(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738846
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】位置決め装置、位置決め装置を備えたシステム、および物品のコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B65G 21/20 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
B65G21/20 C
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-510295(P2012-510295)
(86)(22)【出願日】2010年5月12日
(65)【公表番号】特表2012-526716(P2012-526716A)
(43)【公表日】2012年11月1日
(86)【国際出願番号】EP2010056568
(87)【国際公開番号】WO2010130793
(87)【国際公開日】20101118
【審査請求日】2013年5月2日
(31)【優先権主張番号】MI2009A000808
(32)【優先日】2009年5月12日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511109238
【氏名又は名称】レックスノルド マルベット エッセ.エッルレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】アンドレオーリ, アンドレア
【審査官】
八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−072826(JP,A)
【文献】
実開昭63−045449(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/00−21/22
F16H 19/00−37/16;49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決め装置であって、
位置決めされるべき部材の支持体と、
複数の所定の作業位置同士の間で前記支持体を移動するためのアクチュエータと、
循環的運動により、前記支持体の前記複数の所定の作業位置のいずれかに対応する前記アクチュエータの終点位置を決定する動作位置への移動が可能な複数の終点要素を備えた位置セレクタとを備え、
前記位置セレクタは、作動中の前記アクチュエータの移動により前記位置セレクタの動作を駆動するように前記アクチュエータに機械的に接合されていることを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
請求項1記載の位置決め装置であって、
前記動作は選択サイクルを含み、前記選択サイクルの間、前記動作位置において現在の終点要素を次の終点要素と置き換える移行がなされることを特徴とする位置決め装置。
【請求項3】
請求項2記載の位置決め装置であって、
前記選択サイクルは、第1の方向における前記アクチュエータの移動により前記移行が開始される第1の位相を含むことを特徴とする位置決め装置。
【請求項4】
請求項3記載の位置決め装置であって、
前記位置セレクタは前記アクチュエータの前記第1方向の移動により圧縮位置へと駆動されるばね機構を備えることを特徴とする位置決め装置。
【請求項5】
請求項4記載の位置決め装置であって、
前記選択サイクルは、前記ばね機構が解放され、前記移行の完了を駆動する第2の位相を含むことを特徴とする位置決め装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項記載の位置決め装置であって、
前記選択サイクルの終了後、前記アクチュエータが動作可能となり、前記動作位置の終点要素により移動を制限された、前記第1の方向と逆の第2の方向の移動を行い、それにより前記支持体を所定の作業位置に移動することを特徴とする位置決め装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載の位置決め装置において、
前記終点要素を前記動作位置に循環的運動により移動するための回転機構を備えることを特徴とする位置決め装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項記載の位置決め装置において、
前記アクチュエータは空気圧または液圧式シリンダ/ピストンアセンブリあるいは電気式リニアアクチュエータを備えることを特徴とする位置決め装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項記載の位置決め装置を備えた、物品のコンベヤのガイドの位置を調整するためのシステムであって、位置決めされるべき前記部材は前記コンベヤの少なくとも1つのガイドを備えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
物品のコンベヤであって、請求項1〜8のいずれか一項記載の位置決め装置により位置決めされる物品の支持および/または略鉛直位置の維持および/または経路指定のためのガイドを有することを特徴とする物品のコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置決め装置に関する。本発明はとりわけ、しかし排他的にではなく、物品のコンベヤ、例えばベルトコンベヤ、鎖コンベヤおよび空気圧(空気)コンベヤの分野に応用される。この分野では、本発明はコンベヤにより搬送される物品を搬送/抑制するためのガイドを位置決めするのに使用することができる。
【背景技術】
【0002】
ガイドは、一般に、搬送路に沿って物品が移動する際に搬送される物品が正確な経路を進行することを保証するために物品のコンベヤに装備される。そのようなガイドにはそれらが関連するコンベヤのタイプおよび搬送される物品のタイプに応じて種々のタイプのものがある。
【0003】
同じコンベヤを性質の異なる物品、形状の異なる物品、あるいは単に同様の性質および/または形状ではあるが寸法が異なる物品を搬送するために使用することが可能であり、通常そのように使用されている。
【0004】
コンベヤが搬送しようとしている異なるタイプの物品を正確な経路に載せることを確実にするためには、ガイドの位置が調整可能であることが必要である。
【0005】
例えば、プラスチック(PET)製のボトル製造ステーションから次の所望の液体、ドリンクその他をボトルに充填する充填ステーションへ搬送する事例を考える。
【0006】
そのようなコンベヤは、高速の空気の流れが通過するように予定されているチャンバを原則的に備えている。このチャンバはボトル搬送路に沿って、通常数十メートルから数百メートルまで変えることができる区間にわたって延在する。
【0007】
チャンバは底部が開放されており、ボトルの首部の末端部を収容するように適合されている。チャンバを通る高速の空気の流れは、ボトルの首部の末端部と衝突し、該末端部を所望の搬送方向に押し、それにより搬送路に沿うボトルの運動を決定する。
【0008】
この搬送路に沿う運動において、ボトルは一対の支持ガイドにより支持される。これらの支持ガイドはチャンバの下側開口部に対応して配置され、搬送路に沿って並行にかつ前後に延在する。そのような支持ガイドは各ボトルの首部の末端部から突出する支持カラーに対する支持体として働く。従って、ボトルは、それぞれの支持カラーを介して支持ガイドに懸架された状態で、空気の流れにより搬送される。
【0009】
ボトルは、搬送路に沿って移動する際にほぼ鉛直に維持されることが重要である。これにより、ボトルの揺動、特に搬送路の曲線区間に対応するボトルの揺動により、支持カラーが支持ガイドにつっかかり、あるボトルは望んでいないにもかかわらず停止してしまう結果、そのボトルに続くボトル列全体の停止を引き起こしてしまうことが実際に避けられる。
【0010】
ボトルがほぼ鉛直位置に維持されることを保証する目的で、一対の対向する側面抑制ガイドを設けることが予測される。側面抑制ガイドは搬送路に沿って平行に相互に対向して、2つの支持ガイドと比べて低い割り当て位置すなわち低い高さ(quota)で、延在する。特に、2つの側面抑制ガイドはボトルの底部に近接して配置されている。
【0011】
2つの側面抑制ガイドは一般に金属または合成材料製の棒により構成され、抑制ガイドに沿って長手方向に相次いで、例えば約50cmの一定の間隔で配置されたクランプによって支持されている。クランプには、クランプをそれぞれの支持体に固定することができる突起物が設けられており、これらの突起物はチャンバに固定されたブラケットまたはバーに取付けられ、下方に延びている。
【0012】
2つの側面抑制ガイドは、機能発揮のためには、ボトルが搬送路に沿って移動するときに、ボトル本体と接触または少なくとも軽く触れるように配置されることが必要である。
【0013】
通常、空気コンベヤは形状と寸法の異なる、特に高さと直径の異なる種々のボトル、例えば容量が0.5リットル、1リットル、1.5リットルおよび2リットルのボトルを搬送可能でなければならない。
【0014】
一方では、搬送されるべきボトルの高さが異なっていると側面抑制ガイドを異なる高さ(quota)で配置させることが必要である。他方では、搬送されるべきボトルの直径が異なっていると、2つの搬送ガイドの位置が搬送路に対して横(交差方向)に調整可能であることが必要である。
【0015】
典型的には、異なる高さで、背の高さの異なるボトルの底部にほぼ対応して配置された2または3(あるいはそれ以上の)対の側面抑制ガイドを設けることが予測される。ボトルはより高いものは直径もより大きいのが普通であるので、それらの2対のガイドのそれぞれの対のガイドが動作位置から、より高く直径のより大きいボトルの移動にガイドが干渉しない非動作位置へ移動できるように、高い位置で配置されている2対のガイドの位置は、調整可能である必要がある。例えば、最も高い高さで配置された2つの抑制ガイドは、低く直径の小さなボトル、例えば0.5リットルのボトルを抑制するのに用いられるが、コンベヤがより高く直径のより大きいボトル、例えば1リットルのボトルであって、その側面抑制がすぐ下の中間の高さのガイド対によって保証されているものを搬送するのに用いられるときは、これらの抑制ガイドは非動作状態に移動され搬送路の中心から遠ざかるように移動されなければならない。さらに高く直径のより大きなボトル、例えば1.5リットルまたは2リットルのボトルであって、その側面抑制のためにもっとも低い高さで配置されているガイド対が用いられているものを搬送しなければならない場合は、高さのより高い両ガイド対を搬送路の中心から遠ざかるように移動する必要がある。
【0016】
抑制ガイドの位置を調整するために、空気圧シリンダ/ピストン群を用いることが知られているが、それらの空気圧シリンダ/ピストン群は、操作された時に、クランプの突起物を鉛直支持バーに対して移動させるものである。例えば、3対の抑制ガイドが設けられている場合、それぞれのクランプに対応して、高さの高い2つの抑制ガイドのための第1の対のシリンダ/ピストン群と、中間の高さの2つの抑制ガイドのための第2の対のシリンダ/ピストン群とが設けられている(高さの低い2つの抑制ガイドは固定することができるが、その理由は、低いボトルの移動に干渉しないからである。使用されていないときも同様である)。
【0017】
明らかに、それは、同様の解決策として多数のシリンダ/ピストン群を必要とし、部品と組立およびメンテナンスのコストが増加するので望ましくない。
【0018】
多重側面抑制ガイドも知られており、このものは異なる高さで配置され、高さが減少するにつれて中心ギャップが増加する、それぞれのクランプと鉛直結合バーにより単一の突起物に固定された2対のガイドを備える。2対以上のガイドは、そのような場合、一体的に移動可能である。すなわち、それらの位置は個別に調整することができず、単一のシリンダ/ピストン群により突起物を鉛直支持バーに対して移動する。使用されるべきシリンダ/ピストン群の数が減少するが、3つの操作位置を有するシリンダ/ピストン群を使用することが必要である。2つは最高高さおよび中間高さのガイド対をそれぞれの動作位置に運ぶためのものであり、1つは両方のガイド対を非動作位置に運ぶためのものである。
【0019】
しかしながら、3つの動作位置を有するシリンダ/ピストン群は、高価であり、したがってこの解決策はさほど望ましくない。
【0020】
特許文献1(国際公開第WO2004/074146号パンフレット)には、ボトルのコンベヤの幅を調整可能なガイド用のアクチュエータ・アセンブリが記載されており、この装置では、制御棒34を用いた動作位置の選択はハウジング12/ピストンロッド14組立体の作動とは独立の動作である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】国際公開第WO2004/074146号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の態様によると、本発明は、位置決め装置であって、
位置決めされるべき部材の支持体と、
複数の所定の作業位置同士の間で前記支持体を移動するためのアクチュエータと、
複数の終点要素を備え、前記複数の終点要素は、無端シーケンスで、前記支持体の前記所定の作業位置の一つに対応する前記アクチュエータの終点位置を決定する動作位置に移動させることができる位置セレクタとを備え、
前記位置セレクタは、作動中の前記アクチュエータの移動により前記位置セレクタの動作を駆動するように前記アクチュエータに接合されていることを特徴とする位置決め装置を提供することができる。
【0023】
本発明の位置決め装置は、作動中の前記アクチュエータの移動を利用して前記位置セレクタの動作を駆動する。
【0024】
好ましくは、前記動作は選択サイクルを含み、前記選択サイクルの間、前記動作位置において現在の終点要素を次の終点要素と置き換える移行がなされる。
【0025】
好適な一実施形態では、前記選択サイクルは、前記アクチュエータの第1の方向における移行が起きる第1の位相を含む。また、前記アクチュエータの前記第1の方向における移行により、ばね機構を被圧縮状態に駆動することができる。前記選択サイクルは、さらに、第2の位相を含み、該第2の位相ではばね機構がその被圧縮状態から解放され、前記移行の完了を駆動するようにしてもよい。前記選択サイクルの完了後、前記アクチュエータは動作可能となり、前記動作位置の終点要素により移動を制限された、前記第1の方向と逆の第2の方向の移動を行い、それにより前記支持体を所定の作業位置の一つに移動するようにしてもよい。
【0026】
一実施の形態では、前記位置セレクタは前記終点要素を前記動作可能位置に前記無端シーケンスで移動するための回転機構を備えていてもよい。別の実施形態では、他の機構を用いることができる。例えば、終点要素を支承する無端鎖を用いて終点要素を無端シーケンスで前記動作可能位置に運ぶようにしてもよい。
【0027】
前記アクチュエータは空気圧または液圧シリンダ/ピストン・アセンブリあるいは電気リニア・アクチュエータを備えていてもよい。
【0028】
第2の態様によると、本発明は、物品のコンベヤのガイド位置を調整するためのシステムであって、本発明の前記第1の態様による位置決め装置を備え、位置決めされるべき部材が前記コンベヤの少なくとも1つのガイドを有するシステムを提供することができる。
【0029】
第3の態様によると、本発明は物品のコンベヤであって、本発明の前記第1の態様による位置決め装置により位置決めされる物品の支持および/または抑制および/または経路指定のためのガイドを有するコンベヤを提供することができる。
【0030】
さらなる態様によると、本発明は、物品のコンベヤのガイドの位置を調整するためのシステムであって、
−前記コンベヤの少なくとも1つのガイドの支持体を移動する手段であって、前記少なくとも1つのガイドを作業位置に運ぶように動作可能である手段と、
−前記少なくとも1つのガイドの作業位置を選択する選択手段であって、前記少なくとも1つのガイドの少なくとも2つの予め選択された作業位置を規定するように適合され、前記支持体の移動のための少なくとも2つの機械式終点要素を備え、前記少なくとも2つの機械式終点要素のそれぞれが前記選択手段により選択可能であり、前記少なくとも1つのガイドの前記少なくとも2つの作業位置のそれぞれ1つに対応する前記支持体の移動のそれぞれの終点を決定する選択手段とを備えるシステムを提供することができる。
【0031】
前記選択手段の駆動は自動的であり、前記移動手段を操作するのに使用されるエネルギーを用いる。
【0032】
前記選択手段は、前記少なくとも2つの機械式終点要素の各一つが循環的に再選択可能である回転セレクタを備えていてもよい。
【0033】
前記移動手段は、空気圧式もしくは液圧式シリンダ/ピストン・アセンブリまたは電気式リニア・アクチュエータのうちの1つを備え、第1のステムと、前記第1のステムを前記ガイドの前記支持体に接合する機械式接合要素とを駆動するようにしてもよい。
【0034】
前記回転セレクタは、前記支持体の前記移動手段により駆動されてもよい。
【0035】
前記回転セレクタは、前記第1のステムの移動に従って移動可能である、前記機械式接合要素に接合された第2のステムを含んでいてもよい。前記第2のステムは、移動されると、前記機械式終点要素を担持する要素の段階的回転を決定するのに適した段階的回転機構を操作する。
【0036】
前記段階的回転機構は、前記第1のステムの少なくとも前進または後退移動あるいは前進および少なくとも部分的後退移動サイクルの結果の少なくとも2つの機械式終点要素同士の間の角度距離に対応する角度の回転を生じさせるように適合されていてもよい。
【0037】
前記段階的回転機構は、前記機械式終点要素を担持する要素に一体化され前記第2のステムを貫通して移動可能である歯付きロータと、前記歯付きロータの歯と係合する要素とを備え、前記ロータが前記第2のステムの移動の結果前記ステータに対して滑動すると前記ロータの段階的回転を決定するようにしてもよい。
【0038】
前記回転セレクタは、前記空気圧または液圧シリンダ/ピストン・アセンブリを操作するために用いられるのと同じ空気圧または液圧エネルギーを用いて操作される空気圧または液圧アクチュエータにより作動されてもよい。
【0039】
前記回転セレクタは、前記電気リニア・アクチュエータを操作するのに用いられるのと同じ電気エネルギーを用いて操作される電気アクチュエータにより作動されてもよい。
【0040】
さらなる態様によると、本発明は、物品のコンベヤであって、搬送される物品の支持および/または抑制および/または経路指定のためのガイドを備えるとともに、本発明の前記態様のいずれかによるガイドの位置の調整システムを備える、物品のコンベヤを提供することができる。
【0041】
以下に添付の図面を参照しながら本発明の例示的実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、物品のコンベヤのライン、特にエア・コンベヤであって本発明の一実施形態によるガイドの位置調整のラインシステムを備えるもののラインの側面図であり、調整システムの詳細を拡大して示す。
【
図2】
図2は、
図1のコンベヤ・ラインの不等角投影図である。
【
図3】
図3は、
図1および2のコンベヤ・ラインの正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、
図2に示すコンベヤのガイド位置の調整ユニットの詳細を拡大して示す不等角投影図である。
【
図5】
図5は、
図4に示すガイド位置の調整ユニットの部分分解図である。
【
図6】
図6は、
図4に示すガイド位置の調整ユニットの位置セレクタの分解図である。
【
図7】
図7は、いくつかのスナップショットで、本発明の一実施形態による位置調整ユニットの位置セレクタの動作の概要を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態によるガイド位置調整システムにより可能とされたガイドの取り得る8つの異なる位置の内の2つを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態によるガイド位置調整システムにより可能とされたガイドの取り得る8つの異なる位置の内の2つを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1,2および3を参照すると、それぞれ側面図、不等角投影図および正面図で物品のコンベヤ、特にエア・コンベヤ、とりわけプラスチック製ボトルを搬送するためのエア・コンベヤのラインが示されている。コンベヤは、例えばボトル製造ステーション、典型的にはプラスチックブロー成型ステーションおよび所定の液体、ドリンクその他でボトルを充填する充填ステーションとを備えた製造ラインに属する。コンベヤは、従って、ボトル製造ステーションを出たボトルを充填ステーションに搬送する機能を有する。
【0044】
コンベヤは、図示の実施例では、ボトル搬送路に沿って延在する一般的に矩形断面を有する箱形筐体101を備える。箱形筐体101はその内部に流路103を画成する。流路103は、搬送路の流路103の終点に配置された、例えば、図示しない1つ以上の電動ファンにより生成された高圧の空気流が中を通過するように構成されている。
【0045】
箱形筐体101の内部には、実質的により小さな寸法のチャンバ105が形成されている。チャンバ105は、搬送路全体について、箱形筐体101の底部壁107に対応して延在する。チャンバ105は、底部壁107の内側111に固定された輪郭部材109により側方および上方を区切られている。
【0046】
コレクタ(収集器)(不図示)が輪郭部材109に沿って形成されており、それらにより空気流が流路103を通ってチャンバ105内に進入することが可能である。そのようにして高速の空気流がチャンバ105を通過する。
【0047】
筐体101の底部壁には、実質的に中央位置において、開口部115が形成され、搬送路全体に沿って延在する。輪郭部材109は筐体101の底部壁107にそのような開口部115に対応して固定される。その結果、チャンバ105は底部において開放されている。開口部115の2つの側面のそれぞれにおいて、支持ガイド117が結合され、搬送路全体に沿って延在する。2つの支持ガイド117はそれぞれの棚部121で底部壁107の外側119に取付けられている。
【0048】
2つの支持ガイド117は、それらの間に、搬送されるボトル125の首部123が干渉されないで通過できるように適合された寸法の間隙が設けられていると同時に、各ボトル125の首部123から突出する支持カラー127に対する支持体を提供している。支持カラー127は、従来は、ボトル125の首部123に沿う中間位置に形成されているため、首部の終端部129がチャンバ105の内側に延びており、動作時に、チャンバ105を通過する高速空気流が首部の終端部129に衝突する。
【0049】
ボトル125は、そのようにして、チャンバ105を通過し首部123のそれぞれの終端部129と衝突する高速空気流により、それぞれの支持カラー127で支持ガイド117に懸架された状態で搬送路に沿って搬送される。
【0050】
複数対のバー131が搬送路に沿って好ましくは周期的に順次配置される。これらのバー131の対は、それらのバーの自由上端において箱形筐体101の2つの側面にそれぞれ固定され、下方に延在する。筐体101の対向側面に固定されたバー131の対は相互に対向している。各バー131は、以下詳細に説明するように、ボトルの側面抑制ガイドを位置決めするためのそれぞれのユニット132のための支持体を提供している。
【0051】
側面抑制ガイドは、例えば、金属製もしくは合成材料製またはその他の適切な材料製の複数対のバーにより構成され、これらのバーは、支持ガイドの下の搬送路に沿って相互に並行に延在し、例えば、搬送されるべきボトル125の最大直径を有するほぼ円筒状の部分が配置される高さ、特にボトルの底部近傍における高さに対応する高さで延在する。ここで考察する実施例では、3対の抑制ガイドが予測され、これらの抑制ガイドは、高さの異なるボトルの側面抑制のために異なる高さで配置される。特に、高い高さに配置される第1の対の抑制ガイド133aが比較的低いボトル、例えば0.5リットルのボトルの側面抑制のために提供される。中間の高さで配置される第2の対の抑制ガイド133bがより高いボトル、例えば1リットルのボトルの抑制のために提供される。最低の高さで配置される第3の対の抑制ガイド133cが最も高いボトル、例えば1.5リットルまたは2リットルのボトルの側面抑制のために提供される。
【0052】
側面抑制ガイドの主な機能は、ボトル125が搬送路に沿って移動する際にボトル125をほぼ鉛直に保ち、特に搬送路の湾曲区間に対応した揺動であって搬送されるボトルの流れを停止しかねない揺動を防止することである。
【0053】
ここで考察する実施例では、3対の側面抑制ガイド133a、b、cが適切なクランプ135a、135b、135cにより、搬送路の2つの対向する側に配置された2つの鉛直結合バー137に固定される。2つの結合バー137のそれぞれ1つがそれぞれのガイド位置調整ユニット132、すなわちガイド位置決めユニットの軸139に取付けられている。
【0054】
クランプ135a、b、cは、3つのガイド133a、b、cが結合バー137から異なる距離にあるように設けられている。ガイド133aはより小さい距離にあり、ガイド133cはより大きい距離に、そしてガイド133bは中間の距離にある。このようにして、最高の高さのガイド133a同士の間の間隙は中間の高さのガイド133b同士の間の間隙よりも広く、ガイド133b同士の間の間隙は最低の高さのガイド133c同士の間の間隙よりも広くなる。このため、ガイド133
cがより高い、直径もより大きいボトルの側面抑制のために配置されると、ガイド133aの対およびガイド133bの対はボトルの移動に干渉することはない。同様に、ガイド133
bが中間の高さのボトルの側面抑制のために配置されると、ガイドの対133aはボトル移動に干渉しない(ボトルの底部がガイド133cと比べて高い高さにあるため最低の高さのガイド133cの対は干渉しない)。ガイド133aが高さの最も小さいボトルの側面抑制のために配置されている場合は、ガイドの対133bおよび133cはボトルの移動に干渉しないが、その理由はボトルの高さが、ガイド133bに対してボトル底部がより高い高さをとるようになっているからである。
【0055】
前述のように、位置決めユニット132は側面抑制ガイドの位置決めのために提供され、位置決めユニット132はそれぞれの支持体140により鉛直バー131に取付けられている。ここで考察する例示的実施形態では、抑制ガイドの位置決めの全体ユニット132は、ガイド動作位置のセレクタ143と関連し、これを駆動する空気圧シリンダ/ピストン群141を含み、鉛直結合バーが固定されている軸139はその一部分をなしている。図面において、複雑にならないように、空気圧シリンダ/ピストン群141に供給する圧縮空気供給ネットワークは図示されていない。ここで考察および説明する例示的実施形態では、各シリンダ/ピストン群141は2つの圧縮空気入口/出口または供給/放出穴を有する。一方の穴はピストンの先頭(先頭とは、ステム145に結合された側に対向するピストンの側が意図されている)に配置されたシリンダの第1のチャンバに対応し、他方の穴はピストンの最後尾(最後尾とはピストンのステム145に結合された側である)に配置されたシリンダの第2のチャンバに対応している。第1のチャンバを加圧し、ピストンの先頭の供給穴を通って圧縮空気を供給する(かつピストンの最後尾に配置された他方の供給穴を大気圧で放出されるように保つ)ことによりある方向へのピストンの移動が決定され、一方、逆に、第2のチャンバを加圧し、ピストンの最後尾に配置された供給穴を介して圧縮空気を供給する(かつ、ピストンの先頭に配置された他方の穴を大気圧で放出されるように保つ)ことにより反対方向のピストンの移動が決定される。
【0056】
さらに詳しくは、全体ユニット132とセレクタ143の分解図(
図5および
図6)を参照すると、シリンダ/ピストン群141はそれぞれのステム145およびL字型ブラケット147を介してセレクタ143のステム149の移動を駆動する。
【0057】
セレクタ143のステム149はL字型ブラケット147に回転自在にかつ遊びをもって接合されている。特に、ステム149の端部はL字型ブラケットのスロット148を通過し、ステム149の端部に挿入されたシーガーリング(seeger ring)150がスロット148からステム149が滑り出るのを防止している。
【0058】
位置セレクタ143はここで考察する実施例では回転セレクタである。
【0059】
ステム149はセレクタ143の本体のほぼ全体を通過し、ガラス製成型要素153の底部151から突出するように延びており、第2のシーガーリング155がステム149がガラス製成型要素153から滑り出すのを防止している。
【0060】
歯付きクラウン歯車157はガラス製成型要素153と整列し、歯付きクラウン歯車は全周に配設された平面状三角歯を有し、各歯は三角形であり、底辺は歯付きクラウン歯車157の軸線に平行であり、歯列を形成する三角形の頂点は周面に沿って整列されている。ガラス製成型要素153、歯付きクラウン歯車157および螺旋ばね159がピン161に挿入され、ばね159は、歯付きクラウン歯車157とピン161から突出するカラー163の間に介装される。ピン161、ばね159、歯付きクラウン歯車157およびガラス製成型要素153は、詳細を以下に説明するように、内部に溝を有するスリーブ165内に収容されている。歯付きクラウン歯車157は、特にピン161に挿入され、相対的回転のおそれがなく、ピン161に沿って滑動可能である。これは、例えば、歯付きクラウン歯車157とピン161の間の直動関節により達成される。
【0061】
スリーブ165は、一端が底部167により閉じられ、スリーブ165にねじ止めされ、かつ気密(ハーメチック)シールを実質的に保証する(液体とほこりの侵入を防止する)のに適している。他端では、スリーブ165はカバー169により閉じられ、この場合もスリーブ165にねじ止めされ、シリンダ141の端部が通過するスロット171を形成するように成形されている(その軸線はこのように回転セレクタ143の軸線に平行である)。ピン161の端部173はカバー169の開口部を通ってスリーブ165から突出し(液体およびほこりの侵入を防止するためのガスケット手段を設けることが予測される)、端部173はスペーサ担持ホイール175に直動関節接合するための六角形断面を有する。スペーサ担持ホイール175は、円周方向に順次配置された複数のスペーサ177を担持する。ここで考察する実施例では、スペーサの数は8個であり、円周方向に360°の1/8の規則的間隔で順次配置されている。スペーサ177は、この実施例では、軸長の異なるねじ棒であり、異なる軸長を有するスペーサ担持ホイール175のそれぞれのコラム179に挿入される。ねじ棒177はコラム179を通過しダイス181により2つの側面で停止される。
【0062】
例えば汚れによりまたは形状もしくは組立の欠陥により引き起こされるブロッキングまたはジャミング現象の起こり得る状況を回避するのに適切な遊びを形成するために、ブラケット147が、それ自体の軸線の周りに回転自在のステム145を緊密に包んでいる。ステム139はブラケット147にそれ自体の軸線の周りに回転自在となるように接合される。
【0063】
スペーサ担持ホイール175は以下に説明するように回転可能である。ホイール175を回転させると、種々のスペーサ177が順番にかつ循環的にときどき動作状態になり、スペーサ担持ホイール175が1回転し終わると全スペーサ177を動作位置に運ぶことができる。L字形ブラケット147の形状、スペーサ担持ホイール175の寸法およびスペーサ177の配置により、一時に1つだけのスペーサ177が動作位置に存在することができ、この位置では(
図1の拡大された詳細図から分かるように)ブラケット147の水平部分の中心部がスペーサの末端に接する。
【0064】
上述のように、スリーブ165内に溝が形成されており、この溝はクラウン157に形成された歯に対して相補的である。
図7に概略を示すように、スリーブ165は回転機構のステータを形成しており、そのロータは歯付きクラウン157により表されている。スリーブ165内に形成された溝は底部167に近い前部183と、前部に対して鏡面対称でありかつ角度的に360°の1/16位相がずれておりカバー169に近い後部とに分かれている。前部および後部はともにスリーブ165の内表面全体に沿って円周状に延在する。
【0065】
側面抑制ガイドの位置セレクタ143の動作を以下に説明する
【0066】
空気圧シリンダ/ピストン群141が作動されると、圧縮空気をピストンの先頭の供給穴を通して供給すること(およびピストン最後尾の穴を放出状態に保つこと)によってそのステム145が延び、L字型ブラケット147を後方に押す。ブラケット147はセレクタ143のステム149を引張る。セレクタ143のステム149はガラス製成形要素151を引張り、ガラス製成形要素151は歯付きクラウン157をピン161に沿って押し、歯付きクラウン157とカラー163の間のスプリング159の圧縮を決定する。ピン161に沿って歯付きクラウン157が移動すると、開始状態ですでにスリーブの溝の前部183と係合している歯付きクラウン157の歯(
図7のスナップショットA、BおよびC)が溝の後部185にまず接近し、次いで進入し、歯付きクラウン157の360°の1/16の回転を決定する。歯付きクラウン157はピン161に回転可能に一体化されているので、ピン161とスペーサ担持ホイール175は360°の1/16回転する。
【0067】
シリンダ/ピストン群41から排気(ピストンヘッドの供給穴を開放)することにより、スプリング159の強度により歯付きクラウン157が軸線方向後方に移動して開始位置となる。この後方移動の際、スリーブ165内に形成された後方歯185とすでに係合している歯付きクラウン157の歯(
図6のスナップショットDおよびA)は溝183の前部にまず接近し、次いで進入し、歯付きクラウン157、従ってピン161およびスペーサ担持ホイール175のさらに360°の1/16の回転を決定する。結局、ガラス製成形要素153および歯付きクラウン157により構成された可動アセンブリの、最初の位置(
図7のスナップショットA)から最終位置(
図7のスナップショットE)への前方および後方移動において、歯付きクラウン157、従ってピン161および該ピン161に取付けられたスペーサ担持ホイール175は360°の1/8の回転を完了し、最初に動作位置に配置されたものと比べて軸線延長が異なる次のスペーサ177を動作位置に運ぶ。
【0068】
ガイド支持ステム139の移動はシリンダ/ピストン群41のピストン最後尾における供給穴を通して圧縮空気を供給(したがってシリンダ/ピストン群41のステム145側におけるシリンダのチャンバを加圧)することによって、ガイドの作業位置に向かって完了される。従って、ステム145はシリンダ141に再進入し、L字型ブラケット147は先に動作位置に運ばれているスペーサ177に当接する。換言すると、動作位置にあるスペーサ177はステム139の復帰に対する終点要素(end−run element)として作動する。
【0069】
従って、ガイドの鉛直接合バー137の、軸139(これは順にブラケット147に結合されている)に取付けられた鉛直支持棒131からの作業距離は動作位置にあるスペーサ177の長さによって決まる。このように、スペーサ担持ホイール175を回転させて所望のスペーサ177を動作位置に運ぶ(場合によって2回以上上述の動作を繰り返す)ことにより、側面抑制ガイドの作業位置を正しく調整することが可能となる。
【0070】
総合すると、図示および説明された例示的実施形態では、スペーサ担持ホイール175の1ステップ(1/8回動)の動き(action)が、(第1位相)シリンダ/ピストン群141のステム145の全変位/完全延長により、ピストンの先頭におけるシリンダ/ピストン群141のチャンバのみを加圧すること(最初の1/16回動)、および(第2位相)引き続くピストン先頭におけるチャンバの排気を伴う減圧を行うとともに、また、ステム145側のシリンダ/ピストン群141のチャンバの圧力が放出されたままに保たれ、かつ先に圧縮されていたばね159の伸張動作に依拠していること(第2の1/16回動)によって達成される。スペーサ担持ホイール175の1/16回動のこの第2の回転部分は、ピストン先頭におけるシリンダ/ピストン群141のチャンバから圧力が除去されると生じる。これは、ばね159がもはや収縮せず、その自然の伸張状態を回復することにより、回転セレクタ143内の前述の一連の運動を生じるからである。ホイール175の1/8回動の回転が(ステム145の側における)ピストン最後尾に位置するシリンダ/ピストン群141のチャンバを加圧することにより完了すると、ステム145の復帰変位/完全再進入が開始され、ブラケット147によりステム145に結合されたバー139がブラケット147によりガイド作業位置に到達するまで引張られ、最終的に、選択されたスペーサ177により決定される停止点に到達する。
【0071】
停止点に到達すると、バー139を作業位置に固定するために、ピストン(ステム145側)に位置しているシリンダ/ピストン群141のチャンバは加圧された状態に保たれ、それにより移動する物品により抑制ガイドに及ぼされる応力により抑制ガイドが撤退することがないようにしている。
【0072】
上述の動作は輸送経路の両側のピストン調整ユニット
132のそれぞれにより、ちょうど同じ工場の全てのシリンダ/ピストン群に対する圧縮空気の供給が同期しているように、同期して実行される。
【0073】
ここで考慮されている実施例におけるように、軸長が異なる8つのスペーサ177を提供することにより、側面抑制ガイドを支持する鉛直接合バー137に対して8つの異なる位置を利用可能になる。バー137がこれら8つの位置をとることが可能であることと、3対の抑制ガイド133a、133b、133cが異なる高さおよび異なる中間間隙をもって設けられていることとが相まって、搬送されるべきボトルのタイプによって適切な対の対向ガイドが配置されるようにすることが可能になる。
【0074】
上述のように、ホイール175のスペーサ177により予め決められた抑制ガイドの8つの位置のうちの1つを選択するためには、シリンダ/ピストン群141全体を順番に繰り返し作動させることが必要となることがある。あるいは、各サイクル毎に回動の1/8のステップが進むことにより、所望のスペーサ177が角度的作業位置に運ばれるまで、ピストン先頭に位置するシリンダ/ピストン群141のチャンバの加圧と排気のサイクルを繰り返すことが必要となることがある。所望のスペーサ177が作業位置に到達したときにのみ、ピストン最後尾(ステム145側)に位置したシリンダのチャンバが加圧され、かかるチャンバはその瞬間まで(すなわち、中間サイクルの間は)加圧されないままである。しかしながら、中間サイクルにおいても、ピストン最後尾のシリンダのチャンバが加圧されて回転セレクタ143のばね159の復帰が促進されることは避けられない。
【0075】
ピストン先頭に位置するシリンダ/ピストン群141のチャンバの加圧・排気の8つのサイクルを繰り返すと、最初に選択されたスペーサ177が作業位置に復帰する。
【0076】
従って、ガイドの動作位置の選択、すなわち所望のスペーサ177の選択は自動であり、手動による介入を必要としないことが理解できる。特に、抑制ガイドを移動させる軸139を移動するのに使用されるのと同じエネルギーがガイド動作位置のセレクタ143を作動させるためにも用いられて所望のスペーサ177を選択する。シリンダ/ピストン群141の先頭のチャンバに圧縮空気を供給することにより、ステム145の伸張量が決まり、セレクタ143のステム145とステム149の間の運動学的接合により、セレクタ143が作動される。
【0077】
図8および9には、低く直径の小さいボトル(例えば0.5リットルのボトル)および最も高く直径の最も大きいボトル(1.5リットルまたは2リットルのボトル)の側面抑制のためのガイド133a、b、cそれぞれの2つの可能な位置決めが示されている。
【0078】
本発明による位置決めシステムは、複数の異なる位置に側面抑制ガイドの位置を調整することが可能になっていても、コストは合理的であるが、これは動作位置を2つだけ備えた空気圧シリンダ/ピストン群を使用しており、これらは、例えば3つの動作位置を備えた空気圧シリンダ/ピストン群と比べて、比較的に低コストであるためである。
【0079】
上述の例示的実施形態では、3つの側面抑制ガイドが一体となって単一の位置決めユニットにより移動可能であるけれども、ガイドのそれぞれまたはガイド群に対して個々に本発明による解決策を採用することに何ら妨げはない。
【0080】
空気圧シリンダ/ピストン群141は、別の実施形態では、異なるタイプのアクチュエータ、例えば液圧シリンダ/ピストン群または電気リニア・アクチュエータにより置き換えることができ、例えば直流電気アクチュエータを適宜防水して使用することができる。セレクタ143は、そのような場合、上述のものと同様にすることができる。
【0081】
そのような電気アクチュエータは、電圧を加えて上述の実施形態の空気圧シリンダ/ピストン群141と同様に、抑制ガイドを担持するバー139の二方向の移動を駆動するが、自然の終点(end−run)(最大および最小伸張)に達すると自動的に停止するか、またはホイール175上に配置された現在選択されている機械的終点177により、例えばL字型ブラケット147上に、ホイール175上の選択された機械的終点177により作動され、復帰方向ではなく前進方向に動力供給回路を開にすることができる接触電気スイッチを設けることにより、停止する。この場合も、所望のスペーサの選択は自動であり、手動で操作することは必要ないので、抑制ガイドを担持するバー139を移動するために用いられるのと同じエネルギー(この場合、電気)がセレクタ143を作動するのに用いられる。
【0082】
回転セレクタ143はいくつかの代替的形態で実現可能である。
【0083】
上述の解決手段に対する代替策は、例えば、側面抑制ガイドの前進後退移動のための空気圧シリンダ/ピストン群のアクチュエータおよび第2の空気圧マイクロピストンを使用することであり、該第2の空気圧マイクロピストンは、適切に、例えばホイール175に対して接線方向にばねにより付勢されたそれぞれのステムが自動再入され、その作動毎にホイール175が1ステップ(例えば、1/8回動)回転する。そのようなマイクロピストンは、全てのシリンダ/ピストン群141の先頭に位置するチャンバに供給するのと同じ圧縮空気供給ラインに接続することができる。この供給ラインを加圧することにより、シリンダ/ピストン群141はステム145を完全伸張(すべての抑制ガイドが非動作位置に運ばれる、搬送ラインからの最大の撤退に相当する)まで駆動すると同時に、マイクロピストンはホイール175の1/8回動に当たる最初の回転を決定する。ガイドの最大撤退位置に到達すると、圧縮空気供給ラインが開放(discharge)される。従って、シリンダ/ピストン群141はそのままの位置に残り(ステム145は伸張している)、一方マイクロピストンのステムは内部のばねにより撤退し、それによりスペーサ担持ホイールをさらに押す準備をする。
【0084】
次いで、たった今開放されたばかりの圧縮空気供給ラインを加圧すると、その唯一の効果として、マイクロピストンのシステムが新たに伸張され、スペーサ担持ホイール175の1ステップ(1/8回動)が決定される。したがって、圧縮空気供給ラインを連続的に加圧・開放すると全ての装置に存在する全てのスペーサ担持ホイール175が同期回転される。スペーサ担持ホイール175の所望の角度位置が得られると、同じ圧縮空気供給ラインが開放され、ピストン最後尾(ステム145の側)におけるシリンダ/ピストン群141のチャンバを加圧することにより、シリンダ/ピストン群141のステム145が撤退しかつL字型ブラケット147を引張って選定されたスペーサ177に当接し、ガイドの正確な位置決めが達成される。
【0085】
別の選択肢としては、スペーサ担持ホイール175を回転するための電気ステップモーターまたは付勢される度にスペーサ担持ホイール175を1ステップ(360°の数分の1)回転させるように構成された寸法の小さい電磁アクチュエータを用意し、ホイール175に円周状に連続して結合され、該電磁式アクチュエータの押し部材の近傍に突出している一連のパドルに作用するようにしてもよい。
【0086】
他の選択肢としては、回転セレクタの代わりにリニアセレクタ、例えばスペーサ177がラック機構に取付けられているものを使用してもよい。
【0087】
プラスチック製のボトルの空気圧コンベヤの側面抑制ガイドの位置決めに関して説明したが、本発明は、支持ガイド117の位置決め、例えば、支持ガイド同士の間の空隙の幅を調整して首部の直径の異なるボトルの輸送に適合させることにも応用することができる。特に、本発明は、任意のタイプのコンベヤ、例えばベルトまたは鎖コンベヤにおける任意のガイドの位置決めに応用することができる。
【0088】
一般に、本明細書では、本発明をいくつかの可能な実施形態について説明した。当業者は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、上述の実施形態にいくつかの変更を加えることができ、また本発明の他の実施形態を発案することができることは明らかである。