(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の支柱は、隣接する少なくとも2つの前記支柱の上端部および下端部を、それぞれ平面視で円弧状の連結部材で互いに連結することにより構成した少なくとも1つの枠体を含む請求項2に記載のスタジオ。
前記展開状態で、前記複数の支柱の一部は、平面視で前記床部からはみ出すように配置され、前記非展開状態で、前記複数の支柱は、平面視で前記床部に包含されるように配置される請求項1ないし8のいずれかに記載のスタジオ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、出張して画像(特に、3次元画像)を取得可能なスタジオ、および、かかるスタジオを有するスタジオ付車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような目的は、以下の(1)〜(14)の本発明により達成される。
(1) 車両に搭載または牽引されることにより移動可能なスタジオであって、
床面を備える床部と、
複数の支柱と、各前記支柱に着脱自在に固定された複数の撮影装置とを備える撮影セットとを有し、
前記撮影セットを用いて被写体を撮影する撮影時に、前記複数の支柱は、平面視で円形状の仮想線に沿って位置していることを特徴とするスタジオ。
【0006】
(2) 前記複数の支柱は、前記撮影時において前記仮想線に沿って配置された展開状態と、前記スタジオを移動させる際に前記展開状態を解除した非展開状態とに変位可能である上記(1)に記載のスタジオ。
(3) 前記複数の支柱は、前記展開状態および前記非展開状態の双方において、前記床面に対してほぼ垂直に配置されている上記(2)に記載のスタジオ。
【0007】
(4) 前記複数の支柱は、隣接する少なくとも2つの前記支柱の上端部および下端部を、それぞれ平面視で円弧状の連結部材で互いに連結することにより構成した少なくとも1つの枠体を含む上記(3)に記載のスタジオ。
(5) 前記枠体は、前記連結部材の一端部に位置する前記支柱を回動中心として、前記床部に対して回動する上記(4)に記載のスタジオ。
【0008】
(6) 前記少なくとも1つの枠体は、互いに接近および離間可能な複数の前記枠体を含む上記(4)または上記(5)に記載のスタジオ。
(7) 前記複数の枠体の一部は、互いに連結されている上記(6)に記載のスタジオ。
【0009】
(8) 前記複数の支柱は、それらの上端部において互いに連結されている上記(2)または(3)に記載のスタジオ。
(9) 前記複数の支柱は、それぞれ屈曲可能である上記(8)に記載のスタジオ。
(10) 前記展開状態で、前記複数の支柱の一部は、平面視で前記床部からはみ出すように配置され、前記非展開状態で、前記複数の支柱は、平面視で前記床部に包含されるように配置される上記(2)ないし(9)のいずれかに記載のスタジオ。
【0010】
(11) さらに、前記床部から側方に突出可能に設けられ、平面視で前記床部からはみ出すように配置された前記支柱を支持する支持部を有する上記(10)に記載のスタジオ。
(12) さらに、前記床部から立設された側壁部を有し、
前記側壁部の少なくとも一部は、前記床部とほぼ平行となるように変位可能である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のスタジオ。
【0011】
(13) さらに、前記床部に対向して配置された天井部を有し、
前記天井部の少なくとも一部は、前記床部に対して接近および離間可能である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のスタジオ。
(14) 車両と、
前記車両に搭載または牽引された、上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のスタジオとを有することを特徴とするスタジオ付車両。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、依頼者の求めに応じて出張して、被写体の画像(特に、3次元画像)を取得することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のスタジオおよびスタジオ付車両について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明のスタジオ付車両を示す斜視図、
図2は、
図1中のA−A線断面図、
図3は、
図1に示すスタジオ付車両の背面図、
図4は、スタジオの概略構成を示す斜視図、
図5は、枠体の構成および配置を示す平面図、
図6は、天井部に設けられたカメラの配置を説明するための平面透視図、
図7は、カメラの配置を説明するための概略図、
図8〜
図13は、撮影セットの他の構成例を示す図である。
【0016】
なお、
図1〜
図3、
図5および
図8〜
図10において、(a)は、スタジオ付車両の移動時(支柱の非展開状態)を示し、(b)は、被写体の撮影時(支柱の展開状態)を示す。また、各部材の上下方向は、スタジオ付車両の移動時(支柱の非展開状態)に基づいて規定する。
【0017】
本発明のスタジオ付車両は、所望の場所に移動して、当該場所において被写体の撮影を行うことが可能な車両である。
図1に示すスタジオ付車両100は、キャブ900と、キャブ900の後方に接続され、前後方向に延びるシャーシフレーム910と、シャーシフレーム910に回転可能に取り付けられた複数のタイヤ920と、シャーシフレーム910上に、縦根太および横根太(図示せず)を介して設けられたスタジオ1および操作室10とを有する。なお、操作室10は、キャブ900とスタジオ1との間に配置されている。
【0018】
スタジオ1は、コンテナ(箱形の荷台)2を有する。このコンテナ2は、床部21と、床部21から立設した前側壁部22、後側壁部23、右側壁部24および左側壁部25と、床部21に対して接近および離間可能に床部21に対向して配置された天井部26とで構成されている。なお、右側壁部24および左側壁部25には、それぞれ開口部249および開口部259が形成されている。
【0019】
図1(a)および
図2(a)に示すように、スタジオ付車両100の移動時において、開口部249(259)は、第1パネル31および第2パネル32で閉じられている。第1パネル31は、その上端部が天井部26の側端部に回動自在に接続され、下端部が第2パネル32の上端部に回動自在に接続されている。なお、第1パネル31は、駆動機構41により天井部26に対して回動可能となっている。また、第2パネル32の下端部は、スタジオ付車両100の移動時に、コンテナ2内に収納された第3パネル33の上端部に接続されている。本実施形態では、右側壁部24および左側壁部25の一部が第1パネル31および第2パネル32で構成されるが、右側壁部24および左側壁部25の全体が第1パネル31および第2パネル32で構成されてもよい。
【0020】
さらに、
図2(a)に示すように、開口部249(259)に対応する位置には、スタジオ付車両100の移動時に、コンテナ2内に収納された第4パネル34および第5パネル35が設けられている。第4パネル34は、その一端部が床部21の側端部に回動自在に接続され、他端部が第5パネル35に回動自在に接続されている。
【0021】
一方、被写体の撮影時には、
図1(b)および
図2(b)に示すように、開口部249(259)は、コンテナ2の側面視で、第1パネル31〜第5パネル35で覆われる。なお、第1パネル31〜第5パネル35で囲まれる前方および後方の領域には、それぞれ開口が形成されるが、これらの開口は、遮光幕51を取り付けることにより閉じられる。これにより、被写体の撮影時に、開口部249(259)から、外光がコンテナ2内に入射するのを防止することができる。
【0022】
天井部26と床部21との間には、それらの四隅に対応して、4つの駆動機構42が設けられており、この駆動機構42により、天井部26は、床部21に対して接近および離間(上下方向への移動)が可能となっている。本実施形態では、天井部26の全体が床部21に対して接近および離間可能であるが、天井部26の一部(例えば、後述する撮影セット6に対応する中央部付近)のみが床部21に対して接近および離間可能であってもよい。なお、駆動機構42および駆動機構41には、それぞれ油圧式の駆動機構が好適に使用される。この天井部26の上方向への移動に伴って、上側部分と下側部分とで構成された各側壁部22〜25は、それぞれ上下に分離される。
【0023】
具体的には、前側壁部22は、上側部分221と下側部分222とで構成され、後側壁部23は、上側部分231と下側部分232とで構成されている。また、右側壁部24は、上側部分241と下側部分242とで構成され、左側壁部25は、上側部分251と下側部分252とで構成されている。また、後側壁部23の下側部分232には、その中央部にドア233が設けられている。このドア233を介して、コンテナ2内に入出可能となっている。
【0024】
各上側部分と各下側部分との間には、上下方向に伸縮自在な蛇腹状の遮光幕52が設けられている。これにより、被写体の撮影時に、
図1(b)および
図2(b)に示すように天井部26を床部21から離間させると、遮光幕52が展開された状態となる、このため、各上側部分と各下側部分との間から、外光がコンテナ2内に入射するのを防止することができる。一方、スタジオ付車両100の移動時には、遮光幕52は、折り畳まれた状態で、各上側部分と各下側部分との間に収納される。
【0025】
このようなコンテナ2の内部には、撮影セット6が設けられている。本実施形態の撮影セット6は、一対の枠体7、7と、複数台のカメラ(撮影装置)8と、ステージ9とを備えている。各枠体7は、床部21の床面(上面)に対してほぼ垂直に配置され、カメラ8を着脱自在に固定するための8本の支柱711〜718を備えている。
【0026】
本実施形態では、隣接する6本の支柱711〜716の上端部、下端部および中間部は、それぞれ平面視で円弧状の連結部材72、73および74で互いに連結され、メイン枠体7aが構成されている。また、隣接する3本の支柱716〜718の上端部、下端部および中間部も、それぞれ平面視で円弧状の連結部材72、73および74で互いに連結され、サブ枠体7bが構成されている。
【0027】
図5(a)に示すように、各メイン枠体7aは、その一端部に位置する支柱711を回動中心として、床部21に対して回動可能となっている。また、各メイン枠体7aと各サブ枠体7bとは、支柱716を共有することで、互いに連結されており、各サブ枠体7bは、この支柱716を回動中心として、メイン枠体7aに対して回動可能となっている。すなわち、各枠体7は、一段階で折り畳み可能となっている。
【0028】
被写体の撮影時(撮影セット6を用いて被写体を撮影する撮影時)には、メイン枠体7a同士を互いに離間させるように、外方に回動させるとともに、各サブ枠体7bを各メイン枠体7aから離間させるように、外方に回動させる。これにより、
図5(b)に示すように、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)を平面視で円形状の仮想線Lに沿って位置するように配置する。すなわち、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)を、展開状態とする。
【0029】
この展開状態において、円形状の仮想線Lの中心部にステージ9が配置される。一方、スタジオ付車両100の移動時には、ステージ9を取り外し、各サブ枠体7bを各メイン枠体7aに接近させるように、内方に回動させるとともに、メイン枠体7a同士を互いに接近させるように、内方に回動させ、展開状態を解除する。これにより、
図5(a)に示すように、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)が、平面視で床部21に包含されるように配置する。すなわち、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)を、非展開状態とする。
【0030】
このように、本実施形態では、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)は、展開状態と非展開状態とに移動(変化)可能となっている。図示しないが、メイン枠体7aおよび/またはサブ枠体7bの下部には、車輪が設けられており、その移動操作を容易かつ円滑に行うことができるようになっている。なお、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7bの移動は、手動で行うように構成してもよく、駆動装置により行うように構成してもよい。
【0031】
また、展開状態において、一部の支柱712〜716は、平面視で床部21からはみ出すように配置されるが、床部21とほぼ平行となるように外方に突出する第4パネル(支持部)34によって支持される。
【0032】
また、床部21の支柱711近傍には、ストッパ79が設けられている。メイン枠体7aがストッパ79に当接することで、その必要以上の回動が規制される。また、メイン枠体7aをストッパ79に固定するようにすれば、展開状態において、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7bが床部21に対して位置ズレするのをより正確に防止することができる。
【0033】
図4および
図5に示す構成では、各支柱711〜718の横断面は、円形であるが、楕円形であってもよく、
図12に示すような四角形(正方形または長方形)であってもよく、また、三角形、五角形、六角形のような多角形、異形状等であってもよい。各支柱711〜718の直径(最大幅)は、各支柱711〜718が十分な強度を確保することができ、かつカメラ8を確実に固定することができれば、特に限定されない。各支柱711〜718の直径(最大幅)は、例えば、10〜75mm程度であるのが好ましく、20〜50mm程度であるのがより好ましい。
【0034】
また、
図4に示す構成では、各連結部材72〜74の横断面も、円形であるが、各支柱711〜718と同様に、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形のような多角形、異形状等であってもよい。各連結部材72〜74の直径(最大幅)も、特に限定されないが、10〜75mm程度であるのが好ましく、20〜50mm程度であるのがより好ましい。
【0035】
枠体7(支柱711〜718および連結部材72〜74)の構成材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、チタンまたはこれらを含む合金のような金属材料、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、アクリル樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂のような比較的硬質な樹脂材料、カーボンのような炭素材料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
16本の支柱711〜718のそれぞれには、
図7に示すように、4台のカメラ8(8a〜8d)が固定されている。また、天井部26の下面には、
図6に示すように、天井部26の対角線に沿って、固定バー261が設けられている。固定バー261は、平面視において、展開状態の支柱711および支柱717とほぼ重なるように配置されている。各固定バー261の両端部付近には、それぞれ2台のカメラ8(8e)が固定されている。さらに、床部21の床面上には、天井部26に設けられたカメラ8eに対応して、8台のカメラ8(8f)が配置される。
【0037】
したがって、被写体の撮影時には、被写体には、周囲(側方)から64台のカメラ8(8a〜8d)が向けられ、上方から8台のカメラ8(8e)が向けられ、下方から8台のカメラ8(8f)が向けられるようになる。これにより、合計80台のカメラ8で、被写体を種々の方向から撮影することができるようになる。よって、かかる撮影セット6(スタジオ1)によれば、正確な被写体の高度な画像(例えば、3次元画像)を取得することができる。
【0038】
撮影セット6の各部の設定は、被写体の種類や数等に応じて適宜変更することが可能である。
図7に示すように、被写体が人間1人である場合、撮影セット6の各部の設定は、例えば、次のようにすることが好ましい。これにより、被写体の撮影できないまたは不鮮明となり易い部分を極力少なくして、より正確かつ精密な被写体の高度な画像を取得することができる。
【0039】
図7に示すように、各支柱711〜718の中心軸とステージ9の中心との距離Dは、2100〜2500mm程度である。ステージ9の高さHは、70〜130mm程度である。支柱711、717の中心軸とカメラ8e、8fの固定点との距離dは、350〜400mm程度である。
【0040】
床面とカメラ8aの固定点との距離haは、2100〜2500mm程度である。床面とカメラ8bの固定点との距離hbは、1600〜2000mm程度である。床面とカメラ8cの固定点との距離hcは、1100〜1500mm程度である。床面とカメラ8dの固定点との距離hdは、600〜1000mm程度である。床面とカメラ8eの固定点との距離heは、2800〜3200mm程度である。床面とカメラ8fの固定点との距離hfは、70〜130mm程度である。
【0041】
カメラ8aの向き(カメラ8aのレンズの中心軸と水平方向(床面)とのなす角度)は、−10〜−5°程度である。同様に、カメラ8bの向きは、−5〜−1°程度である。カメラ8cの向きは、−15〜−10°程度である。カメラ8dの向きは、−2〜+2°程度である。カメラ8eの向き(
図7中、角度θ)は、−40〜−50°程度である。カメラ8fの向きは、+10〜+20°程度である。また、カメラ8a、8c、8d、8e、8fの画角αは、20〜30°程度、カメラ8b、8dの画角βは、25〜35°程度である。
【0042】
また、図示しないが、支柱711〜718のうちの所定の支柱には、複数(例えば、8灯)のストロボ(照明装置)および少なくとも1台のストロボ制御用カメラが着脱自在に固定されている。このストロボは、被写体を直接照明するように構成された装置であってもよいが、被写体を間接的に照明するように構成された装置が好ましい。かかる装置を用いることにより、被写体に影となる部分が生じにくくなる。なお、スタジオ1には、さらに、室内照明、空調装置、冷暖房装置等を設けるようにしてもよい。
【0043】
このようなスタジオ1に隣接して、操作室10が設けられている。操作室10は、仕切り壁により、前方側の第1空間11と後方側の第2空間12とに区画されている。図示しないが、操作室10の左側壁部には、第1空間11および第2空間12に対応して2つのドアが設けられている。ドアを介して、それぞれ第1空間11および第2空間12内への作業者の出入りや、装置等の入搬出が可能である。
【0044】
第1空間11内には、スタジオ1の各部(例えば、カメラ8、駆動機構41、42等)に電力を供給するための電源(例えば、40KVA等の大容量電源)が配置されている。一方、第2空間12内には、カメラ8、ストロボ装置等の作動を制御する制御用コンピュータ(制御装置)、カメラ8で撮影された画像を処理するためのレンダリング用コンピュータ、レンダリング用コンピュータで処理された画像を表示するためのモニター(表示装置)等が配置されている。なお、第1空間11および第2空間12には、さらに、室内照明、空調装置、冷暖房装置等を設けるようにしてもよい。
【0045】
以上説明したスタジオ付車両100は、例えば、次のようにして使用される。
【0046】
まず、スタジオ付車両100を依頼者の求めに応じた場所にまで移動させる。スタジオ付車両100を所定のスペースに駐車した後、駆動機構42を作動させる。これにより、天井部26を上方に移動させ、
図1(b)および
図2(b)に示すように、天井部26を床部21から離間させる。その後またはこれと同時に、駆動機構41を作動させる。これにより、第1パネル31を天井部26とほぼ平行になるまで回動(変位)させる。このとき、第1パネル31に直接または間接的に接続された第2パネル32および第3パネル33は、鉛直上方に向かって引き上げられ、床部21に対してほぼ垂直となる。
【0047】
また、第4パネル34を床部21とほぼ平行になるまで回動させるとともに、第5パネル35を第4パネル34(床部21)に対してほぼ垂直となるように立ち上げる。そして、第3パネル33の下端部と第5パネル35の上端部とを、図示しない固定機構を用いて、互いに固定する。また、4枚の遮光幕51を必要な箇所に取り付ける。これにより、スタジオ1は、
図1(b)等に示す状態となる。この状態で、コンテナ2の内部への外光の入射も防止される。
【0048】
次に、メイン枠体7a同士を互いに離間させるように外方に向かって回動(変位)させる。各メイン枠体7aをストッパ79に当接するまで回動させた後、ストッパ79に固定する。その後またはこれと同時に、各サブ枠体7bを各メイン枠体7aから離間するように回動させる。その後、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)を、ほぼ等間隔で、平面視で円形の仮想線Lに沿って位置させる。すなわち、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)を展開状態とする。その後、所定の位置に、ステージ9、カメラ8fおよびストロボを配置する。また、必要に応じて、2つの枠体7の外周を白色の幕で覆う。
【0049】
次いで、被写体をステージ9上に配置し、制御用コンピュータを操作して複数台のカメラ8を同時にまたは分割して作動させ、複数台のカメラ8により被写体を撮影する。各カメラ8で撮影された画像を用いて、レンダリング用コンピュータに内蔵された処理ソフトにより、例えば、3次元画像を作成(取得)する。得られた3次元画像は、モニターに表示される。表示された3次元画像が所望の画像でない場合、カメラ8の位置や角度、ストロボの強度の微調整等を行って、所望の画像を取得することができるまで、上記撮影操作を繰り返す。なお、取得すべき画像としては、静止画に限らず、動画であってもよいことは言うまでもない。
【0050】
一方、被写体の撮影終了後、スタジオ付車両100を移動する際には、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7bの展開状態を解除して、これらを上記と反対に回動(変位)させ、平面視で床部21に包含されるように配置する。これにより、各メイン枠体7aおよび各サブ枠体7b(支柱711〜718)を非展開状態とする。次いで、第1〜第5パネル31〜35を、上記と反対に回動(変位)させ、第1パネル31および第2パネル32で、右側壁部24および左側壁部25の開口部249、259を塞ぐ。これにより、スタジオ1は、
図1(a)等に示す状態となり、スタジオ付車両100の移動が可能となる。
【0051】
以上説明したように、本発明によれば、スタジオ1(スタジオ付車両100)を依頼者の求めに応じて出張して、被写体を撮影することができる。そして、被写体の撮影により、被写体の画像を取得することができる。また、上述のようなカメラ配置とすることにより、被写体の3次元画像を容易かつ確実に取得することができる。
【0052】
さらに、上記構成により、枠体7(支柱711〜718)の展開状態において、被写体の撮影に必要かつ十分なスペースを確保することができる。また、展開状態において比較的大きなサイズの撮影セット6を、スタジオ付車両100の移動時には、非展開状態としてコンテナ2内に収納することができる。よって、スタジオ1(スタジオ付車両100)の移動に便利である。
【0053】
特に、本実施形態では、支柱711〜718が、展開状態および非展開状態の双方において、床部21の床面に対してほぼ垂直に配置されている。このため、支柱711〜718の展開状態と非展開状態との間での移動を、水平面に対してほぼ平行に行うことができる。換言すれば、支柱711〜718を床部21の床面に対して垂直となるように立ち上げる操作等を要しない。このため、被写体の撮影の準備に要する作業者の労力を軽減することができる。
【0054】
また、各枠体7を、4本の支柱711〜714を含むメイン枠体と、このメイン枠体に対して回動可能に設けられ、3本の支柱714〜716を含む第1のサブ枠体と、この第1のサブ枠体に対して回動可能に設けられ、3本の支柱716〜718を含む第2のサブ枠体とで構成するようにしてもよい。これにより、各枠体7を、二段階で折り畳み可能とすることができる。さらに、各枠体7において、各サブ枠体が含む支柱の数を2本とし、サブ枠体の数を3つ以上としてもよい。これにより、各枠体7を、多段階で折り畳み可能とすることができる。
【0055】
なお、撮影セット6は、
図5に示す構成に代えて、
図8〜
図13に示す構成とすることもできる。以下、
図8〜
図13に示す構成の撮影セット6について、
図5に示す構成の撮影セット6との相違点を中心に説明し、同様の事項は、その説明を省略する。
【0056】
<
図8に示す構成>
図8に示す撮影セット6において、各枠体7は、隣接する4本の支柱711〜714を備える分割枠体7cと、隣接する4本の支柱715〜718を備える分割枠体7dとで構成されている。
図8(a)に示すように、分割枠体7cは、その一端部に位置する支柱711を回動中心として、床部21に対して回動可能となっており、分割枠体7dは、その一端部に位置する支柱718を回動中心として、床部21に対して回動可能となっている。また、床部21には、4つの分割枠体7c、7dに対応して、4つのストッパ79が設けられている。
【0057】
各分割枠体7c、7d(支柱711〜718)は、
図8(b)に示す展開状態で、平面視で円形の仮想線Lに沿って位置している。このような構成によっても、
図5に示す枠体7(撮影セット6)と同様の作用・効果が得られる。
【0058】
<
図9に示す構成>
図9に示す撮影セット6において、各枠体7は、
図5と同様に、メイン枠体7aとサブ枠体7bとで構成されている。また、床部21には、支柱711を左右方向(床部21の幅方向)に沿ってスライド可能に保持する溝78が設けられている。かかる構成により、各メイン枠体7aは、床部21に対してスライドし、各サブ枠体7bは、支柱716を回動中心として、メイン枠体7aに対して回動可能となっている。
【0059】
また、溝78の左右端は、ストッパとして機能する。このため、支柱711が溝78の左右端に当接すると、枠体7は、床部21に対するスライド(平行移動)が規制させる。このような構成によっても、
図5に示す枠体7(撮影セット6)と同様の作用・効果が得られる。
【0060】
<
図10に示す構成>
図10に示す撮影セット6では、支柱711〜718は、互いに独立して設けられている。また、第4パネル34を開いた状態で、床部21または床部21と第4パネル34とに渡って、支柱711〜718をスライド可能に保持する複数の溝78が設けられている。これらの溝78は、
図10(b)に示すように、ほぼ等間隔で、放射状に配置されている。
【0061】
かかる構成により、スタジオ付車両100の移動時には、
図10(a)に示すように、支柱711〜718を床部21の中央部付近に集合させて配置することができる。一方、被写体の撮影時には、支柱711〜718を溝78に沿って放射状に展開して、
図10(b)に示すように、平面視で円形状の仮想線に沿って配置させることができる。
【0062】
このような構成によっても、
図5に示す枠体7(撮影セット6)と同様の作用・効果が得られる。
【0063】
<
図11および
図12に示す構成>
図11に示す撮影セット6では、各支柱711〜718は、4つの分割片71aを3つの連結片71bで連結して構成されている。2つの分割片71aの対向する部分には、溝710aが形成されており、各溝710aに連結片71bの端部が挿入されている。分割片71aと連結片71bとは、
図10(c)に示すように、これらが側面視で重なる部分において、ボルト71cで固定されている。かかる構成において、連結片71bは、ボルト71cを回動中心として、分割片71aに対して回動可能となっている。すなわち、各支柱711〜718は、それぞれ屈曲可能となっている。
【0064】
また、各支柱711〜718は、その上端側に位置する分割片71aが連結部75において放射状に連結されている。非展開状態では、各支柱711〜718を折り畳むことにより、コンテナ2内に収納することができる。また、展開状態では、支柱711〜718で、
図12(a)に示すような籠形状を形成してもよく、
図12(b)に示すようなドーム形状を形成してもよい。この際、各支柱711〜718(その床部21側の端部)を、平面視で円形の仮想線に沿って位置させる。
【0065】
かかる構成によれば、天井部26に配置すべきカメラ8(8e)を支柱711〜718に固定することができるため、天井部26の構成を簡略化することができる。特に、
図12(b)に示すように、支柱711〜718でドーム形状を形成することにより、より正確な被写体の3次元画像を取得し易くなる。
【0066】
なお、床部21の床面には、平面視で円形の仮想線に沿って配置され、支柱711〜718の床部21側の端部を挿入可能な複数の穴部を設けるようにしてもよい。これにより、支柱711〜718の床部21に対する位置決めが確実になされる。また、16本の支柱711〜718のうちの1本の支柱を床部21に固定するようにしてもよい。
【0067】
また、各分割片71aおよび各連結片71bの側面には、これらのなす角度を示す目盛が形成されていてもよい。
【0068】
<
図13に示す構成>
図13に示す撮影セット6では、平面視で半円弧状の枠体7が一方のスタジオ1(スタジオ付車両100)に搭載され、平面視で半円弧状の枠体7が他方のスタジオ1(スタジオ付車両100)に搭載されている。また、2つの枠体7は、それらの湾曲凸方向が互いに反対となるように配置されている。この状態で、各枠体7の支柱711〜718は、平面視で円形状の仮想線に沿って位置している。
【0069】
被写体の撮影時には、
図13に示すように、2台のスタジオ付車両100を並べて駐車し、各枠体7の支柱711〜718を、平面視で円形状の同一の仮想線Lに沿って位置させる。かかる構成によれば、車両が2台必要になるものの、スタジオ1の構成を簡略化することができる。
【0070】
以上、本発明のスタジオおよびスタジオ付車両を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、スタジオおよびスタジオ付車両を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0071】
例えば、前記実施形態では、スタジオ付車両は、スタジオを搭載したトラックであるが、撮影セットを搭載した大型バスであってもよく、スタジオを牽引したトラックであってもよい。また、操作室を別の車両に搭載してもよく、電源のみを別の車両に搭載するようにしてもよい。さらに、電源のみを別の車両に搭載する場合、制御用コンピュータ、レンダリング用コンピュータおよびモニターをコンテナ内に収納するようにしてもよい。
【0072】
また、展開状態において平面視で床部からはみ出す支柱を支持する第4パネル(コンテナの一部)は、床部に対して回動可能な構成に代えて、床部から側方に進退可能な構成としてもよい。さらに、第4パネルを省略して、スタジオは、別途、前記はみ出す支柱を支持する支持台を有していてもよい。
【0073】
また、
図5および
図9に示す構成の撮影セットでは、必要に応じて、2つの枠体のうちの一方のみを展開状態として使用してもよい。さらに、
図8に示す構成の撮影セットでは、必要に応じて、4つの分割枠体のうちの1〜3つの分割枠体を展開状態として使用してもよい。
【0074】
また、
図5および
図8〜
図13に示す撮影セットの構成を任意に組み合わせるようにしてもよい。
なお、前記実施形態では、16本の支柱が設けられているが、支柱の数は、これに限定されず、好ましくは3本以上(具体的には3〜30本)、より好ましくは5本以上(具体的には5〜25本)、さらに好ましくは7本以上(具体的には7〜20本)の範囲で適宜設定される。
【0075】
また、前記実施形態では、スタジオ付車両を移動する際と被写体の撮影時とで、コンテナの大きさが可変であるが、コンテナの大きさは可変でなくてもよい。コンテナの大きさが可変でない場合、枠体(支柱)の非展開状態で、コンテナ内に収納可能な小型の撮影セットが用いられる。この場合、スタジオおよびスタジオ付車両の構成の簡略化を図ることができる。
本発明のスタジオは、車両に搭載または牽引されることにより移動可能であり、床面を備える床部と、複数の支柱と、各前記支柱に着脱自在に固定された複数の撮影装置とを備える撮影セットとを有し、前記撮影セットを用いて被写体を撮影する撮影時に、前記複数の支柱は、平面視で円形状の仮想線に沿って位置している。これにより、依頼者の希望する場所まで出張して、被写体の画像(特に、3次元画像)を取得することができる。