(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1及び第2の各壁面の交差部に出隅部が形成されると共に、第2及び第3の各壁面の交差部に入隅部が形成されるように、連続した第1〜第3の三つの壁面に配線・配管される配線・配管材を収容保護する保護カバー装置であって、
前記第1及び第3の各壁面に設置される一般直状保護カバーと、
前記第2壁面に設置される中間直状保護カバーと、
前記出隅部に設置されて、配管方向に沿った両端部に、前記一般直状保護カバー及び中間直状保護カバーの各端部がそれぞれ内挿される第1壁面側及び第2壁面側の各接続口をそれぞれ備えた出隅部保護カバーと、
前記入隅部に設置されて、配管方向に沿った両端部に、前記中間直状保護カバー及び一般直状保護カバーの各端部がそれぞれ内挿される第2壁面側及び第3壁面側の各接続口をそれぞれ備えた入隅部保護カバーと、
から成り、
前記出隅部保護カバーの第2壁面側接続口、及び前記入隅部保護カバーの第2壁面側接続口には、前記中間直状保護カバーの両端部が設定長を超えて進入するのを規制する進入規制部がそれぞれ設けられ、
前記出隅部保護カバーの第2壁面側の進入規制部は、当該出隅部保護カバーを前記出隅部に設置した状態で、前記第1壁面の略延長面上に設けられていることを特徴とする保護カバー装置。
第1及び第2の各壁面の交差部に出隅部が形成されると共に、第2及び第3の各壁面の交差部に入隅部が形成されるように、連続した第1〜第3の三つの壁面に配線・配管される配線・配管材を収容保護する保護カバー装置であって、
前記第2壁面に設置される中間直状保護カバーと、
前記出隅部に設置されて、配管方向に沿った一端部に、前記中間直状保護カバーの一端部が挿入される第2壁面側接続口を備えた出隅部保護カバーと、
前記入隅部に設置されて、配管方向に沿った一端部に、前記中間直状保護カバーの他端部が内挿される第2壁面側接続口を備えた入隅部保護カバーと、
から成り、
前記出隅部保護カバーの第2壁面側接続口、及び前記入隅部保護カバーの第2壁面側接続口には、前記中間直状保護カバーの両端部が設定長を超えて進入するのを規制する進入規制部がそれぞれ設けられ、
前記出隅部保護カバーの進入規制部と入隅部保護カバーの進入規制部との間の長さが、前記第2壁面の長さと略同一となるように、前記出隅部保護カバーの進入規制部は、前記第1壁面の延長面を超えて当該出隅部保護カバーの奥部に形成されていることを特徴とする保護カバー装置。
【背景技術】
【0003】
例えば、
図17及び
図18に示されるように、第1及び第2の各壁面W
1 ,W
2 の交差部に出隅部Aが形成されると共に、第2及び第3の各壁面W
2 ,W
3 の交差部に入隅部Bが形成されるように、連続する第1〜第3の各壁面W
1 〜W
3 に配管材Pを配管する場合には、特許文献1の
図9及び
図10に示されるような出隅部保護カバーC
10、入隅部保護カバーC
20及び中間直状保護カバーC
30が使用される。出隅部及び入隅部の各保護カバーC
10,C
20は、いずれも前記出隅部A及び入隅部Bにビス91を介して固定されるベース体71(81)と、当該ベース体71(81)に係合構造により組み付けられるカバー体72(82)とから成る。各ベース体71(81)は、本体板部73(83)の幅方向の両端部に低壁部74(84)が設けられていて、当該低壁部74(84)の外側面に、カバー体72(82)に設けられた組付部75(85)と嵌合する被組付部76(86)が設けられている。本体板部73(83)の長手方向の両端部は、前記低壁部74(84)の両端に対して配管方向に突出していて、中間直状保護カバーC
30のベース体87のベース部88の底面に設けられた凹溝88aに挿入されて、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
10,C
20に対する中間直状保護カバーC
30のベース体87の幅方向の位置決めを行う。
【0004】
中間直状保護カバーC
30は、ベース体87とカバー体89とから成る。ベース体87は、配管材を保持可能な一対の保持片90を備えており、第1及び第3の各壁面W
1 ,W
3 の間の第2壁面W
2 において、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
10,C
20の間に設置される。
【0005】
従って、中間直状保護カバーC
30は、第2壁面W
2 における出隅部及び入隅部の各保護カバーC
10,C
20の間の長さ(L’)、正確には、第2壁面W
2 に設置される各保護カバーC
10,C
20の低壁部74,84の間の長さ(L’)に対応した長さに予め切断する必要がある。なお、
図17及び
図18において、91は、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
10,C
20の各ベース体71,81を各壁面W
1 ,W
2 (W
2 ,W
3 )に固定するためのビスを示す。
【0006】
しかし、各保護カバーC
10,C
20を設置した状態で、前記長さ(L’)を測定して、中間直状保護カバーC
30を構成するベース体87及びカバー体89を前記長さ(L’)に切断する作業は、測定と切断との双方の作業があるために、大変に面倒であった。また、前記長さ(L’)は、予め施工現場の設計図に基づいて計算することは可能であるが、現実の施工現場には、第2壁面に相当する壁面は複数存在することが多く、予め計算しておいても、間違いが生じ易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、建物壁の出隅部を形成する一方の壁面に設置される直状保護カバーの切断長の測定、及び切断の各作業を容易にして、配線・配管作業の効率を高めることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための請求項1の発明は、建物壁における第1及び第2の各壁面が交差する出隅部に設置される出隅部保護カバーであって、互いに組み付けられるベース体とカバー体とで構成されて、配管方向に沿った両端部には、前記第1及び第2の各壁面に設置される各直状保護カバーの端部をそれぞれ内挿して接続する二つの接続口が形成され、
前記第2壁面に設置される直状保持カバーは、前記第2壁面に設置される他の付属保護カバーにより、一端側が規制された状態で、他端側が前記第1壁面の略延長面となる位置で切断されることで、自身の長さが定められ、前記第2壁面の側の接続口における前記第1壁面の略延長面となる位置には、
前記切断により長さが定められた前記直状保護カバーの設定長の進入のみを許容して、当該設定長を超える進入を規制する進入規制部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項1の発明において、第2壁面に設置される直状保護カバーの長さを定めるには、当該第2壁面上に設置される接続用保護カバー(付属保護カバー)に設けられた進入規制部に当該直状保護カバーの一端面を当接させた状態で、当該直状保護カバーを第2壁面に密着させる。この状態で、直上保護カバーにおける第1壁面の延長面と交差する部分において、当該直状保護カバーを設定長に切断する。以下、上記のようにして、設定長に切断された直状保護カバーを切断直状保護カバーという。
【0011】
請求項1の発明に係る出隅部保護カバーは、配管方向の両端部に設けられた二つの接続口のうち第2壁面の側の接続口における前記第1壁面の略延長面となる位置に、前記第2壁面に設置される直状保護カバーの設定長の進入のみを許容して、当該設定長を超える進入を規制する進入規制部が設けられている。よって、切断直状保護カバーを第2壁面に設置した状態で、第1及び第2の各壁面で形成される出隅部に出隅部保護カバーを設置して、切断直状保護カバーの他端部を出隅部保護カバーの接続口に内挿させると、当該切断直状保護カバーの一端部は、第2壁面上に設置された接続用保護カバー(付属保護カバー)の進入規制部により、当該進入規制部を超えて当該接続用保護カバーの内部に進入不能となると共に、当該切断直状保護カバーの一端部は、出隅部保護カバーの第2壁面の側の接続口に設けられた進入規制部により、当該進入規制部を超えて内部に進入不能となる。
【0012】
この結果、第2壁面に設置される直状保護カバーの切断長は、当該直状保護カバーを第2壁面に密着させて、その一端部を第2壁面に設置された接続用保護カバーの進入規制部に当接させた状態で、当該直状保護カバーにおける第1壁面の延長面と交差する部分において、当該直状保護カバーを切断するのみでよく、従来のように、施工現場において直状保護カバーの切断長をいちいち測定する必要がなくなると共に、測定が不要であるために、切断長の誤りもなくなる。この結果、出隅部保護カバー及び直状保護カバーを用いて行う配線・配管材の配線・配管作業を誤りなく、迅速に行えて、作業能率が高められる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記進入規制部は、カバー体の内面に設けられていることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、直状保護カバーが、ベース体とカバー体で構成されている場合のみならず、カバー体のみで構成されている場合においても、保護カバーのカバー体の内面に設けられた進入規制部により、直状保護カバーが当該進入規制部を超えて、内部に進入するのを確実に防止できる。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記ベース体は、第1壁面のみに設置されて、第2壁面には、カバー体のみが設置される構成であることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、第2壁面には、出隅部保護カバーを構成するカバー体のみが配置されて、当該第2壁面に密着するベース体は存在していないので、出隅部保護カバーの第2壁面の側の接続口に内挿される直状保護カバーの端部との干渉の問題がなくなって、出隅部保護カバーの第2壁面の側の接続口に形成される進入規制部の配置設計が容易となる。
【0015】
請求項4の発明は、
第1及び第2の各壁面の交差部に出隅部が形成されて、当該出隅部を含んで連続する第1及び第2の各壁面に配線・配管される配線・配管材を収容保護する保護カバー装置であって、前記第1壁面に設置される一般直状保護カバーと、前記第2壁面に設置される中間直状保護カバーと、前記出隅部に設置されて、配管方向に沿った両端部に、前記一般及び中間の各直状保護カバーの一方の各端部がそれぞれ内挿される第1及び第2の各壁面の側の各接続口を備えた出隅部保護カバーと、前記第2壁面に設置され、前記中間直状保護カバーの他方の端部が内挿される接続口を備えた付属保護カバーとから成り、前記出隅部保護カバーの第2壁面側の接続口、及び前記付属保護カバーの前記接続口には、前記中間直状保護カバーの両端部が所定長を超えて侵入するのを規制する侵入規制部がそれぞれ設けられ、前記出隅部保護カバーの第2壁面側の侵入規制部は、当該出隅部保護カバーを前記出隅部に設置した状態で、前記第1壁面の略延長面上に設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1の発明を、複数の保護カバーにより構成される「保護カバー装置」として把握して表現したものであり、その作用効果は、請求項1の発明と同等である。
【0017】
請求項
5の発明は、第1及び第2の各壁面の交差部に出隅部が形成されると共に、第2及び第3の各壁面の交差部に入隅部が形成されるように、連続した第1〜第3の三つの壁面に配線・配管される配線・配管材を収容保護する保護カバー装置であって、前記第1及び第3の各壁面に設置される一般直状保護カバーと、前記第2壁面に設置される中間直状保護カバーと、前記出隅部に設置されて、配管方向に沿った両端部に、前記一般直状保護カバー及び中間直状保護カバーの各端部がそれぞれ内挿される第1壁面側及び第2壁面側の各接続口をそれぞれ備えた出隅部保護カバーと、前記入隅部に設置されて、配管方向に沿った両端部に、前記中間直状保護カバー及び一般直状保護カバーの各端部がそれぞれ内挿される第2壁面側及び第3壁面側の各接続口をそれぞれ備えた入隅部保護カバーとから成り、前記出隅部保護カバーの第2壁面側接続口、及び前記入隅部保護カバーの第2壁面側接続口には、前記中間直状保護カバーの両端部が設定長を超えて進入するのを規制する進入規制部がそれぞれ設けられ、前記出隅部保護カバーの第2壁面側の進入規制部は、当該出隅部保護カバーを前記出隅部に設置した状態で、前記第1壁面の略延長面上に設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項
5の発明は、第2壁面と、当該第2壁面における第1壁面の反対側において接続する第3壁面とで入隅部が形成されていて、当該入隅部に入隅部保護カバーが設置される場合であって、第2壁面に設置される中間直状保護カバーの切断長を定めるには、当該中間直状保護カバーの一端部を、前記入隅部に設置される入隅部保護カバーの第2壁面側の接続口に設けられた進入規制部に当接させた状態で、当該中間直状保護カバーにおける第1壁面の延長面と交差する部分において、当該中間直状保護カバーを切断する。これにより、第2壁面に設置される中間直状保護カバーの切断長の測定が不要となって、切断長の誤りもなくなる。
【0019】
請求項
6の発明は、第1及び第2の各壁面の交差部に出隅部が形成されると共に、第2及び第3の各壁面の交差部に入隅部が形成されるように、連続した第1〜第3の三つの壁面に配線・配管される配線・配管材を収容保護する保護カバー装置であって、前記第2壁面に設置される中間直状保護カバーと、前記出隅部に設置されて、配管方向に沿った一端部に、前記中間直状保護カバーの一端部が挿入される第2壁面側接続口を備えた出隅部保護カバーと、前記入隅部に設置されて、配管方向に沿った一端部に、前記中間直状保護カバーの他端部が内挿される第2壁面側接続口を備えた入隅部保護カバーとから成り、前記出隅部保護カバーの第2壁面側接続口、及び前記入隅部保護カバーの第2壁面側接続口には、前記中間直状保護カバーの両端部が設定長を超えて進入するのを規制する進入規制部がそれぞれ設けられ、前記出隅部保護カバーの進入規制部と入隅部保護カバーの進入規制部との間の長さが、前記第2壁面の長さと略同一となるように、前記出隅部保護カバーの進入規制部は、前記第1壁面の延長面を超えて当該出隅部保護カバーの奥部に形成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項
6の発明によれば、出隅部及び入隅部の各保護カバーの第2壁面の側に設けられた各進入規制部の間の長さは、当該第2壁面の出隅部と入隅部との間の長さにほぼ等しくなっているために、中間直状保護カバーの切断長は、当該第2壁面の長さにほぼ等しい。従って、出隅部及び入隅部の各保護カバーを設置する前において、中間直状保護カバーを当該第2壁面に当接させて、当該中間直状保護カバーにおける第1壁面の延長面と略交差する位置において、当該中間直状保護カバーを切断すればよい。このように、中間直状保護カバーの切断長は、測定しなくても第2壁面に対して中間直状保護カバーを当接させるのみで、決定できて、当該切断長を簡単に、しかも間違いなく定められる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、第2壁面に設置される直状保護カバーの切断長は、当該直状保護カバーを第2壁面に密着させて、その一端部を第2壁面に設置された接続用保護カバーの進入規制部に当接させた状態で、当該直状保護カバーにおける第1壁面の延長面と交差する部分において、当該直状保護カバーを切断するのみでよく、従来のように、施工現場において直状保護カバーの切断長をいちいち測定する必要がなくなると共に、測定が不要であるために、切断長の誤りもなくなる。この結果、出隅部保護カバー及び直状保護カバーを用いて行う配線・配管材の配線・配管作業を誤りなく、迅速に行えて、配線・配管作業の能率が高められる。
【0022】
請求項
5又は
6の発明によれば、出隅部及び入隅部を形成する第2壁面に設置される中間直状保護カバーの切断長は、入隅部に設置された入隅部保護カバーの第2壁面側の接続口に形成された進入規制部に前記中間直状保護カバーの一端部を当接させるか、或いは当該中間直状保護カバーを第2壁面に密着させた状態で、第1壁面の略延長面と交差する部分となるため、出隅部及び入隅部の各保護カバー、及び中間直状保護カバーを用いて行う配線・配管材の配線・配管作業を誤りなく、迅速に行える。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。最初に、
図1〜
図11を参照して、本発明の実施に使用される出隅部保護カバーC
1 、入隅部保護カバーC
2 、中間直状保護カバー体K
0 及び直状保護カバーC
3 について説明し、その後に、各保護カバーC
1 〜C
3 及び中間直状保護カバー体K
0 を使用して、建物壁の出隅部A及び入隅部Bを通って第1〜第3の各壁面W
1 〜W
3 に配管材Pを配管する方法(施工順序)について説明する。なお、第1〜第3の各壁面W
1 〜W
3 は、互いに直交して交差している。
【0025】
出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 は、
図4〜
図11に示されるように、配管材Pにおける建物壁の出隅部A及び入隅部Bに配管される部分を覆う部材であって、共通のベース体V
1 とカバー体K
1 ,K
2 とで構成される。共通のベース体V
1 は、
図9及び
図10に示されるように、配管方向に沿って配置される長方形板状をしたベース部1の長手方向に沿って中央からずれた位置に幅広部2が形成され、当該幅広部2の両端部に上方に向けて一対の起立部3が一体に起立して設けられている。ベース部1の長さ(L
01)は、入隅部保護カバーC
2 における二つの壁面W
2 ,W
3 に配置される部分のうち壁面W
3 に配置される長さの長い側の部分の長さ(L
21)と同一である(
図8及び
図11参照)。直状保護カバーC
3 のベース体V
3 には、前記した共通のベース部1が挿入されて、当該ベース部1に対する幅方向の位置を定めるための位置決め凹部34〔
図6(b)参照〕が形成されており、当該ベース体V
1 のベース部1の幅(U
1 )は、前記ベース体V
3 の位置決め凹部34の幅(U
3 )よりも僅かに小さくなっている。ベース体V
1 の一対の起立部3の外側面における下端部には、後述の出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成する各カバー体K
1 ,K
2 の内側面に設けられた一対一組の組付凸部16,26が嵌合される被組付凹部4が形成されている。また、ベース部1の幅方向の中央部には、全長に亘って位置決め凹条5が設けられ、前記幅広部2における当該位置決め凹条5の部分には、建物壁における出隅部A及び入隅部Bを形成する二つの壁面W
1 ,W
2 (W
2 ,W
3 )のうちの一方の壁面W
1 (W
3 )に対して前記ベース体V
1 を固定するビス91の挿通孔6が形成されている。
【0026】
また、ベース体V
1 のベース部1には、長手方向に沿った中央部から一方の端部にずれた位置に一対の被組付凹部4が配置されていて、前記ベース部1における当該一対の被組付凹部4を基準にして両側に延出している部分は、それぞれ当該ベース体V
1 を前記壁面W
1 (W
3 )に固定する際の配管方向に沿った位置決め機能を果す出隅部用及び入隅部用の各位置合せ片7,8として機能している。
【0027】
次に、
図6〜
図9及び
図11を参照して、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成する各カバー体K
1 ,K
2 について説明する。出隅部保護カバーC
1 のカバー体K
1 は、建物壁の出隅部Aに沿って凸状に屈曲する天壁部11と、当該天壁部11の幅方向の両端部に一体に接続されて、先端面が出隅部Aを構成する二つの各壁面W
1 ,W
2 に沿って略当接する一対の側壁部12と、前記各壁面W
1 ,W
2 に沿って配置される直状保護カバーC
3 及び中間直状保護カバー体K
0 を接続するための互いに直交する各接続口13,14とを備えている。カバー体K
1 の各側壁部12の各壁面W
1 ,W
2 に当接する内側の部分は、当該各壁面W
1 ,W
2 の交差部A
0 に配置可能なように直角に切り欠かれた形状となっており、出隅部Aの交差部A
0 に宛てがわれる部分を交差部対応部15という。カバー体K
1 における各壁面W
1 ,W
2 に配置される各部分の長さL
11,L
12は異なっていて、壁面W
1 に配置される側が、壁面W
2 に配置される側よりも遥かに長くなるように形成されている。そして、一対の側壁部12における長さの長い側の内側面のみに、ベース体V
1 の一対の被組付凹部4に嵌合される一対の組付凸部16が対向して形成されている。一対の組付凸部16と前記交差部対応部15との間の距離(L
13)は、前記ベース体V
1 の一対の被組付凹部4と出隅部用位置合せ片7の端面7aとの間の距離(L
02)に等しい(
図11参照)。
【0028】
一方、入隅部保護カバーC
2 のカバー体K
2 は、建物壁の入隅部Bに沿って凹状に屈曲する天壁部21と、当該天壁部21の幅方向の両端部に一体に接続されて、先端面が出隅部Aを構成する二つの各壁面W
2 ,W
3 に沿って略当接する一対の側壁部22と、前記各壁面W
2 ,W
3 に沿って配置される中間直状保護カバー体K
0 及び直状保護カバーC
3 を接続するための互いに直交する各接続口23,24とを備えている。カバー体K
2 における各壁面W
2 ,W
3 に配置される各部分の長さ(L
21,L
22)は異なっていて、壁面W
3 に配置される側が、壁面W
2 に配置される側よりも長くなるように形成されている(
図8及び
図11参照)。そして、一対の側壁部22における長さの長い側の内側面のみに、ベース体V
1 の一対の被組付凹部4に嵌合される一対の組付凸部26が対向して形成されている。カバー体K
2 の一対の組付凸部26と壁面W
3 に配置される側の接続口23との間の距離(L
23)は、前記ベース体V
1 の一対の被組付凹部4と出隅部用位置合せ片7の端面7aとの間の距離(L
03)に等しい(
図11参照)。
【0029】
上記したように、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成する各カバー体K
1 ,K
2 は、出隅部A又は入隅部Bを構成する二つの壁面W
1 ,W
2 (W
2 ,W
3 )に配置される各部分の長さが異なっていて、一対の側壁部12(22)における長さの長い側の内側面のみに一対の組付凸部16(26)が対向して形成されていて、一対の側壁部12(22)における長さの長い側、換言すると壁面に対する必要保持力が大きな側において各カバー体K
1 ,K
2 がベース体V
1 に組み付けられる構成となっている。このため、一対の側壁部12(22)における長さが短くて、必要保持力の小さな側は、壁面W
2 に対して固定されていなくても、各カバー体K
1 ,K
2 を安定して壁面W
1 (W
3 )に対して保持固定できる。
【0030】
出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成する各カバー体K
1 ,K
2 の天壁部11,21における壁面W
2 に配置される部分の内面には、当該各カバー体K
1 ,K
2 の間である壁面W
2 に配置される中間直状保護カバー体K
0 が配管方向に沿って移動することにより設定長を超えて各カバー体K
1 ,K
2 の接続口14,24に進入するのを規制する進入規制突起17,27がそれぞれ設けられている。
【0031】
ここで、
図7に示されるように、出隅部保護カバーC
1 のカバー体K
1 の内面に形成された進入規制突起17は、出隅部Aを形成する第1壁面W
1 に固定されたベース体V
1 に対してカバー体K
2 を組み付けた状態において、第1壁面W
1 の延長面上に位置している。実施例では、カバー体K
1 の進入規制突起17は、第1壁面W
1 に固定されたベース体V
1 のベース部1の上面の延長面上に位置している。
【0032】
また、直状保護カバーC
3 は、配管材Pの直線配管部を覆う公知のカバーであって、
図3及び
図6(b)に示されるように、内部に配管材Pを収容保持して、壁面W
1 ,W
3 に固定されるベース体V
3 と、当該ベース体V
3 に覆蓋されるカバー体K
3 とから成る。ベース体V
3 は、板状のベース部31の幅方向の両端部に弾性変形可能な一対の保持壁部32が起立して形成され、当該一対の保持壁部32の基端部の外側に嵌合凹部33が形成され、前記ベース部31の裏面側に前記位置決め凹部34が設けられている。一方、カバー体K
3 は、天壁部35の幅方向の両端部に一対の側壁部36が対向して形成され、当該一対の側壁部36の下端部の内側に、前記ベース体V
3 の嵌合凹部33に嵌合される嵌合凸部37が形成されている。そして、ベース体V
3 の一対の保持壁部32の間に配管材Pを挿入保持された状態で、当該ベース体V
3 に対してカバー体K
3 を覆蓋させると、ベース体V
3 の一対の嵌合凹部33に対してカバー体K
3 の一対の嵌合凸部37が嵌合されて、ベース体V
3 とカバー体K
3 とが組み付けられる。
【0033】
また、
図3、
図4及び
図8に示されるように、配管材Pにおける建物壁の出隅部A及び入隅部Bとの間の壁面W
2 に配管される部分は、中間直状保護カバー体K
0 のみによって覆われる。中間直状保護カバー体K
0 は、前記直状保護カバーC
3 を構成するカバー体K
3 の一対の側壁部36の内側面に設けられた一対の嵌合凸部37を欠落させた構成であって、天壁部41の幅方向の両端部に一対の側壁部42が一体に接続された構成である。なお、入隅部及び出隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成するベース体V
1 及び各保護カバー体K
1 ,K
2 は、樹脂の射出成形により形成され、中間直状保護カバー体K
0 並びに直状保護カバーC
3 を構成するベース体V
3 とカバー体K
3 は、樹脂の押出成形により形成される。
【0034】
次に、
図1〜
図5を参照して、各保護カバーC
1 〜C
3 及び中間直状保護カバー体K
0 を使用して、建物壁の出隅部A及び入隅部Bを通って各壁面W
1 〜W
3 に配管材Pを配管する方法(施工順序)について説明する。
図1に示されるように、建物壁に設けられた出隅部Aと入隅部Bとは、比較的近接していて、当該出隅部A及び入隅部Bの部分に配管材Pを配管する例を挙げる。まず、
図1に示されるように、第1〜第3の各壁面W
1 〜W
3 の配管位置には罫書き線Jが罫書かれていて、出隅部A及び入隅部Bを構成する二つの壁面のうち互いに平行な壁面W
1 ,W
3 に対してそれぞれベース体V
1 を前記罫書き線Jに沿って固定する。出隅部Aを構成する壁面W
1 にベース体V
1 を固定するには、出隅部用位置合せ片7の端面7aを出隅部Aの交差部A
0 に位置合せして、当該ベース体V
1 を配管方向に配置して、ビス91を介して当該ベース体V
1 を壁面W
1 に固定する。一方、入隅部Bを構成する壁面W
3 にベース体V
1 を固定するには、入隅部用位置合せ片8の端面8aを入隅部Bの交差部B
0 に位置合せして、即ち、当該端面8aを壁面W
2 に当接させた状態で、壁面W
3 に対してベース体V
1 をビス91を介して固定する。
【0035】
次に、任意の長さを有する原中間直状保護カバー体K
01を切断して、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 の間に配置可能な設定長L
K0を有する中間直状保護カバー体K
0 とするには、
図2に示されるように、入隅部Bに固定されたベース体V
1 に対してカバー体K
2 を仮組み付けした状態で、当該カバー体K
2 における第2壁面W
2 に沿った接続口24に原中間直状保護カバー体K
01を部分内挿させて、当該原中間直状保護カバー体K
01の一端面を前記接続口24内に形成された進入規制突起27に当接させた状態で、当該原中間直状保護カバー体K
01を第1壁面W
1 に固定されたベース体V
1 のベース部1の上面の延長面F
1 と交差する部分において切断する。これにより、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成する各カバー体K
1 ,K
2 の内面の各進入規制突起17,27の間に配置可能な設定長L
K0を有する中間直状保護カバー体K
0 が形成される。ここで、原中間直状保護カバー体K
01の切断位置は、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 の各カバー体K
1 ,K
2 の内面に設けられた進入規制突起17,27の間に、切断された中間直状保護カバー体K
0 が配置可能となるように、第1壁面W
1 に固定されたベース体V
1 のベース部1の上面の延長面との交差部よりもやや内側にして、切断された中間直状保護カバー体K
0 が前記各進入規制突起17,27に僅かの隙間を有して配置されるようにすることが望ましい。また、入隅部Bにおいて、ベース体V
1 に対して仮組み付けしたカバー体K
2 は、中間直状保護カバー体K
0 を設定長L
K0に切断した後には、取り外す。なお、
図2において、K
02は、原中間直状保護カバー体K
01を設定長L
K0に切断した後の他方の切断片を示す。
【0036】
なお、第1及び第3の各壁面W
1 ,W
3 に設置される直状保護カバーC
3 に関しても、「背景技術」の項目において、直状保護カバーC
3'を設定長に切断するのと全く同様にして、設定長に切断しておく。
【0037】
次に、
図3及び
図6(b)に示されるように、出隅部Aにおいては、壁面W
1 に固定されたベース体V
1 の入隅部用位置合せ片8が、直状保護カバーC
3 のベース体V
3 に設けられた位置決め凹部34に挿入された状態で、当該ベース体V
3 をビス(図示せず)を用いて壁面W
3 に固定する。全く同様にして、入隅部Bにおいては、壁面W
3 に固定されたベース体V
1 の出隅部用位置合せ片7が、直状保護カバーC
3 のベース体V
3 に設けられた位置決め凹部34に挿入された状態で、当該ベース体V
3 をビス(図示せず)を用いて壁面W
1 に固定する。図示の施工例では、各壁面W
1 ,W
3 において、直状保護カバーC
3 のベース体V
3 の端面は、いずれもベース体V
1 に起立して形成された一対の起立部3の端面に当接している。出隅部A及び入隅部Bに配管される配管材Pは互いに逆方向に屈曲して配管する必要があるため、所定長に切断された3本の配管材Pがエルボ92を介して接続されており、各エルボ92を出隅部A及び入隅部Bに配置した状態で、接続済の2本の各配管材Pをそれぞれ壁面W
1 ,W
3 に固定された直状保護カバーC
3 の各ベース体V
3 に収容保持させる。
【0038】
引き続いて、
図4に示されるように、第1及び第3の各壁面W
1 ,W
3 に設置された直状保護カバーC
3 のベース体V
3 に対してカバー体K
3 を覆蓋させた後に、壁面W
2 に配管された配管材Pを覆う中間直状保護カバー体K
0 を一方の手で保持した状態で、他方の手で持った出隅部保護カバーC
1 のカバー体K
1 を、壁面W
1 に固定されたベース体V
1 に対して押し込むと、当該ベース体V
1 の一対の被組付凹部4に対してカバー体K
1 の一対の組付凸部16が嵌合して、壁面W
1 に固定されたベース体V
1 に対してカバー体K
1 が一体に組み付けられる。全く同様にして、壁面W
3 に固定された別のベース体V
1 に対して入隅部保護カバーC
2 のカバー体K
2 を押し込んで、当該別のベース体V
1 に対してカバー体K
2 を一体に組み付ける。
【0039】
これにより、
図5及び
図8に示されるように、出隅部及び入隅部保護カバーC
1 ,C
2 の各カバー体K
1 ,K
2 は、直状保護カバーC
3 のカバー体K
3 及び中間直状保護カバー体K
0 の各端部に対して所定長だけ覆い被さった状態で、別々のベース体V
1 に対して一体に組み付けられる。
【0040】
また、上記したように、出隅部保護カバーC
1 のカバー体K
1 の内面に設けられた進入規制突起17の配管方向に沿った形成位置、及び中間直状保護カバー体K
0 の長さは、いずれも第1壁面W
1 に固定されたベース体V
1 のベース部1の上面の位置を基準にして定めてあるので、中間直状保護カバー体K
0 の両端面は、それぞれ出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 の各カバー体K
1 ,K
2 の天壁部11,21の内面に設けられた各進入規制突起17,27に当接して、当該直状カバー体K
0 は、配管方向に沿って移動不能となって、配置位置が固定される(
図8参照)。
【0041】
また、上記実施例では、中間直状保護カバー体K
0 の一端部は、入隅部Bに設置される入隅部保護カバーC
2 のカバー体K
2 の接続口24に部分内挿されて、当該接続口24の内面に設けられた進入規制突起27により、当該進入規制突起27を超えて更に内部に進入するのを防止しているが、本発明(請求項1の発明)では、中間直状保護カバー体K
0 の一端部は、第2壁面W
2 に設置される入隅部保護カバー以外の接続用保護カバー(付属保護カバー)の接続口に部分内挿される場合もあり得る。
【0042】
また、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 の間に配置される中間直状保護カバーとしては、上記実施例のように、ベース体を有していないカバー体のみからなる場合のみならず、ベース体に対してカバー体が組み付けられる構成であっても、設置可能である。ベース体を有する中間直状保護カバーであっても、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成するベース体が、当該中間直状保護カバーが配置される第2壁面W
2 には、存在しない構成の場合には、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成するベース体と、中間直状保護カバーを構成するベース体との干渉がないために、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 を構成するカバー体K
1 ,K
2 に設けられる各進入規制突起17,27の配置位置の制約が少なくなって、当該配置設計が容易となる。
【0043】
また、上記した配管方法(施工順序)では、最初に、互いに平行な壁面W
1 ,W
3 の出隅部A及び入隅部Bの部分に罫書き線Jに沿ってベース体V
1 をそれぞれ固定することにより、配管作業を行ったが、以下に示す配管方法によれば、配管経路の一部にのみ罫書き線を罫書けば足り、必ずしも配管経路の全域に亘って罫書き線を罫書く必要がなくなる。
【0044】
具体的には、
図12に示されるように、出隅部Aに出隅部保護カバーC
1 を設置する場合において、入隅部Bを構成する壁面W
3 に固定された直状保護カバーC
3 のベース体V
3 と位置合せして、入隅部保護カバーC
2 のベース体V
1 を前記壁面W
3 に固定した後に、当該ベース体V
1 に入隅部保護カバー体K
2 を一体に組み付けて、設定長に切断された中間直状保護カバー体K
0 を壁面W
2 に沿って配置して、その一端部を前記入隅部保護カバー体K
2 に内挿して、進入規制突起27に当接させ、この状態で、出隅部保護カバーC
1 を構成するベース体V
1 とで出隅部保護カバー体K
1 とを一体に組み付けた状態で、当該出隅部保護カバー体K
1 を、設置済の前記中間直状保護カバー体K
0 に対して接続させる。これにより、中間直状保護カバー体K
0 の他端面は、出隅部保護カバー体K
1 の内面に設けられた進入規制突起17に当接して、中間直状保護カバー体K
0 に対して出隅部保護カバーC
1 が正規の位置に配置される。ベース体V
1 のベース部1には、幅広部2に形成されたビス挿通孔6の他に、当該ベース体V
1 に対して出隅部保護カバー体K
1 を組み付けた状態で、当該カバー体K
1 から突出する部分に別のビス挿通孔6(
図10参照)が形成されていて、当該別のビス挿通孔6に挿通されたビス91を介して壁面W
1 に対して前記ベース体V
1 を固定する。
【0045】
これにより、配管経路に設置された中間直状保護カバー体K
0 を基準にして、建物壁の出隅部Aに出隅部保護カバーC
1 が設置固定されるので、壁面W
1 には、出隅部保護カバーC
1 のベース体V
1 の設置位置を定めるための罫書き線Jを罫書く必要がなくなる。また、当然のことながら、上記のようにして、配管経路に設置された中間直状保護カバー体K
0 を基準にして出隅部保護カバーC
1 を設置することにより、当該出隅部保護カバーC
1 を構成するベース体V
1 は、ベース部1の出隅部用位置合せ片7の端面7aが出隅部Aの交差部A
0 に配置される正規の位置に配置されるため、出隅部Aにベース体V
1 を固定する際の、交差部A
0 との位置合せも不要となる。なお、上記のようにして、出隅部保護カバーC
1 を壁面W
1 に固定した後には、配管材Pの配管のために、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 のカバー体K
1 ,K
2 及び中間直状保護カバー体K
0 は、取り外される。
【0046】
また、上記実施例では、出隅部保護カバーC
1 に設けられる中間直状保護カバー体K
0 の進入規制突起17は、出隅部保護カバー体K
1 の側に設けられているが、例えば前記ベース体V
1 のベース部1の交差部A
0 の側の端部を当該交差部A
0 から僅かに突出させて配置したり、或いは前記ベース部1の交差部A
0 の側の端部を僅かにL字形に屈曲させることにより、ベース体の側に中間直状保護カバー体K
0 の進入規制突起を設けることも可能である。
【0047】
次に、
図13〜
図16を参照して、本発明の別の実施例について説明する。出隅部保護カバーC
1'は、ベース体V
1 とカバー体K
1'とから成り、入隅部保護カバーC
2'は、ベース体V
1 とカバー体K
2'とから成る。各保護カバーC
1',C
2'は、これらを構成するカバー体K
1', K
2'の配管方向に沿った横断面形状がコの字状である点が、前記保護カバーC
1 ,C
2 と異なる(
図14及び
図15参照)。従って、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1',C
2'の各部分の符号は、出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 の各部分の符号に対して「’」を付する。
【0048】
また、
図13に示されるように、入隅部保護カバーC
2'のカバー体K
2'の天壁部21’の内面には、中間直状保護カバー体K
0'の一端部が設定長を超えて進入するのを規制する進入規制突起27’が設けられているが、出隅部保護カバーC
1'のカバー体K
1'には、進入規制突起は設けられていない。出隅部A及び入隅部Bにそれぞれ出隅部保護カバーC
1'及び入隅部保護カバーC
2'を設置した状態で、第1壁面W
1 から出隅部保護カバーC
1'のカバー体K
1'の天壁部11’までの長さは、第3壁面W
3 から入隅部保護カバーC
2'のカバー体K
2'の進入規制突起27’の当接面までの長さと等しくて、(L
D ) となっている。なお、
図14に示されるように、カバー体K
1'における接続口13’の部分は、直状保護カバーC
3 と接続可能な形状に形成されている。
【0049】
このため、
図13及び
図16に示されるように、中間直状保護カバー体K
0'の長さ(L
W2) は、第2壁面W
2 の配管方向に沿った長さ(L
W2) と同一となる。従って、原中間直状保護カバー体K
01’から長さ(L
W2) の中間直状保護カバー体K
0'を得るには、
図16に示されるように、原中間直状保護カバー体K
01’を第2壁面W
2 の配管方向に沿わせて、その一端面を第3壁面W
3 に当接させた状態で、第1壁面W
1 の延長面F
2 と交差する位置において、原中間直状保護カバー体K
01’を切断すればよいので、中間直状保護カバー体K
0'の切断長をいちいち測定する必要がなくなると共に、切断長の誤りもなくなる。
【0050】
よって、
図13において、入隅部Bに入隅部保護カバーC
2'を設置した状態で、第2壁面W
2 に沿わせた中間直状保護カバー体K
0'の一端面を、当該入隅部保護カバーC
2'のカバー体K
2'の内面の進入規制突起27’に当接させた状態で、出隅部Aを構成する第1壁面W
1 に固定されたベース体V
1 に対してカバー体K
1'を組み付けると、中間直状保護カバー体K
0'の他端面は、当該カバー体K
1'の天壁部11’の内面に当接する。従って、カバー体K
1'の天壁部11’は、中間直状保護カバー体K
0'の進入規制部として機能している。
【0051】
また、出隅部保護カバーのカバー体に設けられる進入規制部は、入隅部保護カバーのカバー体に設けられる進入規制部の形成位置との関係において、当該出隅部保護カバーを出隅部に設置した状態で、第1壁面の延長面と交差する部分とカバー体の天壁部との中間位置に設けられたり、或いは出隅部保護カバーのカバー体の天壁部を外方に膨出させて、当該膨出部の内面を進入規制部とすることも可能である。
【0052】
また、前記各実施例では、出隅部保護カバーC
1 ,C
1'を構成する各出隅部保護カバー体K
1 ,K
1'及び入隅部保護カバーC
2 ,C
2'を構成する各入隅部保護カバー体K
2 ,K
2'における連結する各壁面W
1 ,W
2 (W
2 ,W
3 )に配置される部分の長さに関しては、ベース体V
1 が配置される側の部分の長さが、配置されない側の部分の長さに比較して長くなっているが、両部分の長さは同じでもよく、ベース体V
1 が固定される側の部分の長さが短くなるように、逆にしてもよい。
【0053】
また、中間直状保護カバー体K
0 ,K
0'の切断長に関しては、設置状態において、配管方向にスライドした場合に、両端部が出隅部及び入隅部の各保護カバーC
1 ,C
2 (C
1', C
2') の接続口13,14(13’,14’)〔23,24(23’,24’)〕から外れなければよいので、上記したように、両端の各進入規制突起17,27(17’,27’)の間にぴったり嵌まって、スライドしないような切断長に切断する必要はない。
【0054】
更に、上記各実施例では、出隅部保護カバーC
1 (C
1') 及び入隅部保護カバーC
2 (C
2')を構成する各ベース体V
1 は、共用されているが、それぞれ専用の異なるベース体で構成することも可能である。例えば、出隅部保護カバーのベース体の側に、中間直状保護カバー体の進入規制部を設ける場合には、出隅部及び入隅部の各保護カバーを構成する各ベース体の構成は、異なるものとなる。