(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738455
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】高電圧コネクタ用のゼラチン状誘電材料
(51)【国際特許分類】
H01R 13/53 20060101AFI20150604BHJP
H01R 4/48 20060101ALI20150604BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
H01R13/53
H01R4/48 B
H01R43/00 Z
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-105299(P2014-105299)
(22)【出願日】2014年5月21日
(65)【公開番号】特開2014-229618(P2014-229618A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2014年7月22日
(31)【優先権主張番号】61/827,374
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/242,989
(32)【優先日】2014年4月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598098928
【氏名又は名称】トーマス・アンド・ベッツ・インターナショナル・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(72)【発明者】
【氏名】ラリイ エヌ.シーベンス
【審査官】
山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】
特開平4−262374(JP,A)
【文献】
実開昭57−78226(JP,U)
【文献】
特開昭53−23094(JP,A)
【文献】
米国特許第5655921(US,A)
【文献】
米国特許第4082403(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/53
H01R 4/48
H01R 43/00
H01R 13/187
H01R 13/70
H02G 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体であって、
第1のボアを有する導電性バスを備えるブッシング部と、
前記第1のボアと軸方向に位置合せされる第2のボアを有する導電性ハウジングと、
前記第1のボアと前記第2のボアとを分離する内部チャンバーと、
前記内部チャンバー内に封入されたゼラチン状シリコーン材料と、
を備える装置本体と、
ピンアセンブリであって、
非導電性先端部と、
前記非導電性先端部に固定された導電性ピンと、
を備え、前記第1のボア及び前記第2のボア内で、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供する閉鎖位置と、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供しない開放位置との間で、軸方向に移動するように構成されたピンアセンブリと、
を備え、
前記ゼラチン状シリコーン材料は、前記ピンアセンブリが前記開放位置にあるときの前記非導電性先端部の表面を横切る電圧アーク放電を阻止する、コネクタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ装置であって、該コネクタ装置は、5キロボルト(kV)を超える公称システム電圧で動作するように構成され、前記ピンアセンブリが前記開放位置にあるときの前記導電性ピンと前記バスとの間の距離は3インチ未満である、請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記ブッシング部は、前記第1のボアと前記ピンアセンブリとの間に配置された第1のOリングを更に備え、前記導電性ハウジングは、前記第2のボアと前記ピンアセンブリとの間に配置された第2のOリングを更に備える、請求項1又は2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記ゼラチン状シリコーン材料は、前記ピンアセンブリの一部が前記内部チャンバー内に前記第1のOリング又は前記第2のOリングのいずれかを越えて摺動すると、前記ピンアセンブリの表面に再付着するように構成されている、請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記装置本体は、
前記ピンアセンブリが前記閉鎖位置にあるときに前記導電性ピンと前記バスとの間に電気的接触を提供する、前記第1のボアの一部に沿ったルーバーコンタクトの第1の組と、
前記導電性ピンと前記導電性ハウジングとの間に電気的接触を提供する、前記第2のボアの一部に沿ったルーバーコンタクトの第2の組と、
を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記内部チャンバー内にゼラチン状シリコーン材料を収容し、前記ルーバーコンタクトの第1の組により前記第1のボアの前記一部を分離するように更に構成されている、請求項5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記ピンアセンブリは、
前記非導電性先端部の第1の軸方向チャネルと、
前記導電性ピンの第2の軸方向チャネルと、
を更に備え、前記第1の軸方向チャネル及び前記第2の軸方向チャネルは、前記ピンアセンブリが前記第1のボア内に前進する間、空気が前記第1のボアから漏れ出るのを可能にするように位置合せされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記チャンバーが形成された後、かつ前記ピンアセンブリが前記チャンバー、前記第1のボア及び前記第2のボア内に配置された後、前記内部チャンバー内に前記ゼラチン状シリコーン材料を追加する挿入ポートを更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
第1の接触子を備えるブッシングと、
第2の接触子を備えるハウジングであって、前記第1の接触子と前記第2の接触子との間の高電圧回路が、前記第1の接触子及び前記第2の接触子と選択的に係合する導電性部材アセンブリを介して開閉するように構成されている、ハウジングと、
前記第1の導電性部分と前記第2の導電性部分とを分離する内部チャンバーと、
前記内部チャンバー内に封入されたゼラチン状シリコーン材料であって、前記内部チャンバー内の前記導電性部材の移動を可能にし、かつ前記回路が開放したときに前記第1の接触子と前記第2の接触子又は前記導電性部材のいずれかとの間に誘電バリアを提供するように構成されたゼラチン状シリコーン材料と、
を備えるコネクタ装置本体。
【請求項10】
前記内部チャンバーが水密筐体として構成されている、請求項9に記載のコネクタ装置本体。
【請求項11】
前記内部チャンバーが形成された後、該内部チャンバー内に前記ゼラチン状シリコーン材料を追加する挿入ポートを更に具備する、請求項9又は10に記載のコネクタ装置本体。
【請求項12】
コネクタ装置を組み立てる方法であって、
第1のボアを有する導電性バスを備えるブッシング部を準備することと、
第2のボアを有する導電性ハウジングを準備することと、
前記第1のボア及び前記第2のボアにピンアセンブリを挿入することであって、該ピンアセンブリは、非導電性先端部に固定された導電性ピンを備え、前記ピンアセンブリは、前記第1のボア及び前記第2のボア内で、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供する閉鎖位置と、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供しない開放位置との間で、軸方向に移動するように構成されることと、
前記ブッシング部と前記導電性ハウジングとを接合することであって、前記第1のボア及び前記第2のボアを軸方向に位置合せするとともに、前記ピンアセンブリの一部の周囲に内部チャンバーを形成し、前記内部チャンバーは前記第1のボアと前記第2のボアとを分離することと、
ポートを介して前記内部チャンバー内に、該内部チャンバー内にゼラチン状シリコーン材料を挿入することであって、該ゼラチン状シリコーン材料が、前記ピンアセンブリが前記開放位置にあるときの前記非導電性先端部の表面を横切る電圧アーク放電を阻止することと、
を含む、コネクタ装置を組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧回路遮断器、開閉装置及び他の電気機器等、高電圧電気コネクタに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
高電圧用途で使用される典型的な誘電材料としては、空気、油又は六フッ化硫黄(SF
6)ガスが挙げられる。空気の場合、高電圧(例えば5+kV)環境でアーク放電の可能性を低減するために接触子間に長い距離が必要である。空気と比較して、油の場合は接触子間に必要な距離が短いが、油は故障が発生したときに発火しやすく、有害なポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む場合がある。油と同様に、SF
6ガスの場合、接触子間に必要な距離は比較的短いが、環境保護の理由でSF
6ガスの使用は望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一態様によると、装置本体とピンアセンブリとを備えるコネクタ装置が提供される。コネクタ装置は、第1のボアを有する導電性バスを備えるブッシング部と、前記第1のボアと軸方向に位置合せされる第2のボアを有する導電性ハウジングと、前記第1のボアと前記第2のボアとを分離する内部チャンバーと、前記内部チャンバー内に封入されたゼラチン状シリコーン材料とを備える。ピンアセンブリは、非導電性先端部と、前記非導電性先端部に固定された導電性ピンとを備える。ピンアセンブリは、前記第1のボア及び前記第2のボア内で、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供する閉鎖位置と、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供しない開放位置との間で、軸方向に移動するように構成される。前記ゼラチン状シリコーン材料は、前記ピンアセンブリが前記開放位置にあるときの前記非導電性先端部の表面を横切る電圧アーク放電を阻止する。
【0004】
本発明の別の態様によると、コネクタ装置を組み立てる方法が提供される。本方法は、第1のボアを有する導電性バスを備えるブッシング部を準備することと、第2のボアを有する導電性ハウジングを準備することと、前記第1のボア及び前記第2のボアにピンアセンブリを挿入することであって、該ピンアセンブリは、非導電性先端部に固定された導電性ピンを備え、前記ピンアセンブリは、前記第1のボア及び前記第2のボア内で、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供する閉鎖位置と、前記導電性バスと前記導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供しない開放位置との間で、軸方向に移動するように構成されることと、前記ブッシング部と前記導電性ハウジングとを接合することであって、前記第1のボア及び前記第2のボアを軸方向に位置合せすることともに、前記ピンアセンブリの一部の周囲に内部チャンバーを形成し、前記内部チャンバーは前記第1のボアと前記第2のボアとを分離することと、ポートを介して前記内部チャンバー内に、該内部チャンバー内にゼラチン状シリコーン材料を挿入することであって、該ゼラチン状シリコーン材料が、前記ピンアセンブリが前記開放位置にあるときの前記非導電性先端部の表面を横切る電圧アーク放電を阻止することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本明細書に記載する実施態様による、開放位置にあるコネクタアセンブリを示す概略断面図である。
【
図2】閉鎖位置にある
図1のコネクタアセンブリを示す概略断面図である。
【
図3】
図1のコネクタアセンブリのコネクタ本体の概略断面図である。
【
図4】
図1のコネクタアセンブリのピンアセンブリの拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、添付図面を参照する。異なる図面の同じ参照符号は、同じか又は同様の要素を識別するものとする。
【0007】
本明細書に記載する実施態様によれば、高電圧電気コネクタにおいてコンタクトピンアセンブリを隔離する誘電材料として、シリコーンゲルで充填されたチャンバーが使用される。シリコーンゲルは、コンタクトピンアセンブリに対して付着し、分離しかつ再付着することができる可鍛性絶縁化合物として作用する。シリコーンゲルは、電圧によりピンアセンブリの絶縁面に沿ってクリープが発生すること及び/又は高電圧電気コネクタの導電性構成部品にわたってフラッシュオーバー又はアーク放電が発生することを防止する。
【0008】
本開示で使用する「高電圧」という用語は、5キロボルト(kV)を超える公称システム電圧で動作するように構成された機器を指す。したがって、「高電圧」という用語は、一般に「配電」系統と呼ばれる、約5kVから約38kVの公称電圧で動作するシステム等における、電力事業者サービスで使用されるのに適している機器とともに、約38kVを超える公称電圧で動作する「送電」系統で使用される機器を指す。適用可能な機器としては、回路遮断器、接地装置、開閉装置又は他の高電圧機器を挙げることができる。
【0009】
図1は、本明細書に記載する実施態様による、開放位置にあるコネクタアセンブリ10を示す概略断面図である。
図2は、閉鎖位置にあるコネクタアセンブリ10を示す概略断面図である。コネクタアセンブリ10は、概して、装置本体100と、装置本体100内で
図1の開放位置と
図2の閉鎖位置との間で軸方向に移動するピンアセンブリ200とを備えることができる。
図3は、装置本体100の概略断面図であり、
図4は、ピンアセンブリ200の拡大概略図である。
【0010】
まとめて
図1〜
図4を参照すると、装置本体100は、バス106に接続されるコネクタ102を備えることができる。一実施態様では、コネクタ102は、図示するようにねじ式接続部を有することができる。他の実施態様では、コネクタ102は、スペードコネクタ又はバス106と一体的に形成される別のタイプのコネクタを含むことができる。コネクタ102及びバス106を、銅等の導電性材料から作製することができる。コネクタ102及び/又はバス106は、装置本体100のブッシング部104を通って延在することができる。ブッシング部104は、コネクタ102が延出しているバス106の周囲に絶縁外層を形成することができる。ブッシング部104を、例えば絶縁ゴム又はエポキシ材料から作製することができる。一実施態様では、ブッシング部104は、ANSI標準規格高電流インターフェースとしてサイズを決めることができる。
【0011】
例えば
図3に示すように、バス106は、内部に同心状に形成された軸方向ボア108と一組のルーバーコンタクト110とを備えることができる。ボア108を、更に後述するように、ピンアセンブリ200がルーバーコンタクト110に対して摺動することができるようピンアセンブリ200を収納するように構成することができる。例えば
図3に示すように、ボア108は、ブッシング部104のより大きい開口部109内に通じることができる。
【0012】
装置本体100は、導電性ハウジング112を更に備えることができる。導電性ハウジング112を、銅等の導電性材料から作製することができる。導電性ハウジング112は、他の電気機器への又は接地への端子接続又は別のインターフェース(図示せず)を備えることができる。
【0013】
図3に示すように、導電性ハウジング112はまた、内部に同心状に形成された軸方向中心ボア118と一組のルーバーコンタクト120とを備えることができる。本明細書では、実施態様を、ルーバーコンタクト110/120を用いて説明しているが、他の実施態様では、ボア108及びボア118において異なるタイプの接触子を使用することができる。他の実施態様では、ボア108及びボア118は、ルーバーコンタクト110/120の代りに単に接触子領域を含むことができる。中心ボア118を、更に後述するように、ピンアセンブリ200がルーバーコンタクト120に対して摺動することができるようピンアセンブリ200を収納するように構成することができる。例えば
図3に示すように、中心ボア118は、導電性ハウジング112のより大きい開口部119につながることができる。
【0014】
図1及び
図4に示すように、ピンアセンブリ200は、非導電性(例えば絶縁)先端部202及び導電性ピン204を備えることができる。一実施態様では、非導電性先端部202を、プラスチック材料から形成することができ、導電性ピン204を、銅から形成することができる。非導電性先端部202はねじ付きスタッド206を備えることができ、導電性ピン204は、非導電性先端部202を導電性ピン204に固定するために、対応するねじ切り雌開口部208を備えることができる(又はその逆も可)。他の実施形態では、非導電性先端部202を、エポキシ樹脂又は他の接着剤等により、導電性ピン204に化学結合又は接着させることができる。非導電性先端部210は、ピンアセンブリ200がボア108内を前進する間に空気がボア108から漏れ出るのを可能にするために、導電性ピン204の対応するチャネル212と位置合せするように構成されたチャネル210を備えることができる。導電性ピン204はまた、非導電性先端部202と導電性ピン204との間の接触面を封止するためにOリング216用の座部214を備えることができる。
【0015】
ピンアセンブリ200は、ボア108/118及び開口部109/119内で軸方向に移動することができる。ピンアセンブリ200を、例えばモーター(図示せず)又は他の機械力により、
図1に示す開放位置と
図2に示す閉鎖位置との間で駆動することができる。一実施態様では、例えば、ピンアセンブリ200を
図1の開放位置と
図2の閉鎖位置との間で選択的に駆動するようにモーターを始動するコントローラーと通信することができる。
【0016】
一実施態様では、装置本体100及びピンアセンブリ200は、コネクタアセンブリ10が開放/非接地位置にあるときにバス106と導電性ピン204との間に軸方向距離(
図1では「D」)のおよそ2インチ(例えば±1/8インチ)を提供するように構成されている。したがって、ピンアセンブリ200の軸方向移動距離を、コネクタアセンブリ10が閉鎖/接地位置にあるときに導電性ピン204とルーバーコンタクト110との間の優れた接触を確実にするように、約2インチと3インチとの間とすることができる。
【0017】
概して、一実施態様では、ピンアセンブリ200を、非導電性先端部202が、コネクタアセンブリ10が
図1の開放位置にあるときは少なくとも部分的にボア108内にあり(例えば、後述するOリング134と接触し)、コネクタアセンブリ10が
図2の閉鎖位置にあるときは完全にボア108内にある(例えば、Oリング134を越えて挿入される)ように構成することができる。また、導電性ピン204を、コネクタアセンブリ10が
図1の開放位置にあるか
図2の閉鎖位置にあるときに少なくとも部分的にボア118内にある(例えば、後述するOリング136と接触する)ようにすることができる。したがって、ピンアセンブリ200を、コネクタ装置10の特定の開放/閉鎖位置に関らずボア108及び118内に常に係留されたままにすることができる。
【0018】
開口部109及び開口部119が合わせて、装置本体100内部にチャンバー130を形成することができる。本明細書に記載する態様に一貫して、チャンバー130は、固形又は半固形の誘電材料で充填される。特に、本明細書に記載する実施態様では、シリコーンゲル132が、誘電絶縁材料としての役割を果たすことができる。チャンバー130内でシリコーンゲル132を封止するために、かつ水密筐体を提供するために、幾つかのOリング134、136及び138を使用することができる。より詳細には、Oリング134を、ボア108への入口の近くのピンアセンブリ200に隣接してボア108に沿って設置することができる。同様に、Oリング136を、ボア118への入口の近くのピンアセンブリ200に隣接してボア118に沿って設置することができる。ブッシング部104と導電性ハウジング112との間の接触面に、追加のOリング138を含めることができる。一実施態様では、Oリング134、136及び138の各々を、それぞれの接触面を封止するように同一のエラストマー材料から作製することができる。他の実施態様では、Oリング134、136及び138のうちの1つ又は複数を、異なる材料から作製することができる。
【0019】
ブッシング部104及び導電性ハウジング112が接合された後、シリコーンゲル132を、ポート140(
図3に示す)を介してチャンバー130内に挿入することができる。ポート140を、例えばブッシング部104又は(
図3に示すように)導電性ハウジング112を通して有することができる。例示的な実施態様では、ポート140は、シリコーンゲル132の挿入後に差し込むことができる部分的にねじ切りされた開口部を有することができる。
【0020】
一実施態様では、シリコーンゲル132は、粘度が比較的低い、透明な2成分(例えば基剤及び架橋剤を含む)シリコーンゲルとすることができる。例示的な実施態様では、シリコーンゲル132を、例えば熱又は別の加速プロセスを用いてチャンバー130内で硬化させることができる。別の実施態様では、シリコーンゲル132を、チャンバー130内に挿入する前に硬化させることができる。シリコーンゲル132はまた、ピンアセンブリ200の一部がOリング134/136を越えてチャンバー130から出るように摺動するときにピンアセンブリ200の表面から分離するという点で、自己回復性であることもできる。シリコーンゲル132は、ピンアセンブリ200の一部がOリング134/136を越えてチャンバー130内に戻るように摺動する際に、ピンアセンブリ200の表面に再付着することができる。
【0021】
チャンバー130内のシリコーンゲル132を、非導電性先端部202に沿ったバス106/ルーバーコンタクト110とピンアセンブリ200との間の絶縁媒体として使用することができる。シリコーンゲル132は、電圧が、非導電性先端部202の表面を横切って(例えば、
図1に示す距離Dにわたる)アーク放電を発生させるのを阻止することができる。さらに、シリコーンゲル132により、導電性ピン204及び非導電性先端部202は、交互にバス106/ルーバーコンタクト110と接触するように、ボア108に出入りするように移動することができる。
【0022】
導電性ピン204がバス106/ルーバーコンタクト110と接触すると、導電性ハウジング112における高電圧とコネクタ102における電圧が同じ(例えば、
図2に示すように交流「X」ボルト)であるように、コネクタアセンブリ10を、閉鎖状態にすることができる。非導電性先端部202がバス106/ルーバーコンタクト110と接触すると、非導電性先端部202及びシリコーンゲルは、導電性ピン204及び/又は導電性ハウジング112に対するアーク放電をなくすように、バス106から導電性ピン204を分離することができる。したがって、コネクタアセンブリ10が開放すると、導電性ハウジング112における高電圧(例えば、
図1に示すように、交流「X」ボルト)を、コネクタ102(例えば、
図1に示すように交流0ボルト)に伝達しないようにすることができる。25000アンペアインターフェースに対する例示的な構成では、誘電絶縁体としてのシリコーンゲル132の使用により、ピンアセンブリ200が開放位置にあるとき、導電性ピン204とバス106との間で相対的に小さい距離D(
図1)の使用が可能になる。例えば、距離Dは、概して、3インチ未満、より詳細には約2インチとすることができる。対照的に、同様の条件下で絶縁媒体として空気を使用するために必要な距離は、10インチを超える。
【0023】
本明細書に記載する実施態様によれば、第1のボアを有する導電性バスを含むブッシング部(例えば、ブッシング部104)を準備し、第2のボアを有する導電性ハウジング(例えば、導電性ハウジング112)を準備することにより、コネクタアセンブリ10を組み立てることができる。第1のボア及び第2のボアにピンアセンブリ(例えば、ピンアセンブリ200)を挿入することができる。ピンアセンブリは、非導電性先端部に固定された導電性ピンを備えることができ、それにより、第1のボア及び第2のボア内で、導電性バスと導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供する閉鎖位置と、導電性バスと導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供しない(例えば、導電性バスから導電性ハウジングを絶縁する)開放位置との間で軸方向に移動することができる。第1のボア及び第2のボアを軸方向に位置合せし、かつピンアセンブリの一部の周囲に内部チャンバー(例えば、内部チャンバー130)を、内部チャンバーが第1のボアと第2のボアとを分離するよう形成するように、ブッシング部及び導電性ハウジングを接合することができる。ピンアセンブリが開放位置にあるときの非導電性先端部の表面を横切る電圧アーク放電の可能性を阻止するか又は実質的に低減するように、内部チャンバー内に、ポートを介してゼラチン状シリコーン材料(例えば、シリコーンゲル132)を挿入することができる。
【0024】
本明細書に記載する実施態様は、装置本体及びピンアセンブリを備える高電圧コネクタ装置を提供する。コネクタ装置は、第1のボアを有する導電性バスを備えるブッシング部と、第1のボアと軸方向に位置合せされる第2のボアを有する導電性ハウジングと、第1のボアと第2のボアとを分離する内部チャンバーと、内部チャンバー内に封入されたゼラチン状シリコーン材料とを備えることができる。ピンアセンブリは、非導電性先端部と非導電性先端部に固定された導電性ピンとを備えることができる。ピンアセンブリを、第1のボア及び第2のボア内で、閉鎖位置(例えば、導電性バスと導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供する)と開放位置(例えば、導電性バスと導電性ハウジングとの間に電気的接続を提供しない)との間で、軸方向に移動するように構成することができる。ゼラチン状シリコーン材料は、ピンアセンブリが開放位置にあるときの非導電性先端部の表面を横切る電圧アーク放電を阻止する。
【0025】
例示的な実施態様の上述した説明は、例示及び説明を提供し、網羅的であるようにも、本明細書に記載する実施形態を開示される厳密な形態に限定するようにも意図されていない。上記教示に鑑みて変更及び変形が可能であり、又は変更及び変形を、実施形態の実施から得ることができる。例えば、本明細書に記載した実施態様を、中電圧機器又は低電圧機器等、他の装置とともに使用することもできる。
【0026】
本発明を詳細に上述したが、当業者には、本発明の趣旨から逸脱することなく本発明を変更することができることが明らかとなることは明示的に理解される。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して、形式、設計又は配置の様々な変更を行うことができる。したがって、上述した説明は、限定するものではなく例示的なものとしてみなされるべきであり、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲において定義される範囲である。
【0027】
本明細書の説明で使用するいかなる要素、行為又は指示も、明示的に記載されていない限り、本発明に対して不可欠又は本質的であるものと解釈されるべきではない。また、本明細書で使用する数量を限定しない語(the article "a")は、1つ又は複数のものを含むように意図されている。さらに、「〜に基づく」という句は、別段明示的に述べられていない限り、「〜に少なくとも部分的に基づく」を意味するように意図されている。