【実施例1】
【0012】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車のリア・シートに用いるシート・バックを説明するに、
図1および
図2は、ミニ・バンの左右6対4分割型折
りたたみセカンド・シートに活用されるところのこの発明の自動車のリア・シートに用いるシート・バックの具体例10を示し、この場合、その左右6対4分割型折りたたみセカンド・シートにおいて左の折りたたみシートのシート・バック10に具体化され、そして、左のバック・パッド、左のバック・カバー、センター・バック・パッド、センター・バック・カバーなどを省いて示された。勿論、この左の折りたたみシートは、センター・クッション(図示せず)を一体化した左のシート・クッション(図示せず)、センター・シート・バック11を一体化したそのシート・バック10、左のヘッドレスト(図示せず)、およびセンター・ヘッドレスト(図示せず)などで組み立てられる。
【0013】
このシート・バック10では、フレーム・トップ14および左右のフレーム・サイド15、16からなり、右のシート・バック(図示せず)に伸びてそのセンター・シート・バック11を一体化可能にするメイン・シート・バック・フレーム13と、後方からの荷重を受け可能にする位置でそのメイン・シート・バック・フレーム13のその左右のフレーム・サイド15、16間に渡されて両端でその左右のフレーム・サイド15、16に溶接されたフレーム・ボトム・ビーム17と、そのフレーム・ボトム・ビーム17に溶接されて下方に伸びるパネル・サポート・ボトム・パイプ18と、背裏面側からそれらにスポット溶接されたバック・パネル19と、センター・シート・バック11に対応するそのフレーム・ボトム・ビーム17の箇所に所定の間隔を置いて溶接された左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27間に渡されたセンター・アームレスト・シャフト35とを含み、そして、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27の一方26が、2ヶ所32、33の溶接でそのフレーム・ボトム・ビーム17に、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27の他方27が、その一方のセンター・アームレスト・ブラケット26側端辺34のみの溶接でそのフレーム・ボトム・ビーム17にそれぞれ固定的に接合されてそのセンター・アームレスト(図示せず)を組み付け可能にする構造が採られる。
【0014】
さらに具体的に説明するに、そのメイン・シート・バック・フレーム13は、そのフレーム・トップ14が予め、所定の肉厚、太さ、長さの鋼管ブランクの両端に溶接アーム20、21を角曲げしてU字形状に成形され、一方、その左右のフレーム・サイド15、1
6が予め、所定の肉厚、大きさ、形状の鋼板ブランクから上端すぼまり形状にプレス形成され、そして、その左右のフレーム・サイド15、16がそれらの上端すぼまりでそのフレーム・トップ14のその溶接アーム20、21に対応的に溶接されてU字形状フレーム
に一体的に組み立てられる。
また、そのフレーム・ボトム・ビーム17は、所定の肉厚、太さの細長い鋼管から所定の長さに切断され、それの両端をその左右のフレーム・サイド15、16のパイプ穴22、23に差し込んで溶接される。
そのパネル・サポート・ボトム・パイプ18は、所定の肉厚の細長い鋼管から所定の長さに切断され、そして、U字形状に角曲げ加工されてさらに、両端部分を左右の溶接端2
4、25に内側に角曲げ加工し、そして、その左右の溶接端24、25でそのフレーム・ボトム・ビーム17に溶接される。
そのバック・パネル19は、所定の厚さ鋼板から所定の大きさ、形状の鋼板ブランクに打ち抜かれて多数の溶接突起がエンボス加工される。
【0015】
そして、そのようにそのメイン・シート・バック・フレーム13が、先ず、それの左右のフレーム・サイド15、16間にそのフレーム・ボトム・ビーム17を溶接することによって一体的に枠組みされ、次に、そのパネル・サポート・ボトム・パイプ18が、そのフレーム・ボトム・ビーム17に溶接され、そして、そのバック・パネル19が、背裏面側からそれらメイン・シート・バック・フレーム13、フレーム・ボトム・ビーム17、およびパネル・サポート・ボトム・パイプ19にスポット溶接されてそのシート・バック・フレーム12に仕上げられる。
そのシート・バック・フレーム11は、ボルト−ナットでその左右のフレーム・サイド15、16の下端に左右のリクライニング・デバイス37、38を対応的に締め付け、固定し、そして、その左右のリクライニング・デバイス37、38でその左のシート・クッションのシート・クッション・フレーム(図示せず)に連結されて、前倒し、前傾など可能に支持される。
【0016】
そのセンター・アームレスト・シャフト35は、所定の肉厚の細長い鋼管から所定の長さに切断され、端面加工が施されて仕上げられる。
また、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27は、所定の厚さの鋼板から所定の大きさ、形状の鋼板ブランクに打ち抜かれてシャフト支持アーム部分には穴明加工が、溶接フランジ部分には半円形曲げ加工がそれぞれ施され、そして、シャフト支持アーム28、29と溶接フランジ30、31とにL字曲げされて仕上げられる。
そして、そのように仕上げられたその左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27は、その溶接フランジ30、31をそのフレーム・ボトム・ビーム17の外周面に重ね合わせ、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27の一方が2ヶ所32、33の溶接でそのフレーム・ボトム・ビーム17に、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27の他方27がその一方のセンター・アームレスト・ブラケット26側端辺34のみの溶接でそのフレーム・ボトム・ビーム17にそれぞれ固定的に接合されてそのフレーム・ボトム・ビーム17に固定的に取り付けられる。
【0017】
さらに、このシート・バック10では、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27が、ブラケット・ピッチ保持ワイヤ36で連結される。
そして、そのブラケット・ピッチ保持ワイヤ36は、緩やかなV字形状に曲げ加工された非直線状になされる。
【0018】
したがって、このシート・バック10では、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27の一方26が2ヶ所32、33以上の溶接でそのフレーム・ボトム・ビーム17に、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27の他方27がその一方のセンター・アームレスト・ブラケット26側端辺34のみの溶接でそのフレーム・ボトム・ビーム17にそれぞれ固定的に取り付けられるので、そのミニ・バンがサード・シートのシート・バックをシート・クッション上に前倒しさせてそのシート・バック上に大きな荷物を載せて走行する際に、急ブレーキが掛けられると、その大きな荷物が慣性で前に急激に移動されて後方からそのセカンド・シートのそのシート・バック10に衝撃的に当る。その時のそのシート・バック・フレーム12は後方からその大きな衝撃荷重を受けてそのシート・バック・フレーム12のそのフレーム・ボトム・ビーム17が曲がり変形される。それに伴って、その右のセンター・アームレスト・ブラケット27が1ヶ所34で溶接されているので、その右のセンター・アームレスト・ブラケット27はその左のセンター・アームレスト・ブラケット26側に引っ張られてその左のセンター・アームレスト・ブラケット26側に傾けられ、そして、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27間の間隔、すなわち、ピッチがほぼ保持される。その結果、そのシャフト35がその左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27から抜け外れずにそのシャフト35の抜け外れが防止され、それでそのセンター・シート・バック12からのそのセンター・アームレストの外れ落ちが発生されずにそのセンター・シート・バック
11に組付け状態に確実に保持される。
【0019】
加えて、このシート・バック10では、その左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27がブラケット・ピッチ保持ワイヤ36で連結され、しかも、そのブラケット・ピッチ保持ワイヤ36が緩やかなV字形状に曲げ加工された非直線状に成形されているので、そのシート・バック・フレーム12が後方からその大きな荷重を受けてそのシート・バック・フレーム12のそのフレーム・ボトム・ビーム17が曲がり変形されてもその左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27間の間隔、すなわち、ピッチがそのブラケット・ピッチ保持ワイヤ36でより確実に保持され、そのシャフト35がその左右のセンター・アームレスト・ブラケット26、27から抜け外れすることがより確実に防止されてそのセンター・アームレストがそのセンター・シート・バック12から外れ落ちることが未然に回避され、そして、そのセンター・シート・バック12に組み付け状態に確実に保持される。特に、そのブラケット・ピッチ保持ワイヤ36は、そのシート・バック・フレーム12が後方からその大きな荷重を受けてそのシート・バック・フレーム12のそのフレーム・ボトム・ビーム17が曲がり変形される際、非直線状から直線状になりながらその大きな荷重による衝撃エネルギーの一部を吸収してそのフレーム・ボトム・ビーム17の曲がり変形も緩和される。
【0020】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。