【実施例】
【0026】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。
図1は本発明のLEDユニットを示す平面図である。また、
図2は
図1のA−A線断面図であるとともに本発明の電線保持・防水構造を示す断面図である。さらに、
図3は
図2の要部拡大図である。
【0027】
図1において、内部照明の光源として、或いは外部照明の光源として用いることが可能な本発明に係るLEDユニット11は、ハウジング12における固定用ベース部13の表面14に突出するハウジング本体15を覆うようにデザインカバー16を嵌合させてなるものとして形成されている(図中の外観は一例であるものとする)。また、LEDユニット11は、ハウジング本体15の内部に本発明に係る電線保持・防水構造を有するものとして形成されている。固定用ベース部13の裏面17から導出された複数本の電線18は、図示しない所定の回路に接続されている。
【0028】
以下、LEDユニット11の具体的な構成及び構造について説明をする。尚、図中の矢印Pは上下方向、矢印Qは左右方向、矢印Rは前後方向を示すものとする。上下方向Pに関しては、照明する側(光の進む側)が上を示すものとする。また、前後方向Rに関しては、固定用ベース部13の側が後、この逆側が前を示すものとする。
【0029】
図1及び
図2において、LEDユニット11は、上記ハウジング12とデザインカバー16と電線18とを備えて構成されている。また、LEDユニット11は、回路基板19とホルダー20とパッキン21とゴム栓22とカバー23とを備えて構成されている。LEDユニット11は、電線18が複数本備えられるとともに、ゴム栓22が電線18の本数分だけ備えられる以外は一部品の構成になっている。すなわち、最小限の部品点数でLEDユニット11は構成されている。
【0030】
一番外側となるデザインカバー16は、LEDユニット11における装飾部分であって、後側のみが開口する有底の箱形状に形成されている。デザインカバー16は、特に限定するものでないが、樹脂成形品となっている。デザインカバー16の上壁には、光を通過させるための窓24が矩形状に開口形成されている。上壁における引用符号25は弾性変形部を示している。この弾性変形部25には、嵌合孔26が貫通形成されている。嵌合孔26は、ハウジング本体15との嵌合部分として形成されている。ハウジング本体15との嵌合部分としては、デザインカバー16の内部における隔壁27にも嵌合孔28が形成されている。
【0031】
図1ないし
図3において、ハウジング12は、光透過性を有する透明な樹脂成形品であって、絶縁性も有している。ハウジング本体15は、この前端から中間にかけてデザインカバー16に覆われるように形成されている。また、ハウジング本体15は、この後端が固定用ベース部13の表面14に対し連続するように形成されている。
【0032】
ハウジング12は、この内部に、基板収容部29と、ホルダー係合部30と、カバー係合部31とを有するように中空形状に形成されている。
【0033】
ハウジング12は、ハウジング本体15がデザインカバー16により覆われると、ハウジング本体15の上壁及び下壁に突出する係止突起32がデザインカバー15の嵌合孔26及び28に引っ掛かるように形成されている。すなわち、ハウジング本体15は、デザインカバー16を係止状態にすることができるように形成されている。
【0034】
基板収容部29は、回路基板19をスライドさせて保持することができる保持部33を有している。ホルダー係合部30は、ハウジング12の内面を段付きに形成してホルダー20の挿入量を規制することができるストッパ34を有している。また、ホルダー係合部30は、ハウジング12の内面一周にわたりパッキン21を密着させることができるシール面35を有している。
【0035】
ホルダー係合部30は、ホルダー20をスムーズに挿入させることができるように形成されている。また、カバー係合部31も同様にカバー23をスムーズに挿入させることができるように形成されている。カバー係合部31は、カバー23を係止して脱落のないようにすることができるように形成されている。カバー係合部31は、固定用ベース部13の裏面17を開口するように形成されている。
【0036】
回路基板19は、図中上側の基板表面に所望の回路パターンを有するとともに、この回路パターンに接続するように実装されるLEDチップ36(LED)を有している。LEDチップ36は、この上面にて発光するように配置された発光素子(発光ダイオード)を有している。発光素子はこれが発光すると、その光は透明なハウジング本体15の上壁を透過するとともに、デザインカバー16の窓24を通過し、そして、所定部分を照明することができるようになっている。
【0037】
回路基板19は、電線18の端末を電気的に接続して形成される接続部分37(下記の半田付け部分に相当)を有している。電線18は、導体及び絶縁体を有する絶縁線心であって、回路基板19の穴に対し基板裏面から基板表面へと導体端末が挿入されて上記回路パターンに半田付けされている。電線18は、ハウジング12内においてカバー23とホルダー20との間で屈曲状態に保持(後述する)され、そして、ハウジング12における固定用ベース部13の裏面17から後方へと引き出されている。
【0038】
ホルダー20は、絶縁性を有する樹脂成形品であって、前側外周面にはパッキン21が組み付けられている。パッキン21は、公知のシール部材が用いられている。パッキン21は、ホルダー20の挿入に伴ってホルダー係合部30におけるシール面35に密着し、これによりホルダー20とハウジング本体15の内面とをシールして防水をすることができるようになっている。
【0039】
ホルダー20は、電線18の位置に合わせて貫通形成された導出孔38と、この導出孔38に連続するゴム栓装着孔39と、電線18の屈曲形成に寄与する電線当接部40とを有している。導出孔38には、電線18が挿通され、ゴム栓装着孔39には、予め電線18に組み付けられたゴム栓22が密着するようになっている。ゴム栓装着孔39には、シール面(符号省略)が形成されており、このシール面とゴム栓22とのシールにより防水をすることができるようになっている。
【0040】
ホルダー20は、ホルダー係合部30のストッパ34に当接するまで挿入されるようになっている。電線当接部40は、カバー23の挿入に伴って電線18が当接し、これにより電線18を屈曲状態にすることができるように形成されている。
【0041】
カバー23は、ホルダー20と同様の絶縁性を有する樹脂成形品であって、固定用ベース部13の裏面17の開口を塞ぐようにカバー係合部31に挿入されるように形成されている。カバー23は、ゴム栓22の位置まで突出してこの移動を規制する抜け止め部41と、カバー23の挿入に伴って電線18に当接し、この電線18の屈曲形成に寄与する電線当接部42とを有している。
【0042】
カバー23がカバー係合部31に挿入され、そして係止されると、電線18は電線当接部40及び42に当接し、これによりホルダー20内にて略クランク状に二度曲げられて屈曲部43が形成されるようになっている。尚、電線18は、ホルダー20の後端44の位置でも挟み込みにより保持されている。
【0043】
上記構成及び構造において、LEDユニット11によれば、ハウジング12とホルダー20との間で防水を行うことができる。また、電線18とホルダー20との間でも防水を行うことができる。LEDユニット11における防水構造を見ると、各樹脂部品はこの樹脂成形に係る金型構造を複雑化しなくても成形することができる。
【0044】
この他、LEDユニット11によれば、カバー23とホルダー20との間で電線18を屈曲状態に保持することから、仮に電線18に引っ張りの力が加わっても、その力が電気的な接続部分である半田付け部分(接続部分37)に直接作用することはなく、結果、接続信頼性を高めることができる。
【0045】
また、LEDユニット11によれば、ゴム栓22の移動をカバー23の抜け止め部41により防止できることから、防水に係る機能を安定させることもできる。
【0046】
LEDユニット11における電線保持・防水構造は、上記からも分かるように、防水することに係り樹脂部品の構造を複雑化しなくてすむという効果を奏する。また、電線18の保持に係り、電気的な接続信頼性を高めることができるという効果を奏する。
【0047】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。