特許第5738521号(P5738521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738521
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】垂直磁気記録ヘッド
(51)【国際特許分類】
   G11B 5/31 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
   G11B5/31 Q
   G11B5/31 C
   G11B5/31 D
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2009-159172(P2009-159172)
(22)【出願日】2009年7月3日
(65)【公開番号】特開2011-14207(P2011-14207A)
(43)【公開日】2011年1月20日
【審査請求日】2012年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】503116280
【氏名又は名称】エイチジーエスティーネザーランドビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(74)【復代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丸山 洋治
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】岡井 哲也
(72)【発明者】
【氏名】椎名 宏実
(72)【発明者】
【氏名】工藤 一恵
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−120223(JP,A)
【文献】 特開2008−226296(JP,A)
【文献】 特開2009−093783(JP,A)
【文献】 特開2007−172707(JP,A)
【文献】 特開2000−054083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 5/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主磁極と、前記主磁極のトレーリング側と両側に非磁性膜を介して設けられた磁気シールドと、前記磁気シールドに磁気的に接続され、浮上面と反対側において前記主磁極に磁気的に接続された第1磁性膜と、前記主磁極と第1磁性膜とで構成される磁気回路を周回するコイルとを有し、
前記磁気シールドは、浮上面側から奥行き方向に向かって配置された相対的に高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜と、第1非磁性膜と、相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜とを有することを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
【請求項2】
前記主磁極のトレーリング側において当該主磁極と前記非磁性膜の間に、浮上面から後退した位置に端部を有する第2非磁性膜を有し、前記磁気シールドの第2軟磁性膜が前記第2非磁性膜に乗り上げていることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項3】
前記第1軟磁性膜の奥行き方向の長さは、前記第2軟磁性膜の奥行き方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項4】
前記第1非磁性膜の奥行き方向の長さは、1nmから100nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項5】
前記第1非磁性膜は前記第1軟磁性膜の酸化膜であることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項6】
前記第1非磁性膜は非磁性金属であることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項7】
前記非磁性金属はCr又はTiであることを特徴とする請求項6記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項8】
前記非磁性膜によって記録空隙が構成されることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項9】
前記第1軟磁性膜はNiFeCo系合金であり、第2軟磁性層はNiFe系合金であることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項10】
前記主磁極と前記第1磁性膜を磁気的に接続する第2磁性膜を有することを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項11】
主磁極と、前記主磁極の両側に非磁性膜を介して設けられたサイドシールドと、前記主磁極のトレーリング側に非磁性膜を介して設けられたトレーリングシールドと、前記トレーリングシールドに磁気的に接続され、浮上面と反対側において前記主磁極に磁気的に接続された第1磁性膜と、前記主磁極と第1磁性膜とで構成される磁気回路を周回するコイルと、を有し、
前記トレーリングシールドは、浮上面に露出して設けられ、相対的に高い飽和磁束密度の軟磁性膜であり、該トレーリングシールドの後端に第1非磁性膜を介して相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜が配置されることを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
【請求項12】
前記サイドシールドの奥行き方向の長さは、前記トレーリングシールドの奥行き方向の長さの約半分であることを特徴とする請求項11記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項13】
前記主磁極のトレーリング側の非磁性膜の上に、浮上面から後退した位置に端部を有する第2非磁性膜を有し、前記第2軟磁性膜が前記第2非磁性膜に乗り上げていることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録ヘッド。
【請求項14】
主磁極と、前記主磁極のトレーリング側と両側に非磁性膜を介して設けられた磁気シールドと、前記磁気シールドに磁気的に接続され、浮上面と反対側において前記主磁極に磁気的に接続された第1磁性膜と、前記主磁極と第1磁性膜とで構成される磁気回路を周回するコイルと、を有し、
前記磁気シールドは、浮上面に露出する相対的に高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜と、前記第1軟磁性膜の後端壁と前記非磁性膜の上部に形成された第1非磁性膜と、前記第1非磁性膜に接して設けられた相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜とを有することを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
【請求項15】
前記第1非磁性膜は、前記第1軟磁性膜の後端面に形成された部分の膜厚よりも、前記非磁性膜の上部に形成された部分の膜厚が大きいことを特徴とする請求項14記載の垂直磁気記録ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気ディスク装置用の磁気ヘッドに係り、特に媒体面に高密度の磁気情報を記録するに好適な垂直磁気記録ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
情報機器の記憶(記録)装置には、主に半導体メモリと磁性体メモリが用いられる。アクセス時間の観点から内部記憶装置に半導体メモリが用いられ、大容量かつ不揮発性の観点から外部記憶装置に磁気ディスク装置が用いられる。記憶容量は磁気ディスク装置の性能を表す重要な指標であり、近年の情報社会の発展に伴い大容量かつ小型の磁気ディスク装置が市場から要求されている。この要求に好適な記録方式に垂直記録方式がある。垂直記録方式の記録媒体の磁化方向は媒体面に対して垂直方向となるため、隣り合う磁区との間に作用する反磁界の影響が長手記録方式に比べ小さい。このため、高密度磁気情報を媒体に記録することが出来、大容量の磁気ディスク装置を構成することが可能である。この方式は高密度化が可能であるため従来の長手記録方式に代わって主流になると考えられている。
【0003】
垂直記録方式において、高密度記録を実現するためには、主磁極から発生する記録磁界の勾配を急峻化する必要がある。特許文献1には、記録磁界勾配を急峻化する手段として、主磁極に対してトレーリング側に、軟磁気特性を有する磁気シールドを設ける垂直記録用磁気ヘッドが開示されている。この磁気ヘッドにおいて、さらに記録磁界勾配を急峻化するためには、主磁極と磁気シールドとの距離を狭め、かつ磁気シールドに高飽和磁束密度材を適用すれば良い。しかしながら、主磁極と高飽和磁束密度磁気シールドとの距離(記録空隙)が狭まると、主磁極から多くの磁束を磁気シールドに流す事を意味し、強い記録磁界を得る上で障害となる。
【0004】
特許文献2には、異なるキュリー温度の軟磁性膜を浮上方向に積層したシールドから構成された垂直磁気記録ヘッド装置において、ポールイレーズの抑制と記録磁界強度の確保との両立を図る目的で記録状態であるコイル発熱を受けた状態で浮上面側に飽和磁束密度の高い膜が配置される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4656546号明細書
【特許文献2】特開2007−265562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載される発明の目的は、シールドにコイルからの発熱現象を利用することでキュリー点の低い軟磁性膜の飽和磁束密度を低下させ、浮上面側に配置したキュリー点の高い膜に選択的に記録磁界に関与する磁束を集中させることと、記録後には、温度の低下に伴いキュリー点の低い軟磁性膜にも磁束を通過させる機能をもたせることでポールイレーズを抑制することにある。
【0007】
上記目的を達成するためには、コイルからの発熱が必要条件となる。垂直磁気記録用磁気ヘッドは、面内記録ヘッドとヘッド構成が大きく異なり、コイルの巻き数は4巻以下となっている。従ってコイル抵抗は、素子内で2Ωを切っており、記録時の温度上昇は10゜C以内に留まる事が良く知られている。従って、記録動作時に利用できる温度上昇10゜Cの範囲でキュリー点の差を用いたシールド構成は現実の垂直磁気記録ヘッドとしては適用が困難な状況にある。
【0008】
素子内の温度上昇がコイル抵抗の制限によって低く抑えられている理由は、素子の温度上昇により、素子を構成する金属体(線膨張係数が高い)が熱膨張し、浮上面から突出する現象により浮上量を下げられなくなる(記録線密度を高められなくなる)ためでもある。
【0009】
以上の問題から磁界勾配の急峻化を更に推進する事ができず、高密度記録を実現することが困難となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の垂直磁気記録ヘッドにおいては、主磁極と、前記主磁極のトレーリング側と両側に非磁性膜を介して設けられた磁気シールドと、前記磁気シールドに磁気的に接続され、浮上面と反対側において前記主磁極に磁気的に接続された第1磁性膜と、前記主磁極と第1磁性膜とで構成される磁気回路を周回するコイルとを有し、前記磁気シールドは、浮上面側から奥行き方向に向かって配置された相対的に高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜と、第1非磁性膜と、相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜とを有する。
前記主磁極のトレーリング側において当該主磁極と前記非磁性膜の間に、浮上面から後退した位置に端部を有する第2非磁性膜を有し、前記磁気シールドの第2軟磁性膜が前記第2非磁性膜に乗り上げて配置される。
前記第1軟磁性膜の奥行き方向の長さは、前記第2軟磁性膜の奥行き方向の長さよりも短く設定されている。
前記第1非磁性膜の奥行き方向の長さは、1nmから100nmの範囲であることが望ましい。
前記第1非磁性膜は前記第1軟磁性膜の酸化膜である。
前記第1非磁性膜は非磁性金属であっても良い。
前記非磁性金属はCr又はTiである。
前記第1軟磁性膜はNiFeCo系合金であり、第2軟磁性層はNiFe系合金である。
さらに、前記主磁極と前記第1磁性膜を磁気的に接続する第2磁性膜を有する。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の垂直磁気記録ヘッドにおいては、主磁極と、前記主磁極の両側に非磁性膜を介して設けられたサイドシールドと、前記主磁極のトレーリング側に非磁性膜を介して設けられたトレーリングシールドと、前記トレーリングシールドに磁気的に接続され、浮上面と反対側において前記主磁極に磁気的に接続された第1磁性膜と、前記主磁極と第1磁性膜とで構成される磁気回路を周回するコイルと、を有し、前記トレーリングシールドは、浮上面に露出して設けられ、相対的に高い飽和磁束密度の軟磁性膜であり、該トレーリングシールドの後端面に第1非磁性膜を介して相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜が配置される。
前記サイドシールドの奥行き方向の長さは、前記トレーリングシールドの奥行き方向の長さの約半分であることが望ましい。
前記主磁極のトレーリング側の非磁性膜の上に、浮上面から後退した位置に端部を有する第2非磁性膜を有し、前記第2軟磁性膜が前記第2非磁性膜に乗り上げて配置される。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の垂直磁気記録ヘッドにおいては、主磁極と、前記主磁極のトレーリング側と両側に非磁性膜を介して設けられた磁気シールドと、前記磁気シールドに磁気的に接続され、浮上面と反対側において前記主磁極に磁気的に接続された第1磁性膜と、前記主磁極と第1磁性膜とで構成される磁気回路を周回するコイルと、を有し、前記磁気シールドは、浮上面に露出する相対的に高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜と、前記第1軟磁性膜の後端面と前記非磁性膜の上部に形成された第1非磁性膜と、前記第1非磁性膜に接して設けられた相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜とを有する。
前記第1非磁性膜は、前記第1軟磁性膜の後端面に形成された部分の膜厚よりも、前記非磁性膜の上部に形成された部分の膜厚が大きい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、主磁極からの記録磁界を強く保ち、かつ磁界勾配を急峻化することができる。これにより高密度の磁気記録装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】実施例1による垂直磁気記録ヘッドの記録ヘッド主要部をABSから見た拡大図である。
図1B図1AのX−X線断面図である。
図2A】実施例2による垂直磁気記録ヘッドの記録ヘッド主要部をABSから見た拡大図である。
図2B図2AのY-Y線断面図である。
図3A】本発明に係る垂直磁気記録ヘッドを用いた磁気ディスク装置の平面図である。
図3B図3AのZ−Z線断面図である。
図4】実施例1による垂直磁気記録ヘッドの断面図である。
図5】実施例1による垂直磁気記録ヘッドの磁界強度と磁界勾配の計算結果を示す図である。
図6A】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6B】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6C】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6D】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6E】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6F】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6G】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6H】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6I】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6J】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6K】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図6L】実施例1による垂直磁気記録ヘッドを作成する工程図である。
図7】実施例3による垂直磁気記録ヘッドの記録ヘッド主要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図3Aに垂直記録方式を用いた磁気ディスク装置の基本構成を示す。図3B図3AのZ−Z線断面図である。記録媒体2は、モータ3に直結されており、情報の入出力時に回転される。垂直磁気記録ヘッド1はサスペンション8に保持され、サスペンション8はアーム7を介してロータリーアクチュエータ4に支持される。サスペンション8は、垂直磁気記録ヘッド1を記録媒体2上に所定の力で保持する機能を有する。再生信号の処理及び情報の入出力は、装置本体に取り付けられている信号処理回路5及び記録再生用回路6により行われる。垂直磁気記録方式にて得られる再生波形(時間軸に対する再生信号の振幅変化)は長手記録方式で見られるローレンツ型波形と異なり、台形波となるため、信号処理回路、波形等価回路は面内磁気記録方式のものと異なっている。
【0016】
垂直磁気記録方式は記録面に対して垂直方向に磁化の容易軸を有する媒体を用いる。磁気ディスク装置の記録媒体2には、ガラスないしはアルミニューム基板が用いられる。その基板上に記録層を形成する磁性薄膜が成膜されている。垂直磁気記録ヘッド1の主磁極からの記録磁界は記録媒体2に作用し、記録層の磁化を反転させる。垂直磁気記録ではこの垂直方向の磁界成分を用いて記録を行う必要があるため、記録層と基板との間に下地軟磁性層(SUL:soft under layer)が設けられている。
【0017】
このような記録媒体2に磁気情報を書き込むため、電磁変換作用を行う記録ヘッドが用いられる。また、磁気情報を再生するため、磁気抵抗現象ないしは、巨大磁気抵抗現象あるいは電磁誘導現象を利用した再生ヘッドが用いられる。これらの記録ヘッド及び再生ヘッドが、スライダと呼ばれる入出力用部品に設けられ、垂直磁気記録ヘッド1となる。垂直磁気記録ヘッド1は、ロータリーアクチュエータ4の回転と共に記録媒体2面上を移動し、任意の場所に位置決めされた後、磁気情報の書き込み、乃至は再生を行う。これを制御する電気回路は上記信号処理回路5と共に存在する。
【実施例1】
【0018】
実施例1による垂直磁気記録ヘッド1の構成について説明する。図1A及び図1Bは記録ヘッドを構成する主要部の拡大図である。図1Aは記録媒体に対面する浮上面から見た図、図1B図1AのX−X線断面図であり、主磁極11の中心での断面図である。主磁極11は浮上面100に伸張し、その断面は逆台形である(主磁極の両側にテーパを有する)。主磁極11の上部(トレーリング側)に非磁性膜19−1が、両側に非磁性膜19−2が設けられている。これら非磁性膜を介して磁気シールド60が設けられている。磁気シールド60の上部は第1磁性膜となる補助磁極17と磁気的に接続されている。磁気シールド60の奥行き方向には、飽和磁束密度の異なる軟磁性膜が連接されて設けられており、浮上面98に露出して高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜12が設けられ、第1非磁性膜となる非磁性膜13を介して浮上面から後退した位置に相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜14が設けられている。記録トラック幅は、主磁極11の上部(トレーリング側エッジ)で規定される。
【0019】
本実施例では第1軟磁性膜12の奥行き方向の長さを50nm、非磁性膜13の長さを1nm、第2軟磁性膜14の長さを100nmに設定した。従って、磁気シールド60のトータルの奥行き方向の長さは約150nmである。第1軟磁性膜12の奥行き方向の長さは、第2軟磁性膜14の長さに比べ短く設定されている。このシールド構成は記録磁界の勾配を急峻化する為のものであり、第1軟磁性膜12の奥行き方向の長さが、第2軟磁性膜14の長さの50%以下のときに記録磁界勾配急峻化の効果があり、50%を超えると高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜の単層膜に近くなり、記録磁界勾配急峻化の効果が不十分になる。なお、非磁性膜13は、スパッタ法により成膜した。非磁性膜13を導電性金属膜とした場合、第2軟磁性膜14を形成する際のメッキシード層を兼ねることができることは容易に理解される。また、第1軟磁性膜12の形成後に、酸化処理をすることにより非磁性膜13を形成することもできる。
【0020】
図1Bには主磁極11に磁束を誘導するための上部コイル18−2が、非磁性膜19−1及び第2非磁性膜となる非磁性膜20を介して配置される様子を示す。特に非磁性膜20の端部は浮上面98から後退した位置に設定されており、磁気シールド60の後端側が非磁性膜20を乗り上げた構成となっている。また、補助磁極17と上部コイル18−2との間には絶縁を確保する目的で絶縁膜21が設けられる。
【0021】
図4に上記主要部を含めた垂直磁気記録ヘッド1の断面図を示す。記録ヘッド10及び再生ヘッド40はスライダ基板30上に形成される。再生ヘッド40はスライダ基板30上に設けられた絶縁層(下地層)31を介して、下部シールド32、上部シールド33、磁気情報を検出する再生素子50から基本的に構成される。
【0022】
記録ヘッド10は、非磁性層15により再生ヘッド40と分離される。既に図1A及び図1Bに示したように、主磁極11の3方には非磁性膜19−1及び非磁性膜19−2を介して第1軟磁性膜12、第1非磁性膜13、第2軟磁性膜14、が存在する。第1軟磁性膜12、第2軟磁性膜14は閉磁路を形成するための補助磁極17と磁気的に接続される。補助磁極17はその後端で第2磁性膜となる磁性膜16と磁気的に接続され、更に磁性膜16と主磁極11は磁気的に接続される。これらから構成される閉磁路内に上部コイル18−2が配置される。但し、磁性膜16を設けなくても、主磁極11の後端と補助磁極17の後端を磁気的に接続することはできるので、磁性膜16は省略することができる。
【0023】
主磁極11に効率良く磁束を導入させる目的で本実施例では、補助磁極17と平行に下部補助磁極42を設けた。下部コイル18−1は下部補助磁極42と磁性膜16間に設けられ、上部コイル18−2と両端部が接続されて、主磁極11及び磁性膜16に対してスパイラル状に巻かれる(本発明はヘリカル巻きコイル構成にも何ら問題なく適用可能であり、この場合、上下層コイルは螺旋状に接続される)。下部コイル18−1と下部補助磁極42及び磁性膜16との電気的な絶縁を確保する目的で、アルミナの絶縁膜22、23が設けられている。なお、非磁性膜19−1にはアルミナ膜を用い、非磁性膜20としては非磁性金属膜ないしは高分子樹脂膜を用いた。以上述べた全ての素子部を保護する目的で、非磁性かつ絶縁性の保護膜24として厚さ約25μmのアルミナ膜が被着される。
【0024】
下部コイル18−1、上部コイル18−2に電流が流れることにより磁性膜16及び主磁極11に磁束が発生し、主磁極先端部に収束する。この磁束は、記録媒体に流れ込むと同時に、第1軟磁性膜12と第2軟磁性膜14にも導かれる。記録媒体を通った磁束は補助磁極17と下部補助磁極42に戻る。下部補助磁極42は再生素子50への記録磁界の影響を弱める働きを有する。
【0025】
ここで、第1軟磁性層12と主磁極11との磁気的な空隙を形成する非磁性膜20は、主磁極11から発生する磁束の一部を補助磁極17に戻す量を決定するものである。すなわち、相対的に飽和磁束密度の低い第2軟磁性層14が非磁性膜20に乗り上げている構成を取ることで磁束は主に第1軟磁性層12を通過することになり、記録磁界の勾配を高めることになる。従って、上記実施例1の構成は、特許文献2で必要とされるコイル発熱と磁性膜のキュリー温度の制限を適用せずとも、常に浮上面側に磁束を収束させる機能を有する。
【0026】
上記実施例1では、主磁極11として飽和磁束密度2.4TのNiFeCo系合金を用いた。膜厚は概ね160nmとした。第1軟磁性膜12には、厚さ約400nm、奥行き約50nm、飽和磁束密度2.28TのNiFeCo系合金を用いた。第2軟磁性膜14としては厚さ約350nm、奥行き約100nm、飽和磁束密度1.68TのNiFe系合金を用いた。第1非磁性膜13には、厚さ約400nm、奥行き長1nmのCr系合金、Ti系合金又は酸化膜を用いた。補助磁極17としては、膜厚約1.2μmのNiFe系合金を用いた。磁性膜16には、膜厚約1.0μmのNiFe系合金を用いた。コイル18−1,18−2には、膜厚2μmの銅を用いた。下部補助磁極42には、膜厚約1.2μmのNiFe系合金を用いた。
【0027】
次に図5を参照して、上記実施例において、強磁界、高磁界勾配が達成できる理由について説明する。図5は、相対的に高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜12の奥行き方向に厚さ1nmの第1非磁性膜13を介して相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜14を配した場合の計算結果である。比較のため、磁気シールド60を相対的に低い飽和磁束密度の軟磁性膜(1.68T)で構成した計算結果を”normal”として合わせて示す。計算は、相対的に高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜12として飽和磁束密度2.4Tを仮定し、奥行き方向の長さを25nm、50nm、100nmの3種類変化させたものについて行った例である。また、相対的に低い飽和磁束密度の第2の軟磁性膜14としては1.68Tを仮定し、第1非磁性膜13の奥行き方向の長さは1nmを仮定した。これらのトータルの奥行き方向の長さは約150nmに固定した。この調整は相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜14の奥行き方向の長さを調整する事で行った。また、記録ギャップを構成する非磁性膜19−1の膜厚を25nm、第2軟磁性膜14が乗り上げる非磁性膜20の膜厚は50nm、端部位置は浮上面から50nmに固定した。
【0028】
図5の横軸Heff_T.C.は記録ヘッドのトラック幅中心での有効磁界の値、縦軸dHeff_T.C.はヘッド磁界勾配の値を示す。図5の下部には記録ヘッドの有効磁界の最大値:Heffmaxと、磁界勾配の最大値dHeffmaxTrackCenterを示す。同表におけるdtHiBs-WASは相対的に高い飽和磁束密度の第1軟磁性膜12の奥行き方向の長さ、Thickness Mainpoleは主磁極11の膜厚、BevelAngleは主軸の両側に設けた傾斜角、TrailingGapは非磁性層19−1の膜厚、Twwは主磁極11の幅(逆台形の上部の幅)、tWASは磁気シールド60の膜厚、Height_RPは補助磁極17の浮上面での膜厚、SideGapは主磁極11と第1軟磁性膜12との距離(19−2)、Hymaxはヘッド磁界の垂直方向成分値を示す。この結果に着目すると、高飽和磁束密度の第1軟磁性層12を挿入した全てのケースは、有効磁界の最大値:Heffmaxが略同じ強度であるにも関わらず、破線で示す相対的に低い飽和磁束密度の軟磁性膜のみで構成した場合に比べ磁界勾配が高くなっていることが分かる。これは磁気シールド60を相対的に低い飽和磁束密度の軟磁性膜から主に構成することで高い記録磁界を得ると共に浮上面側に高飽和磁束密度膜を配する事で高い磁界勾配を得ることができたものである。
【0029】
また、本実施例の構成を採用した場合、dtHiBs-WASの変化に対する磁界勾配dHeffmaxTrackCenterの変化が少ない事が分かる。これは本実施例で得られる磁界勾配の改善が高飽和磁束密度の第1軟磁性膜12の奥行き長に強く依存しないためと言える。これにより、第1軟磁性膜12の奥行き長に精度を要求されないので、第1軟磁性膜12の後端は非磁性膜20の先端傾斜面に乗り上げて形成される。すなわち、第1軟磁性膜12の奥行き方向の長さにマージンをもたせることができる。この傾向は磁気ヘッドを製造する上で品質の安定化、歩留まりの観点で優れている。この効果は、高飽和磁束密度の第1軟磁性膜12を浮上面側に配置し、かつ後退する位置に非磁性膜を介して相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜14を配置した本実施例の効果と言える。ちなみに磁気シールドの全体を高飽和磁束密度の単膜で構成した場合、最大磁界が約9KOeとなり、満足できる記録性能を得る事ができなかった。また、第1軟磁性膜12と第2軟磁性膜14を連続成膜した場合(非磁性膜13を介さない場合)、実際の素子では発生磁界がばらつき、素子歩留まりが低下した。この原因としては、第1軟磁性膜12と第2軟磁性膜14間の交換結合磁界の影響、結晶成長に絡む異方性磁界の影響等が考えられる。非磁性膜13を介することでこれらの影響が低減されたものと推定される(1nmの非磁性層による交換結合磁界の低減効果は、特に記録媒体の分野で良く知られるところである)。すなわち、非磁性膜13により、第1軟磁性膜12を通る磁束と第2軟磁性膜14を通る磁束は互いに独立して流れ、干渉しない(あるいは大幅に低減できた)ためと思われる。
【0030】
以上述べたように本実施例の構成では、磁気シールドの主体を相対的に低い飽和磁束密度の軟磁性膜から構成することで隣接する主磁極からの漏れ磁界を低減させ、この結果として高い記録磁界を得ると共に、浮上面側に高飽和磁束密度膜を配することで高い磁界勾配を実現している。また、非磁性膜20に相対的に低い飽和磁束密度の第2軟磁性膜14が乗り上げる構成とすることで、磁界勾配をさらに高めることができる。
【0032】
次に上記実施例による記録ヘッドを製造する素子工程の概略を図6A図6Lを用いて説明する。
図6Aは下部コイル形成後に非磁性膜23を成膜し、しかる後、第2磁性膜となる磁性膜16の形成後、主磁極11を成膜した状態である。図6Bではこの上に端部に傾斜面を有する非磁性膜20と非磁性膜19−1を成膜する。図6Cではこの上に第1軟磁性膜をめっき成膜するためのシード膜51を被着する。このシード膜51は非磁性膜19−1と兼ねる事も可能である。図6Dではこの上に第1軟磁性膜を選択的に成膜するためのレジストパターン52を形成する。レジストパターンのエッジは非磁性膜20の端部を若干乗り上げた位置に設定されている。図6Eではレジストパターン52をマスクに第1軟磁性膜層12を成膜する。図6Fではレジストパターン52を除去した後、非磁性膜13を被着する。本素子工程ではこの非磁性膜13を導電性非磁性膜とすることで第2軟磁性膜成膜時のシード膜を兼ねさせた。図6Gではこの上に第2軟磁性膜を選択的に成膜するためのレジストパターン55を形成した。図6Hでは非磁性膜13に通電することで第2軟磁性膜14を形成した。図6Iではレジストパターン55を除去すると共にシード膜として用いた非磁性膜13の不要部を除去した。しかる後、図6Jに示すように非磁性膜21を設けることで上部コイルとの絶縁を図り、かつ、その上面をCMP(ケミカルメカニカルポリッシュ)法にて平滑化し、後の工程に備えた。図6Kでは平滑面上に第1の磁性膜となる補助磁極17を形成した状態を示す。但し、図6Kでは補助磁極17を模式的に示しているので、上部が平坦に見えている。以降は通常の磁気ヘッド製造工程と同じ工程を経て最終的に工程を終了する。図6Lは全てのウエハ工程が完了した後に機械研磨法にて切り出されたABS98を想定した断面図を示す。浮上面98に露出する第1軟磁性膜12、非磁性膜13を介してその後端に第2軟磁性膜14が配されている様子が分かる。特に上記プロセスにて非磁性膜20の端部に乗り上げている第1軟磁性膜12の様子が分かる。また、上記プロセス特有の構成として第1軟磁性膜12をめっき成膜した際のシード膜51が浮上面側に残る点と非磁性膜13が第2軟磁性膜14の下部に残る点がある。シード膜51を高飽和磁束密度の磁性導電性膜とすることで第1軟磁性膜12と同じ機能を持たせることが可能である。また、シード膜51に非磁性導電性膜を用いた場合、非磁性層19−1と同じ機能を持たせられることは言うまでもない。また、非磁性膜13をあえて成膜することなく、第1軟磁性膜12の形成後にその後端壁を酸化処理し、第1軟磁性膜12と第2軟磁性膜14との間に非磁性膜13を存在させることもできる。この場合、非磁性膜13の厚さは概ね1nm程度となる。これが非磁性膜厚の最小の厚みと言える。
【0033】
また言うまでもなく、第2軟磁性膜下部の非磁性膜13の存在は、非磁性膜19−1の機能と同じであり、これらの膜の存在の有無は大きくその作成方法に依存すると言える。また、非磁性膜13が厚く残存することは主磁極11と第2軟磁性膜14との磁気的な距離が遠くなることを意味し、遠くなるほど主磁極11にて記録を行った際に残留した磁荷が第2軟磁性膜14に作用し難くなることは明白である。この影響からポールイレーズの問題が生じる場合があった。この程度は主磁極11に用いた材料の残留磁荷特性によっても変化するが、概ね主磁極幅程度,約100nmを上限とする範囲でポールイレーズを防ぐことができた。従って、第1軟磁性膜12、第2軟磁性膜14間に配置する非磁性膜13の膜厚としては概ね1nmから100nmを上限とする範囲で設定される必要がある。以上、種々の素子作成方法により各構成要素の膜厚は種々異なるが、記録ヘッドとしての機能を満足させるために必要となる最低限の膜厚等の要件は同業者であれば容易に理解される。従って本実施例では更なる高磁界勾配を可能とするための最低要素に関してあえて開示するものである。
【実施例2】
【0034】
上記実施例1では、磁界勾配改善手段である第1軟磁性膜12を主磁極11の両側とトレーリング側に一体形成した構成である。他に第1軟磁性膜を分離した構成とすることも可能である。図2A及び図2Bは実施例2による垂直磁気記録ヘッドの記録ヘッド主要部を示す図である。実施例2では、主磁極11を形成後、非磁性膜19−4を成膜し、主磁極11の両側にサイドシールド(軟磁性膜)12−1を形成した後に主磁極11の上面を共有化する面100でCMPを実施した基本構成からなる。共通面100形成後、少なくとも主磁極11を包含する位置に非磁性膜19−3を配してトレーリング側のギャップを形成する。その上にトレーリングシールド(軟磁性膜)12−2、非磁性膜13、第2軟磁性膜14を配している。このCMP後における工程は上記実施例1と同じである。この実施例2においても浮上面98に露出して相対的に高い飽和磁束密度のトレーリングシールド12−2を設け、非磁性膜13を介して第2軟磁性膜14が配置され、トレーリングシールド12−2の後端が非磁性膜20の端部を乗り上げた構成となっている。
【0035】
主磁極11の両側に配されたサイドシールド12−1は、トレーリングシールド12−2と分離された工程から形成されるため、材料、奥行き長を自由に設定できる長所がある。例えばサイドシールド12−1を相対的に低い飽和磁束密度膜(本例では1T)とし、その奥行き長をトレーリングシールド12−2の約半分とすることで約1KOeの記録磁界の改善が得られた。この例においてもトレーリング側は、その浮上面側に高飽和磁束密度の膜12−2が存在するため、上記実施例1に対して約10%改善した高い磁界勾配を得ることができた。
【実施例3】
【0036】
図7に実施例3による垂直磁気記録ヘッドの記録ヘッド主要部を示す。図7は記録ヘッドの主要部である主磁極11と隣接する磁気シールドを構成する第1軟磁性膜12、非磁性膜13、その後退位置に配された第2軟磁性膜14を示す。非磁性膜51は第1軟磁性膜12のめっき用シード膜である。その下には記録ギャップを構成する非磁性層19−1が存在する。この実施例で特有な点は、非磁性膜13の膜厚が第1軟磁性膜12の後端面と接する部分と非磁性膜19−1と接する部分で異なる点にある。この差は、非磁性膜13を斜め方向(第1軟磁性膜12を一時的にマスクとする方向)から被着する方法や被着後に斜め方向からArイオンを照射して選択的に膜厚の薄い領域を形成する方法により形成できる。特に第2軟磁性膜14の下部での膜厚を厚くすることで上記実施例1及び2における非磁性膜20をあえて設けることなく、実現することができる。これは、上記実施例1で述べた計算結果から明らかなように第1軟磁性膜12の奥行き方向の長さにマージンがあるためであり、特に本実施例では第1軟磁性膜12の後端位置は自動的に非磁性膜13の膜厚が厚くなる位置と一致する構成となる。したがって、本実施例では、上記実施例1及び2における非磁性膜20の端部をあえて設けることなく、磁束を第1軟磁性膜12に集中させる構成を非磁性膜13に部分的な膜厚の変化を設けることで実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の垂直磁気記録ヘッドは、高記録磁界と高磁界勾配を満足させることができるので、記録密度500Gb/in以上の高密度記録を実現する磁気ディスク装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
1…垂直磁気記録ヘッド、2…記録媒体、3…モータ、4…ロータリーアクチュエータ、5…回路基板、6…記録再生用回路、7…アーム、8…サスペンション、10…記録ヘッド、11…主磁極、12…第1軟磁性膜、12−1…サイドシールド、12−2…トレーリングシールド、13…第1非磁性膜、14…第2軟磁性膜、17…第1磁性層、16…第2磁性層、18−1…下部コイル、18−2…上部コイル、19−1,19−2,19−3,19−4…非磁性膜、20…第2非磁性膜、30…スライダ基板、31…下地膜、32…下部シールド、33…上部シールド、40…再生ヘッド、50…再生素子、60…磁気シールド、98…浮上面。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図6K
図6L
図7