)が不正操作されていないかどうかを示す等の、協働する盗難防止アセンブリが含まれる。ネックリージョン(頸部)は、例えば、成形システムの部品(サポートレッジ等)と協働させる等、各種目的で使用されるその他付加的エレメントを備え得る。従来技術において認識されているように、ネックリージョン(頸部)は、キャビティ部分およびコア部分(cavity and core halves)を用いる場合、形成は容易ではない。従来的に、分割モールド挿入部(場合によっては、当業者により「ネックリング」とも呼ばれる)は、ネックリージョン(頸部)の形成に使用されている。
【0005】
図1を参照すると、射出モールド10の部分に沿った断面は、成形システム内部(表示されていない)に配置されている典型的な型スタック16の一部を示している。本願明細書で示す
図1の説明は、当業者が射出モールド10におけるその他コンポーネントの構成を理解することが予測されるため、かなり単純化されている。
【0006】
型スタック16は、使用時に射出モールド10の第1の金型部分14および第2の金型部分12に関連付けられる第1のスタック部17および第2のスタック部18をそれぞれ含む。第1のスタック部17および第2のスタック部18は、型穴19を配置可能であり、前記型穴19は、使用時にその中に成形材を射出して成形品を形状化し得る。第1のスタック部17は、
コアインサート20、ロックリング30、およびネックリングペア40を備える。コア20およびネックリングペア40は、それぞれ、型穴19の内側本体部分および封じ込め部分(プレフォーム/容器のネックリージョンを成形する等)を規定する成形面を備える。ロックリング30は、常にというわけではないが、型穴19のいかなる部分も規定することはなく、ここで、ロックリング30は、成形品の成形ステップ中に、
コアインサート20をコアプレート(図示せず)に保持すること、および、ネックリングペア40を整列配置してその状態を保つ(つまり、その部分をクローズ構成に保つ)ことの両方を目的として提供される。第2のスタック部18は、型穴19の外部本体部分およびゲート部分を規定するためのキャビティ挿入部50およびゲート挿入部60を備える。さらに、ゲート挿入部60は、型穴19を溶融分配システム(図示せず)へ接続するために構成される。最後に、キャビティ挿入部50も、ロックリング30とほぼ同じように、成形ステップ中に、ネックリングペア40を整列配置してその状態を保つために構成される。
【0007】
さらに図示されているのは、スライドペア70であり、その上にネックリングペア40が取り付けられている。スライドペア70は、ストリッパアセンブリ72の上表面に摺動可能な状態で取り付けられている。一般に既知である通り、また、特許文献1で一般に説明されている通り、ストリッパアセンブリ72は、型穴19から成形品をリリースするため、金型がオープン構成で整列配置される場合、キャビティプレートアセンブリ74およびコアプレートアセンブリ(表示されていない)に相対して移動可能な状態となるように構成され、これにより、スライドペア70、およびその上に取り付けられている相補型ネックリング挿入部ペア40を、カム配置(図示せず)を介して横方向に駆動できる。
【0008】
ネックリング40は、フランジ部48の上面および下面から伸びる第1の突起部45および第2の突起部46を備えた本体を有する。図示のように、第1の突起部45および第2の突起部46は、オステーパーの形式で構造化し得る。
【0009】
操作中は、図示のように、閉じられている型スタック16とともに、型穴19を規定するため、第1の突起部45および第2の突起部46は、ネックリングペア40をその関係で整列配置してその状態を保つためにキャビティ挿入部50で規定する第1のシート52および第2のシート32およびロックリング30と協働するように配置される。図示のように、第1のシート52および第2のシート32は、メステーパーの形式で構造化し得る。
【0010】
さらに図示のように、
コアインサート20の成形表面とネックリングペア40の内部で押し上げられるネックリング40との間(つまり、ネックリングペア40と
コアインサート20が接触する成形表面のある場所)には、分割ライン26がある。より詳しくは、分割ライン26は、
コアインサート20の内側部周辺に規定され、突起部22の上面と、ネックリングペア40の下面を介して規定するポケット42のはめ込み面との間の接点に配置されている。また、突起部22の内側環状部分は、型穴19の上端部分を規定するため(つまり容器のネックリージョンの上部密閉表面の成形のため)の成形表面を規定する。上述の技術的取り組みには、射出関連問題のリスクを低減しつつ、より短いスレッドを有するネックリージョンの成形を目的とした分割ライン位置の自在性を含み得る。さらに、分割ライン26をネックリングペア40のフランジ48に沿うように移動させることで、冷却液循環手段(図示せず)により冷却可能となり、特定の冷却関連の障害(分割ラインのへこみ等)を回避し得る。
【0011】
上述の内容に類似する型スタックの説明として、特許文献2では、特に、射出成形で使用するモールド挿入部スタックおよびそのカプラーを公開している。射出成形で使用するモールド挿入部スタックが提供されており、これは、コアアセンブリを構成する。 射出成形で使用するモールド挿入部スタックは、コアアセンブリを提供および構成し、前記コアアセンブリは、コアインサート、支持体、カプラー支持体を含む。前記コアインサートは、コアボディと、コア本体上で規定される内側成形表面と、使用時にプリフォームを成形するように形状化されている型穴の内側部分を提供する内側成形表面と、コア本体上で規定されるコア/カプラー間インターフェイスを含み、前記支持体は、支持体本体と、支持体本体上で規定される支持体スライディングインターフェイスを含み、上記カプラー支持体は、カプラー本体と、カプラー本体上で規定されるカプラー/コア間インターフェイスと、カプラー本体上で規定されるカプラー/挿入部間インターフェイスと、少なくともカプラー本体およびコア本体のいずれか上で規定される相補型スライディングインターフェイスと、カプラー本体をコア本体と相互に配置するため、使用時に協働するように構成されるカプラー/コア間インターフェイスおよびコア/カプラー間インターフェイスと、遠方のモールド挿入部上で定めた相補型インターフェイスと使用時に協働するように構成されるカプラー/挿入部間インターフェイスと、支持体/スライディング間インターフェイスと相補型スライディングインターフェイスとの間で横方向の移動に適応可能な摺動可能なカプリングを使用時に確立し、少なくともひとつのコア本体を伴う支持体本体と、カプラー本体との間の負荷経路を接続するため、使用時に協働するように構成されるスライディングインターフェイスおよび相補型スライディングインターフェイスを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許6,799,962
【特許文献2】米国特許出願US2009/0214694
【発明の概要】
【0013】
本願明細書においてクレームされている第1の態様によれば、使用時に型スタックの
コアインサート周辺に取り付けるように構成されるコアリングを備えた成形装置が提供される。コアリングは、少なくとも部分的に、型スタックの
分割型インサート内で規定するポケット内に受容されるように構成される。また、コアリングは、少なくとも部分的に、
分割型インサートのポケット内に、コアリング
と分割型インサートとの間
の分割ラインを有する型穴を規定するように構成される。
【0014】
本願明細書においてクレームされている第2の態様によれば、型穴の内側本体部分を規定するように構成される型スタックの
コアインサートを備えた成形装置が提供される。また、
コアインサートは、内側部分のリングシートを規定するように構成されており、その上には、使用時にコアリングの上の取り付けインターフェイスと協働してコアリングを設置し得る。
コアインサートは、さらに、型スタックの
分割型インサート内で規定するポケット内のコアリングによって
、コアリング
とコアインサートとの間
の分割ラインを規定するように構成される。
【0015】
本願明細書においてクレームされている第3の態様によれば、型穴を規定するため、使用時に協働するように構成される
コアインサート、コアリング、および
分割型インサートを備えた型スタックが提供される。前記
コアインサートは、内側部分
にリングシートを規定し、
リングシートの上には、使用時にコアリング上の取り付けインターフェイスと協働
する前記コアリングを設置し得る。前記
分割型インサートは、底部の突起部分を通じて同軸に伸びるポケットを規定し、
ポケットの内部で前記コアリングの突起部分を受容する。前記コアリングおよび前記
分割型インサートは、さらに、
分割型インサートのポケット内の
、コアリング
と分割型インサートとの間
の分割ラインを規定するように構成される。
型穴の上部分は、前記コアリングと前記コアインサートとの間で分割される。コアリングの内側表面は、前記コアインサートの外部内側面と協働して、コアリングとコアインサートとの間の分割ラインを規定する。コアリングは、分割ライン孔を規定し、前記分割ライン孔は、使用時に前記型穴から空気を通風するために、前記コアリングとコアインサートとの間の分割ラインに沿ってコアインサートと使用時に協働するように構成される。コアリングは、分岐導管を規定し、前記分岐導管は、前記分割ライン孔と、少なくともひとつの前記コアインサートおよび前記型スタックのロックリングと関連付けられたトランク圧力導管とを流体接続するように構成される。
【0016】
これらのおよびその他の様態および特徴は、ここで、以下の具体的な非限定的実施例の説明および添付の図面を確認することにより当業者にとって明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】型スタックの周知の実施例による断面図を表す。
【
図2】型スタックの第1の非限定的実施例の分解斜視図を表す。
【
図3C】
図2に示す型スタックのコアリングの上面図を表す。
【
図4】第2の非限定的実施例に基づく型スタックの一部の断面図を表す。
【
図5】第3の非限定的実施例に基づく型スタックの一部の断面図を表す。
【
図6】第4の非限定的実施例に基づく型スタックの一部の断面図を表す。
【
図7】第5の非限定的実施例に基づく型スタックの一部の断面図を表す。
【
図8】型スタックの第6の非限定的実施例の分解斜視図を表す。
【
図10】型スタックの第7の非限定的実施例の分解斜視図を表す。
【0018】
図面は、必ずしも一定の比率であるというわけではなく、想像線、線図表現、および断片図で例示されることがあり得る。特定の事例では、実施例の理解に必ずしも必要ではない、あるいは、認知が困難なその他の詳細情報を描画する詳細が省略され得る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本書に示す(非限定的)実施例の詳細な説明は、添付の図面を参照すれば、より完全に理解できる。
【0020】
図2を参照すると、ここには、型スタック116の非限定的実施例の分解斜視図が示されている。型スタック116は、使用時に射出モールドの第1の金型部分(図示せず)および第2の金型部分(図示せず)に関連付けられる第1のスタック部117および第2のスタック部118を備える。
【0021】
第1のスタック部117は、概括的に、
コアインサート120、ロックリング130、コアリング140、および
分割型インサート150を備える。第2のスタック部118は、概括的にキャビティ挿入部160およびゲート挿入部170を備える。上記したものの構造および動作は、通常、従来技術と整合しているため、本願明細書においては、既知の構成に関する詳細な説明は省略する。
【0022】
さらに
図3Aおよび3Bを参照すると、
コアインサート120は、型穴119の内部本体部分194および上部145の一部を規定することが認められ得る。
コアインサート120の構造は、一般に、一端で閉じられている管状体を備える。操作中は、
コアインサート120の管状体内で、開口端を通じて配置されるバブラー(図示せず)を介し、水等の冷却剤を循環し得る。管状体は、図示するように、取り付けインターフェイスを規定し、前記取り付けインターフェイスは、
コアインサート120を第1の金型部分の第1のモールドシュー(図示せず)へ取り付けるための円柱状栓の形状を有する。また、管状体は、内側部分のリングシート(座部)192を規定し、前記リングシート192上には、使用時にコアリングの上の取り付けインターフェイス190と協働するコアリング140を設置し得る。より詳しくは、リングシート192は、管状体内で形成されるショルダー上に配置され、前記ショルダーは、ショルダーの頂点の環状表面128とショルダー上に配置されている管状の外側中間表面121(
図2)のアライメント部123を備える。
【0023】
ロックリング130の機能は、一般に、成形品の成形ステップ中に
分割型インサート150の部材を整列配置して閉じた状態を保つためのものである。ロックリング130の別の機能は、
図3Aおよび3Bで図示するように、コアリング140を
コアインサート120と関連して保持するためのものであり、またこの間、
コアインサート120も第1のモールドシュー(図示せず)に保持する。ロックリング130の構造は、一般に、管状体を備え、その内部に
コアインサート120の下部を保持することがあり得る。管状体は、第1のモールドシュー(図示せず)へ取り付けるため、その基礎の取り付けフランジを規定する。また、管状体は、これにより成形ステップ中に使用時に部材を整列配置して閉じた状態を保つ機能を実行するため、
分割型インサート150の第1の突起部155と使用時に協働するように、フランジから管状体の反対端で
分割型インサートのシート(座部)136を規定する。第1の
分割型インサートシート136は、図示するように、円錐型メステーパーの形状を有する。また、管状体は、内側表面の保持インターフェイス132を規定し、これにより、
コアインサート120上のコアリング140を第1のモールドシュー(図示せず)に保持するため、コアリング140のリテーナーインターフェイス143と使用時に協働するように、
コアインサート120のコアリング140のトラッピング機能を実行する。保持インターフェイス132は、図示するように、円錐型メステーパーの形状を有する。
【0024】
分割型インサート150は、型穴119の封じ込め部分157を規定し、例えば、上述の通り、蓋と協働する容器へとブロー成型するプレフォームタイプ等、成形品のネックリージョンに対応し得る。
分割型インサート150は、状況によっては、一般に、当業者にネックリングまたはスレッド分割部として知られており、図示する通り、その上面および下面から第1の突起部155(つまり上部突起分部)および第2の突起部156(つまり下部突起分部)が伸びるフランジ部153(
図2)を全体的に規定する、一対の本体を備えることがあり得る。キャビティ挿入部160と関連付けられている第2の
分割型インサートシート(座部)166と協働する第2の突起部156の機能は、
分割型インサートシート136と関連付けられている第1の突起部155と類似し、上述の通り、
分割型インサート150の部分に関して、整列配置して閉じた状態を保つ。第1の突起部155および第2の突起部156は、図示するように、円錐型メステーパーの形状を有する。また、一対の本体も、コアリング140の突起部149を受容するため、その中に第2の突起部156を介して同軸に伸びるポケット152を全体的に規定する。
【0025】
コアリング140は、型穴119(
図3A)の上部145の残りの部分を規定する(上部145も、
コアインサート120上で部分的に規定されることが想起される)。つまり、型穴119の上部145は、コアリング140と
コアインサート120間との間で分割されている。コアリング140を用いて型穴119の上部145の一部を画成している技術的な効果には、
コアインサート120上で全体を規定する場合と比較し、製造の容易性と効率性が含まれ得る。構造の観点からいうと、コアリング140は、その内側表面144と隣接する上部表面148を介して型穴の上部145の残りの部分を規定するリング本体を備える。
【0026】
コアリング140は、さらに、
分割型インサートのポケット152内の
、コアリング
と分割型インサートとの間
の分割ライン180を規定するように構成される。より具体的には、突起部149の上面148は、
分割型インサート150のポケット152の埋め込み面158と協働して
、コアリング
140と分割型インサート150
との間
の分割ライン180を規定する。また、コアリング140は、
コアインサート120を伴って
、コアリング
とコアインサートとの間
の分割
ライン182を形成する。より詳しくは、コアリング140の内側表面144は、外部内側面121(
図2)と協働する
、コアリング
140
とコアインサート120
との間
の分割ライン182を規定する。
【0027】
また、コアリング140は、分割ライン通風孔110を規定し、前記分割ライン通風孔110は、使用時に型穴119の上部分145から空気を通風するための
、コアリング
とコアインサートとの間
の分割ライン182に沿った
コアインサート120と協働する。分割ライン通風孔110の技術的な効果には、封入空気による成形品欠陥の回避が含まれることがあり得る。さらに通風をサポートするため、コアリング140は、分岐導管141を備え、前記分岐導管141は、分割ライン通風孔110、
コアインサート120、コアリング140、およびロックリング130間で規定するトランク圧力導管112を流体接続する。このような場合、
コアインサート140のリング本体は、その側壁の下部を介して伸びるチャネルとして分岐導管141を規定する。
【0028】
上述の記載において、ここで、
図2および3Bに最も良く示されているように、
コアインサート120の管状体も、さらに分割ライン通風孔110の規定を支援するため、その外部内側表面121に沿って、相互接続された溝のネットワークも規定することが認められ得る。これらの相互接続溝は、上部コレクタ溝122、下部コレクタ溝126、およびその間に伸びる複数の垂直溝124を備える。上部コレクタ溝122は、使用時に管状体の上内側表面121の上部分125およびコアリング140のリング本体の内側表面144に規定される偏狭に裂けた円筒状表面間を通る空気を収集するため、型穴に隣接するように管状体上に配置される。下部コレクタ溝126は、使用時に空気をチャネリングするため、コアリング140上の分岐導管141に隣接するように管状体上に配置される。複数の垂直溝124は、使用時に上部および下部コレクタ溝122、126に流体連結される。
【0029】
同様に、トランク圧チャネル112は、ロックリング130上の管状体の内側円筒面131、管状体の外側円筒面127、199、
コアインサート120およびコアリング140のリング本体間にそれぞれ規定されるギャップ内に提供されていることが認められ得る。最後に、ロックリング130管状体は、使用時に、トランク圧力導管112を制御可能な空気供給減源(つまり、空気圧のソースまたはシンク)にするための接続圧力導管114(
図3A)を規定し得る。上述の技術的な効果には、分割ライン通風孔110から、特に、型穴119に隣接して配置されている上部分の微小ギャップからの成形残留物の除去が含まれ得る。
【0030】
さらに、コアリング140および
分割型インサート150は協働して
、コアリングと分割型インサートとの間の分割ライン180をまたがる分割ライン通風孔115を規定し、これにより、形成ステップ中、使用時に型穴119からの付加的な通風をすることが認められ得る。特に、また
図3Cを参照すると、コアリング140の上面148は、複数の通気スロット146によって分離されている複数の半環状パッド147を備えることが認められ得る。従って、形成ステップ中は、複数の半環状パッド147は、
分割型インサート150内のポケット152のはめ込み面158と接触するシャットオフを形成するのに対し、スロット146は、はめ込み面158と協働する分割ライン通風孔115を形成するように構成される。さらにまた、コアリング140および
分割型インサート150も、協働して、分割ライン通気導管113を規定し、前記分割ライン通気導管113は、分割ライン通風孔115と
分割型インサート150の部材との間で規定される
分割型インサート通風孔159を流体接続する。特に、分割ライン通気導管113は、使用時に
分割型インサート150のポケット152に配置されるコアリング140の突起部149間のギャップで規定される。
【0031】
コアリング140の最後の説明として、コアリング140にも取り付けインターフェイス190が備えられており、これによってリングシート192と協働して
コアインサート120周辺にコアリング140を取り付けることを想起すれば、リングボディは、その内側表面144のアライメント部分142に沿った取り付けインターフェイス190を規定することをここで理解し得る。
【0032】
さらに、コアリング140も、リテーナーインターフェイス143を備え、これにより、ロックリング130上の保持インターフェイス132と連動して
コアインサート120のコアリング140をトラップすることを想起すれば、リング本体は、その外部表面のアライメント部分上のリテーナーインターフェイス143を規定することをここで理解し得る。リテーナーインターフェイス143は、図示するように、円錐型オステーパーの形状を有する。
【0033】
ここで、型スタック116の残りの部材の簡単な説明へと移り、
図2および3Aを参照すると、キャビティ挿入部160は、第2の金型部分の第2のモールドシュー(図示せず)で規定する穴(図示せず)へ設置するため、図示するように、キャビティ挿入部部分162を備え得ることが理解できるだろう。キャビティ挿入部部分162は、型穴119の外側本体部分168を規定する。また、キャビティ挿入部160も、使用時に第2のモールドシューへ取り付けられる取り付けフランジ164、穴内のキャビティ挿入部部分162を保持するように構造化されているキャビティ挿入部部分162を備える。また、キャビティ挿入部部分162は、第2の分割インサーシート(座部)166も規定する。
【0034】
最後に、ゲート挿入部部分170は、型穴119の終端部172を規定する。ゲート挿入部170の構造は、一般に、終端部172を規定する円筒体と、その対向端へ通るノズルインターフェイス173とを備え、双方がゲート導管で接続されている。ノズルインターフェイス173は、溶融物を型穴119に導入するため、使用時にホットランナー等の溶融分配装置のノズル(図示せず)と協働する。ゲート挿入部170は、キャビティ挿入部160とともに、使用時に第2のモールドシュー(図示せず)の穴内に取り付ける。
【0035】
図4を参照すると、ここには、型スタック216の第2の非限定的実施例の一部断面図が示されている。型スタック216の第2の非限定的実施例は、異なるコアリング240を備えていることを除き、型スタック116の第1の非限定的実施例と同じである。コアリング240は、使用時に
コアインサート120から成形品のエアアシステッドエジェクションを提供するエアノズル242をさらに備えることを除き、型スタック116の第1の非限定的実施例のコアリング140と類似している。エアノズル242は、コアリング240のリング本体で規定する。エアノズル242は、リング本体の側壁を通じて規定する分岐導管241へと流体接続される給入口を備える。このような場合、分岐導管241は、トランク圧力導管212前述のトランク圧力導管112と同様)とエアノズル242を流体接続する。また、エアノズル242も、コアリング140の上面248に給入口を備え、ここを介して
コアインサート220上の成形品(図示せず)の方向に高速空気を出す。
【0036】
図5を参照すると、ここには、型スタック316の第3の非限定的実施例の断面図が示されている。型スタック316の第3の非限定的実施例は、ロックリング130の支援なしでその上に保持されるように
コアインサート320に押圧嵌合されるコアリング340を備えていることを除き、型スタック116の第1の実施例と類似している。この場合、
コアインサート320のコアリング管状体は、
コアインサート320上に規定する環状リングシート(座部)392により干渉嵌合を形成する円筒状取り付けインタフェースインターフェイス390を規定する。
【0037】
図6を参照すると、ここには、型スタック416の第4の非限定的実施例の断面図が示されている。型スタック416の第4の非限定的実施例は、
コアインサート420上にコアリング440を保持するようにロックリング430がさらに協働することを除き、型スタック316の実施例と類似している。この場合、ロックリング430の管状体は、その内側表面上の保持インターフェイス432を規定し、前記保持インターフェイス432は、コアリング440上のリテーナーインターフェイス443と使用時に協働して
コアインサート420上のコアリング440のトラッピングの機能を実行する。ロックリング430管状体およびリング本体、およびコアリング440は、それぞれ、その上で密閉するための対立的ステップ全体で、保持インターフェイス432およびリテーナーインターフェイス443を規定する。
【0038】
図7を参照すると、ここには、型スタック516の第5の非限定的実施例の断面図が示されている。型スタック516の第5の非限定的実施例は、
コアインサート520に保持するため締着具(図示せず)と協働するようにコアリング540が構成されることを除き、型スタック316の第3の実施例と類似している。特に、コアリング540のリング本体は、そこに締着具(図示せず)を通過可能に受け入れる用に構成されているリテーナーインターフェイス543を規定し、そこで、管状体の
コアインサート520は、締着具の終端を受け入れるため、溝の形状で保持インターフェイス525を規定する。
【0039】
図8および9を参照すると、ここには、型スタック616の第6の非限定的実施例が示されている。型スタック616の第6の非限定的実施例は、型スタック116の第1の実施例と類似している。
【0040】
コアリング140(
図2)と同様に、型スタック616は、使用時に
コアインサート620の内側部分周辺に配置されるコアリング640を備える。より詳しくは、
コアインサート620は、部内側表面上621のリングシート(座部)692を規定する管状体を有し、その上のコアリング640は、使用時に取り付けインターフェイス690と協働して取り付けられることもあり得る。型穴619の上部分645は、コアリング640および
コアインサート620間で分割され、その2つの間で
、コアリング
とコアインサートとの間
の分割
ライン682が規定される。
【0041】
コアリング640は、少なくとも部分的に
分割型インサート150内で規定するポケット152内に受容されるように構成される。より詳しくは、コアリング640は、
分割型インサート150のポケット152で受け入れ可能な突起部649を備えるリング本体を有し、突起部649の上面648は、ポケット152の埋め込み面158と協働して
、コアリング
と分割型インサートとの間
の分割ライン680を規定する。
【0042】
また、コアリング640および
分割型インサート150も、協働して、コアリング
と分割型インサートとの間
の分割ライン680をまたがる分割ライン通風孔615を規定し、これにより、使用時に、形成ステップ中の型穴619から通風を提供する。特に、
図8に最も良く示されているように、コアリング640の上面648は、複数の通気スロット646によって分離されている複数の半環状パッド647を備え得る。従って、成形ステップ中は、複数の半環状パッド647は、
分割型インサート150内のポケット152のはめ込み面158と接触するシャットオフを形成するのに対し、複数の通気スロット646は、はめ込み面158と協働する分割ライン通風孔615を形成するように構成される。さらに、コアリング140および
分割型インサート150も、協働して分割ライン通風孔615を
分割型インサート150の部材間で規定する
分割型インサート通風孔(図示せず)と流体接続するための分割ライン通気導管613を規定する。特に、分割ライン通気導管613は、使用時に
分割型インサート150のポケット152に配置されるコアリング640の突起部649間のギャップで規定される。
【0043】
尚、型スタック616と型スタック116の間には、顕著な差異が存在する。その中でも特に、型スタック116は、ロックリング130を必要としない。代わりに、ロックリング130の機能は型スタック616の
コアインサート620およびコアリング640へと組み込まれている。より詳しくは、
コアインサート620は、その終端に提供される保持フランジ630によって、第1の金型部分(図示せず)のコアプレート(図示せず)に直接保持されるように構成される。保持フランジ630は、
コアインサート620をコアプレートに使用時に締め付ける締着具を受け入れるように、それを通る一連の孔を備える。また、コアリング640は、成形品(図示せず)の成形ステップ中に
分割型インサート150を整列配置して閉じた状態を保つように構成される(つまり、その部分をクローズ構成に保つ)。より詳しくは、コアリング640は、第1の
分割型インサートのシート636を規定するように構造化されている。第1の
分割型インサートのシート636は、本書に示すように、
分割型インサート150の第2の突起部156(つまりオステーパー)を受け入れるための円錐型メステーパーの形状を有する。
【0044】
型スタック616と型スタック116の間における別の顕著な差異として、さらに、コアリング640は、ロックリング130(
図3B)により保持されるのではなく、
コアインサート620に固定されることが挙げられる。この場合、コアリング640は、コアリング640をコア620に保持するため、使用時に
コアインサート620上の保持インターフェイス627と協働するように構成されるリテーナーインターフェイス643を規定する。より詳しくは、コアリング640および
コアインサート620は、共に通過可能に接続されるように構造化されている。具体的には、
コアインサート620の保持インターフェイス627は、外部内側表面121の下部に隣接するように提供されているコアスレッド627である。コアリング640上のリテーナーインターフェイス643は、その内側表面644の下部近くにあるリングスレッド643である。リングスレッドおよびコアスレッドは、コアリング640と
コアインサート620との間で相対的回転を伴って取り外し可能に係合して協働するように適用されている。このような相対的回転を円滑化するため、コアリング640では、相補型スプラインツール(図示せず)と係合可能であるその外部表面を覆っているツーリングスプライン645を備え得る。コアリング640を
コアインサート620に通過可能に固定することの技術的な効果には、コアリング640の交換の容易性の向上が含まれ得る。さらなる利点として、コアリング640は、おそらく、成形機(図示せず)に配置される射出モールドと置き換えることができることが想定される。
【0045】
型スタック616と型スタック116との間におけるさらなる顕著な差異として、コアリング
とコアインサートとの間
の分割ライン682に沿って提供されている分割ライン通風孔110の特殊構造と、空気圧のソースまたはシンクへ接続される方法が挙げられる。より詳しくは、
コアインサート620の管状体は、
図8に最も良く示されているが、分割ライン孔610の画成を支援するため、その外部内側表面621に沿って、相互接続された溝のネットワークも規定する。外部内側表面121(
図2)と同様に、外部内側表面621も、上部コレクタ溝622およびそこから下への伸びる複数の垂直溝624を備える相互接続溝を有する。
図9に最も良く示されているが、上部コレクタ溝622は、使用時に管状体の上部内側表面621の上部分625およびコアリング640のリング本体の内側表面644に規定される偏狭に裂けた円筒状表面間を通る空気を収集するため、型穴に隣接する管状体上に配置される。複数の垂直溝624は、使用時にその間の空気をチャネリングするため、使用時に上部コレクタ溝622およびコアリング640で規定する下部コレクタ溝626を流体接続する。上述では、下部コレクタ溝126が
コアインサート120上に提供されている(
図2および3B)ことを想起する。コアリング140(
図3B)と同様に、コアリング640は、分岐導管641を備え、これにより、分割ライン孔610とトランク圧力導管612を流体接続する。顕著な差異は、トランク圧力導管612は、ロックリング120なしで
コアインサート620内で規定することである。圧力導管612および分岐導管641間の流体連通を確保するため、その間のカップリング溝651が提供されており、カップリング溝651は、コアリング640の基礎部周辺に伸びる。
【0046】
図10を参照すると、ここには、型スタック716の第7の非限定的実施例の断面図が示されている。型スタック716の第7の非限定的実施例は、コアリング740がその外側表面の下部のみを覆うツーリングスプライン745を有することを除き、型スタック616の第6の非限定的実施例と同じである。この方式において、コアリング740の外側表面の上部分747は、相対的に狭く構造化してストリッパアセンブリ(図示せず)のスライドペア(図示せず)内のコアリング740に対する空間要件を低減し、スライドペアの構造をより堅牢化し得る。
【0047】
上述の内容は、より適切ないくつかの非限定的実施例を概説していることに着目する。これらの非限定的実施例は、多くの用途に適用することができる。従って、説明は、特定の配置および方法に対して行われているが、これらの非限定的実施例の目的および概念は、その他の構成および用途にも適しており、また適用可能である。当業者にとって、開示されている非限定的実施例への変更が影響を受ける可能性があることは明白である。概説した非限定的実施例は、その顕著な特徴および用途の一部の実例として解釈されるべきものである。その他の有益な結果は、当該技術に精通するものに既知である方法で、さまざまな方法およびこれらの非限定的実施例を適用することにより実現可能である。これには、上述の説明がなされていない限り、本書で明示的に意図する各種非限定的実施例間の特徴、エレメント、および/または機能の組合せおよびマッチングが含まれる。