(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記視点間予測は、所与のビューに関して前記多視点映像コンテンツの前記参照ビューからの少なくとも1つのピクチャの少なくとも1部に関連する特性から前記多視点映像コンテンツの前記所与のビューの符号化及び復号に関連する情報を推定すること、及び前記少なくとも1つのピクチャの少なくとも1部に関連する符号化情報を復号することを含む、
請求項1記載の装置。
前記視点間予測は、所与のビューに関して前記多視点映像コンテンツの前記参照ビューからの少なくとも1つのピクチャの少なくとも1部に関連する特性から前記多視点映像コンテンツの前記所与のビューの符号化及び復号に関連する情報を推定すること、及び前記少なくとも1つのピクチャの少なくとも1部に関連する符号化情報を復号することを含む、
請求項3記載の方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、多視点符号化映像のシングルループの復号化を支援するエンコーダ及びデコーダでの方法及び装置に向けられる。
【0017】
本実施の形態の記載は、本発明を例示するものである。したがって、当業者であれば、本実施の形態において明示的に記載又は図示されていないが、本発明を実施し、且つ本発明の精神及び範囲に含まれる様々なアレンジメントを創作することができることを理解されたい。
【0018】
本実施の形態で引用される全ての例及び条件付き言語は、本発明の原理及び当該技術分野を促進するために本発明者により寄与される概念の理解において読者を支援する教育的な目的が意図されており、係る引用される例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。
【0019】
さらに、本発明の原理、態様及び実施の形態を引用する全ての説明は、その特定の例と同様に、本発明の構造的に等価な概念と機能的な等価な概念の両者を包含することが意図される。さらに、係る等価な概念は、現在公知の等価な概念と同様に、将来的に開発される等価な概念、すなわち構造に係らず、同じ機能を実行する開発されたエレメントの両者を含むことが意図される。
【0020】
したがって、たとえば、本実施の形態で表されるブロック図は、本発明の原理を実施する例示的な回路の概念図を表すことを当業者により理解されるであろう。同様に、任意のフローチャート、フローダイアグラム、状態遷移図、擬似コード等は、コンピュータ読取可能なメディアで実質的に表される様々なプロセスであって、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されるか否かに係らず、コンピュータ又はプロセッサにより実行される様々なプロセスを表すことが理解されるべきである。
【0021】
図示される様々なエレメントの機能は、適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行可能なハードウェアと同様に、専用ハードウェアの使用を通して提供される場合がある。プロセッサにより提供されたとき、機能は、1つの専用プロセッサにより、1つの共有プロセッサにより、又はそのうちの幾つかが共有される複数の個々のプロセッサにより提供される場合がある。さらに、用語「プロセッサ」又は「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に示すように解釈されるべきではなく、限定されるものではないが、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び不揮発性ストレージを暗黙的に含む。
【0022】
コンベンショナル及び/又はカスタムである他のハードウェアも含まれる場合がある。同様に、図示される任意のスイッチは、概念的なものである。その機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックのインタラクションを通して、又は更には手動で実行される場合があり、特定の技術は、文脈から更に詳細に理解されるように実現者により選択可能である。
【0023】
本発明の特許請求の範囲では、ある特定の機能を実行する手段として表現されるエレメントは、たとえば、a)その機能を実行する回路エレメントの組み合わせ、又はb)その機能を実行するソフトウェアを実行する適切な回路と結合される、ファームウェア、マイクロコード等を含む任意の形式のソフトウェアを含む、その機能を実行する任意のやり方を包含することが意図される。係る請求項により定義される発明は、様々な引用される手段により提供される機能は結合され、請求項が要求するやり方で纏められるという事実にある。したがって、それらの機能を提供する任意の手段は、本実施の形態に示される機能に等価であるものとみなされる。
【0024】
本発明の「1実施の形態」又は「実施の形態」への明細書における参照は、実施の形態と共に記載される特定の特徴、構造、特性等は、本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味する。したがって、明細書を通して様々な位置に現れるフレーズ「1実施の形態では」又は「実施の形態では」の出現は、必ずしも同じ実施の形態を全て参照するものではない。さらに、フレーズ「別の実施の形態では」は、記載される実施の形態の対象が別の実施の形態と全体的に又は部分的に結合されることから排除しない。
【0025】
たとえば、「A及び/又はB」及び「A及びBの少なくとも1つ」の場合における用語「及び/又は」及び「少なくとも1つ」の使用は、最初に列挙されたオプション(A)のみの選択、又は第二の列挙されたオプション(B)のみの選択、又は両方のオプションA及びBの選択を包含することが意図される。更なる例として、「A,B及び/又はC」及び「A,B及びCの少なくとも1つ」の場合では、係るフレーズは、最初に列挙されたオプション(A)のみの選択、第二に列挙されたオプション(B)のみの選択、又は、第三の列挙されたオプション(C)のみの選択、或いは、第一及び第二の列挙されたオプション(A及びB)の選択、或いは、第一及び第三の列挙されたオプション(A及びC)のみの選択、或いは、第二及び第三の列挙されたオプション(B及びC)のみの選択、或いは、全ての3つのオプション(A及びB及びC)の選択を包含する。これは、当業者により容易に明らかであるように、列挙される多数のアイテムについて拡張される場合がある。
【0026】
本実施の形態で使用されるように、「多視点映像系列(Multi-view video sequence)」は、異なる視点から同じシーンを捕捉する2以上の映像系列のセットを示す。
【0027】
さらに、本実施の形態において交換可能に使用されるように、「クロスビュー(cross view)」及び「インタービュー(inter-view)」の両者は、現在のビュー以外のビューに属するピクチャを示す。
【0028】
さらに、本実施の形態で使用されるように、フレーズ「完全な再構成がない(without complete reconstruction)」とは、符号化又は復号化ループにおいて動き補償が実行されない場合を示す。
【0029】
さらに、本発明はMPEG-4 AVC標準の多視点映像符号化の拡張に関して本実施の形態で記載されるが、本発明はこの標準及び対応する拡張にのみ限定されるものではなく、本発明の精神を維持しつつ、多視点映像符号化に関連する他のビデオ符号化標準、勧告、及びその拡張に関して利用される場合がある。
【0030】
図1を参照して、例示的な多視点映像符号化(MVC)エンコーダは、参照符号100により示される。エンコーダ100は、変換器110の入力と信号通信で接続される出力を有する結合手段105を有する。変換器100の出力は、量子化器115の入力と信号通信で接続される。量子化器115の出力は、エントロピーコーダ120の入力及び逆量子化器125の入力と信号通信で接続される。逆量子化器125の出力は、逆変換器130の入力と信号通信で接続される。逆変換器130の出力は、結合器135の第一の非反転入力と信号通信で接続される。結合器135の出力は、イントラ予測器145の入力とデブロッキングフィルタ150の入力と信号通信で接続される。デブロッキングフィルタ150の出力は、(ビューi用の)参照画像ストア155の入力と信号通信で接続される。参照画像ストア155の出力は、動き補償器175の第一の入力と動き予測器180の第一の入力と信号通信で接続される。動き予測器180の出力は、動き補償器175の第二の入力と信号通信で接続される。
【0031】
(他のビュー用の)参照画像ストア160の出力は、ディスパリティ/イルミネーション予測器170の第一の入力とディスパリティ/イルミネーション補償器165の第一の入力と信号通信で接続される。ディスパリティ/イルミネーション予測器170の出力は、ディスパリティ/イルミネーション補償器165の第二の入力と信号通信で接続される。
【0032】
エントロピーデコーダ120の出力は、エンコーダ100の出力として利用可能である。結合器105の非反転入力は、エンコーダ100の入力として利用可能であり、ディスパリティ/イルミネーション予測器170の第二の入力と動き予測器180の第二の入力と信号通信で接続される。スイッチ185の出力は、結合器135の第二の非反転入力と結合器105の反転入力と信号通信で接続される。スイッチ185は、動き補償器175の出力と信号通信で接続される第一の入力、ディスパリティ/イルミネーション補償器165の出力と信号通信で接続される第二の入力、及びイントラ予測器145の出力と信号通信で接続される第三の入力を含む。
【0033】
モード判定モジュール140は、どの入力がスイッチ185により選択されるかを制御するスイッチ185に接続される出力を有する。
【0034】
図2を参照して、例示的な多視点映像符号化(MVC)デコーダは、参照符号200により示される。デコーダ200は、逆量子化器210の入力と信号通信で接続される出力を有するエントロピーデコーダ205を含む。逆量子化器の出力は、逆変換器215の入力と信号通信で接続される。逆変換器215の出力は、結合器220の第一の非反転入力と信号通信で接続される。結合器220の出力は、デブロッキングフィルタ225の入力及びイントラ予測器230の入力と信号通信で接続される。デブロッキングフィルタ225の出力は、(ビューi用の)参照画像ストア240の入力と信号通信で接続される。参照画像ストア240の出力は、動き補償器235の第一の入力と信号通信で接続される。
【0035】
(他のビュー用の)参照画像ストア245の出力は、ディスパリティ/イルミネーション補償器250の第一の入力と信号通信で接続される。
【0036】
エントロピーコーダ205の入力は、残差のビットストリームを受信するため、デコーダ200の入力として利用可能である。さらに、モードモジュール260の入力は、どの入力がスイッチ255により選択されるかを制御する制御シンタックスを受信するため、デコーダ200の入力として利用可能である。さらに、動き補償器235の第二の入力は、動きベクトルを受信するため、デコーダ200の入力として利用可能である。また、ディスパリティ/イルミネーション補償器250の第二の入力は、ディスパリティベクトル及びイルミネーション補償シンタックスを受信するため、デコーダ200への入力として利用可能である。
【0037】
スイッチ255の出力は、結合手段220の第二の非反転入力と信号通信で接続される。スイッチ255の第一の入力は、ディスパリティ/イルミネーション補償器250の出力と信号通信で接続される。スイッチ255の第二の入力は、動き補償器235の出力と信号通信で接続される。スイッチ255の第三の入力は、イントラ予測器230の出力と信号通信で接続される。モードモジュール260の出力は、どの入力がスイッチ255により選択されるかを制御するため、スイッチ255と信号通信で接続される。デブロッキングフィルタ225の出力は、デコーダの出力として利用可能である。
【0038】
上述されたように、本発明は、多視点符号化映像のシングルループの復号化をサポートするエンコーダ及びデコーダでの方法及び装置に向けられる。
【0039】
本発明は、多視点映像コンテンツのうちの所定のビューのみが復号化される場合に特に適する。係る応用は、参照ビュー(すなわち画素データ)を完全に再構成することを含まない。実施の形態では、それらのビューからの所定のエレメントは、他のビューについて推定及び使用され、したがって金と時間が節約される。
【0040】
現在の多視点映像符号化の仕様は、全てのビューが完全に再構成されることを要求する。次いで、再構成されたビューは、ビュー間の参照として使用される。
図3を参照して、8つのビューをもつ例示的なMVCシステムの符号化構造は、参照符号300により示される。
【0041】
再構成されたビューがビュー間の参照として使用された事実の結果として、それぞれのビューは、たとえそれぞれのビューが出力されない場合があるとしても、完全に復号化され、メモリ記憶される必要がある。これは、係る出力されないビューを復号化するプロセッサの時間を費やし、係る出力されたビューの復号化画像を記憶するメモリを費やす必要があるので、メモリ及びプロセッサの利用の観点で非常に効率的ではない。
【0042】
したがって、本発明によれば、多視点符号化系列のシングルループの復号化をサポートする方法及び装置を提案する。上述されたように、本実施の形態で提供される例はMPEG-4AVC標準の多視点映像符号化の拡張に関して記載されるが、本実施の形態で提供される本発明の教示が与えられると、本発明の精神を維持しつつ、当業者により任意の多視点映像符号化システムに本発明が容易に適用される場合があることを理解されるであろう。
【0043】
シングルループの復号化の1実施の形態では、アンカーピクチャのみがリファレンスととして完全に再構成されたピクチャを使用し、ノン・アンカーピクチャは、リファレンスとして完全に再構成されたピクチャを使用しない。ノン・アンカーピクチャの符号化効率を改善するため、ビュー間予測によって、隣接するビューを完全に再構成する必要なしに、隣接するビューから所定のデータが推定されるように、ビュー間予測が使用されることが提案される。隣接する参照ビューは、表1に示されるシーケンスパラメータセットにより示される。表1は、本発明の実施の形態に係る、MPEG-4 AVC標準の多視点映像符号化の拡張のシーケンスパラメータセット(SPS: Sequence Parameter Set)シンタックスを示す。
【0044】
【表1】
完全な再構成なしに隣接する参照ビューから推定することができる情報は、以下の1以上の組み合わせである。(1)動き及びモード情報、(2)残差予測、(3)イントラ予測モード、(4)イルミネーション補償オフセット、(5)深度情報、及び(6)デブロッキング強度。先行するタイプの情報は例示的なものであって、本発明は、完全な再構成なしに隣接するビューから推定することができる情報に関して先行するタイプの情報のみに限定されない。たとえば、ピクチャ又はピクチャ部分の符号化及び/又は復号化に関連する任意のタイプの情報を含めて、隣接するビューからピクチャの少なくとも1部の特性に関連する任意のタイプの情報は、本発明の精神を維持しつつ、本発明に従って使用される場合があることを理解されたい。さらに、係る情報は、本発明の精神を維持しつつ、シンタックス及び/又は他のソースから推定される場合がある。
【0045】
動き及びモード情報に関して、これは、動きベクトル、モード及び参照インデックス情報が隣接するビューから推定することができる現在の多視点映像符号化の仕様におけるモーションスキップモードに類似する。さらに、推定される動き情報は、更なるデータを送出することでリファインすることができる。さらに、ディスパリティ情報も推定される。
【0046】
残差予測に関して、隣接するビューからの残差データは、現在のマクロブロックの残差の予測データとして使用される。この残差データは、現在のマクロブロックについて更なるデータを送出することで更にリファインされる。
【0047】
イントラ予測モードに関して、係るモードを推定することもできる。再構成されたイントラマクロブロックの何れかは、予測データとして直接に使用することができるか、又は、イントラ予測モードは、現在のマクロブロックについて直接に使用することができる。
【0048】
イルミネーション補償オフセットに関して、イルミネーション補償オフセット値を推定することができ、更にリファインすることができる。
深さ情報に関して、深さ情報を推定することができる。
【0049】
多視点映像符号化系列がシングルループの復号化をサポートするかを判定するため、ハイレベルのシンタックスは、以下の1以上で存在することができる。シーケンスパラメータセット(SPS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、ネットワーク抽象レイヤ(NAL)ユニットヘッダ、スライスヘッダ、及び補足的な付加情報(SEI)メッセージ。シングルループの多視点映像復号化は、プロファイルとして規定することもできる。
【0050】
表2は、本実施の形態に係る、non_anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントを含む、MPEG-4 AVC標準の多視点映像符号化の拡張について提案されるシーケンスパラメータセット(SPS)のシンタックスを示す。non_anchor_single_loop_decoding_flagは、ノン・アンカーピクチャの参照を示すループに加えられる付加的なシンタックスエレメントである。non_anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントは、ビュー“i”のノン・アンカーピクチャの参照がビュー“i”を復号化するために完全に復号化されるべきか否かを示すために加えられる。non_anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントは、以下のシンタックスを有する。
【0051】
1に等しいnon_anchor_single_loop_decoding_flag[i]は、view_id[i]に等しいビューidをもつビューのノン・アンカーピクチャの参照ビューは、そのビューを復号化するために完全に再構成される必要がないことを示す。0に等しいnon_anchor_single_loop_decoding_flag[i]は、view_id[i]に等しいビューidをもつビューのノン・アンカーピクチャの参照ビューは、そのビューを復号化するために完全に再構成されるべきであることを示す。
【0052】
【表2】
表3は、別の実施の形態に係る、non_anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントを含む、MPEG-4 AVC標準の多視点映像符号化の拡張について提案されるシーケンスパラメータセット(SPS)のシンタックスを示す。non_anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントは、全体のシーケンスについて、全てのノン・アンカーピクチャは、参照ビューを完全に再構成することなしに復号化することができることを示すために使用される。non_anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントは、以下のセマンティクスを有する。
【0053】
1に等しいnon_anchor_single_loop_decoding_flagは、全てのビューの全てのノン・アンカーピクチャは、対応する参照ビューのピクチャを完全に再構成することなしに復号化することができることを示す。
【0054】
【表3】
シングルループの復号化の別の実施の形態では、アンカーピクチャは、シングルループの復号化に関してイネーブルにされる。表4は、別の実施の形態に係る、anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントを含む、MPEG-4 AVC標準の多視点映像符号化の拡張について提案されるシーケンスパラメータセット(SPS)のシンタックスを示す。anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントは、シーケンスパラメータセットにおけるアンカーピクチャ依存ループに存在することができる。anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントは、以下のセマンティクスを有する。
【0055】
1に等しいanchor_single_loop_decoding_flag[i]は、view_id[i]に等しいビューidをもつビューのアンカーピクチャの参照ビューは、そのビューを復号化するために完全に再構成される必要がないことを示す。0に等しいanchor_single_loop_decoding_flag[i]は、view_id[i]に等しいビューidをもつビューのアンカーピクチャの参照ビューは、そのビューを復号化するために完全に再構成されるべきであることを示す。
【0056】
【表4】
表5は、別の実施の形態に係る、anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントを含む、MPEG-4 AVC標準の多視点映像符号化の拡張について提案されるシーケンスパラメータセット(SPS)のシンタックスを示す。anchor_single_loop_decoding_flagシンタックスエレメントは、以下のセマンティクスを有する。
【0057】
1に等しいanchor_single_loop_decoding_flagは、全てのビューの全てのアンカーピクチャは、対応する参照ビューのピクチャを完全に再構成することなしに復号化することができることを示す。
【0058】
【表5】
図4を参照して、シングルループの復号化のサポートにおける多視点映像コンテンツを符号化する例示的な方法は、参照符号400により示される。
【0059】
本方法400は、開始ブロック405を含み、この開始ブロックは、機能ブロック410に制御を移す。機能ブロック410は、エンコーダのコンフィギュレーションファイルを分析し、制御を判定ブロック415に移す。判定ブロック415は、変数iが符号化されるべきビューの数未満であるか否かを判定する。変数iが符号化されるべきビューの数未満である場合、制御を判定ブロック420に移す。さもなければ、制御を終了ブロック499に移す。
【0060】
判定ブロック420は、シングルループの符号化がビューiのアンカーピクチャについてイネーブルにされるか否かを判定する。シングルループの符号化がビューiのアンカーピクチャについてイネーブルにされる場合、制御を機能ブロック425に移す。さもなければ、制御を機能ブロック460に移す。
【0061】
機能ブロック425は、anchor_single_loop_decoding_flag[i]を1に等しく設定し、制御を判定ブロック430に移す。判定ブロック430は、シングルループの符号化がビューiのノン・アンカーピクチャについてイネーブルにされるか否かを判定する。シングルループの符号化がビューiのノン・アンカーピクチャについてイネーブルにされる場合、制御を機能ブロック435に移す。さもなければ、制御を機能ブロック465に移す。
【0062】
機能ブロック435は、non_anchor_single_loop_decoding_flag[i]を1に等しく設定し、制御を機能ブロック440に移す。
【0063】
機能ブロック440は、anchor_single_loop_decoding_flag[i]及びnon_anchor_single_loop_decoding_flag[i]をビューiのシーケンスパラメータセット(SPS)及びピクチャパラメータセット(PPS)、ネットワーク抽象レイヤ(NAL)ユニットヘッダ及び/又はスライスヘッダに書き込み、制御を機能ブロック445に移す。機能ブロック445は、インター予測が含まれないとき、あるビューのマクロブロックを符号化する間、SPSからのビュー間の依存を考慮し、制御を機能ブロック450に移す。機能ブロック450は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、及びシングルループの符号化の深度情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック455に移す。機能ブロック455は、1だけ変数iをインクリメントし、制御を判定ブロック415にリターンする。
【0064】
機能ブロック460は、anchor_single_loop_decoding_flag[i]をゼロに設定し、制御を判定ブロック430に移す。
【0065】
機能ブロック465は、non_anchor_single_loop_decoding_flag[i]をゼロに等しく設定し、制御を機能ブロック440に移す。
【0066】
図5を参照して、多視点映像コンテンツのシングルループの復号化の例示的な方法は、参照符号500により示される。
【0067】
本方法500は、開始ブロック505を含み、この開始ブロックは、制御を機能ブロック510に移す。機能ブロック510は、anchor_single_loop_decoding_flag[i]及びnon_anchor_single_loop_decoding_flag[i]をビューiのシーケンスパラメータセット(SPS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、ネットワーク抽象レイヤ(NAL)ユニットヘッダ、又はスライスヘッダから読取り、制御を判定ブロック515に移す。判定ブロック515は、変数iが復号化されるべきビュー数未満であるか否かを判定する。変数iが復号化されるべきビュー数未満である場合、制御を判定ブロック520に移す。さもなければ、制御を終了ブロック599に移す。
【0068】
判定ブロック520は、現在のピクチャがアンカーピクチャであるか否かを判定する。現在のピクチャがアンカーピクチャである場合、制御を判定ブロック525に移す。さもなければ、制御を判定ブロック575に移す。
【0069】
判定ブロック525は、anchor_single_loop_decoding_flag[i]が1に等しいか否かを判定する。anchor_single_loop_decoding_flag[i]が1に等しい場合、制御を機能ブロック530に移す。さもなければ、制御を機能ブロック540に移す。
【0070】
機能ブロック530は、インター予測が含まれないとき、ビューiのマクロブロックを復号化するとき、シーケンスパラメータセット(SPS)からのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック535に移す。機能ブロック535は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、モーションスキップマクロブロックの深さ情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック570に移す。
【0071】
機能ブロック570は、1だけ変数iをインクリメントし、制御を判定ブロック515に移す。
【0072】
判定ブロック540は、インター予測が含まれるとき、ビューiのマクロブロックを復号化する間、シーケンスパラメータセット(SPS)からビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック545に移す。機能ブロック545は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、及び深さ情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック570に移す。
【0073】
判定ブロック575は、anchor_single_loop_decoding_flag[i]が1に等しいか否かを判定する。anchor_single_loop_decoding_flag[i]が1に等しい場合、制御を機能ブロック550に移す。さもなければ、制御を機能ブロック560に移す。
【0074】
機能ブロック550は、ビュー間予測が含まれないとき、ビューiのマクロブロックを復号化する間、シーケンスパラメータセット(SPS)からのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック555に移す。機能ブロック555は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、及びモーションスキップマクロブロックの深度情報の組み合わせを推定する。
【0075】
機能ブロック560は、インター予測が含まれるとき、ビューiのマクロブロックを復号化する間、シーケンスパラメータセット(SPS)からのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック565に移す。機能ブロック565は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、及び深さデータの組み合わせを推定し、制御を機能ブロック570に移す。
【0076】
図6を参照して、シングルループの復号化のサポートにおける多視点映像コンテンツを符号化する別の例示的な方法は、参照符号600により示される。
【0077】
本方法600は、開始ブロック605を含み、この開始ブロックは、制御を機能ブロック610に移す。機能ブロック610は、エンコーダのコンフィギュレーションファイルを分析し、制御を判定ブロック615に移す。判定ブロック615は、それぞれのビューについて全てのアンカーピクチャについてシングルループの符号化がイネーブルにされるか否かを判定する。シングルループの符号化がイネーブルにされる場合、制御を機能ブロック620に移す。さもなければ、制御を機能ブロック665に移す。
【0078】
機能ブロック620は、anchor_single_loop_decoding_flagを1に等しく設定し、制御を判定ブロック625に移す。判定ブロック625は、それぞれの全てのノン・アンカーピクチャについてシングルループの符号化がイネーブルにされるか否かを判定する。シングルループの符号化がイネーブルにされる場合、制御を機能ブロック630に移す。さもなければ、制御を機能ブロック660に移す。
【0079】
機能ブロック630は、non_anchor_single_loop_decoding_flagを1に等しく設定し、制御を機能ブロック635に移す。機能ブロック635は、anchor_single_loop_decoding_flagを、シーケンスパラメータセット(SPS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、ネットワーク抽象レイヤ(NAL)ユニットヘッダ及び/又はスライスヘッダに書込み、制御を判定ブロック640に移す。判定ブロック640は、変数iが符号化されるべきビューの数未満であるか否かを判定する。変数iが符号化されるべきビューの数未満である場合、制御を機能ブロック645に移す。さもなければ、制御を終了ブロック699に移す。
【0080】
機能ブロック645は、ビュー間予測が含まれないとき、あるビューのマクロブロックを符号化する間、SPSからのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック650に移す。機能ブロック650は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、シングルループ符号化の深さ情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック655に移す。機能ブロック655は、変数iを1だけインクリメントし、制御を判定ブロック640に移す。
【0081】
機能ブロック665は、anchor_single_loop_decoding_flagをゼロに等しく設定し、制御を判定ブロック625に移す。
【0082】
機能ブロック660は、non_anchor_single_loop_decoding_flagをゼロに等しく設定し、制御を機能ブロック635に移す。
【0083】
図7を参照して、多視点映像コンテンツのシングルループの復号化の別の例示的な方法は、参照符号700により示される。
【0084】
本方法700は、開始ブロック705を含み、この開始ブロックは、制御を機能ブロック710に移す。機能ブロック710は、anchor_single_loop_decoding_flag及びnon_anchor_single_loop_decoding_flagを、ビューiのシーケンスパラメータセット(SPS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、ネットワーク抽象レイヤ(NAL)ユニットヘッダ、スライスヘッダから読み出し、制御を判定ブロック715に移す。判定ブロック715は、変数iが復号化されるべきビューの数未満であるか否かを判定する。変数iが復号化されるべきビューの数未満である場合、制御を判定ブロック720に移す。さもなければ、制御を終了ブロック799に移す。
【0085】
判定ブロック720は、現在のピクチャがアンカーピクチャであるか否かを判定する。現在のピクチャがアンカーピクチャである場合、制御を判定ブロック725に移す。さもなければ、制御を判定ブロック775に移す。
【0086】
判定ブロック725は、anchor_single_loop_decoding_flagが1に等しいか否かを判定する。anchor_single_loop_decoding_flagが1に等しい場合、制御を機能ブロック730に移す。さもなければ、制御を機能ブロック740に移す。
【0087】
機能ブロック730は、インター予測が含まれないとき、ビューiのマクロブロックを復号化するとき、シーケンスパラメータセット(SPS)からのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック735に移す。機能ブロック735は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、モーションスキップマクロブロックの深度情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック770に移す。
【0088】
機能ブロック770は、変数iを1だけインクリメントし、制御を判定ブロック715に移す。
【0089】
機能ブロック740は、インター予測が含まれるとき、ビューiのマクロブロックを復号化する間、シーケンスパラメータセット(SPS)からのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック745に移す。機能ブロック745は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、深度情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック770に移す。
【0090】
判定ブロック775は、non_anchor_single_loop_decoding_flagが1に等しいか否かを判定する。non_anchor_single_loop_decoding_flagが1に等しい場合、制御を機能ブロック750に移す。さもなければ、制御を機能ブロック760に移す。
【0091】
機能ブロック750は、ビュー間予測が含まれないとき、ビューiのマクロブロックを復号化する間、シーケンスパラメータセット(SPS)からのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック755に移す。機能ブロック755は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、及びモーションスキップマクロブロックの深度情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック770に移す。
【0092】
機能ブロック760は、インター予測が含まれるとき、ビューiのマクロブロックを復号化する間、シーケンスパラメータセット(SPS)からのビュー間の依存度を考慮し、制御を機能ブロック765に移す。機能ブロック765は、動き情報、インター予測モード、残差データ、ディスパリティデータ、イントラ予測モード、及び深さ情報の組み合わせを推定し、制御を機能ブロック770に移す。
【0093】
本発明の多数の付随する利点/特徴のうちの幾つかの説明が与えられ、そのうちの幾つかは、先に記載された。たとえば、1つの利点/特徴は、多視点映像コンテンツがビュー間予測を使用して符号化されるとき、多視点映像コンテンツのシングルループの復号化をイネーブルにするため、多視点映像コンテンツを符号化するエンコーダを有する装置である。
【0094】
別の利点/特徴は、上述されたエンコーダを有する装置であり、多視点映像コンテンツは、参照ビュー及び他のビューを含む。他のビューは、参照ビューの完全な再構成なしに再構成可能である。
【0095】
更に別の利点/特徴は、上述されたようなエンコーダを有する装置であり、ビュー間予測は、多視点映像コンテンツの参照ビューからの動き情報、インター予測モード、イントラ予測モード、参照インデックス、残差データ、深度情報、イルミネーション補償オフセット、デブロッキング強度、及びディスパリティデータの少なくとも1つを推定する。
【0096】
更に別の利点/特徴は、上述されたエンコーダを有する装置であり、ビュー間予測は、所与のビューに関して多視点映像コンテンツの参照ビューからの少なくとも1つのピクチャの少なくとも1部に関連する特性から多視点コンテンツの所与のビューの情報を推定し、少なくとも1つのピクチャの少なくとも1部に関する情報を復号化することを含む。
【0097】
さらに、別の利点/特徴は、上述されたエンコーダを有する装置であり、ハイレベルシンタックスエレメントは、シングルループの複合化が多視点映像コンテンツについてイネーブルにされたことを示すために使用される。
【0098】
さらに、別の利点/特徴は、記載されたハイレベルシンタックスを使用するエンコーダを有する装置であり、ハイレベルシンタックスエレメントは、個々に、多視点映像コンテンツにおけるアンカーピクチャ及びノン・アンカーピクチャについてシングルループの復号化がイネーブルにされたかを示し、シングルループの復号化がイネーブルにされたかをビュー毎に示し、シングルループの復号化がイネーブルにされたかをシーケンス毎に示し、多視点映像コンテンツにおけるノン・アンカーピクチャのみについてシングルループの復号化がイネーブルにされたことを示す。
【0099】
本発明のこれらの特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、本実施の形態における教示に基づいて当業者により容易に確認される場合がある。本発明の教示は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特定用途向けプロセッサ、又はその組み合わせで実現される場合があることを理解されたい。
【0100】
最も好ましくは、本発明の教示は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実現される。さらに、ソフトウェアは、プログラムストレージユニットで実施されるアプリケーションプログラムとして実現される場合がある。アプリケーションプログラムは、適切なアーキテクチャを有するコンピュータにアップロードされるか、該コンピュータにより実行される場合がある。好ましくは、コンピュータは、1以上の中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入力/出力(I/O)インタフェースのようなコンピュータプラットフォームで実現される。また、コンピュータプラットフォームは、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードを含む場合がある。本実施の形態で記載される様々なプロセス及び機能は、CPUにより実行されるマイクロ命令コードの一部又はアプリケーションプログラムの一部であるか、或いはそれらの組み合わせである場合がある。さらに、様々な他の周辺装置は、更なるデータストレージユニット及びプリンティングユニットのようなコンピュータプラットフォームに接続される場合がある。
【0101】
さらに、記憶媒体で符号化された映像信号データを有する記憶媒体への引用は、明細書で引用されるか、請求項で引用されるかに係らず、係るデータは記録される任意のタイプのコンピュータ読取可能な記憶媒体を含むことが理解される。
【0102】
添付図面で示されるシステム構成要素及び方法の幾つかはソフトウェアで実現されることが好ましいため、システム構成要素又はプロセス機能ブロック間の実際の接続は、本発明がプログラムされるやり方に依存して異なる場合があることを理解されたい。本実施の形態の教示が与えられると、当業者であれば、本発明のこれら及び類似の実現又はコンフィギュレーションを創作することができるであろう。
【0103】
例示的な実施の形態は添付図面を参照して記載されたが、本発明はそれら正確な実施の形態に限定されず、様々な変形及び変更は本発明の範囲又は精神から逸脱することなしに当業者により実施される場合がある。全ての係る変形及び変更は、特許請求の範囲で述べられる本発明の範囲に含まれることが意図される。