特許第5738595号(P5738595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738595
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】眼鏡の為のつる
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/06 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
   G02C5/06
【請求項の数】24
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-538542(P2010-538542)
(86)(22)【出願日】2008年12月1日
(65)【公表番号】特表2011-507043(P2011-507043A)
(43)【公表日】2011年3月3日
(86)【国際出願番号】EP2008066497
(87)【国際公開番号】WO2009080444
(87)【国際公開日】20090702
【審査請求日】2011年10月20日
【審判番号】不服2013-25812(P2013-25812/J1)
【審判請求日】2013年12月27日
(31)【優先権主張番号】PD2007A000425
(32)【優先日】2007年12月21日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】510173007
【氏名又は名称】ノベーション・テク・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】NOVATION TECH S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(72)【発明者】
【氏名】ボツェット、バルテル
【合議体】
【審判長】 藤原 敬士
【審判官】 西村 仁志
【審判官】 大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−135422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維により補強されたポリマーを基礎とした複合材料により形成されていて、前記繊維は熱硬化性ポリマー材料中に埋設されている、第1部分(11)を備えている眼鏡の為のつる(1,50)であって、前記第1部分の為の覆いとして熱可塑性ポリマー材料の少なくとも1つのフィルム(23,24)が前記第1部分(11)に連結されており、前記第1部分(11)が、前記複合材料により形成された複数の重複した層(13)を備えている、眼鏡の為のつる(1、50)。
【請求項2】
前記第1部分(11)が、前記複合材料により形成された重複した層を2と5との間の数を備えている、請求項1に記載のつる。
【請求項3】
前記第1部分(11)上で正反対の主要表面(S1,S2)が規定されていて、主要表面上には熱可塑性ポリマー材料のフィルム(23,24)が配置され連結されている、請求項1又は2に記載のつる。
【請求項4】
前記フィルムは実質的に透明であり、そして前記第1部分(11)は、前記つるの外側から見ることが出来るよう前記フィルムに直接連結されている複合材料により形成された仕上げ層(25)を備えている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のつる。
【請求項5】
複合材料の仕上げ層(25)が、前記第1部分(11)とは反対の前記フィルムの表面の少なくとも一部に適用されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のつる。
【請求項6】
上塗り層(26)が、前記フィルムから反対側上の前記仕上げ層に対し適用されている、請求項5記載のつる。
【請求項7】
前記仕上げ層(25)が金属蒸着された複合材料により形成されている、請求項4乃至のいずれか1項記載のつる。
【請求項8】
熱可塑性又はエラストマー材料(5)により形成された構成要素が、前記第1部分とは反対側の前記フィルムの表面の少なくとも一部上に連結されている、請求項乃至7のいずれか1項に記載のつる。
【請求項9】
前記構成要素は前記つるの為の覆い(5)であり、覆いの上には前記複合材料を見れるようにするために少なくとも1つの窓(7)が開口している、請求項8記載のつる。
【請求項10】
前記覆い(5)は、前記主要表面の範囲を定める前記つるの縁(6)を覆っている、請求項9に記載のつる。
【請求項11】
前記第1部分が、少なくとも2つの別の副部分(111a,111b)を備えていて、そして、熱可塑性材料により形成された前記構成要素(105)が、互いに連結されていて前記副部分を連結し保持するよう前記副部分間を延出している、請求項8乃至10のいずれか1項記載のつる。
【請求項12】
前記熱硬化性ポリマー材料がエポキシ樹脂である、請求項乃至11のいずれか1項に記載のつる。
【請求項13】
前記複合材料が、約50%又はそれ以上の補強繊維の重量によるパーセンテージを備えている、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のつる。
【請求項14】
前記繊維が炭素繊維である、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のつる。
【請求項15】
前記繊維が連続した単一方向型又はマット形状である、請求項13又は14に記載のるつる。
【請求項16】
前記つるが約4mm以下の高さを有しており、そして、前記複合材料が、前記つるの顕著な長手方向に対し平行に、実質的に単一方向な状態に向けられている繊維を伴って形成されている、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のつる。
【請求項17】
前記一対のつる(1,50)が関節により接合されている前フレーム(1b)を備えていて、前記つるが請求項1乃至16のいずれか1項に記載のつるであることを特徴とする眼鏡(1a)。
【請求項18】
繊維により補強されたポリマーを基礎とした複合材料により形成された、眼鏡の為のつるの第1部分(11)を準備する工程を備えていて、前記繊維は熱硬化性ポリマー材料中に埋設されている、眼鏡の為のつる(1,50)の製造の為の方法であり、前記第1部分の為の覆いとして熱可塑性ポリマー材料の少なくとも1つのフィルム(23,24)を前記第1部分(11)に連結する工程が設けられており、
前記フィルムがその上に連結されている前記第1部分(11)を備えている板を準備し、そして前記板を切断して眼鏡の為の前記つる(1,50)の複数を得る工程を更に備えている、
眼鏡の為のつる(1,50)の製造の為の方法。
【請求項19】
前記板の製造が、前記第1部分を形成することを意図されている前記複合材料の先駆物質である材料の準備,それに続く前記先駆物質上への前記フィルムの連結,そして、前記第1部分の前記複合材料の形成を容易にする為の前記板の処置を提供している、
請求項18に記載の眼鏡の為のつるの製造の為の方法。
【請求項20】
前記フィルムが前記第1部分上に連結されていて前記板の正反対の主要表面(S1,S2)上を同じに覆う、請求項18又は19に記載の眼鏡の為のつるの製造の為の方法。
【請求項21】
前記板を切断する工程の前に、前記第1部分とは反対の前記フィルムの少なくとも表面部上に複合材料の仕上げ層(25)の適用が行なわれる、請求項18又は19記載の眼鏡の為のつるの製造の為の方法。
【請求項22】
前記仕上げ層が金属蒸着された複合材料により形成されている、請求項21に記載の眼鏡の為のつるの製造の為の方法。
【請求項23】
前記仕上げ層が上塗りされている、請求項21又は22記載の眼鏡の為のつるの製造の為の方法。
【請求項24】
前記第1部分(11)とは反対の前記フィルム(23,24)の表面の少なくとも一部に対し熱可塑性又はエラストマー材料(5)を上成型することにより適用する工程をさらに備える、請求項18乃至23のいずれか1項記載の眼鏡の為のつるの製造の為の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主請求項1の前文部において言及された特徴を有している眼鏡の為のつる(arm:蔓)に関係している。それはまた、独立請求項19の前文部において言及された特徴を有している眼鏡の為のつる(蔓)の製造の為の方法に関係している。
【背景技術】
【0002】
この発明の関連技術分野においては、眼鏡のつるは熱可塑性又は熱硬化性ポリマー材料により形成されていることが知られている。機能的及び審美的の両方の新たな課題解決の為の継続している研究においては、補強繊維が埋め込まれているポリマー母材を備えている複合材料で眼鏡のつるを作る為の要求がこの技術分野において生じている。
【0003】
詳細には、補強繊維が長繊維型であり重量で少なくとも50%そして70%までの割合の高い比率で存在している複合材料により眼鏡の為のつるを製造する為の要求がある。
【0004】
この種の材料は、それ自身、特に人の興味を引き付ける眼鏡のつるの製造におけるその使用が最適な機械的な特性を及び審美的な外観を発揮する。しかしながら、制限された曲げの動きにさらされた時でさえ容易に破壊される、曲げ能力の観点が決定的に欠けていた。
【0005】
しかしながら、眼鏡は、使用者の頭の種々の形状に最も良い程度に適合し、通常の使用の間に眼鏡がさらされる応力及び/又は衝撃力により粉砕されることなく耐えるという両方の目的の為に最適な曲げ性質を発揮しなければならない。公知のつるの柔軟性を向上させる為に、つると眼鏡の前枠との間の関節に作用するとともに所定の開放位置までつるが弾性的に振れることを許容する、適切な弾性戻り装置を提供することがさらに知られている。もちろん、上述した型の装置の提供は製造コストに大きな影響を有する。
【0006】
複合材料の使用に関連したさらなる欠点は、当該分野において使用されている通常の熱可塑性および弾性ポリマー材料との適合性が化学的に貧弱であり、その結果として、例えば、2つの材料間の接着不足により、ポリオレフィン(polyolefin)又はポリアミド(polyamide)材料により形成されている構成要素を複合材料により形成されているつる上に積層成型することが困難である、という事実である。
【0007】
複合材料の使用に関連しているさらなる欠点は、破壊の際に破片を創出するとともに鋭利な縁を有する可能性にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭59−135422号公報
【特許文献2】特開昭60−229723号公報
【特許文献3】特開平10−133152号公報
【発明の概要】
【0009】
この発明の下に横たわっている問題は、従来技術に関連して上述した限界を解消するよう構造的及び機能的に設計された眼鏡のつるを提供することである。
【0010】
この問題の範囲内において、この発明の目的は、喜ばれる審美的な外観及び良好な機械的性質を有しているとともに、特に良好な柔軟性を発揮する、複合材料により形成された眼鏡のつるを提供することである。
【0011】
さらなる目的は、コストも含め、眼鏡の為のつるの製造の方法を向上させることである。
【0012】
以下の請求項に従い得られる眼鏡の為のつる及びその製造の為の方法によるこの発明により、この問題は解決され、そしてこれらの目的は達成される。
【0013】
詳細には、この第1の概念においては、発明は、複合材料により形成された第1部分を備えていて、その上には第1部分の為の覆いとして熱可塑性ポリマー材料のフィルムが連結されている、眼鏡のつるに関係している。
【0014】
その第2の概念においては、発明は、複合材料により形成され、その上に熱可塑性ポリマー材料のフィルムが連結されている、眼鏡のつるを製造する為の方法に関係している。
【0015】
この発明に従っている眼鏡のつるには、喜ばれる審美的な外観を有する最適な表面特性が設けられると同時に、最適な機械的性質が設けられる。
【0016】
詳細には、これらは実質的には複合材料からなるとはいうものの、この発明に従っているつるは、望まない破壊を生じさせることなく、驚くほど非常に柔軟であるとともに良好な柔軟な性質を有する。この有利な特性は、複合材料により形成された部分の為の覆いとしてのポリマーフィルムの提供により得られている。
【0017】
このようにして得られたつるは使用者の頭の形状に容易に適合し、使用において眼鏡に最適な装着感と安定感とを付与することがわかった。
【0018】
この発明に従ったつるが設けられている眼鏡は、従って、眼鏡を無くすという使用者の不利益を非常に減少させ、スポーツ又は競争的活動の為に有利に使用され得る。さらに、この発明に従っているつるは良好な弾性戻りを備えているので、この様なつるが設けられている眼鏡はそれらの当初の形状を長期間にわたり殆ど変えることなく維持する。
【0019】
このことは、長期間にわたり装着性の最適な特性を維持し、そして、それにより特別な維持操作の要求を無くした眼鏡を得ることが出来るようにした。
【0020】
好ましくは、ポリマーフィルムの存在は、この発明に従っているつるに対し、所望の審美的な模様を創出したり、例えば製造会社のロゴ(logos)を追加して浮き彫りにする為や、例えばつるの端部又は使用者の頭につるを支持する為の要素の如きつるの特別な構成要素を創出する為に、ポリマーフィルムに対し良好に付着する熱可塑性又はエラストマー材料を適用することを可能にする。
【0021】
これは、容易に区別可能であり使用者を特別に喜こばす、洗練された審美的な外観を有している眼鏡を得ることを可能にしている。
【0022】
つるに使用されている複合材料は、ポリマー母材(polymeric matrix)、及び重量パーセントで50%又はそれよりも多くの連続型であり単一方向性でマット形状(mat form)である繊維を備える。
【0023】
これらの複合材料は、製造及び機械的特性の両方の観点から、減少された長さの補強繊維(「短繊維(short fibers)」として知られている)が重量で最大40%まで一貫性のない状態で母材中に大略分散されて埋設されているポリマー母材を備えている複合材料からは非常に異なっている。
【0024】
好ましくは、この発明のつるにおいて使用される複合材料は、例えばエポキシ又はポリエステルを基にした熱硬化性型、又は、例えばポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニール,そして、任意に置換された、ポリアミド,ポリエステル,ポリウレタンの,又は例えばABSの如きコポリマーの、他のポリオレフィンを基にした熱可塑性型であってよい、ポリマー母材中に含浸された、約50%と約70%との間の繊維の重量パーセントを備えている。
【0025】
例えば、ガラス繊維,炭素繊維,又は鉱物繊維の如き無機繊維,有機繊維,又はアラミド繊維を、補強繊維として使用しえる。詳細には、炭素繊維により補強されたエポキシベース母材による複合材料の使用が好ましい。
【0026】
この発明において使用される複合材料は、大略的には、互いに重複された複数の層からなり、そして好ましくは、第1部分は、2と5との間の複数の重複した層を備える。
【0027】
大略的には、複合材料中に存在している繊維は実質的に単一方向になるよう処理されるか、編組される(braided)か又は織られる(woven)、即ち縦糸(warp)及び横糸(weft)配列に配置される、よう処理されてよい。
【0028】
限られた高さ,即ち、略4mm以下の高さ、を有している眼鏡のつるの為には、つるの顕著な長手方向に対して平行に延出している、実質的に単一方向の繊維を使用することが好ましい。
【0029】
この様な処置は、限定されている高さを有しているつるの曲げ性能をさらに向上させるとともにそれらの壊れ易さを大きく減少させることが出来る。
【0030】
代わりに、4mm以上の高さを有している眼鏡のつるの為には、編組されている(braided)か又は織られている(woven)繊維を使用してよい。
【0031】
つるの高さに関しては、つるの顕著な長手方向に対し横断し眼鏡が装着されている時の使用者の頭に対し実質的に平行であるつるの寸法を意味していることを指摘しておく。
【0032】
熱可塑性ポリマーフィルムの製造の為の材料としては、この発明の範囲内では、種々の型の材料が使用されることができ:効果的に使用されるポリマー材料の型は、使用される複合材料と化学的に最も適合可能な材料から選択される。好ましくは、このポリマー材料は、ポリアミド,ポリエステル,ポリオレフィン,置換されたポリオレフィン,ポリウレタンを基にした、又は例えばABSの如きコポリマーを基にした、混合物を備えているポリマー混合物の群から選択される。
【0033】
好ましくは、つるは、2つの正反対の主要表面(principal surface)を規定している板状の形状を有していて、両方の主要表面は熱可塑性ポリマーフィルムにより覆われている。
【0034】
これは、より釣り合いのとれた構造及び大きな安定性を有していて、それらの製造段階においてより容易に制御されるようになる、眼鏡のつるを得ることが出来るようにする。
【0035】
好適な実施形態においては、複合材料により形成された第1部分は、それ自身が透明であるフィルムと直接接触して配置され金属蒸着された(metallised)複合材料の仕上げ層を備えている。このようであると、仕上げ層はフィルムを介して直接見れるようになり、つるに特殊な審美的な品質を付与し、同時に、曲げ性能,弾性,そして熱可塑性又はエラストマー材料を重ねて成型する可能性を維持する。
【0036】
別の実施形態においては、金属蒸着された(metallised)複合材料の仕上げ層が第1部分から反対側でフィルム上に連結されて、つるの最も外側の層になり、フィルムは第1部分と仕上げ層との間に介在される。この構造の採用は、以下に詳細に記載される如く、つるの製造の水準において重要な利益を得ることを可能にしている。
【0037】
好ましくは、このつるの製造の方法は、熱可塑性ポリマーフィルムにより覆われた第1部分を構成している複合材料により形成されている板からの切断によりつるを得る為に提供されている。
【0038】
この板自身は、まだ架橋されていない又は完全にポリマー化されていないポリマー母材中に含浸(impregnate)されている補強繊維により形成されていて、ポリマーフィルムが、好ましくは2つの主要表面(principal surface)上に、適用されている、複合材料の先駆物質(precursor)である材料の複数の層の積層により形成されている。
【0039】
上述した如く、金属蒸着された(metallised)複合材料の仕上げ層を、ポリマーフィルムが直下に横たわっている位置に第1部分の最外層として配置されたり、又は、第1部分から反対側で上記フィルムの上に配置されたり、してよい。
【0040】
出願人は、この後者の場合においては、つるを得る為に板を切断することが、最適な品質で精密な、第1形態においてはこれにより縁の再仕上げ処理が必然的に行なわれることになるバリ(burrs)のない結果となることに注目している。
【0041】
フィルムの外側の仕上げ層を伴った実施形態においては、仕上げ層に対し上塗り層(layer of varnish)を適用して、その表面仕上げの品質を向上させる、ことが好ましい。
【0042】
この発明は、非限定的な例示として提供された幾つかの例示的な実施形態を図示している添付の図面の記載を参照してより容易に理解されそしてより容易に実施される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、この発明の第1の例示的な実施形態に従っているつるを備えている1つの眼鏡の概略図である。
図2図2は、図1のつるの拡大された尺度の図である。
図3図3は、線III−IIIに沿った図1のつるの拡大された尺度の断面図である。
図4図4は、この発明の第2の例示的な実施形態を表しているつるの図3に類似した図である。
図5図5は、この発明の第3の例示的な実施形態を表しているつるの図3に類似した図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
添付の図面を参照すると、参照符号1は、図1中においては概略的にのみ示されている、一般的な眼鏡1aを製造するのに使用されるのに適しているつる(arm:蔓)の全体を指摘している。眼鏡1aは、通常の眼鏡,サングラス,スポーツ活動用眼鏡、スキー用眼鏡,その他であってよい。
【0045】
つる1は好ましくは、正反対の主要表面(principle surface)S1及びS2をその上に規定されている板状であって、第1表面S1は眼鏡が装着された時に見ることが出来るよう意図されている。
【0046】
つる1は顕著な長手方向(predominant longitudinal direction)に延出していて、そしてその上には長さL,長さLに対し交差するとともに眼鏡が装着された時に使用者の頭部に対し実質的に平行である方向に考えられる高さH,そしてまた厚さTが指摘できる。
【0047】
つるの長さLの値は、例えば、制限された長さLを伴ったつるを有した子供の為の眼鏡、そしてより大きな長さLを伴ったつるを有している大人の為の眼鏡の如き異なった型の眼鏡を得ることが出来るよう適切に変更されてよい。
【0048】
つる1はさらに、眼鏡の使用及び選択された特定のデザインに従い、高さHの為の種々の異なった値を有するような形状であって良い。詳細には、減少された高さのつるとして知られているつるは約4mm以下の高さの為の値を有して製造されてよく、そして、高められた高さのつるとして知られているつるは高さHの為により高い値を有している。
【0049】
つる1は、適切な連結手段を介して眼鏡1aの前フレーム1bに連結されるのに適している第1端2、及び端2の反対側であり使用者の耳の上に滑り落ちる、即ち如何なる場合でも使用者の頭に接触する、ことを意図されている第2端3を備えている。
【0050】
第2端3は、つる1が設けられている眼鏡のすべり落ちを容易とするとともに特定の使用者上への眼鏡の装着性を向上させるよう適正に形作られている湾曲領域4を備えて良い。端部又は支持要素が端3上に設けられて良い。
【0051】
つる1は、繊維により補強されたポリマーを基にした複合材料により形成された第1部分11を備えていて、第1部分11の上には、正反対の表面S1及びS2において、熱可塑性ポリマー材料により形成された第1及び第2フィルム23,24が連結されている。
【0052】
第1部分11が実質的につる1の芯を形成していて、そして好ましくは、つる1に機械的な強度及び軽量の特性を付与する為につる1の全体の長さにわたり延出している。
【0053】
好ましくは、第1部分11は、50%と70%との間の重量比にある長い炭素繊維で補強されたエポキシ樹脂を基にした母材(matrix)を備えている複合材料の複数の層13を備えている。重複されている層13の数はつる1の要求する構造及び特性に従い変化可能であり、好ましくは2と5の間である。
【0054】
第1部分11はさらに、層13の外側で主要表面S1に向かって対面しており、フィルム23が直下に横たわっている位置にあるように、仕上げ層25を備えている。
【0055】
フィルム23,24は好ましくは、第1部分11を全体的に覆い、そして光学的に透明である。このようであると、フィルム23を介して、仕上げ層25を依然として見ることが出来、それ故に好ましくは仕上げ層25は、つる1に特別な審美的な品質を付与するよう金属蒸着された(metallised)複合材料で形成されている。ここに記載された例においては、仕上げ層は、眼鏡が装着された時の観点から、フィルム23及び主要表面S1上にのみ設けられているが、主要表面S2においてフィルム24と直接接触する位置にもまた設けられることが出来る。
【0056】
好ましくは、つる1はさらに、例えばポリウレタンを基にした熱可塑性又はエラストマー材料により形成されている覆い5を備えていて、覆い5は端3において特に主要表面S1,S2の境界を定めているつるの縁6に沿いつる1の端部を覆うようポリマーフィルム23,24上に上成型(overmoulded)されていることが好ましい。
【0057】
覆い5上には少なくとも主要表面S1において窓7が開口されていることが都合よく、窓7を介してフィルム23及び第1部分11を明瞭に見ることが出来る。
【0058】
さらに、または代わりに、つる1に、熱可塑性又はエラストマー材料で形成されフィルム23及び/又は24上に成型された、例えばロゴ(logo),装飾模様,又はつるの端要素の如き、他の要素を備えさせるようにさせることが出来る。
【0059】
第1部分11の正反対の側上における第1及び第2フィルム23,24の提供は、以下に説明される如く、つるの製造段階において特別な重要性を提供する高度な寸法の安定性を伴い、つる1の構造を実質的に対称にし釣り合いを取る。
【0060】
図4を参照すると、第2の例示的な実施形態を提供しているつる50が示されており、ここにおいては前述した例における対応している構成要素は前述した例におけるのと同じ参照符号により指摘されている。
【0061】
つる50はつる1とは異なり、金属蒸着された(metallised)複合材料で形成されている仕上げ層25が第1部分11から反対側で第1フィルム23及び/又は第2フィルム24上に連結されていて、フィルムが第1部分11と仕上げ層25との間に介在されている。好ましくは、フィルム23,24から反対側で、仕上げ層25上に上塗り層26が実質的に適用されていて、上塗り層26は仕上げ層25上に存在する如何なる表面の欠陥を修正するために有用であり、さらにはつる1の審美的な外観を向上させる。
【0062】
図5を参照すると、第3の例示的な実施形態を提供しているつる100が示されており、ここにおいては前述した例における対応している構成要素は前述した例におけるのと同じ参照符号により指摘されている。
【0063】
つる100は前の例とは異なっていて、第1部分11が2つの副部分111a及び111bに分割されていて、2つの副部分111a及び111bはつる100内に離れて対象に配置されていて、夫々は対応している主要表面において熱可塑性ポリマーフィルム123,124上に連結されている。2つの副部分111a及び111bは、互いに連結され、つるの縁6上で同様に、2つの副部分間に介在されている例えばポリウレタンを基にしている熱可塑性又はエラストマー材料の覆い105により互いに接続されて保持されている。
【0064】
ここの場合において、覆い105中には、1つ又はそれ以上の窓の開口が設けられていて、それを介して副部分111a,111bの少なくとも1つの複合材料をつる100の外側からみることが可能である。
【0065】
この発明に従っている、眼鏡のつる1,50,そして100は、所定の構成に従っている板からの切断により得られた。
【0066】
この板は、つる1,50の第1部分11又はつる100の副部分111を形成することが意図されている複合材料の先駆物質(precursor)である材料の複数の層13の積層により得られている。
【0067】
プレプレグ(preimpregnate)又は「プレプレグ(prepreg)」として知られている複合材料の先駆物質(precursor)はそれ自体が知られていて、そして、架橋されていない熱硬化性ポリマーの基材又は不完全にポリマー化された状態のポリマーにより含浸されている繊維の基礎(織られている、又は「マット(mat)」にされている)により実質的に形成されている。
【0068】
つる1の製造の為には、次に、層13の一側上にのみ、金属蒸着された(metallised)複合の先駆物質(precursor)である材料の仕上げ層25が適用され、そして次に、両方の主要な表面上に熱可塑性ポリマーフィルム23,24が適用される。
【0069】
他方、つる50の製造の方法は、フィルム23,24が層13に適用された後に仕上げ層25の適用が行なわれることを提供している。
【0070】
いずれの場合においても、板は次に、先駆物質(precursor)材料を関係のある複合材料に変換する(transform)よう適切な処理にさらされる。
【0071】
エポキシを基にしている母材(matrix)を有している複合材料の好ましい場合には、板が型(mould)中に導入され、そして母材それ自身の架橋を引き起こすよう温度及び圧力にさらされる。板は次に、架橋型から抜き出され、そして一対のつる1,50を得るよう切断される。切断は、水により、又はフライス盤(milling machine)により
行なわれることができ、又はレーザーによる切断によっても行われることが出来る。
【0072】
主要な表面の両者上へのフィルムの提供及び結果としての構造上の対称性が、型において架橋処理された結果として板がさらされるいかなる変形も除去できるようにし、製造の改良された制御を伴う、ことに注目された。仕上げ層25が層13から反対側でフィルム23,24に適用されている板(つる50)の場合、切断は、実質的にバリ(burrs)のない、最適な品質で精密であることがさらに観測された。
【0073】
さらに好ましくは、上塗り(varnish)の層26が仕上げ層25に適用される。
【0074】
フィルム23,24が代わりに外側位置にある場合(つる1)、切断操作の間に形成されたバリ(burrs)を除去する為につるを手入れする(trim)ことが好ましい。
【0075】
この第2の場合においては、しかしながら、もし望むのであれば、装飾模様,つるの為の支持要素,その他を創出するよう例えば射出成型による又は鋳造による熱可塑性又はエラストマー材料を切ることにより、得られたつるに対し特別な利便性を提供する。熱可塑性又はエラストマー材料とポリマーフィルム23又は24との間の接着は、実際に強固になることを提供する。さらに、フィルム23,24の表面品質は通常は最適であり、上塗り作業が省かれてよい。
【0076】
添付の図面中には示されていない代わりの実施形態においては、仕上げ層が、つる1中の如く、層13と同じ側上でポリマーフィルムの近傍に部分的に適用され、そして、つる50の如く、層13から反対側でフィルム自身の上に部分的に適用される。
【0077】
つる100の製造の方法は、その中に覆い105を形成している熱可塑性又はエラストマー材料が好ましくは射出されている型中に副部分が適切に位置された後に、つる1,50の第1部分11と同様の、板からの切断による副部分111a及び111bの形成を提供する。
【0078】
この発明は、従って、上述した問題を解決し、そして所定の目的を達成し、同時に複数の他の利点を提供する。
【0079】
第1の利点は、この発明に従って製造されたつるにより提供された弾性(resilience)の顕著な特性のお蔭により、つると前フレームとの間に介在されるべき弾性戻り装置に頼る必要がないという事実に存在している。
【0080】
さらなる利点は、ポリマーフィルムの存在が、つるの破壊の不幸な出来事において、形成された複合材料の破片を保持し、少なくとも部分的には鋭利な縁を覆うことを可能にするという事実に存在している。
【0081】
さらなる利点は、この発明に従って得られたつるが、機械的な強度,弾性,そして柔軟性の最適な性質の他に、特に低い重量を有するという事実に存在している。
図1
図2
図3
図4
図5