(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738482
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】特に車両制御機器用のダイレクトプラグエレメント
(51)【国際特許分類】
H01R 13/11 20060101AFI20150604BHJP
H01R 12/71 20110101ALI20150604BHJP
【FI】
H01R13/11 C
H01R12/71
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-513955(P2014-513955)
(86)(22)【出願日】2012年4月23日
(65)【公表番号】特表2014-520362(P2014-520362A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】EP2012057401
(87)【国際公開番号】WO2012167986
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2014年2月6日
(31)【優先権主張番号】102011076962.5
(32)【優先日】2011年6月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マークス クレッケル
【審査官】
武山 敦史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−211378(JP,A)
【文献】
特開2000−231951(JP,A)
【文献】
実開昭60−078589(JP,U)
【文献】
特開2002−184507(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0238369(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/24
H01R 13/11
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイレクトプラグエレメントであって、
プラグハウジング(6)と、
ダイレクトコンタクト(2)と、を有し、
前記ダイレクトコンタクト(2)は、接触部分(31)及び当接部分(32)を備えたコンタクトプレート(3)と、
ダイレクトコンタクトハウジング(4)と、を有し、
前記ダイレクトプラグエレメントの非接触接続状態において、
前記当接部分(32)が、前記ダイレクトコンタクト(2)の長手方向(8)において前記ダイレクトコンタクトハウジング(4)から突出しているか、又は
前記当接部分(32)が、前記ダイレクトコンタクトハウジング(4)において、前記長手方向(8)に方向付けられている開口(62)の近くに配置されているように、
前記コンタクトプレート(3)は、前記ダイレクトコンタクトハウジング(4)内に配置されており、
前記ダイレクトプラグエレメントの接触状態において、
前記コンタクトプレート(3)の接触部分(31)は、前記ダイレクトコンタクトハウジング(4)の、前記長手方向(8)に対してほぼ垂直方向を向いている開口から突出するように変形する、ダイレクトプラグエレメント。
【請求項2】
前記ダイレクトコンタクトハウジング(4)は、四角形の横断面を備え、かつほぼ筺形に形成されていることを特徴とする、請求項1記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項3】
前記コンタクトプレート(3)及び前記ダイレクトコンタクトハウジング(4)は、一体の構成部品として設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項4】
前記コンタクトプレート(3)は、該コンタクトプレートの長手方向に延びている屈曲部(33)を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項5】
前記コンタクトプレート(3)の接触部分(31)は、ほぼ円弧形状を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項6】
前記ダイレクトコンタクト(2)は、ケーブル(7)を取り付ける取付け部分(5)を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項7】
前記ダイレクトプラグエレメントはさらに、別体の当接エレメント(40)を有していて、該当接エレメント(40)は、前記プラグハウジング(6)に取付け可能であり、前記コンタクトプレート(3)の当接部分(32)との接触用の当接面(41)を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項8】
前記ダイレクトプラグエレメントはさらに、係止エレメント(9)を有し、該係止エレメント(9)は前記コンタクトプレート(3)に配置されていて、前記コンタクトプレート(3)の接触位置を固定することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項9】
前記係止エレメント(9)は、前記当接部分(32)の端部近傍に配置されているか、又は前記当接部分(32)の端部に直接的に配置されていることを特徴とする、請求項8記載のダイレクトプラグエレメント。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載のダイレクトプラグエレメント(1)と、露出している接触領域(21)を備えた電気的な構成部品(25)とを有し、前記接触領域(21)は、前記ダイレクトプラグエレメント(1)によって直接的に接触接続されるように設けられている、電気的なアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグハウジングと、対応部材、例えばプリント配線板における露出している接触領域の直接形接触接続用のダイレクトコンタクト(Direktkontakt)とを有するダイレクトプラグエレメント(Direktsteckelement)、及びこのダイレクトプラグエレメントを備えた電気的なアセンブリに関する。
【0002】
最近では、ダイレクトプラグエレメントが直接的にキャリアプレート、例えばプリント配線板又はリードフレームに差し込まれる直接形差込みコンタクトがますます使用される。特に車両領域において使用する場合、やはり上記直接差込み型コネクタの頑丈さ及び耐用年数に関しての要求は高まっている。これまでダイレクトコンタクトのコンタクトプレートは、ダイレクトプラグエレメントのハウジングから十分に保護されずに突出している。これにより、搬送時、処理時又は取付け時、つまりダイレクトコンタクトのダイレクトプラグエレメントへの組付け時に損傷することがある。さらに、接触表面が傷つく或いは引っ掻かれるか若しくは極端な場合においては部分的に除去されるか、又は不都合な変形が生じる、という危険性がある。これにより、接触接続の問題が生じることがある。この危険性は、特に車両のための使用事例において存在する。その理由は、車両においてシールされている差込み型コネクタは、飛沫水等に対する防護部として使用する必要があり、この差込み型コネクタにおいては、ダイレクトコンタクトはエラストマシール部を貫通して取り付ける必要があるからである。
【0003】
発明の開示
これに対して、請求項1の特徴を有する、本発明に係るダイレクトプラグエレメントは、対応部材、例えばプリント配線板における接触領域との直接形接触接続が設定されているコンタクトプレートが、ダイレクトコンタクトハウジング内に確実に配置されているという利点を有する。これにより、特にダイレクトプラグエレメントにダイレクトコンタクトを取り付ける場合でも、ダイレクトプラグエレメントの取扱い中でも、コンタクトプレートの引っ掻き又は損傷を回避することができる。これにより本発明に係るダイレクトプラグエレメントは、常に確実な接触接続を可能にすることができる。このことは本発明によれば、ダイレクトコンタクトが、直接形接触接続用の接触部分を備えたコンタクトプレート並びに当接部分及びダイレクトコンタクトハウジングを有することにより達成される。この構成において、コンタクトプレートは、当接部分が、ダイレクトコンタクトの長手方向においてハウジングから突出しているか、又はダイレクトコンタクトハウジングにおいて、長手方向に方向付けられた開口の近くに配置されているように、ダイレクトコンタクトハウジング内に配置されている。したがって、コンタクトプレートの接触部分を、ダイレクトコンタクトハウジング内に保護するように配置することができる。こうしてダイレクトコンタクトの形成のために、ダイレクトコンタクトハウジングから突出している当接部分は、当接面に押し付けられ、これにより接触部分は、この接触部分がダイレクトコンタクトハウジングから突出するように変形し、その結果、確実な直接形接触接続が可能である。ダイレクトプラグエレメントにダイレクトコンタクトを損傷しないように取り付けることを確実にすることができる。
【0004】
従属請求項に、本発明の有利な改良形を記載する。
【0005】
好ましくはダイレクトコンタクトハウジングは、1つの面に開口を有する四角形の横断面を持ってほぼ筺形に形成されている。コンタクトプレートの接触部分は、この接触部分が開口から進出し、ひいては露出している接触領域、例えばプリント配線板との確実な直接形接触接続が可能であるように変形することができる。択一的には、ダイレクトコンタクトハウジングは、実質的にU字形の横断面を有することもでき、コンタクトプレートの接触部分は、この接触部分が、筺形のハウジングから、U字形の横断面の壁がない側において押し出されるように変形する。
【0006】
さらに好ましくは、コンタクトプレート及びダイレクトコンタクトハウジングは、ワンピースの構成部品として設けられている。ダイレクトコンタクト用の材料として、例えばばね金属薄板を使用することができる。
【0007】
コンタクトプレートの可能な限り確実な変形プロセスを保証するために、コンタクトプレートは、好ましくは長手方向屈曲部、つまりコンタクトプレートの長手方向に延在する屈曲部を有する。これにより、コンタクトプレートの形状は安定する。
【0008】
さらに好ましくは、コンタクトプレートの接触部分は、実質的に円弧形状を有する。円弧形状の外面は、ダイレクトコンタクトハウジングにおける開口の方向に方向付けられている。これにより、簡単で、単に小さい力の手間しか必要としない、コンタクトプレートの変形が可能になる。
【0009】
特に好ましくは、ダイレクトコンタクトはさらに、ケーブルの取付けのための1つの部材から成る取付け部分を有する。この取付け部分は、例えば圧着接続部として設けられていてよい。
【0010】
好ましくは本発明に係るダイレクトプラグエレメントはさらに、プラグハウジングに固定可能であり、コンタクトプレートの当接部分との接触用の当接面を有する別体の当接エレメントを有する。これにより既に、コンタクトプレートがダイレクトコンタクトハウジングから突出することなく、プラグハウジングにダイレクトコンタクトを取り付けることが可能である。次いで対応部材へのダイレクトプラグエレメントの差込みの直前に初めて、別体の当接エレメントをプラグハウジングに差し込むことができる。これにより、コンタクトプレートは変形し、接触部分はダイレクトコンタクトハウジングから突出する。このプロセスは、コンタクトプレートを可能な限り長くダイレクトコンタクトハウジング内において損傷しないように残しておくために、好ましくはダイレクトプラグエレメントを対応部材に差し込む直前に実施される。
【0011】
本発明の別の有利な構成によれば、ダイレクトコンタクトはさらに、コンタクトプレートに配置されている係止エレメントを有する。この構成において係止エレメントは、コンタクトプレートの接触位置、つまり接触部分が、対応部材の接触接続が可能であるようにダイレクトコンタクトハウジングから突出する位置を確保するように設けられている。特に好ましくは、係止エレメントは、当接部分の一端部の近くに又は当接部分の端部に直接的に配置されている。これにより特に、当接面における当接部分の当接時に、コンタクトプレートは対応して変形し、次いで係止エレメントが、例えばアンダカットに後方から係合して係止され、したがってコンタクトプレートの接触位置を固定して確保する、ということを保証することができる。
【0012】
さらに好ましくは、本発明に係るダイレクトプラグエレメントはさらに、プラグハウジング内におけるダイレクトコンタクトの所定の位置を確保するメインロック部を有する。択一的にはメインロック部の他にさらに付加的に、ダイレクトコンタクトの冗長的安全手段(redunante Absicherung)用の補助ロック部が設けられていてよい。さらに択一的には、補助ロック部は別体の差込み可能な部品により形成されていてもよく、この補助ロック部は、プラグハウジング内におけるダイレクトコンタクトの所定の位置の点検を可能にする。このことは、例えば補助ロック部の問題ない挿入時には、ダイレクトコンタクトの位置はプラグハウジング内において正しく、補助ロック部の挿入時に問題がある場合には、ダイレクトコンタクトの位置はプラグハウジング内において正しくない、というように行うことができる。
【0013】
さらに本発明は、本発明に係るダイレクトプラグエレメント及び露出している接触領域を有する対応部材を備えた電気的なアセンブリに関する。対応部材は、好ましくは露出している接触領域を備えたプリント配線板であり、このプリント配線板は、例えば車両用の制御機器において使用される。
【0014】
特に好ましくは、本発明に係るダイレクトプラグエレメントは、複数の露出している接触領域に接触接続するために列を成して配置された複数のダイレクトコンタクトを有する。
【0015】
本発明は、好ましくは車両の制御機器において、直接形接触接続のために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に基づく、ダイレクトプラグエレメントの概略的な断面図である。
【
図2】差し込まれた状態にある、
図1に示したダイレクトプラグエレメントの概略的な断面図である。
【
図3】正面から見た、
図1に示したダイレクトプラグエレメントの概略図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態に基づく、ダイレクトプラグエレメントを正面から見た概略図である。
【
図5】本発明の第3の実施の形態に基づく、ダイレクトプラグエレメントの概略的な断面図である。
【
図6】接触状態における、本発明の第4の実施の形態に基づく、ダイレクトプラグエレメントの概略的な断面図である。
【
図7】本発明の第5の実施の形態に基づく、ダイレクトプラグエレメントの概略図である。
【
図8】接触状態にある、
図7に示したダイレクトプラグエレメントの概略図である。
【0017】
以下に、本発明の有利な実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
本発明の有利な実施の形態
以下に、
図1〜
図3に基づいて、ダイレクトプラグエレメント1又はこのダイレクトプラグエレメント1及びプリント配線板20を備えた電気的なアセンブリを、詳細に記載する。
【0019】
特に
図1から分かるように、ダイレクトプラグエレメント1は、収容スペース60内に配置されているダイレクトコンタクト2を有する。収容スペース60は、プラグハウジング6内に設けられている。ダイレクトコンタクト2は、取付け部分5を介してケーブル7に電気的に接続されている。このことは、例えば圧着プロセスにより形成することができる。
【0020】
ダイレクトコンタクト2は、
図1に示した非接触接続状態において完全にダイレクトコンタクトハウジング4内に配置されているコンタクトプレート3を有する。このコンタクトプレート3は、実質的に円弧形状を有していて、後に直接形接触接続を達成する接触部分31と、当接部分32とを有する。この当接部分32は、コンタクトプレート3の端部に配置されていて、ダイレクトコンタクト2の長手方向8においてダイレクトコンタクトハウジング4から突出する。
図1から分かるように、プラグハウジング6には、このプラグハウジング6の底部領域に第1の開口61が形成されていて、第2の開口62が端面側の端部、つまりダイレクトコンタクト2の長手方向における端面側の端部に形成されている。この実施の形態において当接部分32は第2の開口62内に突き出ているので、当接部分32は、ダイレクトプラグエレメント1の外側から良好に到達可能である(
図3の正面図も参照)。
【0021】
この実施の形態において、直接形接触接続をダイレクトプラグエレメント1を介して実施したい場合、ダイレクトプラグエレメント1は、
図2において矢印Aで示されているようにスライドさせられて、制御機器22のプリント配線板20に設けられている接触領域21の露出している列に接触する。この実施の形態において、制御機器25は、プリント配線板ハウジング22を有する。このプリント配線板ハウジング22に当接面23が設けられている。この実施の形態において、当接面23は、プリント配線板ハウジング22の突出している領域に配置されている。この実施の形態において、突出している領域の形状は、ダイレクトプラグエレメント1に設けられている第2の開口62の形状に相当する。したがって、ダイレクトプラグエレメントを、プリント配線板に向かってスライドさせることにより、当接部分32は、プリント配線板ハウジングにおける当接面23と接触するので、コンタクトプレートは、矢印B及びCにより示されているように変形する。この実施の形態において、コンタクトプレート3は、接触部分31が第1の開口61を通って、ダイレクトコンタクト2の外面に向かって押圧され、ひいてはダイレクトコンタクト2から、そしてダイレクトプラグエレメントのプラグハウジング6からも突出している。この際、プリント配線板20における、露出している接触領域21の直接形接触接続を行うことができる。
【0022】
ダイレクトコンタクト2用の材料として、好ましくはばね金属薄板を使用する。この実施の形態において、好ましくはコンタクトプレート3は、ダイレクトコンタクトハウジング4に一体に形成されている。当然ながら、コンタクトプレート3及びダイレクトコンタクトハウジング4は、異なる材料から製造されているということも可能である。しかし特にコンタクトプレート3に対しては、ばね金属薄板等が有利である。これにより、コンタクトプレート3の固有弾性率に基づき、コンタクトプレート3が、再びその出発形状に戻る性質を有するので、本発明に係るダイレクトプラグエレメント1を、プリント配線板に何度も差し込む或いは取り付けることができかつ引き抜くことができる。
【0023】
図4に示した第2の実施の形態は、コンタクトプレートの長手方向に屈曲部33を有するコンタクトプレート3の他の幾何学形状を示す。これにより、コンタクトプレート3のより高い剛性が達成され、特にコンタクトプレート3の復元力が改良される。
【0024】
図5に、本発明の第3の実施の形態に基づくダイレクトプラグエレメント1を示す。同じ部品及び機能に関して同じ部品には、第1の実施の形態と同じ符号を用いる。第1の実施の形態とは異なり、第3の実施の形態のダイレクトプラグエレメント1はさらに、ダイレクトコンタクト2をプラグハウジング6において確実に位置固定するために、メインロック部10と、補助ロック部11とを有する。メインロック部10は、プラグハウジング6における突出領域として形成されている。この領域は、ダイレクトコンタクトハウジング4における、対応して形成された切欠きに係合する。補助ロック部11は、第3の開口62内に導入可能である別体の構成部品として設けられている。この実施の形態において、補助ロック部は、特にダイレクトプラグエレメントへのダイレクトコンタクト2の正しい取付けが行われたかを決定するために働く。補助ロック部を、問題なくダイレクトプラグエレメント1に導入することができる場合、このことは、ダイレクトコンタクト2の取付けが正確である、ということを意味する。補助ロック部の挿入時に問題がある場合、このことは、プラグハウジング6におけるダイレクトコンタクト2の正確でない位置に対する示唆である。それ以外の点について、この実施の形態は、前述の実施の形態に相当するので、前述の記載を参照することができる。
【0025】
図6に、本発明の第4の実施の形態に基づく対応部材と接触した状態にあるダイレクトプラグエレメントを示す。この場合、同じ部品若しくは機能に関して同じ部品は、前述の実施の形態と同じ符号を用いる。
【0026】
図6から分かるように、第4の実施の形態は、当接面41を備えた別体の当接エレメント40を有する。当接面41は、当接部分32と接触して、コンタクトプレート3の変形をもたらすために設けられている。この実施の形態において、当接エレメント40は、例えば差込みコネクタを介してプラグハウジング6に結合することができる別体の構成部品である。この実施の形態の大きな利点は、コンタクトプレート3が、例えばプリント配線板ハウジング22へ復元力を加えることができず、当接エレメント40の当接面41において支持される、という点にある。別の大きな利点は、別体の当接エレメント40を、露出している接触領域21の直接形接触接続のための実際の差込みプロセスの直前に初めて差し込む(矢印D)ことができる、という点にある。これにより、コンタクトプレート3は、組付けの直前まで保護されて、ダイレクトコンタクトハウジング4内にとどまり、別体の当接エレメント40の差込みにより初めて変形する。それ以外の点について、この実施の形態は、前述の実施の形態に相当するので、前述の実施の形態に関する記載を参照することができる。
【0027】
図7及び
図8に、本発明の第5の実施の形態を詳細に記載する。やはり、同じ部品若しくは機能に関して同じ部品には、前述の実施の形態と同じ符号を用いる。第5の実施の形態は、当接部分32において、付加的にさらに係止エレメント9を有する。この係止エレメント9は、コンタクトプレート3の当接部分32の端部に配置されている。
図7に、ダイレクトプラグエレメント1の非接触接続状態を示す。この状態において、当接部分32は、まだ第2の開口62内に配置されている。
図8に示してあるように、接触状態においては、当接部分32はまたプリント配線板ハウジング22における当接面23に接触する。これにより、コンタクトプレート3の変形が惹起される。接触により、係止エレメント9を備えた当接部分32は、矢印Bの方向で移動するので、係止エレメント9は、収容スペース60内において内壁64により形成されたアンダカットに後方から係合する(
図8参照)。これにより、コンタクトプレート3の位置は係止されていて、この位置は、ダイレクトプラグエレメント1の度重なる差込み及び引抜きの場合であっても維持される。他の利点は同様に、係止エレメント9により、コンタクトプレート3の復元力がプリント配線板ハウジング22に伝達される、ということが防がれるという点にある。この実施の形態において、力は、プレート変位をもたらす差込みプロセスの期間中だけ作用する。係止作用が発揮されると、ダイレクトコンタクトハウジング4内でコンタクトプレート3は係止されている。
図8において明らかであるように、コンタクトプレート3の復元力は、係止エレメント9を介して制御ハウジング6に伝達される。係止エレメント9を使用する別の利点は、係止エレメントが、差込みプロセス中に、取付工に、ダイレクトプラグエレメント1が正しく差し込まれた、という合図を示す音響による合図、例えばクリック音を形成することができるように構成されていてよい、という点にある。その他の点については、この実施の形態は、前述の実施の形態に相当するので、前述の記載を参照することができる。
【0028】
本発明は、好ましくは車両用の制御機器において使用される。この実施の形態において、本発明に係るダイレクトプラグエレメントは、露出している接触領域の極めて頑丈な直接形接触接続を可能にする。