特許第5738713号(P5738713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5738713-照明装置 図000002
  • 特許5738713-照明装置 図000003
  • 特許5738713-照明装置 図000004
  • 特許5738713-照明装置 図000005
  • 特許5738713-照明装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738713
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150604BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20150604BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20150604BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20150604BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20150604BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150604BHJP
【FI】
   F21S2/00 218
   F21S2/00 217
   F21V19/00 150
   F21V19/00 170
   F21V3/00 320
   F21V3/02 200
   F21S2/00 215
   H01L33/00 430
   F21Y101:02
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-171955(P2011-171955)
(22)【出願日】2011年8月5日
(65)【公開番号】特開2013-37847(P2013-37847A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司
(72)【発明者】
【氏名】高光 太郎
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−181969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/00
F21V 3/02
F21V 19/00
H01L 33/58
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源が第1の発光面に実装される第1の基板と、前記第1の基板より面積が大きく、第2の光源が第2の発光面に実装される第2の基板とを有し、前記第1の基板の前記第1の発光面の裏面である第1の非発光面と前記第2の基板の前記第2の発光面の裏面である第2の非発光面とが当接されて固定された基板部であって、前記第1の発光面を表面とし、前記第2の発光面を裏面とする基板と、
前記裏面の面積より小さい取付面と、前記取付面に対向する対向面であって前記取付面の面積よりも大きい対向面と、前記取付面の周縁から前記対向面の周縁に向かって広がる側面とを備え、前記裏面に前記取付面を当接させて前記基板を取り付ける基板取付台とを備え、
前記基板は、
前記裏面の領域のうち前記取付面が当接されていない領域に前記第2の光源が実装されることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記取付面は、前記裏面の領域のうちの中央の領域に当接され、
前記第2の光源は、前記中央の領域を囲むように実装されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記照明装置は、さらに、
前記基板取付台と前記基板取付台に取り付けられた前記基板とを覆う透光性のグローブを備え、
前記基板取付台の側面は、
前記光源から発せられる光を反射して前記グローブを通過させる反射面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記グローブは、
前記取付面に平行な面による断面が環形状であり、
前記基板は、
前記グローブの前記断面のうち直径が最大となる最大直径断面と同一面に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記基板取付台の側面は、テーパー状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記基板取付台は、前記対向面と前記側面との角度が40度から60度であることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記基板取付台の側面は、凹曲面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
前記取付面と前記対向面と前記基板とは円形状であり、
前記基板の半径は、前記対向面の半径の2分の1から4分の3の長さであり、
前記取付面の半径は、前記基板の半径の2分の1から4分の3の長さであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード素子を用いる照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
白熱電球に近い広い配光のLED電球を実現するためにいろいろな改良がされてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−243807号公報
【特許文献2】特開2009−4130号公報
【特許文献3】特開2004−296245号公報
【特許文献4】特開2008−103112号公報
【特許文献5】特開2010−129300号公報
【特許文献6】特開2010−157459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、発光ダイオード素子を用いて、広い配光の照明装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る照明装置は、
表面と裏面とを備える基板と、
前記裏面の面積より小さい取付面と、前記取付面に対向する対向面であって前記取付面の面積よりも大きい対向面と、前記取付面の周縁から前記対向面の周縁に向かって広がる側面とを備え、前記裏面に前記取付面を当接させて前記基板を取り付ける基板取付台とを備え、
前記基板は、
前記裏面の領域のうち前記取付面が当接されていない領域に光源が実装されることを特徴とする。
【0006】
前記取付面は、前記裏面の領域のうちの中央の領域に当接され、
前記光源は、前記中央の領域を囲むように実装されることを特徴とする。
【0007】
前記照明装置は、さらに、
前記基板取付台と前記基板取付台に取り付けられた前記基板とを覆う透光性のグローブを備え、
前記基板取付台の側面は、
前記光源から発せられる光を反射して前記グローブを通過させる反射面であることを特徴とする。
【0008】
前記グローブは、
前記取付面に平行な面による断面が環形状であり、
前記基板は、
前記グローブの前記断面のうち直径が最大となる最大直径断面と同一面に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
前記基板取付台の側面は、テーパー状であることを特徴とする。
【0010】
前記基板取付台は、前記対向面と前記側面との角度が40度から60度であることを特徴とする。
【0011】
前記基板取付台の側面は、凹曲面であることを特徴とする。
【0012】
前記取付面と前記対向面と前記基板とは円形状であり、
前記基板の半径は、前記対向面の半径の2分の1から4分の3の長さであり、
前記取付面の半径は、前記基板の半径の2分の1から4分の3の長さであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る照明装置によれば、表面と裏面とを備える基板と、前記裏面の面積より小さい取付面と、前記取付面に対向する対向面であって前記取付面の面積よりも大きい対向面と、前記取付面の周縁から前記対向面の周縁に向かって広がる側面とを備え、前記裏面に前記取付面を当接させて前記基板を取り付ける基板取付台とを備え、前記基板は前記裏面の領域のうち前記取付面が当接されていない領域に光源が実装されるので、前記裏面に実装される光源から発せられる光が、前記側面により反射して、前記対向面に対して180度以上の配光を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1の照明装置100の構造図である。
図2】実施の形態1の照明装置100において、透光性グローブ10を外した状態の平面図である。
図3】実施の形態1の照明装置100の光路の概略図である。
図4】実施の形態2に係る照明装置100cの構造図である。
図5】実施の形態2に係る照明装置100cの光路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
(1)第1の実施の形態(図1図2図3
図1は、実施の形態1の照明装置100の構造図である。図2は、実施の形態1の照明装置100において、透光性グローブ10を外した状態の平面図(図1のP方向から見た図)である。図3は、実施の形態1の照明装置100の光路の概略図である。図1〜3を用いて、実施の形態1に係る照明装置100の構成について説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態に係る照明装置100は、口金部7と、外郭部60と、透光性グローブ10と、段差部40と、LED基板3a,3bとを備える。LED基板3(3a,3b)は、発光面31(31a,31b)にLED素子8(8a,8b)を実装する。
【0017】
LED基板3a,3bは、発光面31a,31bではない面(非発光面32a,32b)同士が当接されて固定されている。発光面31a,31bではない面(非発光面32a,32b)同士が当接されて固定されているLED基板3a,3bを、LED基板3と呼ぶ場合もある。LED基板3は基板の一例である。また、LED基板3aの発光面31aは基板の表面の一例であり、LED基板3bの発光面31bは基板の裏面の一例である。
【0018】
LED基板3は、LED素子8が実装されているLED基板3の発光面31を覆うポリカーボネート製の透光性グローブ10と外郭部60と口金部7とからなる筐体内に設置されている。LEDを点灯する点灯回路基板(図示せず)は筐体を形成する外郭部60の内部に設置されている。
【0019】
外郭部60の透光性グローブ10側の面にある本体平面板51はアルミニウム製である。本体平面板51は、透光性グローブ10と照明装置本体50とを接合する平面にある。
【0020】
照明装置本体50は、外郭部60の内部に設置されている点灯回路基板と、外郭部60と、口金部7と、本体平面板51などから構成されている。
【0021】
透光性グローブ10は、後述する段差部40と、段差部40に取り付けられたLED基板3とを包み込むように設置される。透光性グローブ10は、例えば、ポリカーボネート製である。透光性グローブ10には、周囲360度、本体平面板の半径S(図1参照)よりも外側に張り出したグローブ張出部11が設けられている。
【0022】
透光性グローブ10の内部(内面)には光を拡散、反射する酸化チタンなどの光拡散反射剤および光拡散剤が塗布され、光拡散膜2が形成されている。光拡散膜2には、光を反射、拡散する材料であればシリカ、アルミナ等どの材料を用いても構わない。また樹脂自体をフロスト加工しても構わないし光拡散剤を添加した樹脂でも構わない。
【0023】
筐体は、上述したように、透光性グローブ10と、外郭部60と、口金部7とよりなる。外郭部60は、LED素子8を冷却するアルミニウム製の放熱体を兼ねるものであり、複数の放熱体61を有している。
【0024】
LED素子8a,8bが実装されたLED基板3a,3bが、筐体内に設置されている。LED点灯する点灯回路基板(図示せず)は筐体を形成する外郭部60(放熱体)の内部に設置されている。
【0025】
LED基板3(3a,3b)の面をz方向とし、照明装置100の中心軸をx方向とする。
x:LED基板3(3a,3b)の基板面垂直(照明装置軸)方向
z:LED基板3(3a,3b)の基板面水平方向
【0026】
外郭部60の透光性グローブ10側の円盤面(本体平面板51)はアルミニウム製である。LED素子8a,8bが実装されたLED基板3a,3bは、照明装置100の本体平面板51の上に設けられた段差部40(基板取付台の一例)上に設けられる。
【0027】
段差部40は、LED基板3bの発光面31b(基板の裏面)の面積より小さい基板取付面44(取付面の一例)と、基板取付面44に対向する底部45(対向面の一例)であって基板取付面44の面積よりも大きい底部45とを備える。そして、段差部40は、基板取付面44の周縁から底部45の周縁に向かって広がる側面を備える。段差部40は、LED基板3bの発光面31b(基板の裏面)に基板取付面44を当接させてLED基板3を取り付ける基板取付台の一例である。
【0028】
LED基板3は、LED基板3bの発光面31b(基板の裏面)の領域のうち基板取付面44が当接されていない領域にLED素子8b(光源)が実装される。
【0029】
図1に示すように、段差部40の側面は、テーパー状に広がるテーパー面41であり、LED素子8bから発せられる光を反射して透光性グローブ10を通過させる反射面である。
【0030】
段差部40は、本体平面板51からLED基板3(3a,3b)に向かうテーパー面41(側面の一例)を有し、円錐形状をしている。段差部40は、透光性グローブ10と反対側にテーパー状に広がっているテーパー面41(テーパー部)を備える。
【0031】
段差部40は、例えば、熱伝導性のポリブチレンテレフタラート樹脂製である。段差部40のテーパー面41(テーパー部)には光拡散剤が塗布されている。
【0032】
図2に示すように、基板取付面44、底部45、LED基板3a,3b、本体平面板51はいずれも円形状である。基板取付面44の中心、底部45の中心、LED基板3a,3b、本体平面板51の中心とが重なるように配置される。基板取付面44は、LED基板3bの発光面31b(基板の裏面)の領域のうちの中央の領域に当接され、LED素子8bは、LED基板3bの発光面31b(基板の裏面)の中央の領域を囲むように実装される。
【0033】
図2に示すように、発光面31bの周縁近傍に、基板取付面44が当接されている領域を囲むように、8つのLED素子8bが実装されている。また、LED基板3aの発光面31aには、LED基板3aの発光面31aの中心を囲むように8つのLED素子8aが実装されている。
【0034】
透光性グローブ10は、基板取付面44に平行な面による断面が環形状である。図1に示すように、LED基板3は、透光性グローブ10の基板取付面44に平行な面による断面のうち、直径が最大となる最大直径の部分(最大直径断面ともいう)と同一面に取り付けられる。
【0035】
LED基板3a,3bは、照明装置100の本体平面板51の中心位置と透光性グローブ10の頂部を結ぶ線xが、LED基板3a,3bの中心又は中心付近に位置するように配置される。また、LED基板3a,3bは、グローブ張出部11の最大直径の部分に配置される。
【0036】
図2に示すように、LED基板3a,3bは、円形であり、表面(LED基板3aの発光面31a)に、LED素子8aが複数(例えば、8個)実装される。そして、裏面(LED基板3bの発光面31b)の周囲(縁)に環状にLED素子8bが複数(例えば、8個)実装される。
【0037】
本実施の形態に係るLED基板3(3a,3b)は、アルミニウム製である。図1に示すように、LED基板3aの非発光面32aとLED基板3bの非発光面32bとを合わせることで、金属性の1つのLED基板3を製造する。2つの基板(LED基板3a,LED基板3b)の非発光面32同士を合わせることで、両面にLED素子8を配置することができる。
【0038】
基板の表面は、上側の面であり、LED基板3aの発光面31aとその外周からはみ出して見えるLED基板3bの非発光面32bである。LED基板3aの直径M(図2参照)は、基板の裏面である下側の面(LED基板3bの発光面31b)の直径L(図2参照)よりも小さい。
【0039】
図2に示すように、LED基板3bの半径Lは、本体平面板51の半径Hの2分の1から4分の3の長さであることが好ましい。半径Lは、半径Hの3分の2の長さでもよい。また、半径Lは、半径Hの2分の1から4分の3の長さ以外の長さでも構わない。
【0040】
図2に示すように、基板取付面44の半径Tは、LED基板3bの半径Lの2分の1から4分の3の長さであることが好ましい。半径Tは、半径Lの3分の2の長さでもよい。また、半径Tは、半径Lの2分の1から4分の3の長さ以外の長さでも構わない。
【0041】
LED基板3bの発光面31bに対する基板取付面44の占める割合が、小さ過ぎるとLED基板3の放熱が不十分となってしまう。また、LED基板3bの発光面31bに対する基板取付面44の占める割合が大き過ぎると、LED素子8bを実装する領域が狭くなりすぎてしまい、明るさを確保できなくなってしまう。
【0042】
また、本体平面板51と底部45とはほぼ等しいことが好ましい。図2では、照明装置100をP方向から見た場合に本体平面板51がR1領域分だけやや大きくなっている。この環状のR1領域には、透光性グローブ10が取り付けられることが想定されており、図1に示すように、R1領域は実際には隠れている状態となる。これにより、LED素子8bから発せられる光は全てが直接透光性グローブ10を通過するか、あるいは段差部40のテーパー面41に反射して透光性グローブ10を通過するので、光の無駄がない。
【0043】
図2において、点線で囲まれた円形の領域は、段差部40の基板取付面44と、LED基板3bの発光面31b(基板裏面)とが当接している領域である。図1図2に示すように、LED基板3(3a,3b)は、LED基板3aの発光面31aから透光性グローブ10の方向(上方(図1参照))に光を照射するLED素子8aを、LED基板3aの発光面31aに実装する。また、LED基板3bの発光面31bから本体平面板51の方向に光を照射するLED素子8bを、LED基板3bの発光面31bの領域のうちの基板取付面44に当接されていない領域に実装する。
【0044】
LED基板3bの発光面31bの領域のうちの基板取付面44が当接されていない部分を、段差部40の基板取付面44の周縁から張り出した基板張出部35とする(図1図2参照)。つまり、LED基板3bの発光面31bから本体平面板51の方向(下方)に光を照射するLED素子8bは、基板張出部35に実装される。
【0045】
段差部40のテーパー面41と本体平面板51(z方向)とがなす角度θ1は、40度から60度であるが、40度から50度が好適である。また、段差部40のテーパー面41とLED基板(z方向)とがなす角度θ2は、140度から120度であるが、140度から130度が好適である。
【0046】
段差部40のテーパー面41と本体平面板51(z方向)とがなす角度θ1は、40度から50度の中でも45度がより好適である。また、段差部40のテーパー面41とLED基板(z方向)とがなす角度θ2は、140度から130度の中でも135度がより好適である。
【0047】
上述したように、本実施の形態の照明装置100では、2つのLED基板3a,3bを接合することにより、両面にLED素子8を実装した1つのLED基板3を製造している。しかし、両面実装型の基板を用いても良い。その場合は、両面実装型の基板の面積は、LED基板3bの面積(半径L)と同様となるように設計する。
【0048】
段差部40の底部45(底面)は、本体平面板51に取り付けられる。段差部40の底部45の面積(半径S)は、本体平面板51の面積(半径H)と同じかやや小さい。段差部40の天部(基板取付面44)から段差部40の底部45に向かって、テーパー面41(斜面)が形成され、段差部40の底部45が本体平面板51に取り付けられる。
【0049】
LED基板3(3b)には、段差部40より張出した基板張出部35が存在する。基板張出部35とは、LED基板3(3b)の発光面31(31b)の領域のうち段差部40の基板取付面44(天部)から周囲360度はみ出した部分である。
【0050】
LED基板3(3a)の透光性グローブ10側(上側)の表面(発光面31a)にLED素子8aが実装され、LED基板3(3b)の段差部40側(下側)の基板張出部35の裏面(LED基板3bの発光面31b)にLED素子8bが実装される。すなわち、LED基板3の両側の面にLED素子8が実装される。
【0051】
本実施の形態によるLED基板3の各面に配置されたLED素子8による光路の概略図を、図3に示す。
【0052】
LED素子8aから発せられる光L1は、直接、光拡散膜2及び透光性グローブ10に到達し、光拡散膜2及び透光性グローブ10の光拡散作用により拡散されて外部に照射される。
【0053】
LED素子8bから発せられる光L2は、段差部40のテーパー面41に到達し反射してL21の光路をとる。L21は、光拡散膜2及び透光性グローブ10に到達し、光拡散膜2及び透光性グローブ10の光拡散作用により拡散されて外部に照射される。
【0054】
LED素子8bから発せられる光L3は、段差部40のテーパー面41に到達し反射してL31の光路をとる。L31は、光拡散膜2及び透光性グローブ10に到達し、光拡散膜2及び透光性グローブ10の光拡散作用により拡散されて外部に照射される。
【0055】
グローブ張出部11、透光性グローブ10内部に塗布された光拡散膜2(光拡散反射剤)および光拡散剤、テーパー状の段差部40によりLED基板の両面に配置されたLED光は、上述したように図3のような光路となり、180°以上の配光を実現するとともに、z方向により多くの光を配光することが出来る。
【0056】
本実施の形態に係る照明装置100は、光源が実装された基板と、前記光源を冷却する放熱体と、前記光源を点灯する点灯回路基板と、光源の発光面を覆う透光性のグローブとを備える照明装置において前記光源は前記グローブと前記照明装置本体とを接合する前記照明装置の平面上に設けられた段差部上に設けられた基板上に実装され、前記基板は段差部より張出した張出部が設けられ、前記基板の前記透光性のグローブ側の面と前記基板の段差部側の張出部の面の両方に光源を実装したことを特徴とする。したがって、本実施の形態に係る照明装置100によれば、基板の段差部側の張出部の面に光源を実装したことにより透光性グローブと照明装置本体とを接合する平面上に対し、反透光性グローブ方向にも光が放射され、180以上の配光を実現することができる。
【0057】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記光源が実装された基板の位置は前記グローブと前記照明装置本体とを接合する前記照明装置の平面の中心位置と前記グローブの頂部を結ぶ線の中心付近に設けられることを特徴とする。したがって、本実施の形態に係る照明装置100によれば、光源を実装する基板を透光性グローブの中央部に設けることで、透光性グローブの基部方向にも光が放射され、180度以上の配光を実現することが出来る。
【0058】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記段差部は透光性のグローブと反対側にテーパー状に広がることを特徴とする。したがって、本実施の形態に係る照明装置100によれば、段差部を透光性のグローブと反対側にテーパー状に広げることにより、本体とを接合する平面上に対し、透光性グローブの基部方向にも光が放射され、180°以上の配光を実現するとともに、上記平面方向に従来に比べより多くの光を配光することが出来る。また、テーパー状の段差部は、透光性グローブと照明装置本体とを接合する平面上より上の部分に、両面に光源を実装した基板を搭載する架台の役目をし、かつ当該テーパー状の段差部は、基板張出部下面の光源を反射する反射部を兼ねており、基板下面の段差部と接触固定する面以外の張り出し部分に光源を搭載して段差部に固定されるため、光源が両面実装されているにもかかわらず、簡便かつ強固に段差部に光源基板を固定することができ、更に、当該段差部が反射部を兼ねることにより、基板の直下に反射部を設けることが出来るため、上記の配光を実現できる。
【0059】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記テーパー状の段差部のテーパー面は曲面であることを特徴とする。したがって、本実施の形態に係る照明装置100によれば、テーパー状の段差部を曲面とすることにより光を反射することにより、上記平面方向により多くの光を配光することが出来る。
【0060】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記段差部は光を反射する部材よりなることを特徴とする。したがって、本実施の形態の照明装置100によれば、テーパー状の段差部のテーパー面が光を反射することにより、透光性グローブの基部方向及び上記平面方向により多くの光を配光することが出来る。
【0061】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記段差部は光を拡散する部材よりなることを特徴とする。したがって、本実施の形態の照明装置100によれば、テーパー状の段差部のテーパー面が光を拡散することにより、透光性グローブの基部方向及び上記平面方向により多くの光を配光することが出来る。
【0062】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記段差部は表面を研磨して光を反射する金属製であることを特徴とする。したがって、本実施の形態の照明装置100によれば、段差部は表面を研磨して光を反射する金属製とすることにより、透光性グローブの基部方向及び上記平面方向により多くの光を配光することが出来る。
【0063】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記段差部は前記光源を冷却する放熱体を兼ねることを特徴とする。したがって、本実施の形態の照明装置100によれば、段差部は光源を冷却する放熱体を兼ねることにより、より効率的な光源の放熱が可能となる。また、同じ放熱効果の場合、放熱部材の量を減らすことが出来る。
【0064】
本実施の形態に係る照明装置100は、前記基板はそれぞれの基板の片面に光源を配置した2つの基板の底面を合わせることで基板の両面に光源を配置することを特徴とする。したがって、本実施の形態の照明装置100によれば、基板はそれぞれの基板の片面に光源を配置した2つの基板の底面を合わせることで金属性の基板の両面に光源を配置することができる。
【0065】
実施の形態2.
(2)第2の実施の形態(図4図5
図4は、本実施の形態に係る照明装置100cの構造図である。図5は、本実施の形態に係る照明装置100cの光路の概略図である。
【0066】
本実施の形態では、主として、実施の形態1と異なる点について、以下に説明する。本実施の形態に係る照明装置100cと実施の形態1に係る照明装置100との相違点は、主に、段差部40cの凹曲面部41cの形状と、透光性グローブ10cの形状である。その他の同一の構成部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
本実施の形態の透光性グローブ10cは、半球状である。透光性グローブ10cには、本体平面板51の直径よりも外側に張り出したグローブ張出部11(図1参照)がない。
【0068】
LED基板3(3a,3b)は、照明装置100cの本体平面板51の中心位置と透光性グローブ10cの頂部を結ぶ線xの中心又は中心付近に設けられる。
【0069】
段差部40cは、アルミニウム製であり、LED素子8a,8bを冷却するアルミニウム製の放熱体を兼ねている。段差部40cは、本体平面板51のz方向の360度いずれの方向から見ても、凹曲面を形成している。段差部40cは、ラッパ形状、富士山形状をしており、なだらかな裾野を有している。
【0070】
段差部40cの凹曲面を形成する凹曲面部41cは、光を反射するよう研磨により、表面をミラー状にした反射面43cを有する。段差40c部の凹曲面部41cは、凹面鏡として機能する。
【0071】
段差部40cの凹曲面部41cと本体平面板51(z方向)とがなす初期角度θ3は、0度から10度である。また、段差部40cの凹曲面部41cとLED基板3(3a,3b)(z方向)とがなす初期角度θ4は、90度から100度である。段差部40cの凹曲面部41cと本体平面板51(z方向)とがなす角度は、θ3から徐々に拡大し、その後、急勾配になって、段差部40cの凹曲面部41cとLED基板3(3a,3b)(z方向)とがなす角度θ4になる。
【0072】
透光性グローブ10cはポリカーボネート樹脂製であり、光拡散剤が添加されている。透光性グローブ10cは、実施の形態1において説明した透光性グローブ10と同一のものでも構わない。
【0073】
本実施の形態によるLED基板3(3a,3b)の各面に配置されたLED素子8(8a,8b)による光路の概略図を図5に示す。
【0074】
LED素子8aから発せられる光L4は、直接、透光性グローブ10cに到達し、透光性グローブ10の光拡散作用により拡散されて外部に照射される。
【0075】
LED素子8bから発せられる光L5は、段差部40cの凹曲面部41cに到達し、凹面鏡作用により反射してL51の光路をとる。L51は、透光性グローブ10cに到達し、透光性グローブ10cの光拡散作用により拡散されて外部に照射される。
【0076】
LED素子8bから発せられる光L6は、段差部40cの凹曲面部41cに到達し、凹面鏡作用により反射してL61の光路をとる。L61は、透光性グローブ10cに到達し、透光性グローブ10cの光拡散作用により拡散されて外部に照射される。
【0077】
光拡散剤を添加した樹脂製グローブ(透光性グローブ10c)と、曲面(凹曲面)を形成したテーパー状の段差部40cによりLED基板3(3a,3b)の両面に配置されたLED素子8a,8bの光は、図5のような光路となり、180°以上の配光を実現するとともに、上記z方向により多くの光を配光することが出来る。
【0078】
本実施の形態に係る照明装置100cは、前記テーパー状の段差部のテーパー面は曲面であることを特徴とする。したがって、本実施の形態に係る照明装置100cによれば、テーパー状の段差部を曲面(凹曲面)として光を反射することにより、上記平面方向により多くの光を配光することが出来る。
【0079】
本実施の形態に係る照明装置100cは、前記段差部は表面を研磨して光を反射する金属製であることを特徴とする。したがって、本実施の形態に係る照明装置100cによれば、段差部は表面を研磨して光を反射する金属製とすることにより、透光性グローブの基部方向及び上記平面方向により多くの光を配光することが出来る。
【0080】
以上、実施の形態1〜2について説明したが、これらの2つの実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの2つの実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0081】
2 光拡散膜、3,3a,3b LED基板、7 口金部、8,8a,8b LED素子、10,10c 透光性グローブ、11 グローブ張出部、31 発光面、32 非発光面、35 基板張出部、40,40c 段差部、41 テーパー面、41c 凹曲面部、42 反射面、43 光拡散膜、43c 反射面、44 基板取付面、45 底部、50 照明装置本体、51 本体平面板、60 外郭部、61 放熱体、100,100c 照明装置。
図1
図2
図3
図4
図5