【文献】
猪又 肇,マルチサーバによるイメージワークフロー,情報処理,日本,社団法人情報処理学会,1998年 9月15日,第39巻 第9号,pp.918-922
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記携帯端末が撮影するのは、計上業務に係る書類、あるいは緊急の処理する必要のある発生事故の状態を特定可能な対象等であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保険業務処理システム。
携帯端末と、ネットワーク網を介して前記携帯端末より送られる情報を受信可能で保険業務処理を行うセンターシステムとを有する保険業務処理システムにおける損害保険業務処理方法であって、
前記携帯端末は、業務処理において必要な代理店あるいは営業店などの担当者が保持可能でカメラ機能を備えており、
前記センターシステムは、前記携帯端末のカメラ機能で撮影された撮影イメージ情報をネットワーク網を介して受信する受信手段と、業務処理において必要な代理店あるいは営業店などから送られてきた書類を書類イメージとして読み込む読み込み手段と、前記受信手段が受信した撮影イメージ情報や前記読み込み手段で読み込んだイメージ情報が保険業務の処理に係るどの書類かを認識する書類認識手段と、前記書類認識手段で認識した書類中の必要な領域の文字認識を行う文字認識手段と、前記文字認識手段での認識結果と前記読み込み手段で読み込んだイメージ情報とを記憶する処理データ記憶手段と、前記文字認識手段での認識結果と前記読み込み手段で読み込んだイメージ情報とを表示可能な表示手段と、前記表示手段に表示されたイメージ情報を認識結果を確認して保険業務の審査・査定・決済などの必要な処理入力を受付可能な受付手段と、業務処理済みの撮影イメージ情報を一括保管するイメージ情報記憶手段とを備え、
前記携帯端末は特定の書類あるいは緊急に確認する必要があるものを撮影して前記ネットワーク網を介して前記センターシステムの受信手段に送信し、
前記センターシステムの読み込み手段は前記代理店あるいは営業店などから搬送されてくる書類のイメージ情報を読み込み、前記処理データ記憶手段は記憶データに係る保険業務が完了すると対応する業務に係る情報を消去すると共に、当該業務に係る情報を消去する前に前記処理データ記憶手段が記憶する消去対象の撮影イメージ情報を前記イメージ情報記憶手段に記憶させてから消去することを特徴とする保険業務処理方法。
前記センターシステムは、更に前記受信手段で受信した前記携帯端末での撮影イメージ情報の良否を判別する判別手段と、前記判別手段が撮影イメージ情報が良と判別すると前記携帯端末に送信撮影イメージ情報の受信を報知する受信報知手段とを備え、
前記携帯端末は前記受信報知手段よりの送信撮影イメージ情報の受信を確認すると送信した撮影イメージ情報を自動削除することを特徴とする請求項4記載の保険業務処理方法。
【背景技術】
【0002】
損害保険業務においては、損害保険会社が直接全ての顧客に対して対応するものではなく、多くは全国各地に代理店網を構築してこの代理店を介して顧客との保険契約を締結する例が多い。生命保険業務においては、全国各地に構築した代理店や営業所を介して保険外交員が顧客との保険契約を締結している。
【0003】
例えば、損害保険の契約申込書類、請求書等は顧客から代理店に送られ、代理店からさらに損保会社の営業店に送られ、営業店から損保会社の事務センターに送られ、事務センターで最終処理が行われる。さらに、保険契約時の処理のみならず、損害事故が発生した場合の対処なども同様の経路で書類が事務センターに送られて必要な処理が行われる。
【0004】
書類が送られる中で、代理店は書類を受け取ると書類の内容を確認して書類の不備があれば不備を解消して顧客に控え書類を渡し、書類の仕分けを行って自己の分の控え書類を手元に置いて書類の発送を行う。営業店でも同様に書類の確認、仕分けを行って事務センターに処理を発送する。
【0005】
事務センターでは、送られてきた書類の最終確認を行い、どのように処理するかを決定し、書類を参照しながら必要な処理を行っていた。その際、書類中に顧客あるいは担当者が記入した部分を読み取ってキー入力するなどしてデジタル化していた。
【0006】
しかしながら、全ての処理がこのような通常の処理ルートに従って行われる場合に限られるのではなく、緊急に処理をする必要がある契約もあり、また処理すべき業務によっては代理店から営業店に送るのではなく、直接事務センターに送る必要のある書類がある場合がある。例えば、事故連絡書類等を事務センターに送ろうとした場合、代理店や営業店に備えられているファクシミリ通信機器に送ろうとする書類等をセットして相手方を呼び出し、その後対応する相手方のファクシミリ装置にファクシミリ送信していた。さらに、事務センターでの精査でさらに他の書類が必要なことが判明したりすることがある。
【0007】
このような場合に、従来は必要な書類を代理店や営業店からファクシミリ装置を用いてファクシミリ通信により実際に書類を処理する事務センター等に送り、後程実際の書類を搬送していた。事務センター側では、ファクシミリ装置で受信したファクシミリ受信用紙を確認して送られてきた書類の特定を行い、必要に応じて内容をキー入力したり、処理する部門の担当者に渡すなどしていた。担当者は、送られてきた書類を参照して必要な審査・査定を行って決定・決済業務等を行っていた。
【0008】
これは、生命保険の処理においても共通していた。また、損保会社によっては事務センター等に送られてきた書類をイメージスキャナなどで一括読み取りし、読み取った書類イメージをアクセス可能にファイリングし、業務遂行上必要なときに操作端末の表示画面に表示させて書類の確認などしていた。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を適用した具体的な一実施の形態例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明に係る一実施の形態例の損害保険業務における申し込み書類等の必要書類以下の説明は損害保険業務を例に説明するが、生命保険業務であっても同様の作業となる。以下の損害保険業務に関する説明は、モバイル端末としてカメラ機能付き携帯端末、例えばカメラ機能付き携帯電話機を用いる場合について行う。
【0027】
本発明は以下の損保業務の書類の移動制御、また送付書類の一部のみをモバイル端末で撮影してネットワーク網を介して事務センターなどの書類処理施設に送る場合に限定されるものではなく、あらゆる申込み処理に適用可能である。例えば、商品あるいはサービスの申し込み書類の受付処理であっても、あるいはクレジットカードの申し込み書類であってもよい。
【0028】
更に、今までファクシミリ通信していた各種の伝達書類においても、モバイル端末のカメラ機能を利用して撮影することにより、電話回線を発呼してファクシミリ送信しなくても、モバイル端末から直接相手情報処理装置に送信することができる。画像情報としての解像度も向上してきているため、高品質の情報伝達が可能となる。
【0029】
図1において、100は保険などの申込者である顧客に予め渡された申し込み書類等のユーザ書類であり、申し込み書類に必要事項を記入した後、例えば書類を郵便などにより代理店200に送る(170)。
【0030】
200は顧客との間で保険契約をする代理店、250は代理店の係員が所持しているカメラ機能付き携帯端末器(モバイル端末)である。代理店200では、顧客より郵送等で送られてきた書類210等を確認して仕分けし、その後確認した書類を営業店300に配送(270)する。300は多数の代理店を管理する損保会社の営業店であり、代理店より送られる取引書類310の確認・仕分けを行い、確認した書類を事務センター500に配送(370)する。350は営業店担当者が所有しているカメラ機能付き携帯端末器(モバイル端末)である。
【0031】
携帯端末器250,350は、後述するように、業務上事務センター500に直接、かつ早急に送る必要のある書類があった場合に、従来のファクシミリ装置に書類をセットしてのファクシミリ送信に替えて自器の有するカメラ機能を用いて書類を撮影し、撮影した書類イメージをネットワーク網260を介して事務センターに直接送信する。本実施の形態例で携帯端末と事務センター間で通信される情報は暗号化された情報となっており、第三者が傍受などしても、容易に解読されないように構成されている。
【0032】
携帯端末250、350から直接事務センター500に資料情報を送る方法に限定はなく任意の方法を採用できる。例えば、代理店200、営業店300に、拠点PC(パーソナルコンピュータ機)を設置し、携帯端末器250、350から例えば店舗内LAN(有線または無線)を介して上記した拠点PCに送り、拠点PCは携帯端末器250、350から受信した書類イメージ情報などをインターネット経由で事務センター500に送ってもよい。
【0033】
あるいは、携帯端末器250、350をクラウドクライアント端末として動作できる様に、インターネット回線−無線電話回線網の電話パケット回線を経由して例えば携帯端末向けのクラウドアプリケーションプログラムをダウンロードし、事務センター500との間をクラウド接続として書類イメージなどを送ってもよい。
【0034】
更にまた、携帯端末器250、350がメール送受信機能を備えている場合には、携帯端末器250、350のメール機能を利用して送信情報をメールとして送信し、事務センター500でメール受信してもよい。携帯端末器250、350で撮影したデータを、どのような経路、方法であっても携帯端末器250、350から直接事務センター500に送ることができるのであれば採用できる。
【0035】
携帯端末器250,350から直接事務センター500に送る書類情報としては、計上業務に係る書類などがあり、店舗毎に予め割り当てられている店舗毎に特有の店舗コード、携帯端末器250,350の操作者に特有の担当者コードを携帯端末器250,350に登録しておき、この情報送信元特定情報と共に送るべき書類の撮影情報を送信する。
【0036】
緊急に送るべき書類情報には、例えば事故査定を行うための各種資料等があり、事故状況の撮影画像や証拠物件の撮影情報、高額品が破損した様な場合に現物を携帯端末器250,350で撮影した画像等があり、事務センターの要求で追完する書類情報や撮影情報などがある。
【0037】
携帯端末器250,350によるこれら一連の撮影、送信制御は、予め事務センター500または基幹システム900等から携帯端末器250,350に専用の制御プログラムをダウンロードし、当該ダウンロードプログラムに従って専用の撮影画像処理及び送信制御プログラムに従った処理を行う。
【0038】
従って、プログラムのアップデートの必要な場合、プログラムの配信元にプログラム更新を依頼すればよい。事務センター500側では携帯端末との通信路を確立したときに携帯端末に格納されている専用プログラムのバージョンを確認し、最新バージョンでない場合に最新バージョンのプログラムのダウンロードを行う。
【0039】
500は事務センターであり、600は各営業店より送られてくる書類(510)を受け取り、イメージ化し、書類イメージと認識したキャラクタコード情報とを作成し、後続のシステムに連携する書類イメージ化システムである。
【0040】
書類イメージ化システム600は、配送されてきた書類510を順次スキャナ部分に配送して表面/裏面情報を読み込んでイメージ化し、イメージ化した書類を順次ナンバリングして仕分ける書類搬送処理システム610、書類搬送処理システム610で読み込んだイメージ情報中の顧客の記入内容を抽出して自動文字認識すると共に、認識結果に応じて読み込んだ書類の案件分割・振分を行うと共に記載内容の自動チェックを行うイメージ処理システム620、イメージ処理システム620で分別・振り分けした自動認識の結果認識確率の低い画像(認識誤りの虞がある認識結果)と認識結果を表示画面に例えば並列に表示し、担当者が読み込んだイメージ情報と当該イメージ情報の認識結果とを見比べて認識結果の確認及び修正(リジェクト修正)を行う認識結果確認システム630などから構成されている。なお、書類搬送処理システム610により読み込まれてイメージ化された書類650はその後倉庫会社800に送られここに所定期間保管される。
【0041】
700は事務センター500の申し込み書類に基づく計上業務や支払業務などを処理する業務別イメージワークフローシステムであり、従前であれば顧客よりの書類を脇に置いて書類に記載事項を確認しながら顧客の記載事項をキー入力していたのではあるが、本実施の形態例では、書類イメージ化システム600により書類は全てイメージ化しているため、業務別イメージワークフローシステム700の各業務別の操作端末760,770,780の表示画面に必要な書類の対応するイメージ画像を表示し、この表示画面で書類イメージを確認しながら必要な書類の処理を行う。
【0042】
ここでは、例えば書類の記載内容の点検、書類に不備があったときの対応、申込み内容の審査・査定、計上業務。支払業務などの処理を行うことになる。なお、790はこのようにして処理した審査・査定結果に対して最終的な決定・決済を行い、その後の進捗・滞留管理、要員管理などを行う、管理用の操作端末である。
【0043】
260,950は携帯端末間、携帯端末と事務センター間の通信を行うための公衆回線網、550,750は通信制御を行うと共に、イメージ管理を行ない管理しているイメージ情報を各操作端末630,760〜790等の求めに応じて供給すると共に、審査・査定・決定・決済・進捗滞留管理・要員管理などを行うイメージ情報サーバである。
【0044】
800は処理した書類を一定期間保存する倉庫会社、900は一連の書類のイメージ化データを全て記録及び保管する基幹システムであり、具体的には保険商品管理、契約情報管理、顧客情報管理、代理店/営業店管理などを司る。
【0045】
以上の構成を備える本実施の形態例の書類処理システムの概略処理を
図2及び
図3のフローチャートを参照して以下に説明する。以下の説明は損害保険会社による損害保険の申し込み処理及び保険処理、事故処理などの保険業務に係る業務を説明する。
【0046】
保険の申込みから契約までは生命保険であってもほとんど差異のない処理となる。損害保険では損害が発生した場合に保険金の支払いや金額の査定などが発生するが、生命保険の場合には、例えば入院特約などが付加されている場合には、契約者の入院などにより保険金の支払いや金額の査定などが発生し、契約者が死亡などした場合に保険金の支払いが生じる点で相違するが、書類の処理方法などでは共通する処理が多い。損害保険業務では、新規契約計上処理、支払処理などが該当し、生命保険業務では、新規契約、移動、支払処理などが該当する。
【0047】
代理店の販売員のセールスなどの結果として顧客との間で保険契約の合意が成されると、
図2のステップS1に示すように、顧客に保険の申し込み用紙が渡される。申し込み用紙が渡された顧客は、ステップS3に示すように申し込み用紙に必要事項を記入し、他に必要な書類があれば必要な書類を揃える。
【0048】
そしてステップS5で書類に必要事項を記載して記載した書類100を例えば郵送あるいは宅配メールなどで代理店200に送る(170)。代理店200では、ステップS7に示すように送られてきた書類の確認を行い、その書類がどの業務に関する書類かの仕分けを行う。
【0049】
書類確認の結果、書類上に不備が発見され、書類を確認して修復できる不備である場合には顧客に記入内容の修正を確認後に代理店側で修正する。顧客側で不備を解消する必要がある場合には顧客に不備を報知して不備書類の追完を図ることになる。
【0050】
仕分けが終了するとステップS9に進み、仕分けの結果、営業店に送る書類のみか、あるいは直接事務センター500に送る書類があるかを調べる。これは、計上業務に関する書類などの場合、あるいは特に緊急に処理する必要がある書類、例えば事故連絡書類などには営業店を介することなく直接事務センターに送る必要があるからである。
【0051】
直接事務センターに送る必要がない通常業務の書類(210)である場合にはステップS11に進み、代理店200から書類210が営業店300に配送(270)される。この配送270は、代理店を巡回する専用の配送車に配送を依頼するものでも、または所定量の書類(例えば1日分の書類)をまとめて宅配便などで配送するものであってもよい。
【0052】
そして、営業店300においても、ステップS7と同様に、送られてきた書類の確認を行い、その書類がどの業務に関する書類かの仕分けを行う。書類確認の結果、書類上に不備が発見され、書類を確認して修復できる不備である場合には代理店200に記入内容の修正を確認後に営業店300側で修正する。代理店200側でも不備を解消できない場合には必要に応じて顧客側にも書類不備についての相談を行うことになる。
【0053】
仕分けが終了するとステップS13に進み、仕分けの結果、事務センター500に配送する書類のみか、あるいは配送ではなく直接事務センター500に送る書類があるかを調べる。これは、申込み書類の返送処理の場合や事故査定書類などの場合、あるいは特に緊急に処理する必要がある書類などには緊急に直接事務センター500に送る必要があるからである。
【0054】
直送書類がない場合にはステップS15に進み、書類310を配送車等で事務センター500に配送する。事務センターでは、ステップS17において配送されてきた書類510を書類イメージ化システム600の書類搬送処理システム610にセットして一枚ずつ自動搬送し、搬送されてくる書類をイメージスキャナで読み込んで画像化し、読み込みイメージ情報のナンバリング処理を行う。そしてステップS19に進む。
【0055】
一方、ステップS9又はステップS13で事務センター500に直接送る書類がある場合にはステップS31に進み、従来は例えばファクシミリ送信していた直送書類を代理店あるいは営業店の担当者が所有しているカメラ機能付き携帯端末250,350で直送書類を撮影してイメージ情報化する。なお、イメージ情報化するのをファクシミリ送信されるべき書類に限定する趣旨ではなく、イメージ化しても事務センターで受信でき、処理することが可能な書類であれば配送などとは別個に携帯端末250,350で撮影して直接イメージ情報として送ってもよい。これにより例えば処理の迅速化が計れる。
【0056】
続くステップS33で携帯端末250,350を用いて撮影した読み込み書類イメージをネットワーク網260を介して事務センターのサーバ550に送信する。この際撮影イメージ情報に代理店コード(営業店コード)及び担当者コード及びファイル番号を附し、処理イメージ情報を特定可能な識別情報を付加して送信する。事務センターのサーバ550は携帯端末から送られてくる書類撮影イメージ情報を受信し、識別情報を解析してどの携帯端末から送られてきたイメージ情報か、あるいは何番目に送られてきたイメージ情報かを確認する。
【0057】
携帯端末250,350は、自身が撮影した書類イメージ情報が事務センター500側で受信されたことが確認されると自端末内に記憶されている当該書類イメージ情報を自動的に強制消去される。このように携帯端末には撮影してから送信するまでの僅かな間のみ撮影情報が記憶されているのみであり、不用意に撮影情報が残存して個人情報の漏洩などの虞がないようにしている。
【0058】
続くステップS37で受信したイメージ情報を書類イメージ化システム600に送り、書類イメージ化システム600では受け取った書類にナンバリングして書類搬送処理システム610で読み取ったイメージ情報と同じ取り扱いとする。そしてステップS19の処理に進む。
【0059】
ステップS19では、イメージ処理システム620が書類搬送処理システム610で読み取ったイメージ化情報、あるいは携帯端末250,350から送られてきた撮影イメージ情報を受け取り、イメージ情報中の特徴的な表示からそのような書類かの自動チェックを行い、どのような案件の書類か、案件毎に分別・振分を行う。同時に、書類に記入などされた記入文字、数字部分を抽出して自動認識を行い、対応するキャラクタコードに変換する。
【0060】
続くステップS21で認識結果の自動チェックを行う。そしてステップS23で認識結果の精度を確認し、一定以上の確率の場合には認識結果を有効とし、認識結果正答率の確率が低い場合には認識結果のリジェクトを行い、認識結果確認端末630に送り、操作端末630の表示画面にリジェクトされた書類イメージ及び認識結果を表示し、認識結果が正しければ正しい認識結果として確定し、認識結果が誤っていれば正しい文字を操作入力して認識結果の修正を行い、修正結果を確定する。そして
図3のステップS41に進む。
【0061】
ステップS41では、例えば書類イメージ化システム600でイメージ化した書類画像及び文字認識結果を受け取ったサーバ550は、業務別イメージワークフローシステム700の業務別操作端末760,770,780の表示画面に表示する。
【0062】
業務別イメージワークフローシステム700では、業務別操作端末の操作者は、ステップS43でこの操作端末の表示画面を確認しながら業務別にそれぞれ表示されている書類を確認すると共に文字認識結果を確認する。文字認識結果に誤りがある場合には認識結果の修正を行い、また、記載内容を確認し、記入漏れ、記入ミス、記載事項の不整合等があった場合にはその旨指示して正しい業務処理を行うようにするなどの不備対応を行う。
【0063】
そしてステップS45で表示を確認して保険の審査及び査定を行い、審査・査定結果を指示入力する。続くステップS47において、操作端末から指示入力された審査・査定結果を当該書類に対する審査・査定結果として登録する。
【0064】
続いてステップS49において、査定結果を最終的に決定事項が正しいか否かを確認する確認端末790の表示画面に書類イメージと審査・査定結果を並列表示する。この確認端末790は例えば事務センターの責任者等最終的な権限を持っている者が操作することが望ましい。先の審査・査定結果を承認して問題ないと判断した場合には決定の決済処理を指示する。ここで、先の審査・査定結果に問題がある、あるいは確認したい部分があると判断した場合には決済結果の承認は行わずに前段階の処理に差し戻すことになる。
【0065】
ここで決済が行われるとステップS51に進み、決済結果を例えばサーバ550等に登録する。その後ステップS53で保険契約に対する申込みや更新である場合には計上業務処理を行い、事故発生時などである場合には保険金の支払業務の実行を指示などする。
【0066】
その後ステップS55に進み、決済の終了した処理イメージ情報を例えばサーバ750、ネットワーク網950を介して基幹システム900にイメージ情報を登録する。基幹システム900への登録が確認されると事務センター500に記憶されている当該基幹システム900に登録された書類に関する全てのイメージ情報を自動的に、かつ例外なく強制的に消去する。これにより、顧客情報がむやみに拡散することを防ぐことができる。
【0067】
また、ステップS57に示すように、決済処理が修了した書類については、倉庫会社800に配送され、ここに所定期間保管される。従来であれば一旦倉庫に保管された処理に疑義が生じたような場合には、倉庫に行って所望の書類を探し出してきて事務センターの担当者のところまで返送してきて確認しなければならなかった。
【0068】
しかしながら、本実施の形態例によれば、基幹システム900に書類イメージを格納しているため、この書類イメージはランダムアクセスができ、瞬時に必要とするイメージ画像を特定して読み出すことができ、操作端末などの表示画面に表示する事で容易かつ迅速に書類を確認することができる。
【0069】
その後システムではステップS59で先に実施した計上業務や支払業務の進捗状況を確認する処理を行う。ステップS53の処理を実施した後所定時間が経過したときや顧客よりの問い合わせがあったときにも自動的にステップS59の進捗状況確認処理に移行する。ここで、進捗状況に問題がないとき、あるいは既に処理を終了しているような場合には一連の業務を終了し、次の処理に移行する。
【0070】
一方、ステップS59で進捗状況の問題があった場合にはステップS61に進み、進捗状況の改善命令を担当者等に指示し、必要に応じてステップS63で進捗状況改善のために要員管理を行い、その後所定時間経過後あるいは不図示の更なる進捗状況の確認があったときに再びステップS59での進捗状況の確認を行うことになる。
【0071】
以上に説明したように本実施の形態例によれば、損害保険業務において処理対象の書類を全てイメージ化し、書類に基づく業務処理を行いに際して書類事態を取り扱うことなく全てイメージ化した書類画像を操作端末の表示画面に表示して行うことから、処理途中で書類が損傷して記載事項が読み難くなったり、一部書類が他の書類と紛れたり順序が入れ替わったりして業務処理に支障を来すようなこともない処理システムが提供できる。
【0072】
しかも、読み取ったイメージ画像中の所定領域のキャラクタ(手書き入力またはタイプ入力などした部分)を自動認識することで、記入箇所を目視確認しながらタイプ入力する場合に比して、高速かつ確実に入力内容をコンピュータで処理できる形態にすることができる。
【0073】
かつ、書類イメージを確認しながら業務処理を行う際に、自動認識結果と読み込んだイメージ情報とを並列に並べて表示することにより、自動認識結果が正しいか否か極めて容易に確認することができ、認識誤りも誤り箇所を特定して修正入力することにより容易に修正が可能である。
【0074】
また、近時の携帯端末はカメラ機能が付属しているもの多くなってきており、一般の汎用品であっても高解像度となってきている。このため、汎用の携帯端末のカメラ機能を利用して書類イメージを撮影しても十分実用となる解像度での読取画像となる。
【0075】
なお、本実施の形態例では携帯端末で撮影した画像は、まず撮影者が携帯端末の表示画面を確認して撮影書類の一部が欠けていないか、画像の歪みがないか等を確認し、不備があれば撮影をし直す。そして目視確認の結果問題ないと判断すると事務センター500に送信することになる。事務センター500では、受信した撮影画像の所定領域について撮影精度を確認し、撮影精度が所定の基準を満たしている場合には受け取った撮影画像を正式に受信することを報知し、これを受けた携帯端末では撮影して記憶している画像データを削除する。
【0076】
以上の処理における本実施の形態例に特有の携帯端末で書類イメージを撮影し、撮影画像を事務センターに送信する制御の詳細を
図4を参照して以下に説明する。
図4は本実施の形態例の携帯端末での撮影画像を事務センター500に送信する際の制御の詳細を説明するための図である。以下、
図4を参照して本実施の形態例の携帯端末を用いた処理イメージ情報の送信処理の詳細を説明する。
【0077】
書類イメージ情報を事務センター宛に送信しようとする携帯端末操作者は、まずステップS101で予め携帯端末中に記憶している事務センターに書類イメージ情報を送信するプログラムを起動してネットワーク網260にアクセスなどして事務センター500のサーバ550との間で通信路を形成する。この通信路は、SSIなどセキュリティを確保した経路であることが望ましい。
【0078】
サーバ550は、ステップS103に示すように携帯端末からのアクセスがあると当該アクセスに応答して携帯端末との間の通信路を確立する。そして携帯端末側にログイン画面を送信してログインを促す。アクセスしてきた携帯端末に所定の書類イメージ通信プログラムがダウンロードされている場合には正しくログイン画面が表示されるため、ステップS105に示すようにログイン処理を行い、例えば自店舗情報及び自携帯端末に割り当てられている接続コードやユーザID、パスワードなどの暗証番号などを入力してサーバ側に送信することになる。
【0079】
サーバ550では、送られてきたログイン情報を検証して、例えば予め登録されている相手よりのアクセスかを確認し、通信を行うことが認められている相手である場合にはステップS107に示す認証処理を行う。相手が通信を許可されている相手でない場合、あるいはパスワード入力でなかった場合などは認証を行わず、携帯端末との通信路を切断することになる。
【0080】
ステップS107で認証された携帯端末側では、続くステップS109でサーバから送られるこれから撮影する書類がどのような業務に係る書類であるかを特定する業務区分のうちから該当する業務区分を選択できる様に業務区分のリストを表示する。なお、この業務区分リストは、サーバ550より送られるのではなく、予め携帯端末に記憶していてもよい。
【0081】
次にステップS111で実際に書類の撮影を行う。続くステップS113で携帯端末の表示器に撮影した画像を表示し、撮影者が画像を目視確認して撮影がうまくいったか否かを判断可能としている。事故現場や物損品の撮影の場合にはこれで特に問題がない、しかしながら、顧客が必要事項を記入した書類撮影の場合には、撮影者の主観で撮影データの良否を判断するのではなく、書類の例えば四隅などに予め特定の図形などを表示しておき、撮影画像の前記特定画像が認識できたか否かで撮影の良否を判定してもよい。
【0082】
ステップS113で撮影結果が良好と判断するとステップS115において撮影イメージをサーバ550に送信する。ステップS113で撮影画像の品質が満足のいくものでなかった場合には再びステップS111に戻り書類の撮影をやり直す。
【0083】
サーバ550は認証を行った後は携帯端末より書類撮影画像が送られてくるのを監視しており、ステップS115で携帯端末よりの撮影画像が送られてくるとステップS117の処理に移行し、携帯端末より送られてきた撮影画像を受信する。
【0084】
そして続くステップS119に示す様に受信した画像をイメージ処理システム620に渡す。ここで、
図4には示していないが、撮影情報が認識するべきキャラクタを含まない場合には文字認識などは行わずにそのままステップS127に進む。撮影情報が認識するべきキャラクタを含む場合には撮影情報を受け取ったイメージ処理システム620では同時に送られてきた業務区分から予想される書類の撮影画像か否か等をチェックするデータチェック処理を行う。指定された業務区分から導き出される書類の撮影画像であった場合にはステップS121で当該受信データの画像の歪みや輝度・明度等を補正するイメージ補正処理を行う。
【0085】
イメージ補正処理においては、例えば、撮影したイメージ情報から必要な画像部分を切り出す切り出し処理を実行する。これは、例えば書類の撮影イメージであれば、記入フォーマットに従った所定の罫線で囲まれた範囲のみがあれば必要な情報は得られるため、余分な部分の処理を行う負荷を軽減するためである。
【0086】
つづいて画像の傾き補正(キュー補正)を行う。例えば、縦罫線あるいは横罫線をいくつか抽出し、上部と下部の横罫線の傾きが180度に近くなるように補正、あるいは左右端部の縦罫線の傾きが90度に近くなるように補正する。続いて例えば台形補正を行う。これは、撮影時に焦点距離に短い部分は大きく、焦点距離の長い部分は小さく撮影されている場合に、この撮影イメージの大きさを揃えるためである。
【0087】
また、本実施の形態例では、以上の処理に限定されるものではなく、この中の任意の処理のみ行っても良く、あるいは、他の処理を追加して行っても良い。追加処理には、ノイズ除去処理やぼかし処理、シャープネス処理、輪郭強調処理、写真修整処理、下地除去処理等任意の処理を適宜選択して実行してもよい。
【0088】
これらの処理により撮影画像のイメージ補正を行い、その後ステップS123に進む。ステップS123では、送られてきた業務区分情報及び書類イメージから書類の種別を判別する帳票認識処理を実行すると共に判別結果から割り出される顧客や代理店、営業店で記入する必要のある箇所(記入領域)を特定し、特定した箇所について文字認識処理を実行して記入などされた文字を対応するキャラクタコードに変換する。文字認識の結果正解の確率が所定閾値以上である場合(あるいは一義的に定まった場合)には文字認識できたと判断する。文字認識ができたと判断した場合にはイメージ補正したデータを良品質画像として評価し、補正処理を行った撮影画像を記憶する。一方、文字認識が全くできなかった場合、あるいは文字認識できた文字数が少なかった場合にはリジェクト画像として撮影画像を記憶する。
【0089】
そして続くステップS125で文字認識した結果とステップS121でイメージ補正した撮影画像(あるいはステップS117で受信した撮影画像)を認識結果確認システム630に渡す。認識結果確認システム630では、受け取った認識結果と、イメージ補正した撮影画像とをステップS123の文字認識結果情報と共に同じ表示画面に並べて表示する。そして、撮影画像と認識結果とを目視比較して認識結果に誤りがあるか否かを確認し、誤りがある場合には正しい文字に修正して文字認識の結果に誤りがない状態にしてイメージ処理システム620に返す。
【0090】
イメージ処理システム620ではステップS127で修正済み情報を受け取り、受け取った書類情報を正規の情報として接続システム連携を図る。即ち、業務別の処理が実行される時にいつでも正確な書類情報を提供できる状態として例えば処理が修了するまでサーバ550内に記憶しておく。
【0091】
また、イメージ処理システム620は、サーバ550より受け取ったイメージ情報をステップS119でデータチェックし、良好と判断するとサーバ550にその旨を報知し、サーバ550は送信情報を受領した旨を撮影情報を送ってきた携帯端末に送信する。
【0092】
携帯端末250,350は、撮影情報などを送信した後、この撮影情報の受領通知が送られてくるのを監視しており、ステップS131でこの受領通知を受け取り、送信した情報が事務センター500に受け取られたことを確認するとステップS133に示すように先に撮影した情報を全て自動的に消去する。そして書類情報の送信処理を終了する。本実施の形態例ではこのように携帯端末に撮影情報を記憶しておく期間を必要最小限に抑えることにより、不用意に情報が漏洩することがない様にしている。
【0093】
以上に説明したように本実施の形態例では、携帯電話機などの一般市販携帯端末をそのまま用いて必要な撮影イメージ画像を得ることができ、非常に汎用性の高い処理システムが構築できる。しかも、携帯電話器等の汎用携帯端末から必要な情報が取り込めるため、例えば事故発生時の事故現場から直接現場状況を撮影してダイレクトに事務センターに送ることができ、処理のために専用の場所に赴いて、専用の装置を用いることが不要となり、誰でもが、どこからでも所望の書類情報を送信することが可能となる。
【0094】
本実施の形態例では、処理対象を撮影した段階で文字認識処理などすべての処理を完結しなくてもその後の処理を可能にしているため、単に撮影されている処理対象の撮影品質としてある程度の品質が担保されていれば足りるため、一般需要者が操作保持する携帯端末、例えば携帯電話を用いても、必要な処理が可能となる。
【0095】
以上に説明したように第2の実施の形態例では、各携帯端末がそれぞれ撮影情報を保持して書類イメージ化システム600に送信するのではなく、事務センターのサーバ装置に送信すると直ちに撮影情報を消去し、その後は事務センターのサーバ装置が撮影情報の管理を行うので、個人情報に該当する情報の管理がより簡単かつ確実に行うことが可能となる。
【0096】
更に、事務センターのサーバ装置の性能は、携帯端末と比較して非常に優れたものとでき、撮影情報の補正などの処理もより高度に、かつ迅速に行うことができるため、書類イメージ化システム600の負荷を軽減することができると共に、携帯端末の機能を軽減することも可能となる。
【0097】
上記した計上業務における処理対象書類には、管理書類(送り状、送付リスト、計上管理票、送付書等)、契約申込み書類、移動承認請求書、その他の添付書類(意向確認書、特約書、本人確認書、各種告知書、口座振込申込書、質権設定承認請求書等)がある。
【0098】
また、支払業務における書類としては、請求書、診断書、証明書、公的書類(住民票、印鑑証明書、戸籍謄本)、その他書類(同意書、委任状、本人確認書、理由書、明細書、確認書、領収書等)がある。そのほかには保全業務における書類等がある。