【実施例】
【0020】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、本発明の負圧ポンプ10は、車両に備えられる負圧ブースタ11の負圧室12内を、負圧にする真空ポンプの一種である。
負圧ポンプ10を作動させると、負圧管13、負圧室12内及び変圧室14内が負圧になっている。この状態でブレーキペダル16を踏むと負圧室12と変圧室14とが遮断され、変圧室14に空気が導入され、負圧室12と変圧室14との差圧により、ダイヤフラム17がリターンばね18を圧縮させる側へ変形し、プッシュロッド19を押し出す。結果、小さな踏力で大きな制動力が得られる。負圧ポンプ10は、車両の側のブラケット21にボルト22で固定される。
【0021】
負圧ポンプ10の構造を以下に詳しく述べる。
図2に示されるように、負圧ポンプ10は、吸入ポート24を上部に有するボディ部40と、このボディ部40の一方の側面に複数(この例では2本)のビス26で取付けられ、モータ軸27がインボリュートスプライン軸であるモータ28と、ボディ部40の他方の側面に設けられている複数(この例では4個)の雌ねじ穴31に長いボルト32をねじ込むことで取付けられるポンプ部80と、吸入ポート24にフィルタ部材33を介して接続される接続管60と、ポンプ部80を覆うと共に、ボディ部40の他方の面に設けられている複数(この例では4個)の雌ねじ穴34にビス36をねじ込むことで取付けられるカバー体70とからなる。
【0022】
モータ28の側部に、モータ28へ給電する中間コネクタ37が設けられる。
【0023】
ボディ部40は、モータ28をマウントするため及び車両に接続するための基盤であるため、厚くて剛性に富む、例えば鋳物などの金属製とすることが望まれる。ボディ部40の底面に、車両側のブラケット(
図1、符号21)に取付けられる一対の固定部41が下方に突出して設けられる。ボディ部40の中心部にモータ軸27が挿入される軸穴42が設けられる。
【0024】
ボディ部40のうちポンプ部80が取付けられる側面を、ポンプ取付け側面43と呼ぶことにする。このポンプ取付け側面43に、ポンプ取付け側面43の外周に沿ってOリングなどのシール材44が設けられる。
【0025】
また、ポンプ取付け側面43に、軸穴42の上方から下方にかけて、軸穴42を中心とする半円形の吸気溝46が設けられており、この吸気溝46を囲うようにOリングなどのシール材47がポンプ取付け側面43に設けられる。
【0026】
さらに、ポンプ取付け側面43に複数(実施例では4室)のチャンバー51〜54が設けられる。複数のチャンバー51〜54は、ボディ部40の上下方向中央に配置され、ボディ部40の外周に沿って形成される第1チャンバー51と、この第1チャンバー51と軸穴42との間に配置され、第1チャンバー51に第1連通溝55を介して連通する第2チャンバー52と、軸穴42の下方に配置され、第2チャンバー52に第2連通溝56を介して連通する第3チャンバー53と、この第3チャンバー53の直下にてボディ部40の外周に沿って形成され、チャンバー51〜53とは独立した第4チャンバー54とからなる。
【0027】
接続管60は、ボディ部40の上面に設けられている複数(この例では2個)の雌ねじ穴61にビス62をねじ込むことで締結される締結部63と、この締結部63から上方に突出する基部65と、この基部65からモータ軸27の軸方向67に延びるホース差込部66とを主要素とし、Oリングなどのシール材68を介して吸入ポート24に接続される。
【0028】
カバー体70は、有底円筒であり、ポンプ取付け側面43に対向する底部71と、この底部71からポンプ取付け側面43に向けて延びる筒部72と、この筒部72の端部に鍔状に形成されるフランジ部73とからなる。
【0029】
図3はポンプ部80の分解斜視図であり、ポンプ部80は、非円断面のロータ室81及び複数(この例では4個)のボルト穴82が設けられるケース83と、複数のベーン溝85が放射状に設けられ、中心にインボリュートスプライン穴86が設けられ、非円断面のロータ室81に回転自在に収納されるロータ87と、複数のベーン溝85に各々移動自在に収納されるベーン88と、複数(この例では4個)のボルト穴91及び上下2個の吸気孔92、93を有する吸気プレート94と、複数(この例では4個)のボルト穴96及び上下2個の排気孔97、98を有する排気プレート101と、ボルト穴96、82、91に通される複数(この例では4本)のボルト32とからなる。
【0030】
負圧ポンプの各部の構成を
図4〜
図11に基づいて、さらに詳細に説明する。
図4は、
図3及び
図2に基づいて組立てられた負圧ポンプ10の要部断面図である。
図4に示されるように、軸穴42に転がり軸受102が設けられており、この軸受102にモータ軸27が支持される。モータ軸27の先端部は、ロータ87のインボリュートスプライン穴86に嵌り、先端が排気プレート101の近傍まで達する。
【0031】
カバー体70のフランジ部73はシール材44の全周に接しており、このシール材44によってカバー体70内の気密性が確保される。
一方、シール材47の全周に吸気プレート94の表面が接しており、このシール材47と吸気プレート94で吸気溝46の開口が塞がれ、吸気通路103が形成される。結果、接続管60、吸入ポート24、吸気通路103及び2個の吸気孔(
図3、符号92、93)からなる吸気経路が形成される。
【0032】
一対の固定部41、41の間に排気口130(詳細後述)が設けられる。
第3チャンバー53と排気口130とは、第1排出通路104によって連通される。第1排出通路104は、第3チャンバー53の内壁からモータ28側へ延びる横通路106と、この横通路106の端部から下方に延びて排気口130に開口する縦通路107とからなる。第4チャンバー54と排気口130とは、鉛直方向に延びる第2排出通路108によって連通される。
【0033】
次に、
図5に基づいて吸入ポート24に接続管60を取付ける接続部構造110を説明する。
図5に示されるように、吸入ポート24は、ボディ部40の上面に開口する開口部111と、この開口部111より小さい内径で形成され、開口部111から段差面112を介して下方に延びる吸入通路部113とからなる。
【0034】
フィルタ部材33は、例えば籠型フィルタであり、接続管60側の端部に形成され段差面112に支持される鍔部114と、この鍔部114から下方に延び、円周方向に並ぶ複数の柱部116と、これら複数の柱部116の下端に渡した底部117と、この底部117と柱部116に囲われる空間に挿入され、網部118を有するフィルタ部119とからなる。鍔部114と柱部116と底部117は、一体成形された樹脂品とすることができる。樹脂成形の際に、金型内にフィルタ部119を置き、このフィルタ部119の周囲に溶融樹脂を流し込む、インサート成形法でフィルタ部材33を製造することもできる。
【0035】
接続管60の締結部63に、下方に延びて吸入ポート24に挿入される挿入部121が設けられ、この挿入部121に、下方に延びてフィルタ部材33に進入するフィルタ進入部122が設けられる。
【0036】
フィルタ進入部122は挿入部121よりも小さな外径で形成されており、挿入部121とフィルタ進入部122との接続部位(段差面)に抑え面123が設けられる。この抑え面123は鍔部114を上から抑える役割を果たす。
【0037】
シール材68は、締結部63、挿入部121、開口部111及び鍔部114で囲われた空間に配置され、これら締結部63、挿入部121、開口部111及び鍔部114に接する。
すなわち、シール材68は、接続管60と吸入ポート24とフィルタ部材33とに接しており、接続管60と吸入ポート24との間をシールし且つフィルタ部材33と吸入ポート24との間をシールする。
【0038】
次に、複数のチャンバーの構成を
図6及び
図7に基づいて詳しく説明する。
図6に示されるように、チャンバー51〜54、連通溝55、56は、各々、ポンプ部(
図2、符号80)側に開口する。
【0039】
第1チャンバー51は、モータ軸27を中心とする円弧状に形成され且つ幅W1で帯状に形成される。第4チャンバー54は、左右に延びる直線とモータ軸27を中心とした円弧とで囲われるような外形を有する。図において、第4チャンバー54の中央で最大となる幅(上下方向)をW2で示し、左右方向の全長をL1で示す。
【0040】
図7は、
図6の構造にポンプ部80及びカバー体70を取付けた形態を示す図である。
図7に示されるように、第2・第3チャンバー(
図6、符号52、53)、第1・第2連通溝(
図6、符号55、56)の各々の開口は、吸気プレート94で全体が塞がれる。
【0041】
一方、ボディ部40の外周に沿って形成される第1チャンバー51及び第4チャンバー54は、開口の一部が、カバー体70及び吸気プレート94で塞がれる。
【0042】
カバー体70の筒部72のうち、第1チャンバー51に対峙する部位が、モータ軸27に向かって突出するように窪んでおり、この窪んだ部位124で、第1チャンバー51の開口うち筒部72側を塞ぐ。また、第1チャンバー51の開口のうちモータ軸27側を吸気プレート94で塞ぐ。
【0043】
この結果、第1チャンバー51は、幅W1より格段に小さい幅W3の隙間によって、カバー体70内と連通する。この幅W3の狭い隙間が排気通路126となる。排気孔97、98からの排気は、カバー体70内から排気通路126で絞られて第1チャンバー51に流れる。
【0044】
また、カバー体70の筒部72のうち、第4チャンバー54に対峙する部位が、モータ軸27に向かって突出するように窪んでおり、この窪んだ部位125で、第4チャンバー54の開口下部を塞ぐ。また、第4チャンバー54の開口上部を吸気プレート94で塞ぐ。
【0045】
この結果、第4チャンバー54は、幅W2より格段に小さい幅W4の隙間と、長さL1より格段に小さい長さL2の左右の隙間によって、カバー体70内と連通する。幅W4の狭い隙間が排気通路127となり、長さL2の左右の狭い隙間が排気通路128、128となる。排気孔97、98からの排気は、カバー体70内から排気通路127及び排気通路128、128で絞られて第4チャンバー54に流れる。
【0046】
次に、排気口の構成について、
図8〜
図11に基づいて説明する。
図8は負圧ポンプ10の底面図であり、ボディ部40の固定部41、41にボルト(
図1、符号22)がねじ込まれる雌ねじ穴23、23が設けられる。排気口130は、固定部41、41の間(雌ねじ穴23、23の間)に設けられ、負圧ポンプ10における最も低い箇所に位置する。排気口130は、排気穴131に外から栓部材132を嵌め、排気穴131の内周面と栓部材132の外周面との間に複数の排気通路133を形成してなる。
【0047】
図9に示されるように、排気穴131は、断面が円形であり、直径に比べて深さが小さい穴である。排気穴131の天井面134に長円形の凹部136が形成される。また、この凹部136から排気穴131の内周面にかけて、複数(この例では4本)の横溝137が放射状に延びる。さらに、凹部136には第1排出通路104及び第2排出通路108が開口する。なお、第1排出通路104の内径は第2排出通路108の内径よりも大きく設定される。
【0048】
排気穴131の内周面に、複数の横溝137と連通するように、排気穴131の軸方向138に沿って複数の縦溝139が形成される。実施例では、横溝137の断面は矩形であり、縦溝139の断面は半円形であるが、横溝137及び縦溝139の各々の形状や本数は、負圧ポンプに要求される排気性能に応じて任意に決定することができる。
【0049】
栓部材132は、円板部141と、この円板部141の外周に形成される周壁部142とからなり、例えば鋼板をプレス加工することで成形できる。栓部材132の外径は排気穴131の内径より僅かに大きく設定され、栓部材132は、排気穴131に圧入されることで、ボディ部40に組付けられる。
【0050】
図10に示されるように、栓部材132は、天井面134に接するまで排気穴131に挿入され、排気穴131を塞ぐ。結果、円板部141が凹部(
図9、符号136)及び複数の横溝(
図9、符号137)を塞ぎ、複雑な形状の空間部143が形成される。
【0051】
また、
図11に示されるように、周壁部142が複数の縦溝139の開口を塞ぐことで、栓部材132の外周に、周方向に並ぶ複数の排気通路133が形成される。これら複数の排気通路133は、空間部143と外部とを連通する。
【0052】
なお、カバー体(
図7、符号70)内に水が万一存在しても、最も低い位置にある排気通路(
図7、127、128)と第4チャンバー(
図7、符号54)により、水を排気口130に導き、容易に抜くことができる。
【0053】
以上に述べた負圧ポンプの作用を次に述べる。
図12に示されるように、モータ(
図2、符号28)が作動すると、ポンプ部80の吸引作用により、外気が接続管60内に吸入される。この吸気は、接続部構造110及びフィルタ部材33を通過して吸入ポート24に吸入される(矢印(1))。
【0054】
吸入ポート24に入った吸気は、吸気孔92からポンプ部80に入り、加圧されて排気孔97から排出される(矢印(2))、又は、吸気通路103を通って吸気孔93からポンプ部80に入り、加圧されて排気孔98から排出される(矢印(3))。上下の排気孔97、98から排出された排気は、カバー体70内に流入する。
【0055】
図13に示されるように、カバー体70内において、排気は2つの排気経路のうち、いずれかの経路で排気口130へ導かれる。一方の経路では、排気はポンプ部80の側部とカバー体70との間の隙間を流れた後、排気通路(
図7、符号126)を介して第1チャンバー51に流入する(矢印(4)、(5))。第1チャンバー51に流入した排気は第1連通溝55を介して第2チャンバー52に移る(矢印(6))。第2チャンバー52に流入した排気は第2連通溝56を介して第3チャンバー53に移る(矢印(7))。第3チャンバー53に流入した排気は、第1排出通路104を通って栓部材132に達すると、栓部材132を回避するように、空間部143を抜け、排気通路133から大気中に放出される(矢印(8))。
【0056】
他方の排気経路では、排気はポンプ部80の下面とカバー体70との間の隙間を流れ(矢印(9))、排気通路127又は排気通路128を介して第4チャンバー54に流入する(矢印(10))。第4チャンバー54に流入した排気は、第2排出通路108を通って栓部材132に達すると、栓部材132を回避するように空間部143を抜け、排気通路133から大気中に放出される(矢印(11))。
【0057】
以上のように作用する負圧ポンプによれば、次に述べる効果が得られる。
図5に示されるように、接続部構造110では、1個のシール材68によって、挿入部121と吸入ポート24との間をシールし且つフィルタ部材33と吸入ポート24との間をシールする。
【0058】
結果、矢印(12)のように接続管60とボディ部40との間の隙間144に外気が流入しても、シール材68によって、外気が吸入ポート24内に入る心配はない。さらに、矢印(13)のようにフィルタ部材33と接続管60との隙間146に吸気が流入しても、シール材68によって、吸気がフィルタ部材33と吸入ポート24の間の隙間147に回り込む心配もない。したがって、シール材が1個で済み、シール材の個数を削減することができる。
【0059】
また、抑え面123で鍔部114を抑えることにより、フィルタ部材33の軸方向の移動を規制し、フィルタ部材33の位置決めを行うことができると共に、負圧発生時のフィルタ部材33の振動を抑制することができる。すなわち、接続管60がフィルタ部材33の移動を規制するストッパの役割を兼ねる。結果、ストッパが不要になる分、吸入ポート24の省スペース化を図ることができる。
【0060】
更に、膨張室に相当するチャンバー(
図6、符号51〜54)が複数室あるため、膨張室の総容積を増大させることができる。結果、排気音の一層の低減が可能となる。
【0061】
加えて、
図14に示されるように、排気を第1チャンバー51で膨張させ、この膨張した排気を第1連通溝55で絞った後、第2チャンバー52で膨張させる。この膨張した排気を第2連通溝56で再び絞り、第3チャンバー53で膨張させる。このように排気を段階的に膨張させることができるので、排気音を一層低減することができる。
【0062】
また、第1チャンバー51及び第4チャンバー(
図7、符号54)は、ボディ部40にカバー体(
図7、符号70)を重ねることで形成される。ボディ部40には凹部を形成するだけでよいため、チャンバーは容易に形成される。
【0063】
チャンバーの開口の一部を塞ぐ手段として、プレートなどの専用部品を新規に調達することが考えられるが、専用部品を調達すると、部品点数が増えて製品コストが高くなる。
この点、本実施例では、カバー体の窪んだ部位(
図7、符号124、125)で、第1チャンバー51及び第4チャンバー(
図7、符号54)の各々の開口の一部を塞ぐようにしたので、専用部品は不要である。結果、製品コストを抑えることができる。
【0064】
また、吸気プレート(
図7、符号94)で、複数のチャンバー及び複数の連通溝を覆うようにしたので、専用部品が不要になる。すなわち、チャンバーや連通溝を覆う部品として吸気プレートを兼用することで、部品点数の増加を抑えることができる。
【0065】
また、排気がポンプ部(
図7、符号80)とカバー体(
図7、符号70)との間の隙間を流れ、排気通路(
図7、符号126〜128)へ向かうので、排気孔から排気通路に排気を導くための専用の通路をポンプ部などに加工する必要がない。結果、部品の加工コストを抑えることができる。
【0066】
また、
図11に示されるように、排気口130における排気経路は、第1排出通路104、第2排出通路108、複雑な形状の空間部143及び複数の排気通路133からなる迷路である。この複雑な迷路によって、矢印(14)のように排気通路133の出口から水が万一侵入しても、水が栓部材132よりも上流側(ポンプ側)に逆流することを防止することができる。したがって、モータ停止時(負圧ポンプ停止時)であっても、排気口130からポンプ部(
図4、符号80)への水の侵入を防止できる。結果、負圧ポンプの機能及び耐久性を維持することができる。
【0067】
また、排気穴131や栓部材132に加工を施すことは容易であるため、簡単に所望の排気通路133を形成することができる。すなわち、低コストで所望の構造の排気口130を容易に製造することができる。
【0068】
また、排気穴131を鋳造で形成する際に、同時に縦溝139を成形することができる。結果、縦溝139の加工コストを抑えることができる。一方、縦溝の無い栓部材132の外周面は平坦でよいので、栓部材132の加工コストも抑えることができる。
【0069】
次に、実施例の変更例を図面に基づいて説明する。
図15は
図9の変更例を示す図である。
図9との相違点は、栓部材の外周面に縦溝を形成したことにある。その他は
図9と同じであるため、
図9の符号を流用して詳細な説明を省略する。
【0070】
図15に示されるように、排気口130Bでは、栓部材132Bの周壁142に、周壁142の外周面から円板部141の中心に向けて凹ませた複数の縦溝139Bを設け、これら複数の縦溝139Bと排気穴131Bの外周面とによって、排気穴131Bの軸方向138に沿う排気通路を形成する。栓部材132Bは、例えば鋼板をプレス加工することで成形でき、排気穴131Bに圧入されることで、ボディ部40に組付けられる。天井面134には、円板部141に接して円板部141と天井面134との間に空間部を形成する複数の凸部148が設けられる。
【0071】
栓部材132B側に縦溝139Bを設けることで、排気穴131Bの内周面を平坦することができ、排気穴131Bの形状は簡単になる。排気穴131Bを鋳造形成する鋳型が単純化でき、鋳造コストを抑えることができる。
【0072】
また、負圧ポンプの仕様に応じて、縦溝139Bの本数を増減することや縦溝139Bの形状を変更する場合があるが、栓部材132Bの変更だけで縦溝139Bの本数変更や形状変更に対応させることができる。
【0073】
尚、本実施例では、排気穴又は栓部材に複数本の溝を設けたが、溝の本数は1本でも良い。また、溝は排気穴と栓部材の両方に設けても良い。
【0074】
また、本実施例では、負圧ポンプとしてベーンポンプを説明したが、負圧ポンプはベーンポンプに限られるものではない。
さらには、本発明の負圧ポンプは、車両に備えられる負圧ブースタの負圧室内を、負圧にするための車両用の負圧ポンプに好適であるが、用途を格別に限定するものではなく、一般機械用、汎用機械用、一般設備用に適用することは差し支えない。